佐賀広告協会 | 佐賀新聞

第45回 佐賀広告賞
金・銀・銅賞作品のご紹介

広告とは何か。広告の機能は、基本的に情報を広く世間に宣伝することにあります。そして、その宣伝の目的は、広告主である企業に利益をもたらすことです。これらの定義から考えると、良い広告とは "バズる"もの、すなわち、世間の流行や既存の価値観にしたがってより多くの注目を集め、より強い影響力でより大きな利益をあげるものだと考えられます。

では、こうした"バズる"要素が今回の評価の決め手になったかというと、決してそうではありません。むしろ、そのような既存の価値観から解放されるかのような芸術的要素が各作品の高い評価に繋がったと思われます。

映像・音声メディア部門の『SAGA2024 イメージソングPV「Batons〜キミの夢が叶う時」』は、過去の国体のPV とは大きく異なるイメージを生み出し、全ての人が主役になれるような一体感を演出しました。

また、新聞部門の「いままでも、これからも、最先端」は、先端技術である膜構造の建築物の数々を、平安時代の大和絵のようなタッチで描き、まるで歴史を超越するような佐賀の風景を表現しています。

広告は、経済活動に欠かせない重要な機能と目的を担っています。しかし同時に、広告は、現状の経済合理性には縛られない自由なイメージも表現できます。地域の豊かな未来像を垣間見せる発想力と表現力が、今年の受賞作品の特徴だったように思われます。

佐賀大学 芸術地域デザイン学部 芸術地域デザイン学科 世利幸代

新聞の部

<金賞> 山口産業
【いままでも、これからも、最先端】

佐賀新聞サービス
膜構造の技術で先端的な建設を手がける山口産業の正月広告です。平安時代の大和絵を想起させるイラストレーションが紙面全体に使用されており、時代を超越するようなダイナミックなイメージが、読者の興味を引きつけます。

<銀賞> 佐賀広告センター
【佐賀のHappyは、ここからつくる。】

佐賀広告センター
佐賀広告センターの新卒採用募集広告です。対角線上に大きく上昇するレイアウトが、常に新しいことにチャレンジする動的なイメージを表現しています。その大きなチャレンジの流れの中に1 人ひとりの役割がある。メッセージの明快さと大胆な構図が評価のポイントとなりました。

<銅賞> 富久千代酒造
【創業100周年を迎えて】

佐賀新聞サービス
創業100周年を迎える富久千代酒造の正月広告です。有明海の風景を背景に、「鍋島」のロゴが大きく中央に配置されたシンメトリックな構図には、⻑い歴史の中で培われた高い品質と信頼性が感じられます。

テレビの部

<金賞> 北島
【企業 CM「イメージソング」編】

佐賀広告センター
この優しい歌声のメロディを聴くと「まるぼうろ」を食べたくなるという人も多いのではないでしょうか。昨年はラジオ部門での受賞でしたが、今年はその馴染み深いメロディにぴったりのアニメーションが高く評価され、テレビ部門で金賞受賞となりました。

<銀賞> 五光建設
【五光建設 CM:スマホ祖父編】

エスプロジェクト
建設現場で働く孫の姿を祖父目線で表現した物語形式のCMです。孫の成⻑を喜ぶ1人の祖父の想いから、社会に役立つ仕事の尊さが感じられます。

<銅賞> 佐賀県有明海再生・自然環境課
【北山キャンプ場オープン編】

佐賀広告センター
北山キャンプ場のリニューアルオープンCMです。脊振山地に位置する北部九州最大のキャンプ場として多くのアウトドアファンに期待されています。その期待どおり、家族や友人同士などで気軽に楽しめる雰囲気がよく表現されています。

ラジオの部

<金賞> 佐賀県交通政策課
【さがバスまるっとフリーデー2024】

佐賀広告センター
県内在住者であれば、思わず口ずさんでしまう人も多いのではないでしょうか。そのくらいすっかり耳馴染みのあるメロディになっています。昨年も受賞対象作品になりましたが、今年は満を持しての金賞受賞です。

<銀賞> 福岡商店
【古代ローマ人もコンクリート編】

エンターアイ
コンクリートを扱う建設資材商社のラジオCMです。古代ローマの時代からコンクリートが人々の生活を支えていたという歴史の豆知識が興味をひきます。

<銅賞> 大洋建設
【タイヨウと北風編】

エンターアイ
イソップ童話の「北風と太陽」をモチーフに、建物の大切さをアピールしたラジオCMです。誰もが知る物語を用いて共感を得る工夫が評価に繋がりました。

プリンティングメディアの部

<金賞> 佐賀県文化課
【名護屋城ノベルティ】

佐賀広告センター
名護屋城PRを目的としたグッズデザインの作品です。堅苦しくなりがちな戦国時代の歴史を、トートバッグと缶バッジという身近なグッズで楽しませる工夫が高い評価に繋がりました。

<銀賞> SAGA2024実行委員会(佐賀県SAGA2024施設調整チーム)
【RECIPES FOR ATHLETES 競技者のための食事レシピ集】

エンターアイ
SAGA2024に関連して発行された競技者のための食事レシピ集です。アスリートに必要な栄養やエネルギー量などの情報をわかりやすく表現するUI デザインが高く評価できます。

<銅賞> JR九州ビルマネジメント
【MACHI-HATSUポスター03】

佐賀広告センター
佐賀駅に併設する2つの飲食街を、若者が好みそうな二次元キャラクターで表現するという面白い試みが高い評価に繋がりました。

映像メディアの部

<金賞> 佐賀県 SAGA2024・SSP 推進局SAGA2024企画広報チーム
【SAGA2024イメージソングPV『Batons〜キミの夢が叶う時〜』】

ビープラスト
国体から国スポに変わる第一回目の大会PVにふさわしく、視聴者をワクワクさせるような元気のある音楽と映像になっています。スポーツをやる人、支える人、見る人の一体感がよく演出されています。

<銀賞> 鮮商事
【味工房 歳香亭 PR 動画】

ビープラスト
呼子のイカは、佐賀グルメを代表する重要な海産物です。そのイカの美味しさや新鮮さを保つための「瞬間冷凍」の技術が、インパクトのある映像で表現されており、見る人を圧倒する内容になっています

<銅賞> 佐賀県農業経営課
【佐賀農業、これまでの 50 年とこれからの 50 年】

ビープラスト
佐賀県の農作物の美味しさは、県⺠であれば皆知っていることでしょう。しかし、その背景にある農家の方の努力を知っている人は少ないのではないでしょうか。農家の方ご自身の言葉で語られる農業の進化の歴史は大変興味深く、また貴重な記録ともなりうる映像作品です。

Webメディアの部

<金賞> 佐賀県建設・技術課
【建設業魅力発信業務 ×ばつ建築】

<銀賞> 中島建設
【中島建設ナナナナナナ 中島建設 HP】

佐賀広告センター
「ナ」という文字の羅列によって強いインパクトを生み出した点が、大きな評価に繋がりました。建設会社の堅いイメージを打ち消し、ひと目見たら忘れられないような楽しさがあります。

<銅賞> 佐賀県窯業技術センター
【いろえ iroe(アプリ)】

ピノー
スマホで有田焼の絵付け体験ができるアプリです。一般的にはまだまだ高級品と思われがちな有田焼ですが、多くの人々に気軽に楽しんでもらいつつ、文化を知ってもらうツールとして期待できるでしょう。