11.長期展望に立ち、将来を見据えた日本のサンシャイン計画
2.世界に貢献した日本の太陽光発電研究開発、実用化
3. 世界で太陽光などの再生可能エネルギーが拡大
4.未来について語ろう!
再生可能エネルギーで世界のエネルギーは賄えるか?
世界に先駆けた日本の再生可能エネルギー開発
ーサンシャイン計画50年を振り返って
将来を展望するー
桑野 幸徳
元三洋電機(株)代表取締役社長
大和ハウス工業株式会社 社外取締役
太陽光発電技術研究組合 名誉顧問
©Y.Kuwano
©Y.Kuwano 2
1)1970年初頭、当時のエネルギー供給不安から代替エネルギー
問題に対する対応が通産省で検討開始されていた。
2)1973年(50年前)中東戦争を契機にオイルショック、石油価格
の約4倍に高騰した。
1-1. 1973年オイルショックの前にサンシャイン計画の立案
サンシャイン計画の実施内容
1)太陽エネルギー発電システム技術(太陽光発電、太陽熱発電等)
2)地熱エネルギー
3)石炭エネルギー石炭の液化・ガス化技術
4)水素エネルギー(水素製造技術・水素の輸送・貯蔵技術
5)風力エネルギー
6)海洋温度差発電
7)バイオマス
出展:経産省データ
3)代替エネルギー源の開発の必要性が叫ばれた。
1974年代替エネルギー開発として「サンシャイン計画」発足
(初めての産・官・学が連携した長期的国家プロジェクト)
1-2.大規模エネルギー資源戦争は過去2回
1)1973年10月6日(50年前)に第四次中東戦争が勃発。OPEC加盟産油国のうちペルシア
湾岸の6カ国が、原油公示価格を約4倍(1バレル3.01ドルから11.65ドル)へ引き上げ。
©Y.Kuwano 3
2)2022年2月ロシアはウクライナ侵攻した。G7は制裁を科し、エネルギー資源戦争へ。
各HPより
バイオマス
風力
水力p nV
太陽
・無尽蔵
・クリ-ン
・地域的偏在性なし
太陽電池
電気を利用
光 ⇒ 電気
100,000兆Kcal/h
pn接合部
地表に到達する1時間の太陽ネル
ギーで全人類の消費する1年分の
エネルギーを賄える
熱利用
1-3. 膨大な太陽エネルギー
©Y.Kuwano 4
出典: 各HP
1-4. 当初は人工衛星の電源として使用される(1958年)
提供:アルカテル・ルーセントベル研究所
©Y.Kuwano 5
©Y.Kuwano 6
提供:シャープ(株)
国内では灯台用の電源として使われた
1-4. 1974年(約50年前)サンシャイン計画における太陽電池コストの予測
©Y.Kuwano 720001975 80 85 90 95 20000年400060008000〜100円/W
太陽電池モジュールコスト(円/W)
〜3万円/W(当時のコスト)
1/100以下へ
の挑戦
各種太陽電池の種類
1.結晶シリコン系(単結晶、多結晶Si)
2.薄膜系
a) アモルファスSi等薄膜シリコン系
b) 化合物半導体系
c) 有機系(色素増感、有機半導体系
ペロブスカイト太陽電池)
©Y.Kuwano 8
1-5. 開発された多様な太陽電池
結晶シリコン 薄膜シリコン
有機系(色素増感)
化合物
ペロブスカイト太陽電池
出典: 各HP 91.長期展望に立ち、将来を見据えた日本のサンシャイン計画
2.世界に貢献した日本の太陽光発電研究開発、実用化
3. 世界で太陽光などの再生可能エネルギーが拡大
4.未来について語ろう!
再生可能エネルギーで世界のエネルギーは賄えるか?
©Y.Kuwano
©Y.Kuwano 10
1973 オイルショック
1974 「サンシャイン計画」等各国の国家プロジェクト発足
1980 NEDO発足、太陽電池のエレクトロニクス製品への応用(電卓等)
1988 地球環境問題の顕在化
1994 個人住宅用補助金制度開始、公共施設等用太陽光発電フィールドテスト事業開始
2004 NEDO2030年に向けた太陽光発電ロードマップ(PV2030)公表
2005 太陽電池の世界の年間生産量が1GWを超える
2015 国連の持続可能な開発目標「SDGs」採択
2012 日本で固定買い取り制度発足
2000 ドイツでFIT(固定買い制)制度化
2015 COP21(国連の気候変動対策の会議:パリー協定)
1993 ニューサンシャイン計画開始
2021 第6次エネルギー基本計画で再生可能エネルギーを基幹エネルギーと政府決定
産学官一体となった研究開発、
実用化体制の構築成る!
第3期世界規模での
太陽光発電拡大期
2024 現在 世界で1テラW超の太陽光発電が実現
1990年代後半からー2005年まで日本の太陽電池の生産量は世界一
2018 世界の太陽電池生産量110GWを超え
太陽電池
黎明期
1992太陽光発電の余剰電力買い取り制度発足、個人住宅用逆潮あり太陽光発電システムの実現
2-1. 太陽光発電開発・普及の歴史
第2期:電力用へスタート
成長期
2-2. 再生可能エネルギーで人類のエネルギーを賄うことは簡単ではなかった
©Y.Kuwano11オイルショックを引き金に国家プロジェクトとして
再生可能エネルギの開発が進められたが、
従来とは異なる新型の集積型アモルファスSi太陽電池
の開発を目指した
三洋、シャープなどは太陽電池をエレクトロニクス用として活用
することにした。サンシャイン計画は推進された
しかし、太陽光発電等の代替エネルギー源としては未成熟で
既存の電力に打ち勝つことは大変難しかった。
1970年後半、多くの再生可能エネルギーの海外、国内の開発
メーカーは太陽電池の開発メーカーは脱落した。
2-3. 新型太陽電池の開発 集積型アモルファスSi太陽電池の構造
©Y.Kuwano 12
(b)新型集積型タイプ
裏面電極a-Si透明電極
裏面電極a-Si透明電極
ガラス
ガラス
アモルファスSi=a-Si
このパターンニングで薄膜太陽
電池を端面で直列接合技術は
後に登場する薄膜太陽電池の
基本構造となった。
(a)従来型太陽電池V0.5V
従来の結晶型太陽電池
はセルをリード線で直列
接合していた。
世界で最初のアモルファスSi太陽電池の工業化
1980年
(44年前)13©Y.Kuwano
©Y.Kuwano 14
現在も日本で生産している、アモルトン株式会社
(福島県喜多方市)
パナソニック ソーラー アモルトン株式会社HPより
1960 1980 2000 20200102030
変換効率(%)
2-4. 国家プロジェクトは継続され
©Y.Kuwano 15
1990年代後半に太陽電池の変換効率が向上してきた
1989年頃にアモルファスSiと結晶Siの良さを組み合わせた
新型のヘテロ接合太陽電池(HIT: Hetero-junction with Intrinsic
Thin-layer)を開発。
2-5. 非常識なアイデアで高効率新型太陽電池HIT®の誕生16世界最高の変換効率HIT太陽電池の開発
それは非常識な発想の中で生まれた!
1.なかなか向上しない変換効率
2.もうだめか!
3.逆転の発想 HIT構造を考え出す!
4.想像もしない高い変換効率実現
5.まだまだ続く変換効率の向上
©Y.Kuwano
HIT構造は結晶SiにアモルファスSiを積層
結晶Si
P型a‐Si
i型a‐Si
©Y.Kuwano 17
(木に竹を接ぐ)
©Y.Kuwano 18
高効率新型太陽電池HIT®太陽電池の構造
n型(〜900°C)
p型c-Si
Al電極
従来構造 HIT構造
裏面電極
表面電極
(HIT:Heterojunction with Intrinsic Thin-layer Solar Cell)
p型/i型
(a-Si:200°C以下)
n型c-Siセル厚約ミクロン200i型/n型
(a-Si:200°C以下)
世界トップの変換効率
HIT® の特長 :高い変換効率
量産
22 .5 %
世界トップクラス
量産
(125 mm角セル)
R&D
25 .6 %
R&D (実用サイズ)
世界最高
・25.6%は面積問わず
(注記) いずれも発表時
©Y.Kuwano 19
1)当時は、太陽光発電システムの
電力線への接続は認められていなかった。
2-6. 住宅用太陽光発電の系統連系への挑戦
2) 当時の通産省、電力会社に働きかけ
太陽電池業界は電力会社に太陽光発電システムの電力線への
系統連系と太陽光発電からの余剰電力の買い取りを働きかけた。
3) 1992年電力業界が系統連系を認める、
太陽電池で発電した余剰電力を電力会社が
買電する制度ができる。
©Y.Kuwano 20
1980代後半-1990年代初め
太陽電池のモジュール効率が10%を超える
©Y.Kuwano 21
最初の実生活逆潮流有り太陽光発電所の建設
最初の実生活逆潮流有り太陽光発電システム
(1992年 大阪府交野市)
©Y.Kuwano 22
紹介ビデオ
紹介ビデオ 23家庭で発電した電気の流れ
太陽電池
約1.8kW
直流SW漏電遮断器
計量装置
買電
売電
交流SW屋外側
引込線
屋内側
パワーコン
ディショナー
緊急遮断機
©Y.Kuwano
©Y.Kuwano 24
2-7. 住宅用太陽光発電システムの規制緩和
1発電所なので許可申請を個別にする必要。
2不測の事態への対応として,系統から遮断する特別な大型の
非常時遮断装置が必要。
3常時監視のための電気主任技術者の専任が必要。
これでは一般家庭へ太陽光発電は普及しないと
考え,業界をあげて制度の変更を再度,国に働
きかけた。その結果以下のように改善された。
1の個別申請は通常の電気製品と同じように,型式認可で
よいことになった(つまり,個別の申請でなく,一般の電気
製品と同様,型式認可での認可で個別の申請が不要なった)。
2の大型の電力遮断装置も小型化しパワーコンディショ
ナーへの内蔵でよいことになった。
3の電気主任技術者の専任も安全性は確認され不要に なった。
第1号家庭用太陽光発電所の設置には特別の許可が必要で電力会社が発電所を建設
するのと同じくらいの手続きと保護手段が必要であった。
これらの新基準が
世界に広がって行った
©Y.Kuwano 25
祝20周年記念
パーティー
2012年20周年記念(無故障で安定的に発電)
©Y.Kuwano26桑野太陽光発電所開設
25,30周年記念パーティー
©Y.Kuwano 27
30周年を迎えた桑野太陽光発電所
kWh/月050100150200250
0.4kW 増設
1993.3〜 総発電量 44.77MWh3020010
積算発電量(MWh)40年©Y.Kuwano 28
1)1992年~2012年の20年間の年平均劣化率 0.44%/年
2)2015年~2021年の年平均 劣化率は5.96%
30年間の発電実績
太陽光発電が30年間安定的
に発電することが確認された。
©Y.Kuwano291)a-Si太陽電池モジュールの劣化は初期効率が低
かったこともあり小さく,維持率は約80%であった
2)多結晶Si太陽電池モジュールは
1維持率は最大93%の出力を確保出来ているものがあった。
2仕様値の80%以上の出力を維持できているものが24枚中8枚
3平均値としては68%程度ではあった。
30年経過した38枚の太陽電池モジュールの効率変化
初期
30年経過
モジュール断面図
詳しくは太陽エネ学会誌参照:https://doi.org/10.24632/jses.50.2_75 301.長期展望に立ち、将来を見据えた日本のサンシャイン計画
2.世界に貢献した日本の太陽光発電研究開発、実用化
3. 世界が太陽光など再生可能エネルギー拡大へ
4.未来について語ろう!
再生可能エネルギーで世界のエネルギーは賄えるか?
©Y.Kuwano セル効率(%)©Y.Kuwano 31
有機物系
多接合、集光型
薄膜系
結晶系Si
3-1.各種太陽電池の50年間の効率向上
出典:ENREL
結晶系Si
薄膜系
有機物系
多接合、集光型
実用化の中心である結晶Si太陽電池では10%程度の変換効率が25%超に改善された。
業務用電力
価格並
14円/kWh
発電コスト
〔円/kWh〕
家庭用電力価格23円/kWh
基幹電源
発電コスト並
7円/kWh
2013年2015年 2020年 2025年 2030年
【システム例】
-モジュール変換効率:22%
ー設備利用率:15%
ー運転年数:25年
【システム例】
-モジュール変換効率:25%以上
ー設備利用率:15%
ー運転年数:30年
新材料、新構造等革新的技術で実現
「革新的太陽光発電技術研究開発」や新規技術開発の成果導入
効果向上と製造コスト低減の両立で実現
「次世代高生能技術の開発(〜2014年度)」の成果導入
3-2. -NEDO PV Challenges-
更なる低コスト太陽電池の開発へ新たなる出発
2014年NEDO PV Challenges
©Y.Kuwano 32
3-3. 国のよる太陽光発電の普及支援
1)1993年に初めて住宅用太陽光発電助成制度が導入された(370万円/1kW)。
2) 1994年から補助金制度もスタートし2005年終了、
3)2009年には余剰電力買取制度が施行され、補助金も復活し、太陽光発電は
さらに広まった。
©Y.Kuwano 33
戸建て住宅群に於ける太陽光発電の例
合計 2,130kW、553戸(1戸平均3.85kW)(群馬県太田市)
提供:太田市土地開発公社 提供:太田市土地開発公社
山梨県北杜市のメガソーラー(NEDO実証実験)
Salamanca - Spain
提供:京セラ
©Y.Kuwano34 3-4. 日本が世界一の太陽電池生産国へ
©Y.Kuwano35020406080100120140160
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
国内出荷 輸出
万KW
助成金打ち切
りで減少
各種政策で国内
出荷は約2倍
助成制度で急速
に増大
出典:JPEA
1990年後半からー2005年まで日本の太陽電池の生産量は世界一であった。
3-5. 2000年にドイツで新法:再生エネルギー法が制定
1)ドイツは地球温暖化対策のため再生エネルギー法を制定、太陽発電からの電力を
通常の価格の約3倍で買取制度:フィード・イン・タリフ(FIT)を制定。
この制度が全世界に広がる!
©Y.Kuwano 36
2)これは国家からの補助ではなく国民全体が電気料金を高くて、
再エネの普及を図る制度。
出典: 各HP
©Y.Kuwano 37
1,600MW
グジャラートソーラーパーク(1,600MW)インド
出典: HP
出典:www.kankyo-business.jp38©Y.Kuwano
2005年太陽電池の世界の年間生産量が1GWを超え拡大し続ける
世界最大規模の1ギガワットの中国寧夏発電所
地平線までどこまでも太陽光パネルが広がる光景は、まさに圧巻
Source: www.kankyo-business.jp
©Y.Kuwano39出典:http://www.sugomori.com/2011/04/fukushima.html
3-6. 2011年東日本大震災発生
大震災を受けて、
2012年7月から再生可能エネルギーから発電した電力を高く買い取る制度
新制度「再生可能エネルギー固定買取制度」(日本版FIT)が創設され日本
での普及が急拡大
©Y.Kuwano403-7. 世界の太陽光発電所累積設置量が2022年に1TW(1,000GW)を超える
2023年
1.6TW
出典:各HPより 0102030405060708090
2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022GWyear
3-8. 日本に於ける太陽光発電システム累積設置量の推移
〜91約GW
約4.9GW
約19倍
100GWの時代2023©Y.Kuwano 41
出典:IEA PVPS 4280GW太陽光発電の姿
太陽光発電80GWの普及の効果
2.日本の電力の現状は(2022年)
1)ピーク電力は1.億66億kW1)
2)国内総電力需要:約1兆kWh2)
1.その出力は
1)ピーク電力は80GWX0.8=約6400万kW出てくる
2)80GWからの電力量は =約85億kWh 太陽光発電のピーク
電力(2022年)は
日本のピーク電力の
38%に相当
総電力需要の
約9.9%に相当3)
©Y.Kuwano
1)電力広域運営推進機関2022年データ
2)経産省データ(2022年データ)
3)https://www.isep.or.jp/archives/library/14364:2022年データ 43100GWの太陽光発電による輸入原油の削減は?!
太陽光発電の燃料費はタダで、20年間以上稼働できるとすると
0.7兆円円X20年=約14兆円の原油輸入費の削減に相当する
太陽光導入量 100GW(1,200億kWh)
削減原油量 3000万KL
削減効果金額 約0.7兆円
©Y.Kuwano
出典:JPEAデーター
©Y.Kuwano 44
3-9. 日本の今後の取り組み
2)COP26(2021年英国開催)での決定
1世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して1.5度未満に抑える。
2世界全体で今世紀後半には、人間活動による温室効果ガス排出
量を実質的にゼロ(カーボンニュートラル)決定。
*日本の目標:2030 年度に温室効果ガスを 2013 年度から 46%削減するこ
とを目指し、さらに、50%の高みに向けて挑戦。
2050 年カーボンニュートラル実現(EX)。
持続可能な社会を実現するための世界の動き
1)2015年9月に国連の持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable
Development Goalsの略称」が採択された。
世界全体で持続可能な社会を実現するための健康や福祉、エネルギー、
気候変動、平和社会など、17の達成目標と169のターゲットが設定され、
2016年〜2030年の15年間で達成する。
©Y.Kuwano 45 461)カーボンニュートラル宣言
2020年10月、菅総理の所信表明演説で「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出
を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目
指すことが宣言された。
菅総理が2020年10月の臨時国会で「2050年カーボンニュートラル宣言」
2)2021年度「第6次エネルギー基本計画」及び「地球温暖化対策計画」に基づき、
再生エネルギーの割合を2030年まで36%〜38%にすることが目標になった。
©Y.Kuwano
©Y.Kuwano 47
第6次エネルギー基本法の目指す目標
©Y.Kuwano 48
日本でも太陽光発電のコストは商用電源より安くなった。
出展:経産省データ
2024年春の入札にお
ける落札価格は平均
5.11円/kWhに下落。
©Y.Kuwano 49
サンシャイン計画を振り返って国家プロジェクトの意義を考える
1)50年前計画されたサンシャイン計画は、目標を達成して、大きな成果をもたらした。
このプロジェクトは我が国初めての、産官学(産業界、官の研究機関、大学)と統合した
国家プロジェクトであった。
太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの開発と実用化を実現した。
これにより、化石燃料高騰への対応、地球温暖化防止のため前進が図れた。
2)この成果は各国の開発成果と共に全世界に展開され、地球規模でカーボン
ニュートラルへ大きく寄与している。
3)カーボンニュートラル時代に向けて、新たな国家目標が掲げられて
さらなる研究開発・実用化への前進が始まった。
革新的な技術により、2050年までに水素のコストを既存のエネルギーと
同等にすることを目指しさらにアンモニア燃料への展開。
現在の1/5〜1/10
以下を実現!50イノベーションにより1/5の水素コスト実現を目指すサプライチェーン
©Y.Kuwano 511.長期展望に立ち、将来を見据えた日本のサンシャイン計画
2.世界に貢献した日本の太陽光発電研究開発、実用化
3. 世界で太陽光などの再生可能エネルギーが拡大
4.未来について語ろう!
再生可能エネルギーで世界のエネルギーは賄えるか?
©Y.Kuwano
©Y.Kuwano 52
再生可能エネルギーで世界のエネルギーは賄えるか?
4. 未来について語ろう!
©Y.Kuwano 53
4-1. 全世界のエネルギーを太陽光発電で賄う太陽電池と超電導
ケーブルによる「世界的太陽光発電システム」
GENESIS
( Global Energy Network Equipped with Solar
Cells and International Superconductor Grids )
1989年発表
35年前
©Y.Kuwano544-2. 世界のエネルギー消費予測と太陽電池システムエリア換算
2000 2010 2050 2100
全世界の
エネルギー
消費予測量
(×ばつ億kl/年)
110 140 350 1,110
太陽電池システム
変換効率(%) 10 10 15 15
太陽電池
システムエリア
(広さkm2)729802
(全砂漠
面積の4%)
1,030 1,85054地球の砂漠の
面積の4%!
@Y.Kuwano
世界の砂漠の‘僅か4%’に太陽電池を敷き詰めれば、
全人類が必要とするエネルギーの全てを賄うことが出来る
©Y.Kuwano 55
4-3. Step in the GENESIS Project
Country network
Global network
Local network
Solar cell
array
Residences
Solar cell panels
GENESIS
U.S.A.
JapanAsiaEurope
‘ジェネシス計画’は、家庭の屋根、ビルの屋上、工場の屋根に、次々と太陽光発電を設
置し、最終的は世界の砂漠の‘僅か4%’に太陽電池を敷き詰めれば、全人類が必要と
するエネルギーの全てを賄うことが出来るという計画である。
全人類のエネルギーの全てを賄う、新しい燃料、アンモニアを製造するために必要な
エネルギーを作り出すための太陽光発電の面積は全世界の砂漠の約12%の面積に
なり、これは実現可能である。 56
1)太陽光発電など再生エネルギーで発生させた電力で、水を電気分解して、水素を発生させ、その水素と空
気中の窒素を反応させアンモニア(NH3)を製造し、液体燃料として使う。
2)ジェネシス計画で計算を基に、予測すると太陽光からの電力変換効率は約10%、その電力で水から水素
を発生する変換効率約70%、この水素と窒素を反応させて、アンモニアを合成する効率を50%とすると、
4-4. 究極の人類のエネルギーは(ジェネシス計画からの推定)
©Y.Kuwano
太陽から電力
変換効率10%
水電解から水素へ
の変換効率70%
水素と窒素でアンモニアを
合成する効率を50%
©Y.Kuwano 57

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