III 章ごとの自己評価


現況分析における顕著な変化に
ついての説明書
研 究
平成22年6月
佐賀大学
目 次
5.農学部・農学研究科 1
整理番号 79-5-1
現況分析における顕著な変化についての説明書(教育/研究)
法人名 佐賀大学 学部・研究科等名 農学部・農学研究科
1.分析項目名又は質の向上度の事例名
事例1 「地域に密着した研究」
2.上記1における顕著な変化の状況及びその理由
「地域に密着した研究」において、以下に示すように、平成 20 年度及び平成 21 年度に顕著な質の
向上が見られた。
佐賀大学農学部が開発し、地元佐賀で特産化を目指している
機能性食品素材の開発では、有明海の貝類激減の一因として問題になっているナルトビエイから抽
出したペプチドに、メタボリック症候群を予防する効果があることを農学部で明らかにした。このペ
プチドを使った特定保健用食品の商品化プロジェクトが経済産業省の平成 21 年度
「地域イノベーショ
ン創出研究開発事業」に採択され、地元企業などと商品化を目指している。また、地元企業と共同で
開発されたブランド鶏「みつせ鶏」から調製したペプチドに肥満や血圧上昇抑制効果を見いだした。
この他にも佐賀県産のタマネギやレンコンの成分にも生理活性作用を見いだしており、これらの研究
成果を受け、平成 20 年度に産官学連携で佐賀県産の特産品を使って機能性食品などを開発する組織
「健康ふうど佐賀研究会」が設立された。
新野菜「バラフ」は、生鮮野菜として
の利用のみでなく、
食品加工素材としての応用研究が進められ、
平成 21 年度国産原材料サプライチェ
ーン構築事業(農林水産省)に採択され、加工食品としての利用開発がスタートした。また、砂漠の
緑化への応用研究を目指し、第三回砂漠防止国際会議(平成 21 年中国・内モンゴル省)において講演
発表を行った。
平成 21 年に、低アルコール清酒用の新酵母を開発し、酒類の試験製造免許を取得して県内の酒造
メーカーなどと共同で、「佐賀県における産学官包括連携協定(6者協定)事業」に採択され、地域
の原料の特徴を活かした低アルコールの純米酒の商品化に向けた研究に発展させている。これらの成
果は、日本経済新聞、科学新聞、NHK佐賀、日本農業新聞、毎日新聞、醸造産業速報、西日本新聞、
佐賀新聞で報道されるとともに、
本学部教員が平成 20 年度日本農学進歩賞、
生物工学奨励賞
(江田賞)
を受賞した。
唐津市相知町と佐賀大学農学部との棚田保全に関する地域交流協定に基づいて、棚田の保全と資源
循環型農業の実践的研究、
里山の景観保存と活用などの研究を地域と連携して進めてきた成果として、
平成 20 年に
「蕨野の棚田」は文部科学省文化審議会により、
重要文化的景観に選定された。
また、
「蕨
野の棚田」の調査研究をリードした本学部教員が平成 20 年度佐賀新聞文化奨励賞を受賞した。
以上のように、農学部・農学研究科はその特性を活かし、農業、食品産業のみならず、文化的・社
会的な面においても地域に密着した研究に取り組んできたが、地方公共団体、地域企業、NPO法人
などとの共同研究により、研究成果があがり、関係者から高い評価を得ることができた。

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