福祉健康科学部
福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース・教授
氏 名 相澤 仁(Aizawa Masashi)
取 得 学 位 文学修士、立教大学、1984年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 子ども家庭福祉
研究キーワード 社会的養護 子どもの権利擁護
研 究 内 容 1.子どもの権利擁護に係る実証モデル事業に関する研究
一時保護所・児童養護施設・里親家庭における子どもアドボカシー活動に関する調査研究
2.地域包括システムのためのアセスメント票の開発に関する研究
地域包括ケア会議などで複合的課題を抱えた家族を対象にしたアセスメント票の開発研究
3.児童福祉施設における青少年支援の再検討に関する研究(分担研究)
児童養護施設など施設における子どもの遊びやレクリエーションに関する調査研究4.養育環境リスク要因の累積が人間発達に及ぼす長期的影響性と影響防御機序の解明に関する研
究(分担研究) 児童養護施設や里親家庭で生活している青年に対するPACEs(保護的・補償的経験)に関する調
査研究
5.地域共生社会の実現に向けた実務者ネットワーク構築事業に関する研究
多世代交流・支え合い活動構築や包括的支援体制整備活動を推進するための調査研究
6.社会的養護に関する研究
社会的養護における代替養育と市町村における子ども家庭支援活動との連携に関する調査研究
研 究 業 績・
アピールポイント
1.児童福祉司を中心とした子ども家庭福祉に携わる者の資質向上について
2.シリーズみんなで育てる家庭養護全5巻(編集代表)1 福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 理学療法コース・教授
氏 名 朝井 政治(Asai Masaharu)
取 得 学 位 博士(医学)
、長崎大学、2014年9月
S D G s目標
研 究 分 野 理学療法学、リハビリテーション
研究キーワード 呼吸リハビリテーション、摂食嚥下リハビリテーション、地域リハビリテーション
研 究 内 容 •「社会参加」を促進する地域作りの課題と主観的・客観的意義に関する研究
「社会参加」からみた介護予防の効果を明らかにすること、「自分
らしく生きる」という視点から「社会参加」の意義を明らかにすること
を目的に、大分市で要介護認定を受けていない在宅生活を行ってい
る65歳以上の住民を対象に、
1介護予防に関する質問紙調査
2専門職による身体機能評価・口腔機能評価
を調査し、経年変化や居住地ごとの比較を行っています。
平成31年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)基盤研究(B)
(一般)(課題番号1 9 H 0 1 5 8 8:研究代表者 隅田好美の
分担研究者)上記調査は2022年度で一旦終了していますが、2024年度
以降も調査は継続する予定です。
くろまる杵築市で実施されている「通いの場」のサポート
住民主体で実施されている「通いの場」参加者の体力測定等のサポートに従事しています。
また、その結果を学会等で報告しています。
くろまる運動時の呼吸困難を軽減するための介入に関する研究
呼吸器疾患を有する患者の運動時の呼吸困難は運動制限因子として重要です。呼吸困難を軽
減する方法として、
「顔に冷風を当てる」、「音楽を聴くなど、外部刺激を用いる」、「機械を
使った呼吸補助を行う」などが一般に用いられています。これまでに、一般健常人におい
て、胸郭運動の制限の有無による呼吸困難に及ぼす影響の調査や、聴覚刺激に加え、視覚刺
激を併用した場合の呼吸困難の変化についての基礎的研究を行ってきました。将来的には、
呼吸器疾患患者の運動時呼吸困難を軽減するための新しい方法を開発したいと考えていま
す。
研 究 業 績 ・
アピールポイント
代表論文
1 . Asai M, Tanaka T, Kozu R, Kitagawa C, Tabusadani M, Senjyu H . Effect of a
Chronic Obstructive Pulmonary Disease (COPD) Intervention on COPD Awareness in a
Regional City in Japan. Intern Med. 54: 163-169, 2015
2.手老泰介、田中健一朗、河野礼治、永徳研二、今岡信介、皆田渉平、朝井政治.大分県
杵築市における高齢者サロンを活用した「通いの場」の有用性の検討 〜1 年間の縦断的研究
〜 大分県理学療法学 16 14-19 2023
3. 隅田好美, 頭山貴子, 朝井政治, 田中健一朗, 大西愛, 黒田研二.フレイル傾向と口腔
機能・食生活、心理的要因、および社会的要因との関連 社会問題研究 72 15 - 2720232
福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 理学療法コース・教授
氏 名 片岡 晶志(Kataoka Masashi)
取 得 学 位 博士(医学)
、大分医科大学、1997年9月
S D G s 目 標
研 究 分 野 運動器(整形外科)領域、リハビリテーション医学領域
研究キーワード 骨粗鬆症、骨折、骨代謝、骨リモデリング、運動器、高齢者、転倒、ロコモ
研 究 内 容 1 薬剤による骨折治癒促進効果の究明
2 骨粗鬆症に対する新規治療法の開発
3 ビタミンD含有食品の骨粗鬆症治療への有効性の解明
4 骨粗鬆症治療における運動療法+薬物療法の相乗効果の解明
5 骨粗鬆症治療薬の骨強度に対する効果の検討
6 骨粗鬆症治療薬の骨微細構造への影響
7 腎不全に合併した2次性骨粗鬆症治療薬の検討
8 電気刺激による骨折治療効果の検討
実験動物における骨折モデル、骨粗鬆症モデル、糖尿病モデルの作成は確立している。これらのモ
デルを使って基礎実験から臨床まで幅広く研究をおこなっている。
4の実験結果の1例を示す。下図はラット骨粗鬆症モ
デルに骨粗鬆症治療薬(ZA)と運動療法を実施した
大腿骨マイクロCT画像である。この結果から運動療
法は骨粗鬆症治療に不可欠であることが言える。A:
シャム、B:コントロール、C:ゾレドロン酸(ZA)
、D:
トレッドミル(T)
、E:ZA+T
研 究 業 績・
アピールポイント
代表論文1. Kataoka M., Yoshiyama K, Matsuura K., Hijiya N.Higuchi Y., Yamamoto S. Structure
of the murine CD156 gene, Characterization of its promoter, and chromosomal
location. J. Biol. Chem.272:18209-18215, 1997.2. Anna Kajsa Harding , Per Aspenberg, Masashi Kataoka, David Bylski, Magnus
Tägil Manipulating the anabolic and catabolic response in bone graft remodeling:
synergism by a combination of local BMP-7 and a single systemic dosis of
zoledronate J. Orthop. Res. 26:1245-1249. 2008.3. Tsubouchi Y., Ikeda S., Kataoka M., Tsumura H. Combination therapy with low-dose
teriparatide and zoledronate contributes to fracture healing on rat femoral fracture
model. J. Orthop. Surg. Res. 13:267-273, 2018.4. 超高齢社会における問題点 : 高齢者の骨粗鬆症と骨折について 福祉健康科学 (1), 19-23,
2021-02
最近の外部資金 基盤研究C:ラット難治性骨折モデルにおけるアバロパラチドとゾレドロン酸の骨折治癒促進効
果(2021-2023)
ラット大腿骨3 福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース・教授
氏 名 上白木 悦子(Kamishiraki Etsuko)
取 得 学 位 博士(医学)
、九州大学、2010年5月
S D G s目標
研 究 分 野 社会福祉学
研究キーワード 緩和ケア・終末期医療 、ソーシャルワーク、社会福祉学、尊厳
研 究 内 容 くろまる緩和ケア・終末期医療における患者や家族等への聞き取り
くろまる緩和ケア・終末期医療における医療ソーシャルワーカーの役割に関する研究
医療技術の長足の進歩や人口構造の変化,医療政策の転換等,さまざまな事情によって,昨
今,緩和ケアや終末期医療の場面においても倫理的・法的・社会的検討課題が増えていま
す。例えば,意思の確認ができない患者さんの医療方針の決定について,周囲の人々や社会
がどのように考えているかといったことは,誰にでも起こりうる倫理的・法的・社会的な検
討課題です.これらの課題に対してソーシャルワークがどのようなことができるのか,研究
を続けています。
くろまる障害者施設の看取りに関する研究
くろまる障害者の生涯学習支援体制の構築事業(大分県教育庁との事業)
その他、詳細は、researchmap(https://researchmap.jp)にて公開しています。
研 究 業 績 ・
アピールポイント 上記の研究内容について,今まで明らかにされていなかった,緩和ケア・終末期医療におけ
る医療ソーシャルワーカーの役割を,5つの役割として新しく提示しました.研究紹介動画
(本学研究マネジメント機構産学官連携推進センター作成)
(https://youtu.be/JeludlVHJMg)でも紹介しています。
くろまる論文
1.2021年、上白木悦子「緩和ケア・終末期医療における医療ソーシャルワーカーの役割の
必要性―患者への質問紙調査の因子分析結果―」社会福祉学 62(1) ,14-26.(2019年日本
社会福祉学会奨励賞(論文部門)受賞)
2. 2018年、「緩和ケア・終末期医療における医療ソーシャルワーカーの役割遂行の構造に
関連する要因」社会福祉学 59(3), 16-294 福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 理学療法コース・教授
氏 名 河上 敬介(Kawakami Keisuke)
取 得 学 位 博士(医学)
、名古屋大学、2001年9月
S D G s 目 標
研 究 分 野 基礎理学療法学
研究キーワード 骨格筋、メカノバイオロジー、理学療法学、筋萎縮、筋損傷、筋解剖学
研 究 内 容 ⃝筋萎縮に対する機械刺激の効果とそのしくみを明らかにする研究
一般に,筋力トレーニング効果には強い負荷運動が必要です。しかし,強い負荷運動は高齢者や
患者に対して難しいし,危険です。一方,理学療法室の高齢者や患者に対して弱い負荷量でも筋機
能が向上することをよく経験します。また,萎縮筋に対する筋力トレーニング効果は,健常筋に対
する効果に比べてかなり早く表れます。
「不思議」です。我々の目的は,これらの「不思議」を明ら
かにすることと,それを基に既存の定説を覆す新たな理学療法を開発することです(論文1.2.3)。⃝筋損傷に対する理学療法効果とそのしくみを明らかにする研究
一般的に,スポーツ時に起こる筋損傷は,安静,冷却,圧迫,挙上が大切だと言われます。しか
し近年,損傷筋に起こる炎症反応は筋の修復に不可欠であり,炎症を抑えると回復が遅れることが
分かりました。また,理学療法で用いる力学刺激は筋損傷時の再生を加速することが分かってきま
した(論文4)
。これには,損傷筋を掃除する細胞や筋の幹細胞の活動が関わっている様です。我々の目
的は,炎症反応による筋の修復のしくみを明らかにすることと,それを基に既存の定説を覆す新た
な理学療法の開発です。
⃝筋の肉眼解剖学的情報の収集や、それに基づく理学療法の検証に関する研究
理学療法の疑問を解決するに足りる筋解剖学の情報は,長きに渡り不足状態が続いてきました。
そこで,この情報収集と,それを基に,からだの外から筋肉の位置や形を触って知る方法を開発し
ています(著書1. 2)
。近年発展が目覚ましいVRを用いた,解剖学・理学療法学の教育法の開発を行って
います。
(注記)関連リンク:https://www.youtube.com/watch?v=fsD4Hci87xs
http://kjlab-ja.wp.med.oita-u.ac.jp/
研 究 業 績・
アピールポイント
⃝論文1.2021. Morphological and biochemical changes of lymphatic vessels in the soleus
muscle of mice after hindlimb unloading. Muscle Nerve, 64(5) 620-628. 2.2020. Cessation of electrically-induced muscle contraction activates autophagy in
cultured myotubes. Biochem. Biophys. Res. Commun. 553(3) 410-416.3.2017. Training at non-damaging intensities facilitates recovery from muscle
atrophy. Muscle Nerve, 55(2) 243-253.4.2017. Post-injury stretch promotes recovery in a rat model of muscle damage
induced by lengthening contractions. J. Physiol. Sci., 68(4) 483-492.
⃝著書
1.2020. 標準理学療法学・作業療法学 解剖学 改訂第5版、医学書院、東京
2.2013. 骨格筋の形と触察法 改訂第2版、大峰閣、川崎5 所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 心理学コース・教授
氏 名 河野 伸子(Kawano Nobuko)
取 得 学 位 博士(医学)
、大分大学、2021年9月
S D G s 目 標
研 究 分 野 臨床心理学・発達心理学
研究キーワード 心理療法、マインドフルネス、生涯発達心理学
研 究 内 容 ⃝マインドフルネス心理療法の効果研究
マインドフルネスは、近年広まってきた瞑想を用いた心理療法です。
「現在に気づきを向ける」こ
とを通して、身体感覚や五感、思考や感情を、ありのまま観察することを練習します。マインドフ
ルネスを練習することによって、自分自身の状態に早めに気づき、ぐるぐる考えること(反芻と言
います)から抜け出すことで、うつや不安、ストレスを減少させると言われています。
共同研究者の一人として、マインドフルネス心理療法とマインドフルネス心理療法に実存的なア
プローチを加えた場合の効果の比較検討を行い、効果の予測因子を抽出しました。
マインドフルネス心理療法は、医療領域で用いられてきましたが、現在では、幅広い領域、幅広
い対象の方に応用されており、私も、一人ひとりの幸福な生活を支援できるよう、応用していきた
いと考えています。
⃝子育て支援・保護者支援における多職種連携
子どもが生まれ成長していく過程は、同時に、その保護者にとっては、子どもを受け入れ、養育
することを学び、親になるという過程でもあります。その中で生じるさまざまな課題に対して、心
理的支援を通じて実践的に取り組むと同時に、多職種との効果的な連携の在り方についても検討し
ています。
研 究 業 績・
アピールポイント
(論文)
1.Kawano N, Terao T, Sakai A, Akase M, Hatano K, Shirahama M, Hirakawa H,
Kohno K, Ishii N.(2021)Maternal overprotection predicts consistent improvement
of self-compassion during mindfulness-based intervention and existential approach: a
secondary analysis of the EXMIND study. BMC Psychology.;9(1):20.
2.Sakai A, Terao T, Kawano N, Akase M, Hatano K, Shirahama M, Hirakawa H, Kohno
K, Inoue A, Ishii N.(2019)Existential and Mindfulness-Based Intervention to Increase
Self-Compassion in Apparently Healthy Subjects (the EXMIND Study): A Randomized
Controlled Trial. Frontiers in Psychiatry. 10:538.
(著書)1.(共著)
「第3部 教育臨床の諸問題 第3章 虐待」武内珠美・渡辺亘・佐藤晋治・溝口剛(編)
『教育臨床の実際〔第2版〕
』2018.151-160.2.(共著)
「第3章 諸機関での発達障害 1保健センターで出会う発達障害の可能性のある子ども
とその親への支援」伊藤良子・角野善宏・大山泰宏(編)
『京大心理臨床シリーズ7「発達障害」と
心理臨床』2009.214-223.6福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 理学療法コース・教授
(福祉健康科学研究科,医学系研究科,減災・復興デザイン教育研究センター 兼担)
氏 名 徳丸 治(Tokumaru Osamu, MD, PhD, MPH, LtCol JGSDFR)
取 得 学 位 博士(医学)
、東京女子医科大学、2000年1月;MPH, Univ. Texas, 2001年8月
S D G s 目 標
研 究 分 野 生理学,予防医学,航空宇宙医学
研究キーワード 航空宇宙医学,電子スピン共鳴,フリーラジカル,質量分析,感染症,性差,防災,避難所
研 究 内 容 【航空宇宙医学】パイロットや宇宙飛行士は特殊で過酷な環境でミッ
ションを遂行する。特殊環境での生理機能の解明を目指すとともに,
航空宇宙医学の広報に努めている。
【スピン共鳴解析学】BURST「量子生物学」の課題として,核磁気
共鳴(NMR)や電子スピン共鳴(ESR,右上図)など量子力学的現
象を生命科学に応用し,酸化ストレスや虚血再貫流障害の病態生理の
解明を目指している。
【脳組織内の高エネルギーリン酸の分布の可視化】質量分析イメージ
ングにより,脳虚血に伴うマウス脳内の高エネルギーリン酸(ATP,
ADP, AMP)の変化を時間・空間的な可視化に取り組んでいる(右
中図)。【小児感染症の性差・年齢差】厚生労働省の公表する感染症定点観測
データを用いて,小児感染症の年齢毎の性差に関する研究を継続して
いる。
【防災】我が国は,世界有数の災害多発国である。令和3年度大分大
学重点領域研究推進プロジェクトの研究代表者として,自然災害時の
避難所における健康危機の実態把握と解決を目指して領域横断的な研
究を展開している(右下図)。研 究 業 績・
アピールポイント
【学内プロジェクト】令和3年度大分大学重点領域研究推進プロジェクト「自然災害時の避難所にお
ける健康危機管理」研究代表者(令和3年度〜5年度)
【外部資金】科学研究費 基盤研究(C)代表(令和4年度-令和6年度)
,その他に分担4件
【社会貢献】厚生労働省 大分労働局 労働衛生指導医;防衛省 陸上自衛隊 予備2等陸佐;
日本宇宙航空環境医学会 理事・広報委員長;日本渡航医学会「渡航医学」編集委員
【専門医・学会認定資格】小児科専門医,日本医師会認定産業医,生理学エデュケーター,日本渡航
医学会認定医療職,宇宙航空医学認定医
【主な業績】航空宇宙医学:Tokumaru O et al. Aviat Space Environ Med 1999;70:256–
263.; Tokumaru O et al. Clin Neurophysiol 2003;114:1926–1935 Tokumaru O et al.
J Travel Med 2006;13:127-132. ス ピ ン 共 鳴 解 析 学: Tokumaru O et al. Neurochem
Res 2009;34:775-785.; Tokumaru O et al. J Surg Res 2018;228:147-153.; Umeda
R, Tokumaru O et al. J Clin Biochem Nutr 2019;64:20-26.; Matsumoto S, Tokumaru O
et al. J Clin Biochem Nutr (in press). 感染症:Eshima N, Tokumaru O et al. PLoS ONE
2011;6:e19409.; Eshima N, Tokumaru O et al. PLoS ONE 2012;7:e42261.; Hino Y, Eshima
N, Tokumaru O et al. Children 2021;8:40; Hino Y, Eshima N, Tokumaru O et al. J Infect
Chemother 2022;28:929-933. 防災:Tokumaru O et al. Disaster Med Public Health Prep.
doi:10.1017/dmp.2021.99
詳細は https://researchmap.jp/osamu_tokumaru?lang=ja をご覧ください。
ヒドロキシルラジカル NOラジカル
ATP in hippocampus (mouse) m/z = 505
ESR分光器7福祉健康科学部
福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース・教授
氏 名 中山 慎吾(Nakayama Shingo)
取 得 学 位 社会学博士、筑波大学、1991年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 高齢者・障害者福祉 福祉社会学
研究キーワード ケアの肯定的側面
研 究 内 容 ⃝ケアの肯定的側面に関する研究
「ケアの肯定的側面(positive aspects of caregiving)
」というテーマを中心に自分自身の研究
を統合的に進めていけるのではないかと考えています。この研究テーマには,福祉従事者の実践と
家族介護者による介護の双方を含めることができます。
具体的には,社会福祉従事者の肯定的仕事観に関わる質問紙調査の実施と分析に取り組んできま
した(論文1, 2, 4, 5)。 最近では,主に心理学の領域で関心が高まっているマインドフルネス・トレーニングを,福祉施
設職員への研修等に応用できないかと考え,研究に取り組みつつあります。
⃝社会福祉実践における福祉理念に関する研究
昭和20年代から障害者福祉の実践に携わった糸賀一雄や田村一二などの著作を参照して,福祉実
践における福祉理念に関する研究も行っています(著書1)。⃝地域包括ケアのあり方について
福祉健康科学部では,地域包括ケア概論の授業も担当しており,地域包括ケアに関する研究も行っ
ています(論文3)。研 究 業 績・
アピールポイント
⃝論文
1. 障害者施設職員における肯定的仕事観及び職務環境と仕事への満足度・熱中度との関連性, 福祉健
康科学, 2021年
2. 障害者施設職員における業務等の認識に関する研究 : 自由回答の質的及び数量的分析, 九州社会福
祉学, 2020年
3. 地域包括ケアの広がりと多職種連携 : ウェルビーングの多元性に対応する支援体制, 福祉社会学部
論集, 2019年
4. 障害者施設職員における職務環境の認識に関する研究 : 自由回答に基づく分析, 福祉社会学部論
集, 2019年
5. 障害者施設職員の肯定的仕事観に関する研究 : 自由回答に基づく分析, 福祉社会学部論集, 2019年⃝著書
1. 渡部昭男ほか編『糸賀一雄研究の新展開 ひとと生まれて人間となる』
(第11章「糸賀一雄と田
村一二におけるケアの肯定的側面の探求」
), 2021年8 福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース・教授
氏 名 松本 由美(Matsumoto Yumi)
取 得 学 位 博士(商学)
、早稲田大学、2009年12月
S D G s目標
研 究 分 野 社会保障論
研究キーワード 社会保障、医療保険、フランス、ドイツ
研 究 内 容 くろまる「公」と「民」の医療保険の組合せによる持続可能な包括的医療保障制度に関する研究
(2023年4月〜2027年3月)
日本では、国民皆保険体制のもとで高い水準の医療保障が実現しているが、人口構造の変
化等に対応するため、近年、医療費の自己負担の引上げ等が度々行われている。患者の負担
が少しずつ増えていくなかで、医療保障をめぐる国民の不安は高まりつつある。日本と同様
に社会の大きな変化に直面するフランスとドイツでは、一定の規制のもとで民間医療保険を
政策的に活用し、「公」と「民」の医療保険を組み合わせてよりよい医療保障を実現しよう
としており、そこには社会連帯にもとづく新たな医療保障の可能性が見られる。
本研究は、フランス・ドイツとの比較考察に基づいて、日本において持続可能な包括的医
療保障制度を構築するための公的医療保険と民間医療保険の組合せを明らかにする。
くろまる人口高齢化等の変化に対応した医療保険者の編成に関する国際比較研究 (2019年4月〜2024
年3月)
人口高齢化等の変化を背景として、医療保険の持続可能性を高めることが喫緊の政策課題
となっているが、多数の保険者によって運営される日本の医療保険にとって、この課題への
対応は容易ではない。日本と類似した医療保険制度を持つフランスとドイツでは、近年、保
険者の編成をめぐる重要な改革が実施され、財政的安定や効率性・公平性の向上が図られて
いる。そこで本研究は、フランス・ドイツとの比較考察に基づいて日本の医療保険者の編成
の「あるべき姿」を示す。
研究業績・
アピールポイント
くろまる論文
1. 松本由美 (2023)「医療保険における自己負担のあり方―ドイツ・フランスの慢性疾患へ
の対応―」『週刊社会保障』第77巻3221号、34-39.
2. 松本由美 (2022)「フランスにおける健診・検診―医療保険とかかりつけ医の役割―」『
健保連海外医療保障』No.130、24-40.
3. 松本由美 (2022)「医療保険における世代間連帯―ドイツ・フランスの年金受給者の位置
づけ―」『週刊社会保障』第76巻3164号、42-47.
4. 松本由美 (2020)「フランスの補足的医療保険における連帯的要素」『週刊社会保障』第
74巻3100号、42-47.
5. 松本由美 (2020)「医療保険制度における疾病管理―フランスとドイツの制度的対応から
みえてくるもの」『健康保険』第74巻6号、14-19.
くろまる著書
1.松本勝明(編著)、加藤智章、片桐由喜、白瀬由美香、松本由美 (2015)『医療制度改革―ド
イツ・フランス・イギリスの比較分析と日本への示唆―』旬報社.9 福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 心理学コース・教授
氏 名 渡辺 亘(Watanabe Wataru)
取 得 学 位 博士(心理学)
、広島大学、2001年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 臨床心理学
研究キーワード 臨床心理学 心理療法
研 究 内 容 1 心理療法に関する実践的研究
臨床心理士・公認心理師として心理療法やカウンセリングによる社会貢献を実践しながら、
心理療法のプロセスや心理療法家のあり方について考究する。特に対人関係精神分析の視点を
中心に据えることによって、心理療法家とクライエント間で構成される双方向の創造的な過程
を明らかにし、一対一の個別的な心理療法の本質について検討を進める。
2 遊戯療法に関する実践的研究
子どもに対する心理療法である遊戯療法(プレイセラピー)について、そのプロセスや心理
療法家のあり方について考究する。
3 〈自分〉
〈私〉という心理的経験に関する研究
他の誰でもない「この私」に関する経験が心理療法・遊戯療法の場でいかに構成されるのか、
それを助けるものは何かを、特に心理療法家とクライエントの関係の力動を支点として検討を
行う。
4 心理専門職の養成に関する研究
心理専門職(臨床心理士・公認心理師)の養成を行いながら、心理専門職の職能について検
討するとともに、その発達過程とそれを促進・阻害する要因を明らかにし、より豊かな心理職
の養成体制を実現する。
研 究 業 績・
アピールポイント
著書(共著・共編)
2019「時間のかかる営みを、時間をかけて学ぶ人のための心理療法入門」創
元社
著書(共著・共編)
2018「教育臨床の実際:学校で行う心と発達へのトータルサポート」ナカニ
シヤ出版
学術論文 2020「心理療法における見ることの諸様態」大分大学臨床心理学研究 創刊号
学術論文 2019「心理療法における乖離された自己の構成と自己の多重化―「一個人としての姿」
に視点を置いて―」大分大学教育学研究科心理教育相談室紀要1510 所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 理学療法コース・准教授
氏 名 阿南 雅也(Anan Masaya)
取 得 学 位 博士(保健学)
、広島大学、2012年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 運動器理学療法学,バイオメカニクス
研究キーワード 動作解析,変形性関節症,力学的ストレス,協調性,変動性
研 究 内 容 ヒトは地球上において,重力の影響下にて立ち上がり動作,歩行などの基本的動作をおこなって
います。しかし,加齢や外傷などにより,関節への力学的ストレスがより増大することで変形性膝
関節症などの変性疾患が生じ,活動制限に至ります。運動器疾患を対象としている理学療法士にお
いて,病態発症および進行の原因を明らかにし,さらに個々の患者に応じた理学療法を提供するた
めの客観的評価方法を開発することは非常に重要であります。
当研究室は三次元動作解析システムや筋電計,モーションセンサーなどを用いて,高齢者や運動
器疾患患者の動作の特徴を明らかにします。そして,理学療法学の発展に貢献できることを目指し
ています。
⃝ 運動器疾患の病態発症および進行の原因の解明に繋がる研究 日本学術振興会・科学研究費・基盤研究(C)
:関節に作用する圧縮力や骨内に生じる応力から
みた変形性膝関節症の進行要因の解明,2020〜2023年度
⃝ 運動器疾患に対する運動機能評価に基づくサブグループ化を確立する研究
学長戦略経費 若手研究支援:前十字靭帯損傷予防のための評価方法の検討,2020年度
⃝ 新しい客観的評価方法を利用した理学療法の効果検証における症例研究 学長戦略経費 若手研究支援:クラシック・バレエにおける身体全体の協調運動と身体機能との
関連,2019年度
Researchmap:https://researchmap.jp/read0150790
研 究 業 績・
アピールポイント
⃝ 論文1.Ibara T, Takahashi M, Shinkoda K, Kawashima M, Anan M: Hip sway in patients with
hip osteoarthritis during one-leg standing with a focus on time-series data. Motor
Control 25(3):1-17, 20212.Tokuda K, Anan M, Sawada T, Tanimoto K, Takeda T, Ogata Y, Takahashi M,
Kito N, Shinkoda K: Biomechanical mechanism of lateral trunk lean gait for knee
osteoarthritis patients. J Biomech 66: 10-17, 2018
⃝ 著書1.阿南雅也:変形性膝関節症.Crosslink理学療法学テキスト 運動器障害理学療法学(加藤浩 編).pp240-275,メジカルビュー社,20202.阿南雅也:隣接関節との関連を考慮した評価.人工股関節全置換術の理学療法(対馬栄輝 編).p86-95,文光堂,2020
⃝ 受賞1.World Physiotherapy subgroup outstanding poster presentation award: International
Association of Physical Therapists working with Older People(IPTOP): World
Physiotherapy Congress 202111福祉健康科学部
福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 心理学コース・准教授
氏 名 飯田 法子(Iida Noriko)
取 得 学 位 修士(教育学)
、大分大学、2011年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 臨床心理学、福祉心理学
研究キーワード 子育て支援、心理支援
研 究 内 容 1.自身が発達障害を抱える母親の育児支援の研究虐待の難治例の中には、母親自身に発達障害が存在するケースが多いといわれており、本研究で
は、その家族を支援するためのプログラムを作ることを目的としている。具体的には家族療法の
様子を動画に録画し、その映像を子育て支援者とともに振り返り、子育てのエッセンスを学べる
ようなプログラムの開発を行っている。
2. 夫婦間紛争における子どもの心理支援臨床心理士(公認心理師)の立場から子どもの強制執行など夫婦間紛争の狭間にいる子どもへの
支援について、実際に関わった家族への支援の事例検討を通して心理士の行う支援の在り方への
提言や、子どもの意思に係る児童福祉的な観点から、提言を行っている。
3. 保育現場の子育て支援に関する研究(大分県保育コーディネーターに関する研究)大分県保育コーディネーター養成研修委員(平成27年~)の立場から、大分県独自の認定制度で
ある大分県保育コーディネータ―に関する調査研究を実施中(継続予定)である。
研 究 業 績・
アピールポイント
子育て支援の中でも、特に、母親の発達障害や夫婦間紛争など子育て支援における心理臨床や、
保育現場での支援に関して、実際に現場に入り、調査や開発等を行っている。
⃝論文・母親自身が高機能自閉スペクトラム症である4事例の育児支援についての一考察, 社会福祉科学研
究, 2018年 単著・強制執行における「同時存在」についての一考察 ―「子どもの意思」の視点から―, 公益財団法
人鉄道公財会, 2018年 単著他⃝外部助成金 「母親自身に発達障害がみられる家族への子育て支援プログラム」の開発・応用
・平成30年度〜32年度 日本学術振興会科学研究費補助金(基礎研究C)課題番号18K03164・平成24年度〜26年度 日本学術振興会科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)課題番号
24653207・「子ども引き渡しの強制執行への立ち合いおける心理士の在り方」に関する研究
平成27年度「明治安田こころの健康財団」研究助成対象
⃝著書・保育実践と児童家庭福祉論, 第15章 保育と教育・療育・保健・医療等の連携とネットワーク, 勁草
書房, 2017年, 12月, 共著他12
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 心理学コース・准教授
氏 名 池永 恵美(Ikenaga Megumi)
取 得 学 位 博士(心理学)
、九州大学、2012年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 臨床心理学
研究キーワード 臨床動作法、心身相関、心理劇、発達障害
研 究 内 容 ⃝身体志向の心理療法における身体感覚の気づきと自己制御に関する研究
近年、心理的問題に対する身体志向の心理療法が国内外で非常に注目され、その代表的な技法と
してマインドフルネスや臨床動作法が挙げられる。しかしながら、両者の従来の研究では、心理的
側面や脳機能に関する検討が中心であり、実際の身体の状態との関連については不明な点が多く、
身体面へのアプローチが心理的変容になぜつながるのか、その作用機序については統一した見解は
ない。そこで本研究では実際の動作や筋緊張をバイオメカニクスの手法を用いて客観的に計測し、
様々な心理的指標との関連について検討を行っている。
⃝青年期発達障害者を対象とした集団心理療法の効果に関する研究
青年期はアイデンティティの形成が重要なテーマとなる時期であり、杉村(1998)はアイデン
ティティの形成を「自己の視点に気づき,他者の視点を内在化すると同時にそこで生じる両者の視
点の食い違いを相互調整によって解決するプロセス」としたが、他者との相互的コミュニケーショ
ンに困難を有する青年期発達障害者の場合にはアイデンティティの形成に困難を有することが示唆
される。また同時に幼少期からの生育環境等から二次障害を呈していることも多く、青年期発達障
害者が同世代の他者と仲間関係を築き、相互受容的なコミュニケーションを体験できる集団心理療
法の場は青年期発達障害者へ心理支援として非常に重要である。本研究では青年期発達障害者の集
団心理療法の体験プロセスを自己理解・他者理解の変容という観点から検討を行っている。
研 究 業 績・
アピールポイント
⃝論文・池永恵美・河野伸子(2022)
.青年期の発達障害者を対象とした集団心理療法過程―アスペルガー
障害のある男性の3年間の経過の検討―.大分大学臨床心理研究,第2号,pp13-21.・酒井奈那・富永咲子・花岡祐奈・松縄明日香・和田恵利菜・渡邉晴美・池永恵美(2020).青年
期発達障害者への集団心理療法に関する先行研究の動向と課題.大分大学大学院教育学研究科心
理教育相談室紀要,第15号,pp126-136.・池永恵美(2012)
.臨床動作法における援助者の援助が動作者の動作体験に及ぼす影響.心理臨
床学研究,29巻6号,pp762-773.
⃝著書
本吉大介・池永恵美(2019)
.動作法における体験様式の研究.針塚進監修・遠矢浩一編.
「臨床動
作法の実践を学ぶ」
.新曜社,pp175-191.
⃝受賞
2011年 日本リハビリテイション心理学会研究奨励賞13福祉健康科学部
福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 理学療法コース・准教授
氏 名 紀 瑞成(Ji Rui-Cheng)
取 得 学 位 博士(医学)
、大分医科大学、1998年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 リンパ系の構造・機能およびリンパ管新生に関する研究
研究キーワード リンパ学、実験病理学、リハビリテーション科学、免疫組織細胞化学、分子生物学
研 究 内 容 1.リンパ管系の臓器内分布と新生に関する免疫組織化学的研究
リンパ系は、リンパ管・リンパ節・胸腺などからなる複合システムで、リンパ循環を介して組織
液の血液中への回収にあずかり、また免疫系においても重要な役割を担っている。本研究の遂行に
必要不可欠な、臓器内にあるリンパ管内皮細胞の増殖・分化の免疫組織化学的観察、および病理標
本の網羅的検討を行っている。
2.種々の影響因子によるリンパ管内皮細胞の性状および細胞動態の解析
リンパ管の細胞生物学的性状を明らかにするために、細胞増殖因子・接着因子・化学因子に対す
るIn vitroでの細胞の動態変化を評価・解析している。さらに、最近では、超分子複合体の優れたア
ロステリック効果と抗癌メカニズム、および関節炎に対する抗腫瘍壊死因子療法の効果についての
研究にも携わっている。
3.リンパ系における特異的機能分子の発現と悪性腫瘍の転移機構などの解析
疾患動物モデル(悪性腫瘍、炎症、糖尿病、創傷治癒、リンパ浮腫)における微小循環系の構築
とリンパ管新生・再生の機序に関する分子生物学的解析を行い、特に腫瘍とリンパ行性転移との関
連性を明らかにしようと試みている。
4.筋萎縮及び筋損傷の回復過程におけるリンパ管系の役割とそのメカニズムの解明
リンパ管系は、骨格筋の萎縮・損傷・再生過程においても重要な役割を担っていると考えられて
いる。最近では、四肢の骨格筋疾患におけるリンパ管新生の関わりが注目されつつある。本研究プ
ロジェクトでは、早期リハビリによる筋萎縮と筋損傷の回復促進過程でのリンパ管系の応答、およ
びそれらの病態を制御する内皮細胞のシグナル伝達機構の解明に取り組んでいる。
研 究 業 績・
アピールポイント
1.リンパ系疾患に関わる実験動物モデル(悪性腫瘍、リンパ浮腫)を用いた、リンパ管内皮細胞
の変化とその分子機構の検証技術
(癌のリンパ行性転移の抑制やリンパ浮腫の予防に貢献)。2.リンパ免疫系疾患に関わる内皮細胞のシグナル伝達機構の発見(新たな分子標的治療の開発に
貢献)。3.リンパ管系の形態・機能応答が及ぼす影響およびそのメカニズムの解析(早期リハビリによる
筋損傷の治癒過程及び筋萎縮の回復過程の解明)。14
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 理学療法コース・准教授
氏 名 菅田 陽怜(Sugata Hisato)
取 得 学 位 博士(保健学)
、大阪大学、2012年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 リハビリテーション科学、神経科学、人間医工学、人間情報学
研究キーワード 運動学習、脳機能イメージング、仮想現実,ブレイン・マシン・インターフェース
研 究 内 容 1)運動学習に関わる脳内メカニズムの解明
理学療法には疾患や障害で失った運動機能を再度学習する、すなわち「運動学習」のプロセスが含
まれる。この、運動学習に関する能力には個人差が存在することが知られているが、その脳内メカ
ニズムが十分に解明されたとは言い難い。この運動学習に関わる脳内メカズムを理解できれば、新
たなリハビリテーションの開発などにつながる可能性がある。
2)身体化錯覚の転移を用いた新たな神経リハビリテーションの開発
ヒトは日常生活において、
「自分は自分である」あるいは「自分の身体は自分のモノである(身体所
有感)
」ことに対して特に疑問を持つことはない。しかしながら、近年では視触覚刺激などにより自
己認識の実験的操作が可能になっており、この自己認識を人工的に操作することにより、新たな神
経リハビリテーションが生み出せるものと期待されている。
3)内受容感覚(心の感覚)と運動学習能力との関連性解明
四字熟語の中に「心身一如」という言葉がある。これは、
「肉体と心は一体のもので、分けることが
できず、一つのものの両面である」ということを意味している。この「心」の部分について、近年
の研究で身体内の臓器や生理状態についての感覚として「内受容感覚」という言葉が使用されてい
る。この内受容感覚は、人間における感情の本質的な根源とされているが、一方では、内受容感覚
の機敏さは身体内のモニタリング能力、すなわち身体の適切な制御能力の高さを意味することが報
告されている。このことは、内受容感覚の変化に従属して運動機能が変化することを示している。
内受容感覚の変化によって運動機能が変化すると仮定すれば、内受容感覚を人工的に操作すること
によって運動機能の構成要素である「運動学習能力」を変調でき、引いては脳卒中患者に対する新
たなリハビリ手法の開発につながる可能性がある。
研 究 業 績・
アピールポイント
1. Sugata H, et al. Role of beta-band resting-state functional connectivity as a predictor
of motor learning ability. Neuroimage 210: 116562, 2020
2. Sugata H, et al. Modulation of Motor Learning Capacity by Transcranial Alternating
Current Stimulation. Neuroscience 391: 131-139, 2018
3. Sugata H, et al. Frequency-dependent oscillatory neural profiles during imitation. Sci
Rep 7: 45806, 2017
4. Sugata H, et al. Common neural correlates of real and imagined movements
contributing to the performance of brain-machine interfaces. Sci Rep 6: 24663, 2016
5. Sugata H, et al. Relationship between the spatial pattern of P300 and performance
of a P300-based brain-computer interface in amyotrophic lateral sclerosis. Brain-
Computer Interfaces 3:1-8, 2016
6. Sugata H, et al. Alpha band functional connectivity correlates with the performance
of brain-machine interfaces to decode real and imagined movements. Front Hum
Neurosci 8: 620, 2014
7. Sugata H, et al. Neural decoding of unilateral upper limb movements using single trial
MEG signals. Brain Res 1468: 29 -37, 201215福祉健康科学部
福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース・准教授
氏 名 滝口 真(Takiguchi Makoto)
取 得 学 位 博士(学術)
、佐賀大学、2021年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 社会福祉学、ソーシャルワーク
研究キーワード 価値と倫理、福祉思想、ソーシャルワーク、障がい児・者福祉
研 究 内 容 1.社会福祉の哲学
社会福祉はマジョリティの社会においてマイノリティの問題を中心的課題とする糸賀一雄、阿部
志郎、高田眞治らの福祉思想の援用を試みる。主として、近代社会福祉の礎を築いた石井十次、留
岡幸助、山室軍平、石井亮一、井深八重等のミッションの背景にある福祉思想をも視野に入れた価
値と倫理および対人援助観について考察する。
2.コミュニティ・ソーシャルワーク研究
福祉現場のソーシャルワーカーやケアワーカーとの研究会を通して、障がい児・者および認知症
の高齢者への具体的な支援方法について地域の社会資源を応用援用するソーシャルワークおよびコ
ミュニティワークの実践を可視化し、考察を試みる。
3.障がい児・者福祉
障がい児・者を捉える社会からの側面と同時に障がい児・者から捉える社会への側面の両側面か
らのアプローチを研究の視座に置く。医学モデルと社会モデルの両視点の位置からの障がい観を通
して、ソーシャルワークにおける人間観や価値観への提言を検討する。
4.余暇生活への福祉的支援
障がい者や認知症高齢者等の生活における余暇の活用並びに生活を営む中での余暇支援のあり方
について考察を試みる。アメリカにおけるTR(セラピューティック・レクリエーション)を援用し
つつ、ケアマネジメントを応用したA-PIE(1アセスメント→2計画→3実施→4評価→5再アセス
メント)プロセスによる実証的研究を進める。
研 究 業 績・
アピールポイント1.「中年高齢期のひきこもりにある人々の生活困難の構造についての質的分析 ― ソーシャルワー
カーへのインタビュー調査を通して ― 」
(共著)
.福祉文化研究第31号.日本福祉文化学会.
2022.2.「韓国老人長期療養施設におけるレクリエーション支援に関する考察 ― 施設職員を対象とした
テキストマイニング分析を通して ― 」
(共著)
.日本看護福祉学会誌Vol.27 No.2.日本看護
福祉学会.2022.3.「介護支援専門員のもつスピリチュアリティとケアプランとの関連に関する研究」
(共著)
.日本
看護福祉学会誌Vol.27 No.2.日本看護福祉学会.2022.4.「権利擁護にかかわる組織、団体」
(分担執筆)
.日本ソーシャルワーク教育学校連盟編集.
『権
利擁護を支える法制度』
.中央法規出版.2021.
所属学会:
日本キリスト教社会福祉学会副会長(学会誌編集委員長)
、日本福祉文化学会理事(学会
誌査読委員)
、日本看護福祉学会理事(学会誌査読委員)
、日本社会福祉学会代議員(学
会誌査読委員)
、日本女子大学社会福祉学会専門委員 他16 所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 心理学コース・准教授
氏 名 中里 直樹(Nakazato Naoki)
取 得 学 位 博士(心理学)
、広島大学、2017年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 社会心理学,ポジティブ心理学
研究キーワード Well-being,幸福度,人生満足度,自由,居住環境・居住地域,統計解析
研 究 内 容 「1. 日本人のWell-beingの低さをもたらす要因についての検討―自由の観点から―」
⃝ 
日本人のWell-being(幸福度)は,他の先進諸国の人々と比べると低いことが一貫して報告さ
れています。その原因について検討することを中心的な研究課題と位置付けています。研究知
見を基に,Well-being向上の方策を提言することを目指しています。 特に,個人がどの程度自由に振る舞うことができているか(i.e.,自由選択の感覚)に着目し,日
米の社会人などを対象として国際比較研究を実施しています。 近年では,社会における規範の厳格さや身近な人々との関係の良好さも踏まえた複合的な検討
も行っています。
「2. 居住環境・地域,個人の特徴,およびWell-beingの関連性についての検討」
⃝ 
カナダのトロント大学に留学した際に実施した,居住環境とWell-beingの関係についても引き
続き関心を持っています。留学時には,居住環境の向上を経験した人々を対象に,その前後5年
のWell-beingの推移を分析しました。 今後は,日本国内および大分市内・県内における個々人の特徴に適した居住地域の研究を構想
しています。
「3. 学校教育現場や職場環境への『自由とWell-beingの関係』の適用可能性」
⃝ 
研究内容1で見出された『自由とWell-beingの関係』が,学校教育現場に適用できるかについて
も関心を持っており,大分県の教育現場での調査も始めています。
⃝ 
従業員のWell-beingについては,長期的な観点から見た職場環境への好影響の可能性から,近
年,社会で注目を集めています。こうした研究にも関心を持ち,大分県の女性を対象に,希望
するライフコースの実現度とWell-beingとの関連性についての調査も始めています。
研 究 業 績・
アピールポイント
⃝ 
国際共同研究を含め,Well-beingに関する研究を10年以上にわたって実施してきた実績があり
ます。
⃝ 
多様な統計手法を用いて分析を行ってきました。公的機関が収集したものなどの大規模調査デー
タの分析,時系列データの分析,国際比較分析,個人(各従業員など)と集団(それぞれの職
場など)との関係性を考慮した上での分析を得意としています。
【主要論文】
Nakazato, N., Nakashima, K., & Morinaga, Y. (2017). The importance of freedom in the
East and the West over time: A meta-analytic study of predictors of well-being. Social
Indicators Research, 130, 371-388.
Nakazato, N., Schimmack, U., & Oishi, S. (2011). Effect of changes in living conditions
on well-being: A prospective top-down bottom-up model. Social Indicators Research,
100, 115-135.
【科研費研究プロジェクト】
「規範の厳格さが自由選択の感覚とWell-beingに及ぼす影響に関する検討(若手研究)」17
福祉健康科学部
福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース・准教授
氏 名 橋本 美枝子(Hashimoto Mieko)
取 得 学 位 修士(社会福祉学)
、淑徳大学、1996年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 社会福祉学、精神保健福祉
研究キーワード ソーシャルワーク、ソーシャルワーク実習教育、省察的思考、内発的動機づけ
研 究 内 容 省察的思考に基づくソーシャルワーク実習教育方法の研究
精神保健福祉士は、社会福祉学を基盤にソーシャルワークを実践する。それゆえ筆者は、精神保
健福祉士と社会福祉士の実習を分断せず、学生がすでに実施した社会福祉士の実習体験を省察・言
語化し、精神保健福祉援助実習の計画・実施に反映させる実習指導を実践してきた。実習指導のね
らいは、実習を媒介に学生が事前指導・実習指導・事後指導を受ける過程で、ソーシャルワーカー
に必要な知識、価値、スキルを獲得し向上させることである。本研究は、かような実習教育実践の
効果を検証し、ソーシャルワーク実習指導の教育方法を確立することを目的としている。
学生が作成した実習計画書および実習指導過程を分析すると、下記のことが言える。
1.実習に対する動機付けの明確化 および強化
内発的・内省的な実習計画ゆえに、学生は目的・目標を省察しつつ実習・指導に望むことができる。
また、形骸化しがちな実習目標を意識した実習の実践と評価が可能になる。
2.実習指導を媒介としたソーシャルワークスキルと知識の獲得
実習体験の言語化、分類・作図によって自らの学習ニーズを可視化し、他者にプレゼテーション
することで、言語化スキル向上の機会となる。また、言語化を通して、専門知識を深めるとともに、
誤った理解を修正する機会となる。
3.ソーシャルワークプロセスの体験的学習
学生が自身の学習ニーズに気づくために情報(実習体験)を整理・分析し、計画し、実行・評価
する過程は、ソーシャルワークの過程そのものである。学生には、実習で事例研究を課しているが、
その前に自分の成長に必要な実習計画を立てる作業は予行演習となる。
4.実習指導を媒介としたソーシャルワークの価値・視点の獲得
自らの実習体験をストレングス視点で正当に評価し、ストレングスを活かした実習計画・実施を
する経験は、実習で関わるクライエントのストレングスを発見し、それを活かしてエンパワメント
をはかるソーシャルワークの価値と視点に合致。
研 究 業 績・
アピールポイント
従来の実習教育では、実習配属施設に合わせて実習計画を立てる傾向にある。しかし筆者は、個々
の学生に自身がソーシャルワーカーになるために、実習を通して何を習得したいのか、実習体験の
省察をもとに実習目標を明確化し、その後に配属先を決定する。実習計画書は、先に立てた実習目
標を基に配属機関の特性に応じて微調整する。この逆転の発想が、学生が自分の学習ニーズを充足
させるための実習計画および実習の実施・評価を可能にする。
この省察的思考に基づくソーシャルワーク実習教育方法の研究自体は、まだ取り組み始めたばか
りである。18 所 属・ 職 位 福祉健康科学部福祉健康科学科心理学コース・准教授
氏 名 溝口 剛(Mizoguchi Tsuyoshi)
取 得 学 位 修士(心理学)
、広島大学、1997年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 臨床心理学
研究キーワード 精神分析的心理療法,情緒発達と心理支援,地域支援ネットワーク
研 究 内 容 1.関係論の視点からみた精神分析的心理療法の実践と理論的検討クライエントの心理力動の理解や有効な心理療法的関わりについて,特に関係論的精神分析の立
場から検討を行っている。またセラピストの訓練過程における臨床経験の組織化と対人関係とい
う観点から検討を行っている。
2.児童期・思春期・青年期の情緒発達と心理支援に関する研究 大学生が直面しがちな心理的問題や学生生活サイクル上の問題,学生支援体制等に関する研究を
行っている。また,不登校など学校不適応を呈する児童生徒の心理学的理解や彼らに対する心理
支援に関する論考も継続している。
3.現代青年の心理的問題と援助,ならびに地域支援ネットワークに関する研究 おおいたひきこもり地域支援センター(青少年自立支援センター)の立ち上げ初期から9年間スー
パーバイザーとして携わり,並行して不登校児童生徒の親同士のネットワーク構築事業や大分い
のちの電話相談員養成講座などにも携わっている。
研 究 業 績・
アピールポイント
⃝論文1.心理臨床家としての核(core)をつくる―「公認心理師」時代の相談室における臨床教育の意
義(単著)
;大分大学臨床心理研究第2号,2-11.,2021年2.ひきこもり傾向をもつ若者のバウムテストにみられる描画特徴(共著)
;大分大学大学院教育学
研究科心理教育相談室紀要第7号,145-156.,2011年3.
「五月病」からアイデンティティの旅へ(単著)
;大学と学生15号,45-50,2005年4.対象関係からみた「うらみ」の様相〜般若にみられるうらみの分析を通して〜(単著)
;心理臨
床学研究18(6),606-614.,2001年
⃝著書
1.時間のかかる営みを,時間をかけて学ぶための心理療法入門(共著)
;創元社,2019年2.教育臨床学の実際―学校で行う心と発達へのトータルサポート―(初版/第2版)
(共編著);ナカニシヤ出版,2011年/2018年3.大学生の心の成熟と転落を左右する対人関係のもち方―そのメカニズムとコミュニケーション
のあり方―(共著)
;あいり出版,2012年4.精神分析における未構成の経験―解離から想像力へ―(D.B.スターン著)
(共訳)
;誠信書房,
2003年19福祉健康科学部
福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース・准教授
氏 名 三好 禎之(Miyoshi Yoshiyuki)
取 得 学 位 博士(社会福祉学)
、日本福祉大学、2018年9月
S D G s 目 標
研 究 分 野 社会福祉学 生活構造論 内発的発展論
研究キーワード 健康寿命の延伸 社会的関係資本 ノルディック・ウォーク 生活構造 内発的
研 究 内 容 ―研究分野―
1.公害被害者世帯の生活構造研究
2.公害被害者世帯地域の内発的発展に関する研究
3.公民学連携事業による健康寿命延伸施策と生活保障に関する研究
―研究分野1,2の紹介―
高度経済成長期に顕在化した四大公害問題を主に研究しています。なかでも、公害被害者世帯の
生活構造がいかに破壊され、階層落層、階層転落が生じたのか。また、内発的な力によって窮乏化
の状況をどのように脱したのか、ライフヒストリー法により実態を探索し、生活再建に必要な施策
を研究しています。
―研究分野3の紹介―
健康寿命の延伸と社会的関係資本を運動によっていかに延伸させつつ、地域で福祉的効用を高め
ることができるのかを研究しています。現在、大分県内4市と宮城県1市でノルディック・ウォーク
教室を開催しつつ、健康寿命の延伸と社会的関係資本の醸成にかかる研究に取り組んでいます。
研 究 業 績・
アピールポイント
〇「水俣病多発地域における被害者の生活保障と支援団体に関する研究-ライフヒストリー分析を
通して」
日本福祉大学博士論文 2018
〇「ノルディック・ウォークを用いた体力向上に関する研究―豊後高田市におけるパネル調査―」 『福祉社会科学』
大分大学大学院福祉社会科学研究科 202120 所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 心理学コース・准教授
氏 名 村上 裕樹(Murakami Hiroki)
取 得 学 位 博士(心理学)
、名古屋大学、2012年5月
S D G s 目 標
研 究 分 野 心理学
研究キーワード 感情 、自律神経活動 、脳 、生理反応 、マインドフルネス
研 究 内 容 ⃝情動制御の神経生理学的メカニズムに関する研究
さまざまな心理療法に組み入れられている認知活動について整理しなおし,ストレスの低減につ
ながる認知活動と感情反応,脳機能,自律神経活動,免疫・内分泌系反応の関連性について研究して
います。
特に現在は,ストレスの低減やうつ病の再発予防効果が認められている「マインドフルネス」に
注目しています。
(注記)関連リンク:https://researchmap.jp/h.murakami
研 究 業 績・
アピールポイント
⃝論文
1. Kobai, R. & Murakami, H. (2021). Effects of interactions between facial expressions
and self-focused attention on emotion. PLOS ONE, e0261666.
2. Terasawa, Y., Oba, K., Motomura, Y., Katsunuma, R., Murakami, H., & Moriguchi, Y.
(2021). Paradoxical somatic information processing for interoception and anxiety in
alexithymia. European Journal of Neuroscience. 54(11), 8052-8068.
3. Murakami, H., Katsunuma, R., Oba, K., Terasawa, Y., Motomura, Y., Mishima, K., &
Moriguchi, Y. (2015). Neural Networks for Mindfulness and Emotion Suppression. PLoS
One, 10(6), e0128005.
⃝著書
1. 村上裕樹(2012). 第7章心的外傷後ストレス障害(pp. 169-202)熊野宏昭・今井正司・境
泉洋監修『メタ認知療法:うつと不安の新しいケースフォーミュレーション』
(全395頁)日本評論社⃝受賞
1.村上裕樹・松永昌宏・大平英樹(2008). 遺伝子多型が脱中心化による感情制御に及ぼす影響
日本感情心理学会第16回大会(大妻女子大学,5月)21福祉健康科学部
福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース・准教授
氏 名 八木 直樹(Yagi Naoki)
取 得 学 位 博士(文学)
、九州大学、2008年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 歴史学
研究キーワード 大友氏、戦国大名、戦国時代
研 究 内 容 1.室町・戦国時代における大友氏の領国支配に関する研究
大友氏は、鎌倉時代以来、豊後(現大分県)を本拠とし、幕府が任命した守護を出身とする大名
です。鎌倉・室町・戦国時代を通して約400年間、同じ国を支配し続けた大名家は全国的にもかな
り珍しいです。その大友氏が室町時代の守護から戦国時代の戦国大名へと成長できた過程と理由を
研究しています。具体的には、領国支配を担った組織はどのようになっていたのか、どのような家
臣がどのような役割を果たしていたのかを考えています。
2.豊後大友氏を中心とした九州戦国史に関する研究
戦国時代の大友氏は、本拠地豊後以外の国々へと勢力を拡大していきます。そして現地の様々な
領主層を支配下に組み入れていきました。戦国大名大友氏と現地の領主層との関係を追及すること
により、大友氏を中心とした九州戦国史を叙述したいと考えています。
研 究 業 績・
アピールポイント
⃝論文
1.2019年、八木直樹「耳川大敗と大友領国」黒嶋敏編『戦国合戦「大敗」の歴史学』山川出版社2.2018年、八木直樹「大友義統の家督相続時期について」鹿毛敏夫・坪根伸也編『戦国大名大友
氏の館と権力』吉川弘文館3.2014年、八木直樹「戦国大名大友氏の普請命令と免除特権」稲葉継陽・花岡興史・三澤純編『中
近世の領主支配と民間社会―吉村豊雄先生ご退職記念論文集』熊本出版文化会館4.2014年、
八木直樹「戦国期九州における情報伝達と外交交渉―大友氏の使僧真光寺を中心に―」
『九州史学』166号5.2013年、八木直樹「戦国大名大友氏の軍事編成と合戦」鹿毛敏夫編『大内と大友―中世西日本
の二大大名―』勉誠出版
⃝著書
1.2021年、八木直樹著『戦国大名大友氏の権力構造』戎光祥出版
2.2014年、八木直樹編著『シリーズ・中世西国武士の研究 第2巻 豊後大友氏』戎光祥出版22 福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 理学療法コース・講師
氏 名 安藤 敬子(Ando Takako)
取 得 学 位 博士(看護学)
、大分県立看護科学大学、2022年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 看護学
研究キーワード 看護教育、産業保健、睡眠
研 究 内 容 ⃝交替勤務労働者における睡眠に関する研究
交替勤務労働者は、概日リズムに反する生活をしている。そのため、健康を害したり、安全のリ
スクが高いことが知られている。これらのリスクを低減するための労働者ができるセルフケアや組
織的な関わりについて検討し、産業保健活動に活かし、労働者の健康と安全を守ることに寄与する
ことを目的にしている。
1)安藤敬子、影山隆之、小林敏生:男性交替勤務労働者の深夜勤における眠気と関連する要因 生
活習慣および職場ストレス要因との関連.産業精神保健 27(1)
:36―46, 2019.
2)安藤敬子、影山隆之 : 三交替勤務に従事する男性労働者の深夜勤務中の眠気に対する睡眠衛生教
育の効果. 産業精神保健 29(3): 273-285, 2021.
⃝交替勤務労働者の経耳道光照射による概日リズムの改善に向けたプログラム開発
これまで経耳道光照射による抑うつ状態の改善が報告され、その機序として概日リズムへの影響
が考えられている。そこで、夜勤をする交替勤務者において覚醒レベルの変化が起こるのか、生体
リズムに関連する時系列データ(心拍のR-R間隔の変動、自律神経活動としてのHF・LF成分、身体
活動量を測定する加速度)によって評価する。
科学研究費助成 基盤研究(c)2021年〜2024年
研 究 業 績・
アピールポイント
労働をする期間は、人生において長い時間であり、また、退職後の健康にも影響する。そのため
労働者の健康と安全を守ることには大きな意義がある。今後は睡眠だけでなく、産業保健に関して
テーマを拡大していく予定である。
⃝論文1.安藤敬子, 影山隆之, 小林敏生(2019)
.男性交替勤務労働者の深夜勤における眠気と関連する
要因―生活習慣および職場ストレス要因との関連.産業精神保健,27(1)
:36-462.安藤敬子, 影山隆之(2021)
.三交替勤務に従事する男性労働者の深夜勤務中の眠気に対する睡
眠衛生教育の効果.産業精神保健,29(3)
:273-285
⃝著書1.安藤敬子(2016). 第4章 適応様式の解説 1. 生理学的様式 栄養、排泄、活動と休息(p54-66)『ロイ適応看護理論の理解と実践 第2版』小田正枝監修23 福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース・講師
氏 名 栄留 里美(Eidome Satomi)
取 得 学 位
日本女子大学大学院人間社会学研究科社会福祉学専攻博士後期課程 単位取得満期退学 2014年3月
博士
(社会福祉学)
、鹿児島国際大学、2015年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 社会福祉学
研究キーワード 子どもの人権,アドボカシー,権利擁護
研 究 内 容 ・子どもアドボカシーに関する研究
すべての子どもは自分自身に関わることについて意
見を言う権利があり、そしてそれを聴いて受け止め
てもらう権利(国連子どもの権利条約12条)があり
ます。しかし、時として、保護者や施設職員・里親
など養育に関わる人たちに要望を伝えても聴いても
らえないこともあるでしょう。深刻な場合には、子
どもたちが暴力を受けていて声を上げられないこと
もあります。
そのようなときに、子どもたちが安心して助けをもとめられる第三者が必要とされます。子ども
たちに求められる「第三者」とはどのような仕組みが望ましいのか、子どもたちがこの権利を保障
される社会の在り方はどうあるべきかを科研費等の助成により研究しています。
私が特に注目しているのは、子ども側に立って代弁する特徴をもつイギリスのアドボカシーサー
ビスという仕組みです。日本にも、このような「第三者」を創るにはどうしたらいいか実践研究を
進めています。それらの成果を単著や共著として発信しています。
研 究 業 績・
アピールポイント
(単著)
・2015年『社会的養護児童のアドボカシー :ー意見表明権の保障を目指して』
(明石書店)
(共著)
・2009年『子どもソーシャルワークとアドボカシー実践』
(明石書店)堀正嗣、栄留里美
・2011年『イギリスの子どもアドボカシー ―その政策と実践』
(明石書店)
・2013年『子どもアドボカシー実践講座』
(解放出版社)
・2018年『独立子どもアドボカシーサービスの構築に向けて―児童養護施設と障害児施設の子ど
も・職員へのインタビュー調査から』
(解放出版)
・2021年『アドボカシーってなに? ―施設訪問アドボカシーのはじめかた―』
(解放出版)・『子ど
もアドボカシーと当事者参画のモヤモヤとこれから』
(明石書店)・『施設訪問アドボカシーの理論と
実践』
(明石書店)24 所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 理学療法コース・講師
氏 名 川上 健二(Kawakami Kenji)
取 得 学 位 修士(医科学)
、大分大学、2017年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 リハビリテーション科学、理学療法学
研究キーワード 転倒、筋電図、脳波、筋、徒手療法
研 究 内 容 ⃝高齢者を対象に転倒リスクのバイオマーカーを検出する研究
我が国では現在、健康寿命の延伸に向けた取り組みが多く行われてい
る。健康寿命を短くする一因に「転倒による骨折」があり、転倒を予防
することが大きな課題となっている。そこで、重心動揺と筋電図および
脳波の関連性を解析し、新しい転倒リスクのバイオマーカーを見出すこ
とを目的に研究を行っている。方法は、若年健常者群と健康な高齢者群
に対し、開眼時、閉眼時および最近リハビリテーション分野でも用いら
れるようになってきたVRゴーグルを使用した歩行体験時の下肢筋電図
と脳波および足圧中心を同時に計測し解析を行っている。
⃝疲労した筋の運動機能を向上させる定量的機械的圧刺激について研究
「筋疲労」とは運動時に必要な筋力やそれを発揮するための能力が低下
した状態をいい、こうした筋機能低下に対する理学療法として、臨床で
は徒手的に圧刺激を与える方法が用いられてきた。しかし、その刺激強
度についてはセラピストの経験に委ねられるためばらつきが多く、適切
な刺激強度については明らかになっていない。そこで、徒手の圧刺激
を模擬した定量的圧刺激装置を作製し、前腕筋への圧刺激が運動機能と
筋収縮様式へ及ぼす影響をボタン押し課題を用いて筋電図周波数解析を
行っている。
研 究 業 績・
アピールポイント
⃝転倒リスクのバイオマーカーを検出する研究については、
2019年から科学研究費助成事業の助成を受けて実施している。
現在、若年健常者に関する論文を作成中である。
(右の上図)
⃝論文
1.2014年、人工膝関節置換術後の膝蓋骨骨折後の理学療法
2.2016年、疲労した筋に対する機械的圧刺激が運動機能向
上に及ぼす影響(右の下図)
⃝著書
1.2021年、可動域練習,筋力増強訓練の原理と適応,応用25福祉健康科学部
福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース・講師
氏 名 工藤 修一(Kudou Syuichi)
取 得 学 位 修士(社会福祉学)
、日本福祉大学、1997年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 高齢者福祉・地域ケア
研究キーワード 介護報酬、モラルハザード、老人保健施設
研 究 内 容 1 効率的な介護サービス提供システムの構築
要介護者の急激な増加などにより介護費用が増大している。 総じて要介護者数はコントロールに大
きな限界があり,よって,焦点は要介護者一人当たりのコストコントロールとなる。適正な介護報
酬の設定やサービス事業者のモラルハザード防止の観点などから,効率的な介護サービスの提供シ
ステムの考案を試みている。
2 介護保険下の老人保健施設の新たなあり方
老人保健施設は家庭復帰を目的とした施設であるが,現在では長期入所者が多数を占めている。制
度創設時は,我が国の医療・福祉施設で唯一理学療法士,もしくは作業療法士の配置が義務付けら
れていたことが大きく影響し,
いわゆる回復にある患者も少なからず入所していた。しかし,
その後,
一般医療機関へのリハ職の配置が大きく進展し,応じて老人保健施設の入所者はプラトーの方が主
となった。その結果,機能回復しての家庭復帰者が大きく減少し,老人保健施設の存在意義が問わ
れている。こうした現状認識のもと,高齢者ケアの政策動向を踏まえて,老人保健施設の新たなあ
り方を検証している。
3 過疎地域の福祉・介護サービスの提供システム
近年,
過疎地域のサービス事業者の撤退が相次いでいる。原因はシンプルで,
不採算性にある。他方,
こうした地域ほど障害者や高齢者などの生活課題は多様で,また,年々深刻化している。解決方法
のひとつとして,社会福祉連携推進法人の活用が考えられ,この実効可能性を探っている。
研 究 業 績・
アピールポイント
(共著)
『単身高齢者の見守りと医療をつなぐ地域包括ケア』
(中央法規,2020)
(単著)
「地域を支えるソーシャルワークのあり方―ディレンマ・有用性・教育課題―」(『地域リハ
ビリテーション:4(3),2009)
全国国民健康保険診療施設協議会:小規模自治体における地域包括支援センターの効率的な取組に
関する調査研究事業委員(2021)26 所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 社会福祉実践コース・講師
氏 名 齋藤 建児(Saito Kenji)
取 得 学 位 博士(社会福祉学)
、岩手県立大学、2021年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 社会福祉学、地域福祉、高齢者福祉
研究キーワード 地域共生社会、社会的居場所、社会参加、ソーシャル・キャピタル
研 究 内 容 ⃝高齢者の社会参加支援に関する研究
高齢者の社会参加は、老後の健康やウェルビーイングとの関連から重要な位置付けにある。問題
意識は、老化のプロセスにおいて、多かれ、少なかれ体験するストレスフル・ライフイベントや、
過疎地域の物理的、社会的な諸課題がもたらす社会参加の阻害要因である。これまでの研究では、
こうした環境のもと、いかにして社会参加の枠組みを地域社会で形成するか、地域の住民及び組織
体、支援者としての行政、ソーシャルワーカーの役割について探索的に検討した。
(論文1.)主体的外出場所が地域在住一般高齢者の主観的ウェルビーイングに与える効果:高齢期のストレス
フル・ライフイベントの体験・認知に関する調査結果から 2019 高齢者のケアと行動科学 25,56-66.(注記)関連リンク:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbse/24/0/24_13/_article/-char/ja/
(論文2.)山形県酒田市におけるいきいき百歳体操の効果―身体機能・QOL・相互扶助行為に関する調査から
― 2018 東北公益文科大学総合研究論集 35,51-62.
(注記)関連リンク:https://koeki.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_
view_main_item_detail&item_id=411&item_no=1&page_id=13&block_id=21
(論文3.)過疎地域における社会的居場所の 円滑な運営方法の検討:─地域包括支援センター職員へのインタ
ビュー調査 2020 高齢者のケアと行動科学 25,56-66.
(注記)関連リンク:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbse/25/0/25_56/_article/-char/ja/
研 究 業 績・
アピールポイント
共生社会政策において、地域づくりと個別支援はその根幹にあり、既往研究では上述のとおり社
会参加の枠組み形成をテーマに取り組んできた。以下の論文では、それらをまとめている。
⃝論文
1.2021年、
「高齢者の社会的居場所に関する研究:山形県酒田市を事例として」
岩手県立大学大学院社会福祉学研究科社会福祉学専攻博士後期課程(令和2年度)
⃝受賞
1.2021年、岩手県立大学学長賞受賞27福祉健康科学部
福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 理学療法コース・講師
氏 名 萬井 太規(Mani Hiroki)
取 得 学 位 博士(保健科学)
、北海道大学、2015年3月
S D G s目標28研 究 分 野 理学療法学、リハビリテーション科学
研究キーワード 姿勢制御、運動制御、運動発達
研 究 内 容 •予測的姿勢調節の後天的再学習方法の考案に関する研究
予測的姿勢調節(APAs)とは、運動直前に見られる姿勢の
準備活動のことであり、安定かつ円滑な動作の達成に重要
な役割を担う。しかし、高齢者やパーキンソン病等の神経筋
疾患では、APAsが低下し、動作のふらつきや転倒の原因とな
る。ゆえに、APAsの再学習方法の確立が喫緊の課題である。
これまで動作の反復練習がその動作のAPAsを高めることが示
されているが、異なる動作への効果は低いことが問題視され
ている。当研究室では、加齢や発達に伴うAPAsの変化の特
性を解明し(論文1, 2, 3)
、新たなAPAs再学習方法の考
案に取り組んでいる、新たなAPAs再学習方法の考案に取り組
んでいる(論文6)。
•乳幼児期から学童期の姿勢・運動制御の発達特性の解明
昨今、ふらつく、転ぶといった運動が不器用な子どもの増
加が問題視されている。運動の発達は、日々の運動の積み重
ねによりなされていくことから、不適切な姿勢制御・運動制
御を早期に発見し、適切な運動を学習する機会を提供するこ
とが重要である。乳幼児期の運動発達の特性を明らかにする
ため、三次元動作解析システムを始めとする精密機器を用い
た分析に加え(論文4, 5)
、ビデオカメラ映像からAIを用い
て動作を解析する手法も駆使し、縦断的に小児期の運動発達
の特性の解明に取り組んでいる。
研 究 業 績 ・
アピールポイント
•論文
1. Mani H: Age-related changes in distance from center of mass to center of pressure
during one-leg standing. J Mot Behav 2015; 47:282-90.
2. Mani H: Development of postural control during single-leg standing in children aged
3-10 years. Gait Posture. 2018; 68:174-180.
3. Mani H: Development of temporal and spatial characteristics of anticipatory postural
adjustments during gait initiation in children aged 3ー10 years. Hum Mov Sci. 2021;
75:102736.
4. 萬井:5つの運動機能領域から見た健常児の歩行特性―3歳から10歳児と成人との比較.理学療
法学.2020; 47: 560-567
5. Development of the Relationships Among Dynamic Balance Control, Inter-limb
Coordination, and Torso Coordination During Gait in Children Aged 3-10 Years. Front
Hum Neurosci. 2021; 28: 15:740509.
6. Mani: Visual feedback in the lower visual field affects postural control during static standing. Gait
& Posture. 2022; 97: 1-7.
7. Miyagishima S and Mani H: Developmental changes in straight gait in childhood. PLoS One.
2023; e0281037.
所 属・ 職 位 大学院 福祉健康科学研究科 附属臨床心理教育研究センター・講師
氏 名 渡邉 晴美(Watanabe Harumi)
取 得 学 位 修士(教育学)
、福岡教育大学、1995年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 臨床心理学
研究キーワード 教育臨床・スクールカウンセリング・緊急支援
研 究 内 容 1.
虐待や引きこもり、発達障害などの複合的課題に対応するための総合的多角的心理支援の資質・
能力の涵養
2.心理専門職として領域横断的心理支援を展開することができる実践力の養成
3.地域に即した総合的多角的心理支援の基盤となる支援者コミュニティの形成
研 究 業 績・
アピールポイント
しろまる公認心理師、臨床心理士
しろまる 私はこれまで、20年以上にわたり、大分県内の公立小・中学校でスクールカウンセラー・緊急
支援スクールカウンセラーとして教育臨床実践を重ね、その経験をもとにスクールカウンセラー
スーパーバイザーとしてスクールカウンセラーへの指導・助言などを行うことで県下のスクール
カウンセラーをサポートするとともに、教育現場における心理支援専門職の質の向上や後進の育
成にも力を注いできました。
近年、子どもたちをめぐる諸問題は、虐待、引きこもり、発達障害など様々な「複合的課題」を
抱え、より複雑化してきています。これらの諸問題に対して心理専門職として求められるものは、
総合的多角的心理支援を展開できる資質と能力です。教育現場で活動する心理支援の専門家であ
るスクールカウンセラーには、
「チーム学校」の一員として、困りを抱える子どもたちの生活をさ
さえるべく、医療・福祉などの他領域と連携して、心理支援を行っていくことが求められます。
令和2年4月に設置された臨床心理教育研究センターでは、センターでの活動を通して、複雑化
する心の問題に対応することのできる、領域横断的・総合的多角的心理支援の展開ができる心理
専門職の育成に取り組んでいます。
臨床心理教育研究センターでは、臨床心理学的支援に関する地域貢献、大学院教育、研究及び
発信の事業を一体的に進めるとともに、医療・福祉・教育・司法犯罪・産業労働の5領域の架け橋
及び地域支援の活性化を推進することにより、地域共生社会の実現に寄与することを目的として
様々な活動を行っています。具体的な活動としては、センター内に設置されている心理教育相談
室での相談業務、相談業務に係る調査・研究、臨床心理学コースの相談業務実習に対する指導を
行っています。29 福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 理学療法コース・助教
氏 名 古長 紗恵 ( Kocho Sae )
取 得 学 位 臨床心理修士(専門職)、九州大学、2019年3月
S D G s目標
研 究 分 野 臨床心理学
研究キーワード 発達障害支援、自己理解、青年期、ボンディング、乳幼児
研 究 内 容 ・
研 究 業 績 ・
アピールポイント
くろまる青年期自閉スペクトラム症者の自己理解についての研究
青年期は自己理解を深めることが重要な課題となります。自己理解は他者との対話や関係
性の構築の中で育まれる側面が大きいですが,対人関係やコミュニケーションに困難が生じ
る自閉スペクトラム症の人たちは,自己理解が深まりにくかったり,否定的な自己評価に偏
りやすかったりすることが示されています。自閉スペクトラム症の人たちの自己理解のあり
方をより本人の主観的な体験から明らかにし,支援方法を検討するために,写真を使ったイ
ンタビュー技法であるPhoto elicitation interviewを用いて,研究を行っています。
くろまる乳児期の子どもを持つ母親のボンディングについての研究
ボンディングとは,養育者が子どもをかわいい,愛おしいと思う特別な情緒的絆のことを
指します。従来,育児支援においてはハイリスク家庭へのサポートや,すでに不安,問題が
生じている家庭への介入を中心に検討されてきました。しかし,現時点では問題が生じてい
ない家庭に対しても,子育てが楽しいと思えるポジティブな要素を増加させることは,広く
虐待や育児不安への予防につながると考えられます。本研究では,ポジティブな要素として
ボンディングに着目し,ボンディングを高めるプログラムの開発を目指しています。
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 理学療法コース・助教
氏 名 田中 健一朗(Tanaka Kenichiro)
取 得 学 位 博士(医学)
、長崎大学、2018年3月
S D G s目標
研 究 分 野 リハビリテーション科学、健康科学、呼吸内科学,栄養学
研究キーワード 理学療法、高齢者、介護予防、地域包括ケアシステム、呼吸リハビリテーション
研 究 内 容 ・
研 究 業 績 ・
アピールポイント
くろまる高齢者の介護予防・健康増進に関する研究
高齢者では加齢に伴い、徐々に身体機能が低下し、
健康な状態から要介護の状態に陥りやすくなります。
多くの自治体では身体機能の低下を予防する事業が実
施されていますが、住民主体型の事業の効果について
は、詳細が明らかにされていません。本研究では効果
的な介護予防、健康増進事業の開発に関する研究を行
っています(図1)。
この研究では、住民が主体的に行う介護予防事業においても、バランス機能や歩行機能の
改善の他に、日中の身体活動量の改善効果が示されました。さらに、住民同士のつながりが
強化され、地域機能の改善効果についても可能性がみられています。
住民の方々が末長く、住み慣れた地域で健康的に、また、希望をもって生活を続けられる
ことを目標に、今後もより効果的な介護予防事業の開発に関する研究、疾患別の介護予防事
業の効果に関する研究を行っていきます。30 福祉健康科学部
所 属・ 職 位 福祉健康科学部 福祉健康科学科 心理学コース(講座)・助教
氏 名 増田 成美(Masuda Narumi)
取 得 学 位 修士(心理学)、広島大学、2018年3月
S D G s目標
研 究 分 野 臨床心理学
研究キーワード 逆境体験、虐待サバイバー、トラウマ、PTSD、許し(forgiveness)
研 究 内 容 ・
研 究 業 績 ・
アピールポイント
くろまる逆境・虐待サバイバーにおける複雑性PTSDに関する研究
虐待および家庭の機能不全を含む逆境的小児期体験 (Adverse Childhood Experiences:
ACE) を持つ方は,複雑性PTSD (Complex PTSD: CPTSD) を発症するリスクが高くなります。
しかし,こうしたサバイバーの中には, CPTSDを発症しない方もいます。本研究は,CPTSDを
発症しない要因を検討し,「ACE・虐待サバイバーの逆境を乗り越える際の心の傷の回復」に
必要な心理的資質を見出すことを目指しています。
くろまる性的虐待サバイバーの感情変化のプロセスに関する研究
被害の重大さからPTSDを発症しやすいといわれる性的虐待サバイバーの抱えている困難と
それにまつわる感情変化のプロセスについて聴取し,必要な支援を検討しています。
くろまる「許し・寛容性」に関する研究
海外研究においては,「許し」がPTSD症状を低減し,ネガティブ感情を緩和することが示
されていますが,日本においても同様の結果が得られるか検討しています。31

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