(医療機関向け情報)医療安全対策、検体検査の精度の確保

「医療安全対策」、「検体検査の精度の管理」についてのページです。

医療安全対策(医療法第6条の12)

全ての医療機関は、医療の安全を確保するための指針の策定、従業者に対する研修の実施その他の当該病院等における医療の安全を確保するための措置を講じなければなりません。

検体検査の精度の確保(医療法第15条の2)

全ての医療機関は、その医療機関において検体検査の業務を行う場合は、検体検査の業務を行う施設の構造設備、管理組織、検体検査の精度の確保の方法その他の事項を厚生労働省令で定める基準に適合させなければなりません。

医療安全の確保

(医療法施行規則第1条の11)

全ての医療機関は、次に掲げる医療の安全のための体制を確保しなければなりません。

  • 医療に係る安全管理(医療安全)のための指針の整備
  • 医療安全管理委員会の設置
  • 医療安全管理のための職員研修
  • 医療機関での事故報告等の医療安全の確保を目的とした取組みの実施

医療に係る安全管理(医療安全)のための指針の整備

(医療法施行規則第1条の11第1項第1号)

指針に定めるべき事項

  1. 安全管理に関する基本的な考え方

  2. 医療安全管理委員会(病院・有床診療所)や自施設の、組織に関する基本的事項

  3. 職員に対する医療に係る安全管理のための研修に関する基本方針

  4. 事故報告等の医療に係る安全の確保を目的とした改善のための方策に関する基本方針

  5. 医療事故等発生時の対応に関する基本方針(医療安全管理委員会(無床診療所は管理者)に報告すべき事例の範囲、報告手順を含む。)

  6. 医療従事者と患者との間の情報の共有に関する基本方針(患者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針を含む。)

  7. 患者からの相談への対応に関する基本方針

  8. その他医療安全の推進のために必要な基本方針

医療安全管理委員会の設置

(医療法施行規則第1条の11第1項第1号)

病院、有床診療所、入所設備を有する助産所は必須です。

医療安全管理委員会の基準
  1. 各部門の安全管理のための責任者等で構成すること。
  2. 管理及び運営に関する規定を定めること。
  3. 月1回程度の定期開催、重大問題発生時は適宜開催すること。
医療安全管理委員会の業務
  1. 重大な問題その他医療安全管理委員会において取り扱うことが適当な問題が発生した場合の、速やかな原因の究明のための調査と分析
  2. 上記の分析の結果を活用した医療安全の確保を目的とした改善策の立案と実施
  3. 上記の改善策の実施状況の確認と、必要に応じた改善策の見直し
  4. 「医療安全の業務」、「検討内容の患者への報告状況」の、管理者への報告

医療安全管理のための職員研修

(医療法施行規則第1条の11第1項第3号)

  1. 施設での具体的事例等を取り上げ、職種横断的に行うこと。入院、入所施設を有しない施設の場合は、施設以外での研修受講で代用可能。
  2. 年に2回程度定期的に開催(受講)すること。
  3. 研修の実施内容(開催(受講)日時、出席者、研修項目)を記録すること。

医療機関での事故報告等の医療安全の確保を目的とした取組みの実施

(医療法施行規則第1条の11第1項第4号)

  1. 事故等について、医療安全管理委員会へ報告すること。委員会の設置が無い場合は、管理者へ報告すること。
  2. 医療安全のための指針で定めた報告すべき事例の範囲、報告手順の規定に従い事例を収集、分析すること。
  3. 事例の収集、分析により問題点を把握し、組織としての改善策の立案とその実施状況を評価すること。また、その情報を施設内で共有すること。
  4. 重大事故発生時には、速やかに管理者へ報告すること。また、改善策は、背景要因、根本原因を分析して検討された効果的な再発防止策等を含む。
  5. 事故の報告は、診療録、看護記録等に基づき作成すること。

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院内感染対策

(医療法施行規則第1条の11第2項第1号)

全ての医療機関は、次に掲げる院内感染対策のための体制を確保しなければなりません。

  • 院内感染対策のための指針の策定
  • 院内感染対策委員会の開催
  • 従業者に対する院内感染対策のための研修
  • 感染症の発生状況の報告その他の院内感染対策の推進を目的とした取組みの実施

院内感染対策のための指針の策定

(医療法施行規則第1条の11第2項第1号イ)

指針に定めるべき事項

  1. 院内感染対策に関する基本的な考え方
  2. 院内感染対策委員会(設置する場合)や自施設の、組織に関する基本的事項
  3. 院内感染対策のための職員に対する研修に関する基本方針
  4. 感染症の発生状況の報告に関する基本方針
  5. 院内感染発生時の対応に関する基本方針
  6. 患者等に対する指針の閲覧に関する基本方針
  7. その他の院内感染対策推進のために必要な基本方針

院内感染対策委員会の開催

(医療法施行規則第1条の11第2項)

病院、有床診療所、入所設備を有する助産所は必須です。

  1. 管理及び運営に関する規定を定めること。
  2. 院内感染発生時及び発生が疑われる際の患者への対応状況を含め、重要な検討内容を管理者へ報告すること。
  3. 院内感染が発生した場合は、速やかに発生の原因を分析し、改善策の立案及び実施並びに従業者への周知を図ること。
  4. 月1回程度定期開催するとともに、重大問題発生時は適宜開催すること。
  5. 委員会の委員は、職種横断的に構成すること。

従業者に対する院内感染対策のための研修

(医療法施行規則第1条の11第2項第1号ハ)

  1. 院内感染対策のための基本的考え方及び具体的方策について、個々の従業者の院内感染に対する意識を高め、業務を遂行する上での技能やチームの一員としての意識の向上等を図るものであること。
  2. 当該病院等の実情に即した内容で、職種横断的な参加の下に行われるものであること。
  3. 院内感染に関する内容について、年2回程度定期的に開催するほか、必要に応じて開催すること。
  4. 研修の実施内容(開催又は受講日時、出席者、研修項目)について記録すること。
  5. 患者を入所させるための施設を有しない診療所及び妊産婦等を入所させるための施設を有しない助産所については、当該病院等以外での研修を受講することでも代用できるものとし、年2回程度の受講のほか、必要に応じて受講すること。

感染症の発生状況の報告その他の院内感染対策の推進を目的とした取組みの実施

(医療法施行規則第1条の11第2項第1号ニ)

  1. 院内感染の発生状況を把握するため、当該病院等における感染症の発生動向の情報を共有することで、院内感染の発生の予防及びまん延の防止を図ること。
  2. 重大な院内感染等が発生し、院内のみでの対応が困難な事態が発生した場合、又は発生したことが疑われる場合には、地域の専門家等に相談が行われる体制を確保することが望ましいこと。
  3. 「院内感染対策のための指針」に即した院内感染対策マニュアルを整備する等、その他の院内感染対策の推進のために必要な改善策を図るとともに、それらを定期的に見直すことが望ましいこと。

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医薬品の安全管理

(医療法施行規則第1条の11第2項第2号)

全ての医療機関は、医薬品の使用に際して次に掲げる体制を確保し、医薬品に係る安全管理のための体制を確保しなければなりません。

  • 医薬品安全管理責任者の配置

医薬品安全管理責任者の業務

  • 従業者に対する医薬品の安全使用のための研修の実施
  • 医薬品の安全使用のための業務に関する手順書の作成と医薬品業務手順書に基づく業務の実施
  • 必要な情報の収集、その他の安全使用を目的とした改善のための方策

医薬品安全管理責任者の配置

(医療法施行規則第1条の11第2項第2号イ)

  1. 病院においては管理者との兼務は不可。
  2. 医薬品に関する十分な知識を有する常勤職員であり、医師、歯科医師、薬剤師、助産師(助産所の場合に限る。)、看護師又は歯科衛生士(主として歯科医業を行う診療所に限る。)のいずれかの資格を有していること。

従業者に対する医薬品の安全使用のための研修の実施

(医療法施行規則第1条の11第2項第2号ロ)

下記事項に関する内容を含むこと。

  1. 医薬品の有効性・安全性に関する情報、使用方法に関する事項
  2. 医薬品の安全使用のための業務に関する手順書に関する事項
  3. 医薬品による副作用等が発生した場合の対応(施設内での報告、行政機関への報告等)に関する事項

医薬品の安全使用のための業務に関する手順書の作成と医薬品業務手順書に基づく業務の実施

(医療法施行規則第1条の11第2項第2号ハ)

医薬品の安全使用のための業務に関する手順書の作成

下記の項目について記載すること

  1. 用いる医薬品の採用・購入に関する事項
  2. 医薬品の管理に関する事項など、法令で適切な管理が求められている医薬品(麻薬・向精神薬、覚せい剤原料、毒薬・劇薬、特定生物由来製品等)の管理方法
  3. 患者に対する医薬品の投薬指示から調剤に関する事項(例=患者情報(薬剤の服用歴、入院時に持参してきた薬剤等)の収集、処方せんの記載方法、調剤方法、処方せんや調剤薬の鑑査方法)
  4. 患者に対する与薬や服薬指導に関する事項
  5. 医薬品の安全使用に係る情報の取扱い(収集、提供等)に関する事項
  6. 他施設(病院等、薬局等)との連携に関する事項
  7. 医薬品業務手順書の適時見直し
医薬品業務手順書に基づく業務の実施
  1. 従業者の業務が医薬品業務手順書に基づき行われているか定期的に確認し、確認内容を記録すること。
  2. 従業者による当該業務の実施の徹底のための措置とは、例えば、処方から投薬までの一連の業務手順について、職員間で相互に確認を行うことが考えられる。

必要な情報の収集、その他の安全使用を目的とした改善のための方策

(医療法施行規則第1条の11第2項第2号ニ)

  1. 未承認等の医薬品の使用のための処方状況や採用されている医薬品全般の医薬品の添付文書の情報のほか、医薬品製造販売業者、行政機関、学術誌等からの情報を広く収集し、管理するとともに、得られた情報のうち必要なものは当該情報に係る医薬品を取り扱う従業者に迅速かつ確実に周知徹底を図ること。
  2. 製造販売業者等が行う医薬品の適正な使用のために必要な情報の収集に対して病院等が協力するよう努めること。
  3. 医薬品について、当該品目の副作用等の発生を知った場合において、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働大臣に対して副作用等を報告すること。

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医療機器の安全管理

(医療法施行規則第1条の11第2項第3号)

  1. 全ての医療機関は、医療機器に係る安全管理のための体制を確保しなければなりません。
  2. ここ記載されている医療機器には、医療機関で医学管理を行っている患者の自宅などで使用される医療機器、医療機関に対し貸し出された医療機器も含まれます。
  • 医療機器の安全使用のための責任者(「医療機器安全管理責任者」)の配置

医療機器安全管理責任者の業務

  • 従業者に対する医療機器の安全使用のための研修の実施
  • 医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施
  • 医療機器の安全使用のために必要となる医療機器の使用の情報その他の情報の収集その他の医療機器の安全使用を目的とした改善のための取組みの実施

医療機器の安全使用のための責任者(「医療機器安全管理責任者」)の配置

(医療法施行規則第1条の11第2項第3号イ)

  1. 病院においては管理者との兼務は不可だが、医薬品安全管理責任者等の他の役職との兼務は可。
  2. 医療機器に関する十分な知識を有する常勤職員であり、医師、歯科医師、薬剤師、助産師(助産所の場合に限る。)、看護師、歯科衛生士(主として歯科医業を行う診療所に限る。)、診療放射線技師、臨床検査技師又は臨床工学技士のいずれかの資格を有していること。

従業者に対する医療機器の安全使用のための研修の実施

(医療法施行規則第1条の11第2項第3号ロ)

新しい医療機器の導入時の研修

使用した経験のない新しい医療機器を導入する際には、当該医療機器を使用する予定の者に対する研修を行い、その実施内容について記録すること。体温計・血圧計などの既に使用しており、操作方法等が周知されている医療機器に関しては、この限りではありません。

研修の実施形態
  1. 職員が講師となる研修
  2. 外部講師による研修
  3. 外部研修の受講
  4. 製造販売業者による取扱説明
研修の対象者

対象となる医療機器に携わる職員

研修の内容
  1. 医療機器の有効性・安全性に関する事項
  2. 医療機器の使用方法に関する事項
  3. 医療機器の保守点検に関する事項
  4. 医療機器の不具合等が発生した場合の対応(施設内での報告、行政機関への報告等)に関する事項
  5. 医療機器の使用に関して特に法令上遵守すべき事項
研修の記録
  1. 開催(受講)日時
  2. 出席者
  3. 研修項目
  4. 研修対象の医療機器の名称
  5. 外部研修の受講の場合は、研修を受講した場所

医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施

(医療法施行規則第1条の11第2項第3号ハ)

保守点検計画の策定が必須の医療機器
  1. 人工心肺装置及び補助循環装置
  2. 人工呼吸器
  3. 血液浄化装置
  4. 除細動装置(自動体外式除細動器(AED)を除く)
  5. 閉鎖式保育器
  6. CTエックス線装置(医用X線CT装置)
  7. 診療用高エネルギー放射線発生装置(直線加速器等)
  8. 診療用粒子線照射装置
  9. 診療用放射線照射装置(ガンマナイフ等)
  10. 磁気共鳴画像診断装置(MRI装置)
保守点検計画に記載が必要な事項
  1. 医療機器名
  2. 製造販売業者名
  3. 型式
  4. 保守点検をする予定の時期、間隔、条件等
保守点検記録に記載が必要な事項
  1. 保守点検計画に記載が必要な事項1から3と、医療機器の型番、購入年
  2. 保守点検を行った日時・概要と保守点検者名
  3. 修理を行ったときは、修理の日時・概要と修理者名
  4. CT、MRI装置については、「医療機関における放射線関連機器等の保守点検指針」を踏まえること。

医療機器の安全使用のために必要となる医療機器の使用の情報その他の情報の収集その他の医療機器の安全使用を目的とした改善のための取組みの実施

(医療法施行規則第1条の11第2項第3号ニ)

  1. 医療機器の添付文書、取扱説明書などの管理を行うこと。
  2. 医療機器に関する不具合情報や安全性情報などを収集し、医療機器を使用している者へ提供すること。
  3. 使用している医療機器に関する内外の不具合情報や健康被害情報などを管理者へ報告すること。

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診療用放射線の安全管理

(医療法施行規則第1条の11第2 項第3号の2 )

エックス線装置又は医療法施行規則第24条第1号から第8号の2までのいずれかに掲げるものを備えている診療所の管理者は、診療用放射線に係る安全管理の体制を確保しなければなりません。

  • 診療用放射線の利用に係る安全な管理(以下「安全利用」という。)のための責任者の配置

医療放射線安全管理責任者の業務

  • 診療用放射線の安全利用のための指針の策定
  • 放射線診療に従事する者に対する診療用放射線の安全利用のための研修の実施
  • 放射線診療を受ける者の当該放射線による被ばく線量の管理及び記録その他の診療用放射線の安全利用を目的とした取組みの実施

診療用放射線の利用に係る安全な管理(以下「安全利用」という。)のための責任者の配置

(医療法施行規則第1条の11第2項第3号の2)

  1. 診療用放射線の安全管理に関する十分な知識を有する常勤職員であって、原則として医師及び歯科医師のいずれかの資格を有していること。
  2. 病院等における常勤の医師又は歯科医師が放射線診療における正当化を、常勤の診療放射線技師が放射線診療における最適化を担保し、当該医師又は歯科医師が当該診療放射線技師に対して適切な指示を行う体制を確保している場合に限り、当該病院等について診療放射線技師を責任者としても差し支えない。

診療用放射線の安全利用のための指針の策定

(医療法施行規則第1条の11第2項第3号の2イ)

指針に定めるべき事項

  1. 診療用放射線の安全利用に関する基本的考え方
  2. 放射線診療に従事する者に対する診療用放射線の安全利用のための研修に関する基本的方針
  3. 診療用放射線の安全利用を目的とした改善のための方策に関する基本方針
  4. 放射線の過剰被ばくその他の放射線診療に関する事例発生時の対応に関する基本方針
  5. 医療従事者と患者間の情報共有に関する基本方針(患者等に対する当該方針の閲覧に関する事項を含む。)

放射線診療に従事する者に対する診療用放射線の安全利用のための研修の実施

(医療法施行規則第1条の11第2項第3号の2ロ)

対象者

医師、歯科医師、診療放射線技師等の放射線診療の正当化又は患者の医療被ばくの防護の最適化に付随する業務に従事する者

研修の内容
  1. 患者の医療被ばくの基本的な考え方に関する事項
  2. 放射線診療の正当化に関する事項
  3. 患者の医療被ばくの防護の最適化に関する事項
  4. 放射線の過剰被ばくその他の放射線診療に関する事例発生時の対応等に関する事項
  5. 患者への情報提供に関する事項
研修の形態
  1. 院内での研修
  2. 外部で行われる研修
  3. 関係学会等が主催する研修
頻度

年に1度以上

放射線診療を受ける者の当該放射線による被ばく線量の管理及び記録その他の診療用放射線の安全利用を目的とした取組みの実施

(医療法施行規則第1条の11第2項第3号の2ハ)

  1. 放射線診療を受ける者の医療被ばくの線量管理とは、関係学会等の策定したガイドライン等を参考に、被ばく線量の評価及び被ばく線量の最適化を行うことです。
  2. 次に掲げる放射線診療に用いる医療機器等(以下「管理・記録対象医療機器等」という。)については放射線診療を受ける者の医療被ばくの線量が他の放射線診療と比較して多いことから、被ばく線量を適正に管理すること。
    • 移動型デジタル式循環器用X線透視診断装置
    • 移動型アナログ式循環器用X線透視診断装置
    • 据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置
    • 据置型アナログ式循環器用X線透視診断装置
    • X線CT組合せ型循環器X線診断装置
    • 全身用X線CT診断装置
    • X線CT組合せ型ポジトロンCT装置
    • X線CT組合せ型SPECT装置
    • 陽電子断層撮影診療用放射性同位元素
    • 診療用放射性同位元素
  3. 放射線診療を受ける者の医療被ばくの線量管理の方法は、関係学会等の策定したガイドライン等の変更時、管理・記録対象医療機器等の新規導入時、買換え時、放射線診療の検査手順の変更時等に合わせて、必要に応じて見直すこと。
線量記録
  1. 管理・記録対象医療機器等を用いた診療に当たっては、当該診療を受ける者の医療被ばくによる線量を記録すること。
  2. 医療被ばくの線量記録は、関係学会等の策定したガイドライン等を参考に、診療を受ける者の被ばく線量を適正に検証できる様式を用いて行うこと。なお、下記の帳簿で、当該放射線診療を受けた者が特定できる形で被ばく線量を記録されている場合は、それらを線量記録とすることができます。
    • 医師法(昭和23年法律第201号)第24条に規定する診療録
    • 診療放射線技師法(昭和26年法律第226号)第28条に規定する照射録
    • 被ばく線量が印字されたエックス線写真
    • 診療用放射性同位元素の使用の帳簿
    • 陽電子断層撮影診療用放射性同位元素の使用の帳簿
  3. その他の放射線診療機器等における線量管理及び線量記録について管理・記録対象医療機器等以外の放射線診療機器等であって、人体に照射又は投与するものについても、必要に応じて当該放射線診療機器等による診療を受ける者の医療被ばくの線量管理及び線量記録を行うことが望ましいとされています。
  4. 行政機関、学術誌等から診療用放射線に関する情報を広く収集するとともに、得られた情報のうち必要なものは、放射線診療に従事する者に周知徹底を図り、必要に応じて病院等の管理者への報告等を行うこと。
経過措置

当分の間、「管理・記録対象医療機器等」であって線量を表示する機能を有しないものについては、放射線による被ばく線量の記録を行うことを要しないこと。

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検体検査の業務の適正な実施に必要な基準

(医療法施行規則第9条の7)

  • 検体検査の精度の確保に係る責任者の配置
  • 遺伝子関連・染色体検査の業務を実施する場合は、遺伝子関連・染色体検査の精度の確保に係る責任者の配置
  • 検査機器保守管理、測定、「標準作業書」の整備と、検体検査の業務(以下「検査業務」という。)の従事者への周知
  • 検査機器保守管理、測定作業、「作業日誌」の整備
  • 試薬管理、精度管理、外部精度管理、「台帳」の整備

検査機器保守管理標準作業書及び測定標準作業書については既存のマニュアル等を活用することとして差し支えない。各作業日誌及び各台帳については、作業の内容に応じて整理統合して差し支えない。とされています。

検体検査の精度の確保に係る責任者の配置

(医療法施行規則第9条の7第1号)

  1. 精度の確保に係る責任者の職種は医師又は臨床検査技師(歯科医療機関においては歯科医師又は臨床検査技師、助産所においては助産師。)
  2. 業務経験については、衛生検査所における精度管理責任者(検体検査の業務に係る6年以上の実務経験及び精度管理に係る3年以上の実務経験をもって選任)の場合を参考にすることが望ましい。とされています。

遺伝子関連・染色体検査の業務を実施する場合は、遺伝子関連・染色体検査の精度の確保に係る責任者の配置

(医療法施行規則第9条の7第2号)

  1. 遺伝子関連・染色体検査を行う場合の精度の確保に係る責任者については、医師又は臨床検査技師(歯科医療機関においては歯科医師又は臨床検査技師)のほか、遺伝子関連・染色体検査の専門知識及び経験を有する他の職種も認められています。
    遺伝子関連・染色体検査の専門知識及び経験を有する他の職種の例
    大学院、大学、短期大学、専門学校又は高等専門学校において分子生物学関連科目(分子生物学、遺伝子検査学、細胞遺伝学、人類遺伝学、微生物学、生化学、免疫学、血液学、生理学、病理学、解剖学、動物細胞工学、生物科学等をいう。)を履修した者
  2. 遺伝子関連・染色体検査以外の検体検査の精度の確保に係る責任者との兼任も可能です。

検査機器保守管理、測定、「標準作業書」の整備と、検体検査の業務(以下「検査業務」という。)の従事者への周知

(医療法施行規則第9条の7第3号)

検査機器保守管理標準作業書及び測定標準作業書については既存のマニュアル等を活用することとして差し支えない。とされています。

「検査機器保守管理標準作業書」

医療機器の添付文書、取扱説明書等をもって検査機器保守管理標準作業書とすることが認められています。

「測定標準作業書」

検査項目ごとに、「定義」、「臨床的意義」、「測定方法及び測定原理」、「検査手順(フロー等)」及び「基準範囲及び判定基準」並びに以下の事項について、可能な限り多くのものを盛り込むことが望ましい。とされています。なお、血清分離に関する事項は測定標準作業書に含める必要がありますが、血清分離を行わない病院等にあっては、血清分離に関する事項を含める必要はありません。

  1. 性能特性(測定感度、測定内変動等)
  2. 検査室の環境条件
  3. 検査材料(検体量、採取条件等)
  4. 試薬、機器、器具及び消耗品
  5. 管理試料及び標準物質の取扱方法
  6. 検査の変動要因
  7. 測定上の注意事項
  8. 異常値を示した検体の取扱方法
  9. 精度管理の方法及び評価基準
  10. 参考文献等

検査機器保守管理、測定作業、「作業日誌」の整備

(医療法施行規則第9条の7第4号)

  1. 各作業日誌については、作業の内容に応じて整理統合して差し支えない。とされています。
  2. いずれの作業日誌も記録の頻度としては、検体検査を実施した都度又は週〜月単位が望ましい。とされています。
「検査機器保守管理作業日誌」

保守管理を行う担当者が、以下の項目を記載してください。

  1. 点検日時及び点検実施者名
  2. 各検査機器における保守管理上確認すべき内容
  3. 上記確認すべき事項について特に付記すべき内容
  4. 業者による定期保守点検を受けた場合は、その作業内容、点検を行った業者名等
「測定作業日誌」

下記の項目を記載してください。

  1. 検査項目(細菌顕微鏡検査、感染症免疫学的検査、血球算定検査、総タンパク、総ビリルビン等検査の細項目をいう。)ごとの実施件数
  2. 実施件数の内、検査エラー又は検査不具合の発生件数

試薬管理、精度管理、外部精度管理、「台帳」の整備

(医療法施行規則第9条の7第5号)

各台帳については、作業の内容に応じて整理統合して差し支えない。とされています。

「試薬管理台帳」

下記の項目を記載してください。

  1. 試薬の有効期限
  2. 保管されている試薬の在庫
「統計学的精度管理台帳」

内部精度管理を実施した場合、下記の項目を記載してください。

  1. 実施日 及び実施検査項目
  2. 実施者名
  3. 実施結果(検査エラー値が出た場合の考察等含む。)
「外部精度管理台帳」

外部精度管理を受検した場合、下記の項目を記載してください。また、実施結果(外部精度管理調査実施主体が作成する報告書)をもって代替することも可能です。

  1. 受検日(受検申込日、実施団体からの結果報告日等)
  2. 外部精度管理調査実施主体名

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検体検査の精度管理のための体制の整備

(医療法施行規則第9条の7の2)

  • 内部精度管理の実施
  • 外部精度管理調査の受検
  • 研修の実施

内部精度管理の実施

責任者を中心とした精度管理のための体制を整備し、内部精度管理(遺伝子関連・染色体検査に係るものを除く。)が行われるように努めてください。

  1. 日々の検査・測定作業の開始に当たっては、機器及び試薬に必要な較正が行われていること
  2. 定期的に当該病院等の管理試料等の同一検体を繰り返し検査した時の結果のばらつきの度合いを記録及び確認し検査結果の精度を確保する体制が整備されていること

外部精度管理調査の受検

外部精度管理調査を受けるよう努めてください。ただし、血清分離のみを行う病院等については、この限りではありません。
外部精度管理調査を行う団体の例

  • 公益社団法人日本医師会
  • 一般社団法人日本臨床衛生検査技師会
  • 一般社団法人日本衛生検査所協会

研修の実施

  1. 検体検査の業務を適切に行うために必要な知識及び技能を修得することを目的とし、次に掲げる事項を含むこと。
    • 各標準作業書の記載事項
    • 患者の秘密の保持
  2. 内部研修に留まることなく、都道府県、保健所設置市、特別区又は学術団体等が行う研修会、報告会又は学会など外部の教育研修の機会も活用するよう努めること。

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遺伝子関連・染色体検査の精度管理のための体制の整備

(医療法施行規則第9条の7の3)

  • 内部精度管理の実施
  • 外部精度管理調査の受検及びその代替方法
  • 研修の実施

内部精度管理の実施

遺伝子関連・染色体検査を行う場合は、責任者を中心とした精度管理のための体制を整備し、内部精度管理(遺伝子関連・染色体検査に係るものに限る。)が行われるように配慮すること。

  1. 日々の検査・測定作業の開始に当たっては、機器及び試薬に必要な較正が行われていること
  2. 定期的に当該病院等の管理試料等の同一検体を繰り返し検査した時の結果のばらつきの度合いを記録及び確認し検査結果の精度を確保する体制が整備されていること

外部精度管理調査の受検及びその代替方法

遺伝子関連・染色体検査の精度の確保のため、外部精度管理調査を受け、又は当該病院等以外の一以上の遺伝子関連・染色体検査の業務を行う病院、衛生検査所等と連携して、精度について相互に確認を行うよう努めること。ただし、血清分離のみを行う病院等については、この限りではありません。

  1. 結核菌の同定検査やB型肝炎ウイルス及びC型肝炎ウイルスの核酸定量検査などの調査の体制が整っているものについては、これらの検査を行う病院等の場合、受検するよう努めること。
  2. 外部精度管理調査の体制が整っていない遺伝子関連・染色体検査については、自施設以外の病院等のほか、衛生検査所や大学等の研究機関と連携してそれぞれ保管・保有する検体を用いて相互に検査結果を比較して、検査・測定方法の妥当性を確認するなどの方法により、精度の確保に努めること。

研修の実施

  1. 遺伝子関連・染色体検査の業務を適切に行うために必要な知識及び技能を修得することを目的とし、次に掲げる事項を含むこと
    • 各標準作業書の記載事項
    • 患者の秘密の保持
  2. 内部研修に留まることなく、都道府県、保健所設置市、特別区又は学術団体等が行う研修会、報告会又は学会など外部の教育研修の機会も活用するよう努めること。

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