公開シンポジウム「農業デジタルツインの現状と展望」

国際的にみると、農業は、気候変動、人口増加、食料安全保障など多くの課題に直面している。一方で、国内においては、農業生産者の急激な減少と担い手の高齢化が深刻な問題となっている。このような複雑で多面的な農業の課題を効果的に解決する糸口をみつけるために、農業生産システムをデジタル空間上に精密に再現した"デジタルツイン農場"の活用に期待がよせられている。たとえば、デジタルツインの生産現場における3次元物理シミュレーションによって、農作業ロボットの動作を最適化したり、生体情報計測IoTの最適配置を検討したりすることが可能になる。これは、新技術の開発の効率化だけでなく、開発物のプロトタイプを生産現場に導入した際のリスクを事前に安価にかつ短時間で把握できることを意味する。また、作物成育シミュレーションの結果をデジタルツインで再現し、これをVRゴーグルを装着した生産者が目視で確認したうえで栽培管理戦略を策定するといった、従来の農業生産ノウハウとデジタルツインの融合も可能であり、実際の農業現場とデジタル空間を重ね合わせた複合現実(MR)システムの活用も農業生産の課題解決に資すると期待される。本シンポジウムでは、国内外の研究者がデジタルツインの農業活用を念頭においた最新の研究成果や実践例を紹介し、今後の農学デジタルツインの展開を議論する。

イベント概要

開催日時 令和6年(2024年)9月19日(木)13:30〜17:30
開催地 大阪府立国際会議場(大阪府大阪市北区中之島5丁目3-51)
対象 どなたでも参加いただけます。
定員 なし
プログラム
総合司会:福田 弘和(大阪公立大学大学院工学研究科 教授)
13:30 開会の挨拶
後藤 英司(日本生物環境工学会会長/千葉大学大学院園芸学研究院 教授)
13:40 シンポジウムの開催趣旨
福田 弘和(大阪公立大学大学院工学研究科 教授)

第1部 デジタルツインによる農業問題の解決

司会:藤内 直道(愛媛大学大学院農学研究科 助教)
13:50 「今後の日本の施設園芸におけるデジタルツインの可能性」
岡安 崇史(九州大学大学院農学研究院 教授)
14:20 「英国における都市農業デジタルツイン」
Ruchi Choudhary(ケンブリッジ大学 教授)
14:50‐15:10(休憩)

第2部 複合現実インタフェースと最適化シミュレーション

司会:内藤 裕貴(東京大学生物環境情報工学研究室 助教)
15:15 「XRインタフェースと教育・スポーツへの応用」
浦西 友樹(大阪大学サイバーメディアセンター 教授)
15:40 「緻密な植物デジタルツイン生成に向けた植物構造復元」
大倉 史生(大阪大学大学院情報科学研究科 准教授)
16:00 「ゲーミングAIによる栽培最適化シミュレーション」
福田 弘和(大阪公立大学大学院工学研究科 教授)
16:20‐16:40(休憩)

第3部 パネルディスカッション

16:40 「農業デジタルツインのニーズと研究開発」
コーディネーター:
髙山 弘太郎(豊橋技術科学大学大学院工学研究科 教授/愛媛大学大学院農学研究科 教授)
パネリスト:
林絵理(特定非営利活動法人植物工場研究会 理事長)
彦坂晶子(千葉大学大学院園芸学研究院 准教授)
後藤仁志(豊橋技術科学大学情報メディア基盤センター 教授)
17:20 閉会の挨拶
澁澤 栄(東京農工大学卓越リーダー養成機構 特任教授)
17:30 閉会
申込み 参加費無料
以下のページのリンク先よりお申込み下さい。
申込フォームへのリンク
問合せ先 jsabees2024(a)adthree.net (注記)(a)を@にしてお送りください。
備考 主催:日本学術会議食料科学委員会・農学委員会合同CIGR分科会、食料科学委員会・農学委員会合同農業情報システム学分科会、農学委員会農業生産環境工学分科会、CIGR Plant Factory and Intelligent Greenhouse Working Group、日本生物環境工学会
共催:大阪公立大学
後援:豊橋技術科学大学先端農業・バイオリサーチセンター、愛媛大学先端農業R&Dセンター、UECS研究会、九州大学データ駆動イノベーション推進本部データ駆動型農業研究ユニット、日本農業工学会