地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
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第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第1章 総則
第2章 津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速
な救助
第3章 時間差発生等における円滑な避難の確保等
第4章 関係者との連携協力の確保
第5章 地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備
第6章 防災訓練
第7章 地震防災上必要な教育及び広報
第8章 津波避難対策緊急事業計画
第9章 南海トラフ地震防災対策計画
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第1章 総則
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第1章 総則
第1節 推進計画の目的
第2節 地震防災対策推進地域及び津波避難対策特
別強化地域
第3節 防災関係機関が地震発生時の災害応急対策
として行う事務又は業務の大綱
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第1章 総則
第1節 推進計画の目的 第2節 地震防災対策推進地域及び津波避難対策特別強化地域
第3節 防災関係機関が地震発生時の災害応急対策として行う事務又は業務の大綱
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第1節 推進計画の目的
本計画は、
南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成 14 年法律第 92 号。
以下「南海トラフ特措法」という。)第5条第2項の規定に基づき、南海トラフ地震防災対策推進地
域について、南海トラフ地震に伴い発生する津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速な救助に
関する事項、南海トラフ地震に関し地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備に関する事項等を定
め、大分県における南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進を図ることを目的とする。
なお、この推進計画に定めのない事項については、本編第1部から第4部によるものとする。
第2節 地震防災対策推進地域及び津波避難対策特別強化地域
1 地震防災対策推進地域(平成 26 年3月 31 日内閣府告示第 21 号)
南海トラフ特措法第3条第1項で規定する南海トラフ地震対策推進地域は、大分市、別府市、
中津市、佐伯市、臼杵市、津久見市、竹田市、豊後高田市、杵築市、宇佐市、豊後大野市、由布
市、国東市、姫島村、日出町、九重町である。
2 津波避難対策特別強化地域(平成 26 年3月 31 日内閣府告示第 22 号)
南海トラフ特措法第 10 条第1項で規定する南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域は、
大分
市、佐伯市、臼杵市、津久見市である。
第3節 防災関係機関が地震発生時の災害応急対策として行う事務又は業
務の大綱
大分県の地震防災に関する、県、市町村、指定地方行政機関、自衛隊、指定公共機関、指定地方公
共機関及び公共的団体その他防災上重要な施設の管理者が処理すべき事務又は業務の大綱は、「第
1部第5章 防災関係機関の処理すべき事務又は業務の大綱」に準じるものとする。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第2章 津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速な救助
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第2章 津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅
速な救助
第1節 津波からの防護のための施設の整備等
第2節 津波に関する情報の伝達等
第3節 津波対策等
第4節 消防機関等の活動
第5節 水道、電気、ガス、通信、放送各事業者の
対応
第6節 交通対策
第7節 県が自ら管理又は運営する施設に関する対策第8節 迅速な救助
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第2章 津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速な救助
第1節 津波からの防護のための施設整備等 第2節 津波に関する情報の伝達等
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第1節 津波からの防護のための施設の整備等
河川、海岸、港湾及び漁港の管理者は、地震が発生した場合は直ちに、水門及び閘門の閉鎖、工事
中の場合は工事の中断等の措置を講ずるものとする。
また、各施設の管理者等は、
「第2部第2章 災害に強いまちづくり」を推進するとともに、次の
事項について留意するものとする。
1 津波防護施設の早期点検・計画的な整備
海岸・河川・港湾施設・漁港等の施設管理者は、津波による被害を防止・軽減するため、大きな
津波が来襲するおそれのある地域において、防潮堤、堤防、水門等の津波防護施設の計画的な整
備を実施するものとする。また、既存の津波防護施設については早急な耐震点検を実施し、重点
箇所を絞って計画的な補強・整備を実施するものとする。
2 水門等の自動化・遠隔操作化の推進等
海岸・河川・港湾施設・漁港等の施設管理者は、地震発生時に多数の水門や陸閘の閉鎖を迅速
かつ確実に行うため、水門等の自動化・遠隔操作化を推進するものとする。
また、水門等の開閉体制、開閉手順、平常時の管理方法等の確立及び定期的な開閉点検、開閉
訓練等の実施に努めるものとする。この場合において、水門等の閉鎖に係る操作員の安全管理に
配慮するものとする。
内水排除施設等については、災害発生に備えて、施設の管理上必要な操作の熟知、非常用発電
装置の準備、定期的な点検等の措置を講ずるものとする。
3 地域の孤立を防止する津波防災性の高い交通基盤施設の整備
地震発生時に地域が孤立することを防止するため、津波来襲時にも幹線道路としての機能を担
う道路等や緊急活動に重要な役割を果たすヘリコプター臨時発着場、港湾、漁港等の基盤施設の
整備を推進するものとする。
なお、ヘリコプターの運用等に関する事項は、「第3部第2章第9節 防災ヘリコプターの運
用体制の確立」によるものとする。
第2節 津波に関する情報の伝達等
1 気象庁が発表する地震・津波情報の収集及び関係機関への伝達、災害情報や被害情報の収集・
伝達については、「第3部第2章第4節 気象庁が発表する地震・津波情報の収集及び関係機関
への伝達」及び「第3部第2章第5節 災害情報・被害情報の収集・伝達」によるものとする。
なお、通常使用している情報伝達網が地震・津波の影響により寸断される可能性があることを
十分考慮し、代替の経路及び方法も確立しておくものとする。
2 県及び市町村は、管轄区域内の居住者、各種団体(以下「居住者等」という。)及びその管轄区
域内に一時滞在する観光客、釣り客、海水浴客、ドライバー等(以下「観光客等」という。)並びに
防災関係機関に対し、津波に関する情報が迅速・正確・広範に伝達されるよう、県民安全・安心メ
ール、各市町村の防災情報提供メール、携帯電話事業者が提供する緊急速報メール、同報無線の
整備及びそのデジタル化の推進、学校等における情報端末の設置、インターネット(県庁ホーム
ページやX、フェイスブック等のソーシャルメディア)の利用、コンビニエンスストア、郵便局
等の地域スポットの活用、報道機関との連携など、様々な情報収集・伝達手段の強化を図るもの
とする。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第2章 津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速な救助
第3節 津波対策等 第4節 津波対策等 第5節 水道、電気、ガス、通信、放送各事業者の対応
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第3節 津波対策等
津波から迅速に避難するための、緊急避難場所・避難路等の整備、居住者等の避難対策、消防団
員等の防災業務従事者の安全確保対策、避難所の維持・運営、津波避難のための意識啓発は、「第
2部第4章第3節 津波からの避難に関する事前の対策」によるものとする。
その他避難対策に関する事項は、「第3部第3章第2節 地震・津波に関する避難の指示等及び
誘導」及び「第3部第4章第1節 避難所運営活動」によるものとする。
第4節 消防機関等の活動
1 市町村は、消防機関及び水防団が津波からの円滑な避難等のために講ずる措置について、次の
事項を重点としてその対策を定めるものとする。
(1)津波警報等の情報の的確な収集及び伝達
(2)津波からの避難誘導
(3)土嚢等による応急浸水対策
(4)自主防災組織等の津波避難計画作成等に対する指導
(5)救助・救急等
(6)緊急消防援助隊等応援部隊の進出・活動拠点の確保
2 県は、市町村の実施する消防及び水防活動が迅速かつ円滑に行われるよう、次の措置を講ずる
ものとする。
(1)地震が発生した場合、津波からの迅速かつ円滑な避難等について、報道機関の協力を得て住
民等に対し広報を行うこと。
(2)地震が発生した場合、緊急消防援助隊等の活動拠点の確保に係る調整、消火薬剤、水防資機
材等、県が保有する物資、資機材の点検、整備及び流通在庫の把握を行うこと。
3 地震が発生した場合、水防管理団体等は、次の措置をとるものとする。
(1)所管区域内の監視、警戒及び水防施設の管理者への連絡通知
(2)水門、閘門及び防潮扉の操作又は操作準備並びに人員の配置
(3)水防資機材の点検、整備及び配備
第5節 水道、電気、ガス、通信、放送各事業者の対応
1 水道
津波からの円滑な避難を確保するため、水道管の破損等による二次災害を軽減させるための措
置をとるものとする
2 電気
電気事業者は、津波から円滑な避難を確保するため、火災等の二次災害防止のための利用者に
よるブレーカーの開放等の措置に関する広報を実施するものとする。
また、電気が、津波警報等の伝達や夜間の避難時の照明の確保等、円滑な避難を行うために重
要なことから、電力供給のための体制確保等必要な措置を講じるとともに、災害応急活動の拠点
等に対して電力を優先的に供給するための方策を検討するものとする。
3 ガス
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第2章 津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速な救助
第6節 交通対策
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ガス事業者は、津波からの円滑な避難を確保するため、火災等の二次災害防止のための利用者
によるガス栓閉止等必要な措置に関する広報を実施するものとする。
4 通信
電気通信事業者は、
津波警報等の確実な伝達のために必要な通信を確保するため、
電源の確保、
地震発生後の輻輳時の対策等の措置を講じるものとする。
また、災害用伝言ダイヤル等の安否確認手段の普及に努めるものとする。
5 放送
(1)テレビ、ラジオ等の放送は、居住者等及び観光客等への情報の正確かつ迅速な伝達のために
不可欠のものである。
このため、放送事業者は、津波に対する避難が必要な地域の居住者等及び観光客等に対して
は、大きな揺れを感じたときは、津波警報等が発表される前であっても津波に対する注意喚起
に努めるとともに、津波警報等の正確かつ迅速な報道に努めるものとする。
(2)放送事業者は、県、市町村及び防災関係機関と協力して、被害に関する情報、交通に関する
情報、ライフラインに関する情報、津波情報など、防災関係機関、居住者等及び観光客等が津
波からの円滑な避難活動を行うために必要な情報の提供に努めるものとする。その際、聴覚障
害者等の情報入手に資するよう、テレビにおける字幕放送等の活用に努めるものとする。
(3)放送事業者は、災害発生後も円滑に放送を継続し、津波情報等を放送出来るよう、あらかじ
め必要な要員の配置、施設等の緊急点検その他の被災防止措置を講ずるものとする。
第6節 交通対策
1 道路
大分県公安委員会及び道路管理者は、津波来襲のおそれのあるところでの交通規制、避難路に
ついての交通規制の内容を、広域的な整合性に考慮しつつ、あらかじめ計画し、周知するものと
する。
なお、必要に応じて、隣接する県の公安委員会との連絡を密にし、交通規制の整合性を広域的
に確保するものとする。
2 海上及び航空
(1)港湾管理者等は、海上交通の安全を確保するための必要に応じた船舶交通の制限及び津波に
よる危険が予想される地域から安全な海域へ船舶を退避させる等の措置に係る具体的な実施要
領を定め、これに基づき必要な措置を講じるものとする。
(2)空港管理者は、津波の来襲するおそれがある場合、速やかに飛行場の閉鎖を行うとともに、
利用者に対し、津波の来襲のおそれがある旨を周知するものとする。
3 鉄道
鉄道事業者は、地震発生時、走行路線に津波が来襲する危険度が高いと予想される区間がある
場合等は、運行の停止等の措置を講じるものとする。
4 乗客等の避難誘導
港湾・空港・鉄道等の管理者等は、船舶、列車等の乗客や、駅、空港、港湾等のターミナルに滞
在する者に対して、災害発生時に迅速かつ的確な避難誘導が行えるよう、あらかじめ避難誘導計
画等を定めるものとする。
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第2章 津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速な救助
第7節 県が自ら管理又は運営する施設に関する対策
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第7節 県が自ら管理又は運営する施設に関する対策
1 道路
県が管理する道路の管理上の措置は次のとおりである。
(1)津波警報等の情報、ドライバーのとるべき措置を道路利用者に伝達する。
(2)交通状況、工事中箇所、通行止め箇所を把握し、必要に応じて工事中の道路に部ける工事の
中断等の措置を講ずる。
(3)災害発生後、迅速な情報収集を実施するため、重要区間を定め職員による情報収集を宰施す
る。
(4)緊急輸送道路の応急復旧作業担当者に事前配備について連絡・確認する。
(5)応急復旧資機材の保有状況について情報収集・把握する。
(6)警察本部、市町村関係機関と連携協力し、必要な応急対策の措置を講ずる。
2 河川施設
県が管理する河川において、津波警報等が発せられた場合、必要に応じて河川施設の巡視を実
施して状況を把握し、状況に応じて応急対策の措置を講ずるとともに、工事中の箇所がある場合
は中断等の措置をとる。
3 不特定多数の者が出入りする施設
県が管理する庁舎、会館、社会教育施設、社会体育施設、社会福祉施設、博物館、美術館、図書
館、病院、学校等の管理上の措置はおおむね次のとおりである。
なお、
具体的な措置内容は、
施設ごとに第8節の対策計画に準じた計画を策定するものとする。
(1)各施設に共通する事項
イ 津波警報等の来訪者等への情報伝達
情報伝達に当たっては、特に以下の事項について留意するものとする。
(イ)来場者等が極めて多数の場合は、これらの者が円滑な避難行動をとり得るような適切な
伝達方法を検討すること。
(ロ)避難地や避難経路、避難対象地区、交通規制状況その他必要な情報を併せて伝達するよ
う事前に検討すること
なお、施設が海岸近くにある場合には、強い地震を感じたとき、または弱い地震であっ
ても長いゆっくりとした揺れを感じたときには、津波警報が発表される前であっても、直
ちに避難するよう来場者等に対し、伝達する方法を明示すること。
ロ 来訪者等の安全確保のための退避等の措置
ハ 施設の防災点検及び設備、備品等の転倒、落下防止の措置
ニ 出火防止の措置
ホ 水、食料等の備蓄
へ 消防用設備の点検、整備
ト 非常用発電装置の整備、防災行政無線、テレビ、ラジオ、コンピュータなど情報を入手す
るための機器の整備
(2)個別事項
イ 動物園等にあっては、猛獣等の逃走防止の措置
ロ 病院等にあっては、重症患者、新生児等、移動することが不可能又は困難な者の安全確保
のための必要な措置
ハ 学校、職業訓練校、研修所等(以下「学校等」という。)にあっては、次の措置をとるものと
する。
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第2章 津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速な救助
第8節 迅速な救助
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(イ)当該学校等が、所在市町村の定める津波避難対象地区にあるときは、避難の安全に関す
る措置
(口)当該学校等に保護を必要とする生徒等がいる場合(たとえば特別支援学校等)は、これら
の者に対する保護の措置
ニ 社会福祉施設にあっては重度障がい者、高齢者等、移動することが不可能又は困難な者の
安全の確保のための必要な措置
4 災害応急対策の実施上重要な建物に対する措置
(1)災害対策本部等がおかれる庁舎等の管理者は、前3の(1)に掲げる措置をとるほか、次に
掲げる措置をとるものとする。また、災害対策本部等を県が管理する施設以外の施設に設置す
る場合は、その施設の管理者に対し、同様の措置をとるよう協力を要請するものとする。
イ 自家発電装置、可搬式発電機等による非常用電源の確保
ロ 無線通信機等通信手段の確保
ハ 災害対策本部等の開設に必要な資機材及び緊急車両等の確保
(2)県は、市町村地震防災対策推進計画に定める避難場所又は応急救護所の開設に必要な資機材
の搬入、配備に協力するものとする。
(3)県は、市町村が行う屋内避難に使用する建物の選定について、県有施設の活用等協力するも
のとする。
5 工事中の建築物等に対する措置
工事中の建築物その他の工作物又は施設については、原則として工事を中断するものとする。
なお、特別の理由により、津波被害の防災対策を行う場合は、従業員等の安全確保のため津波
からの避難に要する時間に配慮するものとする。
第8節 迅速な救助
1 救助・救急のための体制や車両・資機材の確保
地震発生後の迅速な救助・救急の体制は、
「第3部第3章第4節 救出救助」、
「第3部第3章
第5節 救急医療活動」及び「第3部第3章第5節 消防活動」によるものとする。
また、救命・救助に必要となる車両や資機材の確保・充実については、
「第2部第4章第2節活
動体制の確立」に基づき、計画的に図っていくものとする。
2 自衛隊・海上保安部・警察・消防等実動部隊の応援と連携
自衛隊・海上保安部・警察・消防等実動部隊の応援体制等具体的な活動要領や連携方策は、別
に定める受援計画によるものとする。
3 消防団等における人員確保と車両・資機材や教育・訓練の充実
消防団等の育成・強化については、「第2部第3章第4節 消防団・ボランティアの育成、強
化」、
「第2部第3章第2節 防災訓練」及び「第2部第3章第3節 防災教育」によるものとす
る。
また、救助等のために必要な車両や資機材の充実については、上記1によるものとする。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第3章 時間差発生等における円滑な避難の確保等
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第3章 時間差発生等における円滑な避難の確保等
〇概要
○しろまる南海トラフ地震臨時情報(調査中)が発表された場合における災害応急対策に係る措置
第1節 南海トラフ地震臨時情報(調査中)の伝達等
○しろまる南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合における災害応急対策に係る措置
第1節 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)の伝達、災害警戒本部等の設置等
第2節 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された後の周知
第3節 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された後の災害応急対策の実施状況
等に関する情報の収集・伝達等
第4節 災害応急対策をとるべき期間等
第5節 避難対策等
第6節 消防機関等の活動
第7節 警備対策
第8節 水道、電気、ガス、通信、放送各事業者の対応
第9節 金融
第10節 交通対策
第11節 県が自ら管理又は運営する施設に関する対策
第12節 滞留旅客等に対する措置
○しろまる南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合における災害応急対策に係る措置
第1節 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の伝達、災害警戒本部等の設置等
第2節 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された後の周知
第3節 災害応急対策をとるべき期間等
第4節 県のとるべき措置
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第3章 時間差発生等における円滑な避難の確保等
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○しろまる概要
(1)臨時情報について
南海トラフ沿いでは、1854年の安政東海地震・安政南海地震では約32時間の間隔を置いて
発生し、1944年の昭和東南海地震・1946年の昭和南海地震は約2年間の間隔を置いて発生
している。
このため、最初に発生した地震により被災地域で甚大な被害が発生している状況において、時間
差を置いて再び大きな揺れ・津波が生じた場合を想定し必要な対策を行う。
具体的には、気象庁が、次の「南海トラフ地震臨時情報」を発表した場合、後発地震等に備えて、
災害応急対策を実施する。
発表時間 キーワード 各キーワードを付記する条件
地震発生等
から5〜30
分後
調査中
下記のいずれかにより臨時に「南海トラフ沿いの地震に
関する評価検討会」を開催する場合
○しろまる監視領域内(注1)でマグニチュード 6.8 以上の地震
(注2)が発生
○しろまるひずみ計で南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認
められる変化を観測
○しろまるその他、想定震源域内のプレート境界の固着状態の変化
を示す可能性のある現象が観測される等、南海トラフ地
震との関連性の検討が必要と認められる現象を観測
地震発生等
から最短で
2時間後
巨大地震警戒○しろまる想定震源域内のプレート境界において、モーメントマグ
ニチュード(注3)8.0 以上の地震が発生したと評価し
た場合
巨大地震注意○しろまる監視領域内において、モーメントマグニチュード 7.0 以
上の地震(注2)が発生したと評価した場合(巨大地震
警戒に該当する場合は除く)
○しろまる想定震源域内のプレート境界において、通常と異なるゆ
っくりすべりが発生したと評価した場合
調査終了
○しろまる(巨大地震警戒)、(巨大地震注意)のいずれにも当て
はまらない現象と評価した場合
(注1) 南海トラフの想定震源域及び想定震源域の海溝軸外側 50km 程度までの範囲。
(注2) 太平洋プレートの沈み込みに伴う震源が深い地震は除く。
(注3) 断層のずれの規模(×ばつ岩石の硬さ)をもとにして計算し
たマグニチュード。従来の地震波の最大振幅から求めるマグニチュードに比べて、巨大地震
に対しても、その規模を正しく表せる特徴を持っている。ただし、このマグニチュードを求
めるには若干時間を要するため、気象庁が地震発生直後に発表する津波警報等や地震情報に
は、地震波の最大振幅から求められる気象庁マグニチュードを用いている。
(2)基本方針
確実に死者を出さないためには、事前避難は有効であるが、一方で、後発地震がいつ発生するか
判然としない中、県民の日常生活や企業活動が必要以上に萎縮することは防がなければならない。
そのため、県民の意見を十分に反映させ、人命優先の施策と日常生活維持とのバランスのとれた対
策を行う。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第3章 時間差発生等における円滑な避難の確保等
○しろまる南海トラフ地震臨時情報(調査中)が発表された場合における災害応急対策に係る措置
○しろまる南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合における災害応急対策に係る措置
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○しろまる南海トラフ地震臨時情報(調査中)が発表された場合における災害応急
対策に係る措置
第1節 南海トラフ地震臨時情報(調査中)の伝達等
南海トラフ地震臨時情報(調査中)が発表された場合、県は、速やかに関係部局長会議又は県災
害対策本部会議が開催できるよう情報収集を開始する。
この場合の情報の収集・伝達に係る関係者
の役割分担や連絡体制は以下のとおり。
(1)情報の収集・伝達における県、市町村関係機関の役割については、
「第3部第2章第4節 気
象庁が発表する地震・津波情報の収集及び関係機関への伝達」による。
(2)国、関係機関、市町村等との連絡体制図については、
「第3部第2章第5節 災害情報・被害
情報収集・伝達」による。
(3)県は、県災害警戒本部を設置するとともに、すみやかに関係部局長会議を開催し今後の対応を確
認する。
○しろまる南海トラフ地震臨時情報
(巨大地震警戒)
が発表された場合における災害
応急対策に係る措置
第1節 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)の伝達、災害警戒本部等
の設置等
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合の情報の収集・伝達に係る関係者の
役割分担や連絡体制は以下のとおり。
(1)情報の収集・伝達における県、市町村関係機関の役割については、
「第3部第2章第4節 気
象庁が発表する地震・津波情報の収集及び関係機関への伝達」による。
(2)国、関係機関、市町村等との連絡体制図については「第3部第2章第5節 災害情報・被害
情報収集・伝達」による。
(3)県は、県災害警戒本部を設置するとともに、すみやかに関係部局長会議を開催し今後の対応
を確認する。ただし、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)の発表の前に、既に県災害対策
本部が設置されているときは、関係部局長会議の開催に代えて、県災害対策本部会議を開催す
る。
第2節 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された後の周知
県は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)の内容、交通に関する情報、ライフラインに関す
る情報、
生活関連情報など地域住民等に密接に関係のある事項について
「第3部第2章第17節 広
報活動・災害記録活動」により周知する。
第3節 南海トラフ地震臨時情報
(巨大地震警戒)
が発表された後の災害応
急対策の実施状況等に関する情報の収集・伝達等
県は、災害応急対策の実施状況、その他南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された
後の諸般の状況を具体的に把握するための情報収集体制や指示事項等の伝達及び災害応急対策に係
る措置の実施状況の報告等については、
「第3部第2章第5節 災害情報・被害情報の収集・伝達」
により体制を整備する。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第3章 時間差発生等における円滑な避難の確保等
○しろまる南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合における災害応急対策に係る措置
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第4節 災害応急対策をとるべき期間等
県は、南海トラフ沿いの想定震源域内のプレート境界におけるM8.0以上の地震の発生から1
週間、後発地震に対して警戒する措置をとる。また、当該期間経過後1週間、後発地震に対して注
意する措置をとる。
第5節 避難対策等
1 地域住民等の避難行動等
国からの指示が発せられた場合において、地域住民等が後発地震が発生してからの避難では、津
波の到達までに避難が間に合わないおそれがある地域として、市町村があらかじめ定めた地域(以
下「事前避難対象地域」という。)並びに事前避難対象地域のうち全ての地域住民等が後発地震の
発生に備え1週間避難を継続すべき地域として、市町村があらかじめ定める地域(以下「住民事前
避難対象地域」という。)及び事前避難対象地域のうち避難行動要支援者に限り後発地震の発生に
備え1週間避難を継続すべき地域(以下「高齢者等事前避難対象地域」という。)については、以下
の方針に則り市町村が定める。
(1)事前避難対象地域等の設定
イ 事前避難対象地域
津波避難対策特別強化地域において地震発生後、30分以内に30cm以上の浸水が生じる
地域を対象とする。ただし、上記地域にかかわらず、市町村の判断で地域の実情に沿って、
事前避難対象地域の対象を拡大することは妨げない。
ロ 住民事前避難対象地域
同地域は設置せず、後発地震発生時には高台(津波避難タワー等を含む)など、その場所や
状況に応じた適切な避難行動をとることを第一とする。
ハ 高齢者等事前避難対象地域
事前避難対象地域を高齢者等事前避難対象地域と同一とする。
後発地震に備えて一定期間避難生活をする避難所、避難経路、避難実施責任者等具体的な避難
実施に係る津波等災害の特性に応じた避難計画については、「第3部第3章第2節 地震・津波
に関する避難の指示等及び誘導」による。
(2)避難情報等
国からの指示が発せられた場合において、市町村は「高齢者等事前避難対象地域」の避難行動要支
援者に対し高齢者等避難の避難情報を発令して避難を促す。すでに大津波警報又は津波警報に伴い
避難指示を発令している場合は、
津波注意報等へ切り替わった後、
高齢者等避難の避難情報を発令し
て、避難場所等から知人宅や指定された指定避難所へ避難させる。
市町村は、上記以外で、土砂災害が発生するおそれや住家の耐震性等に不安を感じる住民の自
主避難についても同様に受け入れを行う。
県と市町村は、
高齢者等事前避難対象地域内の避難行動要支援者に対し、
避難場所、
避難経路、
避難方法及び家族との連絡方法等を平常時から確認し、国からの指示が発せられた場合に速やか
に避難するよう周知する。
県は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合において、県民が日常生活を
行いつつ、地震への備えを再確認(家具等の固定、避難場所・避難経路の確認、家族との安否確
認手段の取決め、家庭等における備蓄の確認等)するよう報道機関や県ホームページなどを通じ
て冷静な対応を呼びかける。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第3章 時間差発生等における円滑な避難の確保等
○しろまる南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合における災害応急対策に係る措置
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2 避難所の運営
避難所の運営については、「第3部第4章第1節 避難所運営活動」による。
市町村は、避難者全員を収容できるよう避難所をあらかじめ確保する。同一市町村で避難所が確保
できない場合、県は、隣接する市町村の避難所、県有施設、民間の宿泊施設等を含めた広域的な受
け入れの調整・支援を行い、避難者全員が収容できるよう支援を行う。
市町村は、避難者が避難中に生活に困らないようにするため必要な食料や日用品を確保する。県
は、市町村の食料等の確保を支援する。この際、後発地震に備えて県備蓄物資は利用せず流通備蓄
を利用する。
第6節 消防機関等の活動
1 市町村は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合において、消防機関及
び水防団が出火及び混乱の防止、津波からの円滑な避難の確保等のために講ずる措置について、
次の事項を重点として、その対策を定める。
(1)津波警報等の情報の的確な収集及び伝達
(2)事前避難対象地域における地域住民等の避難誘導、避難経路の確保
2 県は、市町村の実施する消防及び水防活動が迅速かつ円滑に行われるよう、「第5部第2章第
4節 消防機関等の活動」により措置をとる。
3 水防管理団体等は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合に「第5部第
2章第4節 消防機関等の活動」により措置をとる。
第7節 警備対策
県警察は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合において、犯罪及び混乱の
防止等に関して、次の事項を重点として、措置をとる。
(1)正確な犯罪情報の収集及び伝達
(2)不法事案等の予防及び取締り
(3)地域防犯団体、警備業者等の行う民間防犯活動に対する指導
第8節 水道、電気、ガス、通信、放送各事業者の対応
1 水道
必要な飲料水を供給する体制を確保する。対応については、
「第5部第2章第5節 水道、電気、
ガス、通信、放送各事業者の対応」のとおり。
2 電気
電気事業者は、必要な電力を供給する体制を確保する。対応については、「第5部第2章第5節
水道、電気、ガス、通信、放送各事業者の対応」のとおり。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第3章 時間差発生等における円滑な避難の確保等
○しろまる南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合における災害応急対策に係る措置
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3 ガス
(1)ガス事業者は、必要なガスを供給する体制を確保する。対応については、「第5部第2章第
5節 水道、電気、ガス、通信、放送各事業者の対応」のとおり。
(2)ガス事業者は、ガス発生設備、ガスホルダーその他の設備について、安全確保のための所要
の事項を定めるとともに、後発地震の発生に備えて、必要がある場合には緊急に供給を停止す
る等の措置を講ずる。
4 通信
通信事業者が行う対応は、「第5部第2章第5節 水道、電気、ガス、通信、放送各事業者の対
応」のとおり。
5 放送
テレビ、ラジオ等の放送事業者が行う対応は、「第5部第2章第5節 水道、電気、ガス、通信、
放送各事業者の対応」のとおり。
第9節 金融
日本銀行大分支店は金融業務の円滑な遂行を確保するために要員の配置計画等事前の準備措置を
とる。
第10節 交通対策
1 道路
(1)県は、道路管理者等と調整の上、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場
合の交通対策等の情報についてあらかじめ情報提供する。
(2)県は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合、事前避難対象地域内で
の車両の走行は、極力抑制するようにするものとし周知する。
(3)県警察は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合は、運転者のとるべ
き行動の要領について定め、地域住民等に周知する。
2 海上及び航空
(1)大分海上保安部及び港湾管理者は、津波に対する安全性に留意し、地域別に在港船舶の避難
等対策を行う。
(2)港湾管理者は、津波に対する安全性に留意し、津波による危険が予想される地域に係る港湾
の対策を行う。
(3)空港管理者は、津波に対する安全性に留意し、地震防災対策推進地域内の飛行場における対
策を行う。
また、空港管理者は運航者に対し、必要な航空情報の提供等を行う。後発地震の発生に備え
て応急対策活動の基地として使用するものについては、事前に必要な体制を整備する。
3 鉄道
鉄道事業者は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合、安全性に留意しつ
つ、運行するために必要な対策を行う。
また、津波により浸水する恐れのある地域については、津波への対応に必要な体制をとる。鉄道
事業者は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合の運行規制等の情報につい
てあらかじめ情報提供を行う。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第3章 時間差発生等における円滑な避難の確保等
○しろまる南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合における災害応急対策に係る措置
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第11節 県が自ら管理又は運営する施設に関する対策
1 不特定かつ多数の者が出入りする施設
県が管理する道路、河川、海岸、港湾施設及び漁港施設、庁舎、会館、社会教育施設、社会体育施
設、社会福祉施設、博物館、美術館、図書館、病院、学校等の管理上の措置はおおむね次のとおり。
(1)各施設に共通する事項
イ 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)の入場者等への伝達
<留意事項>
1 来場者等が極めて多数の場合は、これらの者が南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)の発表された際、
とるべき防災行動をとり得るよう適切な伝達方法を検討すること。
2 避難場所や避難経路、避難対象地域、交通対策状況その他必要な情報を併せて伝達す
るよう事前に検討すること。
ロ 入場者等の安全確保のための退避等の措置
ハ 施設の防災点検及び設備、備品等の転倒、落下防止措置
ニ 出火防止措置
ホ 水、食料等の備蓄
ヘ 消防用設備の点検、整備
ト 非常用発電装置、防災行政無線、テレビ、ラジオ、コンピュータなど情報を入手するための
機器の整備
チ 必要に応じた各施設における緊急点検、巡視
(2)個別事項
イ 橋梁、トンネル及び法面等に関する道路管理上の措置
ロ 河川、海岸、港湾施設及び漁港施設について、水門及び閘門の閉鎖手順の確認又は閉鎖等
津波の発生に備えて講じるべき措置
ハ 病院においては、患者等の保護等の方法について、各々の施設の耐震性・耐浪性を十分に
考慮した措置
ニ 学校等にあっては、次に掲げる事項の措置
(イ)児童生徒等に対する保護の方法
(ロ)当該学校等に保護を必要とする児童生徒等がいる場合(特別支援学校等)、これらの者
に対する保護の方法
(ハ)事前避難対象地域内にある場合は、避難経路、避難誘導方法、避難誘導実施責任者等
ホ 社会福祉施設にあっては、次に掲げる事項の措置
(イ)入所者等の保護及び保護者への引き継ぎの方法
(ロ)事前避難対象地域内にある場合は、避難経路、避難誘導方法、避難誘導実施責任者等
なお、具体的な措置内容は施設ごとに別に定める。
2 災害応急対策の実施上重要な建物に対する措置
(1)災害対策本部等が設置される庁舎等の管理者は、1の(1)に掲げる措置をとるほか、次に
掲げる措置をとる。
また、災害対策本部等を県が管理する施設以外の施設に設置する場合は、その施設の管理者
に対し、同様の措置をとるよう協力を要請する。
イ 自家発電装置、可搬式発電機等による非常用電源の確保
ロ 無線通信機等通信手段の確保
ハ 災害対策本部等開設に必要な資機材及び緊急車両等の確保
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第3章 時間差発生等における円滑な避難の確保等
○しろまる南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合における災害応急対策に係る措置
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(2)県は市町村地震防災対策推進計画に定める避難所又は応急救護所の開設に必要な資機材の搬
入、配備に協力する。
(3)県は、市町村が行う屋内避難に使用する建物の選定について、県有施設の活用等協力する。
3 工事中の建築物等に対する措置
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合における工事中の建築物その他の工
作物又は施設については、安全確保上実施すべき措置を行う。
第12節 滞留旅客等に対する措置
市町村は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合における滞留旅客等の保
護等のため、避難所の設置や帰宅支援等必要な対策を定める。
県においては、対策等の結果生じる滞留旅客等に対する具体的な避難誘導、保護並びに食料等の
あっせん、市町村が実施する活動との連携体制等については、「第3部第2章第14節 帰宅困難
者対策」による。
〇南海トラフ地震臨時情報
(巨大地震注意)
が発表された場合における災害
応急対策に係る措置
第1節 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の伝達、災害警戒本部等
の設置等
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合の情報の収集・伝達に係る関係者の
役割分担や連絡体制は以下のとおり。
(1)情報の収集・伝達における県、市町村関係機関の役割については、
「第3部第2章第4節 気
象庁が発表する地震・津波情報の収集及び関係機関への伝達」による。
(2)国、関係機関、市町村等との連絡体制図については、
「第3部第2章第5節 災害情報・被害
情報収集・伝達」による。
(3)県は、県災害警戒本部を設置するとともに、すみやかに関係部局長会議を開催し今後の対応
を確認する。ただし、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表の前に、既に県災害対策
本部が設置されているときは、関係部局長会議の開催に代えて、県災害対策本部会議を開催す
る。
第2節 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された後の周知
県は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の内容、交通に関する情報、ライフラインに関す
る情報、
生活関連情報など地域住民等に密接に関係のある事項について
「第3部第2章第17節 広
報活動・災害記録活動」により周知する。
第3節 災害応急対策をとるべき期間等
県は、南海トラフ沿いの想定震源域内のプレート境界においてM7.0以上M8.0未満又はプ
レート境界以外や想定震源域の海溝軸外側50km程度までの範囲でM7.
0以上の地震
(ただし、
太平洋プレートの沈み込みに伴う震源が深い地震は除く)が発生するケースの場合は1週間、南海
トラフ沿いの想定震源域内のプレート境界面で通常と異なるゆっくりすべりが観測されたケースの
場合はプレート境界面で通常と異なるゆっくりすべりの変化が収まってから、変化していた期間と
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第3章 時間差発生等における円滑な避難の確保等
○しろまる南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合における災害応急対策に係る措置
- 400 -
概ね同程度の期間が経過するまでの期間、後発地震に対して注意する措置をとる。
第4節 県のとるべき措置
県は、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合において、県民が日常生活を
行いつつ、地震への備えを再確認(家具等の固定、避難場所・避難経路の確認、家族との安否確認
手段の取決め、家庭等における備蓄の確認等)するよう報道機関や県ホームページなどを通じて冷
静な対応を呼びかける。
また、県は、施設・設備等の点検等日頃からの地震への備えを再確認する。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第4章 関係者との連携協力の確保
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第4章 関係者との連携協力の確保
第1節 資機材、人員等の配備手配
第2節 他機関に対する応援要請
第3節 帰宅困難者への対応
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第4章 関係者との連携協力の確保
第1節 資機材、人員等の配備手配 第2節 他機関に対する応援要請 第3節 帰宅困難者への対応
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第1節 資機材、人員等の配備手配
県、市町村及び防災関係機関は、災害発生後の応急対策を迅速かつ的確に行うため、食料、飲料
水、生活必需品、応急用・復旧用物資及び資機材等の調達、供給を行うとともに、災害応急対策に
係わる措置を行う要員の配備を実施するものとする。
なお、県から市町村への資機材等の提供、職員の派遣等に関する事項は、「第3部第2章第7節
市町村への支援」によるものとする。
1 物資等の調達手配
県は、市町村等における必要な物資、資機材(以下「物資等」という。)の確保状況を把握し、市
町村等から該当物資等の供給の要請があった場合等は、
当該物資等の供給体制の確保を図るため、
県が保有する物資等の提供の措置及び必要に応じて市町村間のあっせん等の措置、その他所要の
措置をとるものとする。
(1)食料の調達・供給確保に関する事項は、「第3部第4章第3節 食料供給」によるものとす
る。
(2)飲料水の調達・供給に関する事項は、「第3部第4章第4節 給水」によるものとする。
(3)被服寝具その他生活必需品の調達・給与に関する事項は、「第3部第4章第5節 被服寝具
その他生活必需品給与」によるものとする。
2 人員の配備
(1)県は、市町村等における人員の配備状況を把握し、必要に応じて、市町村等への人員派遣等、
広域的な措置をとるものとする。
(2)災害応急対策の実施に必要な技術者、技能者及び労働者の確保に関する事項は、「第3部第
2章第 12 節 技術者、技能者及び労働者の確保」によるものとする。
3 災害応急対策等に必要な資機材及び人員の配置
(1)防災関係機関は、地震が発生した場合において、大分県地域防災計画に定める災害応急対策
及び施設等の応急復旧対策を実施するために、必要な資機材の点検、整備及び配備等の準備を
行うものとする。
なお、機関ごとの具体的な措置内容は、機関ごとに定めるものとする。
(2)応急用・復旧用物資及び資機材の調達・供給に関する事項は、「第3部第2章第 15 節 応急
用・復旧用物資及び資機材調達供給」によるものとする。
第2節 他機関に対する応援要請
甚大な被害が発生し、
応援要請の必要がある場合は、
「第3部第2章第8節 広域的な応援要請」
及び「第3部第2章第 11 節 他機関に対する応援要請」によるものとする。
なお、自衛隊に対する災害派遣要請は、「第3部第2章第 14 節 自衛隊の災害派遣体制の確立」
によるものとする。
第3節 帰宅困難者への対応
地震等の発生により、交通機能が停止し、自宅に帰ることが困難な者に対する対応について、
「第
3部第2章第 14 節 帰宅困難者対策」によるものとする。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第5章 地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備
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第5章 地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第5章 地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備
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地震防災対策上緊急に整備すべき施設等の整備等を計画的に行うものとする。
具体的な事業施行等に当たっては、施設全体が未完成であっても、一部の完成により相応の効果
が発揮されるよう、整備の順序・方法について考慮するものとする。
1 県、市町村及び防災関係機関は、災害発生時の被害軽減のため、次の建築物、構造物等の耐震
化等を計画的に行うものとする。
(1)住宅の耐震診断、耐震改修の推進
(2)公共施設等の耐震診断及び耐震化の推進
イ 学校、病院等多数の者が利用する施設の耐震化
ロ 道路、鉄道、港湾・漁港等主要な施設の耐震化
(3)電気、ガス、上・下水道、通信施設等のライフライン施設の耐震化の推進
2 県、市町村及び防災関係機関は、地震防災対策及び災害発生後の応急対策を実施するうえで、
必要な施設等の整備を行うものとする。整備を行う施設等は次のとおりである。
(1)緊急避難場所等の整備
市町村は、居住者及び観光客等の避難の円滑化と、延焼火災等からの避難者の保護を図るた
め、緊急避難場所、避難所案内標識等の整備を計画的に行うものとする。
(2)避難路の整備
県及び市町村は、居住者等及び観光客等の避難の安全と円滑化を図るため、道路及び緊急避
難場所誘導標識の整備を計画的に行うものとする。
(3)津波対策施設の整備
海岸・河川・港湾施設・漁港等の施設管理者は、津波による被害を防止・軽減するため、津波
防護施設の耐震点検や補強を実施するなど、必要な施設整備を計画的に行うものとする。
(4)消防用施設の整備
県、市町村及び防災関係機関は、多様な災害に対応可能な消防用施設及び消防用資機材の計
画的な整備促進に努める。
(5)緊急輸送を確保するために必要な道路、港湾又は漁港の整備
県、市町村及び防災関係機関は、緊急輸送道路等の整備を計画的に行うものとする。
(6)通信施設の整備
県、市町村及び防災関係機関は、
「第3部第2章第5節 災害情報・被害情報の収集・伝達」
に定める事項に従い、地震防災応急対策を実施するために、次に掲げる通信施設の整備を計画
的に行うものとする。
イ 県防災行政無線
ロ 市町村防災行政無線
ハ その他の防災機関等の無線
(7)緩衝地帯として設置する緑地、広場、その他の公共空地の整備
県内には、石油コンビナート等特別防災区域を有することから、県、大分市及び事業者は、
緩衝地帯として設置する緑地、広場、その他の公共空地の整備を計画的に行うものとする。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第6章 防災訓練
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第6章 防災訓練
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第6章 防災訓練
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県、市町村及び防災関係機関は、関係機関及び自主防災組織等との連携強化を目的として、推進
地域に係る南海トラフ地震を想定した防災訓練を、少なくとも年 1 回以上実施するものとする。
防災訓練の実施に当たっては、「第2部第3章第2節 防災訓練」によるものとする。
その際、地域の実情にあわせて、より高度かつ実践的なものとするよう努めるものとする。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第7章 地震防災上必要な教育及び広報
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第7章 地震防災上必要な教育及び広報
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第7章 地震防災上必要な教育及び広報
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県は、市町村、防災関係機関、地域の自主防災組織等、事業所の自衛消防組織、各種団体等と連携
して、地震防災上必要な教育及び広報を推進するものとする。
なお、防災教育を推進するに当たっては、「第2部第3章第3節 防災教育」によるものとし、
地域、学校、家庭それぞれにおいて、適切に行うことで、被害が最小限となるよう努めるものとす
る。
教育方法としては、ホームページ、印刷物、ビデオ等の映像、各種集会の実施など地域の実情に
合わせた、より具体的な手法により、実践的な教育を行うものとする。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第8章 津波避難対策緊急事業計画
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第8章 津波避難対策緊急事業計画
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第8章 津波避難対策緊急事業計画
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南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域に指定された市町村は、津波の浸水想定に基づき、津
波から避難するために必要な緊急に実施すべき事業をまとめた津波避難対策緊急事業計画を作成す
ることができる。
その際、津波避難対策の推進のために必要な事業が重点的かつ効率的に行われるよう、可能な
限り具体的かつ明確な目標及びその達成期間を設定するものとする。
平成 27 年度に佐伯市が計画し、これに基づき市内に人工高台1か所、津波避難タワー2か所の
整備を完了している。
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第9章 南海トラフ地震防災対策計画
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第9章 南海トラフ地震防災対策計画
地震・津波対策編 第5部 南海トラフ地震防災対策推進計画
第9章 南海トラフ地震防災対策計画
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「第1章第2節 地震防災対策推進地域」に指定された地域内で、水深 30cm以上の浸水が想定
される区域(津波防災地域づくりに関する法律第8条第1項に基づき公表した浸水想定において、
南海トラフ地震を想定した場合の浸水域及び浸水深を基準とする。)において、「南海トラフ地震
に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法施行令(平成 15 年政令第 324 号)第3条各号に掲げ
る施設又は事業を管理し、又は運営する者は、次の事項を定めた対策計画を策定するものとする。
1 津波からの円滑な避難の確保
(1) 共通事項
イ 津波に関する情報の伝達等
ロ 避難対策
ハ 応急対策の実施要員の確保等
(2) 個別事項
イ 病院、劇場、百貨店、旅館その他不特定かつ多数の者が出入りする施設を管理・運営する者(イ)津波警報等の顧客等への伝達
(ロ)顧客等の避難のための措置
(ハ)施設の安全性を踏まえた措置
ロ 石油類、火薬類、高圧ガス等の製造、貯蔵、処理又は取扱いを行う施設を管理・運営する者必要な緊急点検、巡視の実施、充填作業、移替え作業等の停止その他当該施設の損壊防止
のために特に必要がある応急的保安措置の実施等
ハ 鉄道事業その他一般旅客運送に関する事業を運営する者
(イ)津波警報等の旅客等への伝達
(ロ)運行等に関する措置
ニ 学校、社会福祉施設を管理・運営する者
避難場所、避難経路、避難誘導方法、避難誘導実施責任者等
ホ 水道、電気、ガス、通信及び放送事業関係
第2章第5節に準じるものとする。
2 防災訓練
3 地震防災上必要な教育及び広報