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1/4安全とあなたの未来を支えます
News Release
2 0 2 1 年 8 月 2 6 日
独立行政法人製品評価技術基盤機構
N I T E ( ナ イ ト )
東 北 支 所
自然災害時にまさかの製品事故!?
〜停電時のCO中毒にも注意!〜
(東北版資料)
1. 事故の発生状況
近年、豪雨被害は毎年のように発生しています。令和元年東日本台風と名付けられた台風19号が強
烈に記憶されていますし、つい最近では青森県むつ市の豪雨災害が記憶に新しいところです。こうした
自然災害は、今後も継続的に発生することも考えられますので、早めに避難し命を守るための行動を取
る必要性が高まっています。
このような自然災害が発生した場合のために、停電時でも家電が使える携帯発電機やポータブル電
源、お湯が沸かせるカセットこんろ、スマホを充電できるモバイルバッテリーなどの製品が、防災意識
の高まりと共に購入する人が増えています。これらの自然災害時に活躍する製品について、2011 年度
から 2020 年度まで NITE に通知されたに発生した事故のうち、誤使用・不注意による事故及び経年劣化
による事故は全国で 111 件((注記)1)
ありました。
東北地区において自然災害時に活躍する発電機等による製品事故は7件ありました。
そのうち重傷事
故が1件、軽傷事故が2件発生しています。
自然災害時に使用する製品は、日常的に使用するものとは異なり、自然災害時あるいは、キャンプ
の際などに使用することが多いかと思われます。今年4月にはキャンプ用品の注意喚起を行いました
が、同じように自然災害時に利用する際には例えば電気製品や石油機器に災害による水がかかってい
ないかなどの注意が必要です。それらの製品の取扱説明書に記載された使用上注意すべき点を事前に
確認し、あらかじめ一度使用して安全な使い方を確認するなど、自然災害時等のいざというときに安
全に使用できるように心がけましょう。
((注記)1)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品
事故やヒヤリハット情報(被害なし)を含める。
(イメージです。) 2/4安全とあなたの未来を支えます
表 1 自然災害時の年度別事故発生件数
発生県
発生年度
青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 合計
2011年度 0 0 0 1 0 0 1
2012年度 0 0 0 0 0 0 0
2013年度 0 0 0 0 0 0 0
2014年度 0 1 0 0 0 0 1
2015年度 0 0 0 0 1 0 1
2016年度 0 0 1 0 0 0 1
2017年度 0 0 0 0 0 0 0
2018年度 0 1 1 0 0 0 2
2019年度 0 0 1 0 0 0 1
2020年度 0 0 0 0 0 0 0
合 計 0 2 3 1 1 0 7
表 2 自然災害時の事故の被害状況別発生件数
発生県
被害状況
青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 合計
死亡 0 0 0 0 0 0 0
重傷 0 1 0 0 0 0 1
軽傷 0 0 1 1 0 0 2
拡大被害 0 1 0 0 1 0 2
製品破損 0 0 2 0 0 0 2
被害なし 0 0 0 0 0 0 0
合 計 0 2 3 1 1 0 7
2.主な事故事例
しろまる2018 年 5 月 24 日 アルカリ乾電池 (岩手県、10 歳代性別不明)
事故内容: 乾電池を電動歯ブラシから取り外そうとしたところ、乾電池から液漏れが発生し、漏れた液体がは
ねて目に入り、目に化学火傷を負った。
事故原因: アルカリ乾電池の負極端子付近に損傷は認められなかったが、安全弁は開いており、正極端子
は膨らんだ状態であり、外装に液漏れに至る異常は認められなかった。詳細な使用状況が不明
のため事故原因の特定には至らなかったが、当該製品が過放電状態となって内圧が上昇し、安
全弁が開いた際に液漏れしたものと考えられる。
しろまる2012 年 3 月 7 日 携帯発電機 (秋田県、年齢性別不明)
事故内容: 工事現場のテント内で携帯発電機を使用して作業中、一酸化炭素中毒が発生し、1名が軽症を負
った。
事故原因: 使用者は建設工事現場のテント内で、携帯発電機及び2台の業務用石油熱風暖房器具(ジェット
ヒーター)を連続8時間使用し、さらに練炭入りこんろ3個に点火していた。当該製品に異常はな
く、事故後も使用できる状態であり、テントの換気口は入口のみであり、換気が不十分であったこ
とから、換気が不十分なテント内で当該製品、ジェットヒーター及び練炭を使用したことにより一酸
化炭素中毒になったものと考えられる。 3/4安全とあなたの未来を支えます
しろまる2018 年 10 月 28 日 ライター (宮城県、30歳代男性)
事故内容: ライターを点火したばこに火を付けようとしたところ、ライターの炎が大きく上がり左袖口が焼け、
手に火傷を負った。
事故原因: ライターの外観の焼損や、風防やバルブ部の異物付着等の異常が認められず、ライターを点火し
たところ、炎の大きさは2cm程度で異常は認められなかった。また当該ライターは火力調節機能
のない製品であった。事故発生時の詳細な状況が不明のため事故原因の特定には至らなかっ
た。
しろまる2015 年 11 月 14 日 カセットこんろ (山形県、年齢不明男性)
事故内容: カセットこんろを使用中、周辺を焼損する火災が発生した。
事故原因: 当該製品に焼損は認められず、ガス供給部にガス漏れなどの異常は認められなかった。詳細な
使用状況が不明のため事故原因の特定には至らなかったが、当該製品にガス漏れは認められ
ず、正常に動作することから、点火操作時に滞留していたガスに引火し、周辺の可燃物が焼損し
たものと考えられる。
しろまる2016 年 8 月 13 日 携帯型発電機 (宮城県、年齢性別不明)
事故内容: 祭り会場で発電機を投光器の電源として使用中、発電機を焼損する火災が発生した。
事故原因: 当該製品の動作に異常は認められず、内部のエンジン周辺、燃料送油系統、電線等に出火の痕
跡は認められなかった。排気ダクト内の吸音材及び断熱材は焼損しており、エキゾーストパイプと
マフラー下部にすすが付着していた。取扱説明書には、「防音材及び断熱材に著しい汚れやはく
離(油分等の付着)がある場合は交換する。」旨、記載されている。当該製品の動作に異常は認
められないことから、排気ダクト内の吸音材及び断熱材に付着したすすや未燃焼燃料が出火した
ものと考えられる。
3.製品事故の実験映像につきまして
製品事故の写真及び動画をご希望の場合は、下記の問い合わせ先までご連絡ください。
なお、映像をご使用の際、クレジットは「製品評価技術基盤機構+NITE のロゴ」としてください。 4/4安全とあなたの未来を支えます
(本件に関する問い合わせ先)
〒983-0833 宮城県仙台市宮城野区東仙台 4-5-18
独立行政法人製品評価技術基盤機構 (略称:NITE
ナイト
) 東北支所
責任者:支所長 菊地徹
担当:、齋藤(さいとう)、照井(てるい)、福井(ふくい)
電話:022-256-6423
mailto: jiko-tohoku@nite.go.jp
【編集人のつぶやき】
近年では、台風や集中豪雨により毎年のように日本各地に大きな被害を残しています。本文
にも記載した令和元年の東日本台風では、東北各地に大きな爪痕を残しました。同じ年の台風
15 号では千葉県で鉄塔が倒れて長時間の停電と、これまで想像もしなかった被害が発生してい
ます。
東日本大震災の被害を教訓に、早めの避難など身を守るための安全な行動に心がけ、また日
頃から災害への備えや準備をされているかと思います。
編集人も非常時用の防災用品を袋に詰め、玄関に置いていますが、思えばしばらく更新して
いません。非常用の水や食料は賞味期限が大丈夫なのか、ラジオの電池は大丈夫で正常に動作
するのか?などを確認する良い機会となりました。また、非常時の自分はたぶん慌てていると
思います。日頃使ったことがないラジオ、コンロなど、正しく使用できるか試したいとも思い
ました。コロナ禍でもありますので、
「おうちキャンプ」でもしながら確認してみることとしま
す。
自然災害時に活躍するいろいろな便利な製品について、使用上注意すべき点を前もって確認
し、いざというときの安全な使用に備えましょう。
ゲリラ豪雨や勢力強い台風はもう要らないので、バランス良く、良いお天気と時々の普通の
雨を願っていますし、
「秋と言えばしろまるしろまる!」
、楽しい秋にしたく思います。編集人は食欲の秋!
と卓球の秋!でしょうか〜?

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