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システム安全技術研究グループ

SYSTEM ENGINEERING AND SAFETY TECHNOLOGY RESEARCH GROUP

システム安全技術研究グループでは、放射性物質の海上輸送の安全及び保安を確保するため、放射線遮蔽評価技術、放射線計測技術、 リスク評価・保安評価技術及び環境影響評価技術等の研究を実施しており、核燃料物質輸送物設計及び運搬船の安全審査、 規則改正及び国際安全基準に係る技術支援や新たな技術の提供を行い、海事行政に貢献しています。

放射性物質の輸送とリスク



メンバー

(にじゅうまるはグループ長)




主な研究課題

  • 多様な放射性物質輸送に対応する安全性確保の研究

    放射性物質安全輸送に係る安全基準は、国際原子力機関(IAEA)の安全基準委員会(TRANSSC)にて策定されています。 放射性物質の使用用途は、原子力発電所で使用される核燃料物質や放射性廃棄物の他、医療用/農業用/工業用の放射線源、 放射性医薬品など多岐にわたり、輸送には陸・海・空の様々な経路が用いられているため放射性物質輸送の関係者 も多岐にわたります。当グループは、多くの関係者や関係省庁からの意見を調整し、TRANSSCにおける輸送規則策定のための 議論に参加しています。さらに、国際輸送規則の国内法令への取り入れに際して行政機関への技術支援を行うとともに、 国土交通省が行う放射性輸送物及び運搬船の安全審査について、主に放射線安全の観点から技術的な支援を行っています。

  • 移動可能原子炉の輸送規制枠組みの構築に向けた研究

    近年開発検討が進められている小型モジュール炉等の移動可能原子炉(Transportable Nuclear Power Plant, TNPP)においては、 原子炉から燃料を取り出さずに全体又は一部モジュールを工場に輸送して検査や燃料交換を行うことも想定されているが、 燃料を装荷した炉心輸送のための規制枠組みは未だ整備されておらず、IAEAやIMOで包括的な規制枠組みのための議論が 開始されたところです。当グループは、IAEAのTRANSSCに設置されたTNPP WGの活動に参加し、小型炉等の移動可能原子炉の 開発動向及び想定される輸送条件を調査し、シナリオ整備やPreHAZID等を通じた危険事象特定のための研究を実施しています。

  • 使用済燃料用輸送容器の遅延衝撃メカニズムに関する研究

    使用済燃料輸送物に要求される9 m落下試験において、着地の瞬間から僅かに遅れて収納物が蓋部の密封境界に無視できない 負荷を与える現象(遅延衝撃)が確認されていますが、現象の解釈や実証実験の加速度処理等の相違により、その評価方法が確立されていないことが 課題となっています。本研究では、遅延衝撃と収納物及び蓋部の負荷の関係を表す評価式を構築し、遅延衝撃に関する安全評価 手法の確立を目指しています。

  • 放射性物質の海上輸送時の事故時環境影響評価システムに関する研究




研究施設

遮蔽実験室

遮蔽実験室では、高性能中性子遮蔽材として用いられているレジン、蛇紋岩コンクリート、硼酸水や、 珪藻土等を用いた新しい遮へい材について、Cf-252中性子線源やCo-60ガンマ線源を用いた遮蔽実験に より性能評価を行っています。中性子遮蔽の計測結果には中性子及び一次ガンマ線だけでなく、 熱中性子から発生する二次ガンマ線も含まれることから、連続エネルギーモンテカルロコードMCNPを用いた 詳細な解析を行い、遮蔽性能評価の高度化や標準化を図っています。

輸送容器模型と輸送容器内の放射線輸送シミュレーション


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