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こうしゅういんでん
山梨県に400年以上も前から伝わる革工芸品。鹿革に漆で模様付けする独特な加工方法は、使い込むほどに風合いが増し、愛着のある逸品に。鞄や財布、小物入れなど様々な製品が作られています。
主な産地
甲府市
指定年月日
平成6年10月(山梨県郷土伝統工芸品)、昭和62年4月(国指定の伝統的工芸品)
主な原料
鹿革、漆
甲州印伝の特徴は、鹿革に漆で模様を付ける伝統技法にあります。鹿革は、手に馴染む柔軟性と強度を備えていることから武具にも使われ、戦国時代には、燻(ふすべ)や更紗(さらさ)技法を用いた鎧や兜が武将たちの勇姿を飾ってきました。
印伝の由来は、寛永年間(1624〜1643年)に来航した外国人により、印度(インド)装飾革が幕府に献上された際に名づけられたと伝えられています。その後、国産化された製品を印伝と呼ぶようになりました。貞享二(1685)年刊の京都の地誌である『京羽二重』や十返舎一九の「東海道中膝栗毛」(1802年)のなかに「印伝」の記述があることから、江戸時代には各地で製造されたと思われますが、現在、製法が伝わっているのは甲州印伝のみとなっています。
甲州印伝の起源は、1854(嘉永七)年、「甲府買物独案内」に記述があることから、江戸末期には産地が形成されていたと見られています。明治期になると、信玄袋や巾着袋等が内国勧業博覧会において褒章を得るなど、山梨の特産品としての確固たる地位を築きました。また、大正期にはハンドバッグ等も製作され製品も多様化し、現在に至ります。
柔らかく丈夫で軽い鹿革でできた袋物は、使い込むほど手に馴染み、愛着が増します。また漆で施された紋様は時が経つほど色が冴え、深みのある落ち着いた光沢を放ちます。
印伝には鹿革に漆で柄を付ける「漆付け技法」、鹿革をいぶして色付けする「燻べ技法」、色漆の一色ごとに型紙で色を重ねる「更紗技法」があります。
漆付け技法・更紗技法
鹿革の表面をヤスリ等で整え、漆のノリが良くなるように加工し、染色機械で染色
製作する製品に合わせ、大まかな形に裁断
●くろまる漆置き(漆付け技法)・・・鹿革の上に手彫りされた型紙を重ねヘラを用いて漆を刷りこみ模様づけする
●くろまる更紗(更紗技法)・・・・手彫りされた型紙を一色ごとに用い、鹿革に顔料で模様づけする
柄付けした印伝革を本裁断し、製品の形に縫製
ふすべ技法
鹿革に紋様となる麻糸を巻き付けたらタイコに貼り、藁を炊いて、その煙で鹿革をいぶし黄褐色に染める
製品に合わせた裁断を行う
再び鹿革をタイコに貼り、藁を炊いて、その煙で鹿革をいぶし黄褐色に染める
絵付けした印伝革を本裁断し、製品の形に縫製
甲府印伝商工業協同組合
住所
山梨県甲府市川田町アリア201
電話番号
055-220-1660
ファクス番号
055-220-1666