Taro13-80佐賀大学.jtd


国立大学法人佐賀大学の平成 年度に係る業務の実績に関する評価結果181 全体評価
佐賀大学は、これまでに培われた諸分野にわたる教育研究を礎にし、地域とともに発
展する大学を目指し教育研究を行っている。
特に、平成 年度は、戦略的・効果的な資源配分を行うため、大学改革推進経費、中18期計画実行経費、運用定員経費を学長の裁量により配分するとともに、大学改革推進経
費に「教育プロジェクト経費」を新設し、教育改革に重点配分を行った。
また、平成 年度の評価委員会の評価結果を踏まえ、人事評価システムについて、事1719
務職員及び技術職員においては 一部の職員を対象に試行され 教員においても 平成
、 、 、
年度に試行し、平成 年度から本格実施することを決定するなど、課題に取り組んでい20る。
一方、毎年度の部局評価及び個人評価を活用するための指針並びに自己点検結果を大
学全体の改善に反映するシステムの策定が検討段階にとどまっており、さらに文系につ
いて、既存の組織と連携しながら、それぞれの組織改革構想を総合的に検討し、構想案
の策定が検討段階にどどまっていること等、取組に遅れが見られ、早急な対応が求めら
れる。
この他、業務運営については、大学運営の基本に関わる重要施策を企画立案し学長へ
提案する組織として、新たに「総合企画室」を設置し、学長特別補佐を中心として教員
と事務職員が一体となって業務を行う体制としている。
教育研究の質の向上については、地域学歴史文化研究センターを設置し、地域学を創
出するための研究成果を、医療史分野における国際シンポジウム、公開講座「佐賀の歴
史文化」などを通じて地域社会へ還元させている。
2 項目別評価
I.業務運営・財務内容等の状況
(1)業務運営の改善及び効率化
1 運営体制の改善
2 教育研究組織の見直し
3 教職員の人事の適正化
4 事務等の効率化・合理化
平成 年度の実績のうち、下記の事項が注目される。18しろまる 海洋エネルギー研究センターへ新たに教員4名を配置し、研究組織の充実を図ると
ともに、全国の大学の研究者等との間で 件の共同研究が実施されている。35しろまる 大学運営の基本に関わる重要施策を企画立案し学長へ提案する組織として、新たに
「総合企画室」が設置されている 「総合企画室」は、学長特別補佐を中心として教員。(5名)と事務職員(6名)が一体となって業務を行う体制とし、職責にとらわれな
い幅広い立場から意見を交換する体制となっている。
しろまる 円滑な大学運営を行うため 「部局長懇談会」を設け、部局との情報交換を強化する、とともに、大学院の教育研究組織、教員組織について議論する「研究科長懇談会」を
設け、将来構想策定の体制を強化している。
しろまる 大学改革推進経費、中期計画実行経費、運用定員経費を学長の裁量により配分して
いる。特に、大学改革推進経費に「教育プロジェクト経費」を新設し、 の獲得にGP向けた学内 シーズの発掘等、教育改革に重点配分を行った。GPしろまる 学長裁量による運用定員から、留学生センター(英語教育部門)にネイティブ教員
5名、地域学歴史文化研究センターに専任教員2名が、新たに配置されている。
しろまる 自動車運転業務、秘書業務、労務関係コンサルタント業務、事務情報システムの保
守業務、教務システムの保守業務の外注化を図り、これにより確保した人的資源によ
り、環境安全衛生管理室に事務系職員2名を専任として配置している。
しろまる 就職相談室に企業 を就職相談員として配置し、学生の就職のための実践的なアOBドバイザーとして活用している。
しろまる 月2回配信されるメールマガジンで経営協議会学外委員の意見を掲載し、学内の教
職員の共通認識の醸成が図られている。
しろまる 平成 年度監事監査における旧外人教師公舎の利活用についての提言に対して歴史16的建築物として改修保存する方針を立て、地域学歴史文化研究センターの研究拠点と
して活用している。また、平成 年度監査における特定の契約に関する職務権限の委17任に関する提言に対して、受託研究契約を締結する職務権限を医学部附属病院長に委
任するなど、監事監査結果が大学運営に反映されている。
しろまる 平成 年度評価結果で評価委員会が課題として指摘した事項については、17・ 人事評価システムについて事務職員及び技術職員において、一部の職員を対象に
試行が実施されている。また、教員においても、平成 年度に試行し、平成 年
19 20
度から本格実施することとしており、自己点検・評価を実施するとともに、インセ
ンティブ付与の在り方について「教員人事評価試行実施要項」を制定し、運用開始
へ準備が着実に進められている。
・ 各学部の将来構想案の策定について、佐賀大学憲章を踏まえた大学の目指すべき
方向性とその方策について検討が行われ、中長期ビジョン(素案)が作成されてい
る。さらに、各学部においても将来構想について検討を進めている。
など指摘に対する取組が行われている。
平成 年度の実績のうち、下記の事項に課題がある。18しろまる 毎年度の部局評価及び個人評価を活用するための指針並びに自己点検結果を大学全
体の改善に反映するシステムを策定することについて、十分な取組がなされていない
ことから早急な対応が求められる。
しろまる 文系総合計画検討委員会は、4つの課題(教員養成改革、国際系学部等設置、文系
センター再編、文系大学院設置)について、
・ 既存の組織と連携しながら、それぞれの組織改革構想を総合的に検討し、策定す
ることについて、十分な取組がなされていない。
・ 文系の改組の観点から、総合的な構想案を策定することについて、十分な取組が
なされていない。
ことから早急な対応が求められる。
しろまる 学内共同教育研究施設、学部附属教育・研究センターの点検評価を行い教員配置、
設置時限も含めた再編・統合の基本案を策定することについて、十分な取組がなされ
ていないことから早急な対応が求められる。
【評定】中期目標・中期計画の達成に向けておおむね順調に進んでいる
(理由)年度計画の記載 事項中 事項が「年度計画を上回って実施している」
52 48
又は「年度計画を十分に実施している」と認められるが、4事項について「年
度計画を十分には実施していない」と認められ、上記の状況等を総合的に勘案
したことによる。
(2)財務内容の改善
1 外部研究資金その他の自己収入の増加
2 経費の抑制
3 資産の運用管理の改善
平成 年度の実績のうち、下記の事項が注目される。18しろまる 光熱水料等について、各部局ごとに削減目標を設定し、削減に取り組んだ結果、電
966 3.0 3,016 16.8
気料は約 万円 対前年度比 %減 上下水道料は約 万円 対前年度比( )、 (
%減 、ガス料は約 万円(対前年度比 %減)それぞれ削減された。
) 1,030 11.1
しろまる ペーパーレス会議システムの利用促進やカラーコピーの抑制等により、複写機の保
守料金が平成 年度に比べ約 万円削減された。
17 800
しろまる外部資金情報の積極的提供として、科学技術振興調整費、各種 、科学研究費補助GP金等の外部資金に関する情報を学内ウェブサイト、メール、教授会等で通知を行った
、 、 、 、 。
が 外部資金全体として 件数 金額ともに減少しており 一層の取組が期待される
しろまる 中期計画における総人件費改革を踏まえた人件費削減目標の達成に向けて、着実に
人件費削減が行われている。今後とも、中期目標・中期計画の達成に向け、教育研究
の質の確保に配慮しつつ、人件費削減の取組を行うことが期待される。
【評定】中期目標・中期計画の達成に向けて順調に進んでいる
(理由)年度計画の記載7事項すべてが「年度計画を十分に実施している」と認めら
れ、上記の状況等を総合的に勘案したことによる。
(3)自己点検・評価及び情報提供
1 評価の充実
2 情報公開等の推進
平成 年度の実績のうち、下記の事項が注目される。18しろまる 教員情報に関するデータベースについて、教員基礎情報、研究成果、地域・社会貢
献の各項目が充実されている。230しろまる 定例記者会見を毎月1回開催するとともに 広報誌を県内郵便局や銀行支店の約、箇所へ配布するなど、大学の教育研究活動情報の積極的な公開に取り組んでいる。、「 」 。
しろまる 広報活動を全学的な視点で戦略的に展開するため 広報戦略会議 を設置している
しろまる 学内紀要等、博士論文、シンポジウム記録、特許記録等の大学における研究成果を
公開するため、附属図書館内に「研究成果閲覧コーナー」が設置されている。
しろまる 評価結果の活用を促進するために 「中期目標・中期計画に関する説明会」が開催さ、れ、改善、対応策の具体化が促されている。
【評定】中期目標・中期計画の達成に向けて順調に進んでいる
理由 年度計画の記載7事項すべてが 年度計画を上回って実施している 又は 年
( ) 「 」 「
度計画を十分に実施している」と認められ、上記の状況等を総合的に勘案した
ことによる。
(4)その他業務運営に関する重要事項
1 施設設備の整備・活用等
2 安全管理
平成 年度の実績のうち、下記の事項が注目される。18しろまる 本庄キャンパスにある既設施設の改修により共同利用スペースを確保し、2つの研
究グループが利用を始めた。また、企業から現物寄附として受け入れた建物「先端研
究・教育施設」の共同利用スペースについても6部屋の利用を開始している。
しろまる 施設維持管理計画に基づき、給水やガス管の基幹整備及び設備機器等の維持管理が
着実に実施されている。
しろまる 全学の施設管理台帳、施設整備状況図、経年別建物配置図等を更新するとともに平
成 年度に策定した鍋島地区の施設維持管理計画書が更新されている。17しろまる 環境保全対策の取組として、二酸化炭素等の排出量の削減に係る全学の目標(環境
目標)が設定され、取組が開始されている。
しろまる 事件・事故等に備えた危機管理体制全般について、リスク項目の洗い出し、重要度
・影響度等の分析、事項ごとの危機管理のための組織体制、緊急時の広報等について
検討、整備して「危機管理対策要項 「危機管理基本マニュアル」を策定している。」、
しろまる 安全管理を適切に行うため、環境安全衛生管理室を設置し、専任の事務職員2名を。配置して職員等の安全衛生に係る施策や環境に配慮したシステム作りが行われている
しろまる 研究費不正防止に向けた取組については 研究費不正使用防止規則 を整備し 機、「 」 、「関管理に相応しい仕組み 「未然の防止策 「事案の把握方法」が整備されている。」、 」、【評定】中期目標・中期計画の達成に向けて順調に進んでいる
理由 年度計画の記載 事項すべてが 年度計画を上回って実施している 又は 年
( ) 「 」 「16度計画を十分に実施している」と認められ、上記の状況等を総合的に勘案したこ
とによる。
II.教育研究等の質の向上の状況
評価委員会が平成 年度の外形的・客観的進捗状況について確認した結果、下記の事18項が注目される。
しろまる 各授業科目について点検・評価した結果を学生に周知するとともに、学生から高い
評価を得た取組の情報を研修会又は公開授業によって共有している。
しろまる ネイティブ英語教員5名を教員運用仮定定員枠で採用し、教養教育英語授業 クラ42スを増設し、能力別少人数クラスを編成している。
しろまる 試験問題と模範解答、解説、配点等の情報を学生に提供することとしている。
しろまる 学部及び大学院授業における成績評価の方法と基準をシラバスに明示することとし
ている。
しろまる 新設の地域学歴史文化研究センターに学長裁量経費による任期付き教員2名を配置
するなど、重点プロジェクト研究組織の柔軟性の確保と活性化が図られている。
しろまる 修学・生活指導を行うため、チューター(担任)制度を平成 年度から全学的に実19施することを決め、学生指導手引書として「チューター(担任)制度ガイドブック」
を作成し、周知している。
しろまる 技術職員等の職務内容実態調査の結果を基に、新設予定の先端医学研究センターに
技術職員等を研究支援者として集約(医学部)等、各学部で研究支援体制の充実が図
られている。
しろまる ウェブサイトからの研究機器の予約を行う有効利用システムを2つのキャンパス間
で統合し、研究支援が行われている。また、環境安全部門を設置し、研究環境の安全
を点検・指導するための体制が整備されている。
しろまる 産学官連携推進機構を設置し、教員の研究テーマ等をデータベース化するなど知的
財産を一元的に管理するための取組が行われている。また、同機構と佐賀県地域産業
支援センターとの共同によるシーズ説明会等の開催により、地域産業への振興・支援
と技術移転、地域社会への知的財産の還元のための活動が行われている。
しろまる 「国際交流基金」を創設し、若手研究者等の国外派遣助成事業、外国人研究者招聘
援助事業、私費外国人留学生学資等助成事業等、約 件の国際交流事業を支援してい14る。
しろまる 地域学歴史文化研究センターを設置し、地域学を創出するための研究成果を、医療
史分野における国際シンポジウム、佐賀新聞公開講座「再発見!佐賀の歴史と文化 、」佐賀大学公開講座「佐賀の歴史文化」等により公開し、研究成果の地域社会への還
元に向けた取組が行われている。
しろまる 附属学校では、学部教員が 教科について授業を実践し、大学では附属学校教員が14教育実習の事前事後指導、教員養成実地指導の講師として授業を担当するなど、大学
との一体化を推進し、附属教育施設としての機能が高められている。
、 。
しろまる 平成 年度から 制度の全学導入を決定しているが 適切な運用が期待される
19 GPA
(附属病院関係)
しろまる 地域医療連携に力を入れており、ネットワーク構築や臨床協力医制度等を導入して
病院医師の再教育等を推進するとともに、有明海総合研究プロジェクトに基づいた共
同研究を行っている。また、感染症の診療、共同研究、遺伝子診断等で活発に活動す
るとともに、各種データ分析に基づいた運営改善に努めており、院内感染対策や職員
の環境改善にも努力が見られる。
今後、地域連携の一層の強化を図り、患者紹介率や病床稼働率の向上等に努めるな
ど、運営充実に向けた更なる取組が期待される。
しろまる 教育・研究面
・ 卒後臨床研修センターにおいて、研修医の疲労蓄積度アンケートを実施するとと
もに、研修医の負担軽減やメンタルヘルスケアを行うなど、研修環境を向上した。
・ 文部科学省事業で採択された「県民医療アカデミーオブ 」を基に、ネッ
e-JAPAN
トワークの充実、代医派遣システムの拡充、臨床協力医制度の導入を進めた。
・ 有明海総合研究プロジェクトに基づいて、ビブリオ・バルニフィカス感染症の予
防、治療の共同研究を実施している。
・ 治験センターを整備拡大して治験の推進に努めている。
しろまる 診療面
・ 感染症治療専門チーム、褥瘡対策チームなどを設置し、横断的診療体制の構築に
向け努力している (感染症治療専門チームの活躍により感染症診療モデル施設に。指定されている )。・ 遺伝子診断を推進しており、 症候群の遺伝子診断では全国ト
Beckwith-Wiedemann
ップの症例数となっている。
・ 地域医療連携室と佐賀県医師会が連携して、患者情報システム基盤を整備してい
る。
・ 臨床協力医制度を導入し、地域で働く医師を教育して地域に返す取組を実施して
いる。
しろまる 運営面
・ 医員・研修医の疲労度蓄積調査の分析を基に、事務職員、コ・メディカルスタッ
フについて、カウンセラー面接を実施するなど働きやすい職場環境作りを進めてい
る。
・ 病院長を室長とする病院企画室を置いて迅速な審議決定を行っている。
・ 診療科別・ 別クリティカルパス自動作成システムを充実するとともに、デーDPCタ解析を深化させ、医療の標準化に努めている。
・ 材料費に係る機能的 導入を検討しており、診療科別の収支分析を実施していSPDる。

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