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第7回 点検検証部会 議事概要
1 日 時 令和元年6月20日(木)9:30〜12:04
2 場 所 総務省第2庁舎6階特別会議室
3 出席者
【委 員】
河井 啓希(部会長)、西郷 浩(部会長代理)
、川﨑 茂、嶋﨑 尚子
【専 門 委 員】
大西 浩史、川口 大司、西 美幸
【審議協力者】
内閣府大臣官房企画調整課課長補佐
総務省統計局総務課長
財務省大臣官房総合政策課経済政策分析官
文部科学省総合教育政策局調査企画課課長補佐
厚生労働省政策統括官付参事官付審査解析室長
農林水産省大臣官房統計部統計企画管理官
経済産業省大臣官房調査統計グループ統計企画室参事官補佐
国土交通省総合政策局情報政策課長補佐
埼玉県総務部統計課長
東京都総務局統計部長
【説明者】
厚生労働省労働基準局賃金課
【事務局(総務省)】
横山大臣官房審議官、平野大臣官房審議官
統計委員会担当室:櫻川室長、永島次長、阿南次長、柴沼次長
政策統括官(統計基準担当)付:澤村統計審査官
4 議 題
(1)重点審議(最低賃金に関する実態調査)について
(2)第1次再発防止策(案)について
(3)その他
5 概 要
(1)重点審議(最低賃金に関する実態調査)について
河井部会長から、本日の議題について説明。続いて、厚生労働省から、資料1により
最低賃金に関する実態調査について説明が行われ、質疑が行われた。
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主な発言は以下のとおり。
・この調査の目的として、何を把握しようとしているのか。賃金水準の最高値と最低値
を知りたいというのであれば、復元推計の必要はないということも考えられる。
→中小零細企業・事業所の労働者の賃金改定状況等を把握し、最低賃金改定の審議に
資することを目的としている。特に、第4表の賃金上昇率が重視されている。
・調査対象地域として県庁所在地と人口5万人未満の小都市を選定するのは、賃金水準
の最高値と最低値の両端を把握したいという意図かと思っていたが、第4表は平均
値。平均を求めることが目的ならば、中間近傍のデータを調べない合理性が見出せな
い。大手術にはなるが、来年度以降は、調査対象地域も見直しが必要となるのではな
いか。
→小都市では製造業しか調べていない。県庁所在地を調べるのは製造業以外の産業を
把握したいためではないかとも考えられる。
→調査対象の選定根拠について設定当時の議論を確認できない部分があるのは事実で
あり、いただいた御指摘を踏まえ来年度以降の調査計画では、標本数配布分の妥当
性も含め検討していきたい。
・具体的に知りたい数値によって適切な調査設計は異なるので、必要なデータとは何
か、最低賃金審議会からよく聞いて検討していただきたい。その際、平均値や典型的
な値が知りたいのか、あるいは最低・最高値が知りたいのか、水準を見たいのか変化
率を見たいのか、などと具体例を示して聞くとよいと思う。
・産業別従業者数は、実態では卸売・小売業やサービス業が多くなっているのに、標本
の配分が製造業に偏ったままとなっているのはいかがなものか。精度の観点からよく
検討された方が良いと思う。また、調査設計の記述が曖昧。第三者が見ても明らかと
なるような記述を考えていただきたい。
・関連して、調査の企画についてのプロセスを教えていただきたい。
→過去、概ね5年に1度開催される目安制度のあり方に関する全員協議会において調
査設計についても議論いただいている。ただ、賃金の低い労働者の方が多い産業を
厚く見ていこうとの合意はなされていたが、標本配分の具体的見直しにまでは合意
に至らなかった。
・非常に多くの指標について議論している中では、この調査の深い部分までは審議しき
れないのではないか。他の調査に見られるように、別途省内に研究会を設けるなどの
仕組みを作ることも有用かと思う。
・調査票を見ると、
「1人おきに選んで、記入」
「何の定義も説明もなく単に"家族手
当"を記入しなさいと書いてある」など、相当以前からの表現を引きずっているよう
な印象を受ける記載も見受けられるので、調査票から見直していくことが重要と考え
る。
・最低賃金審議会における三者合意の下で進める必要があるので、厚生労働省としても
動きにくいところではあると思うが、統計の作成に関して、単にどうすればよいか、
と投げかけてコンセンサスを作ろうとしても結論は出ない。合理的なデータの取り
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方、望ましい取り方については技術的な観点に立てば一定の結論は出せるので、そう
した点を厚生労働省から具体的に、統計のユーザーである最低賃金審議会に説明して
方向付けをしていただきたい。
・賃金構造基本統計調査とは類似性がある調査だと思うので、同調査の担当部門と連携
して、ぜひ省内のノウハウを活用するとよい。
・この調査の特徴の一つとして、
(同一の労働者について)昨年の6月と今年の6月の給
与額を直接比較している、ということがあるので、調査内容を説明される際にはその
点も明らかにされると良いと思う。
・本省から直接郵送する調査方法としたのであれば、調査事務の負担は変わらないの
で、特定の市を選定して事業所を抽出する必要性もなくなったのではないか。この制
約はもはや不合理なので、
(各都道府県で)30 人未満は所在地に関係なく全て抽出対象
として調査することが合理的ではないか。最低賃金審議会へは、何を目的として具体
的にどう変えるかを明確に聞かないと結論が出ない。
・調査方法を変えると時系列の問題が出てくるのは確かだが、それぞれの事業所ごとに
昨年と今年との変化を直接聞いているこの調査では、前回調査結果との比較というこ
とについては、あまり意識しなくてもよいのではないか。
・代表値として平均値がふさわしいのかどうかも検討が必要。標本サイズが限られてお
り、産業別だと標本誤差が大きくなりがちであるため、中央値や四分位値の方が有用
で安定的な指標となるだろう。
・県庁所在地だけの集計、5万人未満の小都市(の製造業)だけの集計を並べる、とい
うことであれば集計上の意味はまだ分かりやすいが、母集団の中央に位置する市が調
査から除外されている状況では、平均値にせよ中央値、四分位値にせよ解釈するのは
難しい。一方、繰り返しになるが、最大値と最小値の差を見たいというのであれば、
現在の標本設計も一概に悪いものではない。統計として何を把握できると良いのか、
最低賃金審議会にしっかり伺っていただきたい。
・第1表から第3表については、周辺的な環境を見るために使うとのことだが、引き上
げ幅に影響があると言えるデータなのかどうか。場合によっては、やらないという選
択肢もあるのではないか。
・最低賃金をどうするかを決める立場にはないが、第4表で平均の上昇率を見るのが大
切だということはよいが、他に、分布のバラつきを見る、ということも本当は大切な
のではないか、と想像している。しかし、第1〜3表では、事業所のバラつきが見え
ない。事業所の分布に関する統計をもう少ししっかり取った方がよいのではないか。
・資料の 10 頁について、母集団情報の変更手続きを怠っていたというのは、あってなら
ないことではあるが、内容としては良い方向への変更。一方、調査結果を審議会に提
出するのみで、公表していなかったというのは最大の問題。今後は必ずホームページ
で公表していただきたい。
・最低賃金審議会において本調査結果は大事な資料として扱われていると認識している
が、それだけに変更しようとすると意見集約が難しいと思われる。政策設計の議論を
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する場と、中立的に統計技術的な観点から調査手法を検討する場とは、分けた方がや
りやすいのではないか、との印象をもっている。
・今年の調査から、労働局をはさまずに本省で直接調査しているとのことだが、その分
業務がきつくなっているのではないかと想像する。書面調査票によれば、経験5年未
満の2人だけで調査しているとのことだが、この点についてはどうか。
→率直に申し上げて、今年度の状況は厳しく、省内で応援体制を組んでもらって対応
している。来年以降は、アウトソースの活用など、検討していきたい。
(2)第1次再発防止策(案)について
事務局(統計委員会担当室)から、資料2に基づき、第1次再発防止策(案)につい
て説明が行われたのち、質疑が行われた。
主な発言は以下のとおり。
・調査票の構造が複雑であるためにプログラムの複雑化を招き、結果としてミスが増え
ているという観点から、調査票自体の不断の見直しなどに触れておいた方が良いので
はないか。
→以前に御指摘いただいたので、II.1.の部分で、「(例:回答誤りが多発している場
合、調査票や記載要領の見直し)を行う」という形で既に記載している。また、プ
ログラムミスについては今後重点審議を進めるので、その中でも報告書への反映を
検討いただけるのではないか。
・内容についてはさておき、見せ方として、改善策だけを取り出して一枚紙のようなも
のを作ってはどうか。
・本文の階層が複雑になってきているので、最初に概要を示す、改善策の部分だけ箱書
きとして線で囲う等の工夫は可能か。
→部会長と相談し、工夫したい。
河井部会長より、細部修正の上、本案を部会決定として良いか発言があり、了承され
た。
(3)その他
次回部会日程は7月 19 日(金)
、場所等詳細は改めて連絡する旨、事務局から案内され
た。
以上
<文責 総務省統計委員会担当室 速報のため事後修正の可能性あり>

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