薬剤部

薬剤部
薬剤部
Pharmaceutical Department

薬剤部部長ご挨拶

埼玉医科大学病院は特定機能病院の認可を受けている埼玉県西部の地域医療を担う中核病院であり、病院における医療チームの一員として薬剤部も日々の業務に励んでいます。

薬剤部では、長年臨床業務に力を入れており各病棟には薬剤師を常駐させ、より患者さんに近いところで多職種と一体となって薬物治療の提供に努めています。その他にも、病院内の各種チーム医療や委員会等にも積極的に関与し専門性を生かしながら活躍しております。

当院は、早くから病棟業務を行ってきたこともあり、その長年の実績から薬剤師への理解やニーズも高く、院内では薬剤師が活躍しているフィールドが年々拡大しております。その為、時代のニーズにあわせて薬剤師もより対物業務から対人業務へシフトすべく、薬剤師の他に調剤助手も複数名在籍し業務シフトにも積極的に取り組んでおります。
薬剤師育成に関しても、基本となる調剤はもちろんのこと理念である診療、教育、研究においても幅広く活躍できる薬剤師を育成するとともに、病院薬剤師としての知識、経験を幅広く積み重ね患者さんが安全で安心できる、さらに質の高い薬物療法が提供できるよう力を注いでいます。

そして、我々も今まで以上に周囲から求められる病院薬剤師になれるよう薬剤部一丸となって「Your Happiness Is Our Happiness」を胸に頑張っていきます。
眞壁挨拶用
薬剤部 部長
眞壁 秀樹
ユアハピネス
安全安心
いつも笑顔で

各部署の紹介

調剤部門

医師が発行した処方箋に基づき、患者さんのお薬を調剤(調製)する部門です。 入院患者さんの処方箋の調剤、処置・検査薬の調製、外来患者さんの院内処方箋の調剤、消耗品の交付等をおこなっています。

調剤室

当院の薬剤部では、医師が発行した処方箋の内容について、投与量・投与方法・投与間隔・相互作用など確認(処方監査)し、疑問点がある場合は医師に確認(疑義照会)したのち、調剤をおこないます。調剤は処方箋の医薬品データと医薬品に印刷してあるバーコードとを照合する「調剤鑑査支援システム」を導入し、調剤ミスを防止しています。調剤された薬剤は、調剤者とは別の薬剤師が鑑査(確認)をし、患者さんに交付いたします。医薬品の交付に際して、患者さんが使用する医薬品の適切な情報を提供いたします。
調剤鑑査

注射室

注射室では、医師が外来・入院患者さんの病態に合わせて処方した注射薬処方箋に基づき調剤・鑑査を行い、各部門に注射薬を交付しています。医師の発行した注射薬処方箋の内容(投与量・投与速度・投与経路・投与間隔・相互作用・配合変化など)を確認し、疑問点が生じた場合は、疑義照会を行います。患者さんの一日分を一施用ごとにセットし交付しています。また、医薬品に印刷されたバーコードを利用した「調剤鑑査支援システム」(写真)を導入し、医薬品の取り違えや規格間違え、数量間違えといった調剤ミスを防止しています。
注射調剤

医薬品管理部門

医薬品の供給と品質を管理する部門です。患者に滞りなく薬を届けるためには欠かせない業務です。特に麻薬の取扱いは法律に基づき厳密な管理が求められます。

医薬品管理室

当院で扱う全ての医薬品(約1300品目)の在庫管理、発注・納品業務および品質の管理を行っています。病院における医薬品購入額は年々増加の一途をたどっており、経済面においても医薬品管理業務の重要性が増しているため、毎月、使用実績などのデータを作成・分析し、適正在庫量の維持・不要在庫の削減に努めています。品質の管理では、医薬品倉庫および調剤室・注射室の温度・湿度と各医薬品保冷庫の温度をリアルタイムに確認できる温度監視システムを導入し、各医薬品の定められた貯法(温度)を逸脱しないよう厳格に管理しています。また、当院は災害拠点病院に指定されており、大規模災害に備え通常在庫とは別に災害時用医薬品を備蓄しています。

麻薬管理室

現在、日本人の死因の第1位はがんであり、がんに伴う疼痛(がん性疼痛)により患者さんの日常生活は著しく阻害され、Quality of Life(生活の質:QOL)の低下が大きな問題となっています。がん性疼痛の緩和には、速やかに治療を開始して、副作用対策を十分に行い、患者さんが痛みから解放されQOLが向上することが重要です。その治療に用いられるのが医療用麻薬です。また一部の医療用麻薬には、がんによらない継続する疼痛(慢性疼痛)に対しても使用することができます。さらに、手術や処置時の麻酔にも医療用麻薬は用いられます。
医療用麻薬は「麻薬及び向精神薬取締法」に基づいて管理される必要があり、入庫や保管はもとより、使用量や使用残量、廃棄について厳密に記録しなければなりません。また、医療用麻薬を使用する医師の確認などの作業も麻薬管理室で行っています。

医薬品情報部門

薬剤管理指導料に関する施設基準の中に「医薬品情報の収集及び伝達を行うための専用施設(医薬品情報管理室(以下DI室))を有し、常勤の薬剤師が1人以上配置されていること」かつ「DI室の薬剤師が、有効性、安全性等薬学的情報の管理及び医師等に対する情報提供を行っていること」となっており、DI室は薬剤師が病棟で薬剤管理指導料を算定するためには必須の施設となっております。

医薬品情報(DI)室

医薬品は、作用の強弱や緩急に違いはありますが薬理作用(薬の効き目)を有しています。したがって医薬品を使用すれば何かしらの作用が身体に現れます。しかし正しく使用しなかった場合は期待した効果を得られず、かえって具合が悪くなってしまうことすらあります。そのため医薬品の使い方や保管方法など、医薬品に関する情報は非常に重要です。
医薬品情報管理室(DI室)では、医薬品に関する様々な情報を収集・整理し、患者さんや医療従事者に対して安全で安心な薬物療法を実施するための情報提供を行っています。
近年はインターネットの普及により迅速に膨大な情報を得られるようになりました。それら収集した情報を専門的に評価し、患者さんや医療従事者の求めに応じた資料に加工して提供します。
なお、緊急性が高く重要な医薬品情報については、必要な医療従事者および対象患者さんに迅速かつ確実に伝達できるよう心がけています。
ほかにも院内における医薬品の適正使用推進に関する活動や、製薬企業や公的機関(厚生労働省、PMDA 等)と連携した医薬品情報の収集や報告など、様々な業務を行っています。
医薬品の適正使用推進を目指すとともに、全ての患者さんが安全で安心な薬物療法を受けられるよう努めています。

製剤・注射薬混合部門

病院薬剤師は、薬学的知識を駆使して市販されていない医薬品をつくったり(製剤)、注射用抗がん薬や輸液製剤を安全かつ衛生的に調製しています。

注射薬混合室

注射薬混合室では抗がん薬、中心静脈栄養輸液および末梢輸液を無菌的に調製しています。調製するにあたっては、薬学的観点からの適正使用を十分に確認し、安全キャビネットやクリーンベンチを用い細菌や異物による汚染防止に配慮し、患者さんの感染リスクの低減を図っています(写真)。抗がん薬に関してはレジメン管理を実施し、院内でのレジメン登録の有無により使用が制限されています。そして、抗がん薬を混合調製する際は、患者さんの検査値などを電子カルテで確認し、投与の可否については医師と共通認識のもと調製を行っています。さらに、一部の抗がん薬は閉鎖式接続器具を用い、医療従事者への曝露対策にも配慮しています。
注射混合

製剤室

院内製剤とは、患者さんの病態やニーズに対応する必要な医薬品が様々な理由で市販されていないため、医師の求めに応じて薬剤師が専門性を活かし、薬学的・物理化学的な知識や技術を用いて院内で独自に調製している製剤です。院内製剤は医薬品医療機器等法上の医薬品ではないため、販売や譲渡は認められていません。
院内製剤の使用にあたっては、病院内で科学的・倫理的妥当性を十分に吟味し、実際に使用される前に患者さんへ有効性および安全性を十分に説明し同意を得た上で使用されます。
薬剤師がその専門性を活かして院内製剤業務を行うことは、個々の患者さんへの最適な薬物療法の提供に貢献できるとともに、患者さんのQOL(quality of life)の向上にもつながるものと考えます。
製剤1
製剤2

病棟部門

当院では全病棟に薬剤師を配置し、医師・看護師・その他の医療従事者と共に医療チームの一員として、安全で安心な薬物療法を提供できるよう努めています。
情報提供8

情報提供、医薬品の管理

医薬品情報管理室と連携を図りながら、新しい医薬品情報を収集し、医師・看護師へ情報提供を行っています。また、病棟において医薬品を適切に管理しています。
アレルギー聴取

持参薬鑑別、アレルギー・副作用歴の確認

入院された患者さんに対し、持参薬や市販薬・サプリメントの摂取状況、アレルギー・副作用歴の確認を行い、医師へ報告を行います。持参薬から当院採用薬への切り替えの際には、代替処方を提案し、安全な薬物治療の提供に貢献しています。
提案3

薬物療法の評価・処方提案

患者さんの訴えや症状、検査値、他職種とのカンファレンスで得られた情報等をもとに、治療効果や副作用を確認し、より最適な薬物治療を提供できるよう、処方内容の検討を行っています。
また薬剤師の専門性を活かし、患者さんの既往歴や併用薬、体重や肝機能・腎機能、代謝酵素、アドヒアランス等を考慮した処方提案を行うことで、薬物療法の個別最適化を図っています。
抗菌薬の治療薬物モニタリング(TDM)については、抗菌薬適正使用推進チーム(AST)担当薬剤師とも連携を図りながら投与計画の提案を行っています。
服薬指導6

患者さんへの服薬指導

入院患者さんのベッドサイドで、薬の効果、用法・用量、使用方法、注意事項等について説明を行っています。安心して薬物治療を継続していただくことができるよう、患者さんに寄り添った服薬指導を心がけています。

多職種との連携

当院では、以下のような様々な医療チーム、委員会、患者教室に薬剤師が積極的に参加しており、薬学的専門知識を活かして医療技術の向上に貢献しています。

チームでの活躍

抗菌薬適正使用推進チーム(AST)
AST

活動概要の紹介

抗菌薬の不適切な使用や長期間の投与は、薬剤耐性菌を発生あるいは蔓延させる原因となりえます。抗菌薬適正使用推進チーム(AST:Antimicrobial Stewardship Team)は医師、看護師、検査技師、薬剤師をコアメンバーとして組織され、各診療科と連携を取りながら院内の感染症診療支援を行うことで、感染症患者さんの予後向上を目指しています。

活動の詳細

主に以下のような業務を行い、定期的な症例カンファレンスおよび院内ラウンドも実施しています。
  • 広域抗菌薬のモニタリングおよび長期間使用患者への診療支援
  • 届出制抗菌薬の使用状況のモニタリング
  • 血液培養複数セット採取率のモニタリング
  • 抗菌薬使用量および耐性率などの定期的な評価
  • 抗菌薬使用ガイドラインの作成と改訂
  • 抗菌薬適正使用推進のための教育・啓発
  • 定期的な採用抗菌薬の見直し
  • 他施設との抗菌薬適正使用の情報共有と連携
感染制御チーム(ICT)

活動概要の紹介

感染制御チーム(ICT:Infection Control Team)は耐性菌を拡げない対策を実践するチームであり、埼玉医科大学病院における院内感染防止対策の中心的な役割を担い、感染防止対策の推進および向上を図ることを目的としています。

活動の詳細

1.週2回の院内ラウンド(ICTラウンド)への参加

医師・看護師・臨床検査技師・臨床工学技師などの多職種とともに、院内感染対策を正しく理解し実践しているのか各部署を巡視し、指導を行っています。

2.月1回の感染対策会議への参加

院内感染防止対策委員会や感染制御リンクナースの会議内容、ICTラウンドの結果報告、毎月の抗菌薬使用量・手指衛生実施回数などを全職種が情報共有に努めています。

3.毎月の抗菌薬使用量の算出

抗菌薬使用量を算出することによって、抗菌薬の全使用量や指定抗菌薬(カルバペネム系や抗MRSA薬など)の使用量の推移を把握し、適正使用に努めることができます。

4.毎月の手指衛生剤払い出し量の算出

手指衛生剤払い出し量を算出することによって、延べ入院患者日数と手指衛生剤の1回必要量から1日1患者あたりの手指衛生実施回数を算出することができ、手指消毒の適正使用に努めることができます。
緩和ケアチーム(PCT)

活動概要の紹介

当院の緩和ケアチームは、体の症状や精神面の治療を専門に担当する医師、看護師、薬剤師、栄養士など多くのメンバーで構成されています。毎週月曜日にカンファレンスを行い、それぞれ専門的な立場から患者さんやご家族に関する意見を持ち寄り、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題の早期発見を目指しています。的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、生活の質を改善する医療をご提供しています。

活動の詳細

緩和ケアの国際的定義は「治癒を目的とした治療に反応しなくなった疾患を持つ患者に対して行われる積極的で全体的な医学的ケアである」とされていますが、がんの診断の時点で緩和ケアは始めるべきであり、病気の治療中かどうかを問わず、非がん患者も対象に幅広い患者さんに対応しています。
個々の患者さんへの細やかなアセスメント、その症状に適した薬剤の選択や投与量の設定、服用後の効果や副作用の評価などを行い、最適な薬物療法をご提供できるよう支援しております。オピオイド鎮痛薬と呼ばれる医療用麻薬に対する誤解や不安の対応、用量設定の提案も行っています。
その他、ポリファーマシ―に対する処方内容の整理、せん妄に対する薬学的介入、転院先や在宅療養に向けた薬剤調整、処置時疼痛への介入、不眠・不安・呼吸苦への対応など多岐に渡り、薬剤師の専門性が必要とされております。
栄養サポートチーム(NST)

活動概要の紹介

栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)とは中心静脈栄養(TPN)の普及と共に早くから全米に広がった栄養管理を多職種で実施・支援するチーム医療です(JSPEN ホームページ参照)。
栄養状態が不良な患者さんに対し、QOL向上、原疾患の治癒促進および合併症予防を目的として栄養管理に係る専門知識を活かし、活動を行っております。
当薬剤部からはNST専任メンバー(NST専門療法士を含む)が活動に参加しております。

活動の詳細

NSTにおける薬剤師の役割

患者さんに適した経腸栄養剤、経静脈栄養の選択、投与法の提案をはじめ、栄養剤と医薬品の相互作用の確認及び栄養剤の衛生管理指導など、薬剤師の専門性が必要とされる薬物治療の観点から栄養療法に貢献しています。

回診・カンファレンス

週1回の回診・カンファレンスを実施しております。最適な栄養療法の検討・提案を行い、医薬品に関する提案はNST専任薬剤師と各病棟担当薬剤師が連携し、迅速に患者さんへフィードバック出来るよう努めております。

研修会、レクチャー

院内にて栄養療法に関する啓蒙活動の一環として研修会を開催しており、講師として参加しています。また、当院はNST専門療法士資格認定における教育施設となっており、外部からの修練生が実地修練する際は講義などを行っております。
呼吸サポートチーム(RST)

活動概要の紹介

呼吸サポートチーム(RST:Respiratory Support Team)の目的は、人工呼吸器を装着した患者さんに対して人工呼吸器離脱の促進、人工呼吸器装着期間の短縮を図ることです。そのために適切な呼吸器の設定や鎮静についての提案や、人工呼吸器の安全管理を行っています。

活動の詳細

メンバーは、医師、薬剤師、看護師、臨床工学技士、作業療法士、管理栄養士で構成されています。薬剤師のメンバーはICU薬剤師を中心に担当しています。
週に1回カンファレンス・回診を行い、それぞれの専門的な立場からの意見を交わしています。その中で薬剤師としては人工呼吸器管理を行う上で、適切な鎮痛薬・鎮静薬の投与が出来ているか、薬剤の投与ルートは適切かの評価を中心に活動を行っています。
排尿ケアチーム

活動概要の紹介

排尿ケアチームとは、部署横断的に、各病棟で生じた排尿自立障害に対して、下部尿路機能改善回復のための「包括的排尿ケア」を行っていくチームです。

活動の詳細

対象は、尿道カテーテル抜去後に、尿閉や尿失禁などの下部尿路機能障害の症状を有する、あるいは見込まれる患者さんです。
チームは、泌尿器科医師、認定資格を有する看護師、理学療法士、泌尿器科病棟の薬剤師のメンバーで構成されています。
病棟のリンクナースと連携してケアの必要な患者さんを抽出し、排尿日誌の記録や残尿測定などを行っていただきます。そして、週に1回のチームカンファレンスとラウンドにて治療計画ケア(導尿指導、理学療法、薬物療法など)の実施とその評価を行います。これにより、尿道留置カテーテルを1日でも早く抜去し、尿路感染を防ぐとともに排尿自立に導くことで早期退院を目指していきます。
下部尿路機能障害は薬剤による発症や増悪が一つの要因として挙げられることもあることから、増悪の一因と考えられる薬剤の抽出や、下部尿路機能障害に対して、個々の患者さんに適した薬剤の選択や投与量の提案及び薬の効果や副作用の評価などを実践することにより、チームの一助となるよう努めています。
精神科領域チーム

活動概要の紹介

精神科病棟に薬剤師が常駐している施設はまだまだ少ないのが現状です。
当院では2012年より精神科病棟での薬剤業務をスタートしており、他職種からの病棟薬剤師の認知度は高くなっており、相談件数は多くなってきております。

活動の詳細

場所 救急・急性期病棟、身体合併症(34床)および 亜急性期病棟(44床)の2病棟
時間 9時〜17時(1〜2名)
多職種カンファレンス:毎週月曜日
精神科薬物療法認定薬剤師を中心に病棟薬剤業務を行っております。
多職種カンファレンスには医師、薬剤師、看護師、外来看護師、精神保健福祉士が参加し、新規入院患者さんの紹介から入院患者さんの治療方針について協議しています。
薬剤師からはポリファーマシーへの対応や採血提案、錐体外路症状をはじめとした副作用状況の報告を行っております。
精神科はバイタルサインや採血データなどの客観的な指標がないため、出来る限りベッドサイドに足を運び、患者さんの状況を把握するように心掛けています。
また他職種と共同して臨床研究を行い、その成果として学会発表・論文投稿まで積極的に行っております。

各種の業務に薬剤師が関わる

医療安全対策
近年、薬剤師は医療チームの一員として院内で活動を広げていますが、医療安全の場においても深く関わっています。
大学病院は特定機能病院の指定を受けており、薬剤師も医師、看護師、臨床工学技士らと共に専従業務を担っています。特に、院内では医薬品が関係するインシデントも多いことから、医療安全対策室、医薬品安全管理責任者と連携して医薬品関連の事故発生防止対策を推進しています。
さらに、院内での医療安全活動においても、医療安全幹事として薬剤師を配置、病棟担当薬剤師は全てセーフティマネージャーに任命するなど、院内で発生する医薬品関連のインシデント、アクシデント発生防止に薬剤部全体で取り組んでいます。
褥瘡対策

活動概要の紹介

褥瘡は身体に外力がかかった際に、皮膚軟部組織がその下層にある骨に挟まれることで圧迫され、阻血を起こすことで生じる組織の障害のことを言います。
褥瘡は日常生活での状態や糖尿病などの基礎疾患によりリスクが上昇しますが、それ以外にも日本では痩せ型の高齢者が多く、病的な骨突出により褥瘡ができやすい状況にあります。
当院においても褥瘡発症のリスクとなる高齢の入院患者さんは多く、発症は患者さんのADLの低下につながるため、早期治癒へ導くことが必要となります。
褥瘡対策委員会は、医師・看護師・薬剤師・栄養士・理学療法士・臨床工学技士などから構成されており、入院中の褥瘡患者さんに対し、早期介入を行うことで早期の治癒及び再発の防止を目指しています。
また当施設や近隣医療機関職員の褥瘡治療に対する知識・技能の向上を目指し、座学や実技などのセミナーを行っています。

活動の詳細

1)回診及びカンファレンスによる褥瘡患者への介入(毎週火曜日 14:00〜)

褥瘡をもつ入院患者さんのベッドサイドへ伺い、褥瘡の状態を確認、処置を行い、治療方法を病棟スタッフに指導します。薬剤師は褥瘡のリスクとなる薬剤の情報提供や薬剤選択に関与しています。

2)各病棟の褥瘡担当看護師への情報提供(毎月第2火曜日 17:00〜)

月1回会議を行い、現在の褥瘡発生状況など褥瘡に関する情報を周知しています。

3)褥瘡患者に関わる医療スタッフに対するセミナーの実施(病院ホームページ参照)

医師・看護師・薬剤師・栄養士・理学療法士・臨床工学技士がそれぞれの専門分野についてセミナーを開催し、知識・技能の向上を行っています。薬剤師は外用薬や創傷被覆材についての基礎知識及び治療における選択方法などのセミナーを行うことで知識の向上を図っています。
救急センター/中毒センター(EC/PC)

活動概要の紹介

当院はさらなる患者中心の医療(Patient Oriented Medicine)を目指して、2016年3月に東館をオープンしました。それに伴い薬剤部では、救急センター/中毒センター(以下:EC/PC)に救急認定薬剤師を配置しました。地域の医療を守る玄関口にて薬物治療に貢献すべきであると考えております。

活動の詳細

1救急患者の薬剤情報収集

患者さんは常に第一の情報提供者です。まずはご本人から薬剤や薬物の使用情報をお伺いします。しかし救急医療の現場では意識障害があり、直接ご本人からお話を伺うことが出来ない場合があります。薬剤師はかかりつけ医などからの紹介状や救急隊からの情報、ご家族からの情報を収集し、医師や看護師などの他職種に医薬品の情報提供を行います。薬剤情報は診断および治療方針決定の参考となります。

2初期治療業務への関わり

重症患者さんが搬送される際、あらかじめ入手した救急隊からの情報をもとに必要な医薬品を準備し救急センターで待機します。適切な薬物治療を行うため、薬剤師は医師から指示された薬剤の投与方法や投与量を確認し、多職種とともに情報を共有し、評価していきます。薬剤師が常勤する日勤帯では、可能な限り薬物治療に関与し地域医療に貢献すべきであると考えております。

3医薬品の管理

救急センターにおける医薬品管理として、使用された薬剤をその使用量に応じ、毎日3回程度薬剤部から補充しています。特に厳格な管理が必要とされる毒薬や向精神薬、麻薬においては施錠された場所にて管理しています。また、「複数規格」・「ハイリスク薬」などの注意喚起ラベルを保管棚に貼付することで、取り違いの防止に努めています。さらに、定期的に備蓄医薬品の見直しを実施することで適切な薬剤を必要量かつ安全に管理しています。

4薬毒物中毒への対応

EC/PCには中毒センターも備えており薬毒物中毒患者さんへの対応を行っております。薬剤師は原因薬毒物の推測・鑑別・分析やそれに対する薬物治療の提案、解毒薬の管理などを行っています。救急科の医師と協働して中毒治療を行います。

中毒

5災害医療の関わり

当院は埼玉県内で17か所目の災害拠点病院の指定を受けており、薬剤部では災害時用備蓄医薬品の管理を行っています。また、薬剤師1名がDMAT(災害派遣医療チーム)業務調整員として登録されており、災害医療現場での業務調整や医薬品の管理、被災地での服薬支援を行っています。年に数回ある災害訓練に参加し、いつ発生するかもしれない災害に対応できるよう準備しています。

災害

おわりに

救急医療においても薬剤師には、薬剤の適正使用や副作用の発現防止など、幅広い職能が求められます。また速やかな診断や治療が求められるため、多職種連携によるチーム医療が必須になります。薬剤師が救急医療現場に携わることで医療の質を向上させるとともに、患者さん中心の医療を提供すべきと考えております。
妊娠・出産・授乳に関する支援

活動の概要

"妊娠中にお薬を服用しても大丈夫だろうか?""赤ちゃんへどう影響するの?"などの不安や、薬物治療を必要としている方の妊娠・出産・授乳に関する支援を行っています。
支援の一貫として、専門の医師・薬剤師による相談外来を行っています。また一方で、国内のデータが不十分であるという状況を改善し、充実した情報提供ができるよう、日本独自のデータとして集積し、検討していくことも行っています。

活動の詳細

ご相談いただける内容

  • 持病をお持ちの方が妊娠した場合、使用中の薬剤について赤ちゃんにどんな影響があるのか知りたい。
  • 妊娠に気づかず使用してしまった薬について、赤ちゃんへの影響が知りたい。
  • 妊娠中に使用している薬剤で授乳ができるか知りたい。

相談時間及び費用

外来日 水曜日(祝日は除く) *完全予約制
時間 16:00
費用(税込・自由診療)
埼玉県在住者:3,300円 県外在住者:11,000円
(注記)Web問診票作成時、システム登録料として別途 1,100円かかります。
場所 産婦人科外来「遺伝外来」 (本館4階)
"妊娠と薬情報センター"の拠点病院として、当院以外での出産を考えている方からの相談にも応じています。また、当院に入院中の方の授乳相談にも随時応対させていただいています。
ご興味のある方は外来主治医にご相談ください。
詳細はこちら ⇒ 妊娠と薬外来.pdf
RRS 院内迅速対応システム

院内迅速対応システム(Rapid Response System)

RRS とは、心停止やショックをはじめとする重大な有害事象へ至る前に、症状を早期発見し介入につなげる医療安全管理システムです。救急蘇生に精通した医師、看護師、薬剤師等によって構成された RRT(Rapid Response Team)が、定められた基準(National Early Warning Score:NEWS 等)に基づいた評価を迅速におこないます。RRT 担当医師と連携しながら、RRT 担当看護師と一緒に救急認定薬剤師が対応しています。 アージェントコールは従来通り心停止、呼吸停止に対応し、 RRSはショックや呼吸不全、意識障害など幅広い状態に対応していきます。

RRS起動基準

1〜7の起動基準にひとつでもあてはまればRRS コール

1 急激な心拍数の低下または上昇 (40回/min以下130回/min以上)
2 急激な血圧の低下または上昇 90mmHg以下220mmHg以上
3 急激な呼吸数の変化 8回/min以下25回/min以上
4 急激なSPO2の低下 90%以下
5 急激な意識レベルの低下 問いかけに反応がない
6 急激な尿量の低下 4時間で50ml以下
7 何か様子が変だと感じる場合

各種教室への参画

肝臓病教室
当薬剤部には、肝炎医療コーディネーターの資格を持つ薬剤師が在籍しており、肝臓病相談センターや他職種と連携し、以下のような活動を行っています。

1:肝臓病教室への参加

肝疾患診療連携拠点病院である当院では、2か月に一度の頻度で肝臓病教室を開催しております。薬剤師はテーマに沿った薬剤の解説を行っております。

2:肝炎医療コーディネーターの取得の推進

薬剤部内において、肝炎医療コーディネーターという資格の意義を周知し、多くの薬剤師が取得できるよう努めております。

3:院内での相談応需

薬剤部内、また院内他職種や患者さん、更にそのご家族の方からの肝炎治療に関する問い合わせに応需しております。

4:肝炎医療コーディネーター研修会への参加

肝疾患診療連携拠点病院に勤務する薬剤師として、肝炎医療コーディネーターの研修会に参加してコーディネーターとしての知識を深めております。
腎臓病教室
慢性腎臓病では無症状のうちに腎臓の働きが徐々に低下することも少なくありません。患者さん自身が生活習慣の改善や食事療法、薬物療法に取り組むことによって腎臓の働きを守っていくことが大切です。
腎臓病教室では腎臓病療養指導士の資格を持つ薬剤師が、お薬の注意点について講義を行い、患者さんやご家族からの質問にもお答えします。安心して薬物治療を継続して頂けるようサポートしています。
糖尿病教室
糖尿病の治療は、血糖をコントロールすることで合併症の発症・進展を阻止し、健康な人と変わらない生活の質を維持することを目標としています。
当院では、日本糖尿病療養指導士(CDEJ)の資格を持つ薬剤師が中心となり、糖尿病の治療薬や低血糖、シックデイについての講義を行い、患者さんのセルフケアの実践を支援しています。
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