結核対策

結核とは

結核菌によって、主に肺に炎症を起こす病気です。重症の結核患者の咳などで結核菌が飛び散り、周りの人がそれを直接吸い込むことで感染します。食器などの物を介して、結核がうつることはありません。また、結核菌は紫外線に弱く、直射日光にさらされると死滅します。

皆様へ知ってもらいたいこと

1.結核に感染しても、すぐに発症するわけではありません。

結核に感染しても、健康で体力があれば、通常は免疫機能が働いて結核菌の増殖が抑えられます。
ところが、栄養状態が悪かったり加齢とともに体力が衰えてきたりすると、結核菌に免疫力が負けて発病します。
とくに高齢者の発病が増えています。

2.発病しても、医師の指示通り毎日薬を飲めば治ります。

もしも、発病したとしても、排菌(咳や痰とともに結核菌が空中に吐き出されること)していない場合は、他の人に感染させる心配はありませんので、入院しなくても通院で治療ができます。
治療の基本は服薬です。ところが、咳が治まったからといって治療の途中で薬をやめてしまうと、菌は薬への耐性を増し、時に薬の効かない多剤耐性菌になることがあります。
必ず、医師の指示を守って服薬を続けてください。

3.定期健康診断、早めの受診

自分自身の健康を守ることはもちろんのこと、家族や友人などへの感染を防ぐためにも、早期発見・早期治療が重要です。風邪かなと思う次のような症状が長く続くようなら、早めに診療を受けてください。

  • 咳が2週間以上続く
  • 痰がでる(痰に血が混ざる)
  • 体がだるい
  • 微熱が続く
  • また、65歳以上の方などは、法令に基づいた定期的な結核健康診断をきちんと受けることが大切です。

結核の定期健康診断

感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)に基づき、次のとおり定期の健康診断が定められています。対象の方は、必ず受けてください。

定期の健康診断の対象一覧(感染症法第53条の2、感染症法施行令第12条)

実施義務者 対象
学校長
  • 大学、高等学校、高等専門学校専修学校、各種学校(修業年限が1年未満のものを除く)
高校以降の年次の者で新たに入学した生徒
事業者
  • 小学校、中学校、高等学校、高等専門学校、大学、短大、専修学校、特別支援学校、その他各種学校(幼稚園を除く)
  • 病院、診療所、助産所
  • 介護老人保健施設
業務に従事する者
施設長
  • 生活保護施設
  • 養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム
  • 障害者支援施設
  • 旧知的障害者援護施設[知的障害者更正施設、知的障害者授産施設、知的障害者通勤寮]
  • 旧身体障害者援護施設[身体障害者更正施設、身体障害者療護施設、身体障害者授産施設]
  • 婦人保護施設
業務に従事する者及び65歳以上の入所者
施設長
  • 刑事施設[拘置所、刑務所]
20歳以上の入所者
市町村
  • 管轄区域に居住する、上記対象以外の65歳以上の者
  • 市町村が特に必要と認める者

≪実施義務者様へ≫
定期の健康診断を実施された場合は、保健所へ報告することとされています。

*報告に関する様式は結核に関する各種申請・届出書類をご覧ください。

結核医療費の公費負担制度

結核患者が治療を受ける場合、感染症法に基づき、結核医療費を一部公費で負担する制度があります。

区分 感染症法第37条 感染症法第37条の2
対象者 結核と診断され、他人に感染させる恐れがあるため、入院勧告により入院している方

結核と診断され、通院治療をしている方及び他人に感染させる恐れはないが入院している方

対象医療 診察・薬剤または治療材料の支給・医学的処置・手術入院など 化学療法・外科的療法・装具療法など
自己負担額 所得税の合算額(年額)により決定
147万円以下:自己負担月額0円
147万円超:自己負担月額2万円
5%

医療機関の皆様へ

1.結核と診断した場合は、直ちに最寄りの保健所への届出が必要です。(感染症法第12条)

結核と診断した場合は、先ず保健所へ電話連絡をお願いします。続けて、結核発生届を作成し、個人が特定される「氏名・生年月日・住所・電話番号等」を塗りつぶし、保健所へファクシミリを送信するとともに、結核発生届の原本は、保健所へ送付してください。

2.結核医療費を一部公費で負担する制度があります。(感染症法第53条の2、感染症法施行令第12条)

公費負担申請に関ししては、保健所へ次の書類等を提出してください。

3.結核患者(治療中)の入退院時には、保健所への届出が必要です。(感染症法第18条)

結核患者が入院または退院した時は、7日以内に結核患者(入院・退院)届出を保健所へ提出してください。

4.結核の治療が終了した際には、保健所までお知らせください。

結核の治療が終了または中止となった場合は、結核患者治療終了届を保健所へ提出してください。

5.医療機関などが変更となる場合は、保健所までご連絡ください。

患者の住所、保険の種別、治療を受ける医療機関に変更があった場合は、医療機関等変更届を保健所へ提出してください。

6.患者票を紛失された場合は、再交付ができます。

患者票を紛失された場合は、保健所へ患者票再交付願を提出してください(申請は病院管理者も可)。

感染症診査協議会 結核診査専門部会

結核専門の医師等で構成する委員が結核公費負担申請内容等を診査します。

保健所における結核対策

1.結核患者管理

結核患者に対して、治療開始から治療終了後2年程度の期間、療養支援をおこないます。また、治療中の服薬支援をおこないます。

2.結核接触者健康診断

結核患者と接触があった方のうち、保健所が必要と認める方について、健康診断をおこないます。

3.普及啓発

結核に関する正しい知識の普及啓発をおこないます。

研修会や出前講座の開催、結核関する資料の提供等もおこないますので、お気軽にご相談ください。

4.結核発生動向調査

結核患者の発生状況等を調査します。得られた発生状況は、全国的な統計資料として利用されます。

各種申請・届出書類

参考

結核に関する資料等

リンク

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