NUMO地層処分レポート2023秋特別号


2023年 秋特別号
NUMOは、2020年11月から、北海道の寿都町と神恵内村において文
献調査を実施しています。また、両町村で「対話の場」を開催しています。
文献調査は、地質図や鉱物資源図等の地域固有の文献・データをもとに
した机上調査です。ボーリングなどの現地作業は行いません。地層処分事
業に関心を示していただけた地域に、事業をさらに深く知っていただくとともに、
さらなる調査(概要調査)を実施するかどうかを検討してもらうための材料
を集める、事前調査的な位置付けです。
本号では、地層処分の実現に向けた国の動向(前号の続き)についても
お知らせします。
処分地の選定プロセス
精密調査段階以降は
今後国において制度化の予定
地域には、長期間にわたって地域共生事業の成果をはじめとして、
雇用や税収など、さまざまな波及効果が見込まれます。
すっつ かもえない(金額は地点毎)電源立地交付金概要調査段階
期間最大70億円
(単年度最大20億円)
文献調査
2年程度 4年程度
概要調査
(地下施設での調査・試験)(意見に反して先に進まない)地域の意見を聴く
(ボーリング調査)
(机上調査)(意見に反して先に進まない)地域の意見を聴く
14年程度
精密調査(意見に反して先に進まない)地域の意見を聴く
施設
建設地
の選定
20年程度の調査期間中、放射性廃棄物は一切持ち込まない
地区
選定
地区
選定
高レベル放射性廃棄物等の
地層処分事業について
ご紹介します。
文献調査段階
期間最大20億円
(単年度最大10億円)
神恵内村「対話の場」の状況
「対話の場」は、地域の皆さまに、地層処分事業への賛否に偏らない議論をしていただき、その議論を通じ、
そこに参加しない地域の皆さまにも広く本事業について、関心を深めていただくためのものです。
寿都町・神恵内村の「対話の場」では、地層処分や文献調査の進捗状況に関する議論だけでなく、
「まちの将来」に関する議論もされています。 (注記)「対話の場」で議論するテーマは参加者の意向により決定。
本号では、9月に開催された神恵内村の「対話の場」の内容についてご紹介いたします。
今までの「対話の場」で委員の皆さまからいただいた、まち
づくりに関する意見(付箋の数で324枚)について、AI
技術を使って分析を試みました(右図参照)。
文字の大きい単語ほど、「対話の場」での出現頻度が高
いことを表しており、「交付金」 「漁業振興策」 「企業誘
致 ・ 学校誘致」 「人口減少対策 」 といった事柄への
関心が高いことが分かります。
くろまる ファシリテーターによる まちづくりに関する振返り
ワードクラウド
発行:原子力発電環境整備機構(NUMO)
https://www.numo.or.jp
(連絡先)
NUMO地域交流部03-6371-4003 2023.11発行
NUMOでは、全国のできるだけ多くの地域で、地層処分事業に関心を持っていただき、
文献調査を受け入れていただけるよう、引き続き取り組んでまいります!
Q. 対馬市での文献調査に関する議論は、
どのような結果になったのですか?
A.対馬市議会は、文献調査の受入れ促進に関する請願について、
2023年8月16日特別委員会および9月12日定例会本会議に
おいて採択、同月27日市長は、市民の合意形成の不十分さなど
を理由に、「文献調査を受け入れない」との意見を表明されました。
対馬市の皆さまには、地層処分事業に関心を持っていただき、対馬市議会におかれましては、慎重にご審議の上、
関連の請願を採択いただき、さらに対馬市長におかれましても検討を重ねていただいたことに深く感謝を申し上げる
とともに、NUMOといたしましては市長の意見表明を受け、これからも国や各地域の電力会社と協働して全国各地
で必要な情報提供を行うとともに、丁寧な対話活動に取り組み、文献調査の実施地域の拡大を目指し、誠心誠
意努力してまいります。
文献調査の今後について
〜国が新たに「特定放射性廃棄物小委員会」を設置、第1回が10月13日に開催されました〜
くろまる 「文献調査段階の評価の考え方(案)」
パブリックコメント結果を報告、とりまとめへ
「断層の破砕帯の規模が過小評価されているのではないか。」などの技術的な
意見、「環境社会学、環境経済学、環境倫理学等の観点からも検討が必要
ではないか。」などの経済社会的観点に関する意見など53件のご意見が寄せ
られました。国はこれまでの検討結果を踏まえ、11月2日に「文献調査段階の
評価の考え方」をとりまとめ、公表しました。
当機構による地層処分事業のご説明
(8月特別委員会 提供:対馬市)
国の原子力小委員会の下位機関であった放射性廃棄物WGが廃止され、電力・ガス事業分科会の下に
「特定放射性廃棄物小委員会」が設置されました。文献調査実施地域の拡大に向けた取組・検討課題
へ対応していくことになります。
くろまる「文献調査報告書」の縦覧・説明会開催の期間を見直しへ
文献調査報告書の内容について丁寧な説明を行うようにとのご意見なども踏
まえ、現行の関連法施行規則に定められた同報告書の「公告・縦覧」 「説明
会の開催」を行う期間について、現行の1月間を1月間以上に設定できるよう
見直すこととし、国は11月14日まで同規則の省令改正についてパブリックコメ
ントを実施。今後開催される同小委員会で結果が報告される予定です。
全国行脚(国を挙げた体制構築)
国・NUMO・電力の合同チームでは、2023年10月末時点で43市町村の首長を訪問、最終処分事業につ
いて「地域住民への理解活動が重要」などのコメントを得た旨が報告されました。少なくとも100自治体を当面
の目標としつつ、複数年かけて科学的特性マップの全てのグリーン沿岸部を訪問することを目指しています。
進捗報告
流れの概要
TOPIC
文献調査開始
評 価
文献・データ収集
意見概要、見解を
知事・市町村長に送付
報告書を
知事・市町村長に送付
寄せられた意見の概要及び
それに対する見解を作成
説 明 会 の 実 施
意 見 の 受 付
公 告 ・ 縦 覧
報 告 書 作 成

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /