原子力発電情報公開ライブラリー「ニューシア」運用手引き(案)


原子力施設情報公開ライブラリー「ニューシア」
運 用 手 引 き
制 定 2004. 5.14
最終改訂 2023年3月24日
原 子 力 安 全 推 進 協 会
改訂履歴
NO 制定・改訂 理由
0 2004. 5.14制定 原子力発電情報公開ライブラリー
「ニューシア」
の運用について
明確化を図るため制定
1 2004.10. 4改訂 「美浜3号機 2 次系配管破損事故」
を受け,
保全品質情報基準の
事例を追加
2 2004年12月15日改訂 日本原燃(株)のサイクル施設の情報を追加
3 2005. 6.14改訂 電力中央研究所原子力情報センター業務を日本原子力技術協会
(以下,
「原技協」という)へ移管
本運用手引きの所管を電気事業連合会から原技協へ移管
サイクル施設追加に伴い,
ニューシアの正式名称を
「原子力施設
情報公開ライブラリー」に変更
4 2005年10月28日改訂 海外情報を追加
5 2006. 2. 8改訂 ・実用発電用原子炉の設置,
運転等に関する規則等の改正に伴う
変更
・海外情報の定義の明確化
6 2007. 5.31改訂 発電設備点検結果を踏まえた再発防止対策として,
保全品質情報
の登録基準の追加並びに明確化
7 2007. 8.24改訂 日本原燃(株)サイクル施設の保全品質情報の登録基準の追加並び
に明確化
8 2008. 8. 1改訂 保全品質情報登録基準の記載内容の明確化
9 2009. 2. 4改訂 原子炉施設保安検査実施要領(内規)の改正に伴う変更
10 2012. 7.27改訂 他プラントに対する水平展開対策検討の要/不要について,
原技
協で判断し入力することに伴う変更
(2012.8.6より適用)
11 2012.11. 8改訂 ・原子力規制委員会設置に伴う法令改正による変更(2012.
9.19より適用)
・日本原子力技術協会から原子力安全推進協会(以下,
「原安進」
という。
)に組織変更されることに伴う変更(2012.11.
15より適用し,2012年11月14日までは,
「原技協」に
読み替える)
12 2013. 2.14改訂 日本原燃(株)サイクル施設の他プラント
(国内原子力発電所)
に対
する水平展開対策検討に係る情報を追加
(2013年3月実施予
定のシステム変更後から適用し,
対象となるトラブルは,2012.8.6以降,原安進が水平展開対策検討の要/不要を判断し
たものとする)
13 2013. 7. 5改訂 実用炉規則の改訂および
「東京電力株式会社福島第一原子力発電
所原子炉施設についての核原料物質,
核燃料物質及び原子炉の規
制に関する法律の特例」
の制定に伴う記載の変更
(2013.7.8より適用)
14 2013年11月25日改訂 保全品質情報基準
「トラブル発生の未然防止の観点から再発防止
対策を図るとき」記載内容の明確化(改訂後速やかに適用)
発電用軽水型原子炉施設の新規制基準施行に伴う変更
(該当する
設備の使用前検査合格後から適用)
NO 制定・改訂 理由
15 2014年12月10日改訂 ・
(独)日本原子力研究開発機構もんじゅの情報追加・(独)日本原子力研究開発機構もんじゅの他プラント(国内原
子力発電所)に対する水平展開対策検討に係る情報を追加
16 2016. 4. 1改訂 ・
「その他情報」の定義の明確化・新規制基準適用審査前後の対象プラントが実施する保全品質情
報基準を添付-1(1/2)
,添付-1(2/2)に分け明確化・
新規制基準適用審査後のプラントに対する保全品質情報基準の
追加(該当する設備の使用前検査合格後から適用)
17 2016. 7. 1改訂 ・保全品質情報基準
「トラブル発生の未然防止の観点から再発防
止対策を図るとき」記載内容の明確化
18 2016. 8.17改訂 ・保全品質情報基準に模造品・偽造品の発見情報を追加
19 2017.10. 25改訂 ・保全品質情報基準「保安規定違反があったとき」の対象に監視
を追加
・保全品質情報の登録時期「報道発表を伴わない場合」について
記載を適正化
20 2020.4. 1改訂 ・原子力規制委員会の検査制度の見直しに伴う変更。
21 2020.11. 4改訂
・2020 年 4 月 1 日から新検査制度が導入され,
「保安規定違反」
という概念がなくなったことから,適切な文言に改正(「保安規定違反」を「検査指摘事項の深刻度」に変更)
22 2021年6月14日改訂 ・組織改編(本部制の廃止等)に伴う改訂
23 2022年12月20日改訂
・保全品質情報基準の見直し(「火災」および「検査指摘事項の深刻度」の記載見直し)
・その他記載の適正化
24 2023年3月24日改訂
・保全品質情報基準の見直し
(検査指摘事項等に関する基準の削除)
原子力施設情報公開ライブラリー「ニューシア」運用手引き
目 次
I.国内原子力発電所のトラブル情報等 .................................................................................................. 1
1.基本的考え方................................................................................................................................... 1
2.登録する情報................................................................................................................................... 1
3.情報の登録時期等............................................................................................................................ 2
4.運 用 .......................................................................................................................................... 3
II.国内サイクル施設のトラブル情報等 .................................................................................................. 4
1.基本的考え方................................................................................................................................... 4
2.登録する情報................................................................................................................................... 4
3.情報の登録時期等............................................................................................................................ 5
4.運 用 .......................................................................................................................................... 5
III.国内新型炉(もんじゅ)のトラブル情報等 ....................................................................................... 6
1.基本的考え方................................................................................................................................... 6
2.登録する情報................................................................................................................................... 6
3.情報の登録時期等............................................................................................................................ 7
4.運 用 .......................................................................................................................................... 7
IV.海外情報.............................................................................................................................................. 8
1.基本的考え方................................................................................................................................... 8
2.登録する情報................................................................................................................................... 8
3.情報の登録時期等............................................................................................................................ 8
4.運 用 .......................................................................................................................................... 9
【 添 付 資 料 】.......................................................................................................................... 10
国内原子力発電所の保全品質情報基準(新規制基準適用審査前のプラント)................................11
国内原子力発電所の保全品質情報基準(新規制基準適用審査後のプラント)............................... 16
国内サイクル施設の保全品質情報基準............................................................................................. 21
国内新型炉(もんじゅ)の保全品質情報基準.................................................................................. 25 1I.国内原子力発電所のトラブル情報等
1.基本的考え方
国内原子力発電所のトラブル情報等のニューシアへの登録は,次の考え方による。
だいやまーく 国内原子力発電所で発生する異常事象のうち,法令に基づき国への報告が必要な
「トラブル情報」
を登録することはもとより,
法令に基づく報告が不要な事象であ
っても,
・将来大きなトラブルに発展する前触れとして他社に注意喚起できる
・事象の発生状況を蓄積し,傾向分析することにより,他のプラントで適切な予防
保全対策に繋げることができる
・確率論的安全評価に用いる故障率データの精度を高めることができる
等の観点から,国内電力各社(電力9社+日本原電+電源開発)で情報共有化する
意義の高いものを「保全品質情報」として登録・共有化し,原子力施設の運転保守
業務に活用することにより,保安活動の充実と強化を図る。
なお,
「トラブル情報」及び「保全品質情報」以外の情報を登録する場合には,
「トラブル情報」及び「保全品質情報」とは区別して「その他情報」として掲載するだいやまーく 国内電力各社間の共有情報のうち,1個人のプライバシー,2企業秘密,3核物質
防護,4核拡散に関係するものを除き,メーカなど産業界と,国,大学,研究機関
など産官学で共有できるよう公開することにより,設計者,規制担当者,学識経験者,研究者など多くの専門家から保安活動に対する評価や助言を得て,
保安活動の
更なる向上に繋げる。
だいやまーく 更に,
一般の方々も共有情報を閲覧できるようにすることにより,
トラブルの未然
防止,
再発防止のための活動に努めていることを知っていただき,
国内発電所の保
安活動に対する一般の方々の理解促進に繋げる。
だいやまーく 原安進がシステム全般の維持管理を行い,国内電力各社が,事象発生の都度,情報
の登録を行う。
2.登録する情報
(1)トラブル情報等a.「トラブル情報」
法令(「実用発電用原子炉の設置,
運転等に関する規則
(実用炉規則)
第 134 条(事
故故障等の報告)」(福島第一原子力発電所においては,特定原子力施設に関する
保安又は特定核燃料物質の防護のための措置を実施するための計画(実施計画)認
可後より,
「東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核
燃料物質の防護に関する規則第18条(事故故障等の報告)」)および「原子力発 2電工作物に係る電気関係報告規則第 3 条(事故報告)」
)に基づき,国への報告が必
要となる事象b.「保全品質情報」
国へ報告する必要のない軽微な事象であるが,保安活動の向上の観点から電力各
社はもとより,産官学で情報共有することが有益な情報
具体的には,添付-1のとおり。c.「その他情報」
「トラブル情報」及び「保全品質情報」以外の情報
(2)信頼性情報
確率論的安全評価のための各機器の故障率算出結果 等
3.情報の登録時期等
(1)登録時期
a.トラブル情報:
会社名,発生日時,ユニット名,件名,事象発生時の状況の各項目
・・・・・・ 発生報道発表後 原則7日以内
上記以外の全ての項目 ・・・・・・ 原因対策報道発表後 原則14日以内
b.保全品質情報:
1発生報道発表及び原因対策報道発表を共に行う場合
トラブル情報に準ずる。
2原因対策報道発表のみを行う場合
全ての項目 ・・・・・・・・・・ 原因対策報道発表後 原則14日以内
3報道発表を伴わない場合
全ての項目 ・・・・・・・・・・ 原因対策確定後 原則14日以内
c.その他情報:
保全品質情報に準ずる。
なお,報道発表とはホームページ等での公開を含む
(2)登録箇所
当該電力がそれぞれ入力する。ただし,他プラント(国内原子力発電所)に対す
る水平展開対策検討の要/不要については,原安進で判断し入力する。 3(3)各社水平展開実施状況の登録
原安進が他プラントに対する水平展開対策検討の要/不要を入力した後,国内各
社は,速やかに検討に着手し,検討結果が纏まり次第,実施状況を登録する。
4.運 用
(1)運用方法の改善
原安進の評議員会において頂いたニューシアに関するご意見,ニューシアを利用
される方から頂いたご意見・ご要望,運用の過程で業界内外から寄せられたご意見
等につきましては,原安進の会議体において検討・審議を行い,運用方法の改善に
努めることとする。
(2)システムの維持管理
システムの維持管理については,原安進にて実施する。 4II.国内サイクル施設のトラブル情報等
1.基本的考え方
国内サイクル施設のトラブル情報等のニューシアへの登録は,次の考え方による。
だいやまーく国内サイクル施設で発生するトラブル情報等のうち,
法令に基づき国への報告が必要
な情報を登録することはもとより,法令に基づく報告が不要な情報であっても,
・将来大きなトラブルに発展する前触れとして他社に注意喚起できる
・事象の発生状況を蓄積し,傾向分析することにより,他の施設で適切な予防保全対
策に繋げることができる
等の観点から,国内原子力事業者間で情報共有化する意義の高いものを「保全品質情
報」として登録・共有化し,国内原子力施設の運転保守業務に活用することにより,
保安活動の充実と強化を図る。
なお,
「法令報告事象」及び「保全品質情報」以外の情報を登録する場合には,
「法
令報告事象」及び「保全品質情報」とは区別して「その他情報」として掲載する。
だいやまーく登録情報のうち,1個人のプライバシー,2企業秘密,3核物質防護,4核拡散に
関係するものを除き,メーカなど産業界と,国,大学,研究機関など産官学で共有
できるよう公開することにより,設計者,規制担当者,学識経験者,研究者など多
くの専門家から保安活動に対する評価や助言を得て,保安活動の更なる向上に繋げ
る。
だいやまーく更に,一般の方々も共有情報を閲覧できるようにすることにより,トラブルの未然
防止,再発防止のための活動に努めていることを知っていただき,国内サイクル施
設の保安活動に対する一般の方々の理解促進に繋げる。
だいやまーくシステムの開発を担当した原安進がシステム全般の維持管理を行い,国内サイクル
施設事業者が,事象発生の都度,情報の登録を行う。
2.登録する情報
(1)トラブル情報等a.「法令報告事象」
法令(
「核燃料物質の加工の事業に関する規則(加工規則)第 9 条の 16(事故故障
等の報告)」,「核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の第二種廃棄物埋
設の事業に関する規則(廃棄物埋設規則)第 22 条の 17(事故故障等の報告)」,「核
燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の廃棄物管理の事業に関する規則
(廃棄物管理規則)第 35 条の 16(事故故障等の報告)」及び「使用済燃料の再処理
の事業に関する規則(再処理規則)第 19 条の 16(事故故障等の報告)」に基づき,
国への報告が必要となる事象 5b.
「保全品質情報」
国へ報告する必要のない軽微な事象であるが,保安活動の向上の観点から原子
力事業者はもとより,産官学で情報共有することが有益な情報
具体的には,添付-2のとおりc.「その他情報」
「法令報告事象」及び「保全品質情報」以外の情報
3.情報の登録時期等
(1)登録時期
1発生報道発表時
施設名,発生日時,件名,事象発生時の状況の各項目
・・・・・・ 発生報道発表後 原則7日以内
2原因対策報道発表時
上記以外の項目
・・・・・・ 原因対策報道発表後 原則14日以内
なお,報道発表とはホームページ等での公開を含む
(2)登録箇所
日本原燃(株)が入力する。ただし,他プラント(国内原子力発電所)に対する
水平展開対策検討の要/不要については,原安進で判断し入力する。
(3)電気事業者各社水平展開実施状況の登録
原安進が他プラント(国内原子力発電所)に対する水平展開対策検討の要/不要
を入力した後,
電気事業者各社は,
速やかに検討に着手し,
検討結果が纏まり次第,
実施状況を登録する。
4.運 用
「I.国内原子力発電所のトラブル情報等」に同じ。 6III.国内新型炉(もんじゅ)のトラブル情報等
1.基本的考え方
国内新型炉(もんじゅ)のトラブル情報等のニューシアへの登録は,次の考え方に
よる。
だいやまーく国内新型炉(もんじゅ)で発生するトラブル情報等のうち,法令に基づき国への報
告が必要な情報を登録することはもとより,法令に基づく報告が不要な情報であっ
ても,
・将来大きなトラブルに発展する前触れとして他社に注意喚起できる
・事象の発生状況を蓄積し,傾向分析することにより,他の施設で適切な予防保全
対策に繋げることができる
等の観点から,国内原子力事業者間で情報共有化する意義の高いものを「保全品質
情報」として登録・共有化し,国内原子力施設の運転保守業務に活用することによ
り,保安活動の充実と強化を図る。
なお,「法令報告事象」及び「保全品質情報」以外の情報を登録する場合には,
「法令報告事象」及び「保全品質情報」とは区別して「その他情報」として掲載す
る。
だいやまーく登録情報のうち,1個人のプライバシー,2企業秘密,3核物質防護,4核拡散に
関係するものを除き,メーカなど産業界と,国,大学,研究機関など産官学で共有
できるよう公開することにより,設計者,規制担当者,学識経験者,研究者など多
くの専門家から保安活動に対する評価や助言を得て,保安活動の更なる向上に繋げ
る。
だいやまーく更に,一般の方々も共有情報を閲覧できるようにすることにより,トラブルの未然
防止,再発防止のための活動に努めていることを知っていただき,国内新型炉(も
んじゅ)の保安活動に対する一般の方々の理解促進に繋げる。
だいやまーくシステムの開発を担当した原安進がシステム全般の維持管理を行い,
国内新型炉(もんじゅ)施設事業者が,事象発生の都度,情報の登録を行う。
2.登録する情報
(1)トラブル情報等a.「法令報告事象」
法令
「研究開発段階にある発電の用に供する原子炉の設置,
運転等に関する規則
第129条(事故故障等の報告)」および「原子力発電工作物に係る電気関係報告規
則第 3 条(事故報告)」に基づき,国への報告が必要となる事象b.「保全品質情報」
国へ報告する必要のない軽微な事象であるが,保安活動の向上の観点から原子
力事業者はもとより,産官学で情報共有することが有益な情報
具体的には,添付-3のとおり 7c.
「その他情報」
「法令報告事象」及び「保全品質情報」以外の情報
3.情報の登録時期等
(1)登録時期
1発生報道発表時
施設名,発生日時,件名,事象発生時の状況の各項目
・・・・・・・・ 発生報道発表後 原則7日以内
2原因対策報道発表時
上記以外の項目 ・・・・・・・・ 原因対策報道発表後 原則14日以内
なお,報道発表とはホームページ等での公開を含む
(2)登録箇所
(独)日本原子力研究開発機構もんじゅが入力する。ただし,他プラント(国内
原子力発電所)に対する水平展開対策検討の要/不要については,原安進で判断し
入力する。
(3)電気事業者各社水平展開実施状況の登録
原安進が他プラント(国内原子力発電所)に対する水平展開対策検討の要/不要を
入力した後,電気事業者各社は,速やかに検討に着手し,検討結果が纏まり次第,実
施状況を登録する。
4.運 用
「I.国内原子力発電所のトラブル情報等」に同じ。 8IV.海外情報
1.基本的考え方
海外情報のニューシアへの登録は,次の考え方による。
だいやまーく海外のトラブル情報等のうち,米国原子力規制委員会(Nuclear Regulatory
Commission;以下,「NRC」という)が発行する規制情報を登録し,国内電力各社で
共有化し,原子力施設の運転保守業務に活用することにより,保安活動の充実と強
化を図る。
だいやまーくメーカなど産業界と,国,大学,研究機関など産官学で共有できるよう公開するこ
とにより,設計者,規制担当者,学識経験者,研究者など多くの専門家から保安活
動に対する評価や助言を得て,保安活動の更なる向上に繋げる。
だいやまーく更に,一般の方々も共有情報を閲覧できるようにすることにより,海外のトラブル
情報等に対しても国内でのトラブル未然防止のための活動に努めていることを知っ
ていただき,発電所の保安活動に対する一般の方々の理解促進に繋げる。
だいやまーく原安進がシステム全般の維持管理及び情報の登録作業を行うことを原則とする。
2.登録する情報
NRC発行の以下の情報とそれに対する国内電力会社の対応
1 Bulletin
NRCの原子炉規制局または核物質安全保障措置局が被認可者に対し,
安全上,
環境
上または保障措置上の重要な共通問題(または共通する可能性のある問題)につい
て,関連情報の提出や対策の実施を要求する通達
2 Generic Letter
NRCの原子炉規制局または核物質安全保障措置局が,
被認可者または許認可申請者
に対し,複数のタイプの原子力施設に共通する規制要求や指針を伝える通達
3 Information Notice
NRCの原子炉規制局または核物質安全保障措置局が被認可者に対し,
安全上,
環境
上,もしくは保障措置上の重要かもしれない問題について,早期に伝え注意を促す
通知であるが,特定の措置あるいは文書での回答を要求するものではない
3.情報の登録時期等
(1)登録時期
半期毎。ただし,緊急性,注目度の高い件名については,速やかに行う。
(2)登録箇所
原則として,原安進が入力する。ただし,国内電力会社の対応については,国内電 9力の情報に基づき入力する。
4.運 用
「I.国内原子力発電所のトラブル情報等」に同じ。
附則
この手引きは2023年4月1日から施行する。 10【 添 付 資 料 】
添付資料については,保全品質情報基準の具体的な事例を例示したものである。
事例内の"例"は,当該の保全品質情報基準に該当する具体的な事象例であり,
全ての事象を例示したものではない。 11添付-1(1/2)
国内原子力発電所の保全品質情報基準(新規制基準適用審査前のプラント)
国へ報告する必要のない軽微な事象(
「トラブル情報」を除く事象)であるが,以下に示す「安全に係る情
報」及び「トラブル発生の未然防止の観点から再発防止対策を図る情報」を登録している。
しろまる安全に係る情報
保全品質情報基準 事例
1 安全上重要な機器等(*1) および
常設重大事故等対処設備に,変形,欠陥,
ひび割れ,
減肉,
摩耗,
ピンホール等による損傷又はそ
の徴候があったとき
しかく他プラントの水平展開に係る点検・検査において指示を認め処置を行った
もの
しかく非破壊検査で有意な指示を認め,
評価等を行った上で運転を継続するもの
しかく非破壊検査で有意な指示を認め,
次サイクル以降の健全性に影響を及ぼす
可能性があると評価され,
手入れを実施することにより健全性を確保した
もの
しかく予定外に主要部品を取替えたもので過去に同種事象が発生していないものしかく機器の健全性には問題ないものの,
信頼性向上の観点から仕様変更を実施
したもの
2 運転上の制限(*2)を逸脱したとき3 故障により,
原子炉の運転が停止
したとき又は 5 パーセントを超
える原子炉の出力変化が生じた
とき
4 火災(*3)が発生したとき
5 作業,操作により設計,運用上考
慮されないような重大な影響が
発生する可能性があった時
(ここでいう「重大な影響」とは,
プラントの「止める」
「冷やす」
「閉じ込める」機能に影響があっ
た場合を言う)
しかく「止める」機能に影響があった場合
例・燃料の誤挿入
・ホウ素希釈時の外部電源喪失
・制御棒引抜監視装置の動作不良
・臨界近接時の制御棒価値ミニマイザの動作不良
しかく「冷やす」機能に影響があった場合
例・誤った CRD 閉止板の取り外しによる原子炉水位の低下
・誤った核計装系(SRM,IRM,SRNM,LPRM)の引き抜きに伴う原子炉水
位の低下
・給水加熱性能に影響する可能性のある給水加熱器内のひび
・逃がし安全弁の誤開放に至る可能性のある事象
・ミッドループ運転時に弁の誤操作や手順の不備等で,
プラントへの影
響は生じなかったが,原子炉の水位が低下した場合
しかく「閉じ込める」機能に影響があった場合
例・低温過加圧事象(高圧注入系誤起動と加圧器逃がし弁の動作不良)
・原子炉建屋を負圧に保つことが必要な時期に,二重扉が同時に開放
となった場合 12しろまる解説
*1(安全上重要な機器等):原子力規制委員会が定める原子炉施設の安全を確保する上で重要な機器及び構造物,および福島第一原子
力発電所特定原子力施設に係る実施計画に定めたもの。
*2(運転上の制限):保安規定で定める運転上の制限(LCO:Limiting Condition of Operation)は,この範囲内で運転して
いれば十分に安全を確保できる設備の機能的能力又は性能水準を示したものである。すなわち,LCOを満
足していない状態(LCO逸脱)となった場合は安全水準が劣化している可能性はあるものの,LCO逸脱
ということだけで直ちに安全上の重大な問題を生じていることを意味するものではない。保安規定は,個々
のLCO逸脱に対して「要求される措置」を定めているものであり,それぞれに定められた期限内に「要求
される措置」を講じることを求めている。
なお,LCO逸脱により安全上の重大な問題を生じている場合は,保安規定に従い,直ちに原子炉の停止
が必要とされている。
*3(火災):原則,保全品質情報としてニューシアに登録する。他に優先する事項(法令等)がある場合は,当該事業
者の判断により情報区分を判断することになる。保全品質情報以外の情報区分でニューシアに登録するケー
スについては,その理由を明確にする。 13しろまるトラブル発生の未然防止の観点から再発防止対策を図る情報(「安全に係る情報」に該当しない場合に参照し,設備の重要度や再発防止対策(他プラントへの水平展開
の可能性を含む)の有無を勘案する)
保全品質情報基準 事例
6 トラブル発生の未然防止
の観点から再発防止対策
を図るとき
(続きあり)
しかく主配管,主要弁,ポンプなどの重要な部位,項目が点検リストから漏れていた
場合
しかく管理区域内において,放射性物質が機器の故障,誤操作等により漏えいした場
合(×ばつ106
Bq を超えるおそれがある場合)
例・原子炉水位用計装配管貫通部修理で安全処置のミスにより漏えい(堰外,
145 ×ばつ106Bq)・原子炉冷却材浄化系ポンプ入口配管フランジ部の漏えい(堰内,20cc,ダ
スト放射線モニタの有意な指示値の上昇)
しかく炉内(炉内に持ち込まれる可能性がある場合を含む。),使用済み燃料プール,
サプレッションプール等での異物発見,回収があり,異物の発生状況やルース
パーツの観点から,他社に注意を喚起すべき場合
例・主蒸気ラインプラグ取り外し作業中にチェーンリングが炉内に落下
・給復水系のサンプリングノズルが折損
・高圧炉心スプレイ系スパージャノズルのデフレクタが脱落
しかく安全上重要な機器等および常設重大事故等対処設備に係る再発防止対策の検
討が必要なもの
a.運転中の安全上重要な機器等および常設重大事故等対処設備に有意な状態
変化(機器の損傷やその兆候に該当すると判断しかねる状態)が見られ,点
検や取替等を実施した結果,
定期的な点検内容・頻度見直し等の再発防止対
策を実施したもの
例・余熱除去ポンプモータに異音が発生し,
振動値は点検すべき閾値よりか
なり低かったが,念のため分解点検を実施したところ,消耗品交換で対
応できたものの,再発防止対策として定期点検時の点検方法を変更
b.安全上重要でない機器等を含む設備の定期点検において,
損傷した箇所の原
因・環境が安全上重要な機器等の設備と共通で,
安全上重要な機器の類似箇
所に対しても健全性確認を必要とする等の再発防止対策を実施決定したも
の(常設重大事故等対処設備にも同様に適用する)例・
安全上重要な機器に該当しない範囲の残留熱除去機器冷却海水系配管の
ライニングに剥離が見られ,要因が運用管理(弁の中間開度)によるも
のであり,類似の安全上重要な配管についても同様な運用管理は実施し
ないこととした 14保全品質情報基準 事例
6 トラブル発生の未然防止
の観点から再発防止対策
を図るとき
(前ページからの続き)
しかくプラント運転及び運転継続に影響を及ぼす可能性がある機器に異常(動作不
良,停止,損傷など)が発生し定期的な点検内容・頻度見直し等の再発防止対
策の検討が必要な場合
例・蒸気発生器圧力伝送器のコンデンサの絶縁抵抗低下に伴い,圧力指示変動
「工安系パーシャル作動」警報発生
・高圧注入系の定例試験時に微量な蒸気漏えい
・タービン動原子炉給水ポンプのハウジングの一部が損傷
・余熱除去クーラ下部フランジボルトの締め付け不足により微量の漏えい
・給水加熱器出入口水室仕切りふたの締付けボルトが,締付け不足により脱落・タービン動主給水ポンプ用ブースターポンプ出口配管と給水配管接続部が
溶接欠陥により漏えい
・接地線を使用しない誤った設計となっていたため,主要変圧器フランジ部
より漏えい
・原水タンクを空気の取入口が無い状態で水抜きしたことにより,タンクの
一部が変形
・給水逆止弁の弁蓋・弁箱とボルトとの熱膨張・収縮の追従差により,フラ
ンジから極微量のにじみ
・原子炉冷却材再循環ポンプ メカニカルシールのシール機能の低下
・低圧タービンのグランド蒸気がフランジ面に浸入し,パッキン効果が薄れ
漏えい
・タービン潤滑油ドレンガード管の振動等により経年的に疲労し,当該管の
サポートパイプ閉止栓からにじみ
・原子炉給水ポンプ メカニカルシールのシール機能の低下
・給水系のドレン配管取付座の高サイクル疲労により漏えい
・非常用ディーゼル発電機の定例試験時に調速装置の不良により過速度トリ
ップ
・雨水で碍子が絶縁低下し,非常用母線の地絡・短絡発生
・タービン動主給水ポンプ保安装置試験にて,遮断子押さえバネの欠損によ
り過速度トリップ装置の動作不良
・非常用予備発電装置機能検査にて,片系の非常用ディーゼル発電機が始動
空気制御弁の動作不良により起動失敗
・原子炉冷却材浄化系ポンプ出口逆止弁のロッド位置調整用ワッシャの損傷
・主給水ポンプの増速機に異音が確認され,分解点検の結果,歯車に浸透探
傷検査指示
・給水逆止弁のスピンドルワッシャが流体振動により損傷
・燃料取替機のクレーン垂直方向位置検出器の伝達軸破損により位置検出で
きず,使用済燃料プール底面に着座
・タービン駆動給水ポンプグランド蒸気排気管エルボ部,復水ポンプミニマ
ムフロー配管オリフィス下流部等のエロージョン
・給水加熱器ドレンタンク常用水位調整弁とレデューサ溶接線部のエロージ
ョン・コロージョンにより漏えい
・可動小型中性子束検出器 1 本の所在不明に係る調査のため,原子炉起動を
一時延期
・主タービンの非常用調速機油圧トリップ試験で,動作油供給ラインノズル
の位置ズレにより過速度トリップ装置の動作不良
・燃料装荷開始以降に発生した中性子源領域計装の動作不良(保安規定上機
能要求がある機器) 15保全品質情報基準 事例
6 トラブル発生の未然防止
の観点から再発防止対策
を図るとき
(前ページからの続き)
しかく放射線管理,放射性廃棄物管理上の不適合が発生した場合
例・放射線監視機能や計測機能が監視,計測不能になる可能性がある場合など
機能に影響がある場合
・放射線業務従事者の計画外の被ばくがあった場合
・放射性物質の内部取り込みがあった場合
・放射線管理区域(飛び地,一時的な放射線管理区域を含む)への入退域を,
手続きをおこなわず実施した場合
・放射線業務従事者が管理区域へ 10 時間を超えて入域した場合
・六ヶ所搬出用低レベル放射性廃棄物の廃棄物埋設確認申請用の放射能量デ
ータに不適合が発生した場合
しかく可搬型重大事故等対処設備に異常(動作不良,停止,損傷)が発生し,定期的
な点検内容・頻度見直し等の再発防止対策の検討が必要な場合
しかく法令・規制要求事項で定められている点検を実施できていないなど,保全計画
等に不備が認められた場合
例・高圧ガス保安法に基づく点検が未実施であった場合
・電気事業法施行規則に定める時期までの定期事業者検査の未実施が判明し
た場合
しかく安全上重要な機器等に使用する(又は,使用されている)製品(汎用品を含む)
に,模造品又は偽造品が発見(*4)された場合。
例・原子炉圧力計の受入検査を行ったところ,
圧力計の目盛線ににじみがあり,
線の太さも均一でなかったため,調査した結果,当該圧力計が模造品であ
ることが判明した場合
・原子炉隔離時冷却系設備の点検において,タービン入口蒸気配管フランジ
のガスケットが熱により変形していたため,調査した結果,当該ガスケッ
トが偽造品であることが判明した場合
・予備品として保管していた非常用ディーゼル発電機のインジケーターコッ
ク用のOリングの証明書と実物の寸法が異なっていたため,
調査した結果,
当該Oリングが偽造品であることが判明した場合
なお,本登録基準については,適宜,見直しを行う。
しろまる解説
*4(模造品・偽造品の発見):a. 調達品の受入検査における発見情報
b. 原子力施設の運転及び点検・保守における発見情報
c. 予備品等の点検時における発見情報 16添付-1(2/2)
国内原子力発電所の保全品質情報基準(新規制基準適用審査後のプラント)
国へ報告する必要のない軽微な事象(
「トラブル情報」を除く事象)であるが,以下に示す「安全に係る情
報」及び「トラブル発生の未然防止の観点から再発防止対策を図る情報」を登録している。
しろまる安全に係る情報
保全品質情報基準 事例
1 安全上重要な機器等(*1) および
常設重大事故等対処設備に,変形,欠陥,
ひび割れ,
減肉,
摩耗,
ピンホール等による損傷又はそ
の徴候があったとき
しかく他プラントの水平展開に係る点検・検査において指示を認め処置を行った
もの
しかく非破壊検査で有意な指示を認め,
評価等を行った上で運転を継続するもの
しかく非破壊検査で有意な指示を認め,
次サイクル以降の健全性に影響を及ぼす
可能性があると評価され,
手入れを実施することにより健全性を確保した
もの
しかく予定外に主要部品を取替えたもので過去に同種事象が発生していないものしかく機器の健全性には問題ないものの,
信頼性向上の観点から仕様変更を実施
したもの
2 運転上の制限(*2)を逸脱したとき3 故障により,
原子炉の運転が停止
したとき又は 5 パーセントを超
える原子炉の出力変化が生じた
とき
4 火災(*3)が発生したとき
5 原子炉施設内で溢水が発生した
とき(*4)例・原子炉補助建屋内の配管破損による溢水発生
・ディーゼル発電気室給気ファン室の火災消火活動に伴う溢水発生
6 作業,操作により設計,運用上考
慮されないような重大な影響が
発生する可能性があった時
(ここでいう「重大な影響」とは,
プラントの「止める」
「冷やす」
「閉じ込める」機能に影響があっ
た場合を言う)
しかく「止める」機能に影響があった場合
例・燃料の誤挿入
・ホウ素希釈時の外部電源喪失
・制御棒引抜監視装置の動作不良
・臨界近接時の制御棒価値ミニマイザの動作不良
しかく「冷やす」機能に影響があった場合
例・誤った CRD 閉止板の取り外しによる原子炉水位の低下
・誤った核計装系(SRM,IRM,SRNM,LPRM)の引き抜きに伴う原子炉水
位の低下
・給水加熱性能に影響する可能性のある給水加熱器内のひび
・逃がし安全弁の誤開放に至る可能性のある事象
・ミッドループ運転時に弁の誤操作や手順の不備等で,
プラントへの影
響は生じなかったが,原子炉の水位が低下した場合 17保全品質情報基準 事例
6 作業,操作により設計,運用上考
慮されないような重大な影響が
発生する可能性があった時
(ここでいう「重大な影響」とは,
プラントの「止める」
「冷やす」
「閉じ込める」機能に影響があっ
た場合を言う)
(前ページからの続き)
しかく「閉じ込める」機能に影響があった場合
例・低温過加圧事象(高圧注入系誤起動と加圧器逃がし弁の動作不良)
・原子炉建屋を負圧に保つことが必要な時期に,
二重扉が同時に開放と
なった場合
しろまる解説
*1(安全上重要な機器等):原子力規制委員会が定める原子炉施設の安全を確保する上で重要な機器及び構造物,および福島第一原子
力発電所特定原子力施設に係る実施計画に定めたもの
*2(運転上の制限):保安規定で定める運転上の制限(LCO:Limiting Condition of Operation)は,この範囲内で運転して
いれば十分に安全を確保できる設備の機能的能力又は性能水準を示したものである。すなわち,LCOを満
足していない状態(LCO逸脱)となった場合は安全水準が劣化している可能性はあるものの,LCO逸脱
ということだけで直ちに安全上の重大な問題を生じていることを意味するものではない。保安規定は,個々
のLCO逸脱に対して「要求される措置」を定めているものであり,それぞれに定められた期限内に「要求
される措置」を講じることを求めている。
なお,LCO逸脱により安全上の重大な問題を生じている場合は,保安規定に従い,直ちに原子炉の停止
が必要とされている。
*3(火災):原則,保全品質情報としてニューシアに登録する。他に優先する事項(法令等)がある場合は,当該事業
者の判断により情報区分を判断することになる。保全品質情報以外の情報区分でニューシアに登録するケー
スについては,その理由を明確にする。
*4(原子炉施設内における溢水の発生):発電所内に設置される機器の破損による漏水又は原子炉格納容器スプレイ及び消火栓等による放水が原因
で,系統外に放出された流体により原子力施設の安全性に影響を与えるもの及びその可能性のあるもの 18しろまるトラブル発生の未然防止の観点から再発防止対策を図る情報(「安全に係る情報」に該当しない場合に参照し,設備の重要度や再発防止対策(他プラントへの水平展開
の可能性を含む)の有無を勘案する)
保全品質情報基準 事例
7 トラブル発生の未然防止
の観点から再発防止対策
を図るとき
(続きあり)
しかく主配管,主要弁,ポンプなどの重要な部位,項目が点検リストから漏れていた
場合
しかく管理区域内において,放射性物質が機器の故障,誤操作等により漏えいした場
合(×ばつ106
Bq を超えるおそれがある場合)
例・原子炉水位用計装配管貫通部修理で安全処置のミスにより漏えい(堰外,
145 ×ばつ106Bq)・原子炉冷却材浄化系ポンプ入口配管フランジ部の漏えい(堰内,20cc,ダ
スト放射線モニタの有意な指示値の上昇)
しかく炉内(炉内に持ち込まれる可能性がある場合を含む。),使用済み燃料プール,
サプレッションプール等での異物発見,回収があり,異物の発生状況やルース
パーツの観点から,他社に注意を喚起すべき場合
例・主蒸気ラインプラグ取り外し作業中にチェーンリングが炉内に落下
・給復水系のサンプリングノズルが折損
・高圧炉心スプレイ系スパージャノズルのデフレクタが脱落
しかく安全上重要な機器等および常設重大事故等対処設備に係る再発防止対策の検
討が必要なもの
a.運転中の安全上重要な機器等および常設重大事故等対処設備に有意な状態
変化(機器の損傷やその兆候に該当すると判断しかねる状態)が見られ,点
検や取替等を実施した結果,定期的な点検内容・頻度見直し等の再発防止対
策を実施したもの
例・余熱除去ポンプモータに異音が発生し,
振動値は点検すべき閾値よりか
なり低かったが,念のため分解点検を実施したところ,消耗品交換で対
応できたものの,再発防止対策として定期点検時の点検方法を変更
b.安全上重要でない機器等を含む設備の定期点検において,
損傷した箇所の原
因・環境が安全上重要な機器等の設備と共通で,安全上重要な機器の類似箇
所に対しても健全性確認を必要とする等の再発防止対策を実施決定したも
の(常設重大事故等対処設備にも同様に適用する)例・
安全上重要な機器に該当しない範囲の残留熱除去機器冷却海水系配管の
ライニングに剥離が見られ,要因が運用管理(弁の中間開度)によるも
のであり,類似の安全上重要な配管についても同様な運用管理は実施し
ないこととした 19保全品質情報基準 事例
7 トラブル発生の未然防止
の観点から再発防止対策
を図るとき
(前ページからの続き)
しかくプラント運転及び運転継続に影響を及ぼす可能性がある機器に異常(動作不
良,停止,損傷など)が発生し定期的な点検内容・頻度見直し等の再発防止対
策の検討が必要な場合
例・蒸気発生器圧力伝送器のコンデンサの絶縁抵抗低下に伴い,圧力指示変動
「工安系パーシャル作動」警報発生
・高圧注入系の定例試験時に微量な蒸気漏えい
・タービン動原子炉給水ポンプのハウジングの一部が損傷
・余熱除去クーラ下部フランジボルトの締め付け不足により微量の漏えい
・給水加熱器出入口水室仕切りふたの締付けボルトが,
締付け不足により脱落・タービン動主給水ポンプ用ブースターポンプ出口配管と給水配管接続部が
溶接欠陥により漏えい
・接地線を使用しない誤った設計となっていたため,
主要変圧器フランジ部
より漏えい
・原水タンクを空気の取入口が無い状態で水抜きしたことにより,
タンクの
一部が変形
・給水逆止弁の弁蓋・弁箱とボルトとの熱膨張・収縮の追従差により,フラ
ンジから極微量のにじみ
・原子炉冷却材再循環ポンプ メカニカルシールのシール機能の低下
・低圧タービンのグランド蒸気がフランジ面に浸入し,
パッキン効果が薄れ
漏えい
・タービン潤滑油ドレンガード管の振動等により経年的に疲労し,
当該管の
サポートパイプ閉止栓からにじみ
・原子炉給水ポンプ メカニカルシールのシール機能の低下
・給水系のドレン配管取付座の高サイクル疲労により漏えい
・非常用ディーゼル発電機の定例試験時に調速装置の不良により過速度トリ
ップ
・雨水で碍子が絶縁低下し,非常用母線の地絡・短絡発生
・タービン動主給水ポンプ保安装置試験にて,
遮断子押さえバネの欠損によ
り過速度トリップ装置の動作不良
・非常用予備発電装置機能検査にて,
片系の非常用ディーゼル発電機が始動
空気制御弁の動作不良により起動失敗
・原子炉冷却材浄化系ポンプ出口逆止弁のロッド位置調整用ワッシャの損傷
・主給水ポンプの増速機に異音が確認され,分解点検の結果,歯車に浸透探
傷検査指示
・給水逆止弁のスピンドルワッシャが流体振動により損傷
・燃料取替機のクレーン垂直方向位置検出器の伝達軸破損により位置検出で
きず,使用済燃料プール底面に着座
・タービン駆動給水ポンプグランド蒸気排気管エルボ部,
復水ポンプミニマ
ムフロー配管オリフィス下流部等のエロージョン
・給水加熱器ドレンタンク常用水位調整弁とレデューサ溶接線部のエロージ
ョン・コロージョンにより漏えい
・可動小型中性子束検出器 1 本の所在不明に係る調査のため,
原子炉起動を
一時延期
・主タービンの非常用調速機油圧トリップ試験で,
動作油供給ラインノズル
の位置ズレにより過速度トリップ装置の動作不良
・燃料装荷開始以降に発生した中性子源領域計装の動作不良
(保安規定上機
能要求がある機器) 20保全品質情報基準 事例
7 トラブル発生の未然防止
の観点から再発防止対策
を図るとき
(前ページからの続き)
しかく放射線管理,放射性廃棄物管理上の不適合が発生した場合
例・放射線監視機能や計測機能が監視,計測不能になる可能性がある場合など
機能に影響がある場合
・放射線業務従事者の計画外の被ばくがあった場合
・放射性物質の内部取り込みがあった場合
・放射線管理区域
(飛び地,
一時的な放射線管理区域を含む)
への入退域を,
手続きをおこなわず実施した場合
・放射線業務従事者が管理区域へ 10 時間を超えて入域した場合
・六ヶ所搬出用低レベル放射性廃棄物の廃棄物埋設確認申請用の放射能量デ
ータに不適合が発生した場合
しかく可搬型重大事故等対処設備に異常(動作不良,停止,損傷)が発生し,定期的
な点検内容・頻度見直し等の再発防止対策の検討が必要な場合
しかく法令・規制要求事項で定められている点検を実施できていないなど,保全計画
等に不備が認められた場合
例・高圧ガス保安法に基づく点検が未実施であった場合
・電気事業法施行規則に定める時期までの定期事業者検査の未実施が判明し
た場合
しかく安全上重要な機器等に使用する(又は,使用されている)製品(汎用品を含む)
に,模造品又は偽造品が発見(*5)された場合。
例・原子炉圧力計の受入検査を行ったところ,
圧力計の目盛線ににじみがあり,
線の太さも均一でなかったため,調査した結果,当該圧力計が模造品であ
ることが判明した場合
・原子炉隔離時冷却系設備の点検において,タービン入口蒸気配管フランジ
のガスケットが熱により変形していたため,調査した結果,当該ガスケッ
トが偽造品であることが判明した場合
・予備品として保管していた非常用ディーゼル発電機のインジケーターコッ
ク用のOリングの証明書と実物の寸法が異なっていたため,調査した結
果,当該Oリングが偽造品であることが判明した場合
なお,本登録基準については,適宜,見直しを行う。
しろまる解説
*5(模造品・偽造品の発見):a. 調達品の受入検査における発見情報
b. 原子力施設の運転及び点検・保守における発見情報
c. 予備品等の点検時における発見情報 21添付-2
国内サイクル施設の保全品質情報基準
国へ報告する必要のない軽微な事象(
「法令報告事象」を除く事象)であるが,以下に示す「安全に係る情
報」などを登録している。
保全品質情報基準 事例
1 安全上重要な施設(*1)での軽度な故障等しかく安全上重要な施設(*1)の軽度な故障(*2)
しかく管理区域内での法令報告事象未満の放射性液体の漏えい(*2)
しかく事業所内の消防法に基づく危険物の流出(*2)
しかく故障等による保安規定の制限値逸脱(*2)
しかく法令報告事象未満の内部被ばく(*2)
しかく原料シリンダ,廃棄体,ガラス固化体,使用済燃料の受入基準を
満足しないとき
しかく事故等によりサイクル施設の運転・受入が停止したとき又は停止
することが必要になったとき
しかく放射線業務従事者に対して被ばくに伴う医療上の措置を行った
とき
しかく核燃料物質,放射性廃棄物,ガラス固化体,使用済燃料の輸送中
に事故が発生したとき
しかくサイクル施設で火災が発生したとき(法令報告事象を除く)
2 トラブル発生の未然防止の観点から再
発防止を図るとき
しかく安全上重要な施設(*1)のごく軽度な故障(*2)
しかく安全上重要な施設(*1)以外の主要な設備の故障(*2)
しかく非放射性の水等の想定外の漏えい(*2)
しかく放射性物質による床・壁等の汚染(*2)
しかく外部電源の喪失(*2)
しかく有意な運転監視データ指示値変動のうち,特に連絡を要するもの(*2)しかく安全上重要な施設(*1)に使用する(又は,使用されている)製品
(汎用品を含む)に,模造品又は偽造品が発見されたとき(*2)
なお,本登録基準については,適宜,見直しを行う。
しろまる解説*1:(安全上重要な施設):原子力規制委員会が定める
「再処理施設の位置,
構造及び設備の基準に関する規則」
に規定されているもの。
*2:事例の詳しい内容については,別紙による。 22別紙
事例 事例の詳しい内容
しかく安全上重要な施設の軽度な故障しかく管理区域内での法令報告事象
未満の放射性液体の漏えい
しかく事業所内の消防法に基づく危
険物の流出
しかく故障等による保安規定の制限
値逸脱
【ウラン濃縮】
・安全上重要な設備の1台構成の系統(熱的制限インターロック等)で1台が故
障し,消耗品等の交換により早期に復旧可能と判断できないとき(重量計は除く)・安全上重要な設備の2台構成の系統(第1種管理区域の排風機,非常用電源設
備,排気用モニタ,均質操作中の局所排気設備)で1台が故障し,早期に予備
機への切替えができないとき
・安全上重要な設備のインターロック(濃縮度管理インターロック,熱的制限イ
ンターロック)が作動したとき又はそれと同等の手動により工程停止したとき・機器の故障によりカスケード設備の生産が停止又は中断したとき
【再処理】
・保安規定に規定する保安上特に管理を必要とする設備に求められる状態を満
足していない場合において,保安規定で要求される措置(複数ある場合は,最
初の措置)を講じることができないとき〈多重性が要求されている2台構成の
系統(プール補給水ポンプ,分離建屋排風機等)で1台が故障した場合又は3
台構成の系統(プール水冷却系ポンプ,前処理建屋排風機等)で2台が故障し
た場合で,保安規定で要求する期間内に復旧可能と判断できないとき〉
【サイクル施設共通】
・管理区域内で1リットル以上の放射性液体が漏えいしたとき
【ウラン濃縮,高レベル放射性廃棄物】
・重油貯槽,軽油貯槽から防油堰内へ重油又は軽油が流出したとき
【再処理】
・重油貯槽から防油堰内へ重油が流出したとき
・貯蔵タンクからの水素ガス又はプロパンガスが漏えいしたとき
・硝酸等の薬品の漏えいに伴う NOX 等の発生により,火災報知器が発報したとき
【ウラン濃縮】
・シリンダ類を吊り上げた際に吊り上げ高さ制限を超えたとき又はシリンダ類
の充填量が最大充填量を超えたとき
【低レベル放射性廃棄物】
・廃棄体を取扱い中に,吊り上げ高さ制限を超えたとき
【高レベル放射性廃棄物】・受入れ建屋天井クレーン又はガラス固化体検査室天井クレーン吊り上げ高さ制
限を超えたとき
【再処理】
・使用済燃料の吊り上げ高さ又は吊り上げ時の水深,燃料貯蔵プール水の水質,
ガラス固化体の吊り上げ高さについて,保安規定に規定する範囲を逸脱し復
帰できないとき 23事例 事例の詳しい内容
しかく法令報告事象未満の内部被ばくしかく安全上重要な施設のごく軽度
な故障
しかく安全上重要な施設以外の主要
な設備の故障
【サイクル施設共通】
・内部被ばくの評価結果が有意値(2 ミリシーベルト)を超えたとき又は超えるお
それがあるとき
【ウラン濃縮】
・安全上重要な設備の2台構成の系統(第1種管理区域の排風機,非常用電源設
備,排気用モニタ,均質操作中の局所排気設備)で1台が故障したが,早期に
予備機への切替えができるとき
・シリンダ加熱中に熱的制限インターロックが故障し,加熱を停止したが,消
耗品等の交換により早期に復旧可能と判断できるとき
・通常運転中に濃縮度管理インターロックが故障したが,代替管理により通常
運転状態を継続できるとき
・施設停止中の点検より安全上重要な設備のインターロック(濃縮度管理インタ
ーロック,熱的制限インターロック)の機能が喪失したとき
【再処理】
・保安規定に規定する保安上特に管理を必要とする設備に求められる状態を満
足していない場合において,保安規定で要求される措置を講じることができ
るとき〈多重性が要求されている2台構成の系統(プール補給水ポンプ,分離
建屋排風機等)で1台が故障したが消耗品の交換により早期に復旧可能と判
断できるとき,又は,多重性が要求されている3台構成の系統(プール水冷却
系ポンプ,前処理建屋排風機等)で1台が故障したが予備機への切替え又は消
耗品の交換により早期に復旧可能と判断できるとき〉
【ウラン濃縮】
・ウラン貯蔵建屋天井クレーン,中間製品容器置場天井クレーンで車軸が破損
(折損)したとき
【低レベル放射性廃棄物】
・埋設クレーン,一時貯蔵天井クレーン又は払い出し天井クレーンで車軸が破
損(折損)したとき
【高レベル放射性廃棄物】
・管理区域の安全上重要な施設以外の排風機が全台停止(建屋排風機が全台停止
し,更に収納管排気設備排風機又はガラス固化体検査室換気設備排風機の何
れかが全台停止)又は排気筒モニタが全台停止したとき
・輸送容器搬送台車,受入れ建屋天井クレーン,ガラス固化体検査室天井クレ
ーン又は貯蔵建屋床面走行クレーンで車軸が破損(折損)したとき
【再処理】
・管理区域の安全上重要な施設以外の排風機が全台停止(建屋排風機が全台停止
し,更にセル排風機又はグローブボックス排風機又は塔槽類換気設備排風機
の何れかが全台停止)又は排気筒モニタが全台停止したとき
・使用済燃料輸送容器移送台車,使用済燃料輸送容器管理建屋天井クレーン,
燃料取出し装置,燃料移送水中台車又は燃料取扱装置で車軸が破損(折損)し
たとき 24事例 事例の詳しい内容
しかく非放射性の水等の想定外の漏
えい
しかく放射性物質による床・壁等の汚染しかく外部電源の喪失
しかく有意な運転監視データ指示値
変動のうち,
特に連絡を要する
もの
しかく安全上重要な施設に使用する
(又は,使用されている)製品
(汎用品を含む)に,模造品又
は偽造品が発見(*1)されたとき【サイクル施設共通】
・機器,系統から非放射性の水,油,薬品が,管理区域内で 200 リットル以上
漏えいしたとき
【サイクル施設共通】
・床,壁等が保安規定で定める管理区域内の区分基準を超えて汚染し,簡易な
除染では区分基準以下に除染できないとき
【ウラン濃縮,高レベル放射性廃棄物,再処理】
・落雷等により外部電源が喪失したが,非常用発電機により予め考慮された設
計どおり必要な給電ができたとき
【ウラン濃縮】
・主要な運転監視データ指示値(排気用モニタ,工程用モニタ,熱的制限インタ
ーロックに係る温度)が有意に上昇し,注意喚起警報が発報したとき(誤作動
は除く)
【低レベル放射性廃棄物】
・エリア放射線モニタが有意に上昇し,高警報が発報したとき(誤作動は除く)
【高レベル放射性廃棄物】
・主要な運転監視データ指示値(排気筒モニタ,ガラス固化体の冷却温度)が有
意に上昇し,注意喚起警報が発報したとき(誤作動は除く)
・エリア放射線モニタ,ダストモニタが有意に上昇し,高警報が発報したとき
(誤作動は除く)
【再処理】
・主要な運転監視データ指示値(排気筒モニタ,燃料貯蔵プール水温)が有意に
上昇し,注意喚起警報が発報したとき(誤作動は除く)
・核的制限値等に係るインターロックが作動したとき(誤作動は除く)
・エリア放射線モニタ,ダストモニタが有意に上昇し,高警報が発報したとき
(誤作動は除く)
・セル内で漏えいを検知したとき(結露水は除く)
【サイクル施設共通】
例・安全上重要な施設の塔槽類廃ガス処理設備の廃ガス洗浄塔入口圧力計の受
入検査を行ったところ,当該品のものとは思えない数値が書かれた証明書
が付いていたため,調査した結果,当該圧力計が偽造品であることが判明
した場合
・安全上重要な施設の漏えい液受皿液位計のパージ空気流量計交換後のイン
サービス時,調整つまみによって流量を調整しても,指示がふらついて安
定しなかったため,調査した結果,当該流量計が模造品であることが判明
した場合
しろまる解説
*1(模造品・偽造品の発見):a. 調達品の受入検査における発見情報
b. 原子力施設の運転及び点検・保守における発見情報
c. 予備品等の点検時における発見情報 25添付-3
国内新型炉(もんじゅ)の保全品質情報基準
国へ報告する必要のない軽微な事象(
「法令報告事象」を除く事象)であるが,以下に示す「安全に係る情
報」及び「トラブル発生の未然防止の観点から再発防止対策を図る情報」を登録している。
しろまる安全に係る情報
保全品質情報基準 事例
1 安全上重要な機器等(*1) お
よび常設重大事故等対処設
備に,
変形,
欠陥,
ひび割れ,
減肉,摩耗,ピンホール等に
よる損傷又はその徴候があ
ったとき
しかく他プラントの水平展開に係る点検・検査において指示を認め処置を行ったもの
しかく非破壊検査で有意な指示を認め,評価等を行った上で運転を継続するもの
しかく非破壊検査で有意な指示を認め,
次サイクル以降の健全性に影響を及ぼす可能
性があると評価され,手入れを実施することにより健全性を確保したもの
しかく予定外に主要部品を取替えたもので過去に同種事象が発生していないもの
しかく機器の健全性には問題ないものの,
信頼性向上の観点から仕様変更を実施した
もの
2 運転上の制限(*2)を逸脱し
たとき
3 故障により,
原子炉の運転が
停止したとき又は 5 パーセ
ントを超える原子炉の出力
変化が生じたとき
4 火災が発生したとき
5 作業,操作により設計,運用
上考慮されないような重大
な影響が発生する可能性が
あった時
ここでいう「重大な影響」とは,プラントの
「止める」
「冷
やす」
「閉じ込める」機能に
影響があった場合を言う
しかく「止める」機能に影響があった場合
しかく「冷やす」機能に影響があった場合
しかく「閉じ込める」機能に影響があった場合
なお,本登録基準については,適宜,見直しを行う。
しろまる解説
*1(安全上重要な機器等):原子力規制委員会が定める原子炉施設の安全を確保する上で重要な機器及び構造物
*2(運転上の制限):保安規定で定める運転上の制限(LCO:Limiting Condition of Operation)は,この範囲内で運転して
いれば十分に安全を確保できる設備の機能的能力又は性能水準を示したものである。すなわち,LCOを満
足していない状態(LCO逸脱)となった場合は安全水準が劣化している可能性はあるものの,LCO逸脱
ということだけで直ちに安全上の重大な問題を生じていることを意味するものではない。保安規定は,個々
のLCO逸脱に対して「要求される措置」を定めているものであり,それぞれに定められた期限内に「要求
される措置」を講じることを求めている。
なお,LCO逸脱により安全上の重大な問題を生じている場合は,保安規定に従い,直ちに原子炉の停止
が必要とされている。 26しろまるトラブル発生の未然防止の観点から再発防止対策を図る情報(「安全に係る情報」に該当しない場合に
参照し,設備の重要度や再発防止対策(他プラントへの水平展開の可能性を含む)の有無を勘案する)
保全品質情報基準 事例
6 トラブル発生の未然防止の
観点から再発防止対策を図
るとき
しかく主配管,主要弁,ポンプなどの重要な部位,項目が点検リストから漏れていた
場合
しかく管理区域内において,
放射性物質が機器の故障,
誤操作等により漏えいした場合(×ばつ106
Bq を超えるおそれがある場合)
しかく炉内
(炉内に持ち込まれる可能性がある場合を含む。),
使用済み燃料プール等
での異物発見,回収があり,異物の発生状況やルースパーツの観点から,他社
に注意を喚起すべき場合
しかく安全上重要な機器等および常設重大事故等対処設備に係る再発防止対策の検
討が必要なもの
a.運転中の安全上重要な機器等および常設重大事故等対処設備に有意な状態
変化(機器の損傷やその兆候に該当すると判断しかねる状態)が見られ,
点検や取替等を実施した結果,定期的な点検内容・頻度見直し等の再発防
止対策を実施したもの
b.安全上重要でない機器等を含む設備の定期点検において,損傷した箇所の
原因・環境が安全上重要な機器等の設備と共通で,安全上重要な機器の類
似箇所に対しても健全性確認を必要とする等の再発防止対策を実施決定し
たもの(常設重大事故等対処設備にも同様に適用する)
しかくプラント運転及び運転継続に影響を及ぼす可能性がある機器に異常(動作不
良,停止,損傷など)が発生し定期的な点検内容・頻度見直し等の再発防止対
策の検討が必要な場合
しかく放射線管理,放射性廃棄物管理上の不適合が発生した場合
しかく可搬型重大事故等対処設備に異常(動作不良,停止,損傷など)が発生し定期
的な点検内容・頻度見直し等の再発防止対策の検討が必要な場合
しかく法令・規制要求事項で定められている点検を実施できていないなど,
保全計画
等に不備が認められた場合
しかく安全上重要な機器等に使用する
(又は,
使用されている)
製品
(汎用品を含む)
に,模造品又は偽造品が発見(*3)された場合。
例・原子炉出口温度計の受入検査を行ったところ,
圧力計の目盛線ににじみが
あり,線の太さも均一でなかったため,調査した結果,当該圧力計が模造
品であることが判明した場合
・差圧式ナトリウム漏えい検出器用のフィルタの受入検査を行ったところ,
表面の仕上げが粗く,厚さも均一でなかったため,調査した結果,当該フィ
ルタが偽造品であることが判明した場合
・1次主冷却系主ポンプの下部メカニカルシール取合い配管フランジのガ
スケットが熱により変形していたため,調査した結果,当該ガスケットが
偽造品であることが判明した場合
・予備品として保管していた非常用ディーゼル発電機のインジケーターコ
ック用のOリングの証明書と実物の寸法が異なっていたため,
調査した結
果,当該Oリングが偽造品であることが判明した場合
なお,本登録基準については,適宜,見直しを行う。
しろまる解説
*3(模造品・偽造品の発見):a. 調達品の受入検査における発見情報
b. 原子力施設の運転及び点検・保守における発見情報
c. 予備品等の点検時における発見情報

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