大阪ガス株式会社(社長:本荘武宏)が富士電機株式会社(社長:北澤通宏)と共同で開発し、当社が2015年5月に発売した世界初の電池駆動家庭用ガス警報器※(注記)1のガス検知部に用いられている「超低消費電力ガスセンサー」の発明に対し、公益社団法人発明協会より平成30年度全国発明表彰 発明賞※(注記)2が授与されました。
本賞は「科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ、顕著な実施効果を挙げている発明等」を対象とし、「我が国の科学技術の振興、産業経済の発展に大きく貢献している発明等」に授与されるものです。
この発明は、ガスセンサーの消費電力を従来の約600分の1以下に削減し、家庭用ガス警報器の長期間電池駆動を世界で初めて実現したものです。これにより家庭用ガス警報器のコードレス化が実現し、設置場所の制約が解消されるため、万一のガスもれをお知らせする家庭用ガス警報器の一層の普及率向上に貢献するものと期待されています。家庭用ガス警報器の電池駆動化は、長年「夢の技術」と言われてきましたが、ガス検知材料を薄膜化するとともに半導体製造技術を活用し、センサーを超小型化することで、約16年の歳月をかけ実現しました。今回の受賞は、電池駆動可能な省電力性と高感度・長期耐久性・高信頼性などの相反する課題を解決する発明を成し、これにより世界初の技術を実用化した点が高く評価されたものです。
当社は、今後もお客さまの安心・安全を支える技術開発を推進していきます。
○しろまる
受賞対象発明と発明者
「電池式ガス警報器用超省電力ガスセンサの発明(特許第5240767号)」
野中篤、大西久男(大阪ガス株式会社)、中山敏郎(元 大阪ガス株式会社)
鈴木卓弥、岡村誠(富士電機株式会社)、国原健二(元 富士電機株式会社)
受賞式の写真
6月12日、常陸宮殿下ご臨席のもと、ホテルオークラ東京にて平成30年度全国発明表彰 表彰式が執り行われ、共同受賞者の富士電機株式会社とともに発明賞の賞状およびメダルが授与されました(授賞式写真: 左より、当社 野中篤、元大阪ガス株式会社 中山敏郎氏、当社 大西久男、富士電機株式会社 岡村誠氏)。
ガス検知材料「酸化スズ薄膜」の電子顕微鏡写真と模式図
ガス検知材料「酸化スズ薄膜」の電子顕微鏡写真と模式図
超低消費電力薄膜ガスセンサーの断面模式図
超低消費電力薄膜ガスセンサーの断面模式図
※(注記)2 公益社団法人発明協会 全国発明表彰 発明賞
明治37年に創立され発明の奨励や特許等の産業財産権の普及啓発(発明奨励)等を実施する公益社団法人発明協会(総裁:常陸宮殿下)によって「多大な功績を挙げた発明、考案、又は意匠、あるいは、その優秀性から今後大きな功績を挙げることが期待される発明等」に授与される賞で、大正8年の第1回帝国発明表彰にはじまり、優れた発明を完成した者、発明の指導・奨励・育成に貢献した者を顕彰することにより発明の奨励・育成を図り、我が国科学技術の向上と産業の振興に寄与することを目的としています。
同技術はこれまでに以下の表彰を受賞しています。
受賞