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第5回 点検検証部会 議事概要
1 日 時 令和元年5月23日(木)9:30〜10:39
2 場 所 総務省第2庁舎7階大会議室
3 出席者
【委 員】
河井 啓希(部会長)、西郷 浩(部会長代理)
、川﨑 茂
【専 門 委 員】
大西 浩史、西 美幸
【審議協力者】
内閣府大臣官房企画調整課長
総務省統計局総務課長
財務省大臣官房総合政策課経済政策分析官
文部科学省総合教育政策局調査企画課長
厚生労働省政策統括官付参事官付審査解析室長
農林水産省大臣官房統計部統計企画管理官
経済産業省大臣官房調査統計グループ統計企画室長
国土交通省大臣官房政策立案総括審議官
埼玉県総務部統計課長
東京都総務局統計部長
【事務局(総務省)】
横山大臣官房審議官、平野大臣官房審議官
統計委員会担当室:櫻川室長、永島次長、阿南次長、柴沼次長
政策統括官(統計基準担当)付:澤村統計審査官
4 議 題
(1)第1次再発防止策素案について
(2)重点審議の対象について
(3)今後の進め方について
(4)その他
5 概 要
(1) 第1次再発防止策素案について
事務局(統計委員会担当室)から、資料1に基づき第1次再発防止策素案について説
明が行われ、質疑が行われた。議論を踏まえ追加・修正を行い、部会素案として部会
長より統計委員会に報告することとなった。具体的な文面については、部会長に一任
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された。
主な発言は以下のとおり。
・回答誤りの問題があまり書かれていない。今回の点検で気がついたことは、回答者に
起因する誤りが起きていたこと。システムによるエラーチェックも大事だが、回答者
の記入誤りの多いところを調べて、プロセスにフィードバックし、改善につなげると
いう視点を入れられないだろうか。もうひとつ、7ページに利活用の促進としてオン
サイト施設やe-statのことが書かれているが、データの保存と利用の促進は表裏一体
という側面がある。過去にデータアーカイブの議論があったと思うが、その考え方を
活用できないかと思った。
・これらの対策の実効性を担保することが何よりも大事。6ページの調査計画を一元的
にデータベース化して横並びで閲覧可能とすることと合わせて、それに対して調査し
た結果がどうであったか、計画や目標数値に対して進捗がどうだったか等についてデ
ータベース化して公表することで計画の妥当性や無理がなかったかなどの検証、改善
につなげることができる。それをさらにシステム化して、担当者の作業が遅れてい
る、忘れているといったことについて、システムがアラートを発して注意喚起するよ
うな仕掛けが作れると実効性をより高めることができる。
・3ページのICT活用推進について総論としては賛成であるが、プロセスによってI
CTになじみやすいもの、なじみにくいものがある。エラーチェックなどはシステム
化になじみやすいが、ICTにこだわりすぎると柔軟性が失われるおそれもある。I
CT推進においては、各プロセスでのICTとの親和性を確かめつつ進めることが必
要。国土交通省などでは、エクセルのような一般ソフトを職員がうまく利活用して処
理しているという印象を受けた。
・感想であるが、第一次再発防止策を統計委員会の中で、どう位置付けるのか。点検検
証というと今あるものを確かめるという意味合いが強いが、資料1の表題はそれ以上
のことも含めてあるように読める。統計委員会に上げて、将来の改善のために、どう
活かしていくのかの検討が必要だと思う。9ページに職員の処遇についての踏み込ん
だ記載があり、私は制度に組み込んでもらいたいが、組織が関わる話なので、簡単で
はないと感じている。ただし、今回の点検は今回でおしまいという形にするのでな
く、続けると同時に、点検結果を公的統計の品質改善に活かしていくにはどうしたら
いいかを統計委員会で話していければと思う。
・私から2点。10ページの政府全体の統計ガバナンスの確立ということで総務省、統
計委員会の役割について。調査計画の履行状況の点検は普段からやられていることだ
と思うが、今回行ったプロセスを含めたチェックは、今回問題が起こったから実施し
たというだけでなく、今後もこういうチェックを実施する仕組みが作れると良い。点
検には調査計画の履行状況だけでなく、プロセスも含められないだろうかと思ったの
が一つ。もう一つは10ページの改善策の文章は良いが、各府省にとって、何が大事
なのかが忘れ去られる懸念がある。再発防止策のチェックリストを作成し、項目ごと
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の数量目標に基づいて、適宜チェックできる仕組みがあった方がより分かりやすいの
ではと思った。
・今回は素案なので、全体の報告はこれから考えることが必要。10ページの履行状況
の点検は、4ページのシステムを用いたエラーチェックの徹底にも類似性がある。関
連事項をどう整理して、チェックリストのアクション項目を網羅するかが大事にな
る。報告書においては、検証結果と報告の関係性を説明することが必要。そのために
添付資料の整理が必要である。問題事案の審議は既に済んだものとしている印象があ
るが、資料1の最初の部分(これまでの経緯)について、何を根拠としてこのような
記述が導かれているのか、その根拠を添付資料として明示しておくことが必要。
・今回の点検結果として見えてきた問題に対する短期的な対処をまずしっかりと講じる
ことが重要であることは論を待たないが、中長期的な恒久的対策にも触れるべきでは
ないか。将来的には、回答者をマスター、基点として、どの人なり法人が過去、どう
いう回答をしたのかを紐付けて一元的に管理でき、去年回答した調査結果をすぐに引
き出して、今年分の変更点だけを直せば良いという回答者ファーストのデータオリエ
ンテッドな仕組みに統計全体の考え方を転換していくべき。
・今の意見について、回答者の利便性向上やそのための回答の再利用に異議を唱えるも
のではないが、回答者が企業と個人では異なる。個人情報の扱いは非常にセンシティ
ブなものであるので、企業と個人を分けて考えたほうが良い。
(2) 重点審議の対象について
事務局(統計委員会担当室)から、資料2に基づき重点審議の対象(案)についての説
明が行われ、質疑が行われた。議論を踏まえ修正を行い、部会として決定し、部会長
より統計委員会に報告することとなった。具体的な文面については部会長に一任され
た。
主な発言は以下のとおり。
・人口動態統計については、内容が非常に特殊であるので、重点審査に含めても、そこ
で得た教訓を一般化することが難しいと思う。今回は取り上げなくても良いのではな
いか。
・重点審議の目的について確認したい。重点審議では、一般的な教訓を得るために行う
ものであると考えて良いか。
→そのとおり。
・その上で、学校基本調査については既に文部科学省としても課題認識があり、すでに
改善を目指して取組を開始しているのでターゲットにするかどうかは考えてもよいと
思う。また、委託先でのプログラムミスの事案については、複数の調査を対象として
取り上げるのか。
→プログラムミスの対象についてはきちんと取り組んでいるところを参考にし、こうし
た方がミスが起きにくくなるという点について論じていただく方向を考えている。
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・学校基本調査については悪いから見るというのではなく、文部科学省の取組状況を聞
くというのも、システム面で課題となるところにとっては参考になるのでは。プログ
ラムミスについては、ベストプラクティスもよいが、プログラムミスによる誤りとい
っても様々なものがあり、会議で話を聞かなくても良いが、事例を集めて共通性を見
いだすという準備作業は考えた方が良い。バッチ処理とインタラィクティブ処理でも
ミスの発生のしやすさ、チェックのしやすさが違っており、ミスの形態の類似性を見
るために、事前に整理が必要。
・プログラムについては、標本設計に対応するように発注する場合、適切な仕方が難し
いと認識。問題がなくても、複雑な標本設計に対応するプログラムを発注する場合、
発注の仕方自体について、仕様書にどう書くのかということも議論が必要。
・標本設計をプログラムにどう作り込んでゆくかというのが難しいところ。ベストプラ
クティスを見るとしても、システムで処理している例と、システム外で職員がエクセ
ル等でうまく対応しているケースの両方を見てみたい。熟練者がいれば、システム化
しなくても統計の作成は可能。システム化を進めて処理をまかせたとして、その場合
に職員は何をしていればよいのか、どのように確認をしているか、そういった視点も
必要。
・毎月勤労統計、最低賃金に関する実態調査、労務費率調査は重点審議の対象として決
定。人口動態統計は一般性が乏しいため対象から外す、学校基本調査はベストプラク
ティスの一つとして改善の取組状況について見る、ということで良いか。
また、プログラムミスについては、発注の仕方の問題を見ることと、誤った事例はど
ういうところで間違ったかを知るため、ベストプラクティスはエクセル等で柔軟に対
応している例やシステムと併用している例を見るため、システム化ありきではない、
という意見を踏まえて、具体的な候補はまだないが、書面調査票の結果をベースに整
理し再提案する。統計委員会への報告については、私に一任いただきたい。統計委員
会で了承が得られれば、6月から重点審議を始めたい。
→(了承)
(3) 今後の進め方について
河井部会長から、資料3に基づき今後の進め方について説明が行われ、了承された。
主な発言は以下のとおり。
・重点審議では調査ごとに深掘りする視点は分かれるという認識で良いか。
→その通り
・どのくらいの密度、粒度で重点審議を行うのか、現地に行ってシステムドキュメント
を見てといったところから行うのか、その当たりのイメージを教えてほしい。
→現地に行くことまでは考えていない。基本的には、こちらから視点を提示し、提示
したものに対して、対象調査の担当者に来てもらい、質問に回答してもらう形をとり
たい。
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(4) その他
次回部会日程は 6 月 13 日(木)
、場所等詳細は改めて連絡する旨、事務局から案
内された。
以上
<文責 総務省統計委員会担当室 速報のため事後修正の可能性あり>

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