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NUMOは6月10日より、
佐賀県玄海町にて
文献調査を開始しました。
文献調査を受け入
れていただいた玄海町の皆さまには、
改めて
深く敬意を表するとともに、
心から感謝申し上
げます。
文献調査の期間中を通して、
玄海町の皆さま
に地層処分の技術・安全性を含む事業内容
や文献調査の進捗状況・結果などを丁寧に
5月27日〜31日に、
国際地層処分会議
( I C G R (注記))が 韓 国 の 釜 山で開 催され 、
NUMOから技術系の若手職員を含む8名
が参加しました。
本会議は4年に一度開催さ
れており、
第7回目となる今回は、
世界25か
国以上の地層処分事業の実施主体や政府
関係者など350人以上が参加。
「地層処分
場の開発を力強く進めるために」
をテーマに、
ブース展示やポスター発表、
パネルディ
スカッションなどが行われま
した。
また、
世界各国の若手技術者同士による意
見交換会では、
技術部6年目職員の高林ら が参加。
「地層処分の科学的安全性を、
若年
層に理解してもらうにはどう
したらよいか」などのテーマについて、
活発に意見交換を行いました。
高林は
「事業の進展具合や文化等の差があ
るものの、
各国とも若年層の地層処分への関
与を重要視しているこ
とを感じた。
今回の議論
で得た知見を日本で適用するためにはどうす
ればよいかを考えながら、
今後の業務に取り
組んでいきたい」
と今回の成果を語りました。
佐賀県玄海町で文献調査を実施中1T O P I C S
ご説明しながら、
地域の皆さまの関心に丁寧
にお答えしていきます。
また今後も、
全国の皆さまに地層処分の仕
組みや日本の地質環境などについてご理解
を深めていただく
とともに、
一つでも多くの自
治体に文献調査を受け入れていただけるよ
う全国での対話活動に鋭意取り組んでまい
ります。
佐賀県
長崎県
福岡県
玄海町の
位置について
玄海町
日本のサイ
ト選定プロセスや対話活動について紹介し、
各国と
経験を共有
ポスター発表を通して、
日本の地層処分事業について世界に共有
Vol.8
シン・ちか通信
未来を見据えて地層処分を考える
発行:原子力発電環境整備機構
(NUMO)
若手同士の対話が未来を切り拓く!国際地層処分会議
(ICGR)
の舞台で2T O P I C S
(注記) International Conference on Geological
Repositories
OECD/NEA
(経済協力開発機構/原子力機関)
が主催する
地層処分事業に関わる組織が参加する会議
シン・ちか通信1Vol.8 2024.7
地域の皆さまにもっと気軽に立ち寄っていた
だけるよ
う、
6月17日に、
寿都交流センターの
2階を
「交流室」
としてリニューアルしました。
交流室には、
手づく
り作品の展示・発表会等
に活用できるギャラリー機能や町民の皆さま
同士で気軽に会合ができる
「憩いの場」
機能
などを持つ
「コミ
ュニケーションスペース」
を備
えています。
また、
パンフレッ
トや地層処分場のジオラマ
(模型)
のほか、VR(バーチャルリアリティ)で地下の世界を体験できるコーナーなども設置
し、
「見て」
「触れて」
「体験できる」
場となって
います。
地域の皆さまに気軽に立ち寄っていただける場に
寿都交流センターの2階をリニューアル4T O P I C S
ボーリング試験を通じて
NUMOが向上させたい力
くろまる岩盤の硬軟にかかわらず、
試験に用
いることができる孔を深くまで掘る
技術力
くろまる掘った孔を利用した試験や分析に関
する技術力
くろまる採取したコアや地下水などを用いた
試験や分析に関する技術力
くろまる地層処分事業を担うNUMO職員の
マネジメント能力
NUMOは、
電力中央研究所と同研究所横須
賀地区で、
ボーリング実証試験を通した共同
研究を行っています。
安全な地層処分の実
現には、
地質環境を詳細に把握する技術力
が不可欠です。
今回の共同研究を通じて各
種試験や分析に関する技術力を一層高めて
います。
また、
技術部の若手職員らが継続的に駐在
し、
同研究所をはじめ国内外の専門家の支
援を受けながら、
安全や品質管理に関するマ
ネジメント能力の向上も目指しています。
技術部調査技術グループマネージャー
(取材
当時)
の三枝は
「技術力の向上には、
現場で
試験の状況や機器類、
岩石などを見ること、
また、
安全や品質管理の取り組みを肌で感じ
ることが大切だ」
と共同研究の重要性を強
調します。
(注記)この試験は、
全国で利用可能な汎用的技術の確立を目指
すもので、
特定の地域を処分地に選定するために行うもの
ではありません。
NUMO公式Instagramでは、
ボーリング試験の様子を動画でご紹介
もっと詳しく!
安全な地層処分の実現に向け、
電力中央研究所と共同研究
技術力の向上と若手技術者の育成を3T O P I C S
NUMO寿都交流センター
[所在地]
北海道寿都郡寿都町字新栄町113-1
[開館時間]
平日10時〜17時
(土日祝日 年末年始を除く)
もっと詳しく!
町民の皆さまとNUMO職員のコミ
ュニケーションの場として活用していきます左:
コア
(岩石)
の引き上げの様子を見守る技術部の若手職員
(右)/右:
採取したコアの状態を確認する技術部職員
「このスペースをこれまで以上に地域の皆さまに使っていだけ
るよ
うに」
という思いで、
広報部と寿都交流センター職員が一
丸となって、
レイ
アウ
ト改装や展示物の設置に取り組みま
した。
ぜひ気軽にご利用いただき、
その中で少しでも地層処分にも
興味を持っていただけたらうれし
く思います。
写真は、
「寿都町 花いっぱい運動」
の一環で、
交流センター前
に花を植えた時の様子です。
地域交流部 寿都町グループ
愛智 滉大2シン・ちか通信 Vol.8 2024.7
(注記)1:荷電粒子が方向を変えたときに出す電磁波
(注記)2:原子核の陽子数は同じだが中性子数が違う原子
(注記)3:試料に光を吸収させ、
吸収量から物質の種類・量を
特定する方法
地層処分事業では、
地下施設の建設前から
建設・操業、
閉鎖に至る長期間、
地下水の水
質の変化をモニタ
リングする予定です。
地上
で連続的に計測するため、
私はレーザーを
使って地下水をモニタリングできる新しい装
置の開発に携わっています。
現在は地下水を
汲み上げ研究室で分析するのが一般的です
が、
この装置が完成すれば地下深部で直接
測定でき、
水温や水圧など地下環境に近い
状態での測定が可能になり
ます。
私は大学院で、
レーザーや放射光(注記)1
を使い、
原子や分子の構造を調べる研究を行ってい
ました。
その後、
国立研究所や大学で、
物質
の構造や機能との関係を調べたり、
レーザー
を利用して同位体(注記)2
を分離する技術などを
開発していま
した。
これらの経験が、
今の装置
開発の仕事に役立っています。
地下水モニタリングのための
新しい装置を開発中!
レーザーを使って地下の様子の連続測定を可能に
地下水中の物質の濃度を調べるには、
非常
に薄い濃度でも測定でき、
ボーリング孔に
設置できるく
らい小型化
(直径40mm程度)
する方法が必要です。
東京大学との共同研
究では、
最先端の吸収分光法(注記)3
を適用し
て試作した装置
【写真】
を使い、
大気中に含
まれる数ppmレベルのメタンガス(14CH4 )
や、
同位体で非常に濃度が薄いメタンガス(13CH4 )
も測れることを確認しています。現在は、
装置の小型化やメ
タンガス以外の特定
分子を測れる装置の製作や、
地下水中から
測定する特定分子だけを分離する技術に取
り組んでいます。
開発中の装置が将来、
地層処分の安全性を
確認するうえで不可欠な技術となるよ
う、
日々
の様々な課題に挑戦していきたいと思ってい
ます。
F R O N T L I N E
技術部の職員が
取り組みを紹介
技術部
性能評価技術グループ
吉田 芙美子
開発した装置の外観。
黄色部分の装置
(長さ約40cm)
を水中に入れて測定する。
赤い矢印はレーザーの進む方向を示す。
北海道新聞のデジタル版
「北海道新聞デジ
タル」
のPR特集として、
神恵内交流センター
に在籍する若手職員の木村へのイ
ンタ
ビュー
記事を掲載しま
した。
木村は学生時代、
日本国内に高レベル放射
性廃棄物の最終処分施設が無いという事実
や、
最終処分をNUMOが担っていることを知
り、
地域との交流を志して入構しました。1年の東京本部勤務を経て赴任した文献調査地
域である神恵内村での活動や、
村の魅力に
ついて、
NUMO職員としてだけでなく神恵内
村の住民の一人として想いを紹介していま
す。
ぜひご覧く
ださい。
地域との関わりを求めてNUMOを志望した
若手職員にインタビュー5T O P I C S
北海道新聞デジタル
「正直」
からはじまる地域とのつながり
暮らして感じる神恵内村の魅力
もっと詳しく!3シン・ちか通信 Vol.8 2024.7
マイ
ナビニュースがX
(旧Twitter)
で配信し
ている
『竹山家のお茶の間で団らん』
にて、タイアッ
プ番組が7月10日よ
り公開中です。
「竹山家」
メンバーのカンニング竹山さん、
篠田麻里子さん、
越智ゆらのさんだけでは
なく、
NUMOのWeb CMに登場いただいて
いるてぃ先生、
新沼凛空さん、
栗栖あに華さ
ん、
宝持沙那さんもゲス
ト出演! 街頭イ
ンタ
ビューで声が多かった地層処分の安全性に
関する疑問について、
若杉圭一郎教授
(東海
大学 工学部 応用化学科)
に分かりやすく解
説いただいています。
最後にはWeb CMで
学生役を担った3人が番組で学んだことをレ
ポー
トにまとめて
くれま
した。
番組もレポー
トも
ぜひご覧く
ださい!地層処分の安全性に関する疑問を分かりやすく解説!
まとめのレポートも作りました6T O P I C S
知りたい!
聞きたい!?あなたのギモンに
お答えします
Q「科学的特性マッ
プ」
で好ましくない
特性があっても文献調査をするの?A「科学的特性マッ
プ」
は、
地層処分を行う場所を選ぶ際に
「どのような科
学的特性を考慮する必要があるか」、「それらは日本全国にどのよ
うに分
布しているか」
といったこ
とを分かりやすく示すものです。
地層処分に関す
るご理解を深めていただくための対話活動に活用しており、
地層処分に関する地
域の科学的特性を確定的に示すものではありません。
新たに文献調査を開始させていただく佐賀県玄海町は、
科学的特性マッ
プ上では
全域で鉱物資源が存在する可能性のあるシルバーの区域に該当しています。
しか
し、
これは必ずしも均一に鉱物資源が存在することを示すものではないため、より詳
細な調査によ
って鉱物資源の有無や広がりを確認する必要があり
ます。
このよ
うに 処分地を選定するまでには
「科学的特性マップ」
に含まれていない要素
も含めて、
法令に基づいて段階的な調査・評価を行う必要があります。 「科学的特性マップ」
って?もっと詳しく!
科学的
特性マップ番組で学んだこ
とをまとめた
「地層処分レポート」
はこちら
竹山家のお茶の間で団らん
地層処分を学ぼう
!第5弾
もっと詳しく!
シン・ちか通信4Vol.8 2024.7
www.numo.or.jp/shinchika/vol8_202407/
[web版はこちら]
2024.7
Vol.8
シン・ちか通信 [発行]
www.numo.or.jp/
本メディ
アタイ
トルの
「シン・ちか」
は、
地層処分が
「深い地下に埋設する」
ことから、
「深
(しん)」と
「地下
(ちか)」の組み合わせから発想した造語です。
親しみやすさ、
わかりやすさ、イメージしやすさを意識して
「シン・ちか」
と表記しました。
「シン」
には、
「最新情報を届ける」
ことや
「親近感」
「信頼」
などの意味も込めています。
このたび理事長に就任いたしました。
全国で唯一、
県庁所在地に原子
力発電所が立地する島根県松江市の出身です。
大学では原子力工学
を専攻、
現在の日本原子力研究開発機構で高速炉の研究開発に携わ
りました。
大阪大学に環境・エネルギー工学科が設立された折、
大学教
員に転身。
その後、
東京大学の原子力専攻、
原子力安全研究協会で研究・
教育・社会貢献に取り組みま
した。
原子力技術は、
燃料供給、
発電、
再処理、
最終処分、
これが完結するこ
とによ
り大きな価値と魅力を発揮するものと思います。
福島第一原子力
発電所事故の分析や新規制基準の検討、
また、
総合資源エネルギー調
査会のもと、
基本政策分科会や原子力小委員会で、
エネルギー・原子
力政策の審議に携わったこ
とは貴重な経験でした。
最終処分は原子力業界が皆で取り組む最重要課題。
この事業を成し
遂げるべく、
私がこれまでに学んだこと、
経験したことを生かして力を尽くす所存です。
どうぞよろしくお願いいたします。
2024年7月 新任役員紹介
特 集
座右の銘というほどのものではないですが、
この2つは
常に心がけています。
問題を単に先送り
したり、
その場
限りの都合の良い判断をしたりすることなく、
責任感を
持って職務に取り組んでまいり
ます。
米国の賢人の一人、
ラムズフェルド氏の
「Known and
Unknown
(既知と未知)」という魅力的なタイ
トルの
本に現れる
「知識の悲観主義と意志の楽観主義」
がお
気に入りです。
知識が蓄積されてく
るとそれを過信して
傲慢になりがちです。
一方、
厳しい状況では果敢にチャ
レンジすることを躊躇しがちになります。
知識が増える
ほどに謙虚かつ着実に、
つまずいた時こそ強い意志を
持って前向きに取り組むべしと、
理解しています。
英語は
"What one needs in life are the pessimism of
intelligence and the optimism of will"
です。
「意志
と力」
を持ち続けるこ
とを忘れないよ
う心がけています。
「知識の悲観主義と意志の楽観主義」
「初動を疎かにしない」
「その場しのぎの判断はしない」
座右の銘
座右の銘
専務理事
苗村 公嗣
理事長
山口 彰
オフショット30年以上も前の懐かしい写真です。
福井県敦賀市の高速炉もんじゅの原
子炉容器の中、
模擬燃料集合体(炉心)
の上にいます。
当時は高速炉の開
発に専心していました。
オフショット休日は、
食べ歩き、
映画・ドラマ鑑賞、
読書などをしています。
最近さぼり気
味のサイ
クリングも少し落ち着いたら
復活させる予定です。
シン・ちか通信
Vol.8
NUMOが担う特定放射性廃棄物の最終処分は、
半世紀以上にわたり
原子力発電を利用してきている我が国にと
って、
社会全体で解決しなけ
ればならない重要な課題であると考えております。
資源エネルギー庁の
担当室長と
して、
この課題に取り組んでから約12年、
NUMOの専務理
事と
して再びこの課題に取り組む機会を得たこ
とに大きなやりがいと責
任を感じており
ます。
本事業については、
皆さ
まのご理解をいただきなが
ら、
着実に調査を進めていく
ことが不可欠です。
文献調査を受け入れて
いただいた地域の皆さまをはじめ、
幅広い方々のお話を伺い、
丁寧な情
報発信を行ってまいります。
また、
安全に地層処分を行うために必要な
技術の信頼性をさ
らに向上させるため、
国内外の関係機関との共同研
究など、
技術開発を多面的・計画的に進めてまいり
ます。
私は、
これまで日本原子力研究開発機構において、
地層処分に関する
様々な研究開発に従事してまいりました。
NUMOが取り組む最終処分
事業は、
それ自体が長期にわたる事業であるとともに、
処分場閉鎖後
の非常に長い期間にわたって地層処分システムが安全に機能すること
を、
高い信頼性をもって説明するこ
とが求められます。
このためには、
常に最新の知見を取り込みつつ技術力に磨きをかける
こと、
調査や評価の結果を分かりやすく丁寧に皆さまにお伝えすること
が大切であると考えています。
これまでの経験を生かし、より信頼される
NUMOを目指してし
っかり
と取り組んでまいり
ます。
電力会社時代から
「立地部門」
でその大半を過ごしてきま
した。
この間、
数えきれない地域の方々と交流を重ねてきましたが、
地点・地点で触れ
合ってきた皆さまの顔や頂いた言葉の一つ一つを鮮明に覚えています。こう
した経験を通じて感じたこ
とは
「大概の困難な問題は時間が解決してくれる」
ということ。
いろいろと考え悩むこ
とも大切ですが、
仲間の力を
借りてベス
トを尽く
せば、
結果は付いてくる、
その気持ちは今後も変わら
ず持ち続けていく
つもりです。
理事
柴田 雅博
理事
永吉 光
幼少期を札幌で過ごしていたこ
ともあり、
自然とイ
ンプッ
トされた言葉です。
これには続きのフレーズがあるとい
う説があります
(真偽の程は不明ですが...)。その中に
ある、
"人と
してあるべき姿の達成"を意識しつつ、
常に
誠実であるこ
とを心がけています。
「普通」
というと何の変哲もない平凡という印象をお持
ちになるかも
しれませんが、
「普通」
でいるこ
とは、
簡単そ
うでとても難しいこ
とだと思っています。
個性が尊重されるこの時代に
「普通の人間」
でいること
に、
自分自身は価値を見出しています。
「Boys be ambitious!」
座右の銘
「普通でいること」
座右の銘
【役員一覧】
もっと詳しく組織情報
理事長 山口彰
就任ごあいさつ
理事長 山口 彰
副理事長 阪口 正敏
専務理事 苗村 公嗣
理事 植田 昌俊
理事 坂本 隆
理事 柴田 雅博
理事 永吉 光
理事
(非常勤)
井手 秀樹
理事
(非常勤)
松本 真由美
理事
(非常勤)
佐々木 敏春
監事 田所 創
監事
(非常勤) 滝 順一(9月就任)
オフショット山歩きが好きです。
若い頃には北アル
プスなどにも行っていましたが、
最近
は健康維持と気分転換のために、妻と一緒に近場の関東/東北の山々を
散策しています。
オフショット孫とレプリカユニフォームを着て、J1
のサガン鳥栖の応援にスタジアムへ
向かっているところです。
バッ
クショットですがお気に入りの1枚です。

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