科学的特性マップに関する対話型全国説明会 in 熊本(天草市)開催結果
日 時:2019 年 10 月 30(水)18:20〜20:30
場 所:天草市民センター 2 階 大会議室
参加者数:84 名
当日の概要:
(1)映像(
「地層処分」とは・・・?)
(2)地層処分の説明
・来島 慎一(経済産業省資源エネルギー庁 放射性廃棄物対策課 課長補佐)
・宇田 剛(原子力発電環境整備機構 理事)
(3)テーブルでのグループ質疑
しろまる資源エネルギー庁・原子力発電環境整備機構(NUMO)からの説明
1資源エネルギー庁の主な説明内容
・高レベル放射性廃棄物は、将来世代に負担を先送りしないよう、現世代の責任で、地下深くの
安定した岩盤に埋設する地層処分を行う方針。
・地層処分の実現に向けて、この問題を社会全体で解決しなければならない課題として考えてい
ただき、受入地域に対する敬意や感謝の念を持つことが必要との認識が共有されることが重要。
このため、広く全国の皆さまに地層処分に対する理解を深めていただけるよう、全国で対話活
動を順次開催していく。・高レベル放射性廃棄物の放射能は時間ととともに減衰し、
1000 年程度の間に 99%以上は低減し、
その後はゆっくりと減少していく。地層処分は、長期間にわたる安全上のリスクを小さくし、
将来世代の負担を小さくする処分方法との考え方が国際的に共有されている。日本では、地下
300m より深い安定した岩盤に埋設することで、人間の管理に依らず、長期にわたり放射性物質
を閉じ込め、生活環境から隔離していく考えである。
・地下深部は一般的に安定した環境だが、安全に地層処分を行うためには、火山活動や活断層の
影響など、様々な科学的特性を総合的に評価することが必要。
・科学的特性マップは、地層処分を行う際に考慮しなければならない科学的特性を、既存の全国
データに基づき、一律の要件・基準に従って客観的に整理し、全国地図の形で示し、地層処分
に対する国民理解を深めるために公表したもの。マップ公表をきっかけに、全国での対話活動
を重ねていく中で、やがて処分事業に関心を持っていただける自治体が出てきた場合、法律に
基づく 3 段階の処分地選定調査を実施し、個別地点において安全に地層処分が実施できるかど
うかを詳細に調査していく。・「地震や火山の多い日本で地層処分を安全に実施できるのか」というご質問を多くいただくが、
マップを活用しながら、日本でも地層処分に適した地下環境が広く存在するとの見通しを共有
しつつ、社会全体でどのように実現していくか、皆さまと一緒に考えていきたい。
2原子力発電環境整備機構(NUMO)の主な説明内容
・地下深部の岩盤は、1酸素が少ないため金属が腐食しにくく、万が一、放射性物質が漏出した
場合でも、2地下水の流れが遅く、また、3岩盤が放射性物質を吸着し、放射性物質の移動を
遅らせることができる(天然バリア)
。放射能が大きく減少するまでの期間、少なくとも 1000
年間は放射性物質をしっかり密封するために、ガラス固化体をオーバーパックという金属容器
(厚さ約 20cm)に格納し、粘土でできた緩衝材(厚さ約 70cm)で包む(人工バリア)
。このよ
うに、
「天然バリア」と「人工バリア」を組み合わせ、様々な対策を組み合わせることで、人
間の生活環境から隔離し閉じ込める。
・地層処分場は、ガラス固化体を 40,000 本以上埋設できる施設の建設を 1 か所計画している。
処分場を閉鎖した後も、一定期間は規制当局の安全規制に従い、万が一のことに備える。
最終処分事業費は約 3.8 兆円が見込まれている。事業費は、原子力発電に伴う電気料金の一部
として電力会社等から拠出される。
・安全に地層処分を行うため、処分地選定調査の中で、断層や火山などを避けて場所を選ぶとい
う「立地による対応」
、選んだ場所に応じて人工バリアを設計するという「設計による対応」、その対策により、安全性が確保出来るかをシミュレーションなどで確認するという「安全性の
確認」
といった作業を繰り返し行う。
地震・津波、
輸送中の安全性についても設計による対応、
シミュレーションによる安全性確認を行う。
・文献調査は、学術論文等から地域の地質環境等を可能な限り把握し、概要調査を行う候補地区
を絞り込むもので、ボーリングなどの現地作業は行わない。調査結果は地域住民に公表してご
意見を伺うとともに、当該の市町村長や都道府県知事に意見を伺い、反対の意向が示された場
合は次の段階に進むことはない。
・処分地選定が円滑に行われるためには、地域による主体的な合意形成が図られることが重要。
こうした観点から、
処分事業についての情報提供や住民のご意見を事業に反映する
「対話の場」
が地域に設置され、多様な関係住民が参画し、積極的な活動が行われることが望ましい。こう
した取組みは諸外国でも同様に行われ、地域要望の事業への反映など、重要な役割を果たして
いる。
・さらに、フィンランドやスウェーデンなど先行する海外では、地層処分事業が地域に与える社
会経済的影響についても評価が行われ、雇用の創出などの経済効果が期待されている。また、
処分場立地による農業、観光業、不動産価値へのマイナス影響などは確認されていない。NU
MOは、
処分場建設までに本社を当該地域に移し、
地元雇用や地元発注に最大限取り組むなど、
地域の発展に貢献していく。処分地選定では、こうした地域経済への効果や影響も含め、総合
的に判断していただく。
・地層処分事業について不明な点、もっと詳しい話を聞いてみたいと関心を持っていただける場
合には、どなたでも説明の機会を設けさせていただくとともに、関連施設の見学にご案内する
など、ご関心やニーズに応じて、柔軟に対応をさせていただく。
しろまるテーブルでのグループ質疑
(注記)主なものをテーマ別に記載。
<地層処分事業>
・いつ、どのような経緯で地層処分をすることが決定されたのか。
(→回答:)2000 年に制定された特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(最終処分法)にお
いて、放射性廃棄物を地層処分することが定められている。日本では、1960 年代よ
り処分方法が検討され始め、1976 年から地層処分の研究開発が進められ、1999 年
に日本においても地層処分が技術的に可能であることが示された。その後、2000
年の最終処分法の制定に至っている。
・処分場建設のスケジュールは。
(→回答:)確実な最終処分の実現にむけて、計画的に進めていくことは重要だが、スケジュー
ルだけ決定しても、理解が進むわけではない。むしろ期限があることで、地域の方
が、地域の意向に反して一方的に推し進められるのではないかと疑念を招く可能性
もあることから、スケジュールありきでは考えていない。
・処分地は 1 か所で足りるのか。47 都道府県に 1 つずつ処分場を建設してはどうか。
(→回答:)最終処分場は自国内で1箇所建設するというのが日本の考え方。NUMOでは、
40,000 本以上のガラス固化体を処分できる施設を建設することを目指しており、
現時点で複数地域での建設は考えていない。
・地質調査などは誰が行い、結果はどうやって報告されるのか。
(→回答:)調査はNUMOが行う。報告書は一般の方でも報道機関でも自由に閲覧できる形で
公表される。
・埋めるよりも、もっとよい方法があるのではないか。
(→回答:)処分方法として原子力発電の利用が始まる前から、氷床処分・海洋底処分・宇宙処
分などが検討されてきた。地層処分は、長期にわたり放射性物質を人間の生活環境
から隔離することができ、元来、地層が持っている閉じ込め機能により、人による
継続的な管理が不要になるため、現在、最も適切な処分方法であるとの基本的な考
え方が国際的に共有されている。
・日本学術会議も、地層処分を進めることに対して反対する旨の報告書を出しており、地層処分
が国際的に唯一の解決策として認められているかのような説明をするのはやめるべき。
(→回答:)日本学術会議の「暫定保管」という考え方は、暫定保管期間を約 50 年とし、その
時間を使って、地層処分を前提に合意形成や処分地の選定のみならず、最終処分施
設の建設まで終了させるべきという立場と理解している。
・回収可能性に関する説明が冒頭説明にまったくないのが問題。そのような重要なことは最初に
きちんと説明すべき。
(→回答:)説明内容については参加者の皆様の様々なご意見を伺いながら改善を重ねてきてい
る。いただいたご意見も、今後の参考にさせていただく。
・地下に埋めたら管理もしないでほったらかしにするのは問題ではないか。
(→回答:)確かに、危険なものほど人間が慎重に管理するということは一般的な考え方であ
る。ただし、高レベル放射性廃棄物の放射能の減衰には数万年以上という時間を
要し、そのような期間に渡って人間が管理を続けるのは、世代間責任の観点から
適切ではない。そのため、人間の管理を必要としない安定した地下深部に処分す
る方針である。
・処分場が閉鎖した後、モニタリングはするのか。
(→回答:)地層処分事業では、モニタリングが不要になることを目標として、設計に余裕を
持たせたり、廃棄体が正常に埋められているかを確認したりするなど、十分な
確認を行いながら進める。その過程段階において実施する、モニタリングの期間
や方法などは、今後策定される規制基準の中で具体化されていくものであるが、
地元の皆様にも安心していただけるよう、地域の方ともご相談しながら考えてい
きたい。
・仮に処分場の閉鎖後にモニタリングをするとしたらどのような方法があるのか。
(→回答:)100 年後については技術が進展しているということも考えられるので、一概には言
えないが、処分場の下流域における地下水中の放射能を計測することが考えられ
る。また、海外では、緩衝材が想定通り機能しているかを確認するため、処分場
周辺に同様の施設を作って、緩衝材の状態をモニタリングするということも検討
されている。
・処分場に関する情報は、書き残して後世の人があとから調べられるようにすべき。
(→回答:)処分場に関する情報については、処分場の閉鎖後にNUMOが経済産業大臣に提出
し、経済産業大臣によって永久に保存されることが最終処分法で定められている。
また、国際的には、どのような情報をどのような方法で保存すべきかといった議論
がなされている状況であり、これらの状況を踏まえ検討を進めていく。
・処分費用 3.8 兆円は誰が負担しているのか。電力会社が払うといっても、東電など電力会社に
は補助金が入っているし、結局は国民が負担しているのではないか。
(→回答:)最終処分事業に必要な費用は、原子力発電所等の運転実績に応じた金額が、毎年、
電力会社等からNUMOへ拠出されている。補助金などの税金が充当されているも
のではなく、電力会社は電気料金の形で原資を集めて負担している。
・コスト重視ではなく安全を第一に考えてもらいたい。
<リスクと安全性>
・ガラス固化体を回収する技術は既にあるのか。
(→回答:)埋めた廃棄物を取り出す実験は、幌延深地層研究センターやその他の試験設備を用
いて継続して行っており、取り出すための技術については開発されている。
また、取り出すことが可能であることを確認している。
・安全との説明があったが、リスクはゼロではないのではないか。
(→回答:)リスクはゼロにはならないというのはそのとおりで、リスクゼロは不可能という
認識のもと、我々はリスクを最小に抑え、人間社会に対して合理的な範囲で十分に
安全な事業となるように最大限の努力をしていく。
・フィンランドやスウェーデンは安定した地層だから最終処分ができるのであって、日本では無
理だと思う。
(→回答:)北欧の地層は日本の地層と比べると古いが、古ければ古いほどよいという訳ではな
く、地層以外の要素も含めて廃棄物を隔離して閉じ込める機能を十分に果たすこと
が重要。これまでの研究成果で、地層処分に必要な地質環境は、日本にも広く存在
すると評価されている。
・ガラスは熱で溶けないのか。
(→回答:)ガラスは化学の実験用のビーカーや試験管などでも使われているように、熱や酸に
強い性質があり、熱に対しても、物質を安定して閉じ込める性質をもつ。
・緩衝材の粘土は完全に水を通さないわけではないということか。
(→回答:)緩衝材は膨潤して水を通しにくくする機能を有するが、完全に水を通さないわけで
はない。オーバーパックは金属製の容器であり、少なくとも 1000 年はガラス固化
体が水と接触することを防ぐように設計されており、緩衝材が水で満たされるまで
にも長期間を要する。また、緩衝材は放射性物質を収着する機能があるため、ガラ
ス固化体が水と接触した後に放射性物質が緩衝材の外側へ移行するまでの時間を
遅らせることができる。
・地震の影響が不安である。
(→回答:)地震の影響については、処分地選定調査の中で過去の地震の履歴を調査・評価し、
工学的対策で安全が確保できるかを検討していく。また、一般的に地上に比べて
地下の揺れは 1/3 から 1/5 程度であることがこれまでの調査から判明しており、
地下深部の処分施設に地上と同程度の大きな影響が及ぶことは考えにくい。
・遠い将来の安全性については見通せないのではないか。
(→回答:)遠い将来の処分場の安全性評価については、地層処分におけるリスク要因を徹底的
に抽出した上で、これを回避した処分場の立地及び設計を実施した上で、要因に応
じた放射性物質移行のシミュレーションを実施し、算定された人間の生活環境への
影響が、既存の安全基準に満たすかどうかを判断することとしている。安全基準を
満たさない場合は立地や設計の条件を変更した上で、同様の安全性評価を行い、
安全性が確認できるまで、これを繰り返す。このような評価方法が国際的に共通の
考え方である。
・これまでにも原子力発電所では想定外の事故が何度も起こっている。地層処分は安全と言われ
ても信頼できない。
(→回答:)我々としては安全な地層処分の実現に取り組み、国民から地層処分の安全性につい
て信頼していただけるよう努める。廃棄物は既に存在しており、処分に向けた道筋
をつけていかなければならないと考えている。
・ガラス固化体が爆発するものではないとのことだが、福島第一原子力発電所も爆発するものだ
とは言っていなかったはずだ。そして、東京電力の事故では誰も責任をとっていない。何か事
故があっても誰も責任をとらない国でこのような処分をするのが適切なのか。
(→回答:)NUMOは福島第一原子力発電所における事故について、同じ原子力事業に携わる
者として、その教訓を受け止め、安全・安心を最優先に事業を進めていく。
また、東京電力は企業として、国の支援も受けながら賠償責任を尽くしている最中
である。地層処分については、NUMOも原子力損害賠償制度に基づく賠償責任を
負うことになっている。
・阪神大震災以前には児童に神戸では地震が発生しないと教えていた。そのような中で、震災が
発生し、現在の科学的知見は絶対ではないと痛感した。科学の知識はどんどん変化していくも
のであり、今の知識が絶対的に正しいとした議論は適切ではない。
(→回答:)ご指摘の点は承知。最新の研究結果・知識から学び、適切に取り入れながら我々も
地層処分事業に取り組んでいく。
<対話活動、文献調査、地域共生>
・最初の段階で都道府県知事が反対の場合は調査に着手しないのか。
(→回答:)文献調査は、手続き上は市町村長の申請等によって開始するもの。その段階で都道
府県知事の関与についての定めはない。しかし、次の調査に進む際には、知事の意
見を聴き、尊重することとなっているため、知事も含めて地域の理解を得ることは
重要と考えている。
・受入れにあたっては、住民投票は実施しないのか。
(→回答:)次の調査に進む際には、当該調査を受け入れる自治体の首長と知事の意見を聞くこ
とになっているが、どのように合意形成を図っていくかについての定めはない。
議会承認を得るのか、住民投票を行うのかといったことは、地域のご判断が基本と
考えている。
・原子力発電所で廃炉になるものがあるので、そのような場所に処分すべきではいないか。
(→回答:)原子力発電所を設置するための立地の特性と、地層処分を行うことに適した地層の
特性は異なるため、原子力発電所の設置場所が地層処分に適しているとは限らない
ため、そのような場所で処分する際も同様にしっかりした調査を行って実施する必
要がある。
・お金をちらつかせて、処分場を受け入れてもらおうという姿勢はいかがなものか。
(→回答:)地層処分の実現は、国全体の課題を一部の地域の協力を得て解決しようとする話で
あることから、受入れ地域に対して感謝の念を示し、社会として適切に便益を還元
していく観点から、国は、電源立地地域対策交付金制度の対象としている。交付金
は、処分場の立地を受け入れたことの補償ではなく、長期事業である地層処分事業
の受入地域の地域課題を解決し、地域の未来をともに創っていくための資源と考え
ている。
・この全国説明会は福島でも実施したのか。
(→回答:)福島県については復興に全力で取り組んでいるところであり、現時点では福島県で
実施する予定はない。
・科学的特性マップで不適とされる地域でなぜ説明会が開催されるのか。
(→回答:)この事業は日本社会全体で解決しなければならない問題であり、調査や最終処分場
を受け入れる、受け入れないにかかわらず、まずはよく話を聞いていただき、地層
処分への関心やご理解を深めていただくことが重要と考えているため。対話型全国
説明会は、いずれの地域や自治体にも調査や処分地の受入れを求めるものではない。
・説明会はいつまで続けるのか。
(→回答:)いつまでに何都市など、決まった計画はない。対話型全国説明会は全国各地で継続
的に実施していく。
・調査を始めてほしい場合は、どのような流れとなるのか。
(→回答:)自治体からの応募または文献調査に関する国による自治体への申し入れに対する受
諾という形となる。
・元々は原子力発電所が立地している地域で発生した廃棄物なので、その処分も自分の地域でや
ろうという市町村長はいないのか。
(→回答:)原子力発電に伴う放射性廃棄物は、過去 50 年以上にわたって現世代が原子力発電
を利用し、恩恵を受けてきた結果であるため、発電所の立地地域だから、電気の消
費地だからといった、いずれかの地域への押し付けではなく、まずは社会全体の課
題であるということを受け止めていただきたい。
・風評被害の影響はないのか。
(→回答:)風評被害を防ぐためには、地域内外の皆さまに、地層処分を適切に行えば、放射性
物質により地域の自然環境や農水産品等が汚染されることはないという情報が
正確に伝わることが重要と考えており、より多くの方に地層処分の仕組みや安全確
保策について理解を深めていただけるよう、情報提供と対話活動を進めていく。
・処分場の立地市町村の近隣の市町村には援助はないのか。
(→回答:)処分地選定に向けた法定調査を受け入れていただいた場合、電源立地地域対策交付
金が交付される。この交付金については、受入れ市町村だけではなく、地域の実情
に応じて、周辺市町村等、近隣の他市町村にも配分が可能な制度となっている。
・このような説明会をいくら開催しても手を挙げる自治体が現れるとは思えない。
(→回答:)世界で唯一処分場の建設を開始しているフィンランドも地層処分を行うと決めてか
ら 30 年以上の歳月をかけて、国民理解、地域理解に弛まぬ努力を重ねてきた。
いずれは調査に関心をお示しいただけるよう、全国各地できめ細かく対話活動に取
り組んでいく。
・天草は過疎化しているので考えたいという意見もあると思う。関心がない人の方が多いので、
親しみを持ってもらえるような今回のような対応が必要だ。
・反対的意見を唱える専門家との討論会を開催すべきである。
<その他>
・天草市の大部分は、なぜシルバーなのか。
(→回答:)科学的特性マップの要件・基準のうち、鉱物資源(炭田)の要件に該当するため。
これは、地下に石炭が埋まっている可能性があり、将来、採掘などで意図しない人
間の侵入が起こることを避けるべきとの考え方である。ただし、実際に鉱物資源が
埋まっている範囲を調べるには調査が必要である。
・将来は放射能を無害化する技術ができるようになる可能性もある。
(→回答:)地層処分は将来の技術の革新を否定していない。調査、建設、操業と長い期間を要
する中で、新たな処分技術が確立することも考慮し、将来世代が選択をできるよう
に、
処分場を閉鎖するまでの間は、
安全を確保できる範囲で回収可能性を担保する。
このことは新たな基本方針として 2015 年に閣議決定された。
・輸送の安全性を考慮すると、再処理工場のある青森県近隣に処分場を設ければよいのでは。
(→回答:)輸送距離の近さだけで処分地を選定することはなく、実際に海外からの返還ガラス
固化体については、フランスおよびイギリスからの長い航路を安全に輸送している
実績がある。他方、陸域での輸送については、科学的特性マップでも要件・基準と
しているとおり、公衆被ばく・核セキュリティの観点から、海岸からの輸送を 20km
以内の範囲を好ましい範囲の基準として設定している。
・建設地のメリットとは、一部の人に利権を生むだけではないのか。
(→回答:)地層処分の実現は、国全体の課題を一部の地域の協力を得て解決しようとする話で
ある。そのため、受入れ地域に対して感謝の念を示し、社会としてメリットを還元
していく必要がある。
文献調査開始以降、
NUMOは調査を行う地域に拠点を設け、
地域の一員として、処分事業とその地域の共生について、地域の皆さまと一緒に考
えていきたい。
・このような説明会では原子力発電を止めるべき等の意見の方がその話ばかりしてしまって廃棄
物をどうするのかという議論が進まない。しかし既に存在している放射性廃棄物は国外に持ち
出せないのだから国内でどうするのかを考えないといけない。廃棄物をそのまま置いておく方
がよほどリスクは大きい。
・何度か参加したことがあるが、今回の会場が今までで一番良かった。
以 上

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /