佐賀大学農学研究科

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10.農学研究科
I 農学研究科の教育目的と特徴 ・・・・10-2
II 分析項目ごとの水準の判断 ・・・・・10-4
分析項目I 教育の実施体制 ・・・・10-4
分析項目II 教育内容 ・・・・・・・10-6
分析項目III 教育方法 ・・・・・・・10-8
分析項目IV 学業の成果 ・・・・・・10-13
分析項目V 進路・就職の状況 ・・・10-15
III 質の向上度の判断 ・・・・・・・・・10-16
佐賀大学農学研究科
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I 農学研究科の教育目的と特徴
【農学研究科の教育目的と特徴】
昭和 45 年に設置された大学院農学研究科は日本有数の食料基地である佐賀平野に立地
している。21 世紀は,世界人口の増加や地球規模での環境破壊による食料危機,資源の枯
渇,食品の安全性など様々な難問を抱えている。科学技術の高度化・国際化・情報化とい
う新しい時代の変化の中で,農学研究科は,安全な食料の確保,健康な生活の維持,各種
生物の機能,多様な生物が共存できる環境の構築などについて教育と研究をとおして,多
くの課題を解決できるリ-ダーとなる人材,
社会のニーズに応えられる人材を養成すること
を主たる教育目的としている。すなわち,学部教育の幅広い基礎学力を基礎とし,あらゆ
る状況変化に柔軟に対応でき,かつ,高度な科学技術・専門知識を持った創造性豊かな人
間味あふれる研究者・専門職業人になるべき人材を育成することが教育目的である。
【教育目標】
農学研究科は,生物生産学専攻と応用生物科学専攻の2専攻から構成されている。
生物生産学専攻の教育目標は,次のとおりである。
1 生物資源の意義を確認し,生産性の向上と豊かな地域社会環境の整備・保全の幅広
い知識と実践力を習得し,自立した技術者としての能力を身につけること。
2 幅 広 い 教 養 に 裏 打 ち さ れ た 広 範 な 視 点 を も つ 技 術 者 と し て の 能 力 を 身 に つ け る こ
と。
3 技術者に必要とされる,情報収集能力,得られた結果をまとめる能力,プレゼンテ
ーション能力を身につけ,自ら仕事の計画を立てて実行し,それらをまとめる能力
を身につけること。
応用生物科学専攻の教育目標は,次のとおりである。
1 バ イ オ サ イ エ ン ス 分 野 の 幅 広 い 知 識 と 研 究 手 法 を 総 合 的 に 学 ぶ こ と に よ り , 応 用 力
の高い研究者としての基礎を身につけること。
2 バ イ オ サ イ エ ン ス 分 野 の 高 度 な 研 究 経 験 と 専 門 知 識 の 習 得 に よ り , 学 術 分 野 や 産 業
分野における指導者,研究者としての素養を身につけること。
3 技 術 者 に 必 要 と さ れ る , 情 報 収 集 能 力 , 得 ら れ た 結 果 を ま と め る 能 力 , プ レ ゼ ン テ
ー シ ョ ン 能 力 を 身 に つ け , 自 ら 仕 事 の 計 画 を 立 て て 実 行 し , そ れ ら を ま と め る 能 力
を身につけること。
【アドミッションポリシー】
農 学 研 究 科 を 構 成 す る 2 専 攻 の 教 育 目 的 に 基 づ い て , ア ド ミ ッ シ ョ ン ポ リ シ ー を 定 め ,
ホームページで公開している(表1)。表1 農学研究科 2 専攻のアドミッションポリシー
(出典:アドミッションセンターホームページ)
生物生産学専攻
1.地球温暖化,資源のリサイクル,水や土壌の汚染などの環境問題に関心のある人
2.人類の存続のために不可欠な生物の生産や持続的社会の形成に関心がある人
3.世界的な視野を養い,国際社会で活躍したい人
4.人と自然の共存に関心がある人
応用生物科学専攻
1.地域社会や国際社会に大きく貢献しようとする夢と情熱を持つ人
2.将来の様々な問題の解決に果敢に挑戦する人
3.バイオサイエンスを学ぶ上で必要な適性と基礎学力を有する人
佐賀大学農学研究科
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【入学試験】
多 様 な 学 生 の 入 試 機 会 を 保 障 す る た め , 一 般 選 抜 ( 1 次 , 2 次 )
, 社 会 人 特 別 選 抜 お よ
び外国人留学生特別選抜を実施している。そのほか,留学生を対象とした英語で教育と研
究指導を行う「地球環境科学特別コース(前身は,国際環境科学特別コース)
」を工学系研
究科と共同で設置している。
平成 16〜19 年度の専攻別の入学者数は,
表2のとおりである。
学部からの大学院修士課程への進学者数は,平成 16 年度 46 名,平成 17 年度 60 名,平成
18 年度 37 名,平成 19 年度 43 名であり,就職率が上がるにつれて進学率は低下する傾向
を示した。他大学への進学者は,平成 16〜18 年度で計 32 名である。他大学からの入学者
は,平成 17〜19 年度の合計で 17 名である。地球科学特別コースには,平成 17 年度5名,
平成 18 年度5名,平成 19 年度4名が入学している。
表2 農学研究科の入学者数
( )内の数値は他大学からの入学者を示す。
(出典:アドミッションセンターホームページ入試に関する統計)
大学院教育の充実を図るために,平成 18 年度からの準備期間を経て,平成 20 年度の大
学院教育改革支援プログラムに,
「農業版 MOT-がんば RAMBA ねっと(副題)高度な農業技
術経営者を養成する実践的教育プログラム」として応募した。平成 22 年4月に,現行の2
専攻(生物生産学専攻・応用生物科学専攻)を1専攻5コースに改組し,
(副コース)農業
技術管理学コース「農業版 MOT(Management of Technology)」(高度な農業技術経営者の
育成)を導入し,農業生産者を含む社会人を受け入れる 1 年未満修了課程を導入し,特別
課程による履修証明(佐賀大学農業技術管理士)を発行し,魅力のある大学院教育の充実
を進める予定(全国初)である。
本 学 の 中 長 期 ビ ジ ョ ン に 基 づ く 農 学 部 ・ 農 学 研 究 科 の 将 来 構 想 の 中 に 位 置 づ け ら れ て い
る本プログラムは,中・北部九州における高度な農業技術と経営能力を備えた人材を育成
するプログラムで,先進的な佐賀平坦地農業でのこれまでの実績を踏まえた取組であり,
自治体・農業団体・経済団体等とも連携することで,大学院修士課程における農学教育の
充実に寄与するものである。プログラムの推進に際しては,経済学研究科・工学系研究科
の教員,及び学外の実務経験者を兼担教員とする。産学官連携推進機構が実施した高度技
術研修「MOT 農業版短期集中講座」
(定員 20 名)には 38 名の応募(農業法人,個人農家,
民間企業等と多彩)があり,地域の期待が大きいことが示された。
【想定する関係者とその期待】
農学研究科の教育目標と特徴と対比して,農学研究科関係者と関係者の期待を,次のと
おり想定している(表3)。入学者数
専 攻
募集
人員 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度
生物生産学専攻 20 19(-) 28(2) 15(1) 18(5)
応用生物学専攻 30 27(-) 32(5) 22(2) 25(2)
計 50 46(-) 60(7) 37(3) 43(7)
佐賀大学農学研究科 分析項目I
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表3 農学研究科が想定する関係者と関係者の期待
想定する関係者 関係者の期待
入学志願者 研究科の教育目的・目標の分かりやすい公表
在学生 学生の期待に応える体系的なカリキュラムの編成
学生の学習意欲に応える,分かりやすい授業の提供
学生が学習しやすい環境の整備
修了生 社会人として活躍するために必要な教養と専門知識の修得
修了後も相談にのれる研究科の体制整備
在学生の保護者(家族) 学生に対する良好な学習環境の提供,学力の定着,就職・進学
修了生の受入れ企業・
地方自治体・国
社会生活に必要な教養と職務遂行に必要な基礎的な専門知識
自ら学び取る積極性を持つ人材の育成
地域社会 地域社会と地域産業の理解者と,地域の担い手の育成
本学の教職員 本 学 およ び農 学 研究 科の 理 念・ 目標 ・ 目的 を達 成 する ため の教
育活動を実践しやすい組織・制度の整備
II 分析項目ごとの水準の判断
分析項目I 教育の実施体制
(1)観点ごとの分析
観点I-1 基本的組織の編成
(観点に係る状況)
農学研究科は,自然科学と社会科学の融合を特色とする農学の教育と研究を推進するた
めの教員組織の構築に努めてきた。
農学部教員(農学部附属資源循環フィールド科学教育研究センター教員を含む。),学内
共同教育研究施設である海浜台地生物環境研究センターおよび総合分析実験センターの教
員で組織されている農学研究科は,各教員の専門を活かした教育を担当している。大学院
担当資格を持つ教員数の構成は,表4のとおりであり,2専攻の入学定員と在籍学生数は
表5のとおりである。
表4 農学研究科の大学院担当教員数
大 学 院 担 当 教 員 数
専 攻 講 座 数
教 育 研 究
分 野 数 教 授 准 教 授 講 師 助 教 合 計
生 物 生 産 学 専 攻 4 1 7 1 4 11(1) 0 0 2 5
応 用 生 物 科 学 専 攻 5 2 2 1 5 1 0 1 1 2 7
()内の数値は,外国人教員数を示す。
表5 各専攻の入学定員及び在籍学生数
平成19年5月1日 現在
専 攻 入 学 定 員 1 年 次 2 年 次 計
生 物 生 産 学 専 攻 20 21 16 37
応 用 生 物 科 学 専 攻 30 27 25 52
合 計 50 48 41 89
(出典:佐賀大学入学者選抜要項ならびに大学概要)
佐賀大学農学研究科 分析項目I
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世界水準と地域立脚という二つの視点を併せ持つ教員は,2専攻9講座 39 教育研究分
野のいずれかに所属し,教育と研究指導を担当している(表6)
。教育研究分野の構成は,
各講座からの発議に基づいてなされており,教育研究に対する社会的な要請に弾力的に応
えることができる。
生物生産学専攻には,社会科学・経済学・情報科学などを専門とする教員が所属してい
る。学校教育法の改正を受けて,講師・助教などの若手教員の大学院担当資格を厳格かつ
積極的に認定し,大学院教育の質的改善を進めている。女性教員2名(講師と助教)のキ
ャリア形成と大学院担当資格取得を支援している。業績評価に基づく審査結果は,教員の
昇格・昇給などに反映させている。外国人教員1名が在職しており,日本人学生の視野の
拡大・国際化において大きな役割を果たしている。留学生を対象とした英語による特別教
育カリキュラムとして「地球環境科学特別コース(前身は,国際環境科学特別コース)
」を
工学系研究科と共同で運営している。
表6 農学研究科の教育組織
専 攻 講 座 教 育 研 究 分 野
資 源 社 会 管 理 学
地 域 資 源 学 ,環 境 社 会 学 ,農 業 経 済 学 ,
★海 浜 台 地 政 策 学
生 産 生 物 学
作 物 生 態 生 理 学 ,熱 帯 作 物 改 良 学 ,施 設 農 業 生 産
学 ,動 物 生 産 学 ,資 源 循 環 フィールド科 学 ,
★海 浜 台 地 生 産 生 態 学
生 産 情 報 科 学
生 産 システム情 報 学 ,利 水 情 報 工 学 ,
生 産 基 盤 情 報 工 学
生 物 生 産 学 専 攻
生 産 環 境 工 学
地 圏 環 境 学 ,浅 海 干 潟 環 境 学 ,農 業 生 産 機 械 学 ,
★海 浜 台 地 生 産 機 能 学
生 物 工 学
遺 伝 子 工 学 ,細 胞 工 学 ,種 苗 生 産 学 ,遺 伝 資 源 学 ,
育 種 学
生 物 調 節 学 土 壌 環 境 学 ,植 物 病 制 御 学 ,植 物 ウィルス病 制 御 学
動 物 資 源 学
線 虫 学 ,害 虫 制 御 学 ,システム生 態 学 ,
動 物 行 動 生 態 学
生 物 機 能 化 学
生 化 学 ,機 能 高 分 子 化 学 ,応 用 微 生 物 学 ,
☆分 子 細 胞 生 物 学
応 用 生 物 科 学 専 攻
生 物 資 源 利 用 化 学
生 物 資 源 化 学 ,生 物 資 源 利 用 学 ,食 糧 化 学 ,
食 糧 安 全 学 ,食 品 栄 養 化 学 ,★マリンバイオ
★印 は海 浜 台 地 生 物 環 境 研 究 センターの教 員 ,☆印 は総 合 分 析 実 験 センターの教 員 の担 当 分 野 。
(出 典 :佐 賀 大 学 農 学 研 究 科 「履 修 案 内 」)
観点I-2 教育内容,教育方法の改善に向けて取り組む体制
(観点に係る状況)
農学研究科の教育課程の編成や教育方法等の改善に係る重要事項は,各専攻から選出さ
れた教員で構成される大学院教育小委員会(農学部教育委員会の中に設置)で審議され,
具体的な方策等が関係教員に周知されている。
ファカルティ・ディベロップメント
(以下,
FD と略す。
)の立案は農学部 FD 専門委員会が担当している。農学部 FD 専門委員会は,
大学教育委員会 FD 専門委員会と高等教育開発センターが担当している大学全体の FD 活
動と連携しながら FD を実施してきた。
本委員会は,農学部教育委員長,
農学部教育委員,
佐賀大学農学研究科 分析項目I,II
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大学院教育小委員会委員,及び農学部 FD 専門委員会が推薦する教員で構成されており,
学部と大学院の接続を視野に入れた FD を実施できる体制になっている。具体的には,学
生による授業評価の実施と実施結果の授業改善への活用,FD 講演会などを実施してきた。
また,平成 18 年度及び平成 19 年度に行った学生アンケート結果から,農学的なカリキュ
ラム・履修モデルの提案,教育目標の明確化,TA 報告書の義務化等を実施した。特 徴的
な FD 活動の一つに,平成 15 年 12 月から継続実施している教員による研究紹介があり,
大学院教育の基礎となる研究内容の紹介と活発な質疑応答がなされる。大学院という一つ
の組織を構成する教員の意志疎通を図る場にもなっている研究紹介は,
今後も継続される。
(2)分析項目の水準及びその判断理由
【水準】
教育の実施体制は,期待される水準にある。
【判断理由】
観点I-1
1.研究科の理念・目的を達成するための専攻の構成と教員の配置は適切である。
2 . 教育 研究 分 野を 柔軟 に 変更 でき る シス テ ム を 持 ち , 教 育 環 境 の 変 化 に 対 応 で き る 。
3.海浜台地生物環境研究センター,総合分析実験センターおよび農学部附属資源循環
フィールド科学教育研究センターの教員は,農学研究科の教員として,密に連携し
ている。
観点I-2
1.大学院教育小委員会で,学生アンケートに基づき,教育方法の改善(教育目標の導
入)を行った。
2.平成 18 年度の学科改組に連動した農学研究科の改組のなかで,教育内容(農学的
なカリキュラム・履修モデルの提案)
,教育方法の改善(TA 報告書の実施)を実施
した。
分析項目II 教育内容
(1)観点ごとの分析
観点II-1 教育課程の編成
(観点に係る状況)
研究科を構成する二つの専攻は,それぞれの教育目的を達成するための教育課程を編成
している。平成 18 年度には,以前の所属専攻各講座の科目を,広い視野を養うための2専
攻横断型のコア科目(必修;作物生態生理学特論,応用生物科学概論)
,専攻別に基礎教育
および研究分野に関する知識と問題解決能力を涵養するための基礎教育科目(必須)
,専門
教育科目および特別演習(必修)に再編成した。修了要件は,本研究科に2年以上在学し
て 30 単位以上を修得し,かつ必要な指導を受けた上,修士論文の審査及び最終試験に合格
することである。学位の種類は,修士(農学)である。
修士論文の評価は,主査(1名)と副査(2名以上)の教員が行い,各教員が 100 点満
点(修士論文の内容 50 点,発表会の内容 50 点)で採点し,その平均点が 60 点以上を合格
とする。最終試験は,主査と副査の教員が行い,各教員が 100 点満点で採点し,その平均
点が 60 点以上を合格とする。
教育目標を達成するため,指導教員は,学生と相談して2年間の履修計画を立て,計画
書を研究科長に提出する。2年間をとおして行う「特別研究」及び各講座の「演習科目」
に加えて,研究科必修の「研究科共通コア科目」
(2科目)
,専攻必修の「基礎教育科目」
(1科目)を定め,それぞれの講座の履修モデルを示し,体系的な学習ができるよう指導
佐賀大学農学研究科 分析項目II
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している。これらの授業科目は,全てオンラインシラバスとして,履修要綱(授業目的,
授業内容,成績評価の方法等)に関する情報が学生に提供されている。
観点II-2 学生や社会からの要請への対応
(観点に係る状況)
多様なニーズをもつ学生を教育するため,修了要件である 30 単位中 10 単位を指導教員
と相談の上,他専攻や他研究科が開講する科目を履修することができる。また,社会的な
要求から夜間開講の体制を整備し,社会人の受入れを可能にしている(表8)
。単位互換に
ついては,鹿児島大学大学院連合農学研究科の構成大学間で行えるように整備している。
留学制度は,
大学間学術交流協定を締結している諸外国の大学間
(16 校)
で実施している。
平成 16〜19 年度の間の留学実績は,短期留学推進奨学金(学生支援機構)でカリフォルニ
ア大学(米国)とカセサート大学(タイ)及び,私費でサムラトランギ大学(インドネシ
ア)に,各 1 名である。
表 8 社会人向けの夜間開講科目または集中講義科目(一覧)
生 物 生 産 学 専 攻 応 用 生 物 科 学 専 攻
コア科 目 作 物 生 態 生 理 学 特 論 コア科 目 作 物 生 態 生 理 学 特 論
応 用 生 物 科 学 概 論 応 用 生 物 科 学 概 論
基 礎 科 目 農 業 経 済 政 策 特 論 基 礎 科 目 応 用 生 物 科 学 総 合 講 義
専 門 教 育 科 目 農 村 地 理 学 特 論 専 門 教 育 科 目 植 物 遺 伝 子 工 学 特 論
地 域 資 源 学 特 論 植 物 化 学 特 論
環 境 社 会 学 特 論 種 苗 生 産 学 特 論
海 浜 台 地 政 策 学 特 論 遺 伝 資 源 学 特 論
応 用 植 物 生 態 学 特 論 植 物 育 種 学 特 論
熱 帯 作 物 改 良 学 特 論 土 壌 学 特 論
施 設 農 業 生 産 学 特 論 植 物 栄 養 調 節 学 特 論
動 物 生 産 学 特 論 植 物 感 染 病 学 特 論
生 産 生 態 学 特 論 植 物 病 学 特 論
家 畜 飼 育 管 理 学 特 論 線 虫 学 特 論
応 用 遺 伝 資 源 学 特 論 害 虫 制 御 学 特 論
作 物 生 産 学 特 論 システム制 御 学 特 論
動 物 遺 伝 育 種 学 特 論 動 物 行 動 生 態 学 特 論
浅 海 環 境 工 学 特 論 土 壌 動 物 学 特 論
環 境 資 源 学 特 論 生 化 学 特 論
微 生 物 遺 伝 学 特 論
食 品 生 化 学 特 論
栄 養 化 学 特 論
食 糧 流 通 貯 蔵 学 特 論
(出 典 :佐 賀 大 学 農 学 研 究 科 「履 修 案 内 」)
佐賀大学農学研究科 分析項目II,III
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(2)分析項目の水準及びその判断理由
【水準】
教育内容は,期待される水準にある。
【判断理由】
観点II-1
1.教養教育と専門教育が適切に配置されている。
2 . 専 攻 横 断 的 な 「 コ ア 科 目 」
, 専 攻 の 概 要 を 理 解 す る 基 礎 共 通 科 目 の ほ か に , 専 門 教
育科目をおき,教育にバランスをとっている。
3.修士論文及び最終試験の評価を点数で評価している。
4.30 単位中 10 単位を他専攻あるいは他研究科の科目を履修することを認めている。
観点II-2
1.大学間学術交流協定を結び,留学制度を充実させている。
2.夜間授業も考慮した社会人入学を受け入れている。
分析項目III 教育方法
(1)観点ごとの分析
観点III-1 授業形態の組合せと学習指導法の工夫
(観点に係る状況)
観点III-1-1(授業形態のバランス)
各授業科目の授業形態は,学則,農学研究科規程,および履修細則に基づき,農学研究
科の基本理念・特色を踏まえている。各専攻は,それぞれの分野の特性に応じた構成を取
り,バランスにも配慮し,体系的に授業を行っている。
履修方法は,各専攻の開講科目中,学生が所属する講座の特別研究(8単位)及び指導
教員の指導による授業科目を合わせて 30 単位以上を履修することとし,各専攻とも,履修
モデルを示している。生物生産学専攻では,生産科学系(資源社会管理学講座,生産生物
学講座)および環境情報工学系(生産情報科学講座,生産環境工学講座)の履修モデルを
作成し,応用生物科学専攻では,5つの講座単位で履修モデルを作成している。各モデル
とも,1年前期に 12-13 単位,後期に 10-13 単位取得できるようにバランスよく開講して
いる。2年次は演習および特別研究を実施している(表9)。 佐賀大学農学研究科 分析項目III
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表9 農学研究科における履修モデル
(1)生物生産学専攻
(A)は資 源 社 会 管 理 学 科 目 ,(B は)生 産 生 物 学 科 目
(A)は生 産 情 報 科 学 科 目 ,(B)は生 産 環 境 工 学 科 目
(2)応用生物科学専攻
佐賀大学農学研究科 分析項目III
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佐賀大学農学研究科 分析項目III
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履修手続きは,Web による履修登録としている。講座の内容,教育研究分野の内容およ
び授業科目の概要は,
院生全員に入学時に配布される大学院履修案内に掲載するとともに,
Web 上に掲載している。授業は,受講生の人数に応じて,大学院演習室および講義室を活
用している。多くの授業は,10 数名以下の少人数で実施している。
観点III-1-2(学習指導法の工夫)
農学研究科の講義,演習,実験実習は基本的に少人数教育であり,演習科目では,対話・
討論型授業やフィールド型授業を実施している。また,平成 18 年度後期から動物遺伝育
種学特論をネット授業として開講した。
観点III-1-3(シラバスの作成と活用)
全科目のシラバスは,本学共通のシラバス作成要領に従って作成され,オンラインシラ
バスとして,ホームページに掲載している。シラバスには,担当教員名・授業科目名・開
講学期・開講曜日・時限などに加えて,授業計画・履修上の注意・成績評価の方法と基準・
教科書・参考書・オフィスアワーを記している。学生は,シラバスにより,履修する授業
科目の内容等を知り,履修科目を選択できる。教員は,授業の初回に,シラバスを用いて,
授業内容・成績判定基準などを説明している。受講生は,シラバスと授業の内容が一致し
ているかという観点から授業評価を行っている。
開講科目は,入学時に配布する大学院履修案内に掲載されており,オンラインシラバス
は,開講年度ごとに更新している。受講する学生は,履修モデルを参考にしながら,受講
科目を決めることができる。
観点III-2 学生の主体的な学習を促す取り組み
(観点に係る状況)
観点III-2-1(主体的な学習を促す取組)
入学生を対象として,主体的な学習を促すためのガイダンスを実施し,履修モデルを紹
介し,授業科目の選択,受講方法,履修方法,修了認定基準及び学位授与について説明し
ている。
成績評価基準は,
「履修の手引き」
に明記するとともに,
学生全員に配布している。
各教育研究分野の指導教員は,分野所属の学生と相談し,2年間の履修計画を立て,マン
ツーマンで学習(履修)を指導している。入学者の1割強を占める他大学からの入学者の
多くは,農学研究科教員の研究内容に惹かれて入学しているため,学習上および研究遂行
佐賀大学農学研究科 分析項目III
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上の障害は少ないが,必要に応じて教員は,特別の指導(補完的な教育や研究方法の指導)
を実施している。
多くの教育研究分野では,学生に研究室内に机を与えているが,複数教育分野では,学
生専用の演習室を確保している。附属図書館には,自主的に学習する学生のための閲覧ス
ペースとグループ学習室があり,学生は,パソコンによる図書・文献の検索や読書などを
自由に行える。学生の読書意欲を高めるために,学生による選書制度を導入している。イ
ンターネットによる情報収集は,総合情報基盤センターでも,講義時間以外に学生が自由
に使える。
TA に応募させ,教員のもとで学生の教育指導法を学ぶとともに,教員および学生とのコ
ミュニケーション能力を養うように心がけている。TA の採用率は 84-91%である(表 10)。農学研究科の主要な柱である特別研究は,所属分野の指導教員と相談しながら研究テーマ
を定め,実施計画書を作成して研究を実施し,その成果を学位論文として取りまとめてい
る。
表 10 農学研究科におけるTAの採用状況
観点III-2-2 (成績の単位の実質化)
農学研究科の開講科目の成績評価基準は,大学院教育小委員会が提案し,各専攻におけ
る 検 討 を 経 て , 農 学 研 究 科 で 審 議 ・ 決 定 す る 。 成 績 評 価 基 準 は , シ ラ バ ス に 明 記 し , Web
上で公開している。成績評価基準は,学習目標ならびに授業計画と対応づけて,具体的に
記している。単位認定制度の根幹を成す授業時間数を確保するために,特別の事情で休講
とした場合は補講を義務づけている。社会的に信頼される学業成績の評価と単位の実質化
を進めるために,カリキュラム編成において十分配慮された授業時間配置をとっている。
大学院生は修士課程入学時に大学院教育小委員会委員から履修にあたってのオリエンテー
ションを受けるとともに,指導教員の指導のもとに研究テーマを設定し,その研究内容に
適した履修計画を策定している。また,大学院履修案内に講義概要が,オンラインシラバ
スに授業計画などが記載され,学生の自主学習を促している。さらに,大学院生は基本的
に研究室に机を与えられ,毎日,指導教員にさまざまな指導を受けている。大学院生には
夜間日祝日に建物内に出入するためのカードキーを貸与しており,自主学習・研究の便宜
をはかっている。大学院生は附属図書館において学術雑誌の閲覧,複写をして,自主的に
各授業科目の内容や修士論文テーマについて研究することができる。
成 績 の 厳 格 評 価 の 結 果 と し て 生 ま れ る こ と が 予 測 さ れ る 院 生 か ら の ク レ ー ム へ の 対 応
と,緊張感を保つために,
「成績評価の異議申立てに関する要項」を平成 18 年度に定め,
成績評価判定資料の保管,試験の解答例等の提示,答案・レポート等の閲覧などを開始し
た。
平成 20 年度からは,
学生の学業成績に GPA を採用し,
勉学への動機付けを強化する。
(2)分析項目の水準及びその判断理由
【水準】
教育方法は,期待される水準にある。
【判断理由】
観点III-1-1
年 度 採用人員 採用率%
17 年度 86 84
18 年度 97 91
19 年度 70 89
佐賀大学農学研究科 分析項目III,IV
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1 . 各授 業科 目 の授 業形 態 は, 大学 院 学則 , 研 究 科 規 則 及 び 履 修 細 則 に 基 づ い て い る 。
2.本研究科の基本理念・特色を踏まえ,各専攻においてそれぞれの分野の特性に応じ
た構成を取っている。
3.バランスにも配慮し,各専攻とも,3つの教育目標を立てて,体系的に授業を行っ
ている。
観点III-1-2
1.少人数教育,対話・討論型授業,フィールド型授業やネット授業など目的に応じた
多彩な工夫が凝らされている。
観点III-1-3
1.開講科目は,入学時に配布する大学院履修案内に掲載している。
2.オンラインシラバスは,開講年度ごとに,更新している。
3.受講する学生は,履修モデルを参考にして受講科目を決めることができる。
観点III-2-1
1.入学時のガイダンスで,授業科目の選択,受講方法,履修方法,修了認定基準及び
学位授与について説明し,さらに履修モデルを提案している。
2.成績評価基準は,履修の手引きに明記し,冊子を学生全員に配布している。
3.TA への応募を促し,教員のもとで学生の教育指導法を学ぶとともに,教員および学
生とのコミュニケーション能力を養うように心がけている。
4.特別研究は,当該講座における研究分野に関するテーマ等を選定し,学生は指導教
員と相談し,実施計画を作成して研究を進め,学位論文を作成する。
観点III-2-2
1.カリキュラム編成において十分配慮された授業時間配置をとっている。
2.大学院教育小委員会委員や指導教員がきめ細かい履修指導をしている。
3.オンラインシラバス,カードキーの貸与,附属図書館における学術雑誌の閲覧,複
写など,学生の自主的な学習・研究に便宜をはかっている。
分析項目IV 学業の成果
(1)観点ごとの分析
観点IV-1 学生が身に付けた学力や資質・能力
(観点に係る状況)
観点IV-1-1(在学中・卒業時の状況に基づく,教育の成果や効果)
農学研究科で修得した知識・技能などが職業生活で活きるようにするためのキャリア形
成については,学部1年生から大学院生に至るまで,継続的に実施している。学部卒とは
異なる,
大学院修了に相応しい力を養成するために,
大学院新入生に対するガイダンスや,
学生支援機構第1種奨学金返還免除についての説明会などの場を活用して,第三者が見て
分かる実績(学会発表,論文発表,等)を積極的に積むように指導し,学修・研究へのモ
チベーションを高めている。
成績評価は,成績評価基準に基づき,平素の学修状況,出席状況,学修報告,論文およ
び試験等を総合的に判断して4段階評価で行っている。平成 19 年度から,秀・優・良・
可・不可の 5 段階で評価している。平成 20 年度から,GPA を導入する。
佐賀大学農学研究科 分析項目IV
-10-14-
入学時ガイダンスのアンケート調査の結果,学習目標と授業科目の履修方法についての
理解度は高く,履修モデルが評価された。平成 18 年度及び平成 19 年度に行った学生アン
ケートを比較すると,専門科目及び選択科目とも満足度が上がっている。平成 19 年度から
専攻横断的なコア科目,専門共通科目及び専門科目とバランスよく履修できるモデルを提
案している成果と考えられる。
平成 16〜19 年度における全在籍者数に対する修了者の割合
(修了率)は,生物生産学専攻で,89%-100%,応用生物科学専攻で 85%-96%と,いずれの
専攻とも非常に高い(表 11)。表 11 農学研究科における年度別修了率
16 年度 17 年度 18 年度 19 年度
専 攻 在 籍
者 数
修 了
者 数
修 了率在 籍
者 数
修 了
者 数
修 了率在 籍
者 数
修 了
者 数
修 了 率
在 籍
者 数
修 了
者 数
修 了率生物生産学専攻 21 20 95% 19 17 89% 30 30 100% 16 15 94%
応用生物科学専攻 26 22 85% 28 26 93% 34 32 94% 25 24 96%
合 計 47 42 89% 47 43 91% 64 62 97% 41 39 95%
観点IV-2 学業の成果に関する学生の評価
(観点に係る状況)
観点IV-2-1(学業の成果の到達度と満足度)
入学時に学生は指導教員と相談し,履修モデル,修士論文も含めて2年間の履修計画を
立て,実施している。GPA 導入と,成績評価の厳格化が進行中である。
授業に対する満足度を測るため,平成 18 年度後期より,
「大学院生による授業評価」を
開始した。平成 18 年度と平成 19 年度を比較すると,専門必修科目および専門選択科目の
授業内容および授業方法は評価が高くなり,基礎学力の不足を感じている学生が減少し,
教員の研究指導を適切であると評価する一方,適切ではないと思っている学生も少なくな
い。複数教員による指導など新しい取組がなされている。シラバスでは,専門必修科目の
学習目標の評価が低下し,専門選択科目の学習目標は評価されている。指導教員によるマ
ンツーマンの指導が行き届いていることが明らかとなった。
(2)分析項目の水準及びその判断理由
【水準】
学業の成果は,期待される水準にある。
【判断理由】
観点IV-1
1.入学時のガイダンスにより学習目標の理解および授業科目の履修を容易にしている。
2.過去3年間の修了率は 89-100%と高い。
観点IV-2
1.過去2年間の大学院生による授業評価アンケートの比較では,授業内容および授業
方法は評価が高くなり,授業科目の学習目標は,選択科目が必修科目より評価され
た。
佐賀大学農学研究科 分析項目V
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分析項目V 進路・就職の状況
(1)観点ごとの分析
観点V-1 終了後の進路の状況
(観点に係る状況)
農学研究科の修了予定者に対する就職率(就職希望者数に対する割合)は,平成 16 年
度 92.9%,平成 17 年度 85.7%,平成 18 年度 100%,平成 19 年度 100%である。専攻別就職分
野(表 12-1,2)は,4年間でみると,生物生産学専攻では,進学,学校教育,複合サービ
ス事業(JA など)
,食料品・飲料・飼料製造業,機械器具製造業,建設業,地方公務員の
順であり,応用生物科学専攻では,食料品・飲料・飼料製造業,進学,医薬品・農薬・化
粧品製造業,サービス業(検査機関など)
,複合サービス事業(JA など)
,地方公務員の順
である。生物生産学専攻では,農業,林業を含めて幅広く分野に就職しているが,応用生
物科学専攻では,前述の6分野に集中している。生物生産学専攻の教育目標が高度職業人
の養成,応用生物科学専攻が,研究者の養成となっている等の特徴を反映している。
表 12-1 生物生産学専攻修了生の進路
進学および就職先 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度 合 計
進学 3 3 3 2 11
農業 1 1 1 3
林業 1 1
食料品・飲料・飼料製造業 1 5 6
医薬品・農薬・化粧品製造業 1 1
機械器具製造業 2 2 1 5
家具・装備品製造業 1 1
建設業 3 2 5
電気・ガス・水道業 1 1
情報通信業 1 2 3
運輸業 1 1
卸売・小売業 1 1
金融・保険業 1 1
学校教育 5 1 2 1 9
複合サービス事業(JA など) 1 1 3 2 7
サービス業(検査機関など) 1 2 3
国家公務員 2 1 3
地方公務員 2 3 5
その他 3 7 3 2 15
(出典:キャリアセンター就職関連資料)
佐賀大学農学研究科 V
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表 12-2 応用生物科学専攻修了生の進路
観点V-2 関係者からの評価
関係者からの評価は,アンケート調査によって行うものであるが,本研究科では,後援
会の支援により,各専攻の主任の教員が就職支援活動の一環として会社訪問を行い,就職
した学生の働きぶりを聞き取り調査するとともに,求人の依頼をしている。農業および食
料品関連企業からは,高い評価を得ている。また,産学連携推進機構の高度技術研修会「農
業版 MOT」
(コーディネータは農学部教員)への参加を呼びかけたところ,定員 20 名に対
して,現農業法人,個人農家,民間企業等の多彩な分野から 38 名の応募があった。いかに
地域の期待が大きいかが明らかとなった。
(2)分析項目の水準及びその判断理由
【水準】
進路・就職の状況は,期待される水準にある。
【判断理由】
1.18 年度及び 19 年度の就職率は 100%である。
2.就職分野は,
生物生産学専攻および応用生物科学専攻と共に教育目標を反映している。
3.関係者の評価は,地域への期待が大きい。
III 質の向上度の判断
事例1:体系的カリキュラムの編成(分析項目II)
(質の向上があったと判断する取組)
学生を中心とした教育改善に向けた体制整備を行うため,平成 18 年度に,研究科必修
科目(4単位)
,専攻必修科目(4単位)
,講座必修の「専門教育科目及び講座の「演習科
目」を定めた体系的カリキュラムを編成した(表 13)
。さらに各系または各講座が特色あ
るカリキュラムの履修モデルを提案した(表9)。「平成 18 年度と平成 19 年度の大学院生
による授業評価」をみると,専門必修科目および専門選択科目の授業内容および授業方法
の評価は高かった(中期計画番号:098,106)。進学および就職先 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度 合計
進学 7 6 4 3 20
食料品・飲料・飼料製造業 5 6 12 4 27
医薬品・農薬・化粧品製造業 3 3 4 5 15
電子部品・デバイス製造業 1 1
卸売・小売業 1 2 3
金融・保険業 1 1
学校教育 1 1 2
複合サービス事業(JA など) 1 2 1 1 5
サービス業(検査機関など) 1 3 4 1 9
国家公務員 1 1
地方公務員 1 2 1 4
その他 4 3 4 4 15
(出典:キャリアセンター就職関連資料)
佐賀大学農学研究科
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表 13 農学研究科の修了要件
平成 17年度以前 平成 18 年度以降
コア科目(必修) 4 単位
基礎教育科目(必修) 2 単位
専門教育科目 14 単位以上
所属専攻各講座の科目 22 単位以上
特別演習(必修) 2 単位
特別研究 8 単位 特別研究(必修) 8 単位
修了要件 30 単位以上 修了要件 30 単位以上
(出典:佐賀大学農学研究科「履修案内」)
事例2:研究指導の質の向上(分析項目III)
(質の向上があったと判断する取組)
平成 15 年 12 月から継続実施している教員による研究紹介は,今後とも継続し研究指導
の向上を図る。さらに,特別研究のシラバスを充実し,院生と一緒になって作成した特別
研究実施計画によって研究指導方法を明確にした。
「平成 18 年度と平成 19 年度の大学院生
による授業評価」において,多くの院生が指導教員の研究指導が適切であることと一致す
る。また,教員の研究指導評価を向上させるため,平成 20 年度から修士論文の評価に GPA
を導入する(中期計画番号:118)。事例3:農業版MOT(副コース)の導入による教育システムの改善(分析項目I)
(質の向上があったと判断する取組)
魅力のある大学院教育体制の一環として,社会人入学をターゲットとした人材育成プロ
グラム「農業版 MOT」を目指した活動を実施した(表 14)
。平成 19 年 11 月 13 日〜12 月4
日に,産学連携推進機構・高度技術研修「MOT 農業版短期集中講座」では,定員 20 名に対
して,現農業法人,個人農家,民間企業等の多彩な分野から 38 名の応募があり,地域にお
ける人材育成の期待の大きいことが弾みとなり,平成 20 年5月に,文部科学省の平成 20
年度大学院教育改革支援プログラムとして,
「農業版 MOT-がんば RAMBA ねっと(副題)高
度な農業技術経営者を育成する実践的教育プログラム」を申請するともに,平成 22 年度の
研究科の改組計画(1 専攻5コース)においても,副コースとして「農業版 MOT 特別コー
ス」を設置する計画である(中期計画番号:113)。表 14 農学研究科における農業版 MOT の開設準備状況
実 施 年 月 実 施 事 項
平 成 18 年 4 月 農 業 版 MOTを提 案 (科 学 技 術 共 同 開 発 センター)
平 成 18 年 9 月 「農 業 版 MBA 育 成 ・研 修 教 育 プログラム(RAMBA)の開 発 研 究 」を採 択 (学 長 裁 量 経 費 )
平 成 19 年 4 月 農 業 版 MOTに関 するシンポジウムの開 催 (産 学 官 連 携 推 進 機 構 )
平 成 19 年 9 月 「農 業 版 MOT 教 育 支 援 プログラムの構 築 」を採 択 (学 長 裁 量 経 費 )
平 成 19 年 11 月 MOT農 業 版 短 期 集 中 講 座 の開 催 (産 学 官 連 携 推 進 機 構 )
平 成 20 年 5 月 文 部 科 学 省 大 学 院 教 育 改 革 支 援 プログラムに申 請

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