2024年 冬特別号
NUMOは、2020年11月から、北海道の寿都町と神恵内村において文
献調査を実施しています。また、両町村で「対話の場」を開催しています。
文献調査は、地質図や鉱物資源図等の地域固有の文献・データをもとに
した机上調査です。ボーリングなどの現地作業は行いません。地層処分事
業に関心を示していただけた地域に、事業をさらに深く知っていただくとともに、
さらなる調査(概要調査)を実施するかどうかを検討してもらうための材料
を集める、事前調査的な位置付けです。
本号では、文献調査報告書(案)とりまとめなどについてお伝えいたします。
処分地の選定プロセス
精密調査段階以降は
今後国において制度化の予定
地域には、長期間にわたって地域共生事業の成果をはじめとして、
雇用や税収など、さまざまな波及効果が見込まれます。
すっつちょう かもえないむら(金額は地点毎)電源立地交付金概要調査段階
期間最大70億円
(単年度最大20億円)
文献調査
2年程度 4年程度
概要調査
(地下施設での調査・試験)(意見に反して先に進まない)地域の意見を聴く
(ボーリング調査)
(机上調査)(意見に反して先に進まない)地域の意見を聴く
14年程度
精密調査(意見に反して先に進まない)地域の意見を聴く
施設
建設地
の選定
20年程度の調査期間中、放射性廃棄物は一切持ち込まない
地区
選定
地区
選定
地層処分レポート
高レベル放射性廃棄物等の
地層処分事業について
ご紹介します。
文献調査段階
期間最大20億円
(単年度最大10億円)
「対話の場」は、地域の皆さまに、地層処分事業への賛否に偏らない議論をしていただき、その議論を通じ、
議論に参加しない地域の皆さまにも広く地層処分事業について、関心を深めていただくためのものです。
2024年2月末までに、寿都町、神恵内村においてそれぞれ17回の「対話の場」が開催されています。
このほか、昨年11月、神恵内村では村の皆さまを対象とした、専門家によるシンポジウムが開催されました。
「対話の場」等を通じて
神恵内村 くろまる 「文献調査に関するシンポジウム」
(2023年11月25日)
【専門家】 岡村 聡氏 北海道教育大学名誉教授
【説明の主なポイント】
• 「文献調査段階の評価の考え方」
による基準の問題
• 神恵内村周辺の火山について
• 水冷破砕岩について
• 活断層について
くろまる 第17回「対話の場」
(2024年2月7日)
NUMOから文献調査の状況について
報告を行いました。
また、11月に開催されたシンポジウムに
ついての振返りが行われました。
【主なご意見やご質問】
「地層処分については、オールJAPANで
取り組むべき」 「日本には適地といえる
場所は絶対にないのか」 「処分場の地
下で大規模な地殻変動が起きた場合、
ガラス固化体はどうなるのか?」
【主なご意見】 「神恵内村周辺の地質がよく理解できた。」 「分かりやす
かった。進め方も良かった。」 「リスクも知ることが出来た。(賛成・反
対)両方の意見を聞くことが出来て良かった。」
地質学の専門家を招いたシンポジウムが開催されました。
発行:原子力発電環境整備機構(NUMO)
https://www.numo.or.jp
(連絡先)
NUMO地域交流部03-6371-4003 2024.2発行
NUMOでは、全国のできるだけ多くの地域で、地層処分事業に関心を持っていただき、
文献調査を受け入れていただけるよう、引き続き取り組んでまいります!
合同チームでは、2024年1月末時点で73自治体の市町村長を訪問し、最終処分に関する最新の
情報の提供を行うとともに、ご要望に応じて、説明や学習支援のほか、地域共生に係る自治体のニー
ズ聴取を行いました。合同チームでは少なくとも100自治体を当面の目標としつつ、複数年かけて科学
的特性マップの全てのグリーン沿岸部を訪問することを目指しています。
国・NUMO・電力の合同チームによる全国行脚
進捗報告
文献調査の今後について
〜 寿都町及び神恵内村の「文献調査報告書(案)」 をとりまとめました〜
「文献調査報告書(案)」 について審議が始まりました
NUMOでは、文献調査で評価した結果や、文献調査の次の段階で
ある概要調査地区の候補について、それぞれの地域の報告書(案)
をとりまとめました。
この報告書(案)は、昨年とりまとめられた「文献調査段階の評価の
考え方」が適切に反映されているか、国の地層処分技術ワーキンググ
ループの有識者によって2月13日から審議が始まりました。
NUMOでは今後、同ワーキンググループなどでの意見を適切に反映し、
報告書を完成させ、法令に基づき地域の皆さまへ共有・ご説明を進め
てまいります。
くろまる報告書(案)における評価・検討結果のまとめ (2月13日公開時点)
文献調査報告書の「公告・縦覧」「説明会」の期間が見直されました
流れの概要
文献調査報告書の「公告・縦覧」「説明会」の期間は、最終処分法施行規則で"1ヶ月間"と定められていま
したが、2023年12月27日に改正がなされ、"30日以上"の期間が設定できるようになりました。NUMOでは、
今後、文献調査報告書の内容について丁寧な説明を行ってまいります。
寿都町 神恵内村避ける場所(注記)1最終処分法に定め
られた要件および
「考慮事項」の観点
なし
珊内川中流の岩脈
積丹岳から15 km以内(注記)
(注記)境界線不明確
技術的観点 なし なし
経済社会的観点 なし
神恵内トドマツ遺伝資源
希少個体群保護林
概要調査地区(注記)4
の候補
文献調査対象
地区(注記)2全体
文献調査対象地区(注記)3の
うち、積丹岳から15 km
以内の範囲を除いた範囲
陸域は南端部
審議会の状況や
配信映像はこちら
(注記)1 文献からは避ける場所と評価できなかったものであっても、概要調査以降に調査する場合の留意事項を報告書
(案)に記載しています
(注記)2 寿都町全域およびその前面海域の沿岸海底下(海岸線から15 km程度以内の大陸棚の範囲)
(注記)3 神恵内村全域およびその前面海域の沿岸海底下(海岸線から15 km程度以内の大陸棚の範囲)
(注記)4 左図のとおり、概要調査地区の選定は、報告書の内容についてのご意見、知事、町村長のご意見に配慮します
文献調査開始
評 価
文献・データ収集
意見概要、見解を
知事・町村長に送付
報告書を
知事・町村長に送付
寄せられた意見の概要及び
それに対する見解を作成
説 明 会 の 実 施
意 見 の 受 付
公 告 ・ 縦 覧
報 告 書 作 成
経産大臣から
知事・町村長に意見聴取
意見に配慮し
概要調査地区の候補を選定
聴取結果を踏まえて経産大臣が
概要調査に進むかどうかの判断
(注記)知事または町村長の意見を
十分に尊重することとしており、
その意見に反して、先へ進まない
実施計画の承認を
経産大臣に申請

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