行政相談を契機とした
「タクシーの障害者割引適用時の適正対応に関する調査」結果
平成31年3月20日
東北管区行政評価局
タクシーの障害者割引(事業者負担)を適用する際には、障害者手帳の写真により本人確認
を行うこととされており、氏名等の個人情報を記録しないよう以前から周知されていました。
しかし、平成30年10月、総務省行政相談センター「きくみみ秋田」に、個人情報を記録された
との行政相談が寄せられました。
東北管区行政評価局は、障害者割引の実態を把握するため、東北6県内の法人タクシー事
業者等を対象に標記調査を実施し、次のような苦情・トラブルの例があることを確認できたことから、
改善を促すため、平成31年3月20日、国土交通省東北運輸局に必要な事項を通知しました。
(照会先)
総務省東北管区行政評価局
評価監視官 庄司 雅彦
☎ 022-262-84641利用者 事業者
精神障害者にも割引を
適用してほしいな。【報道資料P4】
他社では障害者手帳や写真を
提示しなくてもよかったのに・・・。
【報道資料P3】
毎回提示するのは面倒だと言わ
れ、本人確認できなかった。
個人情報を記録されそうになったから、
障害者割引を受けなかったよ。
【報道資料P2】
個人情報を記録された。
【報道資料P2】
障害者手帳を忘れたが、補助金が
あるのだから割り引けと言われた。
割引分は事業者負担なのに・・・。
障害者手帳や写真を提示せずに、
割引を要求された。【報道資料P3】
苦情・トラブルの例
しろまる 本報道資料・結果報告書は、東北管区行政評価局のホームページに掲載しています。
http://www.soumu.go.jp/kanku/tohoku.html
しろまる 写真による本人確認の際に個人情報を記録しないよう指導を徹底すること
しろまる 利用の都度の写真による本人確認に限らず、それ以外の合理的な方法による本人確認も可能であることを明確化すること
1 障害者割引の際の本人確認方法等
•障害者手帳に貼付された写真を運
転者に提示することにより本人確認
•障害者手帳に記載された氏名等の
個人情報を記録しないこと
取扱通達
(平成20年8月)
•障害者手帳等の情報を登録するなどし
て、手帳等の提示を利用の都度求めて
いない例を周知
•障害者に過度な負担とならないよう、合
理的な方法で本人確認
協力依頼通知
(平成31年2月)
制度の概要
通知事項
手帳の提示
調査結果2
【事業者】毎回提示するのは面倒だと言われ、本人確認が
困難。本人確認が必要であることを説明したら、怒られた
苦情・トラブルの発生例
一方、利用の都度提示を求めない本人確認方法は・・・
結果報告書P.3
二回目以降、
手帳提示不要
初回適用時に同
意が得られれば、
障害者である旨
を登録
割引があったことにする
行為の抑止
個人情報を記録している事業者の理由は・・・
社内の事務処理
苦情・トラブルの発生例
割引件数の多い運転者へ
の声がけ等の社員教育や
ドライブレコーダーの活用
【利用者】個人情報を記録された。個人情報を記録され
そうになったから、 障害者割引を受けなかった
日報等への記録は
「障割」や「しろさんかく」など
一方、記録していない事業者では・・・
結果報告書P.3
調査結果12支障なし (注記) 取扱通達では不明確
2 障害者割引運賃及び適用方法の表示・掲載
制度の概要
図1 実際の表示状況 図2 表示例25cm5cmしろまる タクシー車内に分かりやすく表示する等苦情・トラブルの防止に努めるよう事業者に指導すること
しろまる 利用者に対しても本人確認方法等を周知するよう関係団体等に要請すること
・車内に、障害者手帳に貼付され
た写真による本人確認が必要で
ある旨表示(図1、2参照)
苦情・トラブルの減少に
効果的であるとしている3調査結果
一方、表示を工夫している事業者も!
結果報告書P.4
通知事項
苦情・トラブルの発生例
【利用者】他社では障害者手帳や写真部分を提示しなくても割
引してもらえたのに、今回は提示を求められた
これらの中には・・・
車内
事業者、協会、
市町村等
障害者用
ガイドブック
ホームページ
・割引運賃や適用方
法の記載なし
・「障害者割引 1割引」
とのみ表示
【事業者】障害者手帳や写真部分を提示しないまま、割引を要
求された
•タクシー車内に障害者割引運賃・適
用方法を表示
表示関係公示
(平成14年7月)
表示・掲載状況
3 精神障害者割引の導入拡大
制度の概要
調査結果 結果報告書P.5〜74しろまる 精神障害者割引について、導入例を周知するなどして導入事業者をより一層拡大するよう努めること
通知事項
精神障害者割引を導入していない事業者は、割引の
適正な運用のため、障害の種別を見分ける必要があるが...
手帳カバーの
色で判別してい
たが、色の統一
の動きあり
手帳カバーに
は精神障害者
との表示なし
他県の手帳カ
バーの色まで
は未把握
夜間などは手
帳内の文字が
確認困難
見分けるのは困難!
東北管内の法人タクシー事業者753事業者のうち、
⇒ 102事業者が精神障害者割引を導入(平成30年3月末時点)
【利用者】
・精神障害者にだけ割引を適用しないのは差別ではないか
・本人確認の際、障害の程度まで見られて不快な思いをした
苦情・トラブルの発生例
しろまる 秋田県ハイヤー協会
⇒85事業者のうち74事業者が導入(28年3月末時点)
(手帳カバーの色が統一されるなど見分けが難し
くなったため)
しろまる 岩手県タクシー協会胆江支部
⇒9事業者全てが導入(27年3月末時点)
(他の障害者手帳との見分けが難しいため)
秋田県の例
精神障害者保健福祉手帳の確認状況等
このような中で
導入例も!
導入例
•身体障害者及び知的障害者と比べ、精神障害者に対する公共交通機関の運賃割引等の導入が進ん
でいないことを受け、タクシー事業者等に対し、精神障害者についても運賃割引等の適用の対象とする
よう、理解と協力を要請
導入拡大要請
(平成30年11月)

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