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更新日付:2025年12月1日 DX推進課
おとべ農産合同会社「スマート農業が拓く、青森の未来」
[画像:広大な農地]
▶コラム「ハロー!あおもりDX」です。今回のテーマは「DXで「みんな」が変わる。休みも利益も実現できる農業」。
青森県の基幹産業である農業。しかし、その現場には「朝から晩まで働くのが当たり前」という長時間労働のイメージが、いまだ根強く残っているかもしれません 。
この大きな課題に対し、Uターンした故郷・東北町で、「農業はもっと効率化できる」と、スマート農業を推進する若きリーダーがいます。
おとべ農産合同会社の乙部暁(おとべ さとし)さん。
乙部さんの挑戦は、働く人の「意識」を変え、「休み」と「利益」の両方を手に入れる、新しい青森の農業の姿を創り出しています 。
――従来の常識を塗り替える、まさにDX、これぞ変革。農業以外の分野で働く皆さんにとっても、必見です 。
▶さらに動画バージョンも公開!
自動操舵のトラクターを使用したごぼうの収穫作業の様子や、乙部さんのインタビューを動画でお届けします!
自動操舵のトラクターを使用したごぼうの収穫作業の様子や、乙部さんのインタビューを動画でお届けします!
[フレーム]
「おとべ農産合同会社「スマート農業が拓く、青森の未来」」
【動画概要】
・DXで「休み」と「利益」の両方を手に入れる、青森県の新しい農業の姿を紹介。
・GPSトラクターが自動で動き、農薬散布用ドローンが飛んでいる姿を動画で大公開!
・スマート農業を推進する若きリーダー乙部暁さんに、スマート農業によって実現した「みんなでDX」を語っていただきました。
・従来の常識を塗り替える、まさにDX、これぞ変革。
「青森県はDXでもっとおもしろくなる…!」
【動画概要】
・DXで「休み」と「利益」の両方を手に入れる、青森県の新しい農業の姿を紹介。
・GPSトラクターが自動で動き、農薬散布用ドローンが飛んでいる姿を動画で大公開!
・スマート農業を推進する若きリーダー乙部暁さんに、スマート農業によって実現した「みんなでDX」を語っていただきました。
・従来の常識を塗り替える、まさにDX、これぞ変革。
「青森県はDXでもっとおもしろくなる…!」
インタビュイー紹介
取材へのご協力ありがとうございます!
- おとべ農産合同会社
業務執行社員 乙部 暁さん
大学を卒業後、茨城県の農業
改良普及センターにて、一年
間勤務。2011年にUターンを
行い、本格的にDXに取り組む。 - スペシャルゲスト
🐾乙部家の愛犬 まめ太郎🐕
野菜づくりを最先端の技術と手法で、スマートに
――おとべ農産で生産している作物と、取り組んでいるスマート農業について教えてください。
(乙部さん)東京ドーム約6個分に相当する広大な畑でながいもを中心に、だいこん、キャベツ、ごぼうの4品目を生産しています。
弊社で一番最初のDXといえばGPSトラクターです。GPSトラクターは、測位衛星の情報を使って自動でトラクターを動かすシステムを搭載しています。
また、自動操舵だけではなく、土壌の力が弱い場所を予め指定し特定し、土壌に合わせて自動で肥料の量を変えるといったきめ細かな作業ができるようになりました。
最近では農薬散布用ドローンも導入。 また、日々の作業記録を手軽に行う「スマートフォンアプリでの作業日誌の作成」などにも取り組んでいます。
(乙部さん)東京ドーム約6個分に相当する広大な畑でながいもを中心に、だいこん、キャベツ、ごぼうの4品目を生産しています。
弊社で一番最初のDXといえばGPSトラクターです。GPSトラクターは、測位衛星の情報を使って自動でトラクターを動かすシステムを搭載しています。
また、自動操舵だけではなく、土壌の力が弱い場所を予め指定し特定し、土壌に合わせて自動で肥料の量を変えるといったきめ細かな作業ができるようになりました。
最近では農薬散布用ドローンも導入。 また、日々の作業記録を手軽に行う「スマートフォンアプリでの作業日誌の作成」などにも取り組んでいます。
- 自動操舵するGPSトラクター
- [画像:ドローン]農業散布用ドローン
Uターンして直面した「このままではいけない」現実
[画像:収穫の様子]
――乙部さんは県外の大学に進学され、Uターンで家業の農業を継がれたそうですね。戻ってきた当初、農業にどのような課題を感じましたか?(乙部さん)東北町の農業は、他の地域に比べて「儲かっている」地域でした。そのため、今までのやり方に対して疑問を持つ人が少なかったように感じます。
ですが、働き方を見ると、朝は4時、5時から夜7時、8時まで働くのが当たり前。
「今は良くても、親が歳を取ったらこのやり方は続けられない。もっと効率化しないといけない。」と、Uターンして1か月も経たないうちに強く感じました。
――「儲かってはいるが、長時間労働は課題」ですね。その状況を変えるために、どう動いたのですか?
(乙部さん)本当に小さな「改善」から始めました。例えば、作業小屋の泥を流すのをモップから高圧洗浄機に変えるとか。
そうした小さな成功を積み重ねることで、「やってみよう」という空気が生まれました。
GPSトラクターの導入や、スマートフォンでの作業日誌の記録といったDXは、その「改善」の延長線上にありました。
売り上げ3〜4倍。DXで実現した「利益」と「休み」
[画像:収穫風景]
――小さな改善から始まったスマート農業ですが、具体的にどのような成果が出ましたか?(乙部さん)「従業員と家族を含めた一人当たりの売上額」が当時と比べ3〜4倍になりました。スマート農業の導入によって作業効率が劇的に向上した結果です。
――売上だけでなく、もう一つの課題だった「休み」についてはどう変わりましたか?
(乙部さん)以前の休みはせいぜい「月に二日」。雨が降っても草刈りなどの作業がある場合がありました。
それが今では「毎週、何日」と決めて休みが取れています。
DXを進める中で、利益を確保しながら、休みもしっかり取れる体制が少しずつできてきたと感じています。
「できる・できない」の選別から、「みんなで良くなる」DXへ
[画像:乙部さん]
――DXで、従業員の皆さんにも変化はありましたか?(乙部さん)収量や売上の「見える化」を進めたことで、みんなの意識が変わりました。
収量が高ければ、みんなやる気が出ますよね。今後は、成果に応じて特別ボーナスを出すなど、さらにモチベーションを上げられる仕組みを作りたいです。
――乙部さんご自身の内面にも、大きな変化があったと伺いました。
(乙部さん)Uターンしてきた当初は、自分の中で「なぜDXしない?なぜできない?」と、周囲を「できる」「できない」だけで選別をしていた気がします。
周囲も、初めは「生意気だ」と感じていたと思います(笑)。
でも、地域で多くの人と交流するうちに、みんな一人ひとり事情がある中で頑張っているということを知り、「みんなで底上げして、みんなで良くなった方がいい。その結果は、自分一人で頑張るよりも、数倍になって自分に返ってくる」と考えが変わりました。
だからこそ、ここ4〜5年は、地域全体を巻き込んでいきたい、という思いで取り組んでいます。
「経営者」として農業の未来を創る
[画像:収穫風景]
――まさに、人の意識や農業のあり方を変えるDXですね。最後に、これから農業を目指す方にメッセージをお願いします。(乙部さん)農業をやろうと思った時点で、あなたはもう「経営者」だということを伝えたいです。
「まず栽培から頑張りたい」と言う人もいますが、経営という観点で考えれば、栽培だけでなく、最初から会計も、労務も、販売も全部に目を向けないといけません。
ゼロベースで全体を見渡し、DXを積極的に進めていけば、仕事の効率化だけではなく、労働環境や売上も良い方向に変えていけると思います。実際に、弊社もDXで「休み」も「利益」も得ることができました。
青森県全体も、DXでそんな良い方向に進んでほしいと思います。
乙部さんの挑戦は、自社の効率化にとどまらず、「仲間たち」の意識を変え、「みんなで良くなる」地域の土壌づくりへと広がっています。
――利益も休みも手に入れる、新しい青森の農業。小さな一歩の積み重ねが、大きな実りを育んでいます。
――利益も休みも手に入れる、新しい青森の農業。小さな一歩の積み重ねが、大きな実りを育んでいます。
編集後記
[画像:ほたて]
今回の取材で一番私の心に響いたのは、乙部さんの「みんなのためにが、結果としていつか自分に数倍になって返ってくる」という言葉でした。
目先の忙しさにかまけて、新しいことに挑戦するのが億劫になってしまう..そんな経験をしたことがある方なら、私と同じく「ドキッ」としたのではないでしょうか。
変化を求めて試行錯誤の渦中にいるときは、本当に大変です。 でも、大変さを乗り越えた先に、新しい何かが待っている。 その姿を間近で見させていただき、変化することへの希望を改めて感じました。
そして、これまでのことをあっけらかんと語る乙部さんの姿から、「自分たちのことは自分たちで変えていくのが当たり前。未来は自ら作っていく。」というマインドを感じて、とても眩しかった..。 私もこうありたいなぁと、終始ムネアツな取材でした。
乙部さん、おとべ農産の皆さん、収穫でお忙しい時期に取材へのご協力、ありがとうございました!(吉田)
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