NEDO水素・燃料電池成果報告会2024
団体名:
発表日:2024年7月 日
発表No.
NEDO水素・燃料電池成果報告会20218大規模水素サプライチェーンの構築/革新的な液化、水素化、脱水素技術の開発
/水素液化機向け大型高効率機器の開発
P1-56
連絡先:川崎重工業株式会社 空力機械部 技術開発課 鈴木
suzuki_sachihiro@global.kawasaki.com
川崎重工上株式会社
川崎重工業株式会社
水素液化機向けに4つの機器の開発を進め、2050年には高い世界シェアを目指す。
・水素等導入目標:2030年目標300万トン、
2040年目標1,200万トン、
2050年目標2,000万トン程度
【水素基本戦略改定のポイント】
【水素産業戦略のポイント】
国内市場に閉じず、国内外のあらゆる水素ビジネスで、わが国の水素コア技術が活用される世界を
目指す。
2動力回収型膨張タービン、3Wetタービン、4磁気冷凍機
開発目標
液化機の大型化、高効率化に必要な
遠心型水素圧縮機を開発する。
2023年度までの成果
2022年度までに得られたインペラ強度、空力性能、ロータダイ
ナミクス、冷却、材料の要素技術開発結果を基に小型試験機の
設計・製作に着手した。
所定の性能を達成可能か検証する追加試験を適宜実施し、その
結果を小型試験機の設計に反映しながら進行中。
サイト実証試験設備の基本設計に着手し、基本設計段階での
安全アセスメント(HAZID/HAZOP)まで完了した。
実用化・事業化に向けての課題
• 小型試験機の設計・製作を進め、工場試験(代替ガス)で性
能検証を実施する。その後、サイト実証試験にて水素ガスを
用いた試験を行い、水素ガスでの性能や水素環境下における
機械的信頼性を検証する。
• 小型機での試験結果や製品化調査結果から大型化に向けた具
体的な施策の検討も必要。
2030年代前半頃に必要となる液化システムとして、
開発目標
・ 液化能力100t/日以上
・ 液化原単位を現状の1/2
となるようなプロセスを想定した上で各機器の諸元を決定、それを満たす機器を開発
する。
前フェーズ(2021・2022年度)のFSで選定した機器コンセプ
トの成立性検証のため、重要要素技術を対象とした要素試験装
置を計画・設計・発注まで実施した。今年度に試験を実施する。
2023年度までの成果
2動力回収型膨張タービン
機器コンセプトとして "高速発電機+磁気軸受"を選定。
水素環境対応のため、構成材料の水素適合性確認試験等を
実施、一部は継続中。また、高速磁気軸受および電力変換
装置の要素試験装置を計画・設計し、発注した。さらに、
発電機の構造仕様を決定し、プロセスガスによる冷却構造
の概略検討を実施中。
4磁気冷凍機
機器コンセプトとして"磁石駆動型+直接熱交換
方式"を選定。液化水素と磁性体の熱交換部要素
試験(代替条件)装置、および励磁・消磁のため
の磁石駆動機構の要素試験装置を計画・設計し、
製作中。
3Wetタービン
機器コンセプトとして"高速多段タービン+ブロワ制動方式"を
選定。気液二相条件で作動するタービンの要素試験装置、および
タービンと制動部間のシール試験装置について計画・設計し、
製作中。さらに、液体水素軸受の評価技術構築に向け、流体解析
と文献データとの比較検証を実施中。
実用化・事業化に向けての課題
• いずれの機器も非常にハードルの高い技術が必要であり、特に機器コンセ
プトの実現に関わる重要な技術については、要素試験での成立性確認 →
全機モデルでの確認というステップを踏むため、製品化に時間を要する。
• 大型液化機のための機器であり、実負荷・実条件での試験を行うことが非
常に困難(設備が大掛かりになる)。そのため、実負荷・実条件での運転
が実プラントで初めてという可能性もあり、初物リスクをいかに抑制する
かも大きな課題。
膨張前の高圧
ガス
膨張後の
低圧ガス
動力回収型膨張タービン
(イメージ)
Wetタービンコンセプト
ブロワ
軸受部
高速多段
タービン磁性体強力磁石
磁気冷凍機コンセプト(モジュール)
アクチュ
エータ
フィードライン
タンクへ
排熱ライン
しかく背景と目的
1大型高効率圧縮機
しかく開発スケジュール
しかく開発状況と課題 (注記)専用機器・汎用機器という特性も考慮し、標準化を含めたオープン戦略や、知財保護を想定したクローズ戦略を適宜検討する。
(注記)大型、高効率の水素圧縮機の性能向上により、2050年度20円/Nm3 の水素コストの達成を目指している。
小型機
要素技術検討
調査
調査
調査
小型機
製作
工場
試験
小型機サイト
実証試験
サイト実証
試験準備
特殊軸受・特殊構造
適用調査
大型機技術拡張
大型機製作
工場
試験 社会実装
要素研究 発電機単体試験 全機試験 実証計画
要素研究 コンセプト確認試験 モジュール実証試験 大型試験計画
要素研究 高速回転試験 性能実証試験 実証計画
21年度 30年度
1大型高効率
水素圧縮機の開発
2 動力回収型膨張
タービンの開発
3 Wetタービンの開発
4 磁気冷凍機の開発
研究開発期間(国費負担有) 社会実装
事業化
3Wetタービンの開発
膨張弁代替・
エネルギー損失の
少ないWetタービン
4磁気冷凍機の開発
液化行程に対して
エネルギー損失の
少ない磁気冷凍機
1大型高効率水素圧縮機の開発
大型高効率の水素圧縮機
2動力回収型膨張タービンの開発
動力回収可能な膨張タービン
各機器が目指す水素液化機の効率改善レベル
現状
新サイクル
による予冷+プロセス
最適化
3Wetタービン
4磁気冷凍機
の適用
2膨張タービン
の動力回収
1圧縮機の
高効率化
将来液化
システム
〜-30%
〜-数%
現在の
液化原単位
2050年の
液化原単位
〜-数% 〜-数%
ここまでは目途の
立っている技術
しかく国内エネルギー価格 (注記)原油価格に対する比率
2030年以降は激しい大型化開発競争、
高効率化競争が開始される。

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