佐賀大学農学部

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9.農 学 部
I 農学部の教育目的と特徴 ・・・・・・9-2
II 分析項目ごとの水準の判断 ・・・・・9-4
分析項目I 教育の実施体制 ・・・・9-4
分析項目II 教育内容 ・・・・・・・9-5
分析項目III 教育方法 ・・・・・・・9-7
分析項目IV 学業の成果 ・・・・・・9-11
分析項目V 進路・就職の状況 ・・・9-13
III 質の向上度の判断 ・・・・・・・・・9-14
佐賀大学農学部
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I 農学部の教育目的と特徴
【教育目的と特徴】
日本有数の食料生産基地である佐賀平野に立地する佐賀大学農学部の目的は,
「食糧」,「生命」,「環境」,「エネルギー」,「情報」,「地域社会」という重要な課題を解決するため
の総合科学である農学の発展と,社会的に活躍できる人材の育成である。この目的を達成
するために農学部は,学部設立時(昭和 30 年)から現在に至るまで,我々の生活に必要
な生物の生産と利用に関わる教育をとおして,人類の繁栄に貢献できる豊かな教養と深い
専門知識を備えた人材を育成してきた。農学部における学部教育の特徴は,学生と教員の
間のコミュニケーションを重視しながら,卒業研究の完成をゴールとする,農学教育の実
践にある。
【3 学科の教育目的】
農学部は,学科改組(平成 18 年 4 月)により,2 学科(生物生産学科,応用生物科学科)
から3学科(応用生物科学科,生物環境科学科,生命機能科学科)の構成となった。それ
ぞれの学科の教育目的は,次のとおりである。
応用生物科学科の目的は,多様な生物の諸特性の解明・改良・活用,有用生物の生産や,
生物間の相互関係に関わる諸問題を解決し,社会に貢献できる人材の育成である。
生物環境科学科の目的は,環境保全と持続的食料生産のための技術開発及び資源循環型
地域社会の構築を担う人材の育成である。
生命機能科学科の目的は,生命科学についての基本的な理解を深め,科学的に思考でき
る人材の育成である。
【アドミッションポリシー】
農学部および 3 学科の教育目的に基づいて,アドミッションポリシーを定め,ホームペ
ージで公開している(表 1)。表 1.農学部 3 学科のアドミッションポリシー
応用生物科学科
1 本学科の教育・研究の目的と内容(多様な動植物の生理生態的特性の解明,バイオ
テクノロジーを用いた有用生物資源の開発・利用,有用動植物を加害する病害虫の
制御,等)について理解と関心がある人
2 本学科の教育研究の内容を理解するための基礎となる授業科目(生物,化学,数学,
英語,国語,等)を履修している人
3 問題解決に向けて,粘り強く自己研鑽につとめる熱意と実行力がある人
4 本学科で学んだことを活かして社会で活躍したいという目的意識と向上心がある人
生物環境科学科
1 自然環境,社会環境,及び生物の生産環境の保全と修復に興味をもつ人
2 永 続 的 な 農 業 を 可 能 に す る 新 た な 生 物 生 産 シ ス テ ム と 経 済 社 会 シ ス テ ム の 創 造 に
意欲のある人
3 生物産業あるいは環境科学の分野で,研究者,技術者として国際的な視野で活躍す
る意欲のある人
生命機能科学科
1 生体における遺伝子の発現や物質代謝とそれらの調節機構を分子レベルで理解する
ライフサイエンス,食品の生体調節機能,栄養機能や安全性などに興味を持ってい
る人
2 将来,本学科で学んだ知識や技術を社会で活かそうと考えている人
3 化学的手法を多用しますので,化学はもちろん生物,物理,数学など理系科目が得
意で,英語,
国語,社会などの基礎学力を十分身につけている人
(出典:佐賀大学農学部ホームページ)
佐賀大学農学部
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【入学試験】
多様な学生の入学機会を保障するため,一般入試(推薦入試,前期日程入試,後期日程
入試)と特別選抜(私費外国人特別選抜,帰国子女特別選抜)を実施している。
平成 16 年度から 19 年度の学科別の志願者倍率は,3.9 倍から 6.5 倍である(表 2)。表 2.農学部の志願者倍率
学科(入学定員) 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度 平成 19 年度
生物生産学科 (65 人) 4.9 4.8 - -
応用生物科学科 (80 人) 6.0 5.2 - -
応用生物科学科 (45 人) - - 5.0 4.7
生物環境科学科 (60 人) - - 3.9 5.1
生命機能科学科 (40 人) - - 6.5 5.5
備考:農学部の入学定員は,学科改組前も改組後も 145 人である。
(出典:アドミションセンター入試統計資料)
【想定する関係者とその期待】
農学部の教育目的と特徴と対応して,学部教育の関係者と関係者の期待を,次のとおり想
定している(表3)。
表 3.教育面からの農学部が想定する関係者と関係者の期待
想定する関係者 関係者の期待
入学志願者 農学部の教育目的・目標の分かりやすい公表
入学志願者に対する多様な説明機会の提供(オープンキャン
パス,ジョイントセミナー等)
在学生 学生の期待に応える体系的なカリキュラムの編成
学生の学習意欲に応える,分かりやすい授業の提供
学生が学習しやすい環境の整備
卒業生 社会人として活躍するために必要な教養と専門知識の修得
卒業後も相談に乗れる学部の体制整備
在学生の保護者(家族) 学生に対する良好な学習環境の提供,学力の定着,就職・進学卒業生の受入れ企業・
地方自治体・国
社 会 生 活 に 必 要 な 教 養 と 職 務 遂 行 に 必 要 な 基 礎 的 な 専 門 知識自ら学び取る積極性を持つ人材の育成
地域社会 地域社会と地域産業の理解者と,地域の担い手の育成
本学の教職員 本学および農学部の理念・目標・目的を達成するための教育
活動を実践しやすい組織・制度の整備
佐賀大学農学部 分析項目I
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II 分析項目ごとの水準の判断
分析項目I 教育の実施体制
(1)観点ごとの分析
観点I-1 基本的組織の編成
(観点に係る状況)
農学部の 3 学科は,それぞれの教育目的に応じた講座を設置している(表 4)。表 4.教育研究組織
学科 講座 教育研究分野
生物資源開発学 熱帯作物改良学,動物資源開発学,植物工学,植物
代謝解析学,蔬菜花卉園芸学,果樹園芸学,植物遺
伝育種学
応用生物科学科
生物資源制御学 植物病制御学,植物ウイルス病制御学,線虫学,昆
虫学,システム生態学,動物行動生態学
生物環境保全学 地圏環境学,水環境工学,浅海干潟環境学,環境地
盤学,生物環境学
資源循環生産学 農業生産機械学,生産システム情報学,施設農業生
産学,作物生態生理学,資源循環フィールド科学
生物環境科学科
地域社会開発学 地域ビジネス開発学,地域資源学,人類生態学
生命化学 生化学,機能高分子化学,応用微生物学
生命機能科学科
食糧科学 生物資源利用学,食品化学,食糧安全学,食品栄養
化学
(出典:佐賀大学農学部「履修の手引」)農学部の教員は,講座内の教育研究分野(計 33 分野)に所属し,教育と研究を遂行し
ている。教育研究分野の構成は各講座からの発議に基づかせることにより,教育研究に対
する社会的な要請に弾力的に応えることができる。
各学科の入学定員と現員は表 5 のとおりである。
専任教員の構成は表 6 のとおりであり,
大学設置基準に定められた専任教員数を充足している。多様な科目を学ぶ機会を増やすた
めに,学内の他学部教員および学外講師による授業科目を開講している。
農学部附属資源循環フィールド科学教育研究センターの教員は,センターにおけるフィ
ールド実習等の指導に加えて,所属学科等の教育も担当している。学内共同教育研究施設
である海浜台地生物環境研究センターおよび総合分析実験センターの教員も農学部の学生
に対する教育を担当している。
表 5.農学部の入学定員と現員 (19.5.1)
現員
学科 入学定員 1 年次 2 年次 3 年次 4 年次以上
生物生産学科 65 - - 79 87
応用生物科学科 80 - - 93 98
応用生物科学科 45 51 51 - -
生物環境科学科 60 61 63 - -
生命機能科学科 40 42 43 - -
備考:入学定員は,学科改組前(2 学科)も改組後(3学科)も 145 人である。
(出典:佐賀大学入学者選抜要項ならびに資料 A2-2007 入力データ集:No.3-1 学生年次別)
佐賀大学農学部 分析項目I,II
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表 6.農学部の教員 (19.5.1)
学科等 計 教授 准教授 講師 助教
応用生物科学科 16 8 7 0 1
生物環境科学科 22 10 8 2 2
生命機能科学科 13 7 4 1 1
資 源 循 環 フ ィ ー ル ド 科 学
教育研究センター(注) 4 1 2 0 1
注 : 資 源 循 環 フ ィ ー ル ド 科 学 教 育 研 究 セ ン タ ー の 教 員 は , 教 育 組 織 で あ る 生 物 環 境 科 学 科 に 所 属 。
観点I-2 教育内容,教育方法の改善に向けて取り組む体制
(観点に係る状況)
農学部の教育課程の編成や教育方法等の改善に係わる重要事項は,各学科・教育コース
から選出された教員で構成する農学部教育委員会で審議され,具体的な方策等が学科会議
やコース会議で周知されている。ファカルティ・ディベロップメント(以下,FD と略す。)の立案も教育委員会内に設置されている FD 専門委員会が担当している。
「学生による授業評価アンケート」は継続的に実施しており,平成 18 年度からは,実験,
実習等を含む全科目で授業評価を実施している。各教員は,授業評価の結果に基づいて授
業内容を点検し,その結果をライブキャンパス(Live Campus:Academic Affairs System
for Teachers(授業点検・評価)
)上で公開している。学部開催の FD 講演会を開催すると
ともに,授業評価の報告書を教員へ周知することにより,シラバスの改善・更新に役立て
ている。講義室および実験室の映像教材利用環境を整備し,学生の授業理解の向上に役立
つ液晶プロジェクターなどの利用を容易にした。
「どがんね,
こがんよ,
学生懇談会」
では,
学生の意見・要望等を全学的な視点から汲み上げ,授業等の改善に活用している。
(2)分析項目の水準及びその判断理由
【水準】
教育の実施体制は,期待される水準を上回る。
【判断理由】
1 農学部の理念・目的を達成するための学科構成と教員配置は適切である。
2 教育研究分野を柔軟に変更できるシステムを持ち,教育環境の変化に対応できる。
3 教育の充実に必要な学科と附属センター等との連携が密である。
4 農 学 部 独 自 の 取 組 と し て , 学 生 に よ る 授 業 評 価 の 実 施 体 制 が 早 期 か ら 整 備 さ れ , 実 行
されている。
5 学生の授業評価に基づくシラバスの改善・更新がなされている。
分析項目II 教育内容
(1)観点ごとの分析
観点II-1 教育課程の編成
(観点に係る状況)
卒業要件(単位数)は,各学科とも 126 単位(教養教育科目 37 単位,専門教育科目 89
単位)である(表 7)。 佐賀大学農学部 分析項目II
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表 7.授業科目区分の内訳と農学部の卒業要件
専 門 教 育 科目教 養 教 育 科 目
共 通 基 礎 教 育 科 目 主 題 科目外 国 語 科 目 健 康 ・ス ポ
ー ツ 科 目
情 報 処
理 科 目
学 科大学入門科目英語
独 語
仏 語
中 国 語
朝 鮮 語
講 義・演 習
実 習 講義演習I分野別主題科目共通主題科目小計専門基礎科目農学基礎科目専門科目小計合計応 用 生 物 科 学 科 2 4 4 2 2 2 1 20 37 4 6 79 89 126
生 物 環 境 保
全 学 コ ー ス
2 4 4 2 2 2 1 20 37 4 6 79 89 126
資 源 循 環 生
産 学 コ ー ス
2 4 4 2 2 2 1 20 37 4 6 79 89 126生物環境科学科地 域 社 会 開
発 学 コ ー ス
2 4 4 2 2 2 1 20 37 4 6 79 89 126
生 命 機 能 科 学 科 2 4 4 2 2 2 1 20 37 8 6 75 89 126
(出典:佐賀大学農学部「履修の手引」)数学,物理学,化学,生物学を学習させる専門基礎科目は,1 年前期に配置することに
より,理数系科目の基礎学力を向上させ,専門教育への円滑な移行を進めている。学力差
が大きい数学では,学力別クラスを編成している。
農学部の中心的な授業科目(コア科目)として,1 年次および 2 年次の学生向けに,農
学基礎科目(5 科目)を開講している(3 科目が選択必修)
。そのほかの必修科目は,各学
科,コースの特徴を生かせるよう配置している。例えば,生物環境科学科の必修科目は,
各コースが開設する概説,科学英語,卒業研究である。
全ての授業科目の内容(授業目的,授業内容,成績評価の方法等)に係る情報は,オン
ラインシラバス(LiveCampus:Academic Affairs System for Teachers(シラバス))により,学生に提供している。
学科改組に伴い,平成 18 年から,新旧のカリキュラムが並存しているため,授業時間
割は大変窮屈であるが,教員の努力により,滞りなく授業は実施されている。
観点II-2 学生や社会からの要請への対応
(観点に係る状況)
多様な科目を履修する機会を提供している学内開放科目を履修して取得した単位は,自
由科目として,卒業要件に加えることができる。単位互換制度に基づく熱帯農学総合実習
(琉球大学)などの科目を受講することにより,学内では得難い経験ができる。3 年前期
に開講する,企業や試験場などで行うインターンシップの単位(2 単位)を認定している。
編入学生については,本学部に入学後の学習を容易にするために,短期大学等で修得し
た単位を,本学部の定めに基づいて,本学部の単位として認定している。科目等履修生と
研究生 2〜4 名程度が在籍している。
海外の大学と密接に連携し,外国人留学生を積極的に受け入れるとともに,本学部学生
の留学を支援している。留学生,社会人入学生,編入学生,障害のある学生など,特別の
支援が必要な学生のために,留学生担当講師,留学生センター委員会,教育委員会,学生
委員会の連携により,学習支援を行っている。
資源循環フィールド科学教育研究センターと農学部の教職員の地域貢献活動(伊万里は
ちがめプラン,蕨野の棚田支援,水みちマップ運動への参加,食育教育,等)は極めて活
佐賀大学農学部 分析項目II,III
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発であり,これらの活動の一部は,正規の授業カリキュラムとして実施している。
(2)分析項目の水準及びその判断理由
【水準】
教育内容は,期待される水準にある。
【判断理由】
1 教養教育と専門教育が適切に配置されている。
2 学 科 横 断 的 な 農 学 基 礎 科 目 の 設 置 等 , 総 合 科 学 で あ る 農 学 の 特 性 に 合 う カ リ キ ュ ラ ム
を構築し
ている。
3 他学部教員等が開講する科目の履修を薦め,自由科目として単位を認定している。
4 各学科の教育目的を達成するための必修科目が適切に配置されている。
5 編入学生や留学生を積極的に受け入れる体制を構築している。
6 海外の提携校への留学支援を進めている。
7 地域社会の要望に応える地域貢献授業が充実している。
分析項目III 教育方法
(1)観点ごとの分析
観点III-1 授業形態の組合せと学習指導方法の工夫
(観点に係る状況)
観点III-1-1(授業形態のバランス)
授業科目は,学科共通の科目と,学科別の科目で構成している。学科共通科目(必修)
は,コミュニケーションと動機付けを重視する「大学入門科目」と,専門科目を理解する
ために必要な専門基礎科目である。授業科目の内容と実施方法は農学部履修細則に記し,
学生に丁寧に説明している。
授業形態は,各学科の教育目的と学年進行と関連づけて,講義・演習・実験を適切に組
み合わせている。学科改組後の卒業要件(単位数)は 3 学科共通(教養教育科目が 37 単
位,専門科目が 89 単位,合計 126 単位)であるが,専門科目の授業形態別内訳は,教育
目的を達成するために,学科により異なる(表 8)。表 8.農学部専門科目の授業形態別単位数(改組後の卒業要件)
学科 コース 講義 演習 実験 卒業研究
応用生物科学科 ― 75 2 4 8
生物環境保全学 79 2 0 8
資源環境生物学 77 0 4 8
生物環境科学科
地域社会開発学 79 0 2 8
生命機能科学科 ― 70 0 11 8
(出典:佐賀大学農学部「履修の手引」)農学部 3 学科の学生が履修する専門科目の必修科目と選択必修科目は,表 9 のとおりで
ある。
佐賀大学農学部 分析項目III
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表 9.専門科目の必修科目及び選択必修科目(一覧表)
学 科 専 門 基 礎 科 目 農 学 基 礎 科 目 専 門 科 目
応 用 生 物
科 学 科
化 学
生 物 学
植 物 生 産 学 ,熱 帯 農 業 論 ,遺 伝 学 ,応 用 動 物 昆 虫 学 ,
生 物 統 計 学 ,植 物 育 種 学 ,植 物 病 理 学 I ,フ ィ ー ル
ド 科 学 基 礎 実 習 I ,生 物 学 実 験 ,応 用 化 学 実 験 ,果
樹 園 芸 学 ,蔬 菜 園 芸 学 ,応 用 生 物 学 実 験 ,科 学 英 語 ,
生 物 科 学 英 語 , 生 物 情 報 処 理 演 習 , 卒 業 研 究
生 物 環 境
保 全 学 コ ー ス
生 物 環 境 保 全 学 概 説 ,資 源 循 環 生 産 学 概 説 ,地 域 社
会 開 発 学 概 説 ,実 験 生 物 環 境 保 全 学 I・II ,科 学 英
語 , 生 物 環 境 保 全 学 演 習 , 卒 業 研 究 ,
( 実 験 水 気 圏
環 境 学 ,実 験 地 圏 環 境 学 ,実 験 生 物 環 境 学 の う ち 1
科 目 )
資 源 環 境
生 産 学 コ ー ス
生 物 環 境 保 全 学 概 説 ,資 源 循 環 生 産 学 概 説 ,地 域 社
会 開 発 学 概 説 ,栽 培 技 術 論 ,栽 培 環 境 制 御 学 ,農 業
生 産 機 械 学 ,フ ィ ー ル ド 科 学 基 礎 実 習 I・II ,生 物
科 学 実 験 実 習 , 科 学 英 語 , 卒 業 研 究
生 物 環 境
科 学 科
地 域 社 会
開 発 学 コ ー ス
数 学 , 物 理 学
化 学 , 生 物 学
の う ち 2 科 目
4 単 位
生 物 環 境 保 全 学 概 説 ,資 源 循 環 生 産 学 概 説 ,地 域 社
会 開 発 学 概 説 ,地 域 資 源 論 ,人 間 開 発 論 ,地 域 ビ ジ
ネ ス 開 発 論 ,フ ィ ー ル ド ワ ー ク 基 礎 演 習 ,フ ィ ー ル
ド 科 学 基 礎 実 習 I , 科 学 英 語 , 卒 業 研 究
生 命 機 能
科 学 科
数 学
物 理 学
化 学
生 物 学
作 物 生 産 学 ,
動 物 資 源 開 発
学 ,
土 壌 学 ,
生 物 化 学 ,
食 品 流 通 学
の う ち 3 科 目
6 単 位
物 理 化 学 ,有 機 化 学 ,分 析 化 学 ,化 学 実 験 I ,生 物
有 機 化 学 ,生 化 学 ,生 物 物 理 化 学 ,微 生 物 学 ,生 命
化 学 概 説 , 食 糧 科 学 概 説 , 食 品 衛 生 学 , 栄 養 化 学 ,
食 品 化 学 , 分 子 生 物 学 , 生 化 学 実 験 , 化 学 実 験 II ,
微 生 物 学 実 験 ,科 学 英 語 ,生 物 学 基 礎 実 験 ,卒 業 研究(出典:佐賀大学農学部「履修の手引」)上記の科目に加えて,単位互換制度に基づく宿泊実習やインターンシップなども履修で
きる(表 10)。表 10.インターシップ等による単位取得者数
区 分 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度 平成 19 年度
インターンシップ 29 29 16 20
単位互換制度に基づく科目履修 1 3 5 0
科目等履修生 1 2 0 0
(出典:教務情報システム成績管理データ)
専門科目の教育効果を上げるために,
受講者数は,
授業形態に応じて定めている
(表 11)。表 11.専門科目の授業形態別の履修者数
年度 学期 講義 演習 実験・実習
前学期 52 (6〜168) 14 (3〜81) 25 (1〜51)
平成 16 年度
後学期 53 (3〜125) 10 (5〜19) 19 (1〜55)
前学期 56 (2〜168) 18 (1〜84) 29 (5〜55)
平成 17 年度
後学期 52 (3〜168) 8 (5〜19) 19 (1〜55)
前学期 51 (0〜157) 15 (4〜76) 25 (4〜52)
平成 18 年度
後学期 51 (5〜152) 9 (4〜12) 19 (2〜49)
前学期 42 (1〜184) 14 (4〜42) 33 (1〜93)
平成 19 年度
後学期 69 (2〜181) 10 (1〜22) 19 (1〜75)
備 考 : カ ッ コ 内 の 数 値 は , 履 修 者 数 の 範 囲 ( 最 少 〜 最 多 ) を 示 す 。 数 値 に は , 卒 業 研 究 を 含 ま な い 。
( 出 典 : 教 務 情 報 シ ス テ ム 履 修 管 理 デ ー タ )
佐賀大学農学部 分析項目III
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履修放棄者を除いた専門科目(178 科目)の単位取得率は高く,演習・実験・実習では
99%を超え,講義形態の科目では約 93%である(表 12)。表 12.専門科目の授業形態別単位取得率(平成 18 年度)
講 義 演 習 実験実習
92.8% 100% 99.5%
備考:数値は,受講者数に対する単位取得者の割合を示す。履修放棄者は除く。
(出典:教務情報システム成績管理データ)
観点III-1-2(学習指導法の工夫)
学習指導法は教育目的と深く関連するため,授業科目の説明書を学生に配布し,説明し
ている。履修ガイダンス,大学入門科目の中で実施される研究室訪問,附属図書館ガイダ
ンス,就職関係者ならびに本学部卒業生によるキャリア教育は,農学部で学ぶ意義と方法
についての理解を深めるために実施している。
学 習 上 の課 題 を 抱 える 学 生 に 対応 す る た め, オ フ ィ スア ワ ー を 設定 し て い る。 平 成 19
年度にはチューター(担任)制度を導入し,学生に対する相談機能を強化した。
農学部1号館の改修は平成 18 年度末で完了し,講義室・演習室・学生実験室の勉学環
境が改善された。このことにより,授業形態に合わせた講義室の利用が可能になった。労
働安全衛生法遵守の一環として,
「実験実習における安全の手引き」を学生へ配布して説明
し,安全確保に努めている。
大学教育に関する法令の一部改正と農学部の学科改組に対処するため,専任教員による
授業科目の担当を定め,主要授業は教授,准教授が担当するようにした。学生実験や演習
など人手を要する科目については,TA 活用による教育効果の向上を継続的に図った。
学力差が大きい数学(専門基礎科目)では到達度別クラスを編成し,教育効果を上げて
いる。化学および生物学の基礎学力が不足している学生については補習した。
専門科目の受講者数の平均は,実験・実習科目で約 24 名,演習で約 12 名,講義で約 49
名であり,
受講者数が 100 名を超える講義は約8%以下である。
受講生が少ない科目では,
コミュニケーション(フィードバック)を重視した授業を実施している。高校における情
報 処 理 科 目の 必 修 化 を念 頭 に お いて , 多 く の授 業 科 目 で, 液 晶 プ ロジ ェ ク タ ーな ど の IT
機器を活用した授業を展開している。
農学部は,学部教育の集大成ともいえる卒業研究に重点を置いている。多様な形態で実
施される授業科目を履修した学生は,卒業研究の実践をとおして,社会で活躍するために
必要な,問題発見と問題解決の能力を高めている。
観点III-1-3(シラバスの作成と活用)
全科目のシラバスは,本学共通のシラバス作成要領に従って作成され,オンラインシラ
バスとして,ホームページに掲載している。シラバスには,担当教員名・授業科目名・開
講学期・開講曜日・時限などに加えて,授業計画・履修上の注意・成績評価の方法と基準・
教科書・参考書・オフィスアワーを記している。学生は,シラバスにより,履修する授業
科目の内容等を知り,履修科目を選択できる。教員は,授業の初回に,シラバスを用いて,
授業内容・成績判定基準などを説明している。受講生は,シラバスと授業の内容が一致し
ているかという観点から授業評価を行っている。
佐賀大学農学部 分析項目III
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観点III-2 学生の主体的な学習を促す取組
(観点に係る状況)
観点III-2-1(主体的な学習を促す取組)
1 年生および 2 年生を対象として,主体的な学習を促すための履修ガイダンスを実施し
ている。教育研究分野(研究室)への分属が決定した学生には,当該分野の教員が,マン
ツーマンに近い形で学習(履修)を指導している。教員は,学生の居場所・勉学場所を研
究室内にも確保するために最大限の努力をしている。
農学部本館(1 号館)の改修を機に,学生が休憩・歓談するためのオープンスペースが
確保された。授業が行われていない講義室は,学生が自由に利用できる学習スペースとし
て活用されている。
附属図書館には,自主的に学習する学生のための閲覧スペースとグループ学習室があり,
学生は,パソコンによる図書・文献の検索や読書などを自由に行える。学生の読書意欲を
高めるために,学生による選書制度を導入している。インターネットによる情報収集は,
総合情報基盤センターでも,講義時間以外に学生が自由に使える。自主的学習の活性化に
向けた組織的な取組は継続課題である。
観点III-2-2(成績の単位の実質化)
社会的に信頼される学業成績の評価と単位の実質化を進めるために,次のことを実施し
てきた。
1学生の予習・復習の時間を確保するため,各学期に履修登録できる単位数を 25 単位以
下とした。2単位の実質化に必要な授業時間数を確保するため,代替日と予備日を設けた
時間割を編成すると共に,特別の事情で休講した場合は補講を教員に義務づけた(休講届
についての申合せ:平成 18 年 10 月)
。3学力不足や勉学意欲が低下した学生を早期に発
見するため,必修科目への出席や学業成績が不良な学生についての情報を教員間で共有す
る連絡体制を築いた。4高校における履修時間数が少ないために学力が不足している学生
の勉学を支援するために,数学では学力別クラスを編成し,他の専門基礎科目(生物学,
化学)では補習した。
学力試験に基づく成績判定を公平に行うために,定期試験の厳格な実施と,採点の厳格
化を進めた。平成 19 年度に,成績評価平均値に関する規程を制定し,国際的な成績評価
法ともいえる GPA 制度を導入した。
(2)分析項目の水準及びその判断理由
【水準】
教育方法は,期待される水準にある。
【判断理由】
1 総 合 科 学 で あ る 農 学 の 理 解 に 必 要 な 授 業 形 態 ( 講 義 , 演 習 , 実 験 , 実 習 , 見 学 等 ) を
組み合わせた教育を実施している。
2 学 科 改 組 に よ り , 各 学 科 の 教 育 目 的 に 応 じ た , 特 色 の あ る カ リ キ ュ ラ ム 編 成 と 学習指
導がなされた。
3 大学入門科目から卒業研究に至る教育体系が構築された。
4 主体的学習を促すための丁寧な履修ガイダンスを実施している。
5 建物改修を機に,学生の学習環境が整備された。
6 授業改善ならびに成績評価の厳格化が進んでいる。
7 直接的あるいは間接的に生物と関わる農学を修めた学生に対する社会的評価は高い。
佐賀大学農学部 分析項目IV
-9-11-
分析項目IV 学業の成果
(1)観点ごとの分析
観点IV-1 学生が身に付けた学力や資質・能力
(観点に係る状況)
観点IV-1-1(在学中・卒業時の状況に基づく,教育の成果や効果)
学生に対する教育の成果・効果を示す単位取得状況は,表 13 のとおりである。
表 13.修得総単位数の平均値の推移
入学年度(学年)
学科 平成 16
(4 年生) 平成 17
(3 年生) 平成 18
(2 年生) 平成 19
(1 年生)
生物生産学科 129 103 - -
応用生物科学科 123 103 - -
応用生物科学科 - - 62 19
生物環境科学科 - - 59 18
生命機能科学科 - - 59 21
(出典:教務情報システム成績管理データ)
備考1:農学部は,平成 18 年 4 月に,2 学科から 3 学科に改組されている。
備考2:総単位数は,修業年限 4 年の学部学生が修得した科目の合計単位数を示す。
農学部は,学年ごとの進級判定は行っていないが,教育の質を保証するために,農学教
育の要である卒業研究を開始する際に,卒業研究履修認定を実施している。履修が認定さ
れない場合は,留年となる。学生に対する教育の効果・成果は,卒業時までの総合成績と
して計られる。
平成 16 年度から 19 年度の 3 月時点における全在籍者数に対する卒業者の割合
(卒業率)
は,以下のとおり(表 14)である。卒業率は,修業年限 4 年の学生に限ると,やや高くな
る。
表 14.年度別の卒業率の推移
在籍学生数
(4 年生)
卒業率(%)
年度 学科
総数
( 留 年
含 む )
4 年生
卒業者数
総数に対
する割合
4 年生に対する割合
生物生産学科 82 70 67 81.7% 95.7%
応用生物科学科 102 92 90 88.2% 97.8%
平成 16 年度
合 計 184 162 157 85.3% 96.9%
生物生産学科 86 74 70 81.4% 94.6%
応用生物科学科 96 87 84 87.5% 96.6%
平成 17 年度
合 計 182 161 154 84.6% 95.7%
生物生産学科 87 73 72 82.8% 98.6%
応用生物科学科 95 87 81 85.3% 93.1%
平成 18 年度
合 計 182 160 153 84.1% 95.6%
生物生産学科 84 73 70 83.3% 95.9%
応用生物科学科 96 87 84 87.5% 96.6%
平成 19 年度
合 計 180 160 154 85.6% 96.3%
(出典:教務情報システム学籍管理データ)
佐賀大学農学部 分析項目IV
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学部卒業後の就職先と関連する資格を取得した学生数は,表 15 のとおりである。
表 15.年度別の各種資格取得者数及び申請有資格者数の推移
入学年度
資格の種類 平成 16 平成 17 平成 18 平成 19 備考
教職免許 14 24 20 18 高 校 農 業 , 高 校 理 科 , 中 学 理
科の免許取得者の合計数
家畜人工授精師 3 1 6 9 講習会修了者数
農業改良普及員 157 152 144 154 農 学 部 卒 業 生 を 示 し , 卒 業 後
に 4 年 以 上 の 実 務 経 験 を 経
て , 農 業 改 良 普 及 員 の 受 験 資
格を得る。
測量士補・測量士 21 31 21 19 所定の単位取得者数
土木施工管理技士 21 31 21 19 所定の単位取得者数
食品衛生管理者 25 27 23 27 食 品 衛 生 コ ー ス の 科 目 履 修 者数食品衛生監視員 25 27 23 27 食 品 衛 生 コ ー ス の 科 目 履 修 者数(出典:教務情報システム履修管理データ及び教務情報システム成績管理データ)
学業成績優秀者を対象とする農学部長表彰者は各年度 4 名である(4 学系から各 1 名)。観点IV-2 学業の成果に関する学生の評価
(観点に係る状況)
観点IV-2-1(学業の成果の到達度と満足度)
成績評点平均値に関する規程の制定に基づく GPA 導入,授業評価の厳格化等が進行中
であり,また,学科改組後の学年進行中であるため,入学年度が異なる学生の学業成績を
比較することは難しいが,平成 16 年度〜19 年度の入学者の学業成績(取得単位数)は表
13 に示したとおりである。
授業に対する満足度を測るための「学生による授業評価」は継続的に実施している。評
価の結果は授業科目によって異なるが,専門科目の多くで比較的高い評価を得ている。授
業評価で指摘された「優れた点と改善を要する点」の検証結果と次年度の授業改善目標を
「授業点検・評価報告書」として教員が提出するようにしたことにより,授業改善が進ん
だ。
(2)分析項目の水準及びその判断理由
【水準】
学業の成果は,期待される水準にある。
【判断理由】
1 「優」の取得率が高く,授業内容が学生に理解されていると考えられる。
2 過去 4 年の卒業率は,卒業研究履修認定を保留された学生を除くと 93%以上,認定保
留者を含めると 81%以上である。
3 「学生による授業評価」において,おおむね良好な評価を得ている。
4 授業評価の結果の利用等を通じて,授業改善が為されている。
佐賀大学農学部 分析項目V
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分析項目V 進路・就職の状況
(1)観点ごとの分析
観点V-1 卒業後の進路の状況
(観点に係る状況)
平成 16 年度から 19 年度の就職率は,就職意欲を高める就職説明会の開催や,社会人と
なるためのキャリア教育の成果,さらには経済状況を反映して,表 13 のとおり推移し,
学部卒業生は 86〜97%,大学院修了生は 86〜100%であった(表 16)。就職先の内訳は,平成 18 年度の場合(卒業者 153 名)
,民間企業 76 名,官公庁 12 名,
国立大学法人等1名であった。卒業生の地域別就職先は,福岡県が約 30%,佐賀県が 12%
であった。農業関連の職業,食品関係や公務員に多くの卒業生が就職していることから,
農学部の教育目的は達成されており,教育効果は上がっている。
大学院修士課程への進学者数は,
平成 16 年度 57 名,
平成 17 年度 42 名,
18 年度 43 名,
平成 19 年度 50 名であった。就職率が上がるにつれて進学率は低下する傾向を示した。
表 16.農学部卒業生と農学研究科(修士課程)修了生の就職率
区 分 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度 平成 19 年度
農学部卒業生 86.0% 90.3% 96.9% 97.9%
農学研究科修了生 92.9% 85.7% 100.0% 100.0%
備 考:平成 16〜 18 年度 は5月1日 現在,平成 19 年度は 平成 20 年 5 月 現 在 の 就 職 率 を 示 す 。
(出典:佐賀大学就職統計)
観点V-2 関係者からの評価
(観点に係る状況)
農学部は,
全学就職委員会と共に,
就職に関するアンケート調査を平成 17 年度に行い,
公務員関係 16,製造業(食料品,飼料)13,製造業(医薬品,農薬)10,協同組合6,
卸売・小売業5,
教育関係5に加えて,
製造業(機械器具),
建設コンサルタント,
農業法人,
飲食店,建設業,情報通信業から回答を得た。採用時および採用後の農学部卒業生の資質
について,企業(68 社)から高い評価を得た(表 17 および表 18)。表 17.採用時における農学部卒業生に対する企業の評価
回答数
評価項目 非常に満足 満足 やや不満足 不満足
専門基礎の知識と能力 6 46 5 0
実験などの基礎技術 5 43 19 0
外国語能力 2 23 19 2
(出典:就職先企業に対するアンケート調査結果)
表 18.採用後の農学部生に対する企業の評価
評価項目 回答数
良く適応 適応 やや不適応 不適応
職場環境への適応
17 39 1 0
非常に貢献 貢献 やや貢献 貢献なし
会社への貢献
9 44 5 0
(出典:就職先企業に対するアンケート調査結果)
佐賀大学農学部 分析項目V
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農 学 部 卒 業 生 に 対 し て , 就 職 先 企 業 か ら , 「積 極 性 」,
「 企 画 力 」,「 創 造 力 」,「 リ ー ダ ー
シップ」,「社交性」などの向上が求められている。また,在学中に取得が望ましい資格と
して,外国語能力,危険物保安監督者,農業改良普及員,測量士,技術士補,試験設計組
立,MCA,MCP,運転免許,教員免許状などが挙げられている。
(2)分析項目の水準及びその判断理由
【水準】
進路・就職の状況は,期待される水準にある。
【判断理由】
1 就職率は,経済状況の好転に伴い上昇し,90%以上の水準にある。
2 農学部卒業生に対する企業の評価はおおむね良好であり,雇用者の期待に応えている。
3 企業の評価結果に基づいて,就職状況が分析されている。
4 就職者の 42%が福岡や佐賀県で就職しており,北部九州の地域社会に貢献している。
III 質の向上度の判断
1.教育体系と教育内容の改善(分析項目I,II)
2006 年度の学科改組を機に,各学科の教育目的の明示,学習内容の明確化,ならびに特
色あるカリキュラムの構築を進め,教育体系と教育内容を向上させた(表 19)
(中期計画
番号:008,046,050)。表 19.改組前と改組後の学科構成とカリキュラム
(出典:佐賀大学学則及び佐賀大学農学部規則)
2.地域との連携による教育活動の充実(分析項目II)
農学部,農学部附属資源循環フィールド科学教育研究センターならびに地域(自治体・
団体・NPO)との連携に基づく地域貢献活動(例:伊万里はちがめプラン,蕨野の棚田支
援,水みちマップ運動への参加,食育教育,等)を極めて活発に実施し,高い社会的関心
と評価を得た。本学が平成 17〜19 年度にかけて実施した「地域創成学生参画教育プログ
ラム」に参加した学生は,フィールドでの実習・活動をとおして大きく成長し,総合科学
である農学教育が質的に向上した(表 20)
(中期計画番号:009,126)。区分 学科構成 入学
定員
教育目的に基づく区分
(学系またはコース) 教育研究分野数
生産生物学系 8
生物生産学科 65
環境情報工学系 6
応用生物学系 12
改組前
応用生物科学科 80
生物化学系 8
応用生物科学科 45 - 13
生物環境保全学コース
資源循環生産学コース
生物環境科学科 60
地域社会開発学コース13改組後
生命機能科学科 40 - 7
佐賀大学農学部
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表 20.地域創成教育プログラムに対する受講生の評価
事項 平成 17 年度 平成 18 年度
シラバスの記載(成果)の達成度 8.3 13.0
問題解決の知識・技法の習得度 10.7 20.0
地域社会の課題に対する理解度 15.0 25.2
他の関連科目に対する受講希望 23.2 27.0
講義形式以上の学習意欲の高揚 31.9 28.5
授業科目に参加(履修)する価値 35.9 44.4
備考:数値は,本プログラムの目的に「よく当てはまる」と回答した受講生の割合(%)
を示す。
(出典:佐賀大学地域創成学生参画教育プログラム推進委員会編「大学教育と地域創成-
佐賀大学の教育実践-」p18)
3.高校教育から大学教育への接続と転換教育の充実(分析項目II,III)
高校との連携に基づく諸活動(ジョイントセミナー,出前講義,出前実験,学部説明会,
専門高校との懇談会,等)を継続的・積極的に実施することにより,農学部における教育・
研究内容についての高校生の理解を深めた。農学部入学者に対しては,履修ガイダンス,
大学入門科目,学力別クラス編成,補講などを継続実施するとともに,チューター(担任)
制度と,学力不足・勉学意欲低下の学生を早期に把握するための情報を教員間で共有する
連絡体制を築き,
初年次学生に対する教育指導を向上させた
(表 21)
(中期計画番号:024,
027,075)。表 21.農学部教員のジョイントセミナー実施実績
平成 15 年度 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度 平成 19 年度
担当教員数 23 31 34 27 33
実施高校数 24 32 37 28 33
(出典:アドミションセンター入試統計資料)
4.学習環境整備と学習指導法改善(分析項目III,IV)
建物改修により,講義室・演習室・学生実験室等の学習環境改善,IT 関連授業用の講義
室整備,学生用コミュニティースペースの設置等の学習環境が格段に改善された。法人化
後必須となった労働安全衛生法遵守の一環として,
「実験実習における安全の手引き」の改
訂版を学生へ配布・説明し,安全確保に努めた。
「学生による授業評価アンケート」の実施
と,授業評価の結果に基づくシラバスの改善・更新・公開により,教授法が向上した。授
業改善と関連する学科改組後の農学部専門科目の単位取得状況は,表 22 のとおりである
(中期計画番号:021,060,061,063,067,072)。表 22.学年別の専門科目の単位取得状況
1 年生(平成 19 年度入学) 2 年生(平成 18 年度入学)
科目区分
履修登録者 合格者 合格率(%)履修登録者 合格者 合格率(%)専門基礎科目 512 482 94.1 563 523 92.9
農学基礎科目 403 330 81.9 693 614 88.6
必修科目 561 477 85.0 1731 1601 92.5
選択科目 130 92 70.1 1204 1014 84.2
自由科目 32 20 62.5 138 118 85.5
(出典:農学部・農学研究科「平成 19 年度授業評価と改善に関する実施報告書」)

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