[フレーム]
[フレーム] ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 組織でさがす > 商工労働部 > エネルギー政策課 > 「採石業」をご存知ですか?〜社会を支える採石業についてご紹介します〜

本文

「採石業」をご存知ですか?〜社会を支える採石業についてご紹介します〜

ページ番号:0176655 更新日:2024年9月26日更新

1 採石業とは

採石業は、山や平地に存在する岩石や砂などを採取し、製品として出荷する仕事です。
産出された製品は、石材や土木建築の材料など様々な用途に使用され、高速道路やダム等の社会基盤の整備に役立てられています。
このページでは、そんな採石業の仕組みと役割をご紹介するとともに、採石業界で活躍されている方へのインタビュー記事を掲載しています。

小学生等を対象に、「採石場見学バスツアー」を実施しました。詳しくはこちらをご覧ください。
(https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/67/195556.html)

2 一般的な採石の流れ

(1)はじめに、山の表面を覆っている樹木や土を取り除き、岩石が採取できるように整地します。​採取前の山矢印整地後の山

(2)油圧ショベルなどを使って、岩石を削り取っていきます。火薬を用いて発破し、岩盤を崩すこともあります。
パワーショベルによる掘削 ダンプへの積み込み


(3)採取した岩石をプラントに運び、用途に合わせて砕いたり、選別したりします。​
ダンプによる運搬 プラント


(4)製品として出荷します。
製品出荷矢印製品のイラスト​

(5)岩石を採取した跡地は緑化を行い、原状回復します。
緑化3矢印緑化4​​​

3 日常生活とのつながり

採石業によって産出された製品は、石材としての使用のほか、コンクリートやアスファルトの材料など、多くの用途に用いられ、私たちが日常生活を送る社会の様々な場面で役立てられています。

採石業で産出された製品が役立てられている身近な例

天草未来大橋 北側復旧ルート
さんかく天草未来大橋(天草市) さんかく国道57号北側復旧ルート(大津町〜阿蘇市)
(熊本河川国道事務所HPより)

立野ダム 加藤神社の鳥居​
さんかく立野ダム(大津町/南阿蘇村) さんかく加藤神社大鳥居(熊本市)
(立野ダム工事事務所HPより)

天草砥石 天草陶磁器​
さんかく天草砥石 さんかく天草地域の陶磁器
(熊本県伝統工芸館HPより/県伝統工芸館所蔵品)

庭石、灯篭 くまモン石像
さんかく庭石や石灯篭 さんかくくまモン石像(熊本市)
(パークシティ24h水道町)

県内の採石場位置図

県内には、49社56か所の採石場があります。(令和6年6月現在、県所管の認可中のもの)

採石場位置図
(注記)下記リンクをクリックすると拡大図が表示されます。

県内採石場位置図 (PDFファイル:1.46MB)

4 安全対策・環境配慮の取組み

採石を事業として行う場合は、「採石法」の対象となります。採石業を行いたい事業者は、県から採石業者としての登録を受けます。
採石の実施にあたっては、採石を行う場所や採取量、期間などに関する計画等を県に提供し、認可を受ける必要があります。

(注記)「業者の登録」や「採取計画の申請」等に関する手続きの詳細については、次のページをご覧ください。
​採石法に関する各種申請(令和4年4月1日施行)​https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/67/131191.html
砂利採取法に関する各種申請(令和3年4月1日施行分)​https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/67/90850.html

県は、計画内容が適正か審査するとともに、計画に違反した採石が行われていないか、災害の危険がないかなどを定期的に立入検査し、適正かつ安全な採石が行われるよう指導・監督を行っています。

県による指導・監督

指導の様子(机上) 指導の様子(現場)
さんかく立入検査の様子(採石業者の事務所にて) さんかく立入検査の様子(採石現場にて)

緑化(原状回復)について

採石が計画どおり完了したら、採取場の原状回復を行います。特に、林地で採石した場合は緑化が必要となり、跡地にマツ、クヌギ、コナラなどの幼木を植樹したり、ススキなどの草の種をまいたりして、再び植物が生育するよう環境を整えます。
緑化1 緑化2
さんかく緑化の様子(植樹) さんかく緑化の様子(播種)

草木が根付いていくと、次第に緑化が進みます。緑化は、景観を良くするだけでなく、草木が根付く力で地盤を強くし、大雨が降ったときに土砂崩れなどの災害を防ぐ役割も果たします。
緑化3 緑化4
さんかく緑化の進行 さんかく緑化後の跡地

5 採石業界で活躍する皆さんへインタビュー!

県内で採石業に携わっている採石業者の方へ、地域貢献の取組みや、採石業の魅力などを伺いました。(従事年数は取材当時)

三加和鉱山株式会社(和水町)

東社長

東 俊昭(ひがし としあき)代表取締役社長(従事年数:25年)

Q.どのような製品を生産していますか。
A.当社が採取している岩石は「はんれい岩」で、密度が大きく、硬いのが特徴です。コンクリート製品やアスファルト合材などの用途に適しています。
生産している製品は、コンクリート製品やアスファルトのほか、舗装などの土木工事、鉄道用バラスト((注記)線路の下に敷きつめる砂利)などに使用されています。

Q.地域貢献などの取組みや活動を教えてください。
A.地元の菊水小児童クラブ(学童保育所)の子どもたちの社会見学活動を受け入れています。重機の見学のほか、実際にダンプやショベルカーの中に入ってもらうなど、体験と学習の場を提供しています。
また、地元のスポーツクラブ(金栗Projectランニングクラブ)とスポンサー契約を結び、子どもたちがスポーツを楽しめる環境づくりを支援しています。
そのほか、重機を提供して地域の道路の側溝掃除や草刈りを行ったり、花火大会への協賛、地元老人会へ寄付なども行っています。
三加和鉱山 社会見学
さんかく子どもたちの社会見学活動の受け入れ

Q.工夫している点や、力を入れている点はどんなことですか。
A.「地元との共存・共栄」が大事だと考え、会社全体で、地域への協力を惜しまない姿勢をもって取り組んでいます。
採石業においては、JIS(日本産業規格適合性)認証を取得し、製品の品質管理と安定供給を行っています。

Q.採石業の魅力はどんなところですか。
A.私たちが採石業を通して生み出す製品は、建築・土木・道路・鉄道・河川工事など様々なシーンで、姿を変え、形を変えて社会に役立っています。採石業は、社会の発展に貢献できる業種だと思います。

Q.これから「採石業で働こう」と考えている人たちに向けたメッセージを教えてください。
A.採石業は社会発展になくてはならない基礎資材を生み出す業種です。皆さん一緒に社会発展に貢献しましょう。

西日本土木株式会社 山鹿砕石所・久原砕石所・玉東砕石所(山鹿市/玉東町)

古川工場長
古川 一郎(ふるかわ いちろう)所長(従事年数:18年)

Q.どのような製品を生産していますか。
A.「はんれい岩」を採掘しています。はんれい岩は火成岩の中の深層岩で、マグマが地下深くでゆっくりと固まってできた岩石です。非常に耐久性が高く、経年劣化がほとんどないのが特徴です。
製品は、病院や学校、マンション等の建築に使用する生コンクリートのほか、高速道路や国道等の道路に使用する路盤材と舗装用の合材、土木工事等で使用するコンクリート二次製品などに使用されています。

Q.地域貢献などの取組みや活動を教えてください。
A.​地域の道路の日々の清掃活動、定期的な草刈りを行っています。
​ 地域の行事等への参加・協賛のほか、毎年、地元の小学校へ本の寄贈を行っています。
また、大雨等により地元で災害が発生したときは、緊急を要する災害復旧へ迅速な応援を行うようにしています。
西日本土木 清掃 西日本土木 草刈り
さんかく清掃車による道路清掃の様子 さんかく重機を用いた草刈りの様子

本の寄贈1 本の寄贈2
本の寄贈3
さんかく地元小学校への本の寄贈

水川課長代理
水川 宏志(みずかわ ひろし)課長代理(従事年数:23年)

Q.普段、どのような業務を行っていますか。
A.業務管理や部下の教育指導、現場作業などです。

Q.「採石業で働こう」と思ったきっかけは何ですか。
A.実家の近くに砕石場があったため、幼い頃から興味があり、高校の就職活動中に砕石場からの求人を見つけ、就職しました。

Q.採石業の魅力はどんなところですか。
A.自分たちが生産している製品が、病院や学校、線路や高速道路などのインフラ整備になくてはならないものだと分かったことや、熊本地震などの大きな災害の復旧復興に携わって、みんなの手助けができることが魅力だと感じました。

Q.これから「採石業で働こう」と考えている人たちに向けたメッセージを教えてください。
A.人が生活してく中で、砕石は絶対に必要な物です。
大きな山を、自分たちで計画立案し、計画通りに自分たちの手で開発して、砕石を絶やすことなく安定供給し、みんなの生活の手助けができるやりがいのある仕事です。
この仕事は、次世代へ継承していく壮大な仕事でもあります。「未来は自分次第」です。

有限会社 球磨川商事(人吉市)

地下取締役
地下 久美子(じげ くみこ)取締役(従事年数:5年)

Q.どのような製品を生産していますか。
A.当社では、主に「砂岩」を採掘しています。製品は、JR肥薩線やくま川鉄道の線路のバラストなどに利用されています。
他にも、道路工事の基盤材や住宅を建てる時の基礎に使用されるなど、みんなの生活の身近なところで役立てられています。

Q.地域貢献などの取組みや活動を教えてください。
A.毎年、お盆前や年末に地域の道路清掃活動を実施しています。そのほか、地元で開催される人吉花火大会への協賛なども行っています。

清掃活動の様子 球磨川商事 清掃活動2
さんかく(有)球磨川商事の清掃活動の様子

Q.工夫している点や、力を入れている点はどんなことですか。
A.事業用車両による運搬等を行いますので、交通安全に重点的に取り組んでいます。看板を設置すること、道路を通行するときはスピードを出さないこと、地元の方たちの通行を優先することを徹底しています。

Q.「採石業で働こう」と思ったきっかけは何ですか。
A.家業として採石場を運営していたので、その姿を見て採石業界に入りました。
大学で森林を学んでいたこともあり、採石業に関する様々なことに対し抵抗なく取組んでいます。
山のこと、機械のことなど学ぶことはいろいろありますが、日々、勉強中です。

Q.採石業の魅力はどんなところですか。
A.採石業で産出されたものは、道路や建物の基礎となります。つまり、社会のいろいろなモノの「はじまり」となると考えています。
採石業を通して、社会インフラの根幹に携われることに面白さを感じています。
また、大きな機械を動かしたり、当社では行っておりませんが火薬で発破したりといった、ダイナミックな仕事ができるのが魅力です。やることがはっきりしているからこそ工夫のしがいがあります。

Q.これから「採石業で働こう」と考えている人たちに向けたメッセージを教えてください。
A.採石業は、目立たないけれど大事な仕事です。産出された岩石等はコンクリート等に使用された後も、土木工事の基礎材等に再利用されます。資源を「使い切る」のではなく、リサイクルすることで持続的に有効活用されています。
労働環境の面でも、現場の安全を最優先しますし、労働時間も決まっています。余暇も取れますので、働きやすい職場です。
業務を行うためには様々な資格取得が必要ではありますが、性別の差はあまりなく、どなたでも活躍できる業種です。

Q.県民の皆さんへ向けて
A.令和2年7月豪雨災害で被災した道路や護岸、橋の復旧に携わるなど人吉球磨地域の復興の一端を担うとの意識で、頑張って事業に取り組んでいます。
復旧復興の道はまだまだ途中ですが、「採石業はなくなってはいけない仕事」という使命感を持ち、その礎となれるよう貢献していきたいと思っています。

三池生コンクリート工業株式会社(玉名市)

坂井工場長
坂井 清(さかい きよし)工場長(従事年数:40年)

Q.どのような製品を生産していますか。
A.当社では、山砂(「風化花こう岩」)、特に洗砂((注記)採取後に洗浄し、有機物などの不純物を取り除いた衛生的な砂)を生産しています。産出した洗砂は自社の生コン工場に運ばれ、生コンクリートの材料となります。当社の製品は、病院の建設や有明沿岸道路等にも使用されています。
洗砂の生産は、手間とコストがかかりますが、その分、良質な生コンの生産につながります。
建設も土木工事も採石業がなければ成り立ちません。自分たちが採取した石材や砂が、生活に身近な施設や道路になることに、大きな意義を感じています。

Q.地域貢献などの取組みや活動を教えてください。
A.周辺の地域には稲作を行う方が多いので、地域の人からの要望を受けて、場内の調整池の水をポンプで汲み出し、農業用水として使用してもらっています。
他にも、地域のお祭りなどに積極的に協賛しているほか、地元の福祉施設から依頼を受けて、施設が開催する花火大会へ場所を提供するといった協力を行っています。
付近の町道を月に1回ほうきで掃除しており、3か月に1回は水を撒いて清掃しています。また、県道を年2回、定期的に清掃しています。

​道路清掃の様子 道路清掃の様子2
さんかく三池生コンクリート工業(株)の清掃活動の様子

Q.工夫している点や、力を入れている点はどんなことですか。
A.採石場は土砂崩れ等の災害発生の危険がある場所なので、災害防止には特に気を付けています。
特に、近年は私たちの予想を超える大雨が多く発生しています。そのため、「絶対に地域に被害をもたらしてはいけない」と常に考え、日頃から安全対策を徹底しています。

Q.採石業の魅力はどんなところですか。
A.重機を操縦して岩石を削るといった経験ができるのは、採石業ならではだと思います。
もちろん、機械の操縦などは経験を積んで技術を身に着けることが必要ですが、一人前になると、一つの山を一人で任されるようになります。県への認可申請の手続きから表土の剥取り、岩石の採取までを自分の担当としてできるようになります。一つの山を自分の事業としてやり終えたとき、大きな達成感を感じることができます。

Q.これから「採石業で働こう」と考えている人たちに向けたメッセージを教えてください。
A.安全面に細心の注意を払っており、「時間がかかっても、回り道をしてでも安全第一」をモットーに、事故が起こらないように心配りをしています。
おかげさまで、創業以来約55年間、事故は一度も起きていません。
採石業で働きたい人はいつでも歓迎します。若い人がどんどん入ってきてほしいと思っています。

Q.県民の皆さんへ向けて
​A.採石業を行っていくには、地域の理解が不可欠です。当社は代々、地域の皆さんとの信頼を第一に考え、地域から協力を求められたら積極的に協力することを大切にしています。
「地域に迷惑をかけないように」、「事故と災害が起こらないように」が一番と考え、これからも地域の理解を得ながら事業を行っていきたいと思います。​​

熊本礦業株式会社(甲佐町)

高岡社長
​ 高岡 弘一(たかおか こういち)代表取締役社長(従事年数:37年)

Q.産出される岩石等の種類や特徴、主な用途を教えてください。
A.角閃岩(かくせんがん)が大半を占める原石山です。使用用途としてはコンクリートやアスファルトの骨材の材料となります。また、路盤材としても使用されます。

Q.設備の特徴を教えてください。
A.当社では、6年前にプラントを新設しました。以前のプラントは騒音や粉じんの発生が懸念されていたのですが、新しいプラントは民家からより遠い場所に作り、さらにコンベア、ふるい機を建屋で覆う構造にしました。
これは「地域の人に迷惑をかけないように」という考えによるもので、実際に周辺への騒音、粉塵が大幅に軽減され、地域の方々にも好評いただいています。
また、新プラントはIoT(設備のインターネット化)を導入しており、カメラ映像や設備のデータを玉名にある本社と佐賀のメーカーに常時共有しています。これにより、メンテナンス等の効率化が図られています。​
プラント モニター
さんかく新設したプラントとモニタリング設備

Q.地域貢献など、会社独自で行っている取組や活動はありますか。
A.当社は地域とのつながりを大切にしており、地元の区長さんをはじめとした地域住民の皆さんとの懇親会などを定期的に行っているほか、地域で開かれる「あゆまつり」への協賛などの活動を行っております。
また、地元の小学校から見学依頼があり、場外からではありますが採掘箇所の地層を子どもたちに見学していただきました。
その他にも、周辺の道路清掃をお盆前と年末の年2回、毎年実施しています。今後も地域との信頼関係を築いてきたいと思います。
道路清掃活動
さんかく熊本礦業(株)の清掃活動の様子

Q.採石事業において、会社として工夫している点や、力を入れている点はどんなことですか。
A.当社の特徴として、現場で働く従業員として、女性を積極的に採用しています。当社では現在、2名の女性社員が採石現場で活躍しています。会社としても、女性専用のトイレやシャワー室を設置しているほか、子供の世話等で仕事を休むときは、周りがサポートするなど女性が働きやすい体制を整えています。
社会全体が働き手不足の中、ターゲットを変えて、女性もどんどん会社の中心にしていきたいと思っています。
業界新聞に掲載された紹介記事
さんかく業界新聞に掲載された紹介記事


松永オペレーター
松永 佳奈(まつなが かな) 操作室オペレーター (写真 右)(従事年数:6年)
松永 明日香(まつなが あすか) 操作室オペレーター (写真 左)(従事年数:6年)

​Q.普段、どのような業務を行っていますか。
A.採石プラントの機械を操作しています。プラントの情報はリアルタイムでモニターに表示されるようになっており、場所ごとの電流の大きさなどを逐一チェックしています。
この操作室は採石場全体の心臓部ともいえる場所で、異常があればすぐに現場に駆け付け、確認作業を行っています。

​操作室の様子
さんかく操作室の様子

Q.「採石業で働こう」と思ったきっかけは何ですか。
A.この会社で働いている方から「プラントを新設して、オペレーターを募集している」と紹介してもらったことがきっかけです。
はじめは地元に採石場があることも知らないほどの素人でしたが、いろいろな資格も取らせていただきましたし、周りの人も面白い方たちばかりで、今では毎日楽しく仕事に取り組んでいます。

Q.採石業の魅力は何ですか。やりがいや面白さを感じるところはどんなところですか。
A.採石場は発破、運搬、投入、プラント操作、製品搬出…とそれぞれ役割を持った人が連携することで動いています。チームとして働く連帯感があり、一日の操業が無事に終わると大きな達成感があります。
また、例えば街に新しい道路や建物ができたときに、「うちの会社で生産した製品が役立っている」と気づき、自分がそこに携わっているということにやりがいを感じます。

Q.これから「採石業で働こう」と考えている人たちに向けたメッセージを教えてください。
A.知識や経験がない状態で入社しても活躍ができるようになる仕事です。特に、機械の操作や車の運転が好きな人には特におすすめです。
採石場は危険というイメージがあると思いますが、仕事をしているとどういうところが危険かどうか理解できますし、万が一危険を感じたら機械を停止できる設備になっていますので、安心して働けます。
普通には経験できない魅力のある仕事だと思います。

株式会社​熊本硅砂鉱業(南関町)

稲員社長
稲員 尚紀(いなかず なおき)代表取締役社長 (従事年数:10年)

Q.産出される岩石等の種類や用途を教えてください。
A.当社では、山砂(風化花こう岩)を生産しています。アスファルトやコンクリート、モルタルなどの材料となるほか、ゴルフ場のバンカーの砂や、学校のグラウンドの砂、塗装用のフィラー(下塗り材)の原料など、様々な用途に使われています。​

Q.地域貢献など、会社独自で行っている取組や活動はありますか。
A.当社では、定期的に地域の清掃活動を行っています。自社で行う清掃のほか、南関町のクリーン作戦にも積極的に参加しています。
ほかにも、山砂生産の特徴を活かして、地元の小中学校へのグラウンド砂の寄贈、校庭の無償補修といった活動も行っています。
夏休み期間には、地域の子供たちが楽しめるように、砂遊び用の砂を無償で提供しています。
清掃活動1 清掃活動2
さんかく(株)熊本硅砂鉱業の清掃活動の様子

また、当社の採石場の近くに小川が流れており、古い水門が設置されていましたが、当社で改修して新しい水門を寄贈しました。地域の方々の田んぼへの引水調節に役立てもらっています。寄贈後も、水がきちんと流れるように当社で定期的に小川の浚せつを行っています。​
水門
さんかく寄贈した水門

Q.採石事業において、会社として工夫している点や、力を入れている点はどんなことですか。
A.環境配慮、災害対策には特に力を入れています。採石場外に泥水が流れ出さないように管理を徹底しており、地域住民の方々に水路の安全対策について説明会を行っています。豪雨災害が起こった際には、水害対策として地域へ土のうを提供しました。
また、緑化についても、どのように植樹するとうまく生育するかを研究し、地点ごとに植樹時期や樹種を試行錯誤しながら行っています。
採取を終えた跡地については有効活用を検討し、企業誘致による雇用の創出などの取組も行っています。

​園田係長
園田 芳幸(そのだ よしゆき)係長 (従事年数:11年)

Q.普段、どのような業務を行っていますか。
A.プラント全般の稼働、ホイールローダーによる原料投入、バックホウによる原石積込み、重機やフォークリフトの検査及び整備を行っています。
サブ役ではありますが、ブルドーザーによる原石採掘、製品出荷の作業も行っており、採石場に関するほぼ全般的な作業を行っています。
また、プラントの修理や改良等、自分達でできる範囲の作業は業者に頼らず自社で行っています。

Q.「採石業で働こう」と思ったきっかけは何ですか。
A.もともと重機の作業経験はありましたが、どちらかというと袋詰め作業の流れ作業に興味があり、入社しました。入社当初は、モルタル製品の袋詰めや砂の熱処理乾燥の作業を行っており、採石業務に対してはあまり関心がありませんでした。
しかし、当社の業務内容を理解していく中で、次第に採石業に興味、関心が生まれ、希望して採石部署に異動させてもらい、現在に至ります。

Q.採石業の魅力は何ですか。やりがいや面白さを感じるところはどんなところですか。
A.一般的に、工場のライン作業では毎日決まったことを行うため、たまには違った作業がしたいと思うことがあると思いますが、当社では全員が業務全般を遂行できるように、毎日の作業を固定化せずローテーションで作業を行っています。このため、仕事に対して飽きやマンネリ感を感じることなく、一日一日が充実していると感じています。色々な作業を行うことで自分のスキルアップを図りたいと思う方にとって、魅力的な仕事だと思います。
また製品の製造に関しては、顧客のニーズに応えるために日々細かく粒度の調整などを行っています。しかし、自然が相手なので規格に合った製品を製造するにはさまざまな困難に直面することがあります。それでも顧客のニーズに応えるため、日々の作業で試行錯誤を繰り返し、その結果顧客が満足できる製品を製造できたときの達成感はやりがいとなっています。

Q.これから「採石業で働こう」と考えている人たちに向けたメッセージを教えてください。
A.採石業は、自然が相手であり、予定や計画を立ててもマニュアル通りに進められないこともあります。そういう場面に直面した時、私たちは必ず知恵を振り絞り、さまざまな対策、対応を取っていきます。
採石業は、一人でできる業務ではありません。チームプレーが必要不可欠です。一人一人が経験を積み重ね、知識、技術を身に付けることができれば、どんな困難が立ちはだかっても必ず乗り越えることができます。上司、作業員が協力し合って業務を進めて行くことが重要です。
試行錯誤、切磋琢磨を繰り返して業務を遂行していく採石業は、人間として成長できる業種、社会に誇れる業種だと実感しています。

Q.県民の皆さんにPRしたいことがあれば教えてください。
A.採石業は、砂や岩石等を採掘、製造して、日本の未来を支え続ける業種です。生活を支えるさまざまな業種がありますが、その中でも採石業は重要な役割を果たしていると思います。
今後も、色々なかたちで地域に貢献できるよう取組を行っていきたいです。​​

Adobe Reader <外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)