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ふじかつやますずたけこうげいひん

富士勝山スズ竹工芸品

微香が胸をくすぐる繊細な竹細工

富士勝山スズ竹工芸品はその名の通り、富士山二合目付近に自生しているスズ竹を使っています。細かい目としなやかな曲線を描くザルや籠は、繊細でありながらしっかりとしていて、実用品としてもインテリアとしても人気です。

  • 主な産地

    南都留郡富士河口湖町

  • 指定年月日

    平成10年8月(山梨県郷土伝統工芸品)

  • 主な原料

    スズ竹

歴史

江戸時代の1814年(文化11年)に完成した地誌「甲斐国志」の巻之百二十三に「篠(スズ)、富士の北麓ニ叢生スルヲ、本栖、精進西湖諸村ノ里人苅リテ河内領、郡内領ニ担販ス箕(ミ)、笊籬(イザル)、魚籃(ビク)ヲ造ル具ナリ」とあることから、それ以前に富士山からスズ竹を取って、ザルや籠を作っていたことがうかがえます。
以来、現在まで、原料から技法に至るまで作り手に受け継がれています。

特徴

  • 材料となるスズ竹は、富士山2合目付近に自生しているもので、しなやかで香りが良いところが特徴です。全て手作業で作られる富士勝山スズ竹工芸品は、独特の温もりが感じられます。

  • 編み上がったばかりの青緑色から、使ううちに飴色に変化していきます。

技術・技法

作るものの形・大きさや編む箇所によって、スズ竹の割り方や厚みを調整し、竹が柔らかいうちに手際よく編み上げていきます。

(1)スズ切り

富士山2合目付近に自生しているスズ竹を切り出す

(2)スズ割り

スズ竹を割り包丁で4つ又は6つに割る

(3)ヘギ引き

割ったスズ竹の肉の部分をヘギ引き包丁を使って削る

(4)ヘゴかけ

直径の異なる穴をあけた鉄板にヘゴを通し、幅を揃える

(5)ブッコミ(網代編み)

縦ヒゴを3本ずつ水平・垂直に組み、ザルの底を作る

(6)三つ上げ

丸底にするため、縦ヒゴを放射状にモジリ編みして広げる

(7)シッパ作り

モジリ編みしたヘゴを2本ずつ上げ下げして編んでいく

(8)腰入れ

底を平らにするとともに、立ち上がりを綺麗にする

(9)胴編み

縦ヒゴを曲げながら腰を立てて、ザルの側面を編む

(10)縁どめ

縦ヒゴを曲げて留める

(11)縁巻き

縁巻きヘゴ(新竹のヘゴ)を使い縁を巻いて仕上げる

(12)完成

細かい目で編まれたスズ竹工芸品が完成

生産者紹介

富士勝山スズ竹伝統工芸センター

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