額賀衆議院議長及び海江田衆議院副議長は、令和6年8月15日に日本武道館で行われた全国戦没者追悼式に出席し、献花・黙とうを行いました。
また、額賀衆議院議長は、次のとおり追悼の辞を述べました。
全国戦没者追悼式における議長追悼の辞
天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、全国戦没者追悼式が挙行されるに当たり、衆議院を代表して、謹んで追悼の言葉を申し述べます。
熾烈を極めた先の大戦では、国内外において、三百万を超える尊い命が失われました。戦禍の犠牲となられた方々の御無念に思いを致すとき、悲しみは尽きることがありません。ここに、全戦没者の御霊に対し、衷心より哀悼の誠をささげます。また、かけがえのない家族を失われた御遺族に対しまして、深くお見舞いを申し上げます。
終戦から七十九年の歳月が経ち、国民の約九割が戦後生まれとなりました。衆議院においても、終戦以前に生まれた議員は、終戦前年に生まれた私を含め僅か八名であります。凄惨な戦争の記憶を風化させてはならないと思います。沖縄の激しい地上戦、日常が原子爆弾で一瞬のうちに地獄絵図と化した広島、長崎。そして、家族の幸せを願いながら、祖国の土を踏むことなく命を落とした兵士たち。悲惨な戦争の歴史とその教訓を後世に継承していくことは、今を生きる私たちの使命であります。
戦後、我が国は先人たちの懸命の努力により、壊滅的被害を受けた国土を復興させ、飛躍的な経済発展を成し遂げ、世界有数の経済大国に成長しました。今日、私たちが享受している平穏な生活は、戦陣に倒れた御霊の上に、国民一人一人が努力を積み重ねてきたことにより築かれたことを決して忘れてはなりません。
世界に目を転じると、国際情勢は、各地で武力衝突や紛争が生じ、政治的・社会的な分断が進み、極めて不安定な状況にあります。戦後一貫して国際協調と平和志向を基軸としてきた、被爆国である我が国の責任はますます大きくなっております。
我々国会議員は、改めて先の大戦に思いを致し、日本国憲法の精神を体して、恒久平和の実現のためにあらゆる努力をしていく決意を新たにしているところであります。
結びに、戦没者の御霊の安らかならんことを心からお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様の御平安と御健勝を切に祈念いたしまして、追悼の言葉といたします。
令和六年八月十五日