2024年 春特別号
NUMOは、2020年11月から、北海道の寿都町と神恵内村において文
献調査を実施しています。また、両町村で「対話の場」を開催しています。
文献調査は、地質図や鉱物資源図等の地域固有の文献・データをもとに
した机上調査です。ボーリングなどの現地作業は行いません。地層処分事
業に関心を示していただけた地域に、事業をさらに深く知っていただくとともに、
さらなる調査(概要調査)を実施するかどうかを検討してもらうための材料
を集める、事前調査的な位置付けです。
処分地の選定プロセス
すっつちょう かもえないむら
地層処分レポート
高レベル放射性廃棄物等の
地層処分事業について
ご紹介します。
「対話の場」は、地域の皆さまに、地層処分事業への賛否に偏らない議論をしていただき、その議論を通じ、
議論に参加しない地域の皆さまにも広く地層処分事業について、関心を深めていただくためのものです。
本号では、神恵内村の「対話の場」でに議論された内容についてご紹介いたします。
神恵内村「対話の場」の状況
●くろまる 神恵内村 第18回「対話の場」 (2024年4月15日)
NUMOから文献調査報告書案に関して報告を行いました。
また、テーブルワークでは4つのテーマに分かれ議論いただきました。
【テーマ】 「文献調査と地層処分」
「神恵内村の防災」
「まちづくり」
「その他、地層処分に関して『もやもや』していること」
【主なご意見やご質問】
「文献調査で調べた土地は、概要調査で改めて調査するのか?」
「地震で道路が壊れたり、雪で避難路が通れない時の津波避難はどうしたらよいか?」
「神恵内村は学生への施策(奨学金の補助など)が手厚いので、そのことをもっとアピールしたら良いのではないか」
「どこに鉱山や鉱床があるのかわかるように、現在の資料と併せて神恵内村の衛星写真の地図を用意してほしい」
本号では、「対話の場」の状況や、佐賀県玄海町における文献調査の申し
入れの受け入れ表明に至るまでの経緯などをお伝えいたします。
地域には、長期間にわたって地域共生事業の成果をはじめとして、雇用や税収など、さまざまな波及効果が見込まれます。
文献調査
2年程度 4年程度
概要調査
(地下施設での調査・試験)(意見に反して先に進まない)地域の意見を聴く
(ボーリング調査)
(机上調査)(意見に反して先に進まない)地域の意見を聴く
14年程度
精密調査(意見に反して先に進まない)地域の意見を聴く
施設
建設地
の選定
20年程度の調査期間中、放射性廃棄物は一切持ち込まない
地区
選定
地区
選定(金額は地点毎)電源立地交付金概要調査段階
期間最大70億円
(単年度最大20億円)
文献調査段階
期間最大20億円
(単年度最大10億円)
※(注記)×ばつ、又は ×ばつ
の場合はプロセス終了
※(注記)×ばつ、又は ×ばつ
の場合はプロセス終了
※(注記)×ばつ、又は ×ばつ
の場合はプロセス終了
精密調査段階以降は
今後国において制度化の予定
発行:原子力発電環境整備機構(NUMO)
https://www.numo.or.jp
(連絡先)
NUMO地域交流部03-6371-4003 2024.5発行
NUMOでは、全国のできるだけ多くの地域で、地層処分事業に関心を持っていただき、
文献調査を受け入れていただけるよう、引き続き取り組んでまいります!
●くろまる 国・NUMO・電力の合同チームを地域ブロックごとに新設。2023年7月から、全国の地方公共
団体等を個別に訪問する全国行脚を開始。
●くろまる 2024年3月末時点で、102自治体の市町村長を訪問。目標の年度内100自治体を達成。
●くろまる 2024年度も100自治体を目指し、全国行脚を継続します。
国・NUMO・電力の合同チームによる全国行脚
進捗報告
文献調査実施についての国からの申し入れに対し、
玄海町長が受け入れを表明されました
佐賀県玄海町では、町内の3団体 (旅館組合、飲食業組合、防災対策協議会) から町議会への
文献調査受け入れを求める請願提出がなされ、審議の結果、賛成多数で採択されました。
このような状況を踏まえ、5月1日に国は、玄海町長に対し文献調査の実施を求める申し入れを行い、
5月10日に脇山玄海町長が申し入れの受け入れを表明されました。玄海町で調査が開始されると、全
国で3カ所目となります。
地域の皆さまには地層処分事業と文献調査にご関心をお持ちいただき、町議会において議論を重
ねていただいた上で、脇山町長より前向きなご判断をいただいたことに、心から敬意と感謝の意を表し
ます。
特定放射性廃棄物の最終処分は、日本社会全体で必ず解決しなければならない重要な課題です。
NUMOは、最終処分という課題に取り組む上で、全国のできるだけ多くの地域に文献調査を受け入れ
ていただきたいと考えています。玄海町で文献調査にご協力いただけることは、大変ありがたいことです。
NUMOは、最終処分や文献調査に関する地域の皆さまのご関心やご疑問、ご不安にお応えし、議論
を深めていただけるよう、玄海町に全面的に協力し、情報提供等を丁寧に進めてまいります。
TOPICS
玄海町4/15文献調査受け入れを求める請願について、
議会が原子力対策特別委員会に審査を付託
4/17 同委員会にて請願について審議
4/25 同委員会にて請願書について審議および採択4/26町議会本会議にて3件の請願を採択
(賛成6名、反対3名の賛成多数)5/1経済産業大臣から玄海町長に対して
文献調査の実施を求める申し入れ5/10町議会全員協議会を経て玄海町長が
文献調査の申し入れの受け入れを表明
●くろまる 玄海町の概要
地勢と町域 : 東西約7km、南北9km、
総面積35.92km2
人口と世帯数 : 4,908人、1,900世帯
(2024年3月31日現在)
産業別就業人口の割合:
第1次産業 21%、 第2次産業 25%、
第3次産業 53% (2020年国勢調査)
●くろまる 主な経緯
佐賀県