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1令和元年度に係る業務の実績に関する評価結果
国立大学法人佐賀大学 1 全体評価
佐賀大学は、地域とともに未来に向けて発展し続ける大学として、地域を志向した社会
貢献・教育・研究を推進することで、
地域活性化の中核的拠点となることを目指している。
第3期中期目標期間においては、学生の能動的かつ主体的な学修を育み、総合大学の強み
を生かした多様な教育かつ質の高い専門教育により、国際的な視野で変容する社会で活躍
できる学生を育成すること等を基本的な目標としている。
この目標の達成に向け、学長のリーダーシップの下、肥前セラミック研究センターにお
いて、地域の中核的教育研究拠点としての整備を進め、共同研究や研究成果の発信を開始
するとともに、
佐賀県と連携協定を締結し、
「再生可能エネルギー等イノベーション共創プ
ラットフォーム」を立ち上げ、地域のエネルギーに関する要望等にワンストップで対応す
る研究体制を構築するなど、
「法人の基本的な目標」
に沿って計画的に取り組んでいること
が認められる。(「戦略性が高く意欲的な目標・計画」の取組状況について)
第3期中期目標期間における「戦略性が高く意欲的な目標・計画」について、令和元年
度は主に以下の取組を実施し、法人の機能強化に向けて積極的に取り組んでいる。
しろまる マネジメント研究部門において、
相互の包括的かつ持続的な連携と協力により、
研究、
技術、文化等の基盤を強化することを通じて、地域社会の形成、発展に寄与することを
目的として、甲南大学ビジネスイノベーション研究所と協力協定を締結し、学術交流を
開始している。
また、
新潟において産業集積地調査を共同で実施している。
(ユニット
「芸
術と科学の融合による『やきものイノベーション』の創出」に関する取組)
しろまる 学長裁量定数の確保による重点配置について、IR機能による定年退職予定者データを
用いて算出した数を基に、有田地区における地域連携の充実等を目的として1名、農水
圏プロジェクトの充実のため2名、
再生医学研究推進のため1名重点配置を行っている。
また、経営資源配分の最適化に向け、就職率による評価等、役員会決定の評価項目に沿
って各部局等の改善状況を評価し、その結果に基づき評価反映特別経費(業務の評価)
1億円を配分している。これらの取組の結果、第3期中期目標期間におけるシラバス入
力率100%の維持、
ティーチング・ポートフォリオの教員作成率や科研費申請率等の数値
目標の達成のほか、就職率の向上(99.6%、対前年度0.7ポイント増)が図られている。
(ユニット「佐賀大学版IRの高度化」に関する取組) 75 佐賀大学 22 項目別評価 <評価結果の概況> 特 筆
一定の
注目事項
順 調
おおむね
順調
遅れ
重大な
改善事項
(1)業務運営の改善及び効率化 しろまる
(2)財務内容の改善 しろまる
(3)自己点検・評価及び情報提供 しろまる
(4)その他業務運営 しろまる
I.業務運営・財務内容等の状況
(1)業務運営の改善及び効率化に関する目標
1組織運営の改善 2教育研究組織の見直し 3事務等の効率化・合理化 【評定】中期計画の達成に向けて順調に進んでいる
(理由) 年度計画の記載10事項全てが「年度計画を十分に実施している」と認められる
とともに、下記の状況等を総合的に勘案したことによる。
令和元年度の実績のうち、下記の事項について注目される。
しろまる 業務効率化の取組
事務改善委員会の下に若手から副課長級までの事務系職員18名により構成する全学的
なRPA導入検討プロジェクトチームを立ち上げ、人事システムでの退職者処理作業や外
部資金集計業務等4つの業務にRPAを導入することとし、
年間換算合計で従来の462時間
から90時間へと372時間の減となり、
81%の業務時間削減を達成するとともに、
人工知能
(AI)チャットボットを利用した「AIヘルプデスク」については、受験生向けのみだっ
たものから在学生向けへとサービスを拡大し、1年間で約12,000件の質問があり、事務
職員1名の6月分の業務量に相当する省力化を達成するなど、業務の効率化が図られて
いる。
75 佐賀大学 3(2)財務内容の改善に関する目標
1外部研究資金、寄附金その他の自己収入の増加 2経費の抑制 3資産の運用管理の改善 【評定】中期計画の達成に向けて順調に進んでいる
(理由) 年度計画の記載6事項全てが「年度計画を十分に実施している」と認められる
こと等を総合的に勘案したことによる。 (3)自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標
1評価の充実 2情報公開や情報発信等の推進 【評定】中期計画の達成に向けて順調に進んでいる
(理由) 年度計画の記載2事項全てが「年度計画を十分に実施している」と認められる
こと等を総合的に勘案したことによる。 (4)その他業務運営に関する重要目標
1施設設備の整備・活用等 2安全管理と環境 3法令遵守 【評定】中期計画の達成に向けて順調に進んでいる
(理由) 年度計画の記載8事項全てが「年度計画を上回って実施している」又は「年度
計画を十分に実施している」
と認められるとともに、
下記の状況等を総合的に勘
案したことによる。
令和元年度の実績のうち、下記の事項について注目される。
しろまる 大学入学者選抜の実施体制の強化に関する取組
出題等のミス防止のため、令和2年度入試から適切な入試問題の出題範囲・出題内容
について調査・研究を行うために他の国立大学との間で「大学間入試問題研究会」を設
置し、相互に試験問題について意見交換や点検を行う体制を整備し実施している。
75 佐賀大学 4II.教育研究等の質の向上の状況
令和元年度の実績のうち、下記の事項について注目される。
しろまる 海外留学支援による学生の海外留学の促進
外国人教員による英語クラスを77クラスに拡充するなど、入学後の英語力の維持・向
上を図っている。また、日本人学生と留学生との交流を目指した「カルチュラル・エク
スチェンジ・ラウンジ」を継続的に実施することにより、海外派遣学生は年平均252名と
第2期中期目標期間の平均を大きく上回っている。
共同利用・共同研究拠点
しろまる 海洋エネルギー分野における国際プレゼンスの発揮
海洋エネルギー研究センターでは、IEC/TC114(国際海洋エネルギー変換器標準化委
員会)において、海洋エネルギーに関する基準策定プロジェクトに3名が参加し、海洋
温度差発電等の国際基準策定への提言を行っている。また、TC114部会においての貢献
が認められ、令和元年度のIEC1906Awardを受賞している。
附属病院関係
(教育・研究面)
しろまる 臨床研究センターを中心とした研究支援
令和元年度は、臨床研究計画の作成データマネジメント、統計解析支援等のコンサル
ティング業務を積極的に実施することにより、実施件数は453件(対前年度比84%増)と
大幅に増加するとともに、令和元年度の臨床研究実施件数は774件となるなど、
「臨床研
究の実施件数を6年間で平成28年度比10%増加させる」
という中期目標を達成している。
(診療面)
しろまる 地域医療への貢献
臓器や疾患を限定せずに幅広く対応できる「総合内科医」を育成し、地域医療に貢献
することを目的として「地域総合診療センター」を設立し、入院患者、外来患者ともに
増加しているなど、順調に運用している。
(運営面)
しろまる 健全な病院経営
令和元年度の手術件数においては、脳神経外科は目標400件に対し445件、泌尿器科は
目標540件に対し608件を実施し、目標を大きく上回るとともに、平成30年度からの継続
項目として、循環器内科の増収に向けた指標であるアブレーション手術件数は、目標の
240件に対し344件を実施し、入院診療報酬稼働額が約3億円増加するなど、健全な病院
経営に向けた取組を実施している。

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