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こうしゅうおおいしつむぎおりもの
河口湖周辺では1000年以上前から織物が織られ、明治、大正のころに改良が重ねられ、現在の大石紬となりました。大石紬は丈夫で軽く柔らかく、綿織物と紬織物の良さを併せもつ独自の風合いがあります。
主な産地
南部留郡富士河口湖町
指定年月日
平成6年10月(山梨県郷土伝統工芸品)
主な原料
玉繭、本繭
甲州大石紬織物の起源は諸説あり、孝謙天皇の御代の甲斐の国司山口沙弥麿が、郡内地方に養蚕と織物を伝えたという説のほか、百済より秦氏一族の者が富士山麓に住んだことにより、河口湖周辺に織物が発達したともいわれています。最も古い郡内地域の織物についての記述は、915(延喜14)年に「絹を朝廷に献上した」と延喜式に記されています。
江戸時代に入ると、1681(天保元)年の減租嘆願についての訴状に「つむぎ」が確認されており、また黄紬の紬が織られたと記されています。
江戸時代末期には租税として物納、富士山を崇拝する富士講などの人々や行商人の手によって広く売り出されるまでに成長しました。明治末から昭和初期の全盛期には、250戸余りの農家により紬が織られ、年間3,400反余りが生産されていました。現在に伝わる技術は、改良が重ねられた明治・大正時代の伝統技法です。
甲州大石紬織物は伝統的手法により、経糸(たていと)を本繭(一匹の蚕が作った正常の繭)から、緯糸(よこいと)を玉繭(二匹の蚕が作った変形した繭)から、すべて座繰り手引きしたものを、一反また一疋に機織りしたものです。
長さを揃えた経糸に緯糸を一段ずつ入れていくことで織物ができあがります。ここでは経糸と緯糸の工程方法を紹介します。
経糸制作工程
繭を選別する
※(注記)本繭を使用
繭を煮て解しやすくする
繭から糸を引く
必要な太さにあわせて複数本の糸を揃えて引き合わせる
糸に撚りをかける
経糸の長さを一定にする
膠質を取り除く
天然・化学染料で糸を染める
糸に布海苔を付ける
糸をよくはたいて空気を入れる
経糸を揃え、乾燥させる
経糸に縦縞の模様を作る
巻き取りのため仮の筬に糸を通す
男巻きに経糸を巻きつける
縦糸を上下させるための綜こうに糸を通す
経糸を打ち込むための筬に糸を通す
織機に経糸を固定する
緯糸制作工程
繭を選別する
※(注記)玉繭を使用
繭を鍋で煮て解しやすくする
17〜18粒の繭から糸を引く
必要な太さにあわせて複数本の糸を揃えて引き合わせる
糸に撚りをかける
緯糸を糸繰りの枠より大きい枠に巻き替える
膠質を取り除く
天然・化学染料で糸を染める
糸に布海苔を付ける
糸をよくはたいて空気を入れる
糸を揃え、乾燥させる
緯糸を管に巻く
製織工程
織機に固定した経糸に投げ杼(ひ)で緯糸を入れ、筬を打ち付け織っていく
大石紬手織組合(大石紬伝統工芸館)
住所
山梨県南都留郡富士河口湖町大石1438-1
電話番号
0555-76-7901
ファクス番号
0555-76-7901
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