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オラクル、次世代のAIネイティブ「Oracle Database 26ai」を発表

オラクルはフラッグシップ・データベースのメジャーリリースで、すべての主要機能とワークロードにAIを統合しました。

Jeff Erickson | 2025年10月16日


ラスベガス—オラクルはフラッグシップ・データベースの次世代AIネイティブバージョンである「Oracle AI Database 26ai」を発表しました。この長期サポートリリースは、オラクルの幅広い「AI for Data」戦略の柱となっており、お客様がエンタープライズ全体のすべてのデータ(運用システムと分析用データレイクの両方を含む)を活用して、信頼性の高いAIインサイトや生産性向上を実現することを目的としています。26aiにより、先進的なAIモデルをエンタープライズデータと組み合わせて、簡単に設定・利用できるようになりました。

オラクルのデータベース技術担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるホアン・ロアイザは、Oracle AI Worldの基調講演で次のように述べています。「AI時代を生き抜くカギは、競合他社に先駆けて画期的なインサイト、イノベーション、生産性向上を実現することにあります。この画期的なリリースにおいて、オラクルはAIとデータを一体的に設計し、次世代のAIネイティブデータベースを創出しました。」

Oracle AI Database 26aiでは、すべての主要なデータタイプとワークロード全体にAIが統合されています。AIベクトル検索を含む機能に加えて、データベース管理、データ開発、アプリケーション開発、分析といった分野にもAIをさらに組み込んでいます。このリリースは、Apache Icebergのオープン表形式、Model Context Protocol、業界をリードするLLM、人気のエージェント型AIフレームワーク、およびOpen Neural Network Exchange埋め込みモデルもサポートしています。

「オラクルの『AI for Data』戦略では、オープン標準を活用することで、お客様がAIアプリケーションを構築・展開する際に自由な選択肢を持てるようにすることを目指しています」とロアイザ。

Oracle AI Database 26aiは、Oracle Database 23aiに代わる長期サポートリリースです。お客様は、2025年10月リリースのアップデートを適用するだけで、23aiから26aiに移行できます。データベースのアップグレードやアプリケーションの再認証は不要です。オラクルのAIベクトル検索や、その他多くの高度なAI機能が追加料金なしで利用でき、Free Tier(無料利用枠)も用意されています

「26aiは、あらゆる場所のデータに対し、AIをセキュア・効率的・確実に適用できる、フル機能のミッションクリティカルなOracle Databaseです。」と、ロアイザ。Oracle Cloudはもちろん、他の主要ハイパースケール・クラウド、プライベート・クラウド、オンプレミスでもご利用いただけます。その結果、ネイティブなベクトル検索、自律型AIレイクハウス機能、自然言語によるデータ分析、エンタープライズ・アプリケーション開発者向けのAIを備えた、ミッションクリティカルなエンタープライズデータベースが実現します。

ハイブリッドAIベクトル検索

この画期的なリリースにおいて、オラクルはAIとデータを一体的に設計し、次世代のAIネイティブデータベースを創出しました。」

ホアン・ロアイザ データベース・テクノロジー担当EVP

Oracle AI Database 26aiは、組織がエンタープライズ全体のデータからより深いインサイトを得ることを支援します。AIベクトル検索は、リレーショナル、テキスト、JSON、ナレッジグラフ、空間検索と組み合わせることで、関連するドキュメント、画像、動画、音声、構造化データを迅速かつ正確に検索できます。お客様はAIベクトル検索とLLMを組み合わせることで、プライベートデータとパブリックデータの両方を活用してさまざまなビジネス上の質問に答えるLLMを実現できます。

Oracle AI Database 26aiのベクトル検索は、「これまで実現できなかった方法で複雑な質問に素早く答えを返します」とロアイザは述べています。

エンタープライズ全体でのAI活用と分析

Oracle AI Database 26aiを使うことで、お客様はエンタープライズ全体のデータに対して高度なAI分析を実行できます。Oracle Autonomous AI Lakehouseは、Oracle AI Databaseの強力な機能とApache Icebergデータレイクの柔軟性を組み合わせたものです。これにより、Oracle Exadataによる高性能と従量課金制のサーバーレススケーリングを活かし、業界で最も包括的なAIおよび分析SQLを全てのIcebergデータに対して実行することが可能となります。

このLakehouseは、主要な4つのハイパースケールクラウド(Oracle Cloud Infrastructure、Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azure)上で利用でき、同じクラウド上のDatabricksやSnowflakeとも連携可能です。これにより、お客様は既存の投資を活用しつつ、AIのメリットを享受できます。

Oracle Database 23aiから移行する場合、既存のAIデータウェアハウスは自動的にAutonomous AI Lakehouseに変換されます。「このLakehouseは、高度なリレーショナルデータ、グラフデータ、JSONデータを同じIcebergデータ上で処理でき、しかもExadataのパフォーマンスを利用できます」と、ロアイザは言います。

エンタープライズ・アプリケーション開発向けAI

Oracle AI Database 26aiの高度な機能は、アプリケーション開発チームのAI活用を加速し、リスク軽減にも役立ちます。これらの機能には、新たなデータ注釈、エンタープライズ開発者向け自然言語インターフェース、AIエージェントの構築・展開・管理を可能にする複数の手法が含まれます。

たとえばデータ注釈は、AIに対してデータの目的や特徴、意味を説明するものです。この追加情報により、AIはより良いアプリケーションを生成したり、自然言語の質問に正確に答えたりできるようになります。これは過去のデータベースにおけるSQLチューニングに類似した概念です。

さらに、Oracle AI Database 26aiに搭載された複数のAIエージェント作成・管理ツールの一つである「AI Private Agent Factory」は、ノーコードでAIエージェントを構築・展開できる仕組みを提供します。これはお客様が選択した環境でコンテナとして動作します。こうした開発業務も、ベクトル・リレーショナル・JSON・グラフといった多様なデータモデルを一元化するOracle AI Databaseの統合データモデルから恩恵を受け、AIプロジェクト全体もシンプルになります。


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