-1-第3回 統計制度部会 議事録
1 日 時 平成30年12月7日(金)14:15〜14:50
2 場 所 総務省第2庁舎6階特別会議室
3 出席者
【委 員】
北村 行伸(部会長)、清原 慶子
【臨時委員】
縣 公一郎、藤原 靜雄
【審議協力者】
総務省、財務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、厚生労働省、
東京都、千葉県、日本銀行
【諮問者】
総務省政策統括官(統計基準担当)
:津村参事官
越統計企画管理官補佐
【事務局(総務省)】横山大臣官房審議官
北原統計政策統括官(統計基準担当)付企画管理官
統計委員会担当室:櫻川室長、上田次長
4 議 事
統計法施行規則の改正について
5 議事録
しろまる北村部会長 それでは、少し早いですけれども、皆さんお集まりですので、ただ今から
第3回統計制度部会を開催いたします。お集まりの皆様におかれましては、師走のお忙し
い中、御出席いただき、ありがとうございます。
それでは、本日用意されています資料について、事務局から簡単に御説明をお願いしま
す。
しろまる上田総務省統計委員会担当室次長 それでは、お手元の資料につきまして、議事次第と
ともに確認させていただきたいと存じます。
本日の議題ですが、
「統計法施行規則の改正について」ということで、配布資料ですが、
資料1といたしまして、施行規則の改正についての答申案。それから、資料2といたしま
して、
「施行規則の一部改正に係る審議結果報告」
。これは、非諮問事項に関する審議結果
の御報告になります。それから、資料3といたしまして、
「統計法施行規則の一部を改正す -2-る省令案 法技術的修正について」という縦書きで新旧対照表を用意させていただいてお
ります。それから、参考の1といたしまして、諮問の概要の資料。参考の2といたしまし
て、
本委員会で部会報告をさせていただいた際に使用しました資料をお付けしております。
それから、委員の皆様、委員と臨時委員の方だけにお配りしておりますけれども、まだ確
認が済んでいない状況ですので、議事概要につきましては、委員と臨時委員の皆様のみに
御参考までに席上配布させていただいております。過不足等はありませんか。よろしいで
しょうか。
しろまる北村部会長 それでは、議事に入ります。
「諮問第 120 号統計法施行規則の一部改正につ
いて」の諮問についてです。
まず、前回、事務局から、統計法施行規則の一部を改正する省令案についてパブリック
コメントを実施しており、この結果について、本日、総務省政策統括官室に報告いただく
との申出がありましたので、総務省政策統括官室から御報告お願いいたします。
しろまる津村総務省参事官 報告させていただきます。
10 月 31 日から 11 月 29 日までの間、パブリックコメント手続、意見公募手続をさせて
いただきました。こちらにつきましては、11 月 29 日消印の郵便まで有効でありましたけ
れども、現在まで意見が提出されていませんので、意見なしということで手続を終了して
いるところです。
以上です。
しろまる北村部会長 続きまして、11 月 22 日の統計委員会において、私から、参考資料2によ
り、本部会における審議状況について説明したことを報告いたします。
出席された委員の方々からは、特段、御意見はなかったのですが、委員長から、統計法
施行規則の改正については、今回の法改正の大きな柱である調査票情報の提供範囲の拡大
など、二次的利用に関する条件や手続等の具体化が盛り込まれているものであり、利用者
の注目度が高いものである一方、統計調査に対する国民の信頼を確保する観点から、情報
保護を制度的にしっかりと担保する必要があり、統計制度部会においては、この両面の立
場から、
引き続き丁寧な審議をよろしくお願いいたしますとのコメントをいただきました。
お伝えします。
続きまして、事務局に指示して整理していただいた答申原案と、非諮問事項ではありま
すが、見解を求められた調査票情報の提供等の公表事項・手続に関する審議結果報告案に
ついて審議します。
私から、資料1と資料2について説明しつつ、議論できればと考えています。
初めに、答申案を御覧ください。
まず、答申案の構成について説明させていただきます。
1の統計法施行規則の一部改正についてですが、
(1)の適否について、これまでの審議
を踏まえ適当と認められるとの結果を記載しています。括弧で案2の場合とありますが、
これは後ほど説明しますが、調査票情報の提供等の条件として相当の公益性を有する統計
の作成等について意見が分かれたところであり、本日、どちらの意見に基づいた案を部会
として採用するか議論していただくことに応じて、場合分けして記載してあります。 -3-続きまして、
(2)の理由等ですが、
(1)で適当と認められるとすることについて理由
等を記載したものであり、主な審議事項であるアからウごとに、これまでの部会の審議に
沿って、確認した内容を明記し、それについての評価と部会としての結論を個別に記載し
ています。アの部分には、先ほど申しました意見が分かれた2案を含んでいます。
続きまして、4ページ目を御覧ください。
2の施行に当たっての課題ですけれども、統計法の施行後、この省令に記載されている
内容を運用する上で必要だと考える内容について、諮問者に求める形で記載しています。
この内容も部会での審議において出された意見をまとめる形で記載しています。この内容
も部会での審議において出された意見をまとめる形で2つの案を含んで記載しています。
それでは、もう一度1ページに戻っていただいて、審議事項アからウごとにその内容を
説明させていただきます。
最初にアですけれども、調査票情報の提供等の条件としての相当の公益性を有する統計
の作成等についてです。
1の(2)の理由等において、調査票情報の提供等の条件としての相当の公益性を有す
る統計の作成等については、改正規則案の内容は、情報の利活用の必要性と情報の保護の
必要性とのバランスがとれた、調査票情報の具体的な利活用の範囲(相当の公益性を有す
る統計の作成等)であると認められるとしています。その上で、その結論として案1及び
案2を併記しています。
これは既に議論したところで、
もう一度繰り返しますが、
案1では、
この部分について、
改正規則案の内容は適当と判断したと記載しています。加えて、なお書きとして、この部
分について、実質的な判断が必要との考えから、分かりやすい解釈上の要件等を設定する
ことが必要、と記載しています。
案2では、この部分について、改正規則案の内容はおおむね適当と判断した上で、専修
学校及び当該学校に所属する教員について、改正規則案第 19 条第1項第1号イ(1)から
(3)に含まない修正が必要である旨を記載しています。加えて、バスケット規定である
同号イ(4)において、これらの者について、調査票情報の提供を受けることができる者
かどうか実質的に判断することが適当としています。
これを受けて、4ページ目、2の施行に当たっての課題の(1)の調査票情報の提供の
条件において、案1では、改正規則案第 19 条第1項第1号イの(1)から(3)に掲げら
れた者について、
学術研究の発展に資すると認められる統計の作成等の具体的内容として、
組織としての裏書等、分かりやすい解釈上の要件等を設定することが必要としています。
また、案2では、改正規則案第 19 条第1項第1号イ(2)の教員について、学術研究の
発展に資すると認められる統計の作成等の具体的内容として、
所属する組織の裏書を求め、
同号イ(4)については、同号イ(1)から(3)の場合以外のものとして、調査票情報
の提供を受けることができる者かどうか実質的に判断する対象とすることが適当としてい
ます。
加えまして、案1、案2どちらにも共通することですが、改正規則案第 19 条第1項第1
号イ(4)の該当性を確認する場合の例として、これまでの審議においては明示されてお -4-りませんでしたが、博士の学位の授与を受けるための論文を作成する大学院の博士課程の
学生や、大学等の教員ではないもののポストドクター等の研究者が学術研究目的で調査票
情報の提供の依頼の申出をする事例を記載いたしました。
もちろん、
これらの事例のような調査票情報の提供の依頼の申出が実際にある場合には、
個別具体的に提供の条件について審査した上で、同号イ(4)の該当性についての判断が
行われることを前提としていますが、調査票情報の提供を認める場合の事例として統計委
員会として示しておくことが今後の学術研究の発展のために必要と考えられるため、私の
判断で追記させていただきました。
この部分についても御意見をいただきたいと思います。
いずれの案も、実質的に判断する必要がある部分について、それが可能となるよう、総
務省において省令の解釈としてガイドライン等に、このような要件又は例示を明記するこ
とを求めるものといたします。
ここで、まず、今までの部会で特に議論になっていましたアの調査票情報の提供等の条
件としての相当の公益性を有する統計の作成等のうち、意見が分かれている専修学校の専
門課程の取扱いについて審議をしたいと思います。
前回の部会では、案1と案2で意見が分かれましたが、両者がその後、最後の方では歩
み寄りが見られたと思うのですけれども、その結果、今後の運用において、省令の解釈と
してガイドライン等で、学術研究の発展に資すると認められる統計の作成等の具体的内容
について、組織の長の承認や倫理委員会等の審議を経る等組織としての裏書等、分かりや
すい解釈上の要件を設定することとして、おおむね、案1とする意見に集約されつつあっ
たのではないかと私は理解しています。
また、私も、前回、申し上げましたが、将来的には専修学校の専門課程においても、今
後、調査票情報の利活用が進む可能性もあることを考えますと、案1が適当ではないかと
考えております。
清原委員と石井委員が案2についてサポートするというお立場を前回取られたのですけ
れども、案1を採用するということでよろしいかどうか、もう一回伺いたいと思います。
どうぞ。
しろまる清原委員 はい。ありがとうございます。三鷹市長、清原です。
前回、私は当初の発言では、まず、この制度の発足を慎重に案2でいかがかと発言いた
しましたが、委員の皆様の御発言を伺うとともに、今回も4ページで、調査票情報の提供
の条件として列挙されております研究実績について、例えば、組織であれば、その具体的
な研究実績、大学など組織に所属する教員であれば、当該者の学位、査読付論文の実績、
当該組織の長の承認や、倫理委員会の審議を経ると、組織としての裏書等が設定されてい
ます。
私としては、自分自身も研究者で、とりわけ、今回、部会長が5ページの最後に記述し
ていただきました、博士の学位の授与を受けるための論文を作成する博士課程の学生や、
ポストドクターの活用も大いに期待されるところでありますし、まさに私自身がそのよう
な経験を持っておりますので、総合的に判断をさせていただきまして、私も案1の改正規
則案の内容を適当と判断したいと思います。このことにつきましては、統計法改正の趣旨 -5-を今一度確認させていただきまして、まさに適正な学術振興のための貢献としてデータを
活用する意味でも有効であると思いますし、併せて慎重に、先ほど言いました、裏書も含
めた手続についても条件とするということとのセットで望ましいのではないかと判断いた
しますので、私としては改めまして、前回の議論、そして、本日のこの答申案を拝読して、
案1とさせていただきます。
しろまる北村部会長 ありがとうございました。
本日、御欠席ですけれども、石井臨時委員から何か意見があれば、事務局から。
しろまる上田総務省統計委員会担当室次長 事務局から石井委員に事前に御説明させていただい
た際の御見解を紹介したいと思います。
石井委員も、
結論から言いますと、
案1で構わないという御見解を聞いておりますので、
お伝えいたします。
しろまる北村部会長 ありがとうございました。
それでは、ほかの委員の皆さんから御意見はありますでしょうか。よろしいですか。
縣委員、どうぞ。
しろまる縣臨時委員 私は従来どおり、案1を支持いたします。今回の調査票情報の提供範囲の
拡大によりまして、その趣旨のとおり、学術研究の発展に資し、かつ、当該の政策情報の
充実が図られると考えます。それによって、従来から行われている政策に対する評価及び
将来作成すべき政策の構想といった点で、国民の各位ができる限り当事者性をもって考え
ていくという素地が生まれるものと期待しまして、賛成いたします。
しろまる北村部会長 では、藤原委員、お願いします。
しろまる藤原臨時委員 私も前回同様、案1で結構だと思います。今、縣委員がおっしゃったよ
うに、制度改正の趣旨を踏まえるということと、もう1つは、先ほど清原委員もおっしゃ
ったように、解釈上の要件等を分かりやすく、現場で使いやすいように条件設定していた
だくということで、案1でよろしいのではないかと思っております。
以上です。
しろまる北村部会長 ありがとうございます。
それでは、取りまとめたいと思います。
専修学校の専門課程の取扱いについては、案1を採用したいと思います。よろしいでし
ょうか。(「異議なし」の声あり)
しろまる北村部会長 それでは、案1を採用させていただきます。
引き続き、専修学校の専門課程の取扱以外につきましては、特段、御意見が大きく分か
れてはいませんでしたが、このため、専修学校の専門課程の取扱い以外の答申案につきま
しては、1つの案を御提案させていただきます。
また、非諮問事項ではありますが、見解を求められた調査票情報の提供等の公表事項・
手続に関する審議結果報告案についても合わせて審議したいと考えています。
まず、委託による統計の作成等及び匿名データの提供の条件としての相当の公益性を有
する統計の作成等についてです。 -6-資料1の2ページの下段を御覧ください。
委託による統計の作成等及び匿名データの提供は、
制度導入後 10 年間にわたり安定して
運用されていること。これらの制度は調査票情報自体が提供されるものではなく国民等の
統計調査に対する信頼を損なうおそれが小さいと考えられること。今回の統計法改正の国
会審議において、これらの制度については官民データ活用推進基本計画において解決が期
待できる8つの重点分野のいずれかに関する統計の作成等で、当該統計の作成等が国民経
済の健全な発展等に寄与するものに提供対象を拡大する方向で説明され、改正規則案はそ
の内容に沿っていると評価できることなど、
審議において確認したことを記載しています。
また、その結論として、委託による統計の作成等及び匿名データの具体的な利活用の範
囲として適当であると判断され、省令レベルの規定としては、委託による統計の作成等及
び匿名データの提供を受ける者にとって明確な基準となっていること、統計調査の対象者
にも説明できるものと認められることから、改正規則案の内容は適当と判断した旨を記載
しています。
次に、調査票情報の適正管理措置についてです。
資料1の3ページの中段を御覧ください。
イの調査票情報の適正管理措置について、審議の際、新たに創設される改正後の統計法
第 33 条の2の規定による調査票情報の提供について、
適正管理措置のレベルはより高くな
るものと整理して改正規則案が策定されていること。このようなレベルの管理リスクを運
用上担保するため、オンサイト施設の利用を想定しているとの説明を受けて、オンサイト
施設の利用の場合の適正管理措置の内容も確認したこと。調査票情報の適正管理措置とし
て、物理的措置として調査票情報を取り扱う区域への立ち入りの制限措置はもちろんのこ
と、当該区域の常時監視措置の条件が課されているなど、オンサイト施設での利用を前提
としたレベルでの適正管理措置となっていることを確認したことを記載いたしました。
このほか、改正規則案の内容は、調査票情報の提供の場合と匿名データの提供の場合を
分け、匿名データに係る適正管理措置は、調査票情報に係る適正管理措置よりもその求め
られる公益性の程度に応じたものとされていることなども確認いたしました。
これにより、改正規則案は、保護すべき情報に応じた必要十分な適正管理措置となって
いること。今回の統計法の改正の趣旨を踏まえ、調査票情報等の利活用の推進に関し、実
務上の問題はないこと。省令レベルの規定としてはどの主体がどのような適正管理措置を
果たすべきか明確になっていること。他の制度と比較して必要十分な措置となっているこ
とから、適当と判断した旨を記載しています。
資料1の5ページの中段を御覧ください。
ただ今、説明したことを受けて、2の施行に当たっての課題の(2)の調査票情報等の
適正管理措置において、改正規則案の要件は適当とするが、本委員会として、総務省にお
いて改正規則の解釈を示すガイドライン等に、分かりやすい説明を記載することなどを求
める旨を記載しています。
次に、調査票情報の提供等に関する手続についてです。
戻っていただいて、資料1の4ページの上段を御覧ください。 -7-ウの調査票情報の提供等に関する手続について、調査票情報の提供に関する手続につい
ては、
約 10 年の運用実績を持つ匿名データの提供手続に係る現行の統計法施行規則に準じ
たものであることなどについて確認いたしました。
これにより、改正規則案の内容は、調査票情報の提供等の条件や提供された調査票情報
の適正管理措置を確認する手続として必要十分であること。他の制度と比較して適正な手
続であり、過重な手続となっていないことから、適当と判断したと記載しています。
次に、資料2の統計法施行規則の一部改正に係る審議結果報告案を御覧ください。
これらは、総務省から見解を求められた2つの事項について、審議の結果を記載してい
ます。諮問事項ではないため、資料1の答申原案とは別に、審議結果報告案としてまとめ
ています。
特に、
1の改正規則案第 13 条等で申出人個人の職業を公表事項とすることの適否につい
ては、部会での審議の結果のとおり、公表事項として、職業だけではなく、その所属につ
いても公表事項とするべきとし、改正規則案の修正が望ましいとしています。
これについては、併せて、改正規則案の修正案も記載しています。
この修正案は、資料にも説明を記載していますが、調査票情報の提供を受けた方が、例
えば、大学の名誉教授のように現在の所属が必ずしも明確でない場合に、その方の所属を
必ず公表しなければならないとすることが改正後の統計法が求めるものだとは考えられな
いことから、このような場合も想定し、具体的な事案に即して公表事項を定めることが適
当と考えて修正案として提示しています。
2の改正規則案第 15 条等で2段階目の公表を原則として3か月以内とすることの適否
については、原則とあることも含め、研究者としての経験から無理のない範囲と評価し、
適当と記載しています。
私からの資料の説明は、以上です。
これまでの議論について、御意見、御質問があれば、伺いたいと思います。よろしいで
すか。前回までかなり議論させていただいて、いろいろ意見も出尽くしたと思いますけれ
ども、清原委員は部会長代理でもありますので、最後に一言お願いできますでしょうか。
しろまる清原委員 はい。ありがとうございます。清原です。
今、お示しいただきました資料1、資料2は、これまでの議論を総括していただいたも
のであり、私自身、賛同いたします。そこで御提案をさせていただきます。と申しますの
は、この改正規則案施行後の運用状況のフォローアップの必要性を感じていまして、その
ことについて御提案をさせていただきます。
今までの部会審議を通じまして、調査票情報の利用範囲の拡大というのは、一方で、学
術研究の発展のために重要ですが、他方で、国民の統計調査への信頼にも関わる重要な事
項であると感じました。
北村部会長が第 128 回統計委員会で御報告された後、
委員長から、
この取組は統計改革の1つの大きな柱であるとともに、二次利用の条件を吟味しながら、
利用の拡大を図ってほしい一方で、国民の信頼を得るために、情報保護のことにも配慮し
てほしいと、このように問題提起をしていただきました。そこで、私が提案したいのは、
引き続き統計委員会として、改正法の施行後、定期的に改正規則案の運用状況を把握して -8-必要に応じて省令の改正を求めてはどうかと、このように考えます。
私自身、先ほど案の1に至る経過で個人的な経験なども申し上げたのですが、一方で、
現在、
市長という責任を果たしながら、
国勢調査など、
一部の統計調査の実施においては、
まさに国民、市民の信頼を得なければ実施できないという経験を重ねています。
このような立場から申し上げますと、国民、市民が御協力いただいた調査情報につきま
して、その提供範囲の拡大は、一方で国民の皆様が乱用にならないか、個人情報が侵害さ
れないかという不安をお持ちなのも分かるのですね。しかしながら、今回は改正後の統計
法第 33 条の2の規定によりまして、
提供自体はオンサイト施設の利用を想定しているため、
一定の安心が保証されています。しかし、そうは言いながら、やはり国民の感情というの
も慎重に考えていきたいなとも思います。
そこで、調査票情報の提供に加えて、委託による統計の作成や匿名データの提供につい
ても、制度導入後 10 年間にわたり安定して運用されていることから、今回もおそらく大丈
夫だと思いながら、慎重な制度運用を期待するというフォローアップを、この部会から提
案しておくというのは重要なことではないかなと思います。
他方では、先ほど北村部会長が加えていただいた、博士課程の大学院生であるとか、ポ
スドクの立場であるなどの配慮は極めて有用ではないかなと拝察します。私自身が専任の
職がない中、いわゆるポスドクとして非常勤講師をしながら、しかし、研究には相当一生
懸命だった時期があり、
その調査票情報の利活用を、
そうした対象者にも向けていきたい。
それがどのぐらい実績があるかということも把握させていただければなと思っています。
以上、申し上げましたように、委員長からの御示唆もありますように、一方で二次利用
の活用によって学術研究、あるいは国民、市民の様々な課題解決に向けた利用がなされれ
ばいいなと思いつつ、反面、慎重な制度の運用を謙虚に検証していくことを提案すること
は不可欠なことではないかなと思っています。まとめて申し上げますが、改正規則案の施
行後の運用状況のフォローアップを統計委員会で是非担っていくことが望ましいといった
方向性を共有していただければありがたいと思います。
以上、提案です。よろしくお願いします。
しろまる北村部会長 ありがとうございました。私も賛同させていただきたいと思います。
縣委員、何かありますか。
しろまる縣臨時委員 今の清原部会長代理の御意見に賛成します。その上で、この関連は、制度
的な位置付けが今一つ私には分からないのです。二次利用研究会というものが従来から存
在していて、そこがまさにオンサイト利用の考え方の素地を作り、また、匿名データの在
り方についても他国との比較で議論してきたことがあります。そこで、今、御提案の利用
状況のモニタリングということは、やはり議論していた記憶がありますので、そちらの内
容も踏まえつつ、是非、統計委員会という全体の立場として、その点を御考慮いただくこ
とについて強く支持したいと思います。
しろまる北村部会長 どうぞ。
しろまる藤原臨時委員 私は清原代理の御提案に全面的に賛成いたします。その際、できれば定
期的とおっしゃったのがどのぐらいのスパンにするかということが大事だということと、 -9-おおむねどういうことを御報告いただくかも、一度は統計委員会で議論いただきたい。特
にタイムスパンについては、積極的に御報告いただけるような方向の期間にしていただき
たいなと思います。
以上です。
しろまる北村部会長 ありがとうございました。
統計委員会に御報告して、どういう形で今後これを見直していくような仕組みを考える
かというのは、こちらで引き取らせていただきたいのですけれども、何か事務局なり、政
策統括官室で御意見があれば。
しろまる上田総務省統計委員会担当室次長 事務局です。これまでの運用の中で統計法の中にも
年に1回、統計法の施行状況について、きちんと総務省が取りまとめたときには報告する
というフレームがあります。ですので、運用状況につきましては、必ず年1回、統計委員
会に御報告させていただきます。その中で、定期的に、年1回でまとめてとすることが望
ましいのではないかと考えていますが、私どもも含めて、委員の皆様方の今の御意見も含
めまして、部会長と御相談しながら案を作らせていただきたいと思います。
しろまる北村部会長 それでは、意見も出たところで、これまで3回にわたる部会審議の中で、
委員、臨時委員の皆様が、いろいろなお立場、御経験、御見識から御意見を述べられ、有
意義な議論ができたと思っています。
その中で、
調査票情報の利用範囲の拡大は、
学術研究の発展のために重要である一方で、
国民の統計調査への信頼に関わる重要な事項であり、非常に難しい課題だということも明
らかになったかと思います。
清原委員の御意見のとおり、これらの難しい課題は、今回の結論をもって終わりとする
のではなく、統計委員会でも引き続き対応していただき、事務局からもありましたが、ど
ういう形を取るかというのは、こちらでまた検討させていただきたいと思っています。
今の対応も含めて、それについては部会長の私に御一任いただければと思います。よろ
しいでしょうか。(「はい」の声あり)
しろまる北村部会長 それでは、そのように対応させていただきます。
以上のほか、資料3については、総務省政策統括官室から提出された資料ですが、これ
について、御説明をお願いいたします。
しろまる津村総務省参事官 資料3を御覧いただければと思います。法技術的修正ということで
資料を作らせていただきました。見ていただければお分かりかもしれませんが、中身につ
いて変えるものではないのですけれども、非常にお恥ずかしい話ですが、文書審査的にい
かがなものかといったものが幾つか見つかりましたので、それについて、現状このような
ことを修正する必要があるのではないかと、見つけたものを御報告させていただくもので
す。
非常にお恥ずかしい話ですが、入れ子関係の記述の仕方とか、引用の仕方、あるいは同
じ内容を示しているはずのものが別の文言になっていたとか、そのようなものを修正する
ものです。
-10-
以上、報告です。
しろまる北村部会長 ありがとうございました。
いずれも統計法施行規則の一部を改正する省令案の実質的な内容を変更するものではな
く、法技術的な意味での修正と認められますが、そのように対応させていただくことでよ
ろしいでしょうか。(「異議なし」の声あり)
しろまる北村部会長 また、
更にもしかしたら修正が出てくるかもしれないということですので、
総務省においては引き続き精査していただいて、最終的に公布されるまでの間、改定をし
っかりやっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
それでは、もう一点、これは 11 月 22 日の統計委員会において、統計制度部会の審議状
況に対する委員長のコメントを報告させていただきましたが、合わせて、匿名データを所
管する統計制度部会長である私に対して、匿名データの利用者への早期提供に向けた検討
について、指示がありました。
具体的には、委員長から、1年前に住宅・土地統計調査の匿名データについて審議した
際、匿名データの作成時期が遅く、もっと早期化すべきと委員から指摘されたと記憶して
いること。そのため、匿名データの利用者への早期提供に向けて、統計委員会の審議をよ
り計画的かつ効率的に実施していくことが必要であること。そこで、統計制度部会におい
て、提供の早期化につながる今後の統計委員会審議の計画的かつ効率的な実施について検
討し、2月を目途に本委員会に御報告いただきたいという宿題をいただきました。
委員長からの指示に対応したいと考えますが、匿名データの作成手続等は専門的な議論
になりますので、部会で審議する前に、まず、私の方で専門家に意見を聞くなど原案を作
成したいと考えています。
専門家を集めて意見を聞く際には、委員、臨時委員の皆様にもお声掛けをいたします。
御関心を持たれている方があれば、御参加していただきたいのですけれども、皆様もお忙
しいでしょうから、こちらにお任せいただければ、原案を作成して、その後で、部会にお
諮りしたいと思っています。
委員長の指示につきましては、このような取扱いで、細部については部会長である私に
御一任いただければと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしいですか。(「異議なし」の声あり)
しろまる北村部会長 ありがとうございます。
それでは、そのように取り扱わせていただきます。
大分早く進みまして、本日用意しました議題は以上です。
それでは、今後について、事務局から連絡をお願いします。
しろまる上田総務省統計委員会担当室次長 それでは、本日、御決定いただきました答申案と非
諮問事項ではありますが、御意見を頂戴いたしました審議結果報告案につきましては、次
回開催される統計委員会、具体的には 12 月 17 日(月)に開催される委員会にて最終的に
御審議をいただくことになります。
また、次回の統計制度部会につきましては、今、北村部会長から御相談させていただき
-11-
ましたとおり、匿名データの利用者への早期提供に向けた検討について御審議いただく予
定になると考えています。
具体的な日程につきましては、調整の上、追って、委員の皆様に御相談させていただき
たいと存じます。
しろまる北村部会長 本日、統計制度部会として、初めての答申案と審議結果報告案を取りまと
めることができました。
委員、臨時委員、審議協力者を始め、審議に御参加いただいた皆様には、部会長として
厚く御礼申し上げます。
それでは、
本日の部会審議は、
これで終了いたします。
どうもありがとうございました。

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