国総研資料 第 1316 号
消波工における消波ブロックの据付形状は,消波ブロックが多種多様かつ複雑な形状をしていることにより,正確な把握が困難である.
また,消波工の出来形管理や維持管理の劣化度判定等においては,目視確認や任意点の断面計測等,現場の状況に合わせた柔軟な手法となっている.
さらに,据え付けられた消波ブロックは,起伏が激しい上に空隙も大きく,波を受けて濡れた足場は不安定であることに加えて,安全ロープ等保護具の使用も困難である.
本研究では,消波工の出来形管理,維持管理(一般定期点検診断),災害対応(被災数量算出)の3項目について,高い安全性と正確性が期待できる,
UAV計測を利用する手法の適用性を検証した.
検証用のデータは,日本国内の4港(金沢港・高知港・石垣港・相馬港)において,UAV写真測量とUAVグリーンレーザ計測により取得した.
適用性の検証は,消波工を平面格子に区切り,各格子の代表点を抽出する格子法と,3次元点群データからTIN(不等辺三角網)モデルを作成するTIN法の,
2種類の手法を現行の手法(従来法)と比較・検証した.
出来形管理(ブロック据付延長の計測),維持管理(ブロック沈下量の計算及び劣化度の判定)に関しては,TIN法が従来法と同等の延長計測・沈下量計算・劣化度判定が可能であった.
一方,災害対応(ブロックの被災数量算出)に関しては,格子法及びTIN法の両手法とも,従来法の算定結果とは差異があった.
研究資料全文
1. はじめに
2. 港湾における消波工の管理の現状と課題
3. UAVを活用した消波工のデータ計測
4. 消波工の出来形管理におけるUAV計測の適用性検討
5. 消波工の維持管理(一般定期点検診断)におけるUAV計測の適用性検討
6. 消波工の災害対応(被災数量算出)におけるUAV計測の適用性検討/p>
7. 終わりに
謝 辞
参考文献
付録A 出来形計測結果
付録B 維持管理劣化度判定結果
付録C 災害対応計算結果