教育学部
大学院教育学研究科
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部初等中等教育コース(社会認識教育)
・教授
氏 名 青柳 かおり(Aoyagi Kaori)
取 得 学 位 博士(文学)
、立教大学、2002年9月
S D G s目標
研 究 分 野 歴史学、西洋史、宗教史
研究キーワード イギリス近代史、英領アメリカ植民地史、イングランド国教会、海外福音伝道協会
研 究 内 容 近代イングランドにおける宗教と政治について関心があり、特にイングランド国教会の
宗教政策および異教徒への布教活動について研究している。宗教改革によってプロテスタ
ントの国教会が成立したが、17世紀半ばピューリタン革命期には急進的なプロテスタント
非国教徒が優位となり、国教会の地位は低下した。王政復古後、政府は制定法によって国
教会のもとでの宗教の統一を図った。一方、国内にはカトリック教徒と非国教徒が存在してお
り、宗教的統一は困難であった。17世紀後半、一部の国教徒の政治家や国教会聖職者は包括
という宗教政策を提案し、同じプロテスタントである非国教徒を国教会に取り込もうとし
た。結果的に名誉革命後に包括は失敗し、非国教徒に公の礼拝の自由を認める寛容法が成
立した。
イングランド国教会は現代イギリスの正式な教会であり、世界中にアングリカン・コミ
ュニオンが存在する重要な教会である。しかし、従来のイギリス史研究では17世紀のピュ
ーリタン系教会の分析が中心であり、国教会の活動は停滞していたと考えられている。18
世紀における国教会の歴史については、イギリス・日本において研究がうすく、とりわけ
海外との交流については未開拓の分野である。1701年、国教会はイギリス領アメリカ植民
地における異教徒への布教を開始するため、海外福音伝道協会(the Society for the
Propagation of the Gospel in Foreign Parts, SPG)を設立した。SPGは各植民地
へ宣教師や教理問答師、学校教師を派遣して現地での布教や教育に努めたのである。18世
紀におけるSPGによるアフリカ系奴隷への布教活動について一次史料をもとに解明し、国教
会の海外進出と発展を明らかにしたいと考えている。また、SPGによるアフリカ系奴隷への
英語やキリスト教教育、貧しい人々への学校教育についても関心があり、研究をすすめて
いる。
研 究 業 績 ・
アピールポイント
単著『イングランド国教会-包括と寛容の時代-』彩流社、2008年
共著「リチャード・フッカーと伝統-イングランド国教会の儀式におけるカトリック的
習慣―」森田安一編『ヨーロッパ宗教改革における連携と断絶』教文館、2009年
共著「イングランド国教会と非国教徒-「包括」と「寛容」の近世史-」甚野尚志、踊共
二編『中近世ヨーロッパの宗教と政治 -キリスト教世界の統一性と多元性-』ミネルヴァ
書房、2014年
論文「18世紀イギリス領アメリカ植民地における奴隷の改宗」『エクフラシス-ヨーロッパ
文化研究-』第6号、2016年
論文「イングランド国教会とアン女王基金」『史苑』78号1号、2018年
科研・基盤C「イングランド国教会の海外進出-アメリカ植民地の奴隷への布教を中心に
-」2013〜2017年度、代表者
科研・基盤A「中近世キリスト教世界の多元性とグローバル・ヒストリーへの視角」2013〜
2016年度、研究分担者(代表者:甚野尚志)1 所 属・ 職 位 教育学部(言語教育)
・教授
氏 名 麻生 雄治(Aso Yuji)
取 得 学 位 修士(教育学)
、鳴門教育大学、1996年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 英語教育
研究キーワード ライティング、スピーキング、テスティング、フィードバック、協同学習
研 究 内 容 研究課題は、大きく(1)教材、(2)指導法、(3)評価の3つの分野に分けられる。
(1)教材(教材分析と教材開発)・日本人英語学習者にとって適切な英語教材の内容、分量、難易度の検討や効果的な学習を促進す
るための教材開発、など
(2)指導法(英語表現力育成のための効果的な指導法の検討・開発)
・日本人英語学習者に適するセンテンス・コンバイニング練習の方法
・ライティング指導のおけるピア・フィードバックの有効性の検討、など
(3)評価(授業内での発問・テストにおける設問の内容とその効果)
・英文和訳に頼らない英文読解力の評価の方法と信頼性、など
研 究 業 績・
アピールポイント
(1)著書・『英語教育の理論と実践(理論編)』(共著)現代教育社, 1996.・『コミュニカティブな文法指導』
(共著)開文社, 2003. など
(2)論文・Effects of peer review on revision in EFL essay writing instruction.(単著)
『紀要』第26
号, 九州英語教育学会, 1998.・A comparison of holistic and analytic scorings for oral interview tests.(単著)ARELE,
11, 全国英語教育学会, 2000.・「英文読解力評価のための英文和訳テストの信頼性と妥当性」
(単著)STEP Bulletin, 24, 日本英
語検定協会, 2012.・「センテンス・コンバイニング練習と英作文力の向上」
(単著)
『紀要』第43号, 九州英語教育学会,
2015. など
(3)教材
・これまでに40冊を超える英語問題集や検定教科書の執筆、出版に携わっている。
(4)競争的外部資金の獲得(日本学術振興会科学研究費)・奨励研究B「オーラル・インタビューテストにおける全体的評価と分析的評価」
(課題番号:
11903013)
・奨励研究B「自由英作文テストにおける採点法とその信頼性」
(課題番号:13903013)
・奨励研究「自由英作文テストにおける和文英訳練習の有効性」
(課題番号:15903015)・奨励研究「ピア・レスポンスにおける内容中心のフィードバックが英作文の書き直しに及ぼす影響」
(課題番号:20907001)・奨励研究
「英作文の書き直しを促進するためのピア・レスポンスのルーブリックの開発」
(課題番号:24908002)・基盤研究C「センテンス・コンバイニングによる英語ライティング指導法の基礎的研究と教材の開
発」
(課題番号:18K00837)など2教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部 附属教育実践総合センター・教授
氏 名 麻生 良太(Aso Ryota)
取 得 学 位 修士(心理学)
、九州大学、2005年3月
S D G s目標
研 究 分 野 発達心理学,教育心理学,教育実践学
研究キーワード 感情理解,幼保小連携,教師教育
研 究 内 容 くろまる幼児期の感情理解に関する研究
幼児期に自他が抱いた感情の原因や,ある出来事から自他の感情を予測する能力が発達
することが知られている。何が起因となって感情を抱くかについては様々であると考えら
れるが,直前の出来事ではなく,それ以前の過去の出来事やそれに関わる人や物が原因と
なって感情を抱くことがある。この種の感情理解はどのような機序で起こるのかを明らか
にすることを目的としている(論文 1,論文2)。くろまる幼保小連携に関する研究
幼保小接続期(年長児後期〜小学校1年前期)の子どもの怒りの感情についての理解の
発達を系統的に明らかにし,幼小接続期における教育支援プログラムを開発することを目
的としている。具体的には,1)幼児教育から小学校教育(低学年)の幼児児童の感情に
ついての理解,特に怒りの感情についての理解の発達を,幼児期年長児から小学校1年生
の2年間にわたって縦断的に明らかにする。2)1)で得た知見をエビデンスとし,年長
児後期〜小学校1年生前期に継続して実施できる怒りの感情理解の発達にもとづいた教育
支援プログラムを開発することを目的としている(科研費1)。くろまる養成段階や採用後の育成段階における教員としての資質能力向上に関する調査・分析
教育実習や学校支援ボランティア等での学校現場での体験,採用後の育成段階における
研修が教員としての資質能力の向上にどのように影響を与えているかについて,量的質的に
調査・分析を行い,今後の教育・研修に生かしていくことを目的としている。
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる論文
1. 麻生良太・丸野俊一 (2007). 幼児における時間的広がりを持った感情理解の発
達:感情を抱く主体の差異と感情生起の原因となる対象の差異の観点から. 発達心理
学研究,18(3), 163-173.
2. 麻生良太・丸野俊一 (2010). 時間的広がりを持った感情理解の発達変化:状況に
依拠した推論から再帰的思考に依拠した推論へ. 発達心理学研究,21(1),1-12.
くろまる科研費
1.幼小接続期におけるアンガーマネジメントプログラムの開発.若手研究.2018-2021.
課題番号:18K130563 教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(社会認識教育)
・教授
氏 名 甘利 弘樹(Amari Hiroki)
取 得 学 位 修士(文学)
、筑波大学、1996年3月
S D G s目標
研 究 分 野 歴史学、社会科教育学
研究キーワード アジア史、歴史教育、多文化共生
研 究 内 容 1中国華南山間地社会史の研究
17世紀の中国華南山間地における動乱と秩序形成を追究しています。特に当該地域における
開発・移住に基づく社会変動とそれに対する政府の権力浸透過程を、行政文書を中心とし
た文献に基づきながら、研究しています。この研究を通して、中国社会・アジア社会の特
質を見出そうとしています(著書1・2、論文1・2)。
2 新しい歴史授業の開発
歴史研究の成果に基づいた社会科教育の多様なスタイルを提案しています。歴史研究の
エッセンスを生かしながら、小学校・中学校・高等学校・大学・その他における社会科、
とりわけ歴史の授業や学びを意義あるものにするために、アクティブラーニング(AL)の
メソッドを新たに生み出すことを目指しています(論文3・4)。
3 多文化共生社会に関する調査・研究
上の1・2をふまえ、歴史的背景を視野に入れ、現代世界・現代日本の諸課題解決を導く
アプローチ方法解明を試みています。焦点化しているテーマは、文化の異なる人々が共生
できる社会のあり方です。世界各地の移民問題に端を発する対立・紛争の解決及び融和の
方向性に関する理論・実践を発信することに努めています(著書2・論文5)。
研 究 業 績 ・
アピールポイント
下記の中国華南山間地社会史・中等及び高等教育における歴史授業・多文化共生に関
する業績以外に、中国行政文書制度、琉球・沖縄史、医学史に関する業績もあります。
〇著書
1.(単著)『明末清初期、広東東北部地域における行政区域の変化について』富士ゼロッ
クス小林節太郎記念基金小林フェローシップ 1998年
2.(共著)『民衆反乱と中華世界 ―新しい中国史像の構築に向けて』汲古書院 2012年
〇論文
1.(単著)「張惟天の亂について ―檔案史料の分析を中心に―」『東方学』97 1999年
2.(単著)「順治年間後半における広東山寇の活動とその終焉 ―謝氏一族の事例を
中心に―」『社会文化史学』62 2019年
3.(単著)「外国史・世界史授業のアクティブラーニング化への試み(3) ―中学校社会
科歴史的分野と高等学校「歴史総合」の接続を視野に―」『大分大学教育学部附属教育実
践総合センター紀要』37 2020年
4.(単著)「外国史・世界史のオンライン授業について ―兼論『外国史・世界史授業のア
クティブラーニング化への試み』―」『大分大学教育学部附属教育実践総合センター紀
要』38 2021年
5.(単著)「多文化共生教育の実践と考察 ―幼稚園と小・中学校を視野に―」『大分大
学教育学部附属教育実践総合センター紀要』39 2022年4 教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(生活・技術教育)
・教授
氏 名 市原 靖士(Ichihara Yasushi)
取 得 学 位 博士(学校教育学)
、兵庫教育大学、2010年3月
S D G s目標
研 究 分 野 技術教育、情報教育、教育工学
研究キーワード ものづくり、情報活用能力、ICT教育
研 究 内 容 1 Teacher's Consciousness and Needs for Digital Contents as Teaching-
Materials in Technology Education Transactions of Japanese Society for
Information and Systems in Education 22(2), 134-139, 2005
2. Examination of Design Strategy and Organization of Educational Material
Assessment Criteria for Digital Content in Technology Education日本産業技術
教育学会誌 47(4), 297-306, 2005年12月25日
3. An Examination of Structural Model of "Practical Skill of Information
Utilization" in Junior High School Students日本教育工学会論文誌 32(Suppl.),
101-104, 2008
4. The effects of information education on pupil's practical abilities of
information utilizing and media operation skill in case of elementary
school学校教育学研究 20, 51-57, 2008
5. Influences of Reflection-Impulsivity Cognitive Style on Learning with
Digital Contents : A Case Study of "Information and Computer" classes in
Technology Education日本教育工学会論文誌 33(Suppl.), 73-76, 2009
6. A Relationship between Learners' FDI Cognitive Style and Site
Structure of Web Resources in Case of Junior High School教育システム情報
学会誌 26(2), 184-190, 2009
7. Influences of Reflection-Impulsivity Cognitive Style on Practical Skill
of Information Utilization : Focusing on junior High School Students日本教
育工学会論文誌 34(Suppl.), 33-36, 2010
8. A review of researches on utilization of digital contents based on
students' cognitive styles in technology education 学校教育学研究 22, 93-
101, 2010
9. Relationships Between Students' Self-concepts and School Adjustment in
Technical High School日本産業技術教育学会誌 52(4), 255-262, 2010年12月22日
10. Relationships between Students' Information Literacy and Communication
Skill in Technical High Schools : Focusing on the Reflection-Impulsivity
Cognitive Style日本産業技術教育学会九州支部論文集 19, 29-36, 2011
11. Differences in the learning motivation by field-dependent and field-
independent cognitive style in technology education大分大学教育福祉科学部研
究紀要 33(1), 89-96, 2011-04
12. A Investigating the Morality of Junior High School Students Studying
Cultivation教育実践総合センター紀要 (30), 99-108, 2012
研 究 業 績 ・
アピールポイント
・ A Study on Computational Thinking of Technical High school Students
The research bulletin of the Faculty of Education, Oita University
42(2), 175-184, 2021-03
・ Relationship between Metacognitive Characteristics and Computational
Thinking for University Students : Focusing on the qualities required of
students in faculties of education The research bulletin of the Faculty
of Education, Oita University 42(1), 39-48, 2020-09
・ A Study of the Relationship between Junior High School Students'
Computational Thinking and Programing Education The research bulletin
of the Faculty of Education,Oita University 41(2), 181-191, 2020-03研究
者代表科研費
小・中学生のプログラミング教育のジェンダー格差に関する研究
不登校生徒に対する ICT を利用した遠隔ものづくり学習に関する研究5 教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(発達科学教育)
・教授
氏 名 伊藤 安浩(Ito Yasuhiro)
取 得 学 位 教育学修士、東京大学、1990年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育方法学
研究キーワード 教育課程(カリキュラム)
,授業,教師
研 究 内 容 一つのテーマは,1957年のスプートニク・ショックを契機として,1960年代のアメリカにお
いて国家的規模で開発が進められた学問中心教育課程(discipline-centered curriculum)の理念
や内容と,後世へのその広範な影響に関する研究である。当初は高等学校の理科と数学のカリキュ
ラム改革が開発の焦点であったが,その影響は芸術のカリキュラム改革にまで及んだ。その典型的
な一例が,ディシプリンに基づく美術教育(discipline-based art education, 略称DBAE)であ
る。DBAEは,従来の美術教育の中心であった美術制作(art making)に加えて,美術批評(art
criticism)
,美術史(art history)
,美学(aesthetics)の内容をカリキュラムに引き入れようとす
る。この企ての根底にあるのは,美術が単に感覚や感性の表現であるというよりも,それが正当に
思考や知性の形式であるという考え方である。美術や芸術が世界認識の一様式であるという捉え方
は,ハワード・ガードナーの多元的知能(multiple intelligences)の理論にも支えられつつ,バラ
ンスのとれた教育課程の内容構成や,今日的には,STEAM教育のA(art, arts)の在り方を考える
際の有力な手がかりとなり得る。
もう一つのテーマは,特に初任期の若手教師の専門的成長の実相を,ナラティブ的探究の方法を
用いながら明らかにする研究である。教職キャリアにおける初任期は,いくつかの意味で特別な時
期である。まず,初任期は単に教職の開始期であるだけでなく,教員養成から教職キャリアへの移
行期でもある。ただしそれは,養成期の終点から初任期への始点へというような単純な移行ではな
い。初任期というのは,養成期の終わりが初任期の始まりのある時点まで一定程度引き延ばされ重
なり合う時期である。それだけに,この時期に着目する研究は,教員養成にとっても,初任者研修
等を実施する教育行政にとっても意義があると考えられる。さらに,初任期はいきなり職業的な危
機に直面し得る時期でもある。長い教職キャリアのどの時点においても職業的な危機に直面するこ
とはあり得るが,初任期の若手教師の場合,参照すべき教師としての経験がわずかしかない。その
ような状況の中で,初任期の若手教師がどのような困難に遭遇するのか,何をきっかけにその困難
を乗り越えたり乗り越えられなかったりするのかを明らかにすることにも,大きな意義がある。
研 究 業 績・
アピールポイント
伊藤安浩(2006)
「DBAE(ディシプリンに基づく美術教育)カリキュラムの理念とその認識論
的基礎」
『九州教育学会研究紀要』第34巻 257-264頁
伊藤安浩(2017)
「DBAE(ディシプリンに基づく美術教育)をめぐる論争ー芸術カリキュラム
において「創造行為」はどのような位置を占めるべきかー」
『大分大学教育学部研究紀要』第39巻第
1号 135-144頁
伊藤安浩,桂 直美,高井良健一(2017)
「初任期における若手教師の経験と成長のモノグラフ
(1)ー第1回インタビュー調査の分析を通してー」
『大分大学教育学部研究紀要』第38巻第2号
63-78頁
伊藤安浩,桂 直美,高井良健一(2018)
「初任期における若手教師の経験と成長のモノグラフ
(2)ー第2回インタビュー調査の分析を通してー」
『大分大学教育学部研究紀要』第40巻第1号
81-96頁
伊藤安浩(2020)
「社会に開かれた教育課程と体験活動の可能性ー『総合的な学習の時間』を核
としたカリキュラム・マネジメント」
『生活体験学習研究』第20号 19-26頁6 所 属・ 職 位 教育学部(発達科学教育)
・教授
氏 名 衛藤 裕司(Eto Hiroshi)
取 得 学 位 1教育学修士、筑波大学、1991年3月 2修士(心身障害学)
、筑波大学、1993年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 障害児心理学,特別支援教育
研究キーワード 発達障害,知的障害,指導法,学び,カリキュラム
研 究 内 容 くろまる応用行動分析(Applied Behavior Analysis:ABA)
・認知処理的アプローチ(Cognitive-Based
Approach:CBA)をベースに,エビデンスに基づく教育の実践を目指しています。対象は主に自
閉症や発達障害のある人達で,支援のための様々なプログラムを開発し,専門家(療育指導者・言
語聴覚療法士・心理師等)や保護者に提供しています。 (研究テーマ)
・コミュニケーション,問題行動,行動マネージメント,教科学習,心理検査 (対象)
・発達障害(自閉症・学習障害・ADHD)
,知的障害
くろまるカリキュラム・教育課程に基づくアプローチ(Curriculum- based Approach)をベースに,個々
の児童生徒に合った適切な教育の実践を目指しています。対象は主に,知的障害や発達障害のカリ
キュラムで,実践のための様々なツールやモデルを開発し,教育現場に提供しています。 (研究テーマ)
・欧米のIEP(Individual Education Plan)
・個別の指導計画,個別の教育支援計画,指導案
・自立活動,知的障害教育の独自教科,知的障害教育の合わせた指導
・合理的配慮 (対象)
・幼稚園・保育園〜高校・大学,特別支援学校及びこれらと連携する専門機関
くろまる身体心理学における,特に,障害児者のボディ・イメージの研究を行っています。
研 究 業 績・
アピールポイント
衛藤裕司(2021)
:第11章 発達障害児(者)への理解と支援-LD(学習障害)-.障害者・障
害児心理学(’21)
.放送大学教育振興会(p.196-216)
肥後祥治・衛藤裕司・天海丈久(2021)
:発達障害・知的障害の自立活動を展開するために必要な
知識と方法論とは何か -自立活動の「解説」の記載内容の分析-.九州地区国立大学教育系・文系
研究論文集,第8巻,1号(全20頁)
衛藤裕司(2017)
:特集 自閉症と制度-学齢期(小学生・中学生)の支援制度と活用-.日本自
閉症協会 いとしご増刊「かがやき(専門家向け)」,NO.13,
(p.16-23)
衛藤裕司(2016)
:第2章 気になる問題のアセスメントと支援の要点.心の発達シリーズ 第5巻
中学生・高校生 学習・行動が気になる生徒を支える.明石書店(p.33-63)
Hiroshi ETO(2008)
:Le système éducatif japonais pour les élèves handicaps - le
point de vue de I’ntégration..Auteur(s)Jean-François Sabouret、 Liberté、inégalité、
individualité - La France et le Japon au miroir de l’éducation -. CNRS Editions(pp.239-248)衛藤裕司(2021)
:認知的中範囲理論 ボディ・イメージ(理論編)
.看護診断のためのよくわかる
中範囲理論(第3版)
,学研メディカル(p.240-248)7教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(理数教育)
・教授
氏 名 大上 和敏(Oue Kazutoshi)
取 得 学 位 博士(理学)
、京都大学、2000年1月
S D G s 目 標
研 究 分 野 地球化学
研究キーワード 物質循環、河川、温泉、環境
研 究 内 容 温泉水に含まれる化学成分の起源に関する研究
福岡県筑後市に位置する船小屋温泉にある船小屋温泉から湧出する冷鉱泉の水,炭酸成分,希ガ
スの起源を明らかにするために,鉱泉水および付随ガスの化学・同位体分析を行った。鉱泉水の安
定同位体組成(δDおよびδ18O)から,船小屋温泉および長田鉱泉の鉱泉水はいずれも天水起源で
あることが示された。また,付随ガス中の3He/4He比と4He/20Ne比の関係より,船小屋温泉に流出
するHeは大気起源Heの混入はほとんどなく,マントル起源および地殻起源のHeが混合したもので
あることが示された(マントル起源He:60%,地殻起源He:40%,大気起源He:0.1%以下)。C/3Heとδ13Cの関係より,付随ガス中のCO2に占める炭素の起源を推算したところ,Mantle-
derived CO2が35%,Marine carbonate CO2が56%,Sedimentary organic carbonが9%と
いう結果が得られた。さらに,付随ガス中のCH4/(C2H6+C3H8)比とCH4中のδ13Cの解析により,
付随ガス中のCH4は地下深部における有機物の熱分解によって生じたものであると説明することが
できた。
温泉の変遷過程に関する研究
大分県の別府温泉には「血の池地獄」と呼ばれる高温湖沼がある。その湖底には名前の由来とも
なった赤色の温泉沈殿物が堆積している。これまでの研究により,1 湖底の堆積物は,白色のクリ
ストバライトを主成分とし,沈殿物の赤色の原因である赤色のヘマタイトを含有しており,近年の
沈殿物では,
黄色の鉱物であるジャロサイトを含んでいること,
2 血の池地獄の周辺には高温(250
〜300°C)で中性の食塩型の熱水と,
比較的低温(100°C前後)で強酸性の硫酸酸性型熱水が混合し,
地下に熱水系が形成されていること,3 血の池地獄の湖底に堆積している温泉沈殿物中の鉱物・化
学組成は,前述の2種類の熱水の混合割合を鋭敏に反映していることが明らかとなっている。そこ
で,血の池地獄に堆積している温泉沈殿物から柱状試料を採取し,その沈殿物の鉱物・化学組成に
基づいて,血の池地獄周辺の熱水系の変遷過程の解読を行った。
研 究 業 績・
アピールポイント
【論文】大分県北部地域の温泉について 2021年12月
【論文】有馬型熱水と水質のよく似た同位体的性質の異なる高塩分温泉
‐ 兵庫県の吉川温泉の例 2015年3月
【論
文】温泉水・温泉付随ガスの地球化学データから見た大分県山香温泉の
生成機構と温泉起源流体 2013年9月
【論文】福岡県船小屋温泉の温泉水の起源に関する地球化学的研究 2013年7月
【著書】おんせん県おおいたの飲泉スポット30調査本2017 2017年9月
【著書】おおいたの温泉の顔2013 2013年3月8 所 属・ 職 位 教育学部(理数教育)
・教授
氏 名 大野 貴雄(Ohno Takao)
取 得 学 位 博士(理学)
、広島大学、2008年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 解析学(ポテンシャル論)
研究キーワード Sobolevの不等式,Trudingerの不等式,Rieszポテンシャル
研 究 内 容 くろまるRieszポテンシャルに対するSobolev型の定理に関する研究
様々な偏微分方程式の解の存在や正則性を研究する際に,Rieszポテンシャルに対するSobolev型
の定理
(Sobolevの不等式やTrudingerの不等式,
連続性)
は非常に有用なツールである.そのため,
古典的な関数空間であるLebesgue空間やMorrey空間などにおいて,Rieszポテンシャルに対する
Sobolev型の定理の研究は盛んに行われてきた.一方近年,科学技術分野や数学分野からの要請に
より,変動指数をもつ関数空間やOrlicz空間,Musielak-Orlicz空間,Musielak-Orlicz-Morrey空
間などの様々な関数空間が,解析学の研究対象として注目を集めるようになった.また,古典的に
はSobolev空間はユークリッド空間において定義されてきたが,微分幾何学やグラフ上の解析学,
Riemann多様体上の楕円型偏微分方程式などへの応用を念頭に,距離空間上でのSobolev空間の研
究も,解析学の研究対象として非常に注目を集めるようになった.
上記のような研究背景より,私の研究内容は,ユークリッド空間又は距離空間上の様々な関数空
間において,どの様な条件下において,どの様なタイプのRieszポテンシャルに対するSobolev型の
定理が成り立つかについて研究を行っている.
研 究 業 績・
アピールポイント
本研究で得られた結果は,様々なタイプの偏微分方程式の解の存在や正則性の研究に応用される
ことが期待され,関連研究分野の進展,新しい学問分野の開拓等に大きな学術的波及効果が期待さ
れる.
くろまる論文
1. Takao Ohno and Tetsu Shimomura, Sobolev's inequality for Musielak-Orlicz-Morrey
spaces over metric measure spaces, J. Aust. Math. Soc. 110 (2021), no. 3, 371--385.
2. Yoshihiro Mizuta, Takao Ohno and Tetsu Shimomura, Boundedness of the maximal
and potential operators in Herz-Morrey type spaces, Complex Var. Elliptic Equ. 65
(2020), no. 9, 1575--1589. (他75編)9教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部 初等中等教育コース(芸術・保健体育教育講座)
・教授
氏 名 栗栖 由美子(Kurisu Yumiko)
取 得 学 位 博士(音楽学)
、東京芸術大学、1995年3月
S D G s目標
研 究 分 野 人文学(芸術実践論関連)
研究キーワード 歌唱指導、アレクサンダー・テクニーク、姿勢、呼吸、三次元動作解析システム
研 究 内 容 ・初期バロック音楽の実践的歌唱法の研究
17世紀前半の初期バロック音楽の適切な歌唱法を、実践と理論の両面から具体的に解
明しようとするものである。扱う主題は、声区の問題、発音法、装飾法、アジリタの技
術等である。
(論文 1・1-a)
・アレクサンダー・テクニークを応用した歌唱指導に関する研究
本研究は、歌唱指導全体にわたって、音楽科教育においてまだ着目されていないアレ
クサンダー・テクニークを応用し、小学校のみならず中学校も視野に入れた、教員のた
めの体系的な発声指導プログラムの開発を行おうとするものである。(論文2・2-a ・3・4・4-a)・教員養成学部における歌唱指導のためのeラーニング教材の開発
本研究の目的は、教員養成学部・小学校音楽科の講義において使用可能な、歌唱指導の
ためのeラーニング教材を開発することである。研究の独自性は、学校教育の歌唱指導に、
アレクサンダー・テクニークと三次元動作解析システムを導入することで、学生が、効
率的で効果的な歌唱指導法を習得できるという点にある。(論文5・6・7・8)
研 究 業 績 ・
アピールポイント
・論文
1.2012年、「バロック初期の歌唱法に関する研究」
1-a.2013年、「初期バロック音楽の実践的歌唱法」(レクチャー・コンサートも実施した。)
2.2010年、「アレクサンダー・テクニークを応用した姿勢と呼吸法のための指導プログラムの
開発(2)―指導の方向性についてー」
2-a.2012年、「姿勢と呼吸法のための指導プログラム<自然な歌声で>」
3.2015年、「アレクサンダー・テクニークにおける動きを用いた歌唱指導の可能性」
4.2015年、「音色と響きを獲得するための発声指導プログラム<自然な歌声でII>」
4-a.2016年、「発声指導プログラム<自然な歌声で>」
5.2018年、「教員養成学部学生の発声技能の捉え」
6.2019年、「小学校教員に求められる発声に関する技能」
7.2019年、「小学校教員養成における歌唱指導の実際と課題」
8.2020年、「初等教育教科に関する科目『音楽』における新しい授業構成の提案」
* 1-a. は 科 学 研 究 費 ( 基 盤 研 究 (C)(22520139 )
、 2-a. は 科 学 研 究 費 ( 基 盤 研 究
(C)21530952)
、 4-a.は科学研究費(基盤研究(C)25381211)の助成を受けた研究の成果
としてまとめたものである。5〜8は科学研究費(基盤研究(C)19K02709)の助成を受け
て、研究を進めている。10 所 属・ 職 位 教育学部(社会認識教育)
・教授
氏 名 黒川 勲(Kurokawa Isao)
取 得 学 位 文学修士、広島大学、1990年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 西洋近世哲学
研究キーワード 自由 感情 コナトゥス
研 究 内 容 スピノザ哲学の自由論に関する研究
スピノザ哲学の中心課題はいうまでもなく「自由」であるが,その自由は「必然的自由」と解釈
され,哲学史において特異な位置を占めている。このスピノザの自由を理解するためには,方法論,
存在論,
認識論,
感情論など総合的な研究が必要となる。現在は,
「スピノザにおける神の観念の形成」
にポイントを絞り,
『エチカ』を筆頭にスピノザの全著作を視野に検討しているところである。
スピノザ哲学の感情論に関する研究
スピノザの感情論は,スピノザ哲学における人間の幸福論,倫理学,政治論に関する思想の根幹
をなすものである。現在は,
「スピノザにおける感情論の構造とコナトゥス」
「感情の模倣」
「名誉欲」
にポイントを絞り,デカルトと比較しながら精査しているところである。
研 究 業 績・
アピールポイント
・スピノザの方法論について
2012年,共著,スピノザ『知性改善論』における「真の観念」の分析, 大分大学教育福祉科学部研究
紀要
・スピノザの存在論について
2013年, 単著, スピノザにおける「存在しない個物」に関する定理, 大分大学教育福祉科学部研究紀要・スピノザの認識論について
2007年, 単著, スピノザにおける「第三種の認識」, 大分大学福祉社会科学研究科紀要
2008年, 単著, スピノザにおける想像力について, 大分大学教育福祉科学部研究紀要,
・スピノザ倫理学について
2007年, 単著, スピノザにおけるコナトゥスと最高善, 哲学,広島哲学会
2009年, 単著,スピノザにおける悪の現実性, 大分大学大学院福祉社会科学研究科紀要
・スピノザの感情論について
2014年, 単著, スピノザにおける時間に関わる感情, 大分大学教育福祉科学部研究紀要
2018年, 単著,スピノザにおける「心の強さ」について, 大分大学教育学部研究紀要11教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(生活・技術教育)
・教授
氏 名 財津 庸子(Zaitsu Yoko)
取 得 学 位 修士(教育学)
、熊本大学、1992年3月 博士(教育学)
、九州大学、2010年9月
S D G s 目 標
研 究 分 野 家庭科教育・消費者教育
研究キーワード エシカル消費・消費者市民社会
研 究 内 容 小学校・中学校・高等学校の家庭科教育の分野における消費者市民教育に関する研究を中心に行っ
ている。近年の研究内容は、おもに次の2点に集約される。
1点目は、
「エシカル消費」というキーワードに集約される内容である。
「エシカル消費」とは、地
域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のことであり、消費者庁
も推進しているよりよい消費行動である。個々人が、
社会的な課題に気付き日々の消費行動
(買物等)
を通して、課題解決のためにできることを考え実践につなげていくことである。このような取り組
みはSDGsの多くの目標にも関連している国際的な取り組みでもある。このような意識を醸成し実践
できるスキルを身に付けられるよう教育現場において家庭科を中心にした教材研究等の実践的な研
究を行っている。
2点目は、18歳成年時代を迎えるにあたって高等学校家庭科における消費生活への意識やスキル
をどのように育成するかということに関連する内容である。平成29年に小中学校・平成30年に高等
学校の学習指導要領が改訂され、単に高等学校で18歳成年に備える内容を扱うだけでなく、小中高
の系統性や家庭科消費生活分野においてはキャッシュレス化への対応等が強化された。このような
社会状況に対応した家庭科における消費者市民教育のあり方について、小中高の教育現場の教員と
連携した実践的研究を継続的に行っており、その成果を還元できるよう教材や指導法を検討・開発
し提案している。
研 究 業 績・
アピールポイント
文部科学省:平成31年度「若年者の消費者教育の推進に関する集中強化プラン」における若年者
の消費者教育推進のための実証的調査研究に採択され「18歳成年時代の消費者市民力養成のための
教材開発ー小中高家庭科の系統性をふまえた実証的研究」と題して実施した。研究成果は「カテイ
カCEプロジェクト18歳成年時代の消費者市民教育〜地方(大分・熊本)からの発信」というWEB
サイト(https://www.togolabo.jp/kateikace)を作成し、リーフレットも作成・配布し、教育現
場等にも広報した。WEBサイトの特徴は、大分・熊本の小中高で実践された授業に基づいた提案で
あり、使用した指導案や教材を全てダウンロードして活用することが出来る点である。このように
小中高の教育現場と連携した実践的研究を積み重ね、その成果を教育現場に還元する試みを継続し
ている。著作としては、中西雪夫・小林久美・貴志倫子共編「小学校家庭科の授業をつくる第2版」
学術図書出版(2020年)、伊藤葉子編著「新版授業力UP 家庭科の授業」日本標準(2018年)等にお
いて消費生活分野の内容を執筆している。12教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(社会認識教育)
・教授
氏 名 鄭 敬娥(Jeong Kyongah)
取 得 学 位 博士(比較社会文化学)
、九州大学、2005年5月
S D G s 目 標
研 究 分 野 政治学、国際関係論
研究キーワード 東アジア 地域主義 開発 日韓関係 歴史認識
研 究 内 容 1.戦後日本の東アジア政策
戦後日本の東アジア諸国・地域との関わりを、地域主義、開発、賠償などをキーワードに研究し
ています。
2.アジア諸国の開発政策と日本の外交
1と関連し、アジア諸国と日本とを結ぶ共通の政策目標こそ「開発」であったと考え、その内容
や目指す方向、
手段などを分析し、
それが日本の戦後の外交と如何に結びついたのかを考えています。
3.東アジアにおける歴史摩擦
東アジアには冷戦が終わった今なお、政治体制や経済状況などをめぐって、多くの分断要因が存
在します。近年では、特に歴史認識をめぐる摩擦が顕著に現れ、この地域における外交や安保、経
済協力を阻む要因となっています。したがって、近年は特に日韓関係を中心に、歴史摩擦の原因や
メカニズム、対処方案などを研究しています。
研 究 業 績・
アピールポイント
・初瀬龍平・菅英輝編著『アメリカの核ガバナンス』
、第6章「朴正煕政権の『自主国防』と核開発、
および『日韓経済協力』」(晃洋書房、2017年)
、164-190頁。
・菅英輝編『冷戦と同盟――冷戦終焉の視点から』
、第2章「
『開発』問題の国際的展開と日本のアジ
ア多国間枠組み模索」
(松籟社、2014年)
、81-111頁。
・菅英輝編『東アジアの歴史摩擦と和解可能性――冷戦後の国際秩序と歴史認識をめぐる諸問題』、第6章「歴史認識をめぐる日韓摩擦の構造とその変容」
(凱風社、2011年)
、178-203頁。13 所 属・ 職 位 教育学部(発達科学教育)
・教授
氏 名 住岡 敏弘(Sumioka Toshihiro)
取 得 学 位 博士(教育学)
、広島大学、2016年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育学・教育行政学・教育制度学
研究キーワード 公教育史 アメリカ教育制度 マイノリティ教育 教育の機会均等
研 究 内 容 私は、教育学のなかでも、教育行政学や教育制度学を専門としています。
私の研究内容は、アメリカ合衆国ジョージア州におけるアフリカ系アメリカ人に対する公教育の
歴史的展開過程の解明です。
近代国家においては、公権力による関与のもとに公教育が制度化されてきました。研究において
は、公権力による関与の実態をマイノリティの視点から見直し、公教育像の見直しを行うことを目
的としています。具体的には、アメリカ合衆国南部のジョージア州の公教育の成立・展開過程をア
フリカ系アメリカ人の視点から分析するため、黒人自身がものしたもの(自伝、黒人新聞、マニュ
スクリプト等)を分析し、公権力の教育への関与が、社会的な少数派であるアフリカ系アメリカ人
にとってどのような意味があったのか考察しています。こうしたアメリカをフィールドとした知見
を積み重ねることで、マイノリティからみた公教育の課題として一般化し、その課題解決に貢献で
きればと考えております。
また最近では、世界的な新自由主義の流れのなかで、教育政策のなかで、市場原理が導入され、
一方でアカウンタビリティ(説明責任)の重視も進んでいます。こうした現代の公教育政策につい
ても、マイノリティから見直すことで、新たな側面が見えてくるのではないかと考えています。そ
こで近年では、アメリカ合衆国のチャータースクール制度に注目し、同制度の導入過程や制度の運
用実態をアフリカ系アメリカ人の視点から分析すること試みています。
研 究 業 績・
アピールポイント
Toshihiro SUMIOKA," Equality in education," August 2021, www.impact.pub
八尾坂
修編著(2021)
『アメリカ教育長職の役割と職能開発』風間書房。(「第8章 マイノリティ教
育長の位置と民族的多様性への展望」を分担執筆)
藤井穂
高・滝沢潤編著(2021)
『教育法規・教育制度・教育経営』協同出版。(「子どもの権利条約」
「教育を受ける権利」
「教育の機会均等」を分担執筆)
住岡敏
弘(2020)
「チャータースクールの法制化過程と地方学区の柔軟性確保の政策動向―ジョー
ジア州を事例として」西日本教育行政学会編『教育行政学研究』第41号。
尾上雅
信編著(2018)
『西洋教育史』ミネルヴァ書房。(「アメリカ独立革命と教育」
「アメリカ―公
立学校設置運動の展開と師範学校における教員養成」
「アメリカの新教育運動」
「アメリカ―
アカウンタビリティ重視の教育改革と教師教育」を分担執筆)
住岡敏
弘(2015)
「ジョージア州アトランタ市における黒人公教育制度形成に関する一考察:一人種
間の給与平等化闘争に焦点を当てて一」日本教育制度学会編『教育制度学研究』第22号。14教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(芸術・保健体育教育)
・教授
氏 名 田中 修二(Tanaka Shuji)
取 得 学 位 博士(文学)
、成城大学、1999年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 美術史学
研究キーワード 近代日本美術史、彫刻、日本画
研 究 内 容 くろまる近現代日本彫刻史に関する研究
江戸時代中期頃から現代に至る、日本の彫刻の歴史について調査・研究しています。江戸時代に
おける仏師や大工、牙彫師、金工師、人形師、石工といったさまざまな職人たちのなかから明治期
になって「彫刻家」が生まれ、それを一つの出発点として今日までどのように展開しているのかと
いったことなどについての著書や論文があります。
くろまる福田平八郎に関する研究
大分に生まれ京都で活躍した日本画家福田平八郎(1892-1974)について、調査・研究を進めて
います。
くろまる大分の美術史についての研究
先史時代から現代に至る大分の美術の歴史について、調査・研究を進めています。優れた石によ
る造形が古代から近代まで数多く生まれたこと、豊後南画を支えたパトロンたちの存在、さらに朝
倉文夫、日名子実三、福田平八郎、髙山辰雄やネオダダのメンバーなど近現代の作家たちにとくに
関心をもっています。
くろまる屋外彫刻作品のメンテナンスの研究と実践的活動
屋外彫刻作品の歴史とその保存のあり方について研究するとともに、全国各地に設置された屋外
彫刻作品の保存、メンテナンスに関する実践的な活動を行なっています。2007年度からは大分市と
連携し、朝倉文夫作《滝廉太郎君像》をはじめとする、大分市が管理する屋外彫刻作品の定期メン
テナンスを継続しています。
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる主な研究業績は以下のとおりです。・『近代日本最初の彫刻家』
(吉川弘文館、1994年)
・共著『竹内栖鳳とその弟子たち』
(思文閣出版、2002年)・『彫刻家・新海竹太郎論』
(東北出版企画、2002年)・「福田平八郎の「装飾画」」『大分大学教育福祉科学部研究紀要』第26巻第1号(2004年)
・編共著『近代日本彫刻集成』全3巻(国書刊行会、2010-13年)・「京都の日本画と仏教の「空間」」『近代画説』第24号(2015年)・『近代日本彫刻史』
(国書刊行会、2018年)・『屋外彫刻メンテナンスハンドブック』
(田中修二研究室、2021年)15 教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(芸術・保健体育教育)
・教授
氏 名 谷口 勇一(Taniguchi Yuichi)
取 得 学 位 修士(教育学)
、広島大学、1994年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 体育社会学・スポーツ社会学
研究キーワード 学校運動部活動の社会的動向、教員文化論、スポーツプロモーション論
研 究 内 容 くろまる変革が期待されつつある学校運動部活動動向に関する社会学的研究
学校運動部活動(以下、部活動)は、学習指導要領においても「学校教育活動の一環」であるこ
とが明記されてきた。しかしながら、文部科学省スポーツ庁においては「2025年度を目途とし先行
的に中学校における部活動の地域活動化をめざす」との通達を出すに至った。各種の課題(教員の
過剰負担や生徒たちの燃え尽き症候群の発症等)を抱えてきた部活動ではあるものの、部活動が学
校内に存在することに伴う教育的意義は大きい。部活動の地域活動化は、学校(教員、生徒)およ
び地域社会にいかなる動揺をもたらすこととなり、また、いかなる「落としどころ」を見出すこと
になるのか、壮大な社会実験の一つである部活動の地域活動化を社会学的に追跡研究し、その意味
性を考究しようとしている。
くろまる今後求められるべきわが国におけるスポーツプロモーション論に関する研究
わが国におけるスポーツプロモーション(振興・推進)は、これまで教育行政の範囲で実践され
てきた。そのことは地方自体においても同様であり、教育委員会事務局部局内に体育・スポーツ振
興部局を置く事例がほとんどであった。しかしながら、昨今においては、スポーツ庁の創設に伴い、
地方自治体のスポーツ振興部局を首長部局へと移管する事例が散見・増加傾向にある。その意図す
るところは「スポーツは市民生活にとって必要不可欠な文化である」との趣意によるものである。
現状、既存の教育行政内にスポーツ振興部局を配置している事例と首長部局に配置している事例と
いった二分化が顕在しているわけであるが、真のスポーツプロモーションの体現に向け、さらには、
子どもたちの体育・スポーツ活動の充実に資するためのスポーツ行政機構のあり方はいかにあるべ
きなのかについて考究している。
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる論文
1.2018年、谷口勇一、地方自治体スポーツ行政は部活動改革動向とどう向かい合っているのか:
総合型クラブ育成を担当した元指導主事の意識からみえてきた行政文化の諸相.体育学研究,63(2):853-870.
2.2014年、
谷口勇一、
部活動と総合型地域スポーツクラブの関係構築動向をめぐる批判的検討:「失
敗事例」からみえてきた教員文化の諸相をもとに.体育学研究59(2)
:559-576
くろまる著書
1,2020年、共著、スポーツクラブの社会学―「コートの外」より愛をこめ」の射程.青弓社
くろまる受賞
1.2011年、九州体育・スポーツ学会 学会賞(優秀論文賞)受賞16 所 属・ 職 位 教育学部(芸術・保健体育教育)
・教授
氏 名 玉江 和義(Tamae Kazuyoshi)
取 得 学 位 博士(医学)
、産業医科大学、2009年11月
S D G s 目 標
研 究 分 野 学校保健、衛生学・公衆衛生学
研究キーワード 精神心理的ストレス、酸化的・メチル化的ストレス損傷、思春期
研 究 内 容 1. 疫学的アプローチによる思春期の心身ストレスに関する研究
中学生や高校生、大学生を対象に、心身のストレス状態を反映する各種質問紙を駆使し、色々な
規模の疫学的調査の実施・検討を行ってきている(論文等1など)。
2. 保健教育に関する研究
特に中学生を対象として、性教育に関する文献的検討、AIDS教育および喫煙防止教育に関連する
質問紙調査法による検討などを行ってきている。
3. 生体内酸化・メチル化ストレス指標を用いた実験的および分子疫学的研究
動物の組織や尿、ヒトの尿中の生体内酸化ストレス指標(8-Hydroxydeoxyguanosine)お
よび生体内メチル化ストレス指標(7-Methylguanine)
、あるいはヒト血清中酸化ストレス指標
(Reactive Oxygen Metabolites、
Biological Antioxidant Potentials)の検討も行ってきている(論
文等2〜5など)。
4. その他
大豆イソフラボンやガラクトオリゴ糖などの健康効用など関し、臨床栄養学的ならびに疫学的検
討を行ってきている。
また、
学校ストレスや教員ストレスの検討も行ってきている
(論文等6,
7など)。研 究 業 績・
アピールポイント
論文等
1. 九州地区某大学教育系学部学生における抑うつ症状保有程度と生活ストレッサーの分析,体育学
研究, 55, 2010
2. Suppression of DNA oxidation in cerebral ischemia by indomethacin, European
Journal of Pharmacology, 459,2003
3. Occupational and lifestyle factors and urinary 8-hydroxydeoxyguanosine, Cancer
Science, 96, 2005
4. Effect of age, smoking and other lifestyle factors on urinary 7-methylguanine and
8-hydroxydeoxyguanosine, Cancer Science, 100,2009
5. Analyses of associations between reactive oxygen metabolites and antioxidant
capacity and related factors among healthy adolescents, Current Aging Science, 6,20136. 大豆イソフラボンによるアセトアミノフェン肝障害抑制効果の解析 日本臨床栄養協会誌 , 31,20157. 教員の健康とストレスについて考える 〜健康観およびヘルスプロモーションの視点から〜,心
と体の健康(学校保健専門誌)
,25,202117教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(社会認識教育)
・教授
氏 名 土居 晴洋(Doi Haruhiro)
取 得 学 位 博士(文学)
、広島大学、2002年1月
S D G s目標
研 究 分 野 人文地理学
研究キーワード 土地利用,地域研究,防災・減災
研 究 内 容 経済発展と社会経済体制の変化は,人の価値観や暮らしの変容を通じて,土地利用変化
として現れる。SDGsの観点では,そこに潜む脆弱性や持続可能性が問われる。
くろまる中国・インドの土地利用変化に関する研究
中国の都市地域では20世紀半ば以降,数度の社会経済
体制の変革によって,現世市民の生活基盤である住宅
(著書2)と死後の住まいである墓地(論文1)に質
的・量的変化が見られる。そこには近代的な経済原理
とともに,伝統的価値観の残存・継続も見られる。
インド(論文2)や中国(著書1)の内陸地域・農村
地域も経済成長や生活水準の向上が見られる。そこに
は予想以上に大きな土地利用変化が生まれているが,
地域の持つ自然条件や歴史的背景が持続可能性の制約条
件となっている。
くろまる土地利用を踏まえた地域の防災・減災に関する研究
わが国では近代化・経済発展の歴史の中で生じた土地
利用変化によって,自然災害に対する脆弱性が高まった
地域が少なくない(論文3)
。防災・減災の基本は一人一
人の地域認識にあり,土地利用の特質を理解することが
重要であることを,教育の場で伝えている。
くろまる大分県の地域変容に関する研究
学校教育における活用を念頭において,大分県内各地の地域変容を考察している。別府
市や大分市に限らず,その置かれた位置や自然条件,歴史などによって特徴づけられ,日
本の近代化の歴史や経済,暮らしのあり方の変化に関連付けることができる(著書3)。研 究 業 績 ・
アピールポイント
くろまる論文
1 . 2021 年 Doi Haruhiro, Chai Yanwei, Xu Peiwei and Wang Xinxing:
Spatiotemporal change of land use for deceased in Beijing since the mid-
twentieth century. Open Geosciences, vol.13, no.1, pp.16-26.
2.2018年 土居晴洋・木本浩一・牧野一成:インド半乾燥地域農村の維持可能性に関す
る予察的考察.大分大学教育学部研究紀要,vol.39, no.2, pp.175-190.
3.2015年 土居晴洋:中山間地域における水害と土地利用変化ー2012年7月九州北部豪
雨における大分県竹田市の事例.大分大学教育福祉科学部研究紀要,vol.37, no.1,
pp.27-41.
くろまる著書
1.2018 年 Doi Haruhiro and Chai Yanwei: Economic development and land use
changes in an inland area of China- A case study of Gansu Province.
Exploring Sustainable Land Use in Monsoon Asia (Himiyama Y. ed.),
Springer, pp.57-81.
2 . 2015 年 Doi Haruhiro and Chai Yanwei: Urban restructuring of Beijing
City through residential development after the reform and open policy.
Urban Development Challenges, Risks and Resilience in Asian Mega Cities
(R.B.Singh ed.), Springer, pp.273-300.
3.2012年 土居晴洋:県の性格,中津・宇佐地域,南豊後地域.『日本の地誌10 九州・
沖縄』(野澤秀樹他編),朝倉書店,pp.374-386, 419-426.18 教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(発達科学教育)
・教授
氏 名 長谷川 祐介(Hasegawa Yusuke)
取 得 学 位 修士(教育学)
、広島大学、2002年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育社会学
研究キーワード 特別活動、学級経営、生徒指導
研 究 内 容 これからの社会においてどのような学級や学校を創造すればよいのか。学級活動を中心とした特
別活動について,学校現場の先生とともに教育データ分析に基づきながら研究に取り組んでいる。
1 学級活動に関するエビデンスと実践知の統合
教育社会学の知見を援用しながら,子ど
もの家庭背景などの影響を考慮した上での
小学校学級活動に関する計量分析に取り組
んでいる(研究業績1など)。エビデンスに関する考察(研究業績4な
ど)を踏まえ,研究者が創り出すエビデン
ス(科学的根拠)と学校現場で培われてき
た実践知の統合に基づく学級活動の開発に
取り組んでいる。
2 特別活動に関する教師ネットワーク
昨今の働き方改革の推進は,これまでの
教師の実践知継承システムの見直しを迫っ
ている。そうした中,特別活動に関する教師の実践力形成について新たな形が模索されている。
SNSが普及し,サイバー空間によるコミュニケーションが進化する中,学校外で形成されている特
別活動に関する教師ネットワークはどのような構造なのか?また特別活動に関する教師ネットワー
クと学校現場における特別活動実践にはどのような関連があるのか?
社会ネットワーク分析の方法論を参照し,小学校特別活動に関する教師ネットワークの調査研究
に取り組んでいる。
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる 論文
1 長谷川祐介,2022,
「マルチレベルモデルによる学級集団の向上に与える小学校学級活動の影
響に関する分析」日本特別活動学会編『日本特別活動学会紀要』第30号。
2 長谷川祐介,2014,
「中学部活動における指導者からの暴力被害を規定する要因」日本生徒指
導学会編『生徒指導学研究』第13号。
3 長谷川祐介・太田佳光・白松賢・久保田真功,2013,
「小学校における解決的アプローチにも
とづく学級活動の効果 ‐ 測定尺度開発と学級・学校適応に与える効果の検討 ‐ 」日本特別活動
学会編『日本特別活動学会紀要』第21号。
くろまる 著書
4 長谷川祐介,
2019,
「エビデンスを
「つくる」
ことと
「つかう」
こと」
杉田浩崇・熊井将太編著『「エ
ビデンスに基づく教育」の閾を探る』春風社。
くろまる 受賞
日本生徒指導学会・研究奨励賞(執筆部門)
(2019年)19 所 属・ 職 位 教育学部(言語教育)
・教授
氏 名 花坂 歩(Hanasaka Ayumu)
取 得 学 位 修士(教育学)
、北海道教育大学、2004年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 読書空間論
研究キーワード 読書現象の創出
研 究 内 容 「読書現象の創出」をキーワードに、主に、空間作りに関心をもっています。私が研究する「読書
空間論」とは、
「読書」そのものと、それを取り巻く「空間(周辺環境)
」について考察するものです。
「読書」には、
「読み手」と「書かれたもの(エクリチュール)
」が必要です。そこに生じる相互作用は、
それらが属する空間からとてつもなく大きな影響を受けます。つまりは、読む場所によって、得ら
れる読書体験が異なるということです(例えば、同じ本を読むにしても、静かな図書館、ジャズが
流れるカフェ、波音のある海辺では得られる読後印象が変わりそうでしょう?)
翻って、授業での
読書はどうでしょうか。どこか窮屈です。私は、学校の読書はもっとおもしろくできると思ってい
ます。その試行錯誤が主たる研究内容です。
また、従たる研究として、音読・朗読の指導法研究に取り組んでいます。個々の読書現象を複数
の読み手と共有する上で、音読・朗読による音声化は不可欠です。その音読・朗読についても、技
術的に優れているだけでは、どこか無機質です。一人一人の個性を伸ばすという観点に立てばこそ、
できるだけ、その人らしい音読・朗読になるように方向付けたいものです。そのための実践研究に
も取り組んでいます。
その他、教科横断に関する授業開発にも取り組んでいます。これまで、国語を中核に据えながら、
美術、特別活動、道徳、社会などの教科等との連携を試みています。
研 究 業 績・
アピールポイント
2020年, 音読・朗読のための弛緩発声法の研究(1)-, 大分大学高等教育開発センター紀要
2020年, 読みの授業における巻き込み・巻き込まれ現象の検討, 九州地区国立大学教育系・文系研究
論文集
2019年, 中学校美術科と国語科等の教科融合型学習の研究(3), 日本美術教育研究論集
詳細を知りたい方は、
「大分大学研究者情報」
(QRコード)へ20教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(芸術・保健体育教育)美術・教授
氏 名 廣瀬 剛(Hirose Takeshi)
取 得 学 位 学士(芸術)
、多摩美術大学、1993年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 グラフィックデザイン
研究キーワード グラフィックデザイン,造形教育,美術教育,イラストレーション
研 究 内 容 ・学校現場におけるデザイン教育
・図画工作・美術の教材開発
・地域の子どもを対象とした造形活動
・障がい者を対象とした造形活動
・地域や学校現場で活用できる絵本教材の開発
https://www.youtube.com/channel/UCIk7HXP02DkrJZWloluDRqQ
研 究 業 績・
アピールポイント
・論文
2022年「教育現場や地域で活用される絵本を題材にした造形プログラムの開発
ー遠隔授業における絵本制作の実践からー」
(2022年3月発行予定)
・小冊子
2019年『ゼロからスタート!障がい者支援のためのはじめてのアート活動』
障がい者支援に従事する教職員や障がい者の家族などに向けた、アート活動を行なうための入門書
(小冊子)の発行(本文・アートディレクション・デザイン・イラストレーションを担当)制作・発行:
社会福祉法人みずほ厚生センター こみっとあーと
・受賞
1992年クレヨンハウス絵本大賞優秀作品賞
「造形ワークショップPop-up絵本づくり」 「障がい者支援施設での造形活動」21教育学部
所 属・ 職 位 理事(教育,入試,学生・留学生支援担当)
氏 名 藤井 弘也(Fujii Hironari)
取 得 学 位 博士(理学)
、九州大学、1992年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 物理学(物性物理)
,物理教育,情報教育
研究キーワード 放射線分析,ICT活用,情報通信
研 究 内 容 くろまる誘電性結晶の構造相転移に関する研究
主にペロブスカイト型結晶構造を持つ誘電体,磁性体の構造相転移を主にX線回折や中性子線回折
を使って調べる(論文1.)。
くろまる理科教育(特に物理教育)に関する教材開発
物理実験装置のインターネット経由での遠隔制御(論文2.)。理科教育におけるICT活用に関する研究
(論文3.)。
くろまる情報教育,特に情報通信やプログラミングによるアプリケーション開発
インターネット経由での装置遠隔制御法の研究(論文2.)
。プログラミングによる教材開発(論文3.)。
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる論文
1.2002年,Magnetic Properties of Layer Compounds RbVF4 and Cs0.5Rb0.5VF4. J.Phys.
Soc.Jpn.(Japan) Vol.70, Suppl. A. pp.103-110
2.2013年,固体の融点遠隔実験装置の開発,大分大学教育福祉科学部研究紀要 第35巻第1号
pp.47-56
3.2019年,アクティブラーニングを取り入れた理科指導法の研究-ICT活用授業実践の取り組み-,
大分大学教育学部研究紀要第41巻第1号pp.43-5522教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(発達科学教育)
・教授
氏 名 藤田 敦(Fujita Atsushi)
取 得 学 位 博士(心理学)
、九州大学、2006年1月
S D G s目標
研 究 分 野 教育心理学
研究キーワード 教授学習過程の心理、授業デザイン、学習の転移の心理
研 究 内 容 13相の「わかる」で構成する授業づくりの研究
学校の授業の第一の目的は、児童生徒が学習内容を「わかる」ようになることである。こ
の「わかる」授業をデザインするために、学習者が「わかった」と認識する状態を、「判る」
「解る」・「分る」という3つの観点からとらえ、それぞれが、どのような授業中の教授学習
過程から生起するのかを推定している。また、3相の「わかる」学びを配置した授業が、いか
なる学力の向上に寄与するのか、授業
づくりの上での課題は何かという問題
について、授業記録や授業実践者を対
象とした調査の分析を通して明らかに
することを試みている。それらの結果を
踏まえ、「確かな学力」を育てるための
3つの「わかる」で構成する授業デザイ
ンの考え方と授業づくりの具体的な方
法について提案することを目的に研究
を進めている。
2学習した知識の活用や転移を促進す
るための教授方略の研究算数や理科な
どの自然科学領域の学習において、過
去に学習した科学概念の活用や転移が
成立するために必要な知識の特定や、そ
の知識の獲得を促進する具体的な授業時
の教授方略(教材や発問)を探る研究を
行ってきた。応用問題などへの転移を促進するには、学習した概念やルールの構造を変換・
操作する具体例を用いた教材が有効であることや、教師や児童が、授業の様々な局面で、
複数の知識と学習内容を関連づけることで、知識の活用性を高めていると考えられる。
研 究 業 績 ・
アピールポイント
「わかる」授業、「おもしろい」授業とは何かという問いを追求しています。教員養成教育
や学校現場の教員を対象とした研修会を通して、研究成果を還元しています。
「科学的概念の転移をうながす事例の学習」, 吉田甫・Erik De Corte編『子どもの論理
を活かす教育実践心理学』北大路書房, pp.162-180, 2009年
「概念学習と授業」, 高垣マユミ編『授業デザインの最前線―理論と実践をつなぐ知の
コラボレーションII』北大路書房, pp.88-103, 2010年
「複数事例の提示が概念の般化可能性に及ぼす影響-気圧の力学的性質に関する概念受容学習
過程-」, 教育心理学研究, 53, pp.122-132, 2005年23 所 属・ 職 位 教育学部(言語教育)
・教授
氏 名 藤原 耕作(Fujiwara Kosaku)
取 得 学 位 文学修士、神戸大学、1991年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 日本近代文学
研究キーワード 太宰治・坂口安吾・石川淳・無頼派・新戯作派
研 究 内 容 私はこれまで、主に太宰治・坂口安吾・石川淳を中心とする、いわゆる無頼派の文学を研究の対
象としてきた。私の関心は、言論への規制の厳しい状況下に於いて、どのように表現者が工夫を重
ね、その表現の可能性を切り開いていったかというところにある。無頼派の文学者たちは、戦時下
の強権による弾圧や、戦後のGHQによる検閲に屈せず、したたかに表現活動を継続していたとい
う点で、魅力的な考察の対象だと考えている。現在の私の研究の中心は、戦時下の言論弾圧の状況
との関わりで、彼らの作品を読み進めていくことにある。坂口安吾や石川淳の研究の現状を見ると、
まだ主要作品にかたよっており、手がつけられていない分野も多いので、校異や典拠の究明など、
基礎的な研究から充実させていきたいと考えている。
一方、近年では、戦後のGHQによる検閲の実態も、徐々に明らかにされつつあり、1940年
代を通して検閲と文学との関わりを見通していく視座が提唱されてもいる。最新の研究成果を参照
しつつ、戦後の無頼派とGHQによる検閲との関わりについても、明らかにしていきたいと考えて
いる。
研 究 業 績・
アピールポイント
・石川淳『渡辺崋山』論
『国語と国文学』第89巻第1号 2012年1月
・太宰治『新釈諸国噺』論
『国文論叢』第47号 2013年9月
・坂口安吾「イノチガケ」論
『国語と国文学』第90巻第10号 2013年10月
・石川淳「義経」論
『日本文学』第65巻第6号 2016年6月
・石川淳『義貞記』論
『国語国文』第85巻第6号 2016年6月
・石川淳『森鴎外』論
『国語国文』第87巻第5号 2018年5月
・坂口安吾『二流の人』論
『国語国文』第89巻第2号 2020年2月
・石川淳・戦時下の古典現代語訳
『国語と国文学』第97巻第6号 2020年6月
・坂口安吾「安吾下田外史」論
『日本文学』第69巻第12号 2020年12月
・太宰治『右大臣実朝』とその時代
『国語国文』第91巻第1号 2022年1月24教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(芸術・保健体育教育)
・教授
氏 名 松田 聡(Matsuda Satoshi)
取 得 学 位 修士(文学)
、東京大学、1992年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 西洋音楽史
研究キーワード 西洋音楽史、モーツァルト、オペラ、トーマス・リンリ
研 究 内 容 くろまる研究テーマ1:モーツァルトのオペラ創作とオペラ公演との関わり
モーツァルトの、特にオペラを専門としている。従来の研究が膨大にある研究分野だが、オペラ
の作曲や上演を取り巻くコンテクストへの目配りは十分だったとは言えない。コンテクストの重視
は1980年代以降に顕著になってきた西洋音楽史学における傾向の1つであり、私も、特に大分大学
に赴任した2000年からは、その流れに沿った研究を行っている。具体的には、モーツァルトがどの
ようなオペラ公演のために作曲を行ったのか、また、なぜ彼が作曲を行うこととなったのかについ
ての考察を中心とする研究である。
まず手がけたのは、モーツァルトが後期の諸傑作を作曲したウィーンの宮廷劇場のオペラ公演と
の関わりについての研究である。その成果の一端は、学術誌『美学』及び『音楽学』掲載の論文に
まとめている(研究業績の「主要論文」参照)
。その後、
さらにザルツブルク時代にも目を広げ、
ミュ
ンヘンやザルツブルクにおけるオペラ公演とモーツァルトとの関わりをテーマとした論文を、教育
学部の『研究紀要』に発表してきた。そして、2021年には、それらの研究成果を大きくまとめた著
作を刊行した(研究業績の「著書」参照)。くろまる研究テーマ2:トーマス・リンリと18世紀後半のイギリス音楽
モーツァルトと同じ1756年に生まれ、22歳の若さで世を去ったイギリスの天才音楽家トーマス・
リンリについての研究にも、最近、着手した。早世し、作品も多くは残されていないため、一般に
は知られていないが、その作品は質が高く、再評価が必要である。そのようなリンリにつき、伝記
情報をまとめ、
作品分析を行うとともに、
同時代のイギリス音楽の中に位置づける研究を行っている。
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる著書(すべて単著)・『フィガロの結婚:モーツァルトの演劇的世界』ありな書房、2009年・『モーツァルトのオペラ:全21作品の解説』音楽之友社、2021年
くろまる主要論文(すべて単著・査読付き)・「1786年2月のシェーンブルン宮殿におけるモーツァルトとサリエリの「競演」再考―ウィーンの
宮廷劇場における公演の体制との関わりにおいて―」、『美学』214号、70〜83ページ、2003年・「ブルク劇場のオペラ公演の中の《フィガロの結婚》―1786/87年の上演状況をめぐる試論― 」、『音楽学』第50巻2号、44〜55ページ、2005年25 所 属・ 職 位 教育学部(言語教育)
・教授
氏 名 御手洗 靖(Mitarai Yasushi)
取 得 学 位 教育学修士、静岡大学(1987年3月)
、広島大学(1989年3月)
S D G s 目 標
研 究 分 野 英語教育
研究キーワード 言語習得
研 究 内 容 人工的な一人一言語家庭内環境におけるバイリンガリズム, 課題の目的は,日本における幼児の日英
両言語の発達を記述・分析することである。本研究の特徴は,幼児の人工的な一人一言語環境にあ
る。つまり,日本人の両親のうち,母親は日本語を,父親は外国語である英語を常時使用している。
これにより,
「ネイティブスピーカーでない人間からのインプットにより,どのような言語能力が獲
得されてゆくのか」という問いに答える。さらに,父親のみが日本社会における少数派言語である
英語を使用するという例は,これまでの研究に見られない特徴である。これにより,インプット量
の絶対量が少ない言語(英語)の獲得は,どのレベルまで可能であるのかという問いに答える。
実践的な発音指導方法の開発。研究者本人の調音過程のビデオ録画,ソフトウエアの使用による,
調音・韻律の明示的な指導の実践効果の検証。
研 究 業 績・
アピールポイント
科学研究費補助金-課題
人工的日英バイリンガル養育児における英語習得の縦断的研究, 2008-2010, 代表
人工的日英バイリンガル養育児における英語疑問文・関係代名詞文習得の縦断的研究, 2011-2013,
代表
Synonymously-used Translation Equivalents as Evidence of Language Separation by
an English-Japanese Bilingual Infant at the One-word Stage Annual review of English
learning & teaching. No.6. The JACET Kyushu-Okinawa Chapter 2001年10月31日.
二人の日本人幼児の日英語使い分け能力の発達(2)(二人の日英バイリンガル幼児の3〜4歳における
英語発話能力ー二言語による発話の誤りの分析を中心にー九州英語教育学会紀要38 2010.7
実践報告―教養科目「英語ゼミナールF―英語運用力養成訓練II」大分大学高等教育開発センター.第
9号, 201726教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(理数教育)
・教授
氏 名 三次 徳二(Mitsugi Tokuji)
取 得 学 位 博士(工学)
、早稲田大学、1999年3月
S D G s目標
研 究 分 野 教科教育学(理科教育),環境教育,防災教育,地球科学
研究キーワード 理科,野外観察
研 究 内 容 1.理科教育に関する研究
理科の中でも,主に地学領域(地球を柱にする領域)における観察,実習(野外観察
を含む)について,その効果的な実施方法や教材開発方法について,小学校,中学校お
よび高等学校を対象とした研究を行っています。特に,河川や地層,地形の観察につい
ての研究を行っていますが,研究の例を挙げると,小学校第5学年の理科では,川原の
石の大きさや形について上流から下流にかけてどのように変化していくか学びます。こ
れまで,大分県内であれば大分川や山国川の川原の石について上流から下流にかけて調
査を行い,どのような場所で授業を行えばよいか示したり,野外に出られない場合には,
どのような代替教材があるか示したりしています。
2.環境教育に関する研究
環境教育の歴史について研究しておりますが,高等学校向けの教材開発などにも取
り組んでいます。例えば,大分県や福岡県の海岸の漂着ごみを教材化し,授業実践を
もとに教材の評価を行いました。
3.防災教育に関する研究
学校教育における防災教育について研究しております。様々な教科を横断する形で
防災教育は実施されます。特に,理科において自然の仕組みを学ぶ中で,人間にどの
ような影響があるか考えさせる指導法について研究しております。
4.地球科学に関する研究
地球科学の中でも,主に地質学・古生物学について研究しております。過去には,中
生代の放散虫化石の研究をしておりました。
研 究 業 績 ・
アピールポイント
学校教育における理科教育については,地学領域に限らず,全ての領域,全ての学校種
を対象とした研究を行っております。
・川原の実物大写真と石の標本を組み合わせ教材の有効性の検証-小学校理科「流水の働
き」における川の野外観察の代替教材として-,地学教育第74巻2号(2022年)
・中学校理科教員から見た科学の甲子園ジュニアの実態―大分市及び別府市における指
導経験者と指導未経験者の視点からの調査―,九州地区国立大学教育系・文系研究論
文集 第6巻第1・2号(2020年)
・素朴概念を科学的概念に転換する実践的研究 -高等学校理科物理領域「電力とエネル
ギー」に着目して-,九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 第8巻第1号
(2021年)27 教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(言語教育)
・准教授
氏 名 安道 百合子(Andou Yuriko)
取 得 学 位 博士(文学)
、広島大学、1997年3月
S D G s目標
研 究 分 野 日本古典文学
研究キーワード 日本文学、中古・中世物語、中世王朝物語、古典籍データベース
研 究 内 容 くろまる日本古典籍のデータベース化に関する研究
1999〜2003年国文学研究資料館の古典籍データベース作成に携わった経験から、全文検
索に堪え得るテキストとして「標準化」されたデータの作成、漢文体の訓読プログラム開
発、類似本文を検索する方法の研究、校本作成プログラム開発などの研究や実験(試行)
を行ないました。実際に作成したデータベースとしては、『吾妻鏡』(刊行物1)
『歴史物語』
『古事記』があり、データを活用した成果としての書籍や、情報処理の方法を解説したテキス
ト(著書1)の執筆を行なっています。
くろまる中世王朝物語の基礎的研究
主として鎌倉時代につくられた王朝物語の基礎的研究を続けています。『夢の通ひ路物
語』について、翻刻読解をしつつ、典拠の調査、年立や人物総覧など物語を読むための基礎
的研究を行ない、その後、主題探究や同時代の作品との影響関係などの研究に向かいまし
た。また、データベース化に関する研究成果をもとに、科研費による研究課題「中世王朝物
語の引用和歌典拠総覧作成とテキスト処理による物語内引歌表現検索の研究」(2007〜
2010年・課題番号19720053)に取り組み、おもに表現面から創作基盤を明らかにする研究
(論文1)を続けています。現在は、時代性がどのように反映されているかに関心を持って
(論文2)研究を進めています。
くろまる中学校・高等学校国語科の古典教材に関する研究
近年、学校では「古典」を学ぶ意義について問われています。そこで、学校教育で扱わ
れる古典教材を対象にしつつ、教材研究の見直しや関連教材の発掘(論文3)など、成果を
現場に還元することを念頭に置いた研究をしています。
研 究 業 績 ・
アピールポイント
データベース作成に関する研究成果は、主に共同制作・執筆の業績があります。
くろまる刊行物
1.2003年,国文学研究資料館データベース古典コレクション『吾妻鏡』CD-ROM,岩波書店
くろまる著書
1.2008年,文系のための情報処理入門-パソコンを活用して研究を進めよう-,和泉書院
個人研究の成果は、主に論文として発表しています。
くろまる論文
1.2007年,『夢の通ひ路物語』の成立について-『題林愚抄』を指標にする可能性-
2.2020年,『苔の衣』変奏の構想-為家本『狭衣』の影響を想定して-
3.2021年,古典教材のつながりを考える-物語の変奏・変容を切り口にしつつ-28 教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(芸術・保健体育教育)
・准教授
氏 名 大塚 道太(Ohtsuka Dohta)
取 得 学 位 博士(教育学)
、広島大学、2014年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 体育科教育 スポーツ運動学 スポーツ方法学
研究キーワード 体育授業 競技スポーツ 球技 工夫したゲーム
研 究 内 容 【研究のテーマ】
球技の「工夫したゲーム」が運動強度や運動内容に与える影響の検討
【研究の背景】
学校の「体育授業」で取り扱われる「球技」では、生徒が学習課題を追究しやすいように「工夫
したゲーム」に取り組むことがあります。同様に、
「競技スポーツ」の「球技」でも、トレーニング
目的のために「工夫したゲーム」に取り組むことがあります。そのため、球技の指導では、課題や
目的のための「工夫したゲーム」を考案する必要があります。
「工夫したゲーム」とは?
競技規則の
(コートの広さ)
(競技人数)
(用具)
(ルール)などを工夫したゲーム
この「工夫したゲーム」の工夫の仕方によって、そのゲーム中の運動強度や運動内容に影響を及
ぼします。しかしながら、球技の指導現場では、この「工夫したゲーム」は指導者の経験則的な知
見で実施されている場合が多く、科学的アプローチによる客観的把握による実施までは至っていな
い現状があります。
【研究の目的】
そこで、球技の「工夫したゲーム」の工夫の仕方によって、ゲーム中の運動強度や運動内容に与
える影響を科学的アプローチによって明らかにすることを目的としています。
研 究 業 績・
アピールポイント
【主な研究業績】
くろまる大塚道太・森木吾郎・房野真也・菅輝・梶山俊仁・塩川満久・出口達也・黒川隆志(2018)DLT
法を用いたブロック大会レベルの7人制ラグビーゲーム中の運動強度.コーチング学研究,32(1): 99-111.くろまる大塚道太・黒川隆志・梶山俊仁・出口達也・森木吾郎・西山健太(2014) 心拍数と主観的運動強度
からみた7人制ラグビーの運動強度. コーチング学研究,27(1):33-43.
【アピールポイント】
上記の2つの研究では、心拍数を指標とした生理的運動強度と、移動距離や移動速度を指標とした
物理的運動強度を測定することで、競技人数の違いによるゲーム中の運動強度に与える影響を検討
しています。29 教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(生活・技術教育)
・准教授
氏 名 川田 菜穂子(Kawata Nahoko)
取 得 学 位 博士(学術)
、神戸大学、2012年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 住居学・建築学
研究キーワード 住宅問題・住教育・住宅計画・住宅政策
研 究 内 容 くろまる若年層の住宅アフォーダビリティと家族形成に関する研究
住宅アフォーダビリティ(適切な経済負担で良質な住宅に居住できること)が若年層の家族形成
(親世帯からの自立,結婚・パートナーシップ形成,出産・子育てなど)に与える影響について,理
論的・実証的に明らかにし,家族・人口の諸課題に対応するための住宅政策のあり方について検討
する(論文1,プロジェクト1 など)。くろまる住宅セーフティネットの再構築に関する研究
市場で住宅を確保できない人たちのために,民営借家ストックを活用し,住宅セーフティネット
を形成しようとする政策が展開されているが,十分に機能していない。本研究では,住宅セーフティ
ネットの需給関係に関する実態分析,制度分析,さらに地域比較分析を進めるところから,その再
構築のあり方を理論・実証の双方から検討する(論文2,プロジェクト2 など)。くろまる新しい時代の住まい・まちづくり学習に関する研究
本研究では,ニューノーマルな社会という転換期にあって,同時代に生きる異なる世代の住まい・
まちづくりに関する経験・知識・行動・意識について調べ,世代間や地域間の違い等から社会変化に
伴う住まい・まちづくり学習の課題を明らかにするとともに,今後の住まい・まちづくり学習の方向
性を探る(論文3,プロジェクト3 など)
(注記)関連リンク:https://researchmap.jp/kawatan
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる主な論文
1.2021年, 新型コロナウイルス感染症の拡大により顕在化する住宅アフォーダ
ビリティの課題,生活協同組合研究(545),pp.16-24.
2.2017年,住宅困窮者と居住支援の課題,すまいろん(100), pp.30-33.
3.2017年,巨大災害の時代を生きるための住教育,建築雑誌(1697),pp.40-41.
くろまる主なプロジェクト
1.JSPS科研費 18K04512(代表)
2.JSPS科研費 22H01666(代表)
3.JSPS科研費 21H01504(分担)
4.住宅総合研究財団, 2021年度研究・実践助成(分担)30 教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(発達科学教育)特別支援教育コース・准教授
氏 名 古長 治基(Kocho Haruki)
取 得 学 位 博士(心理学)
、九州大学、2021年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 特別支援教育、臨床心理学
研究キーワード 自閉スペクトラム症、強み、障害児者支援、精神疾患
研 究 内 容 1障害や心の問題を抱える人の強みに関する研究
これまでの障害や精神疾患研究は、
「苦手」や「困難」をどのように拾い上げ、対応するかが大きな
課題でした。この問題を解決するためにはむしろ「好き」や「得意」を拾い上げ、それに本人や周
りが気づき、
認めていくことが必要ではないかと考えています。そのことが最終的には自己の
「苦手」
や「困難」を受け入れ、向き合っていくことにもつながるのではないかと考え、強みの自己理解に
焦点を当てた研究を行っています。
2自閉スペクトラム症者の社会的動機づけに着目した実践研究
自閉スペクトラム症者は社会的動機づけが先天的に障害されており、それに伴って種々の問題があ
らわれ二次障害につながるという説があります。このことが悪循環となって自閉スペクトラム症者
の精神的健康を低下させ、社会参加を妨げていると考え、社会的動機づけを高める支援について実
践的に研究を行っています。
3臨床動作法を用いた障害児者支援についての研究
臨床動作法は、障害児者の主体的な身体の動きを引き出すために有効なアプローチです。体への働
きかけを通して、心の変化を促し、QOLを高めていく方法について研究を行っています。
研 究 業 績・
アピールポイント
【論文】
・青年期自閉スペクトラム症者の社会的動機づけに着目した心理的支援の展開. リハビリテイション
心理学研究 2022年 印刷中
特別支援学校(病弱)に在籍する心の問題を抱える児童生徒を担当する教員の困りとニーズ. 大分大学
教育学部附属教育実践総合センター紀要 2022年3月
・病後の脳後遺症を抱え心理・社会的適応に困難が生じている男性のQOL向上を目指した心理学的
支援-心理リハビリテイションキャンプにおける関わりを通してー. 特別支援教育実践センター研究
紀要 2021年3月
・青年期以降の自閉スペクトラム症者における関心スタイルの特徴. リハビリテイション心理学研究
2021年1月
・青年期以降の自閉スペクトラム症者における「強み」理解の特徴. 特殊教育学研究 2020年2月31 所 属・ 職 位 教育学部(社会認識教育)
・准教授
氏 名 小山 拓志(Koyama Takushi)
取 得 学 位 博士(地理学)
、明治大学、2012年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 自然地理学(地形学・地生態学)
,地理教育,防災・減災
研究キーワード 地形,山岳地,南極,火星,地理教育教材,防災・減災教育,自然災害
研 究 内 容 くろまる南極と火星の地表環境に関する研究
南極の自然環境を端的に表現すれば,低温,強風,乾燥です。低温はイメージできるかもしれま
せんが,実は乾燥地域でもあります(極地砂漠と呼ばれます)
。また,南極は雪と氷の大陸ですが,
露岩域と呼ばれる地表が剥き出しになっている場所があり,そこにはポリゴンと呼ばれる多角形の
模様のような地形が分布しています。このポリゴン,
実は火星でも発見されています。火星の環境は,
低温乾燥環境,つまり南極の自然環境と非常に似ています。言い換えれば,地球上で最も火星に近
い環境は,南極(極地砂漠)ということになります。
現在のところ,火星に直接降り立って野外調査を行うことはできません。そこで,近年は南極に
分布するポリゴンなどの調査結果を火星表面の類似地形に適用するなどして,火星の地表環境が推
定されています。私は南極において,世界で初めてドローンによる地形測量に成功し,これまで誰
も成しえなかったポリゴンの詳細な規模や形態を明らかにしました。また,永久凍土を削岩機で掘
削し,ポリゴンの地中構造を解明しました。現在,それらの成果や衛星画像解析の結果を基に,火
星の地表・地中環境を推定する研究を進めています。
研 究 業 績・
アピールポイント
私は良い意味でも悪い意味でも,自他共に認める研究の八方美人です。私の研究テーマ(フィー
ルド)を大きくみれば,
「標高0mから4000mまで,北極から南極まで,地球から火星まで」といっ
たところでしょうか。本来の専門である地形学や地生態学に加え,地理教育から防災・減災教育,
活断層などの自然災害,被災地調査まで,様々な研究を行っています。
・小山拓志, 氏田洵悠, 土居晴洋(2022)
:セルフハザードマップ作成に向けた洪水時における浸水
範囲規定要因の検討.大分大学教育学部研究紀要,43(2),53-68.
・小山拓志(2021)
:国立公園およびユネスコエコパークを中心とした九州の山岳地における自然
保護・環境保全の現状.日本山岳文化学会論集 (18),107-115.32教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(生活・技術教育)
・准教授
氏 名 齊藤 友子(Saito Tomoko)
取 得 学 位 修士(保健福祉学)
、東海大学、2004年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 保育学、家族関係学、社会福祉学、メンタルヘルス
研究キーワード 職業性ストレス,育児ストレス,児童虐待,保育,子育て支援
研 究 内 容 1.保育者の職業性ストレスの背景要因の研究
近年,保育者不足が顕在化しています。その背景のひとつに,保育者の「ストレス」が挙げられ
ます。現在,県下約700名の保育者の協力を得て調査を行い,保育者の職業性ストレスの背景要因
について検討しています。先行研究において,保育者の精神健康の不調の要因は,やりがいの低下,
低賃金,超過勤務に加えて人間関係の悪循環等が挙げられています。
(論文1)これらの要因が精神健康
の不調が関連している傾向が高く,その一群では,本来ストレスの緩衝要因になりうる要因,主任
や同僚との関係が不良です。そこで、職場環境の改善として「ストレスマネジメント」の視点から
アプローチし,課題解決及び精神的不調の未然防止策を検討しています。
2.児童虐待事案における要因に関する調査・分析
日本の児童虐待件数は増加し続けており,特に家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス:DV)
を含む児童虐待は深刻な問題を孕んでいます。そこで,現在,A県における面前DVにおける背景要
因の検討を行っています。
(論文2,その他)
3.知的障害者施設における職員の職業性ストレスの背景要因の研究
障害者福祉施設の職員のストレスについて調査を行い,職員の精神健康に関連するストレス要因
について検討を行っています。これらの成果から,職場環境改善策を検討しています。
(論文3)
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる
子育て支援における助言・講習講師や職場内のコミュニケーションに関する助言・講習(管理者
講習,主任者講習等)。くろまる論文
1.保育者の精神健康およびその関連要因についてのレビュー;日本社会福祉マネジメント学会誌1
(2)43-55.(2021)
2. An Online Survey on the Uses of Internet of Things in Supporting Crime Victims.
Journal of Japan Association of Forensic Nursing 5(2)35-46.(2019)
3.日本の知的障害者福祉施設で働く福祉職員の精神健康およびその関連要因についてのレビュー;
産業ストレス研究28(2)275-287.(2021)
くろまる その他
A県における児童虐待事案の実態調査 面前DVに着目して;日本子ども虐待防止学会第27回学術
集会神奈川大会(2021)33 所 属・ 職 位 教育学部初等中等教育コース(音楽講座)
・准教授
氏 名 清水 慶彦(Shimizu Yoshihiko)
取 得 学 位 博士(音楽)
、京都市立芸術大学、2009年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 作曲実践、音楽理論
研究キーワード 作曲、楽曲分析、電子音響音楽、フィールドレコーディング
研 究 内 容 くろまる作曲実践
いわゆる「現代音楽」の分野をおもな活動領域として、器楽・声楽・室内楽や電子音響音楽など
の作曲実践をおこなっています。
作品集CD『清水慶彦作品集 六相円融』
(studio N.A.T)が雑誌『レコード芸術』で「推薦盤」
に選定されるなど好評を得たほか、アンサンブル・リュネットCD『エイト・レンゼス』
、永野伶実
CD『笛吹き女』等に楽曲を提供。作品はニューヨークで開催された音楽祭「ミュージック・フロム・ジャパン2018」等でも上演されています。
近作では、笙とクラリネットのための《鵺の聲》
(2017年初演、東京)
、金管八重奏曲《付喪神成
仏譚》
(2019年初演、京都)
、フルートと電子音響のための《鵺鳴キ夜》
(2019年初演、大分)
、弦
楽四重奏曲《人が死ねば、
魂は山に登っていくー霊山山中異界譚》
(2019年初演、
大分)、女声とヴィ
オラ・電子音響のための《新院御経沈め》
(2022年初演、大阪)など「怪異と音楽」を題材に創作
を展開しています。
くろまるフィールドレコーディング
大分県の音の風景を録音・収集する「おおいたの音・音の風景」フィールドレコーディング・アー
カイブ・プロジェクトに取り組んでいます。
https://www.youtube.com/channel/UCb3U1COccrSfoZK8NJh5X3w
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまるCD、楽譜等出版物
CD『清水慶彦作品集 六相円融』2010年 Studio N.A.T.
楽譜 フルート三重奏曲《トリトリー》2011年 日本作曲家協議会.
CD『日本の作曲家2012』
(楽曲提供、クラリネットとチェロのための《回旋譜》
)2012年 日本作
曲家協議会.
CD アンサンブル・リュネット『EIGHT LENSES 8つのレンズ』
(楽曲提供、
フルート四重奏曲《エ
イト・レンゼス》
)2012年 Studio N.A.T.
CD 永野伶実『笛吹き女』
(楽曲提供、バロックフルートのための《プラーナ》) 2016年 Studio
N.A.T.
楽譜 バロックフルートのための《プラーナ》2016年 Studio N.A.T.
くろまる書籍
書籍『黛敏郎の電子音楽』
(共著、川崎弘二編著)2011年 engine books.
書籍『ELECTROACOUSTIC MUSIC IN EAST ASIA』
(共著、
Marc Battier、
Kenneth Fields 編)
2020年 Routledge.34教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部初等中等教育コース・准教授
氏 名 都甲 由紀子(Togo Yukiko)
取 得 学 位 博士(生活科学)
、お茶の水女子大学、2010年4月
S D G s 目 標
研 究 分 野 被服学
研究キーワード 衣生活,生活工学,被服教育,家庭科教育,染色化学,STEAM教育
研 究 内 容 しろまる被服教育の内容・方法の提案
アクティブ・ラーニング手法やICTを取り入れた新しい被服教育を提案していきます。被服教育勉強
会(ひふカフェ)の開催,家庭科の授業実践,教育実践を通して,時代に即した衣生活関係の教育
内容を検討していきます。
しろまる色をめぐる科学と文化の融合
植物の色,動物の色,服の色,食べ物の色,建物の色・・・人々は色に囲まれて生きています。色
をめぐる文化の地域比較,国際比較をしながら,その背景を科学的に探り,色をめぐる科学と文化
の融合を図っていきます。
しろまる大分の地域振興への貢献
大分県が「豊前・豊後」と呼ばれていたのは,昔から「豊かな地域」であったことがうかがわれます。
温暖で海から山に多様な動植物が育つことで食品になる農作物や魚介類が豊富というだけでなく,
染料になる動植物も育ちます。大分・九州で採れる天然染料情報をまとめ,地域の教育や地域振興
に貢献します。
研 究 業 績・
アピールポイント
【テキスト執筆】
しろまる
作る手が子どもたちを輝かす2 アクティブラーニングが育
てるこれからの家庭科,お茶の水女子大学附属学校家庭科研究会著,地域教材社,
2017,担当:pp.46-49,154-155
しろまる衣生活論 持続可能な消費と生産,山口庸子,生野晴美編,
アイ・ケイ コーポレーション,2019,
担当:7章 染色と染め文化pp.107-129
【論文】
しろまる九州に育つ動植物由来の天然染料STEAM教育の染色教材開発のための基礎資料,
都甲由紀子,大分大学教育学部紀要,43(1),2021,pp.21-36
しろまるブータン王国のラックカイガラムシを題材とした高等学校家庭科の教材開発:
ラック染色布、染色動画と実験を教材とした授業実践の試み
都甲由紀子,陶山由佳,ブータン学研究,2,2019,pp.13-32
【被服学・染色化学を通した教材開発(家庭科,総合的な学習の時間,STEAM教育)】・お茶の水女子大学附属中学校,麻布中学校,大分舞鶴高校(舞STEAMs),チューリッヒ日本人学校,大分大学教育学部附属小学校・中学校への教材提供実績あり
【Webサイト(動画教材等掲載)】大分大学都甲由紀子研究室 https://togolabo.jp35 所 属・ 職 位 教育学部(発達科学教育)幼年教育講座・准教授
氏 名 永田 誠(Nagata Makoto)
取 得 学 位 修士(教育学)
、九州大学、2002年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育学,幼児教育学,社会教育学
研究キーワード 幼児教育・保育,家庭・学校・地域の連携・協働,親の学び,教育・保育参加
研 究 内 容 1.<子育て>における親の「学び」と子どもの「育ち」の連関
これまで親は「子育ての中で親となる」と語られてきました。しかし,現代では,親自身が親と
してのアイデンティティを形成していくことが困難となっています。<子育て>の過程において,
親自身はどのように学び,何を得ているのか,そして,子どもや家族,子育てコミュニティとの関
係にどのように変化をもたらすのかを探求しています。
2.親の教育・保育参加と幼児教育・保育における保育の質の向上
親が,教育や保育に参加・参画することによって,親・保育者・園がどのように変容するかを調
査しています。特に,親の「保育参加」
(保育参加体験)に着目しています。
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる論文・永田誠(2020)
「親の「語り」を通した子育てにおける「学び」に関する考察(2)―クラス別懇
談会での親の「語り」の変化に着目して―」日本生活体験学習学会『生活体験学習研究』第20巻,
pp.27-35・永田誠(2019)
「親の「語り」を通した子育てにおける「学び」―クラス別保護者懇談会におけ
る家庭生活に関する内容に着目して―」日本生活体験学習学会『生活体験学習研究』第19巻,
pp.23-39・永田誠,菅原航平(2017)
「幼児の日常生活と親の子育て意識の変容に関する考察(1)―大分大
学教育学部附属幼稚園における10年比較調査の結果から―」
『大分大学教育学部研究紀要』第39
巻1号,pp.121-134・永田誠,大村綾,菅原航平(2017)
「幼児の日常生活と親のかかわりに関する考察―2006年調
査結果との比較を通して―」日本生活体験学習学会『生活体験学習研究』第17巻,pp.1-13・永田誠,時田純子(2016)
「子どもの育ちの過程を通した保育における生活体験の意義に関する
考察―如水保育園における卒園10年後の子どもの記述を手がかりに―」
日本生活体験学習学会
『生
活体験学習研究』第16巻,pp.13-23
くろまる共同研究・競争的資金等の研究課題・日本学術振興会科学研究費助成事業 基盤研究(C)研究代表者「保育参加を通した親の「学びの
物語」アプローチとルーブリック評価の開発」
(2019年4月 - 2023年3月予定)・日本学術振興会科学研究費助成事業 基盤研究(C)研究代表者「子どもと親の学びを生み出す発
達資産としての生活体験を育む「地域家庭教育支援」」(2015年4月 - 2019年3月)
「幼児の生活実態と親の子育て意識に関する
アンケート調査」の園へのフィードバックレポート
園内研修の様子36教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(生活・技術教育)
・准教授
氏 名 中原 久志(Nakahara Hisashi)
取 得 学 位 博士(学校教育学)
、兵庫教育大学、2015年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教科教育学,科学教育・教育工学,材料加工
研究キーワード 技術科教育,情報教育,木材加工
研 究 内 容 技術教育や情報教育,木材加工等の分野において,児童・生徒の認知的実態に基づいた教材・題材,
カリキュラムの開発研究に取り組んでいます。具体的には,生徒や教員を対象としたアンケート調
査や統計的分析,学校現場でのフィールドワーク,教材・教具の開発及び試行的実践などの方法を
用いて,以下のような内容を行っています。
1中学校技術科の授業における生徒の感情状況の把握に基づく情意的支援の在り方の検討
2中学校技術科の材料加工学習におけるユーザビリティデザインの視点形成
3UXデザインを用いたものづくり活動の教材開発4テキストプログラミングとビジュアルプログラミングを行うことができるマルチタスク型のプロ
グラミングツールの開発
5学校教育における教員及び児童・生徒のICT活用に関する研究
6被削材や断面形状の違いが平かんなの刃先摩耗に及ぼす影響
研 究 業 績・
アピールポイント
【プロジェクト等】・UXデザインを核としたイノベーション力を育成するSTEAM教育のカリキュラム開発(基盤研究
(C),代表,20K03211,2020-2022)・小学生向けマルチタスクビジュアルプログラミングツールの開発と試行的実践(挑戦的萌芽研究,
代表,16K12767,2016-2018)・令和の日本型学校教育を担う学校教員のICT活用指導力育成プロジェクト(学長戦略経費・教
育改革推進プロジェクト,2021-2022)
【論文】・島田和典・佐枝佑哉・島田英昭・中原久志:切削加工の温度変化に着眼した安全教育用ディジタ
ルコンテンツの制作-視線追跡による評価に焦点をあてて-,日本工業技術教育学会,第24巻,第1
号,pp.1-8(2019)・上之園哲也・松浦幹雄・中原久志・勝本敦洋・森山潤:ものづくり活動における生徒の批判的思
考の構造,日本教科教育学会誌,4(3),pp.25-35(2017)・中原久志・上之園哲也・森山潤:技術科の材料加工学習における生徒の「癒し」と「ストレス」
の感情状況の構造と学習意欲との関連性,日本教科教育学会誌,39(1),pp.1-10(2016)・中原久志・森山潤・上野耕史:LED照明機器の製作を通して工夫・創造を育成するエネルギー変
換学習の題材開発と試行的実践,日本産業技術教育学会誌,58(1),pp.21-29(2016)・Hisashi NAKAHARA & Jun MORIYAMA:Research of Relevance of Students’ Making
Experiences and Emotions felt during Technological Activities -In case of Learning of
"Technology of materials and their processing"-,International Journal of Curriculum
Development and Practice, Vol.17, No.1, pp.15-24(2015)37 所 属・ 職 位 教育学部(生活・技術教育)
・准教授
氏 名 萩嶺 直孝(Hagimine Naotaka)
取 得 学 位 博士(学校教育学)
、兵庫教育大学、2014年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教科教育学 技術教育
研究キーワード 技術教育,エネルギー変換の技術,デジタルファブリケーション,遠隔教育システム
研 究 内 容 くろまる技術教育に関する研究
児童・生徒の実態分析に基づき,技術教育に関する授業で解決するべき実践課題を明確に把握し
た上で,授業をデザインするアプローチを行っている。そのため,授業における実態分析や授業改
善のスキルとして注目されている教育工学的手法を活用している(論文1.2,3)。くろまる技術教育における学習指導方法や教材・教具の開発
デジタルファブリケーションを活用したエネルギー変換の技術による問題解決の学習ストラテ
ジー及び教材・教具の開発に取り組んでいる(著書1.2)。
くろまる技術教育における遠隔教育システムの検証
小規模校等において専門家等の外部人材を活用した遠隔授業を実施し,教育活動を支援すること
によって,遠隔教育システムの学習効果の検証を行っている(プロジェクト1.
2 論文3)。研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる論文
1.2018年,エネルギー変換の技術を用いた製品の分解・組立活動によって設計の工夫を読み取ら
せる学習指導方法に関する実践的検討,日本産業技術教育学会九州支部論文集
2.2018年,エネルギーの変換・利用に関する中高生のイメージの構造と生活意識への影響,森山
潤,萩嶺直孝他,兵庫教育大学研究紀要
3.2021年,資質・能力を育成する一方向型オンライン授業の検討-現職教員を対象とした動画教
材作成の意識調査とポイント-,日本産業技術教育学会九州支部論文集
くろまる著書
1.2020年,新しい技術・家庭技術分野 エネルギー変換の技術,東京書籍
2.2021年,技術科教員指導能力認定試験・中学校技術科教員採用試験参考書,日本産業技術教育
学会
くろまるプロジェクト
1.2021年〜,中山間地域等の小規模校における遠隔授業の推進,大分県教育委員会未来を創る
GIGAスクール推進事業
2.2021〜23年,中学校技術科における免許外教科担任を支援する遠隔教育システムの構築,科
学研究費助成事業38教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(言語教育)
・准教授
氏 名 橋本 美喜男(Hashimoto Mikio)
取 得 学 位 文学修士、筑波大学、1989年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 英語学・言語学
研究キーワード 認知言語学,英文法,日英対照研究
研 究 内 容 認知言語学の観点から,いわゆる学校文法を捉え直し,児童・生徒たちが英語の構造を理解しやす
くし,英語の力を伸ばすことに資する文法体系の構築を目指すことが研究の基本的目標である。
様々な先行研究を踏まえ,日本人学習者が英語を学習するときの大きな障害の一つが,英語の基本
構造(学校文法における5文型)と日本語の基本構造の分類(動詞文,形容詞文,名詞文)が著しく
異なることを研究の根本に据えた。したがって,第一の研究課題としては,
「なぜ英語の基本構文と
日本語の基本構文は著しく異なるのか」とし,
第二の研究課題としては,
第一の研究課題を踏まえて,
「日本人に適した英語文法体系とは何か」と設定した。
第一の研究課題においては,認知言語学の枠組み,主にLangackerの認知文法やTalmyのForce
Dynamicsの考え等に基づき,figure, ground, attentionなど人間の認知機能の見地から英語と日
本語の構造や性質について考察し,また英語と日本語の共通点と相違点をさまざまな文献から洗い
出す試みを行なっている。
第二の研究課題においては,第一の研究課題を踏まえて,事態の捉え方が英語と日本語で異なるた
め,英語学習者が英語を身につけることのに対し困難を抱えていることを指摘するとともに,その
困難を克服できる学習英文法を考察している。現在は,
「主語の立て方」と「時制と相」について主
に考察している。
研 究 業 績・
アピールポイント
橋本 (2018) (西岡ほか編「英語の時制と相の指導に関する一考察」
『ことばを編む』開拓社)では,
英語の時制と相を扱い,例えば,なぜほとんどの大学生が "The bus is stopping."という簡単な英
文を誤って解釈してしまうのかを考察した。
橋本 (2019) (「大学生の英語表現力に関する一考察」大分大学教育学部研究紀要41巻第1号)では,
特に英語の主語の立て方に焦点を当てて論じ,日本人学習者が英語をうまく使えない原因の一つが
主語をうまく立てられないことを指摘した。39 教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(芸術・保健体育教育)美術・准教授
氏 名 藤井 康子(Fujii Yasuko)
取 得 学 位 博士(教育学)
、東京学芸大学、2011年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 美術科教育学,教科融合型学習,スペインの美術教育,絵画
研究キーワード 幼児の表現,図画工作,中学・高校美術,教科横断・融合型学習,CLIL,探究学習,絵画
研 究 内 容 1.
新たな社会的要請をふまえ,美術科教育の立場から異分野を専門とする大学教員や学校現場,美
術館等と連携し,地域の資源である"人・もの・こと"を活用した芸術教育を核とする他教科との
融合的な学びを開発し,教育実践を通した学習指導内容・方法の開発や学習効果の検証に取り組
んでいる。2.海外(スペイン,台湾等)の教育の在り方に着目し,実地調査等も行いながら,日本の教育課程
で実現できるCLIL教育(図画工作・美術と外国語活動・外国語)やSTEAM教育(科学・技術・工学・芸術・数学等の融合)の視点を取り入れた芸術教育の内容と指導方法の研究に取り組んでいる。3.油彩画の大作制作を通して,絵画技法と表現技術の研究を行っている。
研 究 業 績・
アピールポイント
1.執筆書籍の紹介
・ 藤井康子・西口宏泰・髙橋泰佳「"色って何だろう?"から視覚障害児の色のイメージを育む色
彩学習プログラム「私の色辞典をつくる」について教えてください」
『視覚障害のためのインク
ルーシブアート学習 基礎理論と教材開発』茂木一司・大内進・多胡宏・広瀬浩二郎編集,ジアー
ス教育新社,
(共同執筆)pp.214-219,2021年。
・ 「各国の教科書制度 欧州:スペイン王国」
『海外教科書制度 調査研究報告書』,公益財団法
人教科書研究センター,
(単独執筆)pp.14-15,p.50,pp.283-289,p.429,2020年。
・ 『色から始まる探究学習ーアートによる自分づくり・学校づくり・地域づくり』,「地域の色・
自分の色」実行委員会 + 秋田喜代美 編著,明石書店,
(共同執筆)pp.75-83,
(単独執筆)
pp.220-225,2019年。
・ 「第14章 国内外の美術教育研究の動き」
『小学校図画工作科教育法』山口喜雄・佐藤昌彦・
奥村高明編著,建帛社,
(単独執筆)pp.162-172,2018年。
2.執筆論文の紹介
・ 藤井康子・東奈美子・岩坂泰子「図画工作科と外国語活動を軸とした教科融合型学習の開発
と実践ー6年生のMy Best Memoryを絵に表す活動を通して―」美術教育学研究,第53号,大
学美術教育学会誌,pp. 209-216,2021年。
第55回 教育美術・佐武賞受賞論文(執筆代表者 永松芳恵,共同研究者 藤井康子・花坂歩)
「美術
がつなぐ、子ども・地域・学校〜学校現場が模索した教科融合型学習の試み〜」教育美術,第81巻,
第8号(938号)
,公益財団法人教育美術振興会,pp.15-24,2020年。40 所 属・ 職 位 教育学部 学校教育教員養成課程 初等中等教育コース(幼年教育講座)
・准教授
氏 名 向井 隆久(Mukai Takahisa)
取 得 学 位 博士(心理学)
、九州大学、2010年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育心理学,発達心理学,幼年教育
研究キーワード 主体的・探究的な学習,問い(質問)生成,概念発達
研 究 内 容 くろまる探究的な学習,問い(質問)生成に関する研究
学習時に多様な観点から疑問点を見つけ,発展的に想像や考えを膨らませながら,仮説を立て問
うてみるといった問う力を中心に,学習者が主体的に問題発見・解決しながら学ぶ教授・学習過程
に関する研究を進めています。大学生の問い生成力を高めるための支援法の開発研究(科学研究費
助成事業2)や,より低年齢の子どもたちへの支援法の活用を研究しています(科学研究費助成事
業1.論文1.論文2)
。並行して,問う力の発達的変化も研究しており(科学研究費助成事業1),幼児や児童が日常生活や遊び場面・授業場面でどんな問いを抱き,大人や友達と共に学びを深めて
いるのか,その発達的変化を調べています。
くろまる知識獲得,概念発達に関する研究
上記の研究の基礎となる研究として,知識獲得,特に概念変化(発達)メカニズムの研究を行っ
ています。人が物事を理解し,知識を獲得・構築する過程は,単に「情報を見聞きして頭に入力,
保持する」といったことではなく,
「状況や文脈との関係の中で、知識(概念)をダイナミックに構
成する過程である」というモデルを提案しています(論文3)
。そうしたモデルに基づき,共同研究
で理科の教授法開発に関わる調査研究を行ったり,病気やケガに関する幼児の理解形成過程につい
て研究しました(科学研究費助成事業3)。研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる論文
1.向井隆久 (2021). 小学4年生社会科の探究的な学習における児童の問い生成力. 別府大学短期大
学部紀要, 40, 35-49.
2.向井隆久 (2021). 小学4年生道徳科における児童の問い生成力. 別府大学短期大学部幼児・児童
教育センターセンターレポート, 40, 27-34.
3.向井隆久 (2010).「状況・概念相互依存的システム」としての概念発達モデル-特性の起源に関
する認識を中心に- 博士論文(九州大学)
くろまる著書・雑誌
1.向井隆久 2020年「"できるようになる"心のメカニズム」中村奈良江・山口裕幸(編著)
『ライ
ブラリ 心理学を学ぶ 心理学概論』(pp.159-181) サイエンス社
2.向井隆久 2019年「学びを支える授業実践のための心理学」
『教育と医学 特集2・学級経営と
授業に役立つ心理学』(pp.59-67) 慶應大学出版会
くろまる科学研究費助成事業
1.基盤研究(C)「深い学びに向けた児童の問題発見力を高めるための文脈構成力育成型教授法の開
発」研究代表者:向井隆久 期間:2020年4月〜現在
2.若手研究(B)「大学教育における問題発見力を育むための文脈構成力強化型教授法の開発」研究
代表者:向井隆久 期間:2015年4月〜2018年3月
3.基盤研究(B)「病気やケガに関する子どもの理解・表現と大人の対応に関する研究」研究代表者:
中島伸子 期間:2015年4月〜2018年3月 研究分担者として参加41教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(芸術・保健体育教育)
・准教授
氏 名 村上 佑介(Murakami Yusuke)
取 得 学 位 博士(学術)
、広島大学、2014年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 彫刻、美術教育、造形教育
研究キーワード 彫刻、サイト・スペシフィック、アート・プロジェクト
研 究 内 容 くろまる彫刻制作に関する研究
人物具象彫刻を中心とした作品制作を通して、
塑造による表現を探求している。また作品は、
全国的な公募展等に出品し、国内の文化振興に
寄与している。
左:
《不自由な抱擁》第45回日彫展
日彫賞受賞
(2015)
右:
《そしてまた夢を見る》第46回日彫展
日彫賞受賞
(2016)
くろまるサイト・スペシフィック彫刻に関する研究
地域特有の歴史や風土などを含めた"場"に帰属した彫刻を、
「サイト・スペシフィック彫刻」と捉え、
そのような作品の可能性や課題について、指標による作品調査や、自身の展示実践を基に研究を進
めている。調査の結果、作品には「木」
「プラスチック」なども多く見られることや、主題やモチー
フに歴史的背景を取り入れているものが67%を超えるといった傾向が見られた。また、それらの作
品の特質として (1)多様な素材の使用、
(2)場への「同化」と「介入」、(3)現実空間との連続性、(4)複合的な性質、が導出された(論文1.)。くろまる子どもと立体表現に関する研究
芸術を介した地域活性化活動として、お寺で子どもとアートが出会うプロジェクトである「キッ
ズ・ミート・アート」での立体表現ワークショップ講師など、アートを活用した地域活性化や地域
連携に取り組んでいる(著書1.)。研 究 業 績・
アピールポイント
以下のように作品発表、論文投稿等を積極的に行っている。
くろまる作品
1.2009年〜、日彫展(日本彫刻会主催)での作品発表(2012年優秀賞、2015年・16年日彫賞)
くろまる論文
1.2015年、
「日本のアート・プロジェクトにみる「サイト・スペシフィック彫刻」の傾向と特質」、『美
術教育学研究』第47号、大学美術教育学会、pp.359-366、単著
くろまる著書
1.2019年、
『キッズ・ミート・アート 子どもと出会い、すれ違うアート』
、ふくろう出版、共著42教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部 附属教育実践総合センター・准教授
氏 名 森下 覚(Morishita Satoru)
取 得 学 位 博士(教育学)
、東京学芸大学、2010年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育心理学
研究キーワード 学校体験活動(学校インターンシップ)
,学習,社会文化的アプローチ
研 究 内 容 くろまる共創的越境を可能にする学校インターンシップの実施体制モデル
教員志望の学生に対して,教員として必要な資質能力を確実に身につけさせることが喫緊の課題と
して存在しており,その課題を解消する取り組みとして学校現場における体験活動「学校インター
ンシップ」の充実が求められている。そうした現状に対して,共創的越境(異なる立場・視点を持
つ人達が,互いの異質性を尊重し,積極的に相互交流を行う交流のあり方)を可能にする学校イン
ターンシップの実施体制モデルの構築を検討している。
くろまる社会文化的アプローチによる教師の世代継承の解明
現在,日本における教員志望者は減少傾向にあり,令和の日本型学校教育を担う質の高い教員コミュ
ニティを形成していく上での課題となっており,教員志望者の減少の原因分析とその改善が求めら
れている。そうした現状に対して,教員コミュニティが発する教職の魅力と大学生の受け止め方の
相互行為的なメカニズムを社会文化的アプローチから検討している。
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる著書
1.学校インターンシップの科学 : 大学の学びと現場の実践をつなぐ教育
田島充士, 中村直人, 溝上慎一, 森下覚 (編著者)
ナカニシヤ出版 (ISBN: 9784779510489)
他3点。
くろまる論文
1.教員養成系大学・学部における学校体験活動の現状と課題
森下覚
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 7(1) No.8 2020年10月
2.大学と教育委員会による学校インターンシップの構築と変遷
森下覚
大分大学教育福祉科学部紀要 37(2) 287-300 2015年
3.教師による実践的指導力の自己評定に関する調査
森下覚, 麻生良太, 長谷川祐介, 河野伸子
大分大学教育福祉科学部附属教育実践総合センター紀要 (30) 127-138 2012年
4.教育実習における学習はどのように構成されているのか ―教育的デザインと実践の保持のデザ
インとのダイナミクス―
森下覚, 尾出由佳, 岡崎ちひろ, 有元典文
教育心理学研究 58(1) 69-79 2010年3月
他13点43 教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(発達科学教育)
・准教授
氏 名 吉野 敦(Yoshino Atsushi)
取 得 学 位 修士(教育学)
、早稲田大学、2018年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育哲学、道徳教育
研究キーワード フランス教育思想史、道徳・市民教育
研 究 内 容 (1)18 ‐ 19世紀転換期のフランスにおける教育学の形成過程についての思想史的研究
18 ‐ 19世紀転換期のフランスでは、フランス革命をはじめとして、フランス教育史上で「近代」
をしるしづける一連の出来事が生じた。革命後のフランスでは、反動的な揺れ動きも見られたにせ
よ、近代的理念による抜本的な社会の再構築が目指された。その実現手段の一つとして、政治的に
も学問的にも重要な論議の対象となったのが、
「教育」という主題である。この時期の教育論的言説
に関して、教育思想史研究の枠組みでは、コンドルセをはじめとする革命期の公教育論について注
目されることが多いものの、ひろく学問・思想的世界のなかで教育という主題がどう位置づけられ
ていたのかは十分明らかになっていない。本研究の目的は、世紀転換期のフランスの知的世界で牽
引的役割を果たしていた「イデオローグ」と呼ばれる思想家たちに着目し、18世紀フランスの啓蒙
主義を継承した彼らの思想的課題、すなわち学問知の全体を近代社会にふさわしく再編成するとい
う課題のもとで、教育と科学がいかなる関わりを持っていたのかを教育思想史的観点から明らかに
することにある。この作業は、フランスでは第三共和政期の公教育制度の確立に伴って成立したと
されるディシプリンとしての教育学について、その成立過程の一端を明らかにすることに繋がって
いる。
(2)道徳教育の日仏比較
日本では小・中学校で「特別の教科 道徳」が、フランスでは小学校からリセ(日本の高等学校
に相当)までを貫く教科として「道徳・市民教育」が、ほとんど時を同じくして公教育カリキュラ
ムのなかに新たに導入された。共通点の多い両国の道徳教育のあり方を、カリキュラムや教科書、
指導法など、種々の観点から比較検討することで、日本の道徳教育の現状を批判的に捉え、よりよ
い方向性を模索していくための基盤的知見を提供することが本研究のねらいである。
研 究 業 績・
アピールポイント
吉野敦「一九世紀初頭フランスにおける教育・科学・統治―マルク=アントワーヌ・ジュリアンの
教育思想を中心として―」
『教育哲学研究』123号、2021年5月
吉野敦「フランスにおける最初期ペスタロッチ受容の思想的基盤 ―マルク=アントワーヌ・ジュリ
アン以前の動向に着目して―」
『教育哲学研究』121号、2020年5月
吉野敦, 杉山大幹, 鈴木規子, 上原秀一, 辻和希, 坂倉裕治「フランスの道徳・公民科にかかわるデジタ
ル・リソースの現状」
『早稲田教育評論』35巻1号、2021年3月
木下智実, 折口量祐, 吉野敦「小学校道徳科における「考え、議論する」授業の開発」
『早稲田教育学
会紀要』21号、2020年3月44 所 属・ 職 位 教育学部(言語教育)
・講師
氏 名 大谷 由布子(Otani Yuko)
取 得 学 位 修士(教育学)
、神戸大学、1996年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 英語教育・小学校外国語教育
研究キーワード 小学校外国語・外国語活動・教科書と教材・第一言語習得と第二言語習得
研 究 内 容 留学中のホームステイ先で,英語を母語とする1歳半の幼児の言語獲得の記録を1年間とり続け
たことが,年齢の低い学習者を対象とした英語教育について研究を始めるきっかけとなりました。
英国の出版社勤務を経て東京の大学で児童英語関連の講義を行っていた頃,いよいよ日本の公立小
学校でも英語を教科として導入することになり,指導要領の改定前年に文部科学省に入省。初等中
等教育局国際教育課の英語教育推進プロジェクトオフィサーとして,小学校外国語活動補助教材「In
the Autumn Forest」,「Good Morning」
, 新学習指導要領対応小学校外国語教材「We Can! 1, 2」,新学習指導要領対応小学校外国語活動教材「Let’s try! 1, 2」の開発に携わりました。
現在は大学にて「小学校外国語(英語)指導法(小)」,
「英語科授業論」,「英語の心理言語学」な
どの科目を担当しています。特に,年齢が言語習得に及ぼす影響,第一言語習得と第二言語習得の
違い,学習者の発達段階や特性をどのように授業に取り入れるのか,小学校と中学校の英語教育を
どのように接続するのか,等について継続的に研究を行っています。
ストーリーや教科書の執筆も続けており,今後は地域教材を取り入れた英語教育の実践を行うこ
とができたらと考えています。
研 究 業 績・
アピールポイント・"Acquisition of English Morphemes --- A Longitudinal Study of a Young Native Speaker
of English" 平成8年1月, KELT Journal No.11.・"A Case Study of Children’s Cross-Cultural Understanding in Relation to the Target
Language Use" 平成8年3月, JASTEC Journal No.15.・"Implementation of an online professional development program in the current EES
teacher-training context in Japan" 平成27年, National Geographic Learning, ELTeach
Global Implementation Report・"A Teacher Training Program for English at Elementary School ant Its Participants’
Training Needs: A Questionnaire Survey" 令和3年1月 大分大学教育学部附属教育実践総合セ
ンター紀要第38号・"First Language Acquisition and Second Language Acquisition in Young Learners:
Implications for Elementary School English Language Education in Japan" 令和3年8月
九州英語教育学会紀要第49号・「移行期間を経た中学生は小学校でどのような語彙に触れてきたか-文部科学省作成小学校外国語
教材『We Can!』で扱われる語彙分析をもとに-」令和4年3月 JASTEC Journal No.40.46教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(理数教育)・講師
氏 名 河村 真由美 (Kawamura Mayumi)
取 得 学 位 修士(数学教育学),広島大学,2016年3月
S D G s目標
研 究 分 野 数学教育学
研究キーワード 例,コモグニション論,アイデンティティ,教師教育
研 究 内 容 「人はどのように数学を学ぶのか」という問いの解明のため,数学学習に影響する教材,
教師,アイデンティティの視点から次のような研究を行っている。
くろまる教材(例)に関する研究
数学の学習において,例は概念を理解しやすくするために用いられたり,概念の使い方の
例として問題が用いられたりする。そこで,まず学習者による例の使い方と例を用いた活動
がどのように変容していくのか活動の過程を検討し,学習者が例を用いて活動を行うことが
できるような授業構成の方法を提案した(論文1,2)。
くろまるアイデンティティに関する研究
数学の学習はコミュニケーションを通じて行われる。認知とコミュニケーションを一体と
捉えれば(コモグニション),社会的,個人的,認知的,感情的側面から数学学習を解釈す
ることができる。社会的側面に基づく感情や信念を反映したアイデンティティを視点とし,
「何が,どのように数学学習を促進したり阻害したりするのか」を解明する研究を行ってい
る。
くろまる教師教育に関する研究
教師教育者が行う教育は児童生徒に対して行われる授業に影響するため,教師教育者の教育
は必要かつ重要である。そのため,「研究ベースの教師教育者はどのような研究授業の指導
助言を行っているのか」,「教師教育者のアイデンティティがどのように変化するのか」に
関する研究も行っている(著書3,4)。
研 究 業 績 ・
アピールポイント
くろまる論文
1.2016年,単著,「高等学校数学科における数学を構成・創造するための例の活用に関す
る研究-例を用いた活動の変容過程-」,『数学教育学研究』22(1),149-157.
2.2016年,単著,「高等学校数学科における例を用いる活動に焦点を当てた授業構成に関
する研究-授業構成モデルの構築とその実証的検討-」『数学教育学研究』22(2),47-57.3.2023年,単著,「数学教育に関する研究ベースのある指導助言者がもつ役割の特徴」,
『大分大学教育学部 研究紀要』45(1),25-36.
4.2022年,共著,「教師教育者のアイデンティティの獲得プロセス-指導主事や特別支援
コーディネーターへの移行にともなう転機や困難に注目して-」,『学校教育実践学研
究』28,81-91.
くろまる著書
1.2019年,共著,『高等学校数学科の新教材&授業プラン』明治図書(担当頁pp.86〜91)47
所 属・ 職 位 教育学部(理数教育)
・講師
氏 名 小林 良彦(Kobayashi Yoshihiko)
取 得 学 位 博士(理学)
、新潟大学、2017年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 原子核物理、科学コミュニケーション、高等教育開発
研究キーワード 中性子過剰核、共鳴状態、サイエンスカフェ、科学コミュニケーター、物理教育、教材開発
研 究 内 容 大きく分けて以下の三つの分野の研究に取り組んでいます。
原子核物理
r過程と呼ばれる元素合成過程に関わる中性子過剰核の理論的な研究をしています。特に、中性子過
剰核の超流動性や共鳴状態に着目しています。
科学コミュニケーション
日本におけるサイエンスカフェの広がりや科学コミュニケーターに求められる職務・職能について
の研究をしています。また、実践研究にも取り組んでいます。
高等教育開発
アクティブラーニングや授業デザインの知見に基づいて、授業改善や教材開発に取り組んでいます。
また、物理教育やライティング教育に関する研究も進めています。
研 究 業 績・
アピールポイント
上で挙げた三つの研究内容に関する最近の研究成果は以下です。
原子核物理
Yoshihiko Kobayashi and Masayuki Matsuo
s-wave quasiparticle resonance in neutron-rich drip-line nuclei
Progress of Theoretical and Experimental Physics 2020(1) 2020年1月
科学コミュニケーション
三島美佐子・小林良彦・吉岡瑞樹
福岡県におけるサイエンスカフェの実践記録分析:サイエンスカフェの継続性に注目して
科学技術コミュニケーション 30 31-43 2022年1月
高等教育開発
小林良彦・中野享香
原子核や同位体についての理解を助ける模型の開発と教育実践
物理教育 68(1) 18-21 2020年3月
より詳しい情報については個人ウェブサイトをご参照下さい:https://www.yoshikoba113.net/48教育学部
教育学部
所 属・ 職 位 教育学部(生活・技術教育)
・講師
氏 名 杉山 昇太郎(Sugiyama Shotaro)
取 得 学 位 修士(教育学)
、大分大学、2018年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 情報教育
研究キーワード プログラミング教育
研 究 内 容 くろまるプログラミング学習者の認知的実態に関する研究
教育心理学的アプローチで,学習者がプログラミングに対して持つイメージを構造的に把握し,性
別による差や授業前後の変容などを明らかにする。
くろまる「令和の日本型学校教育」の構築を目指した電気の理解を深めるICT教材の開発
AR(拡張現実)技術を用いて,電気の動きや素子の働きをリアルタイムで「見て」,「触れて」学ぶ
ことができる教材を開発する。また,教材は,授業中に生徒が個人の端末で扱えるものにし,遠隔
授業やアフターコロナにおける学校教育活動で効果を発揮するものにする。
くろまるComputational Thinkingを育成すること目的とした評価,測定方法
中学校技術・家庭科・技術分野「情報の技術」と高等学校共通必修教科情報科で活用できる,CT育
成カリキュラムとCT能力の測定,評価方法を開発する。
研 究 業 績・
アピールポイント
・大学生のメタ認知特性とコンピューテーショナル・シンキングの関連性―教員養成系学部の学生
に求められる資質に焦点をあててー,大分大学教育学部研究紀要42巻1号(2020)
・工業高校生のコンピューテーショナル・シンキングに関する調査,日本科学教育学会年会論文集44,(2020)
・中学生のコンピューテ―ショナル・シンキングとプログラミング教育の関連性に関する一考察,
日本科学教育学会年会論文集44,
(2020)
・中学生と高校生の持つプログラミングに対するイメージの調査,大分大学教育学部研究紀要41巻
2号,
(2020)49 教育学部
所 属・ 職 位 教育学部 附属教育実践総合センター・講師
氏 名 前田 菜摘 (MAEDA Natsumi)
取 得 学 位 博士(人間科学)、早稲田大学、2021年7月
S D G s目標
研 究 分 野 教育工学、教師学
研究キーワード 授業研究、校内研修、教師の学び
研 究 内 容 教師の専門性とその開発、特に、校内研修を通じた教師の学びについて研究している。
教師は、就業後においてもさまざまな場において日々研鑽が求められる。なかでも校内研
修は、教師にとって最も身近な勤務校の課題にもとづき取り組まれる実践研究の場であり、
「学び続ける専門家」たる現職教師の学びを支えてきた。一方、それが日本の教師文化に深
く根付いているだけに、学校の伝統や個人の経験に依存する部分も多く、そのあり方や意義
に関する十分な説明理論があるとは言い難い。実態としての校内研修の形骸化が指摘される
ことも珍しくない中、新しい形の校内研修を開発していく上で、校内研修を通じた教師の学
びを説明づける理論は不可欠である。
そこで、校内研修が各学校においてどのように運営されているのか、また、教師がどのよう
に認識しているかといった校内研修の現状を探るとともに、学校組織全体と個々の教師の双
方の視点から、それぞれの変化を記述することを通じて、校内研修における教師の学びを説
明するモデルの記述を試みてきた。現在は、校内研修のプロセスの中で生じる個別の教師の
学びが、実際の授業実践の変化とどのようにかかわっているのか、インタビューや授業観察
を主な手法として具体的な事例から研究を進めているところである。
研 究 業 績 ・
アピールポイント
くろまる論文
1.前田菜摘・浅田匡(2020)「小中学校教師は校内研修をどのように捉えているか−尺度項
目ならびに比喩生成課題の回答から−」日本教育工学会論文誌43(4) :447-456.
2.前田菜摘・浅田匡(2019)「学校研究としての校内研修の若手教師の変容に対する機能−
小学校教師への1年間の追跡的インタビューの分析から−」教師学研究22(1) :pp.13-23.くろまる著書(分担執筆)
1.前田菜摘・浅田匡(2021)「教師を育てる校内研修」浅田匡・河村美穂(編)梶田叡
一・浅田匡・古川治(監)『人間教育の探求5:教師の学習と成長』ミネルヴァ書房,
京都,141-158.
くろまる科研費
1.若手研究「校内研究のマネジメントとその参加を通じた教師の成長に関する研究」課題
番号:22K13767(2022年4月〜2025年3月)50 大学院教育学研究科
所 属・ 職 位 大学院教育学研究科(教職大学院)
・教授
氏 名 内田 昭利(Uchida Akitoshi)
取 得 学 位 博士(文学)
、北海道大学、2017年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育心理学,学校心理学,数学教育学
研究キーワード Evidence に基づく教育,人間教育
研 究 内 容 人間教育の視点から,Evidence(科学的根拠)に基づく教育のための Evidence を確立するこ
とを目指して,理論と実践の往還に取り組んでいます。具体的には,心理学の研究手法を用いて,
以下の研究を柱に取り組んでいます。
1.自己効力感(Self-Efficacy)の向上に関する研究
自己効力感理論(Bandura, 1977)の根幹をなす「成功体験は自己効力感を向上させる」との理
論を初めてランダム化比較対象試験によって証明しました。さらに,自己効力感を向上させた生徒
は,その後の学業成績も改善させることが明らかとなりました。
現在,自己効力感を向上させるための具体的な教育方法について研究を進めています。
2.潜在意識と顕在意識の相違に関する研究
集団式潜在連想テスト(Mori, Uchida, & Imada, 2008)を活用し,
「数
学」に対する潜在意識を調査しました。アンケートによる顕在意識調査で
「数学が嫌い」と回答しても,潜在意識では数学を肯定的に捉えている生徒
が,全体の20%以上も存在していることを明らかにしました。これらの生
徒に「心の中では,数学を前向きにとらえている」と伝えることで,成績の
改善がみられました。論文として公刊するとともに,広く知っていただくた
めに書籍として出版しました。
【右の書籍です】
現在,様々な概念における潜在意識と顕在意識の相違に着目し,研究を進
めています。
研 究 業 績・
アピールポイント
アメリカ教育省教育資源情報センター(Education Resources
Information Center)が運営する教育に関する研究のデータベース
ERICに4本の論文が収録されています。
1.Uchida, A., Michael, R. B., Mori, K. (2018). An Induced
Successful Performance Enhances Student Self-Efficacy and
Boosts Academic Achievement. AERA Open, 4(4), 1-9.
2.Uchida, A., & Mori, K. (2018). Detection and Treatment
of Fake Math-Dislikes among Japanese Junior High School
Students. International Journal of Science and Mathematics
Education, 16(6), 1115-1126.
【右の論文です】
3.Mori, K., & Uchida, A. (2012). The leading group effect:
Illusionary declines in scholastic standard scores of mid-
range Japanese junior high school pupils. Research in
Education, 87(1), 64-74.
4.Mori, K., & Uchida, A. (2009). Can contrived success affect self-efficacy among
junior high school students? Research in Education, 82, 60-68.51 大学院教育学研究科
所 属・ 職 位 大学院教育学研究科(教職大学院)
・教授
氏 名 清國 祐二(Kiyokuni Yuji)
取 得 学 位 教育学修士、広島大学、1990年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育学 地域と学校との連携・協働 学習支援論
研究キーワード コミュニティ・マネジメント 参加型学習 ファシリテーション イギリスの学校制度
研 究 内 容 1.地域と学校との連携・協働に関する研究
学校運営協議会(コミュニティ・スクール)が法
制上は努力義務となったこと、学校教育の理念に
「社会に開かれた教育課程」
が位置づけられたこと、
急激な社会変化への教育的対応が求められること
等により、地域と学校との連携・協働が重要課題
となっています。
(論文1を中心に、
著書1及び2、
論文2も関連しています。右は教職員支援機構校
内研修シリーズの講義動画です。https://www.
youtube.com/watch?v=xIKWvbyvV84)
2.参加型学習に関する研究及び教材開発
学校教育の方法論として導入されているアクティブラーニング(主体的、対話的で深い学び)は、
成人教育では古くから実践されています。私の主たる関心事は「家庭教育支援」や「地域づくり」
における参加型学習です。理論研究だけではなく、実際に数多くの参加型学習用教材を開発し、多
くの場所で実践しています。また、教育委員会等と連携して、ファシリテーターの養成にも取り組
んでいます。
(著書3を中心としますが、これまで香川大学生涯学習教育研究センター研究報告に論
文を執筆してきました。)3.イギリスの学校制度に関する研究
イギリスの教育改革は2000年代に入って急速に加速しています。例えば、義務教育年限の延長、
第三者評価機関・Ofstedの評価の厳格化、アカデミー法制定以降の学校理事会の権限強化などがあ
げられます。教育改革を批判的に検討する視座を与えてくれるイギリスの教育制度についてさらに
研究を深めたいと考えています。
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる著書
1.時岡晴美他編『地域と協働する学校』福村出版、2021年
2.山本珠美他編『社会教育経営の基礎』学文社、2021年
3.清國祐二編『生涯学習支援論』ぎょうせい、2020年
くろまる論文・報告1.
「学校と地域の連携から考える学校改善の視点」
(令和2年度 学校と地域の連携の在り方に関す
る調査研究プロジェクト 報告書)独立行政法人教職員支援機構、2021年2.
「地域とともにある学校づくりに関する調査報告」香川大学地域連携・生涯学習センター研究報
告(25巻)
、2020年52 所 属・ 職 位 大学院教育学研究科(教職大学院)
・教授
氏 名 佐藤 晋治(Sato Shinji)
取 得 学 位 修士(教育学)
、筑波大学、1995年3月 修士(心身障害学)
、筑波大学、1997年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 特別支援教育,心理臨床
研究キーワード 知的障害,発達障害,心理アセスメント,認知機能,機能分析,合理的配慮
研 究 内 容 知的障害や発達障害のある人の学校や地域での生活がより豊かなものとなるために,アセスメン
トに基づいた指導,支援計画の立案とその効果の検討について実践的に研究している。
1.認知機能のアセスメントに基づいた指導・支援計画の検討
近年の認知能力検査は,CHC理論やPASS理論に基づいている。具体的には,ウエクスラーファ
ミリー検査,DN-CAS,KABC-IIなどの検査結果をCHC理論やPASS理論に基づいて解釈し,障害
のある人の得意な力を活用したり,不得意な力を補ったり配慮したりするような指導・支援計画を
立案し,その効果について検討している。また,アセスメント結果のフィードバックが障害のある
人の自己理解,自己実現につながるようなあり方についての検討も行っている。
2.行動の機能分析に基づいた指導・支援計画の検討
行動分析学の基本的な枠組みである三項随伴性(弁別刺激-反応型-強化子)によって行動の機能を
理解し,その機能に応じた指導・支援計画を立案し,その効果について検討している。その際には,
もっぱら障害のある人のスキル形成のみを重視するのではなく,そのスキルが生起するための環境
調整や関係者への要請なども重視する「援助-援護-教授」のパラダイムも適用する。
3.根拠に基づいた合理的配慮の検討
合理的配慮が,診断名などから先験的に提供されるのではなく,障害のある人と彼らを取り巻く
環境との相互作用から,活動・参加の促進要因や阻害要因を明確にした上で提供されるための必要
条件とその効果について検討している。具体的には,ICF大分モデルによる合理的配慮の提供プロセ
スを検証し,より活用しやすいものへの調整・変更を進めている。
研 究 業 績・
アピールポイント
根拠に基づいた合理的配慮の提供プロセス-ICF九州モデル(仮称)の開発と普及-
日本学術振興会 学術研究助成基金助成金 基盤研究(C)
(研究代表)2019年4月 - 2023年3月
教育臨床の実際第2版 : 学校で行う心と発達へのトータルサポート
武内珠美, 渡辺亘, 佐藤晋治, 溝口剛 編 (担当:共著) ナカニシヤ出版 2018年5月
日本版DN-CASの解釈と事例
佐藤百合子, 佐藤 晋治 (担当:分担執筆, 範囲:事例11 学習の遅れから登校渋りを示した小学校6年生
男児) 日本文化科学社 2017年3月
インクルーシブ教育ってどんな教育?
青山新吾, 赤坂真二, 上條晴夫, 川合紀宗, 佐藤晋治, 西川純, 野口晃菜, 涌井恵 著 (担当:共著)
学事出版 2016年4月
KABC-IIの基本的解釈と子ども理解 : 生活文脈におけるメカニズムの機能化のために
佐藤 晋治 K-ABCアセスメント研究 17 55-60 2015年8月53大学院教育学研究科
所 属・ 職 位 大学院教育学研究科(教職大学院)
・准教授
氏 名 大島 崇(Oshima Takashi)
取 得 学 位 修士(教育学)
、横浜国立大学、2008年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育方法学,教師教育学
研究キーワード 教師の専門性、授業研究、教育実践研究、カリキュラム研究
研 究 内 容 くろまる戦後初期の生活教育における教師の専門性
戦後初期に生活教育を実践していた学校における教師の専門性とはいかなるものであったのかに
ついて、特に授業研究とカリキュラム研究の連関に着目して研究している(論文3.)(著書1.)。
くろまる個々の子どもの興味・関心・思考・探究を重視する教育における教師の専門性
生活教育や総合学習の理念を重視する教育、問題解決学習、オルタナティブ教育など、個々の子
どもの興味・関心・思考・探究を重視する教育において求められる教師の専門性や力量形成につい
て研究している(論文1.)。
くろまる教師の省察を促す授業研究・教育実践研究
現代の教育実践を対象に教師の省察を促す授業研究・教育実践研究について、特に実践の観察・
記録、事実の即した解釈、実践についての協議のあり方に着目して研究している(論文2.)(著書2.)。
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる論文
1.2021年、子どもの「おもしろさ」を感じ取れる教師であるために、日本生活教育連盟『生活教
育』73巻6号、pp.14-19。
2.2016年、
「当事者型授業研究」
の実践と評価、
日本教育心理学会紀要
『教育心理学研究』
64巻4号、
pp.583-597。
3.2012年、戦後初期の授業研究における教師の力量形成とカリキュラム開発―吉城学園の「プ
ラン会議」と「研究授業」に焦点をあてて―、日本教育方法学会紀要『教育方法学研究』第37号、
pp47-57。
くろまる著書
1.2021年、これからの教師研究―20の事例にみる教師研究方法論―、東京書籍。
2.2017年、
「授業研究」を創る―教師が学びあう学校を実現するために―、教育出版。
くろまる受賞
1.2017年、日本教育心理学会優秀論文賞, 日本教育心理学会。54大学院教育学研究科
大学院教育学研究科
所 属・ 職 位 大学院教育学研究科(教職大学院)
・准教授
氏 名 熊丸 真太郎(Kumamaru Shintaro)
取 得 学 位 修士(教育学)
、福岡教育大学、2001年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育経営学
研究キーワード 学校組織論、学校事務
研 究 内 容 学校経営について、組織マネジメントの観点から研究を行っています。学校組織のメンバーの行
動に影響を与える組織文化に主な研究上の関心があります。最近では、学校組織が多様性を尊重す
る文化を有することが学校経営にどのような影響を与えるかに着目しています。それは、学校組織
が多様性を尊重していることが、組織としての創造性の発揮や向上につながるのではないかとの仮
説を抱いているためです。
教育政策において「チーム学校」の実現が求められており、スクールカウンセラーやスクールソー
シャルワーカーなど、これまでとは異なった立場の専門職が学校に関わるようになり、学校組織の
多様性も増しています。ただ、それらの専門職は、常に学校にいるわけではありません。一方、学
校事務職員は、
「総務や財務に通ずる専門職」と再定義され、より一層、学校経営の意思決定に関わ
ることが求められている存在です。そこで、従来から学校組織のメンバーでありながら、教員では
ない行政職員である学校事務職員に焦点を当て、その学校組織における役割や職務の実態を明らか
にしようと試みています。そうした研究の成果から、学校事務職員を対象とした研修の依頼をいた
だくこととなりました。その機会を通して、学校事務の実態を少しずつとらえられるようになって
きました。
また、地域と連携した探究活動に取り組むことが、生徒や教師にとってどのような効果をもたら
すかについても関心があり、高校での探究活動のカリキュラム開発にも携わる機会をいただいてい
ます。生徒たちが授業において探究の過程を経て学ぶこと、そして教師がそれに伴走していくとい
う、従来とは異なる学び方が行われている学校で、生徒だけでなく教師や教師集団がどのように影
響を受け、学び、変革していきうるかも明らかにすることに取り組み始めています。
研 究 業 績・
アピールポイント
近年の研究業績は以下の通りです。1.学校事務職員はどのような職務意識を抱いているのか ─職務負担感に焦点を当てて─, 学校教育
実践研究, 2019年2.教員養成段階での学校安全・危機管理に関する教育 ―国立大学教員養成課程のシラバス分析か
ら―, 学校教育実践研究, 2018年3.地域連携型教育プログラムは地域創造精神や課題発見解決力の育成に有効か ― 卒業生アンケー
トに見る成果と課題 ―, 島根大学教育臨床総合研究, 2018年4.学校事務職員の学校経営への参画を促す支援的行動, 島根大学教育学部紀要. 教育科学, 人文・社
会科学, 自然科学 = Memoirs of the Faculty of Education, Shimane University, 2016年
5.学校経営における「多様性」の尊重に関する一考察, 教育学研究紀要, 2016年55 所 属・ 職 位 大学院教育学研究科(教職大学院)
・准教授
氏 名 河野 晋也(Kouno Shinya)
取 得 学 位 修士(教育学)
、長崎大学、2007年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 ESD,社会科教育
研究キーワード 持続可能な開発のための教育,SDGs,社会科
研 究 内 容 くろまる ESDに関する研究ESDは,Education for Sustainable Development(持続可能な社会の担い手を育成する教育)
の略で,環境教育や開発教育をはじめ,平和,国際理解,地域の活性化,人権など様々な領域に
またがる教育です。年々深刻化する環境問題やSDGsが注目されるようになり,総合的な学習の
時間,総合的な探究の時間を中心に学校現場で取り組まれることも増えてきました。ESDでは,
SDGsや現代社会の諸課題に気付いたり,課題を解決するための能力を身につけるだけでなく,子
どもたちが自身の価値観と行動を変えていくことが目的です。児童・生徒の変容を促すための学
習の在り方について,総合的な学習の時間や社会科を中心に研究しています(論文1.3.)。くろまる 社会科に関する研究公民的資質・能力を育むことが求められる社会科教育は,より良い自身の生き方や社会の在り方
について考えるESDと親和性が高い教科だと言えます。より良い社会の在り方や社会の在り方を
考えるためには,今の自分の生き方や自身を取り巻く環境について,クリティカルに考えていく
ことが必要です。しかし,子どもたちにとって現代社会の様々な問題は自分ごとにはなりがたく,
自分たちの生活を見つめなおすことも容易なことではありません。学びを深めていくためには,
身近なところに問題を見出し,その問題に取り組む人々の姿に出合うこと,そして他者と相互に
考えをねり合って知識を構築していく過程が必要だと考えます。こうした探究的な学びのデザイ
ンについて,特に小学校社会科の授業を通して研究しています(論文2.)。研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる論文
1.2021年「持続可能な社会の担い手としての価値観変容をめざす社会科学習:素朴概念の転換を
取り入れた学習方略」広島大学大学院人間社会科学研究科『教育学研究』(2) pp.375-384
2.2020年「持続続可能な社会の創り手に求められる批判的思考力の育成 : 小学校社会科第5学年
『これからの食料生産』の実践をとおして」日本社会科教育学会『社会科教育研究』(139),pp.24-35
3.2018年「持続可能な社会を形成する主体としてのアイデンティティの構築 : 小学校第5学年総
合的な学習の時間の実践を通して」奈良教育大学次世代教員養成センター『次世代教員養成センター
研究紀要』(4),pp.59-6756大学院教育学研究科
大学院教育学研究科
所 属・ 職 位 大学院教育学研究科(教職大学院)
・准教授
氏 名 藤村 晃成(Fujimura Kosei)
取 得 学 位 修士(教育学)
、広島大学、2016年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育社会学
研究キーワード フリースクール、オルタナティブスクール、不登校支援
研 究 内 容 くろまるオルタナティブな学びの場における実践知に関する研究
近年では学校外における「オルタナティブな学びの場」が多く設立されるようになった。フリース
クールでは不登校の子どもを受け入れる居場所としての役割に限らず、スタッフの理念や子ども・
若者のニーズに応じた多様な実践が展開されている。個々のフリースクールにおける実践がどのよ
うなプロセス・葛藤を経ながら行われているのか、学校教育との関係をスタッフや利用者はどのよ
うに捉えているのか、といった点をフィールドワークに基づきながら探究している。
くろまるフリースクールから社会への移行プロセスに関する研究
不登校支援における進路形成や社会的自立の重要性が着目されているが、フリースクールから社会
への移行について考える上では、学校的なメリトクラシーの概念に基づく「規範的・標準的な移行
プロセス」を前提にするのではなく、当事者の視点から移行経験や意味づけを捉えていくことが不
可欠である。フリースクール卒業生へのインタビューと追跡調査を通して、フリースクールから社
会への移行プロセスをめぐる課題を描き出していきたい。
くろまるオルタナティブな学びの場の連携・ネットワークに関する研究
フリースクールをはじめとしたオルタナティブな学びの場において、他の団体や学校・行政といっ
た外部アクターとの連携が積極的に試みられるようになっている。複数のフリースクールやオルタ
ナティブスクールが協働して運営している中間支援組織の事例に着目しながら、その実態や機能に
関する調査研究を行っている。
研 究 業 績・
アピールポイント
くろまる論文
1. 2021年、
藤村晃成・内田康弘・伊藤秀樹「
『オルタナティブな学びの場』からみた新型コロナ問題ー
オンライン活用による不登校支援の可能性と限界」
『子ども社会研究』第27号、pp.89-103。
2. 2019年、
藤村晃成「若者の移行研究からみるフリースクール研究の課題」
『教育学研究紀要(CD-
ROM版)
』第65巻、pp.411-414.
3. 2018年、藤村晃成「フリースクールからの大学進学をめぐるジレンマ:大学進学がもたらす光
と影」
『子ども社会研究』第24号、pp.115-132。
くろまる受賞
1. 2019年、研究奨励賞(日本子ども社会学会)57 所 属・ 職 位 大学院教育学研究科(教職大学院)
・講師
氏 名 山本 遼(Yamamoto Ryo)
取 得 学 位 修士(教育学)
、広島大学、2013年3月
S D G s 目 標
研 究 分 野 教育経営学
研究キーワード スクールリーダー教育、クラフト、アクション・リサーチ
研 究 内 容 しろいしかく専門領域は教育経営学である。スクールリーダー教育を研究テーマとしており、主に下記の3つの
研究課題に取り組んでいる。
(1)戦略クラフティングに基づくスクールリーダー教育に関する研究
現在、支配的な戦略論は、事前にリーダー層が組織内外の環境を分析してビジョンや戦略を形成
し、それらを組織構成員が実行すると考える戦略プランニングである。カナダの経営学者ミンツバー
グは、この戦略論が戦略形成のプロセスを歪めていると批判し、組織は行為や経験を通じた学習に
よって、ビジョンや戦略を創発的に形成すると考える戦略クラフティングを提唱する。そして、こ
の戦略論を踏まえたマネジメント教育論を展開している。彼のマネジメント教育論に注目して、ス
クールリーダーに求められるマネジメント能力やその能力を高めるためのカリキュラム、教育方法
について、研究を行っている。
(2)サイエンス(科学)の時代のスクールリーダーに替わるスクールリーダーを養成するスクール
リーダー教育に関する研究
アメリカでは、
1980年代半ば以降、スクールリーダーの専門性の基礎となる知識ベースについて、
科学的・理論的な知識に加えて、クラフト(経験から得られる技)的な知識の側面に光が当てられ、
実践的な教育が行われるようになる。こうした動きを主導した論者たちは、スクールリーダー像や
スクールリーダー教育の在り方をいかに転換しようとしたのかについて、研究を進めていきたいと
考えている。
(3)アクション・リサーチを中核とする教職大学院におけるスクールリーダー教育プログラムに関
する研究
マネジメントはクラフトの側面が大きく、実際の仕事(実践)を通じた省察によって学習する必
要がある。こうした考えのもと、学校の課題解決を通してマネジメント能力の開発を狙う教育方法
であるアクション・リサーチを中核とする教職大学院のカリキュラム構成の考え方等について、研
究を行っている。
研 究 業 績・
アピールポイント・曽余田浩史・金川舞貴子・山本遼・佐々木優・横山達也「教職大学院における「スクールリーダー
教育者」
の力量形成の課題」
中国四国教育学会編
『教育学研究紀要』
第66巻、
2020年、
614-625頁。・山本遼「戦略クラフティングの発想に基づくスクールリーダー教育に向けて」末松裕基編 『教育経営論』学文社、2017年、88-105頁。・山本遼「経営戦略論の観点から見たP.ハーリンジャーのスクールリーダー教育論に関する考察」
中国四国教育学会編『教育学研究ジャーナル』第19号、2016年、21-30頁。・山本遼「協働型リーダーを養成するスクールリーダー教育プログラムに関する一考察:スタン
フォード大学「将来の校長プログラム」の事例を通じて」
『広島大学大学院教育学・研究科紀要・
第三部』第64号、2015年、95-104頁。58大学院教育学研究科

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