NTT東日本は、WIDEプロジェクト
※(注記)1ならびに大学や企業(計15組織)と、IPv6
※(注記)2利用技術の検証を目的とした共同実験を平成14年3月19日(火)から実施します。
1.背景
昨今の情報通信市場においては、本格的なブロードバンド時代に向け、ユーザニーズはより高度で多様になってきており、ADSLサービスや光サービスの拡大など、インターネット通信の需要が急増してきています。このような中、IPv6技術が普及してきており、各メーカーはその機能を有したルータ機器を充実させ、また、複数の通信事業者・プロバイダーは商用サービスを始めています。
NTT東日本としても、利用者にとってより利便性の高い、高度なネットワークサービスを実現する上で、IPv6の導入が必要であると考えています。そこで、NTT東日本は、IPv6導入を実現する上での第一歩として、そのアプリケーションやそれを利用するユーザを含めた総合的な観点で、IPv6の利便性・利用方法および適用方法などに関する検証を行うため、今回、WIDEプロジェクトならびに大学や企業と共同でIPv6の実証実験を実施することとしました。
2.共同実験の概要
(1) 実験期間
平成14年3月19日(火)〜平成14年8月30日(金)
(2) 実験エリア
東京都および神奈川県
(3) 実験参加者等
(*印のついた企業は、WIDEプロジェクトのメンバーですので、WIDEプロジェクトとしての実験にも参加します。)
・
NTT東日本(共同実験主管)
・
WIDEプロジェクト
・
株式会社日立製作所*
・
慶應義塾大学*
・
東京大学*
・
日本電気株式会社*
・
富士通株式会社*
・
ヤマハ株式会社*
・
横河電機株式会社*
・
松下電器産業株式会社* 松下電送システム株式会社*
・
有限会社パワープレイ*
・
凸版印刷株式会社
・
日商エレクトロニクス株式会社 ジュニパーネットワークス株式会社
・
マイクロソフト株式会社(実験協力者)
なお、本実験においては、実験における監修、またWIDEプロジェクトのとりまとめとして、東京大学大学院 情報理工学系研究科助教授 江崎 浩 氏 にご協力いただきます。
(4) 実験内容・実験参加者等の主な役割
・
NTT東日本とWIDEプロジェクトが構築するIPv6共同実験ネットワーク上で、実験参加者とNTT東日本が共同で実験を行います。
・
各実験参加者は、NTT東日本が提供するフレッツ・オフィスやメトロイーサ等のサービスを利用することにより、IPv6共同実験ネットワークに接続し、実験に参加します。
<1>NTT東日本
本実験の主管としてIPv6共同実験ネットワークを提供し、その構築・運用管理を担うとともに、IPv6のアドレスが付与されたデータをIPv4のアドレスが付与されたデータにのせて運ぶことによりIPv4のネットワークを通過させる技術(IPトンネリング)の実用性検証、およびIPv4からIPv6へ、あるいはIPv6からIPv4への変換技術(IPトランスレータ)の実用性検証、さらには実験参加者と連携して各種アプリケーションに関する実験を行います。
<2>WIDEプロジェクト
プロジェクトの活動や教育現場において、多地点会議や遠隔講義、ストリーム配信等IPv6アプリケーションの活用を通じ、その利便性を検証します。また、東京エリアと神奈川エリアそれぞれで構築されるNTT東日本のIPv6共同実験ネットワーク同士を接続する、バックボーンネットワーク等の提供を行います。
<3>各大学・企業
NTT東日本が構築、提供するIPv6ネットワークを利用して以下のような実験を行い、IPv6環境下におけるプラットフォーム、アプリケーション利用環境の検証を行います。
―
教育機関における遠隔講義等の実験
―
IPセキュリティ技術
※(注記)4を使ったVPNシステムの実験等
―
コンテンツ配信の実験
3.今後の予定
NTT東日本は、本実験の成果をソリューション提供や今後のネットワークサービスの検討に生かし、お客様の利便性向上を図るとともに、我が国におけるIPv6導入推進やIT化社会実現に貢献したいと考えています。なお、実験内容の充実を図るために、実験期間中に共同実験項目の拡大などについて、実験参加者と検討を行います。
<注>
※(注記)1
慶應義塾大学の村井純教授らが1986年に創始した、オペレーティングシステム技術や通信技術を基盤とした新しいコンピュータ環境の確立をめざす研究プロジェクト
※(注記)2
Internet Protocol Version 6の略称。現行のインターネットプロトコル(IPv4)をベースに、管理できるアドレス空間の増大、セキュリティ機能の追加などの改良を施した次世代インターネットプロトコル
※(注記)3
端末のIPアドレスを振り直すことなく移動先のLAN等に端末を接続するだけで、もとのLANに繋がった状態と同じサービスを受けることが出来る機能
※(注記)4
IPネットワークにパケットの暗号化機能や、認証機能を持たせ、IPネットワークの安全性を高める機能