佐賀大学理工学部
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8.理工学部
(1)理工学部の教育目的と特徴 ・・・・・・・・・・ 8-2
(2)「教育の水準」の分析 ・・・・・・・・・・ 8-3
分析項目I 教育活動の状況 ・・・・・・・・ 8-3
分析項目II 教育成果の状況 ・・・・・・・・ 8-20
【参考】データ分析集 指標一覧 ・・・・・・ 8-22
佐賀大学理工学部
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(1)理工学部の教育目的と特徴
1 理工学部の教育目的
理工学部では、産業構造の変化に柔軟に適応できる幅広い教養と理工学基礎力を土台と
して、複眼的視点・俯瞰的視野から社会の広い分野で活躍できる科学・技術の専門的素養
を持つ人材を養成する。
2 理工学部の特徴
佐賀大学理工学部の母体である佐賀大学文理学部を、1949 年に設置した。1966 年、文理
学部を改組し理工学部5学科(数学科、物理学科、化学科、機械工学科、電気工学科)を
設置した。1997 年理工学部を改組し、7学科(数理科学科、物理科学科、知能情報システ
ム学科、
機能物質化学科、
機械システム工学科、
電気電子工学科、
都市工学科)を設置した。
2019 年4月に理工学部7学科を改組し、1学科(理工学科)を設置し、現在に至っている。
理工学科は 12 コースからなり、
大学設置基準に適合して、
各コースにはコースの教育目的
を達成できるように専任教員を配置している。また、学内に設置されている各センター教
員も教育の一部を担当している。
理工学部では、学生に自律的に学ぶ姿勢、原理・原則を理解する力、アイデア創出能力、
問題発見能力、課題設定能力、構想力、モデル化能力、課題解決・遂行能力を身に付けさ
せ、産業構造の変化に柔軟に適応できる幅広い教養と理工学基礎力を土台として、複眼的
視点・俯瞰的視野から社会の広い分野で活躍できる科学・技術の専門的素養を持つ人材を
養成するために、1学科 12 コースによる教育プログラムを提供している。
3 第3期中期目標との関係
上記の理工学部の目的は、第3期における佐賀大学学士課程教育の目標である「学士教
育課程の質的転換により、豊かな教養と専門分野の学識を体系的に身につけ、複眼的思考
を培い、主体的に学び行動し、地域社会などで多様に活躍できる学生を育成する。」に合
致している。
佐賀大学理工学部 教育活動の状況
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(2)「教育の水準」の分析
分析項目I 教育活動の状況
<必須記載項目1 学位授与方針>
【基本的な記載事項】
・ 公表された学位授与方針(別添資料 7508-i1-1〜2)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
〇 理工学部では、佐賀大学学士力、及び佐賀大学理工学部規則第1条に定めた学
部・学科の目的に照らして、2011 年3月に学位授与の方針を定めた。学位授与の
方針は、学生に身につけさせる学習成果を具体的に示している他、卒業認定の方
法、学位の審査方法について示している。この学位授与の方針は、佐賀大学ウェ
ブサイト上に掲載され、学内外に広く公開している。また、人材育成に関する社
会的要請の変遷を鑑みながら、不断に学位授与の方針の見直しを行っており、
2011 年3月の制定以降、2019 年3月までの間に3回の一部改正を行っている。
2019 年度理工学部改組に伴い、全面的に改正を行った学位授与の方針では、1学
科 12 コース制と1年次共通教育の導入に対応させるために、理工学科共通の学
位授与の方針に加えて、各コースの専門分野に対応させた方針を設けた構成とし
ている。
<必須記載項目2 教育課程方針>
【基本的な記載事項】
・ 公表された教育課程方針(別添資料 7508-i2-1〜2)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
〇 理工学部では、2011 年3月に、学位授与の方針に照らして教育課程編成・実施
の方針を定めた。人材育成に関する社会的要請の変遷を鑑みながら、不断に見直
しを行っており、
2011 年3月の制定以降、
2019 年3月までの間に8回の一部改正
を行っている。2019 年度理工学部改組に伴い、全面的に改正を行った。理工学部
における教育課程編成・実施の方針は、各コースにおける科目の配置など教育課
程の編成、教育の実施体制、教育・指導の具体的な方法、各授業科目の成績評価
の方法、及び佐賀大学学士力との対応を示したものであり、学生や授業科目を担
当する教員が分かりやすいように、方針を明確かつ具体的に明示している。
〇 教育課程編成・実施の方針は、佐賀大学ウェブサイト上にも掲載し、学内外に
広く公開している。また、教育課程編成・実施の方針は、前述の学位授与の方針
と同様に、
1学科 12 コース制と1年次共通教育の導入に対応させて、
理工学科共
通の学位授与の方針に加えて、各コースの専門分野に対応させた方針を設けた構
成としている。
理工学部の学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針はいずれも佐賀大学学
士力に沿ったものであり整合的である。
<必須記載項目3 教育課程の編成、授業科目の内容>
【基本的な記載事項】
・ 体系性が確認できる資料(別添資料 7508-i3-1〜7)
・ 自己点検・評価において体系性や水準に関する検証状況が確認できる資料
(別添資料 7508-i3-8〜10)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
〇 理工学部では、2011 年3月に「学位授与の方針」「教育課程の編成・実施の方
針」を制定し、佐賀大学学士力と科目の対応表を教育課程編成・実施の方針と示
すことで、教養教育と専門教育との関係や年次進行の教育課程の体系性をより明
佐賀大学理工学部
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確になるようにしてきた。また、学年ごとの履修科目を示した「履修モデル」、
各学科の開設科目を示した「開講科目一覧」を理工学部学生向けの履修の手引き
である「理工学部で何を学ぶか」に掲載している。2018 年度からは、「学位授与
の方針」と科目の対応を示した「カリキュラムマップ」も「理工学部で何を学ぶ
か」に掲載することで、教育課程の体系性の理解に役立つようにしている。[3.1]
しろまる 理工学部は、
2018 年度までは理工系における主たる7分野に対応する7学科で
構成してきたが、各分野が拡大・分化していることを受けて、これまでの教育研
究の取組実績及び地域産業のニーズを基に新たな教育研究分野を検討し、
2019 年
度からは、理工学科1学科の 12 コース(数理サイエンス、知能情報システム工
学、情報ネットワーク工学、生命化学、応用化学、物理学、機械エネルギー工学、
メカニカルデザイン、電気エネルギー工学、電子デバイス工学、都市基盤工学、
建築環境デザイン)を設けた。これにより、理工学基礎力と幅広い知識の上に深
い専門知識を持ち、複眼的視点・俯瞰的視野から社会の広い分野で活躍できる人
材を養成し、人材のダイバーシティを確保することを目指している。[3.2]
〇 2019 年度改組により設置された理工学部理工学科では、
学生に自律的に学ぶ姿
勢、原理・原則を理解する力、アイデア創出能力、問題発見能力、課題設定能力、
構想力、モデル化能力、課題解決・遂行能力を身に付けさせ、産業構造の変化に
柔軟に適応できる幅広い教養と理工学基礎力を土台として、複眼的視点・俯瞰的
視野から社会の広い分野で活躍できる科学・技術の専門的素養を持つ人材を養成
するために、
1学科 12 コースによる教育プログラムを提供している。
前述の能力
のうち、自律的に学ぶ姿勢は、教養教育科目である大学入門科目や学部共通基礎
科目である理工リテラシーにより修得させるとともに、1年次後学期からコース
類に配属し、2年次から各コースに配属するという段階的レイトスペシャライゼ
ーションにより、大学入学後に幅広い分野の大学教育に触れながら自らの適性や
関心などに基づき出口を意識したコースを選択できる仕組みにより修得させよ
うとしている。また、原理・原則を理解する力は、教養教育科目や専門科目、理
工リテラシーなどの様々な分野の科目により修得させ、アイデア創出能力や問題
発見能力、課題設定力、構想力はPBLや卒業研究により修得させる。さらに、
モデル化能力は分野別情報教育によりそれぞれの分野に応じた情報教育により
修得させ、課題解決・遂行能力はPBLや卒業研究、インターンシップにより修
得させる教育プログラムとしている。 [3.1]
しろまる 理工学部理工学科では、社会ニーズや人材需要を踏まえ以下の特色を有する教
育課程を構築している。
1学部共通基礎科目や学部共通専門科目を配置し、段階的に専門分野を絞っていく
仕組みにより、数学、物理、化学、生物といった基礎学問や情報セキュリティや
知財、研究者倫理・技術者倫理といった理工学基礎力を身に付けさせ、展開力・
理工学基礎力を強化し、広範な分野と理工学の融合を実現できる能力を養う。こ
れにより、将来の産業構造の変化にも柔軟に対応できる能力を修得させる。
2情報・データサイエンス関連科目を配置し、情報科学技術教育を強化する。さら
に、分野別情報教育により分野や個人の能力に応じた情報関連スキルの向上を図
る。これにより、第4の科学と呼ばれるデータサイエンスに基づいた考え方を身
に付けさせ、ビッグデータ時代の研究者・技術者としての能力を修得させる。
3インターンシップ、サブフィールドPBL、インターフェース科目により社会と
繋がる理工学教育を実施し、産業界との積極的な連携・交流を図り、学生が工学
を学ぶ目的意識を醸成するとともに、幅広い知識と複眼的視点・俯瞰的視野を養
う。これにより、産業界が期待するスキルや知識を修得させる。
43年次、4年次学生に自由科目として大学院科目の先行履修を認め、大学院入学
後に単位として認定する。これにより、大学院で時間的余裕が生じ、海外インタ
佐賀大学理工学部 教育活動の状況
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ーンシップ等の受講が容易となる。このように学年構成を柔軟化することで、大
学院教育への円滑な接続が実現でき、養成する人材像や分野の特性に合った教育
を実施する。
5教育組織と教員組織の分離及び理学・情報・材料・機械・電気・社会基盤の主な
理工学分野をカバーする1学科 12 コース構成の柔軟な教育組織の運用により、
産業構造の変化を踏まえた組織構造の転換が可能になり、学生は社会のニーズに
応じた幅広い分野の知識と深い専門知識の修得が可能になる。[3.2]
建築環境デザインコース(工)
都市基盤工学コース(工)
電子デバイス工学コース(工)
電気エネルギー工学コース(工)
メカニカルデザインコース(工)
機械エネルギー工学コース(工)
物理学コース(理)
応用化学コース(工)
生命化学コース(理)
情報ネットワーク工学コース(工)
知能情報システム工学コース(工)
数理サイエンスコース(理)
大学院科目の先行履修
教養教育科目
養成する人材像と習得させる能力
 人材像:産業構造の変化に柔軟に適応できる幅広い教養と理工学基礎力を土台として,複眼的視点・俯瞰的視野から社会の広い分野で活躍できる理工
学の基盤的分野を中心とした科学・技術の専門的素養を持つ人材を養成する。
 能力:自律的に学ぶ姿勢,原理・原則を理解する力,アイデア創出能力,問題発見能力,課題設定能力,構想力,モデル化能力,課題解決・遂行能力
特色あるカリキュラム
1学部共通基礎科目・学部共通専門科目と段階的レイトスペシャライゼーションによる展開力・理工学基礎力の強化,広範な分野と理工学の融合強化
2データサイエンス関連科目による数理・情報関連教育の強化,分野別情報教育による分野や個人の能力に応じた情報関連スキルの向上
3インターンシップ,サブフィールドPBL,インターフェース科目による社会と繋がる理工学教育,産業界との積極的な連携・交流
4大学院科目の先行履修による学年構成の柔軟化,養成する人材像や分野の特性にあった学年構成
5教育・教員組織の分離と1学科12コース構成による教育組織の柔軟運用
理工学科「養成する人材像と特色あるカリキュラム」
1年次前学期 1年次後学期 2,3年次 4年次
大学入門科目,共通基礎科目(外国語,情報リテラシー),基本教養科目,インターフェース科目
コース類共通専門科目
学部共通基礎科目
物理学コース類
専門科目
化学コース類
数学コース類(分野別情報教育)卒業研究〇卒業認定〇卒業論文等審査
大学院
大学入門科目,理工リテラシ―
レイトスペシャライゼーション
教養教育・専門科目
理工リテラシ― PBL,卒業研究など 分野別情報教育 インターンシップ
コース名は仮称
コース数は仮
サブフィールドPBL
大学院科目
地方創生インターンシップS・L
理工リテラシーS1〜S3(情報セキュリティ,倫理,知財,ジェネリックスキル,専門導入,
学修デザイン,キャリアデザイン)
学部共通専門科目
数学
物理
化学
生物
データサイエンス
学力レベル別クラス編成分野別情報教育教育カリキュラムの構成(理工学部)
学部4年間
1年次 2年次 4年次
3年次
修士課程
2年次
1年次入学卒業
教養教育科目 (大学入門科目,共通基礎科目,基本教養科目,IF科目)就職
学部共通専門科目
微分積分学・線形代数学
物理学・化学・生物学概説
データサイエンス
理工概論
キャリアデザイン(キャリア講演会・地方創生インターンシップ)
情報セキュリティ教育
倫理教育(研究倫理・技術者倫理),知財教育
ジェネリックスキル
学部共通基礎科目
学年進行に
応じた内容
TOEICを利用した英語力の強化
教職指導 など
学修デザイン(LP作成を通した学修指導)修了一般入試入学推薦入試入学試験
一般 推薦入学前教育eラーニングコース類共通専門科目 専門科目
(分野別情報教育を含む)
専門導入教育(ガイダンス・研修・セミナー等)
3年次
編入
卒業研究
大学院科目の先行履修
卒業研究
環境・エネルギー科学
グローバル教育プログラム
(英語特別コース)
大学院教養教育プログラム
自然科学系研究科共通科目
専攻共通科目
専門科目
TOEICを利用し
た英語力強化
創成科学インターンシップ
サブフィールドPBL
専門教育科目
コース選択は2年次
(レイトスペシャライゼーション)
佐賀大学理工学部
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しろまる 佐賀大学の教養教育は、
2013 年度から教養教育の責任部局である全学教育機構
によって実施・運営されており、幅広い視野から物事を捉え、高い倫理性に裏打
ちされた的確な判断を下すことができる人材の養成を目指し、また、グローバル
化や科学技術の進展など、社会の激しい変化にも対応しうる統合された知を形成
すべく構成し内容を定めている。さらに、地(知)の拠点大学による地方創生推
進事業(COC+)及び第3期中期目標・計画に対応する地域を志向する教育に
取り組んでいる。
具体的には、大学入門科目、共通基礎科目(外国語科目、情報リテラシー科目
等)、基本教養科目(自然科学と技術の分野、文化の分野、現代社会の分野、総
合科目、外国人留学生用科目)、インターフェース科目及び共通教職科目からな
る教養教育科目を設定している。
インターフェース科目(×ばつ4科目の計8単位からなる選択必修プログラ
ム)は、環境コース、文化と共生コース、生活と科学コース、医療福祉と社会コ
ース、地域・佐賀学コースで構成され、本科目を通して、現代的な課題を発見・
探求し、問題解決へつながる協調性と指導力、多様な文化と価値観を理解し共生
に向かう力、持続的な学修力と社会への参画力、そして社会的責任感を修得させ
る。さらに、COC+事業及び第3期中期目標・計画に対応する地域を志向する
キャリア教育として、基本教養科目に佐賀版キャリアデザイン及びチャレンジ・
インターンシップなどの科目を開講し、地元就職の向上に取り組んでいる。
さらに、学士課程教育の多様性を確保するとともに学生の多様な能力、適性及
び学習意欲に応えるための「副専攻教育プログラム」として、このインターフェ
ース科目に
「サブスペシャルティコース
(コア科目)」として6プログラムを 2019
年度より開講している。6プログラムの名称は、「プログラミング」・「データ
サイエンス」、「デジタルコンテンツ」、「芸術と社会」、「実践栽培」、「歴
史文化」、「英語コミュニケーション」であり、全学で約 180 名の学生が履修し
ている。[3.1]
しろまる 2019 年度から開始した理工学部・学部共通基礎科目では、理工系人材に求めら
れるリテラシー、各分野の特徴に応じて実施される専門導入教育やキャリア教
育、理工系専門分野間や社会との連携を理解できる複眼的視点を段階的に修得さ
せるため、次の科目を開講している。
(1)理工リテラシー
理工系人材に強く要求される情報セキュリティ教育、研究者倫理または技術者倫
理教育、知財教育、ジェネリックスキル教育といった学部共通で実施することが
可能な講義と、専門科目を学ぶにあたって各コースが独自に実施する専門導入教
育や学修デザイン、キャリア教育を組み合わせ、これらを3年かけて段階的に修
得させていく科目である。
(2)地方創生インターンシップ
社会と繋がる実践的理工学教育として地方創生に関わるインターンシップを単
位として認定する科目であり、特に県内の地域及び産業界と連携・交流を図るこ
とにより、地方創生に関わる実務における課題を発見し、その解決に向けて取り
組む能力を養う。地方創生インターンシップSでは、短期(7.5 ×ばつ5日以上
10 日未満)の就業体験を通して、自分の職業適性や将来計画および佐賀県の現状
などについて考える機会を提供し、自らの実務における課題を見出す能力を身に
付けさせる。地方創生インターンシップLでは、長期(7.5 ×ばつ10 日以上)の
就業体験を通して、研修先企業の従業員と協働しながら実務に取り組む経験をさ
せることにより、地方創生に関する課題発見能力に加えて課題解決に向けて取り
組む能力を養わせる。これによりインターンシップを通した県内の理工系専門分
野の連携の理解と人材育成を図る。インターンシップの評価は、学生が作成する
報告書、受入先の評価票、インターンシップ報告会での発表内容と質疑応答に基
づく評価事項を設けて適切に行う。
佐賀大学理工学部 教育活動の状況
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(3)サブフィールドPBL
複眼的な視点から業務を遂行する能力を醸成するために、自己の専門分野(メイ
ンフィールド)だけでなく専門外分野(サブフィールド)を効率的かつ有機的に
学修する科目
「サブフィールドPBL」
を学部共通基礎科目として設定している。
本科目は、2年次後学期 15 コマの講義と直後の休業期間(春休み)に集中講義と
して開講するPBL演習により構成される。
学生は、まず、前半の講義で6つのサブフィールド(理学、情報技術、化学、機
械工学、電気電子工学、都市工学分野)のうち、自己の専門外の5つのフィール
ドの講義を各3コマ、
合計 15 コマ受講する。
6つのフィールドで用意されている
講義内容は、学生の所属コースごとに「養成する人材像」に沿ってオーダーメイ
ドで設定されており、例えば数理サイエンスコースの学生に対しては、情報技術
分野から「機械学習」、化学分野からは「数学の化学応用」、機械工学分野から
は「流体工学、熱工学」、電気電子工学分野からは「半導体デバイス」、都市工
学分野からは「剛体力学」の各トピックが講義されるなど、学修するサブフィー
ルドとメインフィールドとの「繋がり」を重視したものとなっている。
講義の履修に引き続いて、学生は、所属コースの分野以外のサブフィールドが開
講する課題解決型のPBL演習を、コースの混在した5名程度のグループで担当
教員の指導の下で実施する。各サブフィールドでは、分野の最新トピックから普
遍的なテーマや地域に根差した課題などを、前半の講義の内容を踏まえながらP
BLテーマとして設定する。それぞれの学生は、異分野の学生と協働して、グル
ープワークを計画・立案・実施してその結果を発表することにより、学修した内
容の定着を図るだけでなく、様々な視点から物事を分析し、解決方法を見出し、
結論を導き出す能力を身に付けることができる。[3.1]
対象
コース
講義の内容(トピックス)
理学分野
情報技術
分野
化学分野
機械工学
分野
電気電子
工学分野
都市工学
分野
数理
物理
----------- 機械学習
数学の化学応用流体工学,熱
工学
半導体デバイス剛体力学
知能
情報
理学分野にお
けるICT利用
-----------
化学分野にお
けるICT利用
機械工学分野
におけるICT利用電気電子分
野における
ICT利用(セン
サー、通信デ
バイスなど)
都市工学
分野におけ
るICT利用
生命
応化
電磁気学
AIやIoTの産
業分野にお
ける利活用
-----------
再生可能エネ
ルギー技術概
要,流体工学
電気回路,電
子回路
浄水・下水
処理
機械
メカ
フーリエ変換
超スマート社
会とIoT, IoE
無機材料化学 ----------- 電気回路 河川工学
電気
電子
微分方程式と
その解法
ネットワーク
セキュリティ
電気化学 メカトロニクス -----------
空調,熱環境都市
建築
微分方程式と
その解法
リモートセン
シング
エレクトロニク
ス材料化学
再生可能エネ
ルギー技術概
要,流体工学
IoT,人工知能--------
サブフィールドPBL
分野 PBL演習テーマ例
理学分野
 種々の微分方程式とその解法
 実験を通して学ぶ物理学の基礎
情報技術分野
 ビジュアルプログラミング言語によるICT利用シ
ステムの試作
 人工知能技術の調査と機械学習ツールを用い
た人工知能システムの試作
化学分野
 機能を持った身近な材料の開発
 化学修飾による天然素材の機能化
機械工学分野
 様々な再生可能エネルギーのポテンシャル評価
 エネルギー関連機器における3Dエンジニアリン
グデザイン
電気電子工学分野
 佐賀を活性化するための電気電子技術の応用
方法の提案
 少子高齢化が進む中で,電気・電子・通信工学
の技術を用いたより豊かで安全安心な社会を実
現する方法の提案
都市工学分野
 都市インフラ整備の現場を知る・考える
 都市空間再生を知る・学ぶ
養成する人材像に要求される内容を,6つのサブフィールド
(理学,情報技術,化学,機械工学,電気電子工学,および
都市工学の分野)の観点から講義する
班で課題解決演習を実施する。サブフィールドPBL
担当教員および数名の協力教員で担当し,討論
や発表会を指導
5名程度の学生班
を所属コース混合
で結成
2年次後学期15コマ実施
サブフィールドPBL担当教員1名+トピックス講義教員
2年次後学期後9コマ実施(集中講義)
サブフィールドPBL担当教員1名+協力教員12名学生は所属コースの分野以外のテーマを選択
佐賀大学理工学部
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しろまる コース類共通専門科目では、「数学コース類」「化学コース類」「物理学コー
ス類」の各コース類に対応した、数学、物理、化学、コンピュータプログラミン
グ、データサイエンスの科目を開講している。各コース類は、数学、化学、物理
学といった学問分野別に分かれており、それぞれのコース類の分野の特性にあっ
た内容を修得することができる。
また、各コースの専門科目への導入となる科目を開講している。学生は各コー
スから提供される科目を2科目選択必修として履修する。これにより学生は自ら
の興味のある科目を主体的に選択し、修得することができるようになり、それぞ
れの学生の志向に沿ったカスタマイズされたカリキュラムを提供する。[3.1]
しろまる 2019 年度改組により理工学部理工学科では、
1年次共通教育や2年次のサブフ
ィールドPBLにより将来の産業構造の変化に柔軟に適応できる理工学基礎力
及び幅広い知識と複眼的視点・俯瞰的視野を身に付けさせるとともに、専門分野
の深い知識を修得させるために下記の 12 のコースを設けている。
これにより、養成する人材の多様性を高め、人材のダイバーシティを確保しようとしている。
・数理サイエンスコース:数理サイエンスの理論と応用に関する教育研究を行うコ
ースである。
・知能情報システム工学コース:人工知能などの知的情報システムに関する教育研
究を行うコースである。
・情報システム工学コース:高度情報通信社会を支える情報基盤技術に関する教育
研究を行うコースである。
学部共通専門科目
• 理工教育の要である「数学」「物理」「化学」「生物」「データサイエンス」の学力保証
• プレースメント試験の導入により成績に応じた学力レベル別クラスを編成
• 到達目標,教科書,試験問題等は統一
• 必要に応じて補講時間の確保,TAの配置,LMSによるe-learningなどを実施
微分積分学I 数列,級数,極限値,微分法と応用,積分法と応用など
線形代数学I 行列の基礎,行列の演算,行列式,階数,連立一次方程式など
物理学概説 力学,熱力学,電磁気学,原子など
化学概説 元素,周期性,分子,化学平衡など
生物学概説 遺伝,細胞,生体物質など
データサイエンスI データサイエンスの考え方,データ分析手法など
理工概論 コース選択のための分野紹介
学部共通基礎科目
• 理工系人材に要求されるリテラシーとしての学部共通教育
• 各分野の特徴に応じて実施される専門導入教育やキャリア教育
• 理工系専門分野間や社会との連携を理解し複眼的視点を育成
• 段階的に修得
理工リテラシーS1・S2・S3
学部共通 : 情報セキュリティ,倫理教育,知財教育,ジェネリックスキルなど
コース別 : 専門導入教育,学修デザイン,キャリア教育など
地方創生インターンシップS・L インターンシップを通した理工系専門分野の連携の理解と人材育成
サブフィールドPBL 各コースの養成する人材像に合わせてサブフィールドから提供される講義とPBL演習
理工系人材の
基礎力育成
基礎学力の
保証
コース類共通専門科目
• 段階的に専門科目に移行することによる適性に応じたコース選択
• コース類に分けることによる専門分野の特性に即した授業内容
• 分野別情報教育の実施
• 専門導入科目による広い専門分野の理解
微分積分学II テイラーの定理,多変数関数,偏微分と応用,重積分と応用など
線形代数学II ベクトル,幾何問題,線形変換,固有値と固有ベクトルなど
物理演習 物理の演習
化学演習 化学の演習
コンピュータプログラミング プログラミング,情報セキュリティなど(分野別情報教育)
データサイエンスII データ処理集計など(分野別情報教育)
(専門導入科目) 専門科目への導入教育
個人の適性に
応じたコース
選択
佐賀大学理工学部 教育活動の状況
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・生命化学コース:化学を基盤とした生命現象や生体物質に関する教育研究を行う
コースである。
・応用化学コース:物質化学・材料化学分野の知識を体系的に身に付けさせるため
の教育研究を行うコースである。
・物理学コース:広範な自然現象を理解する試みを通して、現代の科学技術を支え
る物理学に関する教育研究を行うコースである。
・機械エネルギー工学コース:機械エネルギー分野の専門的な素養を持つ機械工学
技術者の養成を目的とした教育研究を行うコースである。
・メカニカルデザインコース:モノづくり分野の専門的な素養を持つ機械工学技術
者の養成を目的とした教育研究を行うコースである。
・電気エネルギー工学コース:電気エネルギーの発生・変換・利用などの電気エネ
ルギー工学に関する教育研究を行うコースである。
・電子デバイス工学コース:高度情報通信社会を支える情報通信エレクトロニクス
の根幹をなす電子デバイス工学に関する教育研究を行うコースである。
・都市基盤工学コース:安全・安心や環境に配慮した都市基盤の整備と維持管理に
関する教育研究を行うコースである。
・建築環境デザインコース:建築デザイン・環境デザイン・環境工学の視点から建
築都市空間の計画設計に関する教育研究を行うコースである。[3.2]
〇 学力保証のための取組として、理工学部では一般社団法人日本技術者教育認定
機構技術者教育プログラム(JABEE)認定制度を教育の質保証という観点か
ら利用し、知能情報システム学科、機械システム工学科、機能物質化学科(機能
材料化学コース)、及び電気電子工学科の各教育プログラムでは、JABEE認
定基準を満たすための教育システム点検に関するPDCAサイクルを独自に構
築し、認定を受けることで、それぞれの分野で要求される学力水準の保証を行っ
てきた。これら4学科では現在も認定継続中である。その他の学科においても、
学科ごとの様々な分野からの要求に対応するため、専門基礎の学力向上を目的と
した補習授業などを実施して、学力保証に取り組んでいる。例えば都市工学科都
市環境基盤コースにおいては、技術士1次試験合格者の数が 2013 年では9名で
あったが、2014 年以降は大きく伸びてきており、合格者の推移は 2014 年 33 名、
2015 年 34 名、2016 年 36 名、2017 年 52 名、2018 年 39 名、2019 年 40 名であり、
第3期の4年間は、定員 60 名のうち年平均 41.8 名(69.6%)の高い合格率を維
持している。
2019 年度改組後の理工学科各コースにおいては、機械系の2コース(機械エネ
ルギー工学コース、メカニカルデザインコース)を除き、現在のJABEE認定
期間が終了した後、認定継続のための受審は行わない方針としている。これはJ
ABEE認定制度の元で構築した質保証システムを参照した全学的な内部質保
証体制として教育コーディネーター制度が 2019 年度より導入されており、JA
BEE認定制度を利用する必要性がなくなってきたためであり、今後は教育コー
ディネーター制度の下で内部質保証に取り組む。[3.2]
しろまる 2019 年度より全学的な教育コーディネーター制度による各教育課程の内部質
保証関連組織づくり(PDCAの確立)が開始された。これは、前述の通り、理
工学部のJABEE認定学科(知能情報システム学科、機械システム工学科、機
能物質化学科(機能材料化学コース)、及び電気電子工学科)で構築された内部
質保証体制がモデル事例の1つとなっている。理工学部では各コースを担当する
各部門から教育コーディネーターを選出し、各コースで内部質保証関連組織及び
規程の整備を進めている。[3.0]
しろまる 地(知)の拠点大学として、地方創生のための佐賀県内企業就職率向上に向け
て、佐賀県内企業での「協働型インターンシップ」に取り組む科目として「地方
佐賀大学理工学部
- 8-10 -
創生インターンシップI」(1単位)及び「地方創生インターンシップII」(2
単位)を 2016 年度より開講している。修得した単位は専門周辺科目(区分II)の
単位として卒業要件に含めることができるようにしている。さらに、2018 年度か
らは積上げ履修も条件付きで認めることとしており、学生の積極的履修を促して
いる。これらの改善の結果、履修者数は 2016 年度 15 名、2017 年度 53 名、2018
年度 60 名と順調に増加している。この科目は、2019 年度入学生からは「地方創
生インターンシップS、L」として開講している。
また、地域社会などで多様に活躍する学生を育成するために、教養教育科目の
全ての「インターフェースプログラム」で地域との関連を学ぶ地域志向教育を取
り入れている。[3.2]
しろまる 理工学部では、産業構造の変化に柔軟に適応できる幅広い教養と理工学基礎力
を土台として、複眼的視点・俯瞰的視野から社会の広い分野で活躍できる理工学
の基盤的分野を中心とした科学・技術の専門的素養を持つ人材を養成することを
目的としている。その理工学基礎力の一つとして、データに基づいて様々な問題
を解決していく能力である「データサイエンス力」は重要であることから、2019
年度より数学・情報・データサイエンス関連科目を理工学部全学生が履修する学
部共通の必修科目として配置し、数理・情報科学技術教育の強化を図っている。
本理工学部の取組は、国内大学等において実施されているAI等教育プログラム
の主な事例に掲載された。(別添資料 7508-i3-11)[3.1]
<必須記載項目4 授業形態、学習指導法>
【基本的な記載事項】
・ 1年間の授業を行う期間が確認できる資料(別添資料 7508-i4-1〜5)
・ シラバスの全件、全項目が確認できる資料、学生便覧等関係資料
(別添資料 7508-i4-6〜7)
・ 協定等に基づく留学期間別日本人留学生数(別添資料 7508-i4-8)
・ インターンシップの実施状況が確認できる資料(別添資料 7508-i4-9)
・ 指標番号5、9〜10(データ分析集)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 学生の能動的な学びを生み出すために、全授業科目に反転授業やアクティブ・
ラーニングによる教育手法等の導入・実施を促進するための取組を進めた。2018
年度の反転授業及びアクティブ・ラーニング導入状況調査の結果、理工学部開講
科目における反転授業やアクティブ・ラーニングの導入率は非常勤講師の担当科
目を除くと 85.5%であった。
(残りの 14.5%のうち 11.34%は未回答の科目であ
ったことから、実際の導入率は 85.5%より高いと推測される。)この調査結果に
基づき、未導入及び未回答科目の担当教員に対して、反転授業やアクティブ・ラ
ーニングに関するFDへの参加を促し、かつ 2019 年度からの反転授業やアクテ
ィブ・ラーニング導入計画書の提出を依頼した。
これらの取組により 2019 年度に
おける理工学部開講科目の反転授業やアクティブ・ラーニング導入率は非常勤講
師科目を含め 99.4%という非常に高い水準にある。[4.1]
しろまる 理工学部では各専門分野において、座学で修得した知識や技法を応用し、課題
解決に取り組むことができる能力を養うとともに、チームの一員として他者と協
調・協力した行動、リーダシップを発揮した率先した行動を実践する能力を養う
ため、実験、実習、演習科目を設けている。2019 年度開講の実験科目は 33 科目、
実習科目は9科目、演習科目は 84 科目である。[4.6]
しろまる 単位制度の実質化のための授業外の学習を促進するため、理工学部では、開講
科目の全てのシラバスに授業の前に必要とされる予習の内容や、授業の後に必要
佐賀大学理工学部 教育活動の状況
- 8-11 -
とされる復習の内容あるいは課題などを具体的に記載している。シラバスへの記
載を 100%達成するため、教員に対して「シラバス作成の手引き」により授業時間
以外の学習について記載することを求めるとともに、毎年、次年度開講科目のシ
ラバス内容の点検を「シラバス点検・改善に関する要項」に基づき実施すること
で、全科目漏れなく記載していることを確認している。[4.1]
しろまる 学修成果の向上を図るために、クォーター制などに柔軟に対応可能な週複数回
授業を可能にする時間割を取り入れており、2018 年度は6科目、2019 年度は4科
目で運用している。週複数回授業の効果を検証・分析し、必要に応じて改善を実
施している。[4.1]
しろまる 社会と繋がる実践的理工学教育としてインターンシップ関連科目を設けてお
り、佐賀県内企業での「協働型インターンシップ」に取り組む科目として「地方
創生インターンシップI」(1単位)及び「地方創生インターンシップII」(2
単位)を 2016 年度より開講している。修得した単位は専門周辺科目(区分II)の
単位として卒業要件に含めることができるようにしている。さらに、2018 年度か
らはこれらの科目を複数回履修し単位を積み上げることのできる「積上げ履修」
も条件付きで認めることとしており、学生の積極的履修を促している。これらの
改善の結果、履修者数は 2016 年度 15 名、2017 年度 53 名、2018 年度 60 名と順
調に増加している。[4.2]
しろまる 研究者としての倫理を涵養するために、各教員に対して、毎年研究室に配属さ
れた学生に研究倫理教本を用いた研究倫理教育の実施を求めている。これは「国
立大学法人佐賀大学における公正な研究活動の推進に関する規程」第3条3項に
定められている「学生への研究倫理教育及び啓発の実施」に基づくものである。
この仕組みにより、
2018 年度は理工学部の卒業研究着手者 502 名全学生の既読を
確認した。[4.1]
しろまる 学生の主体的な学びへの転換を図る仕組みとして、ポートフォリオ学習支援統
合システムのラーニング・ポートフォリオに学生自身の授業への出席率、単位取
得状況、成績評価結果、学士力別の達成率やGPAなどの学修成果を可視化する
機能を導入した。これにより、学生本人による学習の振り返りを促している。こ
の可視化機能を効果的に活用するため、マニュアルを作成し、学生及びチュータ
ー教員に対して周知を図り、学期毎に実施するチューターによる履修指導の際に
活用している。[4.7]
<必須記載項目5 履修指導、支援>
【基本的な記載事項】
・ 履修指導の実施状況が確認できる資料(別添資料 7508-i5-1〜3)
・ 学習相談の実施状況が確認できる資料(別添資料 7508-i5-4〜6)
・ 社会的・職業的自立を図るために必要な能力を培う取組が確認できる資料
(別添資料 7508-i5-7〜11)
・ 履修上特別な支援を要する学生等に対する学習支援の状況が確認できる資料
(別添資料 7508-i5-12〜13)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 学生の主体的な学びへの転換を図る仕組みとして、ポートフォリオ学習支援統
合システムのラーニング・ポートフォリオに学生自身の授業への出席率、単位取
得状況、成績評価結果、学士力別の達成率やGPAなどの学修成果を可視化する
機能を導入した。これにより、学生本人の学習成果の振り返りを促している。こ
の可視化機能を効果的に活用するため、マニュアルを作成し、学生及びチュータ
佐賀大学理工学部
- 8-12 -
ー教員に対して周知を図り、学期毎に実施するチューターによる履修指導の際に
活用している。[5.2]
しろまる 上記のラーニング・ポートフォリオの可視化機能を活用したチューターによる
履修指導は学期初めと学期終わりに定期的に実施しており、理工学部の実施率は
97%と高水準である。また、在学生(留学、休学者は除く。)のラーニング・ポ
ートフォリオ記入率は 88%である。ラーニング・ポートフォリオの卒業時教員の
入力率については、100%の入力率であった。ラーニング・ポートフォリオにより
学生の成績、出席率、学士力別の達成率やGPAを確認することができ、履修指
導に活かしている。履修指導の過程で修学上問題の認められる学生に対しては、
カウンセラー、ソーシャルワーカー等による生活相談への誘導を行っている。
また、ポートフォリオ学習支援統合システムでの学生からの要望については、
各学科および各コースや委員会へその対応を依頼し、対応結果を学生生活課へ報
告している。 [5.1]
しろまる ポートフォリオ学習支援統合システムのラーニング・ポートフォリオに学生が
自身の学士力の達成度を確認するための学士力項目別達成度状況表を掲載して
いる。
これにより、
学生はいつでも自身の学士力の達成度を確認できるとともに、
教員はチューター指導の際に活用している。また、卒業認定時に学生の学士力達
成率が 100%であることを教務委員会にて確認している。[5.1]
<必須記載項目6 成績評価>
【基本的な記載事項】
・ 成績評価基準(別添資料 7508-i6-1〜5)
・ 成績評価の分布表(別添資料 7508-i6-6〜8)
・ 学生からの成績評価に関する申立ての手続きや学生への周知等が明示されて
いる資料(別添資料 7508-i6-9〜11)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 教育課程方針に即して、公正な成績評価が厳格かつ客観的に実施されているこ
とを確認し、必要な改善を行うことは、教育の質を保証していく上で重要である
ことから、毎年度、各部局で開講科目の成績評価の分布に基づいて、成績評価等
の客観性、厳密性を担保するための組織的な点検を行っている。この点検は教育
質保証専門委員会で行っており、実施状況は成績分布表と点検・報告書の根拠資
料により確認できる。
理工学部では理工学部教育質保証委員を通じて、各部門において担当している教
育課程の専門科目の成績評価について点検を行っている。毎年度、前年度の後学
期開講科目および当年度の前学期開講科目に関する点検を行い、問題ないことを
確認している。改善が必要な場合には当年度中に必要な方策を練り、次年度の計
画に繋げている[6.1]
しろまる 成績評価に関する情報の開示として、
試験問題、
模範解答、
配点等の開示を
「佐
賀大学における学修成果にかかる評価の方法と基準の周知及び成績評価に関す
る情報の開示に関する要項」
で定め、
学生からの要望があった際に対応している。
[6.1]
しろまる 学生に対するきめ細かな履修指導を実施するため GPA制度を導入してお
り、GPAの計算期日、通知、学修指導計画の策定について「佐賀大学における
成績評定平均値に関する規程」第6、11、12 条に定めている。GPA制度の趣旨
については「GPA制度について(学生用説明文)」により学生に周知している。
各学期のGPA計算期日にGPAを算出後、結果が各部局に配信されている。
佐賀大学理工学部 教育活動の状況
- 8-13 -
理工学部では、GPAの結果を受けて、「理工学部におけるGPAを用いた学修
指導計画」に基づいて学生の履修指導を行っている。[6.1]
しろまる 理工学部では、「学生便覧」ならびに「理工学部で何を学ぶか」において成績
評価基準を明示するとともに、各科目個別の到達目標と成績評価基準をシラバス
に具体的に明示することで、成績評価基準の明確化に取り組んでいる。[6.1]
しろまる 学生の主体的な学修を促進することを目的に、理工学部では 15 科目でルーブ
リック評価を実施している。[6.1]
<必須記載項目7 卒業(修了)判定>
【基本的な記載事項】
・ 卒業又は修了の要件を定めた規定(別添資料 7508-i7-1〜5)
・ 卒業又は修了判定に関する教授会等の審議及び学長など組織的な関わり方を含
めて卒業(修了)判定の手順が確認できる資料(別添資料 7508-i7-6〜8)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 卒業研究を実施し、卒業論文等を作成するにあたり、理工学部の各学科では中
間発表や最終発表を行っている。一例として、電気電子工学科では中間発表、最
終発表の両方の評価を3名の教員でルーブリック評価しており、その評価結果を
卒業研究の成績評価の 30%分としている。[7.1]
しろまる 卒業認定の審議は、理工学部教授会規程第3条(2)及び理工学部教務委員会
内規第2条(3)に基づき、卒業研究を含めた単位修得状況をもとに理工学部教
務委員会で卒業判定審議を行った後、教授会にて審議を行っている。「佐賀大学
学則」第 35 条に基づき、この教授会の議を経て、学長が卒業を認定し、学位記を
授与している。[7.2]
しろまる 理工学部の卒業要件は、履修の手引き「理工学部で何を学ぶか」に掲載してお
り、ウェブサイトにて閲覧・ダウンロード可能としている。[7.1]
しろまる 学士力の達成状況はラーニング・ポートフォリオにより確認が可能であり、卒
業認定された全ての学生が学士力を達成していることを、毎年教務委員会におい
て卒業判定審議を行う際に一緒に確認している。また、卒業時にもチューター面
談を実施し、大学での学修の総括と今後について指導を行っている。[7.1]
しろまる 学生の主体的な学修を促進するために、学修成果の可視化を進め、学生自らが
自己の学修成果をラーニング・ポートフォリオによって証明して卒業認定を申請
する制度を 2018 年度入学生から創設し、運用している。学生は各学期終了時に、
履修科目に対応する学士力の各項目別の達成状況を、学士力ルーブリックに記入
することとしている。各教員はチュータ指導時に学生の記入内容とGPAを元に
算出された基準値を参考にしながら、履修指導を行っている。[7.1]
<必須記載項目8 学生の受入>
【基本的な記載事項】
・ 学生受入方針が確認できる資料(別添資料 7508-i8-1)
・ 入学者選抜確定志願状況における志願倍率(文部科学省公表)
・ 入学定員充足率(別添資料 7508-i8-2)
・ 指標番号1〜3、6〜7(データ分析集)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
佐賀大学理工学部
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しろまる 入学者選抜結果の分析結果に基づいて積極的に入試改革に取り組んでおり、近
年では下記の変更や新システムの導入を行った。
2014 年度入試:一般入試後期日程に個別学力試験(数学・理科選択)を導入した。
2016 年度入試:一般入試前期日程の試験科目に「英語」を追加した。
2018 年度入試:推薦入試にタブレット端末を利用したCBT基礎学力試験を導入し
た。CBT基礎学力試験では、受験者の解答が試験時間中に自動採点され、誤解
答の問題に対して解説を読んだうえで類題に再回答することができる。これによ
り、単に基礎学力を計るだけではなく、これまで評価が難しかった「学習する能
力」を評価することが可能になった。
2019 年度入試:学部改組により、一般入試の選抜方法が従来の7学科での選抜から
理工学科としての一括選抜へと変更された。これに加えて、新たにAO入試を導
入し特別入試の割合を入学定員の 25%に増やした。また、一般入試に主体性評価
のための
「特色加点制度」
を導入した。
特色加点は、
志願者が取り組んできた様々
な活動や実績を踏まえた申請内容を評価して加点するもので、申請書と根拠資料
に基づき入学後に期待できる主体的な学習行動や活動等についてアドミッショ
ン・ポリシーの観点から評価する。これにより、「主体的に学び続けようとする
意欲と態度」や「本学部の教育・研究活動を活性化できる可能性」を有する学生
の選抜を行うことができた。(別添資料 7508-i8-3〜14) [8.1]
しろまる 高大連携活動の一環として、
理系分野に関心がある県内の高校生を対象に、
「科
学」を発見・探求できる多面的な視点を育て、自らが知らなかった自身の適性や
興味・関心を見つけることを目的としたカリキュラムとして、2016 年度より「科
学へのとびら」を実施している。2019 年度からは農学部と理工学部の両部局が主
体となって運営しており、両部局と佐賀県教育委員会との連携を強化し、理工学
部からは協力教員として複数参画し、体験プログラムなどを提供している。2019
年度入試より導入した「特色加点制度」において、「科学へのとびら」での活動
を実績として申請している受験者が複数存在しており、本取組が科学を探求でき
る人材育成を目指した高大連携教育プログラムとして十分に機能していると判
断できる。(別添資料 7508-i8-15)[8.1]
<選択記載項目A 教育の国際性>
【基本的な記載事項】
・ 協定等に基づく留学期間別日本人留学生数(別添資料 7508-iA-1)
・ 指標番号3、5(データ分析集)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 佐賀大学では、
学生に明確な学習目標を与え、
自律的かつ持続的な学習を促し、
英語教育の改善及び教育の質保証に資するために、
2013 年度以降に入学した全学
部学生を対象に、1年次及び2年次に英語能力試験としてTOEIC-IPを実
施している。加えて、理工学部では、理工学部後援会主催で、理工学部3年生を
対象にTOEIC-IPを実施している。
2013 年度実施の理工学部1年次の平均
点は 344.7 点、2年次の平均点は 324.9 点であったが、2018 年度実施の理工学部
1年次の平均は 408.5 点、2年次の平均点は 407.0 点と点数の大幅な向上が見ら
れた。(別添資料 7508-iA-2〜3)[A.1]
しろまる 理工学部ではSPACE-E学生など外国人特別聴講学生向けに英語での授
業を行っており、2019 年度は「Introduction to Science and Engineering A」、
「Introduction to Science and Engineering B」を開講した。これらに加えて、
2019 年度新たに英語による基本教養科目として、
外国人留学生だけでなく日本人
学生向けに「Introduction to Science」を開講した。[A.1]
佐賀大学理工学部 教育活動の状況
- 8-15 -
しろまる 佐賀大学理工学部長表彰を授与された成績優秀者で構成される学部公認の学
生による国際交流活動組織STEPs があり、海外の大学や研究所等での研修、
外国人留学生との交流会、English Time における各テーマについて英語のみでの
発表会、理工学部を訪問される外国からの教員や学生の応対などの活動を行って
いる。(別添資料 7508-iA-4) [A.1]
しろまる 機能物質化学科では、TOEIC-IPの成績向上を目的に「科学英語II」で
TOEIC専門講師を毎年継続して任用している。(別添資料 7508-iA-5)[A.1]
しろまる ベトナム国家大学ホーチミン市校・情報技術大学(UIT;University of
Information Technology)と佐賀大学が合同で、国際プログラミングコンテスト
を 2019 年5月 19、20 日に開催した。ベトナムからは 300 名程の学生が、本学か
らは 40 名程の学生が参加した。参加した学生たちは、日頃の学習成果を発揮し
て、お互いのプログラミングスキルを競い合った。学生は、佐賀大学とベトナム
UITをインターネットで接続し、遠隔地同士でチーム戦(1日目)及び個人戦
(2日目)の競技を行った。アンケートの結果より、本大会が学生にとって大き
な刺激となり、実践的な場での研鑽の重要性を認識していることが分かった。
(別添資料 7508-iA-6)[A.1]
<選択記載項目B 地域連携による教育活動>
【基本的な記載事項】
(特になし)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 佐賀大学理工学部と佐賀県高等学校教育研究会工業部会は、相互の教育に関し
連携協力するため、協定を締結している。本協定に基づいて、学生の工業系高校
へのインターンシップや教育実習を実施している。(別添資料 7508-iB-1)[B.1]
しろまる 地域連携実践キャリア教育として、企業における問題に対して対策を自ら考
え、提案を行い、ものづくりを学び、機械工学の関心を高め、就業と地域企業へ
の理解を深めるために、機械システムPBLを開講している。この講義では、企
業が抱える課題(企業に提案してもらう現実の課題)に対して、4〜5人程度で
複数グループを作り、担当者へのインタビュー、ディスカッションや企業見学を
行い、担当教員の指導の下、自主的に企業が抱える課題を解決する手法をグルー
プで協力して探らせ、課題が解決できたら(できなくても、解決法について)、
プレゼンテーションを行い、最終報告書を作成し報告することにより、企業にお
ける仕事の流れを現実的な問題と企業担当者とのやりとりから理解させようと
している。(別添資料 7508-iB-2)[B.1]
しろまる 佐賀県立致遠館高等学校の第3期スーパーサイエンスハイスクール(SSH)
事業に関する同校からの依頼で、主に理数科2年生が1年間かけて取り組む「課
題研究」に対して、研究テーマの決定、実験計画の立案、実験結果の検討・考察
などの各段階で、理工学部教員が高校を訪問して生徒の相談に乗るとともに、ア
ドバイスを行う「課題研究指導」を行っている。また、研究テーマの設定に関し
て講義を行う「リサーチセミナー」や、大学にて実際に実験などを体験する「大
学研修」を実施している。これらの活動は同校の第1期、第2期のSSH事業か
ら継続して行っており、継続的な高大連携活動として位置づけている。(別添資
料 7508-iB-3)[B.1]
しろまる 放送大学佐賀学習センターの依頼で、放送授業やオンライン授業では体験でき
ない授業を佐賀地域で実施するための面接授業「有機機能材料の化学」の講師と
佐賀大学理工学部
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して化学部門の教員が担当した。(別添資料 7508-iB-4)[B.1]
しろまる 九州地区内において、化学工学を専攻する大学及び高専の若手研究者(若手教
員及び学部生、高専生)により、九州地区の化学工学力の向上を目指すことを目
的に、研究及び教育の双方に主眼を置いたセミナーとして九州地区大学−高専若
手研究者研究・教育セミナー(別添資料 7508-iB-5)を開催した。九州地区の大
学・高専より、教員 10 名、学部生及び高専生 35 名が参加し、自身の研究や生活
について発表し、活発な議論を行うことで、研究活動に対する啓発を促した。
[B.1]
<選択記載項目C 教育の質の保証・向上>
【基本的な記載事項】
(特になし)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 全教育課程の点検・改善等の検討に関する教育の質保証・JABEE委員会内規
が定められている。(別添資料 7508-iC-1)[C.1]
しろまる 「学位授与方針及び教育課程方針に則して、適切な授業形態、学習指導法が採
用されていること」に関連して、学期末にシラバス点検を実施し、2019 年度から
全学的に実施するアクティブ・ラーニングによる教育手法の記載の有無も確認し
た。[C.1]
しろまる 授業の内容及び方法の改善を図るためのファカルティ・ディベロップメント
(FD)を組織的に実施した。(別添資料 7508-iC-2)[C.1]
しろまる 教員の教育力向上のために、標準版ティーチング・ポートフォリオの基本項目
の中から教育の責任・理念・方法及び目標のみを抽出した簡易版ティーチング・
ポートフォリオの作成・更新率 100%を計画し、維持した。それを利用した教育
改善のFD活動を活発化させるとともに、標準版ティーチング・ポートフォリオ
についても作成・更新率を全授業担当教員数の 15%以上を計画し、22.2%を達成
した。各教員の教育改善を促すために、ティーチング・ポートフォリオを基にし
た教育改善に関するFD講演会を開催した。また、新規採用の教員における教育
業績評価に活用した。(別添資料 7508-iC-3)[C.1]
しろまる 理工学部では部局の教育、研究及び国際交流・社会貢献の3領域を対象とした
外部評価として、理工学部の自己点検・評価書に基づき、佐賀大学の職員以外の
者による検証と意見聴取を2年ごとに実施している。
2017 年1月に実施された外部評価報告書である「2015 年度佐賀大学部局等評価
検証結果報告書」では、「評価手法及び基準は適切であり、評価は評価基準に照
らして妥当である」との評価結果を得た。報告書での助言に対して改善状況を回
答した。(別添資料 7508-iC-4〜5)[C.2]
しろまる 2019 年2月に実施された「2017 年度国立大学佐賀大学部局等評価検証結果報
告書」では、「評価手法及び基準は適切であり、評価は評価基準に照らして妥当
である」との評価結果を得た。(別添資料 7508-iC-6)[C.2]
しろまる 質保証を行うに相応しい第三者である一般社団法人日本技術者教育認定機構
(JABEE)による検証、助言を受け、理工学部7学科の内4学科において、
技術者教育プログラムとして継続認定された。これら4学科では現在も認定継続
中である。
佐賀大学理工学部 教育活動の状況
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2019 年度改組後の理工学科各コースにおいては、機械系の2コースを除き、継続
中のJABEE認定期間が終了後の更新は行わない方針であるが、JABEE認
定制度の元で構築した質保証システムを参照した全学的な内部質保証体制とし
て教育コーディネーター制度が 2019 年度より導入されており、理工学部におい
ても教育コーディネーターを置き、各コースにおいて教育課程のPDCAサイク
ルを回すための内部質保証関連組織として理工学部・大学院理工学研究科等教学
マネジメント委員会を設置し、質保証に取り組んでいる。(別添資料 7508-iC-7
〜10)[C.2]
しろまる 教員の採用及び昇格等にあたって、教育上、研究上又は実務上の知識、能力及
び実績に関する判断の方法等を明確に定め、実際にその方法によって採用、昇格
させた。(別添資料 7508-iC-11) [C.1]
しろまる 教員の人事評価を継続的に実施し、評価結果を年俸制教員、勤勉手当、上位昇
給に反映させた。(別添資料 7508-iC-12〜15)[C.1]
しろまる 教員の自己点検・評価を、教育、研究、国際交流・社会貢献、及び組織運営の
4つの観点から実施し、組織的に自己点検・評価の妥当性を点検している。(別
添資料 7508-iC-16〜18) [C.1]
しろまる 教育支援者、教育補助者が教育活動を展開するために必要な職員の担当する業
務に応じて、研修の実施など必要な質の維持、向上を図る取組を組織的に実施し
た。(別添資料 7508-iC-19〜20) [C.1]
しろまる 授業の内容及び方法の改善を図るためのファカルティ・ディベロップメント
(FD)の組織的な取組として、2018 年度に理工学部主催のFD講演会を9回実
施した。また、ティーチング・ポートフォリオを基にした教育改善に関するFD
講演会を開催した結果、教員から教育改善につながる活用事例の報告や「授業の
内容及び方法を考える良い振り返りの機会になった」との感想が寄せられた。
[C.1]
しろまる 機械システム工学科では、教育の改善に反映させるため、毎年度、卒業生・修
了生の計2名に学科の技術者教育プログラムについて外部評価を依頼している。
[C.2]
しろまる 機械システム工学科では、
教育の改善に反映させるため、
4〜6年毎を目処に、
博士前期課程修了後3年程度の修了生並びに修了生が勤務している企業にアン
ケートを実施している。[C.2]
<選択記載項目D 学際的教育の推進>
【基本的な記載事項】
(特になし)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 理工学部では、2019 年度の改組前は、全学生に専門周辺科目の履修を義務付け
ており、学生が所属する専門領域周辺の世界を学び、コース等(又は領域など)
の枠を越えて視野を広く外に広げつつ各専門領域の研鑽を積ませることを意図
している。特に理工学部としての特徴を生かし、理工融合を促進することを意図
して、クロス履修を卒業の要件として課している。具体的には、理系学科の学生
には工系教員が担当する「理工学基礎技術」の区分の科目を、工系学科の学生に
は理系教員が担当する「理工学基礎科学」の区分の科目を2単位以上修得させて
佐賀大学理工学部
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いる。2019 年度の改組後は、必須記載項目3の特記事項に記載している科目「サ
ブフィールドPBL」において、複眼的な視点から業務を遂行する能力を醸成す
る。(別添資料 7508-iD-1) [D.1]
しろまる 2019 年度からは、幅広い教養、科学の基礎となる理論体系、論理的方法論等を
身につける教育を展開するため理工学科として改組し、理工系人材のリテラシー
として「数学」「物理」「化学」「データサイエンス」に加えて、「生物」の学
力保証のため、学部共通教育として科目「生物学概説」を農学系の教員とともに
開講した。専門教育では理工医農の学際的教育を担う先進健康科学研究科への進
学も考慮し、生物系に重点を置いた「生命化学コース」のカリキュラム設計をし
ており、生物及び化学の双方に見識のある学生の輩出を目指している。[D.1]
<選択記載項目E リカレント教育の推進>
【基本的な記載事項】
・ リカレント教育の推進に寄与するプログラムが公開されている刊行物、ウェブ
サイト等の該当箇所(別添資料 7508-iE-1〜2)
・ 指標番号2、4(データ分析集)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 理工学部では、佐賀大学科目等履修生規程に定めるところにより、科目等履修
生を受け入れている。[E.1]
しろまる 佐賀大学リージョナル・イノベーションセンターの実施する「高度技術研修
ものづくり技術者育成講座」で、県内及び周辺地域企業の支援を目的とした技術
者向けの講習プログラムとして、理工学部教員が講師を務め「高校から大学への
化学コース」
「分析化学コース」
「表面化学工学コース」
「化学工学コース」
「表
面工業化学コース」「環境保全コース」「有機材料化学コース」「実践電気計測」
「実践エレクトロニクス」「電気電子コース」などの講義を実施している。
2018 年度の受講者数は、
「電気電子コース」2名、
「表面工業化学コース」4名、
「環境保全コース」5名、「高校から大学への化学コース」4名であった。
2019 年度の受講者数は、
「電気電子コース」13 名、
「有機材料化学コース」7名、
「化学工学コース」8名であった。[E.1]
しろまる 自分の将来を考え始める中学生時代に大学での様々な専門分野の興味深い授
業を受けることによって、学問的な探究の芽を育てるとともに、将来について考
える機会を与えることを目的に、年1回開催されている附属中学校生徒対象の講
座「大学の授業を受けてみよう」にて理工学部教員が授業を実施している。附属
中学校の1〜3年の全生徒(約 480 名)が希望の授業を選択し、受講した生徒は
メモを取りながら熱心に聴講した。(別添資料 7508-iE-3)[E.1]
しろまる 2021 年度から必修化される中学校でのプログラミング教育を展望し、
「大学の
授業を受けてみよう」の中で教育学部附属中学校の生徒を対象としたプログラミ
ング研修講座を実施した。研修講座には生徒 33 名、教員1名の参加があり、参加
者や生徒の保護者からも良好な評価を得た。[E.1]
しろまる 佐賀県がものづくりや科学に親しみ、楽しむことができるイベントとして主催
する
「SAGAものスゴフェスタ」
に佐賀大学理工学部化学部門から出展し、2017年から毎年4つのテーマの体験実験を提供している。「SAGAものスゴフェス
タ」の来場者数は右肩上がりで伸びており、2018 年は2日間で2万人以上の方が
来場した。(別添資料 7508-iE-4)[E.1]
佐賀大学理工学部 教育活動の状況
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しろまる 2020 年度から順次開始される小中高校でのプログラミング教育の必修化を展
望し、中堅教諭等資質向上研修として佐賀市内の小学校、中学校、高校、特別支
援学校の教員を対象としたプログラミング研修講座を実施した。研修講座には9
名の参加があり、参加者からも良好な評価を得た。(別添資料 7508-iE-5)[E.1]
しろまる 2017 年度佐賀大学市民講演会「重力波とその未来」を 2018 年1月に理工学部
にて開催し、物理科学専攻の3名の教員が一般市民に向けた講演を行った。本講
演会には小学生から 70 才代まで幅広い年齢層の約 120 名の参加があり、市民の
方々の関心の高さがうかがえた。(別添資料 7508-iE-6)[E.0]
しろまる 「宇宙を学べる大学 in 九州 2019」を 2019 年6月に佐賀県武雄市の佐賀県立
宇宙科学館(ゆめぎんが)で、理工学部と佐賀県立宇宙科学館の共催で開催し、
宇宙や天文を学ぶことのできる九州とその周辺の大学の教員が一堂に会し、研究
室紹介や講演会などを実施した。参加者は 83 名で、参加者からは「ワクワクし
た。」といった感想があった。(別添資料 7508-iE-7)[E.0]
佐賀大学理工学部 教育成果の状況
- 8-20 -
分析項目II 教育成果の状況
<必須記載項目1 卒業(修了)率、資格取得等>
【基本的な記載事項】
・ 標準修業年限内卒業(修了)率(別添資料 7508-ii1-1)
×ばつ1.5」年内卒業(修了)率(別添資料 7508-ii1-1)(再掲)
・ 指標番号 14〜20(データ分析集)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 教員免許取得者数は、2016 年度から 2018 年度において、単年度当たり中学校
免許で平均 27.3 名、高等学校で免許平均 50.0 名となっている。また、JABE
E認定プログラムを有する4学科により、単年度当たり 300 名程度のプログラム
修了生を社会に送り出す体制となっている。さらに、指定学科卒業により与えら
れる毒劇物取扱責任者の他、学外の資格取得も継続的に認められている。(別添
資料 7508-ii1-2) [1.2]
しろまる 2016 年度から 2018 年度において、単年度当たり学会講演発表数は平均 102.7
件、
発表論文数が平均 12.0 件、
受賞件数が平均8件である。
(別添資料 7508-ii1-
3) [1.2]
しろまる 1年生前学期及び2年生後学期に実施している全学統一英語能力テスト(TOEIC)の結果の比較により、
本学における1年半の学習を経ることで 20 点程度
の英語能力の伸長が確認できている。(別添資料 7508-ii1-4)[1.2]
しろまる 外部アセスメント試験である Progress Report on Generic Skills(PROG)
を学士力達成度指標に対する検証用ツールとして試行的に用いており、知識を活
用して問題を解決する力(リテラシー)及び経験を積むことで身についた行動特性(コンピテンシー)
に関する試験を 2016 年度に1年生と3年生に対して実施し
た。
また、
2016 年度の3年生のうち卒業後大学院に進学した学生に対しては、2018年度にも同試験を実施した。2019 年度においては、コンピテンシーに関する試験
を1年生及び4年生に対して実施している。(別添資料 7508-ii1-5〜7) [1.2]
<必須記載項目2 就職、進学>
【基本的な記載事項】
・ 指標番号 21〜24(データ分析集)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 理工学部においては、多様なキャリアパスの提示、企業とのマッチング、各種
インターンシップの実施により、学生の就職支援を行っている。その結果、卒業
生の主な就職先は、製造業、情報通信業、建設業を中心に、学術研究や専門・技
術サービス業、教育・学習支援業となっている。また、卒業生のうち、40%近く
が博士前期課程へと進学している。(別添資料 7508-ii2-1〜4) [2.1]
<選択記載項目A 卒業(修了)時の学生からの意見聴取>
【基本的な記載事項】
・ 学生からの意見聴取の概要及びその結果が確認できる資料
(別添資料 7508-iiA-
1〜7)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 卒業予定者に対する全学的な共通アンケート、JABEE認定プログラムを有
する学科が独自に実施しているアンケート等において、学習成果に関連した設問
項目に対して肯定的な回答が多い。例えば、卒業予定者を対象とする共通アンケ
佐賀大学理工学部 教育成果の状況
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ートにおいては、「あなたは、佐賀大学の教育に満足しましたか?」という設問
項目に対して 80%以上が満足していると回答しており、
本学部が掲げる幅広い教
養と科学・技術の専門的な素養を持ち、社会の広い分野で活躍できる人材を育成
するという目標の達成を支持している。[A.1]
<選択記載項目B 卒業(修了)生からの意見聴取>
【基本的な記載事項】
・ 卒業(修了)後、一定年限を経過した卒業(修了)生についての意見聴取の概
要及びその結果が確認できる資料(別添資料 7508-iiB-1)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 数年に一度を目安に実施している卒業(修了)後一定期間の就業経験等を経た
卒業(修了)生からの意見聴取結果においては、専門的な知識や技術と共に、そ
れらを実践に活かす能力等の設問項目に対して満足度が高くなっており、本学部
が掲げる幅広い教養と科学・技術の専門的な素養を持ち、社会の広い分野で活躍
できる人材を育成するという目標の達成を支持している。[B.1]
<選択記載項目C 就職先等からの意見聴取>
【基本的な記載事項】
・ 就職先や進学先等の関係者への意見聴取の概要及びその結果が確認できる資料
(別添資料 7508-iiC-1〜2)
【第3期中期目標期間に係る特記事項】
しろまる 数年に一度を目安に実施している企業アンケートの結果では、卒業生あるいは
修了生が学習の成果として身につけた能力のうち、専門的な知識や技術と共に、
それらを実践に活かす能力等の設問項目に対して満足度が高くなっており、本学
部が掲げる幅広い教養と科学・技術の専門的な素養を持ち、社会の広い分野で活
躍できる人材を育成するという目標の達成を支持している。[C.1]
佐賀大学理工学部
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【参考】データ分析集 指標一覧
(注記) 部分の指標(指標番号8、12〜13)については、国立大学全体の指標のため、
学部・研究科等ごとの現況調査表の指標には活用しません。
(注記) 部分の指標(指標 11)については、研究活動の状況に関する指標として活用
するため、学部・研究科等ごとの現況調査票(教育)の指標には活用しません。
区分
指標
番号
データ・指標 指標の計算式
1 女性学生の割合 女性学生数/学生数
2 社会人学生の割合 社会人学生数/学生数
3 留学生の割合 留学生数/学生数4正規課程学生に対する
科目等履修生等の比率
科目等履修生等数/学生数
5 海外派遣率 海外派遣学生数/学生数
6 受験者倍率 受験者数/募集人員
7 入学定員充足率 入学者数/入学定員
8 学部生に対する大学院生の比率 大学院生総数/学部学生総数
9 専任教員あたりの学生数 学生数/専任教員数
10 専任教員に占める女性専任教員の割合 女性専任教員数/専任教員数
11 本務教員あたりの研究員数 研究員数/本務教員数
12 本務教員総数あたり職員総数 職員総数/本務教員総数13本務教員総数あたり職員総数
(常勤、常勤以外別)
職員総数(常勤)/本務教員総数
職員総数(常勤以外)/本務教員総数
14 留年率 留年者数/学生数
15 退学率 退学者・除籍者数/学生数
16 休学率 休学者数/学生数
17 ×ばつ1.5年以内での卒業・修了者
数/卒業・修了者数
19 受験者数に対する資格取得率 合格者数/受験者数
20 卒業・修了者数に対する資格取得率 合格者数/卒業・修了者数
21 進学率 進学者数/卒業・修了者数
22 卒業・修了者に占める就職者の割合 就職者数/卒業・修了者数
23 職業別就職率 職業区分別就職者数/就職者数合計
24 産業別就職率 産業区分別就職者数/就職者数合計
4.卒業後の進路
データ
2.教職員データ
3.進級・卒業
データ
1.学生入学・在籍
状況データ

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