佐賀大学医学系研究科

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6.医学系研究科
I 医学系研究科の教育目的と特徴 ・・・6−2
II 分析項目ごとの水準の判断 ・・・・・6−6
分析項目I 教育の実施体制 ・・・・6−6
分析項目II 教育内容 ・・・・・・・6−12
分析項目III 教育方法 ・・・・・・・6−21
分析項目IV 学業の成果 ・・・・・・6−25
分析項目V 進路・就職の状況 ・・・6−28
III 質の向上度の判断 ・・・・・・・・・6−31
佐賀大学医学系研究科
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I 医学系研究科の教育目的と特徴 1.医学系研究科の基本理念(基本方針)
佐賀大学大学院医学系研究科は,昭和 51 年 10 月1日開学の旧佐賀医科大学に昭和 59
年4月 12 日に設置された医学研究科博士課程を前身として,平成9年4月1日の修士課
程看護学専攻の設置に伴い医学系研究科に改称,さらに平成 15 年4月1日に修士課程医
科 学 専 攻 を設 置 し た こと に よ り ,医 師 ・ 看 護師 に 加 え て, 地 域 包 括医 療 を 担 う様 々 な領
域の専門職者を育成する高度専門教育課程が整備された。平成 15 年 10 月1日に旧佐賀
大学と統合し,平成 16 年4月1日からの法人化により国立大学法人佐賀大学大学院医学
系研究科となり,現在に至っている。
旧佐賀医科大学は,無医大県解消という国の方針のもとに建学した経緯から,地 域包
括 医 療 の 中核 と し て の使 命 を 担 い, 社 会 の 要請 に 応 え うる 良 い 医 療人 の 育 成 を建学の 精
神 と し て ,教 育 ・ 研 究・ 診 療 を 一体 と し た 活動 を 推 進 して き た 。 現医 学 系 研 究科 も ,そ
の精神を継承し,以下の基本理念(方針)の下に,教育研究活動を進めている。
2.医学系研究科の目的・目標
基本理念を具現化するために,教育活動の目的や養成しようとする人材像などの基 本
的な成果を,以下に示す「教育目的」・「教育目標」として定め,教育活動を行っている。
【医学系研究科の基本理念】
医 学 ・ 医 療 の 専 門 分 野 に お い て , 社 会 の 要 請 に 応 え う る 研 究 者 及 び 高 度 専 門 職 者 を
育成し,学術研究を遂行することにより,医学・医療の発展と地域包括医療の向上に寄
与する。
(1)修士課程・医科学専攻
【修士課程・医科学専攻の教育目的】
医学部医学科以外の理系・文系4年制大学学部出身の多様なバックグランドを持つ学
生を受け入れ,医学の基礎及びその応用法を体系的・集中的に修得させることにより,
医学,生命科学,ヒューマンケアなど包括医療の諸分野において活躍する多彩な専門家
を育成する。
【修士課程・医科学専攻の教育目標】
1 ) 高 い 倫 理 観 と 豊 か な 人 間 性 を 育 み , 包 括 医 療 の 諸 分 野 で リ ー ダ ー シ ッ プ を 発 揮 で き
る。
2 ) 医 学 の 基 礎 と と も に 志 す 分 野 の 専 門 的 知 識 ・ 技 術 を 習 得 し , そ れ を 自 ら が 発 展 さ せ
ていく能力を身につける。
3 ) 科 学 的 ・ 論 理 的 に 思 考 し , 問 題 解 決 方 法 の デ ザ イ ン と 研 究 を 遂 行 す る 能 力 を 身 に つ
ける。
4)国内外に対し幅広い視野を持ち,研究・活動等の成果を発信する能力を身につける。
(2)修士課程・看護学専攻
【修士課程・看護学専攻の教育目的】
高 度 の 専 門 性 を 有 す る 看 護 職 者 に ふ さ わ し い 広 い 視 野 に 立 っ た 豊 か な 学 識 と 優 れ た
技能を有し,国内及び国際的に看護学の教育,研究,実践の各分野で指導的役割を果た
すことができるような人材を育成する。
【修士課程・看護学専攻の教育目標】
1 ) 高 い 倫 理 観 と 豊 か な 人 間 性 を 育 み , 看 護 学 の 分 野 で の 指 導 的 役 割 を 果 た す 能 力 を身
に付ける。
2)幅広い専門的知識・技術を身に付け,看護学の分野での実践で発揮する。
3 ) 自 立 し て 研 究 を 行 う の に 必 要 な 実 験 デ ザ イ ン な ど の 研 究 手 法 や 研 究 遂 行 能 力 , 或い
は研究能力を備えた高度専門職者としての技量を身に付ける。
4 ) 幅 広 い 視 野 を 持 ち , 国 内 外 の 研 究 者 或 い は 専 門 職 者 と 専 門 領 域 を 通 し た 交 流 が でき
る。
佐賀大学医学系研究科
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3.教育の特徴
教育目標を達成するための具体的方策として次の「教育方針」を掲げ,育成する 人 材
像 に 沿 っ た体 系 的 か つ柔 軟 な 教 育課 程 ・ カ リキ ュ ラ ム の編 成 と 改 善に努め ている。そ の
取 組 は ,本学 の 中 期目標 に 記 載して い る 【大学 の 基 本的な 目 標 ;「高 度 専 門職業 人 の 育
成 並 び に国際 レ ベ ルの総 合 大 学とし て の 研究基 盤 を 整える と と もに, 独 創 的研究 や 地 域
の 要 望 に応え る 研 究に対 し て 重点的 研 究 体制を 構 築 する。 ( 研 究の高 度 化 )」】 並 び に
【 大 学 院教育 の 成 果に関 す る 目標; 「 1 )高度 専 門 職業人 或 い は研究 者 に 必要な 十 分 な
専 門 知 識と, 自 立 して研 究 を 実行で き る 能力を 養 う 。及び 2 ) 国際的 な 学 術及び 技 術 交
流の場で発表・討議できる能力を養う。」】に沿うものである。
(3)博士課程
【博士課程の教育目的】
医学・医療の領域において,自立して独創的研究活動を遂行するのに必要な高度な研
究能力と,その基礎となる豊かな学識と優れた技術を有し,教育・研究・医療の各分野
で指導的役割を担う人材を育成する。
【博士課程の教育目標】
1)高い倫理観と豊かな人間性を育み,医学・医療の諸分野での指導的役割を果たす能力
を身に付ける。
2)幅広い専門的知識・技術を身に付け,研究及び医学・医療の諸分野での実践で発揮す
る。
3)自立して研究を行うのに必要な実験デザインなどの研究手法や研究遂行能力,或いは
研究能力を備えた高度専門職者としての技量を身に付ける。4)幅広い視野を持ち,
国内外の研究者或いは専門職者と専門領域を通した交流ができる。
【修士課程・医科学専攻の教育方針】
1 ) 共 通必修 科 目 で医学 の 基 礎とと も に 生命科 学 倫 理を学 び , 医学・ 医 療 の分野 で 必 要
な基本的な素養と人間性を育てる。
2 ) 基 礎生命 科 学 系,医 療 科 学系, 総 合 ケア科 学 系 の履修 コ ー スによ り , それぞ れ の 専
門的知識・技術と研究・実践能力の教育を行う。
3)多彩な専門選択科目により,履修コースに応じた幅広い専門知識を修得させる。
4 ) 国 内外の 学 会 ・研究 会 等 に積極 的 に 参加さ せ , 幅広い 視 野 と成果 を 発 信する 能 力 を
育てる。 【修士課程・看護学専攻の教育方針】
1 ) 高 い倫理 観 に 基づき 看 護 につい て の 問題を 包 括 的にと ら え ,柔軟 に 解 釈する 研 究 能
力を持った看護職者を育成する。
2 ) 教 育,研 究 , 実践を 通 し て,看 護 の 多様な 問 題 に対処 で き るよう に 自 ら研究 し 解 決
する習慣を身に付ける。 【博士課程の教育方針】
1 ) 育 成する 人 材 像ごと に 「 基礎医 学 コ ース」 , 「 臨床医 学 コ ース」 , 「 総合支 援 医 科
学コース」に沿って,学生ごとの履修カリキュラムを設計し,それぞれの専門知識・
技術と研究・実践能力並びに関連分野の教育を行う。
2 ) 各 コース に お いて, 自 立 して研 究 を 行うの に 必 要な実 験 デ ザイン な ど の研究 手 法 や
研究遂行能力を身につけるための実践的教育を必修科目として行う。
3 ) 医 学・生 命 科 学研究 者 や 医療専 門 職 者とし て 必 要な倫 理 観 やコミ ュ ニ ケーシ ョ ン 能
力などの基礎的な素養並びに各自の専門性を深めるための授業を共通必修選択科目と
して行う。
4 ) 国 内外の 学 会 ・研究 会 等 に積極 的 に 参加さ せ , 幅広い 視 野 と成果 を 発 信する 能 力 を
育てる。
佐賀大学医学系研究科
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4.入学者の状況
上記の「教育目的・目標・方針」に以下の「求める学生像」を加えたアドミッション・
ポ リ シ ー のも と に , 社会 人 特 別 選抜 や 社 会 人学 生 に 対 する 修 学 上 の配 慮 に よ り, 幅 広く
入 学者を 受け 入れて いる 。その 結果 ,医 学 , 看 護 学 の 出 身 者 の み な ら ず , 他 領 域 の バ ッ
ク グ ラ ウ ンド を 持 つ 学生 が , 医 療関 連 の 高 度専 門 職 者 を目 指 し て 入学 してお り,地 域 包
括医療の向上を担う研究者及び高度医療専門職者の育成に貢献している。
5.組織の特色
地域包括医療の教育研究拠点として地域医療科学教育研究センターを全国に先駆けて
設置している。この中の福祉健康科学部門では,高齢者・障害者(児)のための社会生活
行動支援の教育研究と支援事業を展開し,地域の包括的ケア医療モデルの発信と指導的
人材の育成をめざしている。また,附属病院では,患者・医師に選ばれる病院をめざし,
地域の中核医療機関として機能するとともに,卒後臨床研修の充実と大学院との連携に
よる高度専門医等の育成に向けた取組を推進し,地域の高度医療職者育成の拠点となっ
ている。さらに,寄附講座を4講座開設し,先端的医療に係る教育研究の充実を図って
いる。 6.想定する関係者とその期待
上 記 の 基 本理 念 ・ 目 的に 照 ら し て, 教 育 活 動に お け る 関係 者 と そ の期 待 を 次 のよ う に
想定している。
想定する関係者 その期待
1)入学志願者
・医学医療の専門分野において,研究者或いは高度専門職者を目
指す志願者に対するアドミッション・ポリシーの明示と,それに
沿った選抜方法
・社会人志願者をサポートする選抜制度
2)医学系研究科で学ぶ大
学院生
・多様な院生の目的・目標に沿った柔軟な教育課程の編成
・院生の目的・目標の達成に有効な教育内容と指導
・院生が研究者或いは高度専門職者として成長するための教育の
成果
・院生のニーズに適合した学習環境と修学支援
【修士課程・医科学専攻の求める学生像】
1)医学・医療の分野で,高度専門職業人として社会に貢献したいと考える人
2)或いは,本修士課程と医学系研究科博士課程とを合わせて研究者を志す人
3)学習と研鑽を努力・持続するための忍耐強さを持つ人
4)本専攻の教育課程で学ぶのに必要な学力・能力を備えた人 【修士課程・看護学専攻の求める学生像】
1 ) 看 護 学 領 域 の 大 学 卒 業 者 で , 看 護 学 の 分 野 で , 研 究 者 或 い は 高 度 専 門 職 業 人 と して
社会に貢献したいと考える人
2)看護職者として十分な経験や実績を持ち,上記と同等の能力がある人
3)学習と研鑽を努力・持続するための忍耐強さを持つ人
4)修士課程での教育プログラムを学ぶのに必要な学力・能力を備えた人 【博士課程の求める学生像】
1 ) 医 学 ・ 歯 学 ・ 獣 医 学 の 6 年 制 学 部 卒 業 者 で , 医 学 ・ 医 療 の 分 野 で , 研 究 者 或 は 高度
専門職業人として社会に貢献したいと考える人
2 ) 医 学 系 修 士 課 程 或 い は そ の 他 の 修 士 課 程 修 了 者 で , 医 学 系 研 究 科 博 士 課 程 と 合 わせ
て研究者を志す人
3)学習と研鑽を努力・持続するための忍耐強さを持つ人
4)博士課程での教育プログラムを学ぶのに必要な学力・能力を備えた人
佐賀大学医学系研究科
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3)修了生
・院生が望む進路先への進学或いは就職
・修了後の社会活動における継続的支援
4)学生の家族(保護者) ・院生の良好な修学環境と教育成果(就職等)
5)医学教育・研究機関及
び 医 療 ・ 保 健 関 係 機 関
(就職先)
・教育,研究,医療の各分野で活躍する研究者及び高度専門職者
の輩出
6)地域及びその社会
・地域包括医療の各分野において指導的な役割を担う高度専門職
者の育成
7)国及びその社会
・医学及び医療分野の研究者や高度専門職者の育成を担う国立大
学大学院としての責務と成果
・医学及び医療の発展に寄与する研究開発と,医学及び医療実践
への還元
8)本学の教職員
・理念・目的・目標の達成に向けて,教職員が意欲的に取り組み,
能力を発揮できる組織体制
佐賀大学医学系研究科 分析項目I
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II 分析項目ごとの水準の判断 分析項目I 教育の実施体制
(1)観点ごとの分析
観点 1−1 基本的組織の編成
(観点に係る状況) 1‐1‐1 医学系研究科の課程・専攻構成
医学系研究科では,基本理念「医学・医療の専門分野において,社会の要請に応えう
る研究者及び高度専門職者を育成し,学術研究を遂行することにより,医学・医療の発展
と地域包括医療の向上を目指す」に則って,以下に示すように修士課程(医科学専攻,
看護学専攻)と博士課程を設置し,各課程・専攻の教育目的に基づいた教育研究組織を
構築している。博士課程は,機能形態系専攻,生体制御系専攻,生態系専攻の3専攻で
構成してきたが,これを再構築し,平成20年度から医科学専攻の1専攻に統一する。(資
料1‐1‐1)
1‐1‐2 医学系研究科(修士課程,博士課程)の学生構成
博士課程と修士課程看護学専攻では,入学者数が入学定員を大幅に下回る状況が平成
16,17年度まであったが,平成15年に開設した修士課程医科学専攻修了者の博士課程進
学や社会人の受入体制の整備などの取組により,平成17,18年度以降は,入学定員を下
回る状況は解消され,入学定員と入学者数との関係の適正化が図られている。学生構成
においても,本学出身以外の多彩な学生が入学している。
(下記資料1-1-2,III質の向上度
の判断 データ2参照)。 資料 1-1-1 医学系研究科の課程・専攻構成【 医 学 研 究 科 概 要 よ り 転 記 】
〔 平 成 19 年 度 ま で の 専 攻 〕
医学系研究科
修士課程
医科学専攻
看護学専攻
基礎生命科学系コース
医療科学系コース
総合ケア科学系コース
老年看護学
基礎看護学
成人看護学
母子看護学
地域看護学
博士課程 医科学専攻
基礎医学コース
臨床医学コース
総合支援医科学コース
〔平成 20 年度から 1 専攻 3 コースに改組〕
発 生 ・ 分 化 部 門
博士課程
機 能 形 態 系 専 攻
生 体 制 御 系 専 攻
生 態 系 専 攻
病 態 機 能 部 門
機 能 構 造 部 門
病 態 構 造 部 門
遺 伝 部 門
腫 瘍 ・ 免 疫 ・ 感 染 部 門
生 体 情 報 処 理 部 門
代 謝 部 門
化 学 物 質 作 用 部 門
保 健 疫 学 部 門
環 境 医 学 部 門
裁 判 医 学 部 門
佐賀大学医学系研究科 分析項目I
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1‐1‐3 医学系研究科(修士課程,博士課程)の教員組織の構成と教員配置 大学院教員は,
「佐賀大学大学院医学系研究科における研究指導教員及び授業担当教員
の適格審査に関する申合せ」の基準(下記資料 1-1-3(1))により,医学系研究科委員会に
お い て 履 歴 及 び 教 育 研 究 業 績 に 基 づ き 教 育 ・研 究 指 導 能 力 を 審 査 し て お り , 資 料 A 1 ‐
2007 データ分析集:NO.5 本務教員数構成,NO.6 本務教員の取得学位別の分布,NO.7 本
務 教 員 の 専門 分 野 別 分布 で 示 す よう な 職 位 ,年 齢 , 性 別, 学 位 , 専門 領 域 等 別の 構 成で
適切な教員配置がなされている。また,専任教員数においても,
「大学院設置基準第9条
の 規 定 に 基づ い て 大 学院 の 専 攻 ごと に 置 く もの と す る 研究 指 導 教 員数 並 び に その 他 の教
員組織」の基準に適合しており(下記資料 1-1-3(2))
,大学院課程を遂行するために必要
な研究指導教員及び研究指導補助教員が確保されている。
資料 1-1-2 医学系研究科入学者状況【 平 成 20 年 度 入 学 試 験 統 計 よ り 転 記 】
修 士 課 程
入 学 定 員 31
( 医 科 学 専 攻 15, 看 護 学 専 攻 16)
収 容 定 員 62
(医 科 学 専 攻 30,
看 護 学 専 攻 32)
年 度 専攻 志願者数
志願者
倍率
合格者数 入学者数
留学生入
学者数
社会人入
学者数
入学定員
充足率
現員
(5月1日)
収容定員
充足率
医 科 学 21 1.40 20 18 1 13 120.0 35 116.7
看 護 学 17 1.06 17 17 1 12 106.3 35 109.420 年 度
合 計 38 1.23 37 35 2 25 112.9% 70 112.9%
医 科 学 14 0.93 14 14 0 4 93.3 36 120.0
看 護 学 17 1.06 17 16 0 10 100.0 36 112.519 年 度
合 計 31 1.00 31 30 0 14 96.8% 72 116.1%
医 科 学 23 1.53 22 22 3 8 146.7 37 123.3
看 護 学 20 1.25 20 19 0 13 118.8 31 96.918 年 度
合 計 43 1.39 42 41 3 21 132.3% 68 109.7%
医 科 学 18 1.20 16 13 0 3 86.7 29 96.7
看 護 学 10 0.63 10 10 0 7 62.5 19 59.417 年 度
合 計 28 0.90 26 23 0 10 74.2% 48 77.4%
医 科 学 20 1.33 18 15 0 1 100.0 30 100.0
看 護 学 13 0.81 9 9 0 2 56.3 19 59.416 年 度
合 計 33 1.06 27 24 0 3 77.4% 49 79.0% 博 士 課 程
入 学 定 員 30
(機能形態系専攻 13,生体制御系専攻 14,生態系専攻 3)
(平成 20 年度から医科学専攻 30 に改組)
収 容 定 員 120
(機能形態系専攻 52,
生体制御系専攻 56,
生態系専攻 12)
年 度 専攻 志願者数
志願者
倍率
合格者数 入学者数
留学生入
学者数
社会人入
学者数
入学定員
充足率
現員
(5月1日)
収容定員
充足率
医 科 学 35 1.17 35 34 4 19 113.3 142 118.3 20 年 度
合 計 35 1.17 35 34 4 19 113.3% 142 118.3%
機能形態系 14 1.08 14 14 0 8 107.7 46 88.5
生体制御系 15 1.07 14 13 2 7 92.9 58 103.6
生態系 6 2.00 6 5 1 1 166.7 14 116.7 19 年 度
合 計 35 1.17 34 32 3 16 106.7% 118 98.3%
機能形態系 13 1.00 13 13 0 4 100.0 40 76.9
生体制御系 17 1.21 16 15 0 4 107.1 52 92.9
生態系 3 1.00 3 3 0 1 100.0 10 83.3 18 年 度
合 計 33 1.10 32 31 0 9 103.3% 102 85.0%
機能形態系 15 1.15 15 15 1 5 115.4 35 67.3
生体制御系 24 1.71 23 23 2 8 164.3 41 73.2
生態系 10 3.33 6 6 0 2 200.0 7 58.3 17 年 度
合 計 49 1.63 44 44 3 15 146.7% 83 69.2%
機能形態系 4 0.31 4 4 0 0 30.8 25 48.1
生体制御系 6 0.43 6 6 0 1 42.9 20 35.7
生態系 0 0.00 0 0 0 0 0 1 8.3 16 年 度
合 計 10 0.33 10 10 0 1 33.3% 46 38.3%
佐賀大学医学系研究科 分析項目I
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観点 1−2 教育内容、教育方法の改善に向けて取り組む体制
(観点に係る状況) 1‐2‐1 教育内容,教育方法の改善に向けた組織体制
下記資料 1-2-1 のように,医学系研究科委員会の下に医学系研究科運営委員会及び専
門 委 員 会 ( フ ァ カ ル テ ィ ・ デ ィ ベ ロ ッ プ メ ン ト 委 員 会 等 ) を 組織し, 教育・研究 活動に
係 る 事 項 を検 討 ・ 審 議し て い る 。医 学 系 研 究科 運 営 委 員会 で , 学 生の 成 績 分 布, 単 位取
得 状 況 , 学位 論 文 の 内容 ・ 水 準 ,論 文 審 査 時の 最 終 試 験の 結 果 , 修了 状 況 な ど教 育 目標
の 達 成 状 況を 検 証 し ,ま た , 学 生に よ る 授 業評 価 , 研 究実 施 報 告 書, 修 了 時 アン ケ ート
や教 育 研 究指 導 実 施 組織 ( コ ー スチ ェ ア パ ーソ ン , 教 科主 任 な ど )か ら の 報 告等 を 基に
教 育 ・ 研 究指 導 状 況 の点 検 を 行 い, 教 育 内 容・ 教 育 方 法等 の 改 善 策を 教 員 に フィ ー ドバ
ックする仕組みになっている。
資料 1-1-3(1) 大学院教員の適格審査基準【 佐 賀 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 に お け る 研 究 指 導 教
員 及 び 授 業 担 当 教 員 の 適 格 審 査 に 関 す る 申 合 せ よ り 抜 粋 】 【 研 究 指 導 教 員 の 資 格 】
1 博 士 課 程 の 研 究 指 導 教 員 と な る こ と が で き る 者 は , 研 究 科 の 教 授 で , 次 の い ず れ か に 該 当 し ,
か つ , そ の 担 当 す る 専 門 分 野 に 関 し , 極 め て 高 度 の 教 育 研 究 上 の 指 導 能 力 が あ る と 認 め ら れ る
者 と す る 。こ の 場 合 に お い て ,教 育 研 究 上 特 に 必 要 と 認 め る と き は ,
「 研 究 科 の 教 授 」を「 研 究
科 の 准 教 授 」 と 読 み 替 え る こ と が で き る も の と す る 。
(1) 博 士 の 学 位( 外 国 に お い て 授 与 さ れ た こ れ に 相 当 す る 学 位 を 含 む 。以 下 同 じ 。
)を 有 し ,研
究 上 の 顕 著 な 業 績 を 有 す る 者
(2) 博 士 の 学 位 は 有 し な い が , 研 究 上 の 業 績 が 前 号 の 者 に 準 ず る と 認 め ら れ る 者
2 修 士 課 程 の 研 究 指 導 教 員 と な る こ と が で き る 者 は ,研 究 科 の 教 授 で ,次 の い ず れ か に 該 当 し ,
か つ , そ の 担 当 す る 専 門 分 野 に 関 し , 高 度 の 教 育 研 究 上 の 指 導 能 力 が あ る と 認 め ら れ る 者 と す
る 。こ の 場 合 に お い て ,教 育 研 究 上 特 に 必 要 と 認 め る と き は ,
「 研 究 科 の 教 授 」を「 研 究 科 の 准
教 授 」 と 読 み 替 え る こ と が で き る も の と す る 。
(1) 博 士 の 学 位 を 有 し , 研 究 上 の 業 績 を 有 す る 者
(2) 博 士 の 学 位 は 有 し な い が , 研 究 上 の 業 績 が 前 号 の 者 に 準 ず る と 認 め ら れ る 者 【 授 業 担 当 教 員 の 資 格 】
授 業 担 当 教 員 と な る こ と が で き る 者 は ,研 究 科 の 教 授 ,准 教 授 ,講 師 ,又 は 助 教 で ,次 の い ず
れ か に 該 当 す る 者 と す る 。
(1) 博 士 の 学 位 を 有 し , 当 該 授 業 の 担 当 教 員 と し て の 研 究 業 績 を 有 す る 者
(2) 博 士 の 学 位 は 有 し な い が , 研 究 業 績 が 前 号 の 者 に 準 ず る と 認 め ら れ る 者
資料 1-1-3(2) 医学系研究科教員数と大学院設置基準との対照【 人 事 課 資 料 よ り 作 成 】
医 学 系 研 究 科 教 員 ( 現 員 )
( 平 成 19 年 5 月 1 日 現 在 )
平 成 十 一 年 文 部 省 告 示 第 百 七 十 五 号 (大 学 院 設 置 基 準 第 九
条 の 規 定 に 基 づ く 大 学 院 に 専 攻 ご と に 置 く も の と す る 教
員 の 数 )の 抜 粋
区 分
研 究 指 導
教 員 数
研 究 指 導 補
助 教 員 数 合 計
研 究 指 導
教 員 数
そ の 他 の 教 員 組 織 備 考
修 士 課 程
医 科 学 専 攻
64 19 83 6
研 究 指 導 教 員 数 と 研 究 指
導 補 助 教 員 数 を 合 わ せ て
12 以 上 と す る 。
別 表 第 二
医 学 関 係 ( 修 士
課 程 )
修 士 課 程
看 護 学 専 攻
7 6 13 6
研 究 指 導 教 員 数 と 均 衡 の
と れ た 研 究 指 導 補 助 教 員
を 置 く こ と が 望 ま し い 。
別 表 第 一
保 健 衛 生 学 関 係
( 看 護 )
博 士 課 程 69 72 141 30
研 究 指 導 教 員 数 と 研 究 指
導 補 助 教 員 数 を 合 わ せ て
60 以 上 と す る 。
別 表 第 二
医 学 関 係 ( 博 士
課 程 )
佐賀大学医学系研究科 分析項目I
‐6‐9‐
1‐2‐2 教育内容,教育方法の改善に向けた取組内容・方法と実施状況
資料 1-2-1 医学系研究科の運営体制【 研 究 科 委 員 会 資 料 よ り 編 集 】
医 学 系 研 究 科 委 員 会 ( 大 学 院 医 学 系 研 究 科 委 員 会 規 程 参 照 )
組 織 : 研 究 科 長 及 び 大 学 院 担 当 の 教 授
審 議 事 項 等 : (1) 大 学 院 担 当 教 員 の 選 考 に 関 す る 事 項
(2) 専 攻 ・ 課 程 の 設 置 ・ 改 廃 に 関 す る 事 項
(3) 教 育 課 程 の 編 成 に 関 す る 事 項
(4) 学 生 の 入 退 学 , 懲 戒 等 の 身 分 に 関 す る 事 項
(5) 試 験 及 び 単 位 の 認 定 に 関 す る 事 項
(6) 学 生 の 厚 生 補 導 に 関 す る 事 項
(7) 学 位 論 文 の 審 査 及 び 試 験 に 関 す る 事 項
(8) そ の 他 大 学 院 の 研 究 教 育 及 び 管 理 運 営 に 関 す る 重 要 事 項
会 議 : 定 例 研 究 科 委 員 会 を 毎 月 開 催 医 学 系 研 究 科 運 営 委 員 会 ( 大 学 院 医 学 系 研 究 科 運 営 委 員 会 規 程 参 照 )
組 織 : 副 医 学 部 長 ( 総 務 ・ 研 究 担 当 )
, 副 医 学 部 長 ( 教 育 担 当 )
, 医 科 学 専 攻 長 及 び
看 護 学 専 攻 長
審 議 事 項 等 : (1) 医 学 系 研 究 科 担 当 教 員 の 選 考 に 関 す る 事 項
(2) 医 学 系 研 究 科 の 教 育 の 編 成 に 関 す る 事 項
(3) 学 位 論 文 及 び 学 位 の 審 査 に 関 す る 事 項
(4) 医 学 系 研 究 科 の 入 学 者 選 抜 に 関 す る 事 項
(5) 入 学 そ の 他 学 生 の 身 分 に 関 す る 事 項
(6) 学 生 の 就 職 に 関 す る 事 項
(7) そ の 他 教 育 研 究 及 び 管 理 運 営 に 関 す る 事 項
会 議 : 定 例 研 究 科 運 営 委 員 会 を 毎 月 開 催 医 学 系 研 究 科 入 試 委 員 会
組 織:研 究 科 長 ,医 学 系 研 究 科 運 営 委 員 会 委 員 ,教 員 若 干 名 及 び 学 生 サ ー ビ ス 課
長 に よ り 構 成
審 議 事 項 等 : (1) 医 学 系 研 究 科 の 入 学 者 選 抜 実 施 に 関 す る こ と
(2) 医 学 系 研 究 科 の 入 学 者 選 抜 方 法 ・ 内 容 に 関 す る こ と
(3) そ の 他 医 学 系 研 究 科 の 入 学 試 験 に 関 す る こ と 医 学 系 研 究 科 フ ァ カ ル テ ィ ・ デ ィ ベ ロ ッ プ メ ン ト 委 員 会
組 織:研 究 科 長 の も と 医 学 部 フ ァ カ ル テ ィ・デ ィ ベ ロ ッ プ メ ン ト 委 員 会 委 員 に よ
り 構 成
審 議 事 項 等:(1) 医 学 系 研 究 科 の フ ァ カ ル テ ィ・デ ィ ベ ロ ッ プ メ ン ト に 関 す る 企
画 立 案
(2) 医 学 系 研 究 科 の フ ァ カ ル テ ィ・デ ィ ベ ロ ッ プ メ ン ト の 推 進 及 び
連 絡 調 整 並 び に 調 査 研 究
(3) そ の 他 ,医 学 系 研 究 科 の フ ァ カ ル テ ィ・デ ィ ベ ロ ッ プ メ ン ト に
関 す る こ と
コ ー ス チ ェ ア パ ー ソ ン ( 平 成 19年 4月 18日 研 究 科 委 員 会 申 合 せ )
組 織 : 医 学 系 研 究 科 カ リ キ ュ ラ ム の 各 コ ー ス に , 本 研 究 科 の 教 授 を チ ェ ア パ ー ソ ン と
し て 研 究 科 委 員 会 の 議 を 経 て 研 究 科 長 が 委 嘱 す る 。
任 務 : (1) 当 該 コ ー ス の 関 連 授 業 科 目 の 編 成 ・ 開 講 等 を コ ー デ ィ ネ イ ト し , カ リ キ ュ
ラ ム を 研 究 科 運 営 委 員 会 に 報 告 す る 。
( 2) 年 度 ご と に 当 該 コ ー ス 所 属 学 生 の 研 究 論 文 進 捗 状 況 を 点 検 ・ 指 導 す る た め
の 公 開 審 査 会 並 び に 担 当 指 導 教 員 会 議 を 開 催 し , 教 育 ・ 研 究 指 導 状 況 等 に つ
い て 点 検 ・ 評 価 を 行 い 研 究 科 運 営 委 員 会 に 報 告 す る 。
( 3) 当 該 コ ー ス 所 属 学 生 の 修 業 状 況 を 把 握 し , 必 要 に 応 じ て 助 言 を 行 う 。 授 業 科 目 教 科 主 任
任 務 : 授 業 内 容 を 統 括 し , 成 績 評 価 と 授 業 科 目 点 検 ・ 評 価 報 告 書 を 研 究 科 運 営 委 員 会
に 提 出 す る 。 研 究 指 導 教 員
任 務 : 担 当 学 生 の 研 究 を 指 導 し , 毎 年 度 の 研 究 指 導 計 画 及 び 研 究 実 施 報 告 書 を 研 究 科
運 営 委 員 会 に 提 出 す る 。
佐賀大学医学系研究科 分析項目I
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1)学生による授業評価,修了時アンケートなど,学生の意見や自己点検評価に基づく教
育改善の取組
各 教 科 に つい て , 学 部授 業 と 同 じ要 領 に よ る授 業 評 価 を行 っ て お り, 満 足 度 ,授 業 内
容 , 実 習 環 境 な ど に 関 す る ア ン ケ ー ト 調 査 が 行 わ れ て い る ( 医 学 部 の 現 況 調 査 表 資 料
1-2-2(1,2)参 照 )
。 授業 評 価 の 結 果 は , 個 々 の 担 当 教 員 に 通 知 さ れ , 各 教 員 に よ る 教 育 の
質 の 向 上 ,授 業 内 容 ,教 材 , 教 授技 術 等 の 継続 的 改 善 に資 す るとともに,教 科 主 任 が 授
業科目の改善策を含めた授業科目点検・評価報告書(下記資料 1-2-2)を提出し,上記資
料 1-2-1 で示した研究科運営組織で検討され,教育内容,教育方法等の改善に反映させて
い る 。そ の他 に ,1 修 了 時 等 の ア ン ケ ー ト 並び に 授業 担当 教 員を 介し た 教育 カリ キ ュラ
ム 等に 関する ニー ズ,2 指 導 担 当 教 員 及 び コ ー ス チ ェ ア パ ー ソ ン を介 した 研究指 導体 制
等に関するニーズ,3学生サービス課を介した学習環境等に関するニーズ,4平成 16 年
度 か ら設 置し た 投 書 箱 ( ボ イ ス ) に よ る意 見・ 要 望等 を収 集 ・把 握し て おり ,こ れ らも
上 記 研究 科運 営 組織 で検 討 し, 改善 に 結び 付け て いる 。ま た ,教 員 個 人 の 自 己 点 検 評 価
を基にした教育改善がなされており,その例は「医学部の現況調査表資料 1-2-2(4)」と同
様である。 資料 1-2-2 授業科目点検・評価報告書(例)
【 平 成 19 年 度 授 業 科 目 点 検 ・ 評 価 報 告 書 集 よ り 抜 粋 】
学生による授業評価集計と担当者のコメント
アンケート実施日:
授業科目名:
人体構造機能学概論 開講時期 1 年次
(前期・後期・通年) 授業科目名:人体構造機能学概論 回答者数: 12 名
教科主任氏名 ・・・・ 1.学生の自己評価 ( 1低い,2.やや低い,3.中間,4.やや高い,5.高い)
担当教員氏名 ・・・・,・・・・,・・・・・,・・・・・,・・・・・
1)講義に対する出席の程度
1.担当授業について 4.3
授業形式: (1) 講義のみ,(2) グループ学習, 2)復習や関連事項の自己学習の程度
(3) その他( ) 4.1
3)授業内容の修得・理解の程度
出 欠 を: (1) とっている,(2) とらない 4.0
(3) その他( ) 2−1.
1)総合的満足度
学生出席状況 (1) 30%以下,(2) 30〜50%,(3) 50〜70%,(4) 70〜90%,(5) 90%以上 4.4
2)学生が感じた授業科目の重要性の程度4.5成績評価法: (1) 出席状況,(2) レポート,(3) 筆記試験, 3)授業の内容に対して抱いた興味の程度 (4) その他( ) 4.5
4)授業の編成や内容における一貫性、統合性の程度
2.教科主任による点検・評価(学生による評価結果に対する意見も含めて) 4.4
1) 授業科目の教育方法,内容に関して 5)講義の工夫,資料等の活用・有効性の程度4.26)この授業科目に対する配分時間の妥当性4.32−2.上記評価に関連した意見(人数)
A 学習要項と講義の内容が一致していない。
B 講義内容がばらばらであっる。
2) 授業科目の実施時期,時間数に関して C 講義内容に無意味な重複がある。
D 一方的な講義で追い付いていけない。
E 講義資料が分かりにくい。
F スライド,OHPなどが分かりにくい。
G 講義内容が多すぎる。
H 授業時間が多すぎる。
I もっと授業時間を増やして欲しい。
J 現行より早い時期に開講して欲しい。
K 現行より遅い時期に開講して欲しい。
3) 改善に向かっての対策と目標
2−3. 自由意見のうち,主なもの
しろまる概論と、選択できる人体の学習をできる講義があれば良いなとおもいました。
しろまる購入した教科書を活用した授業だと、もっと良かったと感じました。
しろまる人間の体を構造的に各々を詳細に知ることができた。
しろまる私たちにも分かるように講義してくださいました。
本授業は,入学直後の4月から,毎週1回(95分)の講義を8回で実施して
いる。医学の基礎として人体の構造機能を最初に学習させるという方針から,最
も早い時期に授業を実施しているが,実施時期を変える必要性は特にない。授業
時間数に関しては,もっと時間を増やして欲しいという意見が学生アンケートに
あるが,修士課程2年間の修学年限内に学習すべき事柄は他にも多くあり,本授
業だけを長く実施する訳にはいかないと考える。しかし,人体の構造と機能に関
する学習内容は広大であり,短時間で学習することは困難である。その点を考慮
して,本授業の試験は,授業終了直後ではなく,夏休みを挟んで10月に実施す
ることにしており,十分な自己学習期間を確保できるように工夫している。
本授業を開講してから5年目になり,授業担当者も多様なバックグラウンドの
学生を対象とした授業に慣れてきたと思われる。開講当時は,授業内容が難しく
て分からないという声が聞かれたが,今回の授業評価では,特に大きな問題点は
なく,おおかたが良好な評価になっている。今後の対策・目標としては,授業内
容および授業方法の工夫を継続し,本研究科の教育方針と学生のニーズ沿った授
業を提供していく。
5段階平均
平成19年度 授業科目(講義)点検・評価報告書
平成19年7月11日
本授業科目は,医科学専攻修士課程の各コース(基礎生命科学系,医療科学
系,総合科学系)の共通必修科目の1つで,医学部医学科以外の多様な学部出身
学生に対して医学の基礎を修得させることを目的とし,人体の構造(解剖学)と
機能(生理学)を統合した授業内容を講義形式により行っている。講義は,解剖
学あるいは生理学を専門とする教員が,人体の機能系統別にオムニバス形式で担
当している。本授業の難しさは,バックグラウンドの異なる学生を対象に,限ら
れた時間内で人体の基本的な仕組みを分かり易く伝えることにあるが,共通の教
科書を指定し,それに加えて担当者独自の講義プリント,講義スライドを用いる
など授業方法の工夫を行っている。2 00
0 10 0202000010010 1 1 6 4 0
0 1 2 5 4 000 2 3 7 000 1 4 7 000 1 4 7 000 1 5 6 000 2 6 4 000 1 7 4 0
佐賀大学医学系研究科 分析項目I
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2)ファカルティ・ディベロップメント(FD)企画の実施による教育改善の取組
研究科の FD は,従来医学部 FD の一環として実施してきたが,平成 19 年度から研究
科 FD 委員会を組織して,医学部 FD 委員会と連携して FD 企画を実施している。その内
容は,
「医学部の現況調査表資料 1-2-2 (5)」に示すように,教育ワークショップ及び FD
講 演 会 ・ 講習 会 か ら 成り , 教 育 改善 に 向 け た教 職 員 や 学生 の ニ ー ズを 反 映 し たテ ー マで
実 施 し て いる 。 ま た ,そ の 内 容 をホ ー ム ペ ージ な ど で 公開 す る こ とに よ り , 教育 の 質の
向 上 や授 業の 改 善等 につ い ての 情報 を 教員 に提 供 して いる 。そ の 成 果 に つ い て は , 教育
ワークショップ参加教員のアンケートや教員の個人評価実績報告書に,
FD 参加の効果や
教育改善への結び付きに関する記載がなされており,FD の成果が認められている。
以下に,研究科に特化した内容の FD 実施状況を示す(下記資料 1-2-3)。 3)「新時代の大学院教育」に向けた改善の取組
中央教育審議会答申など新時代の大学院教育改革の方針に向けた取組として,大 学 院
改 革ワ ーキン ググ ループ を設 置し,教 育 プ ロ グ ラ ム や カ リ キ ュ ラ ム の 改 善 ,博 士 課 程 の
改組,助教の大学院教員配置等について検討を重ね,改革策を順次実行に移している。
資料1-2-3 ファカルティ・ディベロップメントの実施状況と成果(研究科関連のみ抽出)
【 ワ ー ク シ ョ ッ プ 報 告 書 よ り 抜 粋 】 第14回佐賀大学医学部 医学・看護学教育ワークショップ(平成19年8月24日, 9:00‐17:00)
テーマ;「佐賀大学での卒後臨床研修(初期研修,専門医研修)及び社会人大学院」,
参加教員(臨床系)33人,スタッフ教職員22人
グ ル ー プ ワ ー ク ;
「 指 導 医 か ら 見 た 現 状 の 問 題 点 」
成 果 【 問 題 点 に 対 す る 改 善 策 等 の 検 討 結 果 】
1 ) 基 本 的 事 項 の 修 得 ⇒ 卒 前 教 育 と 卒 後 教 育 の 連 続 し た 教 育 を 行 う 。
2 ) 研 修 内 容 と 評 価 ⇒ 厚 生 労 働 省 の 臨 床 研 修 の 到 達 目 標 と の 整 合 性 を 再 検 討 す る 。
3 ) 各 診 療 科 の カ ン フ ァ レ ン ス 時 間 を 公 開 し , 他 科 ロ ー テ ー シ ョ ン 中 の 研 修 医 が 参 加 し や す い 環 境 を
作 る 。 第13回佐賀大学医学部 医学・看護学教育ワークショップ(平成18年8月25日, 9:00‐17:00)
テーマ;「上手な講義の仕方」,参加教員83人,スタッフ教職員22人
グ ル ー プ ワ ー ク ;
「 大 学 院 , 研 究 室 配 属 学 生 等 に 対 す る 個 別 指 導 に お け る 問 題 点 ( 留 意 点 ) と 工 夫 」
成 果 【 問 題 点 に 対 す る 改 善 策 等 の 検 討 結 果 】
1 ) 具 体 的 な 指 針 な ど 指 導 シ ス テ ム が 確 立 さ れ て い な い 。 ⇒ 画 一 的 な 指 導 シ ス テ ム は 研 究 の 独 自 性 に
悪 影 響 を 与 え る 可 能 性 が あ る 。 ⇒ 指 導 者 と 学 生 の 間 で 十 分 に 話 し 合 う 場 を 設 け る 。
2 ) 人 間 関 係 が こ じ れ た 場 合 , 指 導 ・ 学 習 に 支 障 が 出 る ⇒ 研 究 室 の 枠 を 越 え た 勉 強 会 等 に よ り 他 研 究
グ ル ー プ と の 交 流 を 活 発 に す る 。
3 ) 大 学 院 性 が 受 身 で あ る 。 ⇒ PBL 教 育 法 の 活 用 な ど 考 え さ せ る ト レ ー ニ ン グ を 持 続 さ せ る 。 平成19年度 医学系研究科FD講演・講習会(平成20年3月17日,17:30‐18:30)
テーマ;
「TA・RA制度とその有効的活用について」,参加教職員及び大学院生58人
成 果 【 参 加 者 ア ン ケ ー ト ; 参 加 し た 価 値 に つ い て 】
大変良かった 11(20%),概ねよかった 29(53%),少しは良かった 9(16%),何とも言えない 4(7%),良くなかった 0(0%)
【 参 加 者 ア ン ケ ー ト 記 載 代 表 例 】
1 ) 大 学 院 生 及 び 教 員 共 に メ リ ッ ト が あ る 制 度 の 活 用 方 法 に つ い て 理 解 す る こ と が で き た 。
2 ) T A と R A に つ い て の 認 識 を 新 た に す る こ と が で き た 。
3 ) R A , T A の 制 度 を 利 用 し た い と い う 思 い が 強 く な り ま し た ( 大 学 院 生 )。
平成 18 年度 医学系研究科FD講演・講習会(平成 19 年 1 月 29 日,17:30‐19:00)
テーマ;
「平成 19 年度からの大学院教育について」参加教員 139 人
成 果 【 参 加 者 ア ン ケ ー ト 記 載 代 表 例 】
1 ) 新 し い 大 学 院 教 育 制 度 が 理 解 で き た 。
2 ) 大 学 院 教 育 の 新 カ リ キ ュ ラ ム に つ い て 理 解 し た 。 大 学 院 教 育 に つ い て の 認 識 ・理 解 が 深 ま っ た 。
3 ) こ れ か ら 大 学 院 教 育 を 充 実 さ せ る 必 要 性 を 痛 感 し た 。
4 ) 大 学 院 教 育 を 考 え る 機 会 に な っ た 。
佐賀大学医学系研究科 分析項目I,II
‐6‐12‐
(2)分析項目の水準及びその判断理由
(水準) 教育の実施体制が,期待される水準を上回る。 (判断理由)
観点 1−1 基本的組織の編成において
1 医 学 系 研究 科 の 教 育目 的 を 達 成す る た め に必 要 な 課 程・ 専 攻 並 びに 教 員 組 織を 編 成し
ており,それらの構成は質・量ともに適切なものとなっている。
2 本 研 究 科の 大 学 院 改革 の 進 捗 とと も に 入 学者 の 状 況 が改 善 さ れ てき て お り ,学 生 並び
に関係者の期待に沿った教育実施体制になっている。
3 多 彩 な 経歴 を も つ 学生 で 構 成 され て お り ,包 括 医 療 の諸 分 野 に おい て 活 躍 する 多 彩な
専門家を目指す学生の期待並びにその育成を期待する社会の要請に大きく応えている 。 観点 1−2 教育内容、教育方法の改善に向けて取り組む体制において
4 研 究 科 委員 会 と 教 育研 究 実 施 組織 が 一 体 とな っ て 教 育内 容 , 教 育方 法 等 の 改善 を 行う
体制が確立しており,それが機能して,着実に改善の取組成果を上げている。
5 授 業 評 価を 初 め と し, 学 生 の 意見 ・ 要 望 を汲 み 上 げ る仕 組 み が 整っ て お り ,学 生 の期
待に応える改善がなされている。
6タイムリーなテーマを取り上げた FD ワークショップや講習会が定期的に実施され,参
加者の満足度並びに成果も高く,教員の期待に大きく応えるとともに,教員の意識改革
並びに教育改善が進められている。
7 博 士 課 程の 改 組 な ど「 新 時 代 の大 学 院 教 育」 に 向 け た教 育 実 施 体制 及 び 教 育内 容 の改
革が進められており,大学院の在り方に対する社会の要請に応えている。 以上のように,教育の実施体制が関係者の期待に大きく応えており,特に教育改善の取
組が優れていることから水準を上回っていると判断する。 分析項目II 教育内容
(1)観点ごとの分析
観点 2−1 教育課程の編成
(観点に係る状況) 1)修士課程(医科学専攻)
本専攻の教育目的「医学部医学科以外の理系・文系4年制大学学部出身の多様な バッ
ク グ ラ ン ド を 持 つ 学 生 を 受 け 入 れ , 医学 の基礎 及び その応 用法 を体系 的・ 集中的 に修 得
さ せ るこ とに よ り, 医学 , 生命 科学 , ヒュ ーマ ン ケア など 包 括 医 療 の 諸 分 野 に お い て活
躍 す る 多 彩 な 専 門 家 を 育 成 す る 」に 基づき ,下 記に示 すよ うに, 1基 礎 生 命 科 学 系 コ ー
ス , 2医 療 科 学 系 コ ー ス , 3総 合 ケ ア 科 学 系 コ ー ス の 3つ の履修 コー スを置 き,各 コ ー
スの目的に応じた体系的な教育課程が編成されている(下記資料 2-1-1 (1,2))。
佐賀大学医学系研究科 分析項目II
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授業科目は「共通必修科目」,「系必修科目」及び「専門選択科目」により区分され,
下記に示すように開設されている(資料 2-1-1 (3),(4))。
資料 2-1-1 (2) 医科学専攻 履修モデル 【 平 成 19 年
度 修 士 課 程 医 科 学 専 攻 の 学 習 要 項 よ り 抜 粋 】
資料 2-1-1 (1) 医科学専攻 履修コース
【 平 成 19 年 度 修 士 課 程 医 科 学 専 攻 の 学 習 要 項
よ り 抜 粋 】
2 . 各 コ ー ス の 目 的
医 学 , 生 命 科 学 , ヒ ュ ー マ ン ケ ア な ど 包
括 医 療 の 諸 分 野 に お い て 活 躍 す る 多 彩 な 専
門 職 者 を 育 成 す る た め に , 次 の 3 つ の コ ー
ス が 設 定 さ れ て い ま す 。そ の 1 つ を 選 択 し ,
そ れ ぞ れ の 目 的 と 専 門 性 に 応 じ た 履 修 カ リ
キ ュ ラ ム ( コ ー ス ワ ー ク ) を 学 生 ご と に 設
計 し , 履 修 し て い く こ と に な っ て い ま す 。
〔 基 礎 生 命 科 学 系 コ ー ス 〕
生 命 科 学 ・ 基 礎 医 学 等 の 領 域 で 研 究
者・指 導 者 と し て 活 躍 す る 人 材 を 育 成 す
る こ と を 目 的 と し ,そ の た め の 幅 広 い 専
門 的 知 識 と 研 究 に 必 要 な 技 術 や 研 究 遂
行 能 力 を 修 得 し ま す 。
〔 医 療 科 学 系 コ ー ス 〕
医 療 関 連 の 諸 分 野 で 活 躍 す る 専 門 職
者 や 研 究 者 を 育 成 す る こ と を 目 的 と し ,
そ の た め の 幅 広 い 専 門 的 知 識 と 医 療 科
学 研 究 に 必 要 な 技 術 や 研 究 遂 行 能 力 を
修 得 し ま す 。
〔 総 合 ケ ア 科 学 系 コ ー ス 〕
ヒ ュ ー マ ン ケ ア な ど 包 括 医 療 の な か
で 活 躍 す る 専 門 職 者 や 研 究 者 を 育 成 す
る こ と を 目 的 と し ,そ の た め の 幅 広 い 専
門 的 知 識 と 技 術 並 び に 研 究・実 践 遂 行 能
力 を 修 得 し ま す 。
資料 2-1-1 (3) 医科学専攻授業科目 【 平 成 19 年 度 修 士 課 程 医 科 学 専 攻 の 学 習 要 項 よ り 抜 粋 】
2 ) 授 業 科 目
授 業 科 目 は ,「 共 通 必 修 科 目 」,「 系 必 修 科 目 」及 び「 専 門 選 択 科 目 」か ら 成 り ,次 の 区 分 で 構 成
さ れ て い ま す 。
[ 共 通 必 修 科 目 ] : 医 科 学 の 基 本 的 教 育 を 行 い , 基 礎 的 素 養 を 涵 養 す る こ と を 目 的 と し た 科 目 群 で ,
全 て の コ ー ス で 必 修 。
[ 系 必 修 科 目 ]:希 望 す る コ ー ス を 学 び 研 究 を 行 う 上 で 必 要 な 科 目 で ,こ れ に 含 ま れ て い る 系 別「 研
究 法 」 及 び 「 研 究 実 習 」 で は , 研 究 を 行 う の に 必 要 な 研 究 デ ザ イ ン ( 課 題 の 抽 出 ・
設 定 , 仮 説 ・ 立 証 計 略 の 立 案 , 方 策 ・ 方 法 の 考 案 , 手 順 ・ 計 画 設 計 な ど ) の 理 論 と
研 究 実 践 の 技 術 等 を 学 ぶ 。
[ 専 門 選 択 科 目 ]:コ ー ス 及 び 各 自 の 目 的 に 沿 っ て 専 門 分 野 の 理 解 を 深 め ,或 い は 幅 広 い 知 識 を 修 得
す る た め の 科 目 群 で , 11科 目 以 上 を 選 択 履 修 す る 。
佐賀大学医学系研究科 分析項目II
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各 系 の コ ー ス ツ リ ー
に沿った 30 単位の修
得 と 修 士 論 文 審 査 の
合 格 を 修 了 要 件 と し
て お り , 多 様 な バ ッ
ク グ ラ ウ ン ド を 持 つ
学 生 に 対 す る 基 本 的
な 教 育 と , 個 々 の 学
生 の 目 的 に 応 じ た 多
彩 な 専 門 学 問 分 野 或
い は 職 業 分 野 に 必 要
な 授 業 科 目 の 履 修 カ
リ キ ュ ラ ム を 個 別 に
編 成 し , 修 得 さ せ る
シ ス テ ム に よ り , 目
的 と す る 学 問 分 野 や
職 業 分 野 に お け る 期
待 に 応 え る も の に な
っている。
2)修士課程(看護学専攻)
本専攻の教育目的「高度の専門性を有する看護職者にふさわしい広い視野に立った豊
かな学識と優れた技能を有し,国内及び国際的に看護 学の 教育 ,研究 ,実 践の各 分野で
指 導 的役 割を 果 たす ことができるような人材を育成する」に基づき,1基礎看護学,2
成人看護学,3母子看護学,4老年看護学,5地域看護学の5つの専門領域で構成し,
各領域の目的に応じた体系的な教育課程が編成されている。授業科目は「共通科目」と
「専門領域科目」
に区分され,
下記に示すように開設されている
(下記資料 2-1-1 (5),(6))。資料 2-1-1 (4) 医科学専攻授業開設表【 平 成 19 年 度 修 士 課 程 医 科 学 専 攻
の 学 習 要 項 よ り 抜 粋 】
佐賀大学医学系研究科 分析項目II
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ま た , 更 に 深 い 専 門
性 と 幅 広 い 知 識 の 修 得
を 目 指 し て , 学 生 が 各
自 の 専 門 領 域 の 枠 を 越
え て 他 の 専 門 領 域 か ら
8 単 位 分 を 選 択 ・ 履 修
す る よ う に な っ て い る 。 各 専 門 領 域 に 沿 っ た
30 単位の修得と修士論
文 審 査 の 合 格 を 修 了 要
件 と し て お り , 高 度 の
専 門 性 を 有 す る 看 護 識
者 に ふ さ わ し い 基 本 的
な 教 育 と , 個 々 の 学 生
の 目 的 に 応 じ た 専 門 学
問 分 野 或 い は 専 門 看 護
職 分 野 に 必 要 な 授 業 科
目 の 履 修 カ リ キ ュ ラ ム
を 個 別 に 編 成 し , 修 得
さ せ る シ ス テ ム によ り,
目 的 と す る 学 問 分 野 や
職 業 分 野 に お け る 期 待
に 応 え る も の に な っ て
いる。
3)博士課程
本課程の教育目的「医学・医療の領域において,自立して独創的研究活動を遂行する
のに必要な高度な研究能力と,その基礎となる豊かな学識と優れた技術を有し,教 育・
研 究・医 療の 各分野 で指 導的役 割を 担う人 材を育成する」に基づき,旧来の機能形態系
専攻,
生体制御系専攻,
生態系専攻の3専攻を医科学専攻の 1 専攻に統一するとともに,
下記に示すように,1基 礎医学コー ス,2臨床 医学コース ,3総合支 援医科学コ ースの
3つの履修コースを置き,
各コースの目的に応じた体系的な教育課程を編成している(資料 2-1-1 (7),(8))。
資料 2-1-1 (6) 看護学専攻授業開設表 【 平 成 19 年 度 修 士 課 程 看 護 学 専
攻 の 学 習 要 項 よ り 抜 粋 】
資料 2-1-1 (5) 看護学専攻授業科目 【 平 成 19 年 度 修 士 課 程 看 護 学 専 攻 の 学 習 要 項 よ り 抜 粋 】
2 ) 授 業 科 目
授 業 科 目 の 構 成 は ,看 護 学 の 共 通 基 礎 と し て 理 解 を 深 め る こ と を 目 的 と し た「 共 通 科 目 」,看 護 学
の 専 門 領 域 の 理 解 を 深 め 研 究 を 行 う 上 で 必 要 な「 専 門 領 域 科 目 」か ら 成 っ て お り ,選 択 し た 専 門 領 域
の 「 特 別 研 究 」 は , 学 位 論 文 作 成 の た め に 行 う 研 究 と そ の 指 導 に 相 当 し ま す 。
佐賀大学医学系研究科 分析項目II
‐6‐16‐
授業科目は「コース必修科目」及び「共通選択必修科目I,II,III」により区分され,下
記に示すように開設されている(資料 2-1-1 (9),(10))。
資料 2-1-1 (8) 博士課程 履修モデル 【 平 成 20 年 度 博
士 課 程 の 学 習 要 項 よ り 抜 粋 】
資料 2-1-1 (7) 博士課程 履修コース【 平
成 20 年 度 博 士 課 程 の 学 習 要 項 よ り 抜 粋 】 2 . 各 コ ー ス の 目 的
医 学 ・ 医 療 の 専 門 分 野 に お い て , 社 会 の
要 請 に 応 え う る 多 様 な 研 究 者 及 び 高 度 専 門
職 者 を 育 成 す る た め に , 次 の 3 つ の コ ー ス
が 設 定 さ れ て い ま す 。 そ の 1 つ を 選 択 し ,
そ れ ぞ れ の 目 的 と 専 門 性 に 応 じ た 履 修 カ リ
キ ュ ラ ム ( コ ー ス ワ ー ク ) を 学 生 ご と に 設
計 し , 履 修 し て い く こ と に な っ て い ま す 。
〔 基 礎 医 学 コ ー ス 〕
医 学 ・ 生 命 科 学 等 の 領 域 で 自 立 し た 研 究
者 ・ 指 導 者 と し て 活 躍 す る 人 材 を 育 成 す る
こ と を 目 的 と し , そ の た め の 幅 広 い 専 門 的
知 識 と 研 究 に 必 要 な 技 術 や 実 験 デ ザ イ ン な
ど の 研 究 遂 行 能 力 を 修 得 し ま す 。
〔 臨 床 医 学 コ ー ス 〕
研 究 マ イ ン ド を 備 え た 臨 床 医 学 等 の 高 度
専 門 職 者 を 育 成 す る こ と を 目 的 と し , 病 態
学 , 診 断 ・ 治 療 学 , 手 術 技 法 , 統 計 解 析 な
ど 臨 床 医 学 や 社 会 医 学 の 高 度 な 専 門 的 知
識 ・ 技 能 ・ 態 度 並 び に 主 と し て 患 者 を 対 象
と す る 臨 床 研 究 の 遂 行 能 力 を 修 得 し ま す 。
〔 総 合 支 援 医 科 学 コ ー ス 〕
総 合 的 ケ ア な ど 医 療 関 連 の 研 究 ・ 実 践 能 力
を 備 え , 包 括 医 療 の な か で 活 躍 す る 高 度 専
門 職 者 を 育 成 す る こ と を 目 的 と し , そ の た
め の 幅 広 い 専 門 的 知 識 と 技 術 並 び に 研 究 ・
実 践 デ ザ イ ン な ど の 研 究 ・ 実 践 遂 行 能 力 を
修 得 し ま す 。
資料 2-1-1 (9) 博士課程授業科目【 平 成 20 年 度 博 士 課 程 の 学 習 要 項 よ り 抜 粋 】
2 ) 授 業 科 目
授 業 科 目 は , 「 必 修 科 目 」 と 「 選 択 必 修 科 目 」 か ら 成 り , 次 の 区 分 で 構 成 さ れ て い ま す 。
[ コ ー ス 必 修 科 目 ]:各 コ ー ス の 目 的 に 沿 っ て ,自 立 し て 研 究 を 行 う の に 必 要 な 研 究 デ ザ イ ン( 課 題
の 抽 出・設 定 ,仮 説・立 証 計 略 の 立 案 ,方 策・方 法 の 考 案 ,手 順・計 画 設 計 な ど )
の 理 論 を 学 ぶ「 研 究 法 」と 実 践 的 に 修 練 す る 「 研 究 実 習 」の 二 つ の 科 目 か ら 成 る
必 修 科 目 。
[ 共 通 選 択 必 修 科 目 I ]:各 コ ー ス に 共 通 或 い は 関 連 す る 基 礎 的 素 養 を 涵 養 す る た め の 科 目 群 で ,2
科 目 以 上 を 選 択 履 修 す る 。
[ 共 通 選 択 必 修 科 目 II ]:コ ー ス 及 び 各 自 の 目 的 に 沿 っ た 専 門 的 技 術 を 修 得 す る た め の 科 目 群 で ,2
科 目 以 上 を 選 択 履 修 す る 。
[ 共 通 選 択 必 修 科 目 III ]:コ ー ス 及 び 各 自 の 目 的 に 沿 っ て 専 門 分 野 の 理 解 を 深 め ,或 い は 幅 広 い 知 識
を 修 得 す る た め の 科 目 群 で , 2 科 目 以 上 を 選 択 履 修 す る 。
佐賀大学医学系研究科 分析項目II
‐6‐17‐
各コースに沿った 30 単位の
修得と博士論文審査の合格を修
了要件としており,高度の専門
性を有する医科学研究者或いは
臨床医学者にふさわしい基本的
な教育と,個々の学生の目的に
応 じ た 専 門 学 問 分 野 或 い は 専
門 医 療 分 野 に 必 要 な 授 業 科 目
の 履 修 カ リ キ ュ ラ ム を 個 別 に
編成し,修得させるシステムに
より,目的とする学問分野や職
業分野における期待に応えるも
のになっている。
資料 2-1-1 (10) 博士課程授業開設表 【 平 成 20 年 度 博 士 課 程
の 学 習 要 項 よ り 抜 粋 】
佐賀大学医学系研究科 分析項目II
‐6‐18‐
観点 2−2 学生や社会からの要請への対応
(観点に係る状況) 1)医学系研究科における総合ケア科学系及び総合支援医科学コースの設置
高齢化社会における包括医療のニーズに対応するために,医科学専攻の教育課程(修
士 課程及び博 士課程)に総 合 ケ ア 科 学 系 コ ー ス 及 び 総 合 支 援 医 科 学 コ ー ス を 設 置 し , 新
分 野 の 開 拓 を 目 指 す 学生 及 び社 会の 要 請に 応え て いる 。こ の よう な取 組 は, 全国 で もユ
ニークなものである(資料 2-1-1 (1),(7)参照)。 2)他専攻,他研究科の授業科目の履修
修 士 課 程 (医 科 学 専 攻及 び 看 護 学専 攻 ) で は, 各 専 攻 の授 業 科 目 のう ち 一 部 (精 神 ・
心 理 学 特 論, 遺 伝 子 医学 特 論 , 緩和 ケ ア 特 論, 高 齢 者 ・障 害 者 生 活支 援 特 論 ,地 域 看護
学特論の 5 科目)を共通科目として開講しており(資料 2-1-1 (4),(6)参照)
,専攻を超え
た幅広い学習を可能にしている(下記資料 2-2-1 (1))。3)公開授業の開設
修士課程(医科学専攻)では,授業科目の一部(健康スポーツ医学特論,緩和ケ ア 特
論の 2 科目)を公開授業として一般社会人に公開しており(資料 2-1-1(4)参照),「開か
れた大学院」として社会の要請に応えている(下記資料 2-2-1(2))。
資料 2-2-1 (1) 他専攻,他研究科の授業科目履修状況【 学 生 サ ー ビ ス 課 資 料 よ り 集 計 】
学 生 数
年 度 授 業 科 目 名 開 設 元 の 専 攻
履 修 登 録 者 単 位 修 得 者
履 修 学 生 の 所属精 神 ・ 心 理 学 特 論
医 科 学 専 攻
(医 学 系 研 究 科
修 士 課 程 )1 1看 護 学 専 攻
(医 学 系 研 究 科
修 士 課 程 )
遺 伝 子 医 学 特 論 同 上 1 1 同 上
19 年 度
緩 和 ケ ア 特 論 同 上 6 5 同 上
18 年 度 高 齢 者・障 害 者 生 活 支 援 特 論 同 上 2 0 同 上
緩 和 ケ ア 特 論 同 上 2 2 同 上
17 年 度
遺 伝 子 医 学 特 論 同 上 3 3 同 上
精 神 ・ 心 理 学 特 論 同 上 6 6 同 上
16 年 度
緩 和 ケ ア 特 論 同 上 9 9 同 上
資料 2-2-1 (2) 公開授業の一般社会人履修状況【 学 生 サ ー ビ ス 課 資 料 よ り 集 計 】
年 度 授 業 科 目 名
一 般 社 会 人
受 講 者 数
受 講 者 ア ン ケ ー ト 結 果
健 康 ス ポ ー ツ 医 学 特 論 47 大 い に 満 足 し た 67% , や や 満 足 し た 33%
19 年 度
緩 和 ケ ア 特 論 34 大 い に 満 足 し た 58% , や や 満 足 し た 33%
健 康 ス ポ ー ツ 医 学 特 論 35 大 い に 満 足 し た 32% , や や 満 足 し た 63%
18 年 度
緩 和 ケ ア 特 論 39 大 い に 満 足 し た 41% , や や 満 足 し た 41%
健 康 ス ポ ー ツ 医 学 特 論 25 非 常 に 有 益 100%
17 年 度
緩 和 ケ ア 特 論 37 非 常 に 有 益 56% , ま あ ま あ 有 益 39%
健 康 ス ポ ー ツ 医 学 特 論 82 非 常 に 有 益 75% , ま あ ま あ 有 益 25%
16 年 度
緩和ケア特論 57 非 常 に 有 益 70%, ま あ ま あ 有 益 28%
佐賀大学医学系研究科 分析項目II
‐6‐19‐
4)がん医療に対する社会からの要請に応える「がんプロフェショナル養成」教育課程
博士課程に,下記資料 2-2-1(3)のように「がん医療に携わる専門医師養成コース」を
平 成 20 年度 か ら設 置し , がん 医療 に 対す る社 会 から の要 請 に応 える 体 制を 整え て いる 。 また,このコースでは,科目等履修生を受け入れ,大学院学生以外にも履修機会を広
げて,国のがん対策並びにがん医療関係者の要請に応えるものになっている。
資料 2-2-1 (3) 「がんプロフェショナル養成」教育課程の案内【 平 成 20 年 度 博 士 課 程 の 学 習 要 項
よ り 抜 粋 】
8 . が ん 医 療 に 携 わ る 専 門 医 師 養 成 コ ー ス 〔 臨 床 腫 瘍 医 師 養 成 特 別 コ ー ス 〕 に つ い て
こ の コ ー ス は ,
〔 臨 床 医 学 コ ー ス 〕の 特 別 コ ー ス と し て ,博 士 課 程 の 学 位 と と も に 日 本 臨 床 腫 瘍
学 会 の 認 定 資 格 「 が ん 薬 物 療 法 専 門 医 」 の 取 得 を 目 指 す も の で , 以 下 の よ う な 特 別 の 履 修 が 必 要
で す 。
1 ) コ ー ス の 目 標
日 本 臨 床 腫 瘍 学 会 の 認 定 資 格 「 が ん 薬 物 療 法 専 門 医 」 の 取 得 に 必 要 な カ リ キ ュ ラ ム を 履 修 し ,
が ん 医 療 に 携 わ る 専 門 医 師 と し て の 能 力 と ,各 自 の 研 究 テ ー マ に 沿 っ て ,研 究 を 遂 行 す る た め に
必 要 な 能 力 ,方 法 等 を 研 究 の 実 践 を 通 し て 学 び ,自 立 し て が ん 治 療 に 関 す る 臨 床 研 究 を 行 う 素 養
を 身 に つ け る 。 具 体 的 に は ,
1 臨 床 腫 瘍 学 会 研 修 認 定 施 設 に お い て 臨 床 腫 瘍 学 会 所 定 の 研 修 カ リ キ ュ ラ ム に 従 い , 2 年 以
上 の 臨 床 研 究 を 行 う 。
2 臨 床 腫 瘍 学 に 関 連 し た 論 文 1 編 , 臨 床 腫 瘍 学 会 発 表 1 編 を 発 表 す る 。
3 各 科 の 基 本 と な る 学 会 の 認 定 医 ・ 専 門 医 資 格 を 取 得 す る 。
2 ) 履 修 科 目
(1) 臨 床 医 学 研 究 法 ( 必 修 2 単 位 )
が ん 治 療 に 関 す る 臨 床 研 究 に お い て , 自 立 し て 研 究 を 行 う た め に 必 要 な 研 究 デ ザ イ ン や 研 究
戦 略( 課 題 の 抽 出・設 定 ,仮 説・立 証 計 略 の 立 案 ,方 策・方 法 の 考 案 ,手 順 ・計 画 設 計 な ど )の
理 論 を 学 び , 自 ら が 立 案 す る 素 養 を 身 に つ け る 。
(2) 臨 床 医 学 研 究 実 習 ( 必 修 12 単 位 )
が ん 治 療 に 関 す る 臨 床 研 究 の テ ー マ に 沿 っ て , 研 究 を 遂 行 す る た め に 必 要 な 能 力 , 方 法 等 を
研 究 の 実 践 を 通 し て 学 び , 自 立 し て 研 究 を 行 う 素 養 を 身 に つ け る 。
(3) [共 通 選 択 必 修 科 目 I ]( 選 択 必 修 4 単 位 以 上 )
が ん 医 療 に 携 わ る 専 門 医 師 と し て 必 要 な 基 礎 的 素 養 を 涵 養 す る た め の 科 目 を ,
「 生 命 科 学 ・ 医
療 倫 理 」 を 含 め て 2 科 目 以 上 を 選 択 履 修 す る 。
(4) [共 通 選 択 必 修 科 目 II ]( 選 択 必 修 4 単 位 以 上 )
が ん 医 療 に 携 わ る 専 門 医 師 と し て 必 要 な 専 門 的 技 術 を 修 得 す る た め の 科 目 を ,
「 疫 学 ・ 調 査 実
験 法 」 を 含 め て 2 科 目 以 上 を 選 択 履 修 す る 。
(5) [共 通 選 択 必 修 科 目 III ]( 選 択 必 修 4 単 位 以 上 )
が ん 医 療 に 携 わ る 専 門 医 師 と し て 必 要 な 専 門 分 野 の 理 解 を 深 め , 或 い は 幅 広 い 知 識 を 修 得 す
る た め の 科 目 を ,
「 基 礎 腫 瘍 学 」,「 臨 床 腫 瘍 学 」 を 含 め て 2 科 目 以 上 を 選 択 履 修 す る 。
(6) [臨 床 腫 瘍 医 師 養 成 特 別 コ ー ス 選 択 必 修 科 目 ]( 選 択 必 修 12 単 位 以 上 )
が ん 薬 物 療 法 専 門 医 受 験 資 格 取 得 に 必 要 な 臨 床 実 習 ( 日 本 臨 床 腫 瘍 学 会 の カ リ キ ュ ラ ム に 則
り , 一 定 レ ベ ル の 臨 床 経 験 と Evidence に 基 づ い た 診 断 ・ 治 療 法 の 習 得 を 行 う ) を ,
「 腫 瘍 薬 物
療 法 実 習 I 」,「 腫 瘍 薬 物 療 法 実 習 II 」,「 腫 瘍 薬 物 療 法 実 習 III 」 及 び 「 腫 瘍 薬 物 療 法 実 習 IV 」 の
う ち か ら 3 科 目 以 上 を 含 め て , 4 科 目 以 上 を 選 択 履 修 す る 。 附〔 が ん 医 療 に 携 わ る 専 門 医 師 等 の 研 修 ( イ ン テ ン シ ブ ) コ ー ス 〕
こ の コ ー ス は , 各 種 関 連 学 会 の 認 定 医 等 の 申 請 を 目 指 し て , 佐 賀 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 博 士 課
程 の 科 目 等 履 修 生 と し て 博 士 課 程 授 業 科 目 の 一 部 を 履 修 し , か つ , 所 定 の 各 臨 床 実 習 を 行 い , 単 位
を 取 得 す る も の で , 次 の 5 コ ー ス を 設 定 し ま す 。
な お , 医 学 系 研 究 科 博 士 課 程 の 他 の コ ー ス を 選 択 し た 学 生 も , こ の コ ー ス を 履 修 し て 単 位 を 取 得
す る こ と が で き ま す 。
1 . 臨 床 腫 瘍 医 師 養 成 イ ン テ ン シ ブ コ ー ス
2 . が ん 治 療 医 師 養 成 イ ン テ ン シ ブ コ ー ス
3 . 緩 和 ケ ア 医 師 養 成 イ ン テ ン シ ブ コ ー ス
4 . 放 射 線 腫 瘍 医 師 養 成 イ ン テ ン シ ブ コ ー ス
5 . が ん 専 門 薬 剤 師 養 成 イ ン テ ン シ ブ コ ー ス
佐賀大学医学系研究科 分析項目II
‐6‐20‐
5)留学プログラム及びキャリア教育の状況
留 学 プ ロ グラ ム と し ては , 国 際 交流 協 定 を 南昌 大 学 医 学院 , 大 連 医科 大 学 , ハサ ヌ デ
ィ ン 大 学 な ど と 締 結 し , 留 学 生 を 受 け 入 れ て い る ( 資 料 A 1 ‐ 2007 デ ー タ 分 析 集 :
NO.3.2.4,NO.3.2.6 学生構成)。また,毎年 1 名程度の邦人学生が大学院派遣学生制度に
より海外で研究指導を受けている。
キ ャ リア 教育 の 一環 とし て ,国 際 的 な 学 会 等 へ の 学 生 参 加 を 奨 励 して お り, それ を推
進 す る シ ステ ム と し て, 学 術 国 際交 流 基 金 や講 座 経 費 等に よ り 渡 航費 の 支 援 を行 っ てい
る(資料 2-2-1(4))。同基金は私費外国人留学生に対する奨学金支援も行っており,学生
のニーズに応えている。 (2)分析項目の水準及びその判断理由
(水準) 教育内容が,期待される水準を上回る。 (判断理由)
観点 2−1 教育課程の編成において
1 医 学 系 研究 科 が 目 指す 研 究 者 ・高 度 専 門 職者 を 養 成 する た め の 教育 課 程 が ,育 成 する
人材像に応じたカリキュラムコースにより体系的に編成されており,適切なものとなっ
ている。
2 各 教 育 課程 の 授 業 科目 が , 専 攻或 い は コ ース の 目 的 に必 要 な 共 通・ 基 本 的 な内 容 の必
修科目と,個々の学生の目的に応じた専門学問分野或いは専門医療分野を学習するため
の幅広い選択科目とで構成されており,教育課程編成の趣旨に沿うとともに多様な学生
のニーズに応える適切な配置・内容になっている。
観点 2−2 学生や社会からの要請への対応において
3 総 合 ケ ア科 学 系 コ ース , 総 合 支援 医 科 学 コー ス , が ん医 療 に 携 わる 専 門 医 師養 成 コー
スなど,新時代の要請に応えるカリキュラムコースを設置し,個々の学生の目的に応じ
た履修カリキュラムを個別に編成させるシステムにより,学生及び社会の期待に大きく
応えている。
4 共 通 科 目や 公 開 授 業及 び 科 目 等履 修 生 用 の研 修 コ ー スを 開 設 し ,専 攻 の 枠 を超 え た学
習機会や,大学院学生以外を対象とした学習機会を提供しており,学生や社会からの要
請に応えている。
5 本 研 究 科の 規 模 と して は 適 切 な人 数 の 留 学生 を 迎 え 入れ , 本 邦 の学 生 を 積 極的 に 国際
学会等に派遣する取組が成されており,国際化のニーズに応えている。 以上のことから,教育課程の編成及び教育内容が「新時代の大学院教育」に寄せられる
期待に十分応えており,水準を上回ると判断する。
資料 2-2-1 (4) 大学院学生の国際学会等参加支援件数 【 渡 航 旅 費 支 出 資 料 よ
り 集 計 】
支 援 対 象 学 生 の 内 訳
年 度
学 術 国 際
交 流 基 金
に よ る 支
援 件 数
講 座 経 費
等 に よ る
支 援 件 数
合 計
修 士 課 程
学 生 数
博 士 課 程
学 生 数
19 年 度 4 23 27 7 20
18 年 度 0 18 18 4 14
17 年 度 3 13 16 5 11
16 年 度 0 4 4 2 2
佐賀大学医学系研究科 分析項目III
‐6‐21‐
分析項目III 教育方法
(1)観点ごとの分析
観点 3−1 授業形態の組合せと学習指導法の工夫
(観点に係る状況) 3‐1‐1 授業形態の組合せ・バランス,担当教員の配置
新しい問題の発見や解決を行うための様々な方法や技術を身に付けさせるための研 究
実習や医療現場での実習を重視し,
授業開設表
(資料 2-2-1 (4),(6),(10))
で示したように,
各専攻の教育目的と,それぞれの分野の特性に応じて,カリキュラムの中に講義,演習,
実 験 ・ 実 習を バ ラ ン スよ く 取 り 入れ て い る 。担 当 教 員 につ い て も 適切 に 配 置 がな さ れて
いる(別添資料I授業科目データ参照)。 3‐1‐2 学習及び研究指導法の工夫
1)学生ごとに1人の主指導教員を置き,必要に応じて副指導教員を加えることができる
体制で,入学時に指導教員と学生が相談の上,個別の履修計画及び研究計画を策定し(資
料 3-1-2(1))
,学生のニーズに即して少人数の対話・討論型教育及び個別指導に重点を置
いた学習及び研究指導を行っている。
また,研究指導計画とそれに基づく実施経過・実績の状況を,学生と指導担当教員 及
び コ ー ス チェ ア パ ー ソン が 共 有 し, 適 切 な 研究 指 導 を 行う 工 夫 と して , 学 生 ごと に 資料
3-1-2(2)に示す研究指導計画書と研究実施経過報告書を兼ねた報告を,毎年度の始めと終
わりに提出させ(別添資料III:研究指導計画書(研究実施経過報告書)提出例参照),研究 指 導 及 びそ の 成 果 の進 捗 状 況 を研 究 科 運 営委 員 会 及 びコ ー ス チ ェア パ ー ソ ンが 点 検す
る仕組みを行っている。
資料 3-1-2 (1) 「履修計画」
「研究計画」の策定法 【 平 成 20 年 度 博 士 課 程 の 学 習 要 項 よ り 抜 粋 】 (1) 履 修 計 画
入 学 後 1 週 間 以 内 に ,博 士 課 程 4 年 間 の 履 修 計 画 を 立 て ま す 。計 画 に あ た っ て は ,研 究 指 導 教 員 の
助 言 の 下 に ,各 自 の 希 望 す る 進 路 及 び 修 学 目 的 に 適 合 し た 履 修 コ ー ス を 決 め ,そ れ に 基 づ い て 各 自 の
学 習 目 標 や 研 究 テ ー マ 等 に 即 し た 履 修 計 画 を 立 て て 下 さ い 。履 修 計 画 は「 履 修 届 」と し て ,学 生 サ ー
ビ ス 課 学 務 系 大 学 院 に 提 出 し ま す 。
(1) 研 究 計 画
入 学 後 2 週 間 以 内 に ,博 士 課 程 で 行 う 研 究 の 方 向 性 ,計 画 ,方 針 等 に つ い て 指 導 教 員 と よ く 相 談 の
う え ,研 究 の 方 向 性 を 示 す テ ー マ( 研 究 課 題 )と 研 究 計 画 を 自 ら 設 定 し ,研 究 課 題 届 と 研 究 指 導 計 画
書( 指 導 教 員 が 研 究 計 画 に 沿 っ て 作 成 ,様 式 vii 頁 )を 学 生 サ ー ビ ス 課 学 務 系 大 学 院 に 提 出 し て く だ さ
い 。
資料 3-1-2 (2) 研究指導計画書(研究実施経過報告書)の様式 【 平 成 20 年 度 博 士 課 程 の 学 習 要 項
よ り 抜 粋 】
佐賀大学医学系研究科 分析項目III
‐6‐22‐
2)社会人学生に対しては教育方法の特例を適用し,柔軟な授業形態による履修が可能な
ように配慮している。その方策としては,必要に応じて休日や 17 時 30 分以後の授業実
施や授業ビデオによる学習などを実施している。平成 18 年度から,大学院講義室に遠隔
操 作 式 の 自動 ビ デ オ 記録 装 置 を 設置 し て , 通常 の 授 業 をビ デ オ 撮 影す る シ ス テム を 稼動
するとともに,e ラーニングによる学習の整備を進めている。 3‐1‐3 適切なシラバスの作成と活用
学生が各教育課程の履修を進める上で必須の指針として,修士課程と博士課程ごとに,
資料 3-1-3(1)のような目次で構成した学習要項(シラバス)を作成している。
こ の 学 習 要 項 で は , 基 本 理
念 , 教 育 目 的 ・ 目 標 とと も に ,
各コースにおける
「学習の目的
と学習内容の概要」
を明示して
教 育 課 程 の 編 成 の 趣 旨 を 説 明し,次いで各授業科目の学習指
針(シラバス)を掲載する形で
編集されている。
各 授 業 科 目 の 学 習 指 針 ( シ
ラバス)の基本的な構成は,
1.一般学習目標
2.講義・実習項目
3.個別学習目標
4.成績評価の方法と基準
5.履修上の注意
6.参考書等
7.授業日程表
などからなり,
担当教員名や授
業 内 容 キ ー ワ ー ド 等 の 詳 細 な
授 業 関 連 情 報 と と も に 記 載 さ
れている(資料3-1-3(2))。ま た , 授 業 科 目 の シ ラ バ ス
に加えて,
教育研究グループご
とに「スタッフ」,「研究テー
マ」,「修得可能な知識・技術」,「指導方針・目標」等を記載し
た 「 講 座 等 研 究 室 概 要 」 を 掲
載している。これは,どの研究
グ ル ー プ で 何 を 修 得 で き る か
の情報を提供する
「研究指導の
シ ラ バ ス 」 と い え る も の で ,
個々の学生が研究計画を立て,
その指導を受ける際に役立てるための工夫である(資料3-1-3(2))。
これらは,「学習要項」として冊子体で学生及び担当教員に配付するとともに,医学部
ホームページにおいても閲覧することができるようにしており,入学時のガイダンス,学
生が履修計画を作成する際,
指導教員による履修計画アドバイスの際に活用するとともに,
学生が授業の履修を進めていく際などに広く活用されている。 資料 3-1-3 (1) 博士課程 学習要項【 平 成 20 年 度 博 士 課 程 の
学 習 要 項 よ り 抜 粋 】
佐賀大学医学系研究科 分析項目III
‐6‐23‐ 資料 3-1-3 (2) 博士課程学習要項,「授業科目シラバス」と「講座等研究室概要 」の掲載例【 平 成 20 年 度 博
士 課 程 の 学 習 要 項 よ り 抜 粋 】
佐賀大学医学系研究科 分析項目III
‐6‐24‐
観点 3−2 主体的な学習を促す取組
(観点に係る状況)
組織的な指導として,オリエンテーション時の履修説明,学習要項への各コース毎の
履修モデルの掲載,
指導教員による個別履修カリキュラム設定の指導等により
(資料3-1-1
(1),(2)),個々の学生が目標に向かって主体的に学習を進めることができるよう学習指導
を行っている。これにより早期の段階で学生の学習目標が明確になり,単位を取得する
ために十分な学習を行うことが可能となる。
また,研究グループが実施するセミ ナ ー, 輪読 会 ,特 別講 演 など への 積 極的 参加 , 学
会 へ の 参 加・ 発 表 を促し, その指導を 行うことに より,授業 時間外での 学習を高め る工
夫をしている。
自主的学習環境としては,附属図書館医学分館を平日 24 時間開館とし,夜間の自己
学 習にも 便宜 が図ら れて いる。 研究 室内が 手狭 になり ,十 分なス ペー スの確 保が 難しい
ケースもあるが,研究室内に各自の自己学習スペース及び情報機器などを整備しており,
大学院生として自らが身に付けるための学 習並 び に 論文研 究 等 に必要 な 自 己学習 が 自由
にできる環境になっており,大きな不満の声はあがっていない。
学生の自己学習の状況については,学生による授業評価アンケート調査で「復習や関
連事項の自己学習の程度」を学生自らに5段階評価させているが(資料 1-2-2 参照),平成 19 年度の授業科目に関するアンケート結果では,
低い・やや低いの自己評価は少なく,
各課程・専攻の平均が 4.1〜4.2 で学生自身が自己学習に取り組んでいる状況が示されて
いる(資料 4-2 (1)参照)。 (2)分析項目の水準及びその判断理由
(水準) 教育方法が,期待される水準を上回る。 (判断理由)
観点 3−1 授業形態の組合せと学習指導法の工夫において
1 医 学 系 研究 科 の 教 育目 的 を 達 成す る た め の講 義 , 演 習, 実 験 ・ 実習 等 の 授 業形 態 がバ
ランス良く適切に組み合わされ,問題発見・解決能力を身に付けさせることを重視した
教育が実施されている。
2 指 導 担 当教 員 に よ る個 別 の 履 修・ 研 究 指 導や 少 人 数 の対 話 ・ 討 論型 教 育 , 社会 人 学生
に対する学習法の配慮など,緻密な学習・研究指導がなされており,特に,研究指導計
画書と研究実施経過報告書を兼ねた書式の導入は優れた工夫といえる。
3 修 士 課 程及 び 博 士 課程 に お け る教 育 課 程 編成 の 趣 旨 ,教 育 目 的 ・目 標 , 教 育内 容 ,ス
ケジュール等を明確に示した学習要項(シラバス)が作成・周知されており,学生と教
員が共通認識のもとに教育課程を遂行するために活用されている。
4 学 習 要 項に は 授 業 シラ バ ス の 他に , 研 究 グル ー プ ご との 指 導 方 針・ 目 標 等 や修 得 可能
な知識・技術を記載した「講座等研究室概要」を掲載する工夫がなされており,個々の
学生が必要とする研究指導を求める際のガイドとして,学生のニーズに応えている。
観点 3−2 主体的な学習を促す取組において
5 個 々 の 学生 に 学 習 目的 を 明 確 にさ せ る 履 修指 導 , 研 究グ ル ー プ セミ ナ ー や 学会 等 への
積 極的参加指 導,論文作 成に向けた 個別指導な ど,主体的 な学習を促 す取組とと も に ,
自己学習を行うための環境を整備する取組がなされており,学生の要望・期待に十分応
えている。 以上のことから,教育方法が学生の期待に十分に応えるものになっており,水準を上回
ると判断する。
佐賀大学医学系研究科 分析項目IV
‐6‐25‐
分析項目IV 学業の成果
(1)観点ごとの分析
観点 4−1 学生が身に付けた学力や資質・能力
(観点に係る状況) 医 学 系 研 究科 で は , 学生 の 単 位 修得 状 況 及 び修 了 判 定 によ る 検 証 に加 え て , 学位 論 文
の 内 容 ・ 水準 や 論 文 審査 時 の 最 終試 験 の 結 果等 に よ り ,養 成 し よ うと す る 人 材像 に 応じ
た教育成果の達成状況を検証している。
単 位 修 得 等の 状 況 は 別添 資 料 I 授業 科 目 デ ータ に 示 す とお り 修 得 率は 100% に達 し て
いる。
修了に際しては,
個々の学生について学位論文の審査を厳格に行っており,
資料 4‐1(1)
で示すように最終学年学生の学位取得率は,修士課程では概ね 90%以上であるが,博士
課程では 50〜60%程度である。これは,博士課程学位論文の審査基準を「レフリーのあ
る 国 際 的 な雑 誌 に 掲 載或 い は 受 理さ れ た も の」 と し て おり , 雑 誌 掲載 に 至 る まで に 若干
の 遅 れ が 生じ る 結 果 であ る 。 そ のた め , 規 定年 限 後 1 年以 内 に は 残り の 大 半 が学 位 を取
得し,最終的には 90〜100%の学位取得率になっている。
修 士 課 程 の学 生 の 学 位論 文 に 関 して は , そ の成 果 が 学 会で 発 表 さ れて お り , 一流 の 学
術 雑 誌 に 掲載 さ れ て いる 場 合 も ある 。 ま た ,博 士 課 程 の学 位 論 文 は, ほ と ん どが欧文 で
レ フ リ ー 制 度 の あ る 国 際 的 に 一 流 の 学 術 誌 に 掲 載 さ れてい る(別 添資 料II修 士・ 博士 課
程論文・学会発表,受賞リスト)
。これらのことから,大学院教育についても高水準の教
育成果,効果が上がっていると判断できる。 観点 4−2 学業の成果に関する学生の評価
(観点に係る状況)
「学生による授業評価」を各授業科目の終了時に行い,学生が懐いた各教科の重要 性
の程度や授業の満足度等を調査している(資料 1-2-2 参照)
。その結果は次のグラフ(資
料 4-2(1)授業評価結果)で示すように,各授業科目の学習に対する学生自身の自己評価(「自己学習」,「理解」の程度)は全体的に高く(平均で 4.1 及び 4.0)
,実質的な学習と
学 習 成 果 の 高 さ の 表 れ と 解 釈で きる 。 授業 内容 等 に関 する 評 価で は, 学 生が 感じ た 授業
科目の「重要性の程度」や「興味の程度」の評価が高く(平均 4.4 及び 4.3),総合的満
資料 4-1 (1)大学院の学位取得状況【 学 生 サ ー ビ ス 課 資 料 よ り 編 集 】
修 士 課 程 ( 医 科 学 専 攻 ) 修 士 課 程 ( 看 護 学 専 攻 ) 博 士 課 程
修 了
年 度
最 高 学
年 人 数
取 得
者 数
備 考
最 高 学
年 人 数
取 得
者 数
備 考
最 高 学
年 人 数
取 得
者 数
備 考
19 年 度 20 19 留 年 1 18 17 中 退 1 13 8
留 年 8
(早 期 修 了 1)
( 前 年 単 位 取 得 退 学 者
が 学 位 取 得 2)
18 年 度 15 14
留 年 1
除 籍 1
(早 期 修 了 1)
12 10
留 年 1
中 退 1 16 11
留 年 4
単 位 取 得 退 学 4
(早 期 修 了 1)
(前 年 単 位 取 得 退 学 者
が 学 位 取 得 1)
17 年 度 16 9
留 年 3
中 退 3
除 籍 1
9 7 留 年 2 16 9
留 年 5
単 位 取 得 退 学 2
16 年 度 15 13
留 年 2
中 退 1
(早 期 修 了 1)
10 10 11 9
留 年 5
(早 期 修 了 1)
(前 年 単 位 取 得 退 学 者
が 学 位 取 得 2)
15 年 度 ― ― ― 12 12 14 14
留 年 1
単 位 取 得 退 学 2
(前 年 単 位 取 得 退 学 者
が 学 位 取 得 3)
注 1 修 士 課 程 医 科 学 専 攻 は 平 成 15 年 開 設 の た め , 15 年 度 の 修 了 者 は 無 い 。
注 2 除 籍 ,
中 途 退 学 は 学 費 未 納 や 一 身 上 の 都 合 に よ る も の で あ り ,
博 士 課 程 の 未 取 得 者 は 単 位 取 得 退 学 で あ る 。
佐賀大学医学系研究科 分析項目IV
‐6‐26‐
足度も平均 4.2 で,教育の効果が学生のニーズに沿ったものになっているといえる。
また,修了時アンケート・教育効果の評価結果(資料 5-2 (1)参照)においても,修了
生が学業の成果を高く評価している。
資料 4-2 (1) 授業評価結果グラフ【 平 成 19 年 度 授 業 評 価 結 果 価 集 計 を グ ラ フ 化 】
1)修士課程(医科学専攻)
修 士 課 程 医 科 学 専 攻 の 授 業 科 目 (横 軸 )の 5 段 階 評 価 (縦 軸 )。1-7 は 必 修 科 目 ,8-13 は コ ー ス 共
通 的 専 門 選 択 科 目 , 14-29 は 専 門 選 択 科 目 で , 回 答 数 12〜 3 人 の も の , 30-34 は 回 答 数 が 2 人
以 下 の 科 目 (参 考 )を 示 す 。
2)修士課程(看護学専攻)
修 士 課 程 看 護 学 専 攻 の 授 業 科 目 (横 軸 )の 5 段 階 評 価 (縦 軸 )。1-5 は 共 通 必 修 科 目 ,6-10 は 専 門
領 域 特 論 科 目 , 11-13 は 演 習 科 目 で , 回 答 数 17〜 3 人 の も の , 14-15 は 回 答 数 が 2 人 以 下 の 科
目 (参 考 )を 示 す 。
佐賀大学医学系研究科 分析項目IV
‐6‐27‐
(2)分析項目の水準及びその判断理由
(水準) 学業の成果が,期待される水準を上回る。 (判断理由)
観点 4−1 学生が身に付けた学力や資質・能力において
1 厳 格 な 基準 に 基 づ いて 単 位 の 修得 , 修 了 判定 , 学 位 授与 が な さ れて お り , 単位 の 修得
状況及び学位審査結果の状況から,学生が身に付けた学力や資質・能力等が,教育目標
として掲げた学業の成果に関する期待に応えるものとなっている。
2 育 成 す る人 材 像 の 目的 に 沿 っ た学 業 の 成 果と し て , それ ぞ れ の 分野 に お い て学 会 発表
や国際レベルの論文発表が成されており,研究者並びに高度専門職者養成機関として課
せられた社会の期待に大いに応えている。
観点 4−2 学業の成果に関する学生の評価において
3授業終了時の「学生による授業評価満足度」や,修了時の「教育効果評価」において,
学生の評価は極めて高く,本研究科が提供する教育の効果が学生の学業の成果に関する
期待に十分応えていると学生自身が判断している。 以上のことから,学業の成果が学生の期待に十分に応えるものになっており,水準を上
回ると判断する。
3)博士課程
博 士 課 程 授 業 科 目 (横 軸 )の 5 段 階 評 価 (縦 軸 )。 1-6 は 共 通 必 修 選 択 科 目 I , 7-10 は 共 通 必 修 選 択
科 目 II , 11-13 は 共 通 必 修 選 択 科 目 III で , 回 答 数 17〜 3 人 の も の , 14-34 は 回 答 数 が 2 人 以 下 の
科 目 (参 考 )を 示 す 。
佐賀大学医学系研究科 分析項目V
‐6‐28‐
分析項目V 進路・就職の状況
(1)観点ごとの分析
観点 5−1 卒業(修了)後の進路の状況
(観点に係る状況)
下表資料 5-1(1)で示 すように,修士課程修了者は博士課程に進学する者と就職する者
とに 分かれるが ,進 学者 の ほ と んど が 本 学 医学 系 研 究 科で 更 に 専 門性 と 研 究 能力 を 高 め
るための研鑽を積んでいる。就職率は,100%で大学等の教員や医療職者或いは関連企業
の 専 門 職 者 と し て 活 躍 し て いる 。一 部 で不 祥者 ( 未就 職) が 存在 する の は, 修了 者 が出
産等で就職を見合わせた例などによるものである。
博 士 課 程 の修 了 者 は 大部 分 が 就 職す る が , 外国 の 大 学 等研 究 機 関 に留 学 す る 者が 毎 年
度 存在してい る。最近で は,就 職 者 の 約 半 数 が 大 学 教 員 等 の 教 育 研 究 職 者 に 採 用 さ れ て
おり,残りは専門性を高めた医師として活躍している。
以 上 の 進 学及 び 就 職 の状 況 は , 本医 学 系 研 究科 の 人 材 育成 目 的 に 適っ た 修 了 者の 活 躍
を示しており,本研究科の教育成果が十分に上がっていると判断できる。 資料 5-1 (1) 修了後の進路の状況【 大 学 院 修 了 生 就 職 デ ー タ よ り 抜 粋 】
進 学 先 別 内 訳 就 職 先 別 内 訳
大 学 院 博 士 課 程 等 教 員 医 療 職
平 成 19
年 度
修 了 者修了者数進学者数 本 学
他 大学留 学就職者数
大 学
助 手等他 教
育 機関医 師 看 護
師 等
医 療
技 術者他 保
健 医
療 職
企 業
等 専
門 ・技
術 職
不 祥
者 数
進 学率就 職 率
修 士 課 程
(医 科 学
専 攻 )
19 6 6 0 0 13 0 2 0 2 5 0 4 0 31.6% 100%
修 士 課 程
(看 護 学
専 攻 )
17 0 0 0 0 15 7 1 0 7 0 0 0 2 0% 100%
博 士 課 程 8 1 0 0 1 7 5 0 2 0 0 0 0 0 12.5% 100%
進 学 率 = 進 学 者 / 修 了 者 数 , 就 職 率 = 就 職 者 数 / (修 了 者 数 − 進 学 者 数 − 不 祥 者 数 )
進 学 先 別 内 訳 就 職 先 別 内 訳
大 学 院 博 士 課 程 等 教 員 医 療 職
平 成 18
年 度
修 了 者修了者数進学者数 本 学
他 大学留 学就職者数
大 学
助 手等他 教
育 機関医 師 看 護
師 等
医 療
技 術者他 保
健 医
療 職
企 業
等 専
門 ・技
術 職
不 祥
者 数
進 学率就 職 率
修 士 課 程
(医 科 学
専 攻 )
14 5 4 0 1 8 0 0 0 0 1 1 6 1 35.7% 100%
修 士 課 程
(看 護 学
専 攻 )
10 1 1 0 0 9 2 1 0 5 0 1 0 0 10.0% 100%
博 士 課 程 11 1 0 0 1 9 4 0 5 0 0 0 0 1 10.0% 100%
進 学 先 別 内 訳 就 職 先 別 内 訳
大 学 院 博 士 課 程 等 教 員 医 療 職
平 成 17
年 度
修 了 者修了者数進学者数 本 学
他 大学留 学就職者数
大 学
助 手等他 教
育 機関医 師 看 護
師 等
医 療
技 術者他 保
健 医
療 職
企 業
等 専
門 ・技
術 職
不 祥
者 数
進 学率就 職 率
修 士 課 程
(医 科 学
専 攻 )
9 3 3 0 0 5 0 0 0 0 0 0 5 1 33.3% 100%
修 士 課 程
(看 護 学
専 攻 )
7 3 3 0 0 4 3 0 0 1 0 0 0 0 42.9% 100%
博 士 課 程 9 1 0 0 1 8 4 0 4 0 0 0 0 0 11.1% 100%
佐賀大学医学系研究科 分析項目V
‐6‐29‐
観点 5−2 関係者からの評価
(観点に係る状況)
修 了 者 に 対し て , 大 学院 教 育 課 程に お け る 教育 の 成 果 や効 果 に 関 する ア ン ケ ート 調 査
を実施した結果では,下表資料 5-2(1)で示すように,研究科の 教育目標に 対して高い 達
成 状 況 を 示 す 評 価 になっ て おり ,医 学 系研 究科 が 意図 する 教 育の 効果 が あが って い ると
考えられる。 進 学 先 別 内 訳 就 職 先 別 内 訳
大 学 院 博 士 課 程 等 教 員 医 療 職
平 成 16
年 度
修 了 者修了者数進学者数 本 学
他 大学留 学就職者数
大 学
助 手等他 教
育 機関医 師 看 護
師 等
医 療
技 術者他 保
健 医
療 職
企 業
等 専
門 ・技
術 職
不 祥
者 数
進 学率就 職 率
修 士 課 程
(医 科 学
専 攻 )
13 8 7 1 0 4 0 0 0 0 1 1 2 1 61.5% 100%
修 士 課 程
(看 護 学
専 攻 )
10 2 2 0 0 7 4 0 0 3 0 0 0 1 20.0% 100%
博 士 課 程 9 1 0 0 1 8 2 0 6 0 0 0 0 0 11.1% 100%
資料 5-2 (1) 修了時アンケート(教育効果の評価)【 平 成 18・ 19 年 度 修 了 時 ア ン ケ ー ト 結 果 よ り
集 計 】
大 学 院 の 教 育 課 程 を 振 り 返 っ て ,
カ リ キ ュ ラ ム や 研 究 指 導 が ど の
程 度 有 効 だ っ た か 。
5 段 階 評 価
(5 ; 大 い に 有 効 , 4 ; 概 ね 有 効 , 3 ; 少 し は
有 効 , 2 ; 何 と も い え な い , 1 ;有 効 で な い )
修 士 課 程実施年度(平成)回答数5段階平均1有効でない%2何ともいえない%3少しは有効%4概ね有効%5大いに有効%3〜5有効といえる%
19 年 度 29 4.1 0 0 17 59 24 100
カ リ キ ュ ラ ム は ,
専 門 領 域 の 知 識 を 深 め る の
に 有 効 だ っ た か 18 年 度 20 3.6 0 20 25 35 20 80
19 年 度 29 4.3 0 0 7 52 41 100
研 究 指 導 に よ っ て ,
研 究 を 遂 行 す る た め の 能
力 が 身 に 付 い た か 18 年 度 20 3.9 0 15 15 40 30 85
19 年 度 29 4.3 0 0 10 48 41 100
研 究 指 導 に よ っ て ,研 究 を 遂 行 す る た め の 技
術 が 身 に 付 い た か 18 年 度 20 3.8 0 25 10 25 40 75
19 年 度 29 4.1 0 3 10 57 28 97
2 年 間 の 教 育 課 程 で ,問 題 解 決 能 力 が 身 に 付
い た か 18 年 度 20 3.7 0 10 30 45 15 90
博 士 課 程
19 年 度 3 3.3 0 33 33 0 33 66
カ リ キ ュ ラ ム は ,
専 門 領 域 の 知 識 を 深 め る の
に 有 効 だ っ た か
18 年 度 4 4.0 0 0 25 50 25 100
19 年 度 3 3.7 0 33 0 33 33 66
研 究 指 導 に よ っ て ,
研 究 を 遂 行 す る た め の 能
力 が 身 に 付 い た か 18 年 度 4 4.5 0 0 0 50 50 100
19 年 度 3 3.7 0 33 0 33 33 66
研 究 指 導 に よ っ て ,研 究 を 遂 行 す る た め の 技
術 が 身 に 付 い た か 18 年 度 4 4.5 0 0 0 50 50 100
19 年 度 3 4.0 0 0 33 33 33 100
4 年 間 の 教 育 課 程 で ,問 題 解 決 能 力 が 身 に 付
い た か 18 年 度 4 4 0 0 25 50 25 100
アンケートにおける修了者のコメント(代表例)
・ 医 療 分 野 の 知 識 が 適 度 に 学 べ て よ か っ た 。
・ 多 方 面 か ら の シ ス テ マ テ ィ ク な 指 導 が あ り が た か っ た 。
・ 自 分 の 研 究 室 だ け で な く , 他 の 研 究 室 で も 実 験 技 術 を 指 導 し て 頂 き , 研 究 遂 行 能 力 身 が 付 い た 。
・ 自 分 が 身 に つ け た か っ た 技 術 を 習 え た 。
・ 身 に つ け た 技 術 ・ 問 題 解 決 能 力 は 今 後 の 自 信 に な る と 思 う 。
・ 問 題 解 決 の た め の 論 文 検 索 , 結 果 解 釈 な ど 複 数 の 能 力 が 身 に 付 い た 。
佐賀大学医学系研究科 分析項目V
‐6‐30‐
修士課程修了者の 30〜40%の者が本学の博士課程に進学しているが,平成 19 年度進学
先の指導教員による評価(
「研究実施経過報告書」の指導教員のコメント,別添資料III【平
成 19 年度博士課程に進学した修士課程修了者の記載代表例】
)から,当該学生が指導教員
の期待に応え,指導計画に沿って学習・研究を遂行する能力を身につけており,修士課程
の教育効果があがっていると判断できる。
企業等の就職先は,修士課程医科学専攻の修了者の一部のみで,開設後間もなく実績数
が未だ少ないため,系統だった調査アンケート等は実施していないが,いずれも順調に勤
務先で専門職者として活躍しており,教育の成果があがっていると考えられる。他の修了
者の大半は本学の教員或いは附属病院の医師・看護師として就職しており,その関係者の
代表である医学部長及び病院長による評価から,期待する教育効果を備えた人材が得られ
ていると判断できる。
(2)分析項目の水準及びその判断理由
(水準) 進路・就職の状況が,期待される水準にある。 (判断理由)
観点 5−1 修了後の進路の状況において
1就職希望者の就職率は 100%で,学生並びに受け入れ側のニーズに応えており,多くの
者が大学教員として採用されている状況から,教育目的に沿った教育の成果・効果が十
分に上がっていると判断できる。
2修士課程修了者の 3〜4 割程度が博士課程に進学しており,修士課程における研究マイ
ンドの育成という観点からも教育の成果・効果が上がっていると判断できる。
観点 5−2 関係者からの評価において
3修了者,進学先関係者,就職先関係者の意見聴取等の結果から,教育目標とする学力,
技術,資質等について良好な評価を得ており,教育の成果・効果が十分に上がっている
と言える。
以上のことから,進路・就職の状況は関係者の期待に十分応えているが,大学院改革後
の博士課程入学者が未だ修了していないため,その成果が未知であり,現時点では期待さ
れる水準にあると判断する。
佐賀大学医学系研究科
‐6‐31‐
III 質の向上度の判断 1事例1「修士課程・医科学専攻カリキュラムのコース制導入による改善」(分析項目I)
(質の向上があったと判断する取組)
修士課程医科学専攻は平成 15 年
度 に 開 設 し た も の で あ る が , 平 成
18 年度から,教育課程を育成する
人 材 像 に 沿 っ て 「 基 礎 生 命 科 学 系
コース」,「医療科学系コース」,「総
合 ケ ア 科 学 系 コ ー ス 」 の 三 つ の 履
修 コ ー ス に 分 け , 多 様 な 学 生 の ニ
ー ズ に 応 え る カ リ キ ュ ラ ム に 改 善
し た 。 そ の 結 果 , 修 了 時 ア ン ケ ー
ト・教育効果の評価(資料 5‐2 (1) 参照)で,新 カ リ キ ュ ラ ム で 修 了 し
た学生(19 年度)における教育効
果 の 向 上 が 顕 著 に 現 れ た 。 カ リ キ
ュ ラ ム 改 善 に よ る 教 育 成 果 の 向 上
が,明確に示された。 2事例2「博士課程カリキュラムのコース制導入と,専攻の改組による入学者の改善」(分
析項目I)
(質の向上があったと判断する取組) 旧 来 の 博 士 課 程 は , 機 能 形 態 系 ,
生体制御系,生態系の3専攻で構成
し,研究者の育成を主眼としていた
が,教育プログラムを「医学・生命
科学の研究者育成コース」,「研究能
力を備えた臨床医学の高度専門家育
成コース」,「総合的ケアなど医療関
連の研究と実践能力とを備えた高度
専門家育成コース」に再構築する大
学院改革を平成 17 年度から進め,平成 19 年度からカリキュラム改革を,
平成 20 年度から3専攻を
「医科学専
攻」に統一する改組を行った(資料
1-1-1 参照)。これにより,従来の研究者を目指す学生に加えて,臨床医学の高度専門家を目指す医
学科出身者とともに,総合的ケアなど医療関連の高度専門家を目指す他学部出身者の入
学者割合が増加しており,医学系研究科博士課程に対する幅広い社会の要請と学生のニ
ーズに応えるものになっている。
デ ー タ 1: 修 士 課 程 修 了 時 ・ 教 育 効 果 の 評 価 【 資 料
5-2 (1) デ ー タ よ り 作 成 】
カ リ キ ュ ラ ム 改 善 前 (18 年 度 修 了 生 )と 改 善 後 (19 年 度
修 了 生 )に お け る , 教 育 の 効 果 の 比 較
データ 2:出身別博士課程入学者の数【 大 学 院 入 学 者
デ ー タ よ り 作 成 】
佐賀大学医学系研究科
‐6‐32‐
3事例3「博士課程改革に伴う入学定員充足率の改善」(分析項目I)
(質の向上があったと判断する取組)
平成 15 年度に開設した修士課程医
科学専攻修了者の進学に合わせて,1文 系 教 員 が 参 画 し た 医 文 理 融 合 型 教
育研究指導体制の構築,
2新分野の授
業科目導入などのカリキ ュラ ム改革 ,
3 教 育 方 法 の 特 例 や 長 期 履 修 制 度 の
活 用 4 講 義 の ビ デ オ 収 録 シ ス テ ム や
e ラ ー ニ ン グ 等 の 導 入 に よ る 社 会 人
学生の学習支援などの取組により,社会 の 要 請 と 学 生 の ニ ー ズ に 応 え る 博
士課程改革を進めた。
その結果,平成 17 年度から博士課
程入学者(赤色実線)が急増し,以後
入 学 定 員 充 足 率 は 100% を 維 持 し て
いる。その後の学年進行に伴い,収容
定員充足率も改善し,平成 19 年度か
ら 100%を超え る状況に至 っている 。
同 様 の 取 組 を 修 士 課 程 看 護 学 専 攻 に
も波及させることにより,
同専攻の充
足率の改善にも結びついた。
データ 3-(1):医学系研究科入学定員充足率【 大 学 院
入 学 者 デ ー タ よ り 作 成 】
データ 3-(2):医学系研究科収容定員充足率【 大 学 院
入 学 者 デ ー タ よ り 作 成 】

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