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令和七年十月二十一日提出
質問第一三号

生活保護世帯における大学進学制限に関する質問主意書

提出者 八幡 愛




生活保護世帯における大学進学制限に関する質問主意書


生活保護制度は、すべての国民に対して健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的としている。戦後の社会変化を経て、我が国では大学進学が将来の就労機会や社会的自立に直結する時代となっており、教育へのアクセス格差が世代を超えて貧困を固定化する要因の一つと指摘されていると承知している。
しかしながら、現在の生活保護制度の運用においては、高等学校卒業後の大学進学が原則として認められていないとの通達に基づく扱いが続いており、進学希望者が保護の対象から除外される事例が報告されている。
このような運用は、生活保護法第一条に定められた「自立の助長」の趣旨と整合的でないと考える。また、政府全体として推進している子どもの貧困対策や教育機会確保政策との間に齟齬が生じていると考える。
さらに、経済的に困難な家庭の子どもが大学進学のためにやむを得ず世帯分離し、奨学金やアルバイトによって生計を立てることは、学業にも影響を及ぼすとともに、学生としての生活不安を拡大させるおそれもあると承知している。
教育を受ける権利を保障し、貧困の連鎖を断ち切る観点からも、制度の運用と理念の調和が求められていると考える。
よって、政府に質問する。

一 現在、生活保護受給世帯において、高等学校卒業後の大学進学が原則として認められていない運用は、どの通達または通知を根拠とするものであるか。
二 前記の通達は何年に発出されたものであるか。また、その通達は現在も有効であるか。
三 生活保護法は、第一条において「自立の助長」を定めているが、大学等への進学を自立支援とみなさず、生活保護の対象外とする現在の運用は、法の趣旨と整合的であると政府は認識しているか。
四 生活保護世帯で暮らす高校生が、大学進学を希望する場合、親元を離れて世帯分離し、奨学金やアルバイトで生活費を賄うよう求められるケースがある。これは結果として若者に負担を強いる制度設計となっているが、政府はこの状況を是とするか。
五 憲法第二十六条第一項において保障される「教育を受ける権利」と、現在の生活保護制度運用が矛盾しているとの指摘があるが、政府の見解を示されたい。
六 子どもの貧困対策や教育機会の確保に向けて、こども家庭庁による支援施策や文部科学省による高等教育修学支援制度の新設など、経済的理由による教育格差の是正措置が進められている。政府は、これらの施策は生活保護の運用上、大学進学が原則として認められていないことと整合的であると考えるか。
七 現行の厚生労働省通達を見直し、生活保護世帯の大学進学を原則として容認する方向に転換する考えはあるか。政府の見解を示されたい。

右質問する。

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