3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)1733.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例
(1)NEDO 洋上風力発電実証研究(銚子沖)
1)研究概要
当該実証研究では、我が国特有の厳しい自然条件に適応した洋上風力発電の設計、工事・メ
ンテナンス手法等の技術開発とともに、洋上風力発電に係る環境影響評価に資するための調
査・検討を実施している。
当該実証研究のうち、銚子沖サイトにおける研究概要を以下に整理した。
表 3.3.1-1(1) 研究概要一覧(銚子沖)
項目 銚子沖サイト
実施者 東京電力株式会社、国立大学東京大学、鹿島建設株式会社
実証海域 千葉県銚子市名洗港沖
発電所・
観測タワ
ー・主要
設備等
くろまる風力発電機:出力 2400kW(1 台)
【三菱重工業(株)製:MWT92/2.4】
くろまる風況観測タワー:自立式三角断面鋼管トラス構造
(鉄塔高さ:MSL+100m)
くろまる基礎:重力式 PC ケーソン
くろまる海底ケーブル:全長約 4100m
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)174表 3.3.1-1(2) 研究概要一覧(銚子沖)
項目 銚子沖
風力発電
設備工事
1支持構造物工事
くろまる海底浚渫作業【浚渫船・土運搬船】
くろまる基礎捨石投入・表面整理工事【ガット船・クレーン台船・水中バックホウ】
くろまるケーソン基礎据付【フローティングドッグ、起重機船】
くろまる基礎中詰材投入作業【ガット船】
くろまるフィルターユニット据付【クレーン台船】
2風車組立工事
風車組立【SEP 船、クローラークレーン】
観測タワ
ー設備工事1支持構造物工事
くろまる海底浚渫作業【浚渫船・土運搬船】
くろまる基礎捨石投入・表面整理工事【ガット船・クレーン台船・水中バックホウ】
くろまるケーソン基礎据付【フローティングドッグ、起重機船】
くろまる基礎中詰材投入作業【ガット船】
くろまるフィルターユニット据付【クレーン台船】
2観測塔設置工事
陸上で分割組上げした観測塔を海上輸送して設置
【SEP 船、
クローラークレ
ーン】
その他工事1海底ケーブル工事(全長約 4100m)
ケーブル敷設船による敷設(5m 以浅は潜水士による埋設作業)
2電気設備(陸上)工事
基礎工事、変圧器・操作盤・変電所建屋・フェンス等設置
時期 1 環境影響評価(調査)
:2010(平成 22)年 7 月〜2012(平成 24)年 5 月
(2011(平成 23)年:東日本大震災により一時中断)
2 設置工事:2012(平成 24)年 6 月〜
3 運転:2013(平成 25)年 1 月〜
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)175工事用資材
等の運搬出入建設機械の
稼働
造成等施工
等による一時
的な影響
地形改変及
び施設の存在施設の稼働
窒素酸化物
粉じん等
騒音
超低周波音
振動 振動
水質 水の濁り
底質 有害物質
洗掘(海底地形) しろまる
流向・流速 しろまる
地形及び地質 重要な地形及び地質
風車の影
水中音 しろまる
鳥類
海域に生息する動物 底生生物 しろまる
魚類
(漁業生物) しろまる
海棲哺乳類 しろまる しろまる
海草藻類 しろまる
しろまる
産業廃棄物
残土
『電波障害』 しろまる
注) 網掛部分:発電所アセス省令の別表五で取り上げられている参考項目、しろまる印:選定した項目
『』内の項目:法アセスの参考項目には該当していない項目
工事の実施
土地又は工作物の存在及び
供用
環境の自然構成
要素の良好な状
態の保持を旨と
して、調査、予測
及び評価される
べき環境要素大気環境
大気質その他の環境 その他
騒音・超低周
波音
植物
重要な種及び重要な群集(海域に生育す
るものを除く。)
海域に生息する植物
生態系
地域を特徴づける生態系
(陸域)
重要な種及び注目すべき
生息地(海域に生息するも
のを除く。)水環境環境要素の区分 影響要因の区分
その他
生物の多様性の
確保及び自然環
境の体系的保全
を旨として調査、
予測及び評価さ
れるべき環境要素動物
しろまる
環境への負荷の量
の程度により予測
及び評価されるべき
環境要素
廃棄物等
人と自然との豊かな
触れ合いの確保を
旨として調査、予測
及び評価されるべき
環境要素
景観
主要な眺望点及び観光資
源並びに主要な眺望景観
人と自然との触れ合いの
活動の場
主要な人と自然との触れ合
いの活動の場
2)調査の対象範囲と参考項目
銚子沖実証施設設置に当たっては、千葉県環境影響評価条例の対象外であることから、千葉
県・銚子市役所・銚子市漁協等地元関係機関との協議を基に、工事等事前段階の環境調査を実
施し、工事中・供用時には事後調査を実施する計画とされている。
当該環境調査に当たっては、設置海域周辺の自然・社会条件、実証施設の工事・供用時によ
る環境への影響等を踏まえた参考項目の抽出、現地調査手法の検討及び現地調査等を実施して
おり、有用な環境影響評価書の参考事例であるため、対象として整理した。
表 3.3.1-2 に参考項目、表 3.3.1-3 に項目の選定理由、非選定理由を整理した。なお、参考と
して発電所アセス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)
【網掛部分】を示して
いるが、当該実証研究の参考項目選定は 2009 年度に実施していることから、一部の別表第 5
参考項目は考慮されていない。
表 3.3.1-2 銚子沖サイトの参考項目
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)176表 3.3.1-3(1) 銚子沖サイト参考項目の選定理由・非選定理由
項目
選定・非選定理由
環境要素の区分 影響要因の区分大気環境大気質窒素酸化物 工事用資材等の
搬出入
当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)を考慮されてい
ないため、選定されていない。
建設機械の稼働
粉じん等 工事用資材等の
搬出入
建設機械の稼働騒音・超低周波音
騒音 工事用資材等の
搬出入
当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)を考慮されてい
ないため、選定されていない。
建設機械の稼働
施設の稼働
超低周波音 施設の稼働振動
振動 工事用資材等の
搬出入
当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)を考慮されて
いないため、選定されていない。
建設機械の稼働水環境水質水の濁り 造成等の施工に
よる一時的な影響実証事業 FS において、当該海域の底質の粒度組成は細砂から粗砂で
あることから沈降速度が速いこと、工事中は汚濁防止対策を講じること
等により、影響範囲は施設近傍に限られるため、予定地点周辺海域の水
質影響はないともの評価されていることから、選定しない。
建設機械の稼働底質
有害物質 建設機械の稼働 当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)を考慮されて
いないため、選定されていない。その他洗掘(海底
地形)
地形改変及び施
設の存在
実証事業 FS において、流向・流速の予測・評価結果から、構造物の
近傍に限定されると判断され、海底地形の変化も施設の周辺に限られる
ため、実証研究予定地点周辺海域の海底地形への影響はないと評価され
ているが、構造物周辺部の洗掘影響を把握するため、選定した。
流向流速 地形改変及び施
設の存在
実証研究 FS において、当該洋上風力発電設備規模が小さいこと、海
底ケーブルも砂泥域では埋設することから、流向・流速の変化は施設の
周辺に限られるため、実証研究予定地点周辺海域の海底地形への影響は
ないと評価されているが、施設設置前後の構造物近傍及び実証予定地点
近傍における流向・流速調査の実施が必要であると指摘されているた
め、選定した。その他の環境地形及び地質
重要な地形
及び地質
地形改変及び施
設の存在
当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)を考慮されて
いないため、選定されていない。その他風車の影 施設の稼働
水中音 施設の稼働 実証事業 FS において、既往調査資料から工事及び施設の存在による
魚類等の遊泳生物へ及ぼす影響はほとんどないと評価されているが、風
車稼働に伴う水中音の音圧レベル、伝搬特性及び周波数特性を把握する
必要性があると指摘されていることから、選定した。動物
重要な種及び注目
すべき生息地(海
域に生息するもの
を除く。)
【鳥類】
造成等の施工に
よる一時的な影響地形改変及び施
設の存在
施設の稼働
実証研究 FS において、カモ科・カモメ科・ミズナギドリ科・アホウ
ドリ科を対象に生息環境の減少・悪化・喪失、移動経路阻害・遮断、バ
ードストライク、夜間照明等による誘引等を調査検討した結果、各種鳥
類への影響はいずれも小さいとされているが、その実態を把握するため
に選定した。
海域に生息する動物【底生生物】
地形改変及び施
設の存在
実証研究 FS において、生息環境の変化は施設近傍に限られ、予定地
点周辺海域の生息環境への影響はないことと、底生生物は予定地点周辺
に広く分布していることから、影響はないと評価されているが、構造物
周辺では底質の変化が想定されるため、底生生物の現況調査及び監視調
査を実施し、構造物の設置に伴う生物相の変化について把握する必要が
あると指摘されているため、選定した。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)177表 3.3.1-3(2) 銚子沖サイト参考項目の選定理由・非選定理由
項目
選定・非選定理由
環境要素の区分 影響要因の区分動物
海域に生息する
動物
【魚介類(漁業
生物)】
地形改変及び施設
の存在
施設の稼働
実証研究 FS において、漁業生物への影響域は施設近傍に限られるこ
と、遊泳動物は予定地点周辺に広く分布していることから、予定地点周
辺海域の魚類等の遊泳生物へ及ぼす影響はないと評価されているが、当
該海域は漁業権漁場であることから実態把握のため選定した。
【海棲哺乳類】 造成等の施工によ
る一時的な影響
地形改変及び施設
の存在
施設の稼働
実証研究 FS において、工事中の騒音(水中音)は一時的であるこ
と、スナメリは遊泳力があることから影響を回避でき、予定地点周辺海
域に広く分布することから、影響はないと評価されている。また、生息
環境の変化は施設近傍に限られ、予定地点周辺海域の生息環境への影響
はないことと、スナメリはエコーロケーション能力や遊泳力があること
から移動により回避できること、スナメリは予定地点周辺に広く分布し
ていることから、影響はないと評価されている。ただし、6-9 月頃に出
産・育児のため銚子沿岸に集まるため、生息状況を確認する必要がある
と指摘されているため、選定した。植物
重要な種及び重
要な群集(海域
に生育するもの
を除く。)
造成等の施工によ
る一時的な影響
地形改変及び施設
の存在
当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)は考慮されて
いないため、選定されていない。
海域に生息する
植物
【海草藻類】
造成等の施工によ
る一時的な影響
地形改変及び施設
の存在
実証研究 FS において、工事中の水の濁り及び海底地形の改変等の影
響範囲は施設近傍に限られ、予定地点周辺海域の水質への影響はないこ
と、予定地点周辺の岩礁地帯には海藻草類が広く分布していること、岩
礁地帯では海底ケーブルは埋設せずに直置きされることから濁りの発生
はなく、海藻草類への影響はないと評価されているが、その実態を把握
するために選定した。生態系地域を特徴づけ
る生態系
造成等の施工によ
る一時的な影響
地形改変及び施設
の存在
施設の稼働
当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)は考慮されて
いないため、選定されていない。景観
主要な眺望点及
び観光資源並び
に主要な眺望景観地形改変及び施設
の存在
実証研究 FS において、主要眺望点から構造物までの視距離は 3km 以
上離れており、色彩では認知できず構造物の大きさのみがポイントとな
り、視野占有率、見込角度から影響は極めて小さいと評価されている
が、今後、物理的指標として評価するだけではなく価値認識を把握する
試みが必要である。
人と自然との触れ合
いの活動の場/ 主要な
人と自然との触れ合
いの活動の場
工事用資材等の搬
出入
地形改変及び施設
の存在
当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)は考慮されて
いないため、選定されていない。廃棄物等 産業廃棄物 造成等の施工によ
る一時的な影響
当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)は考慮されて
いないため、選定されていない。
残土
電波障害 地形改変及び施設
の存在
実証研究 FS において、漁業無線については影響の有無が不明なた
め、建設前後に漁業無線の通信状況を確認する必要性があると記載され
ているため、選定した。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)1783)参考項目別の調査手法及び結果
環境影響評価参考項目別の調査手法及び結果を以下に整理した。参考項目によっては調査の
みの項目が含まれている。
1 海底地形及び流向・流速
供用時における洋上風車基礎周辺の海底地形への影響を評価するため、
海底地形及び流向・流
速を対象として、事前段階の調査を実施している。なお、事後調査(供用時)は 4 章を参照され
たい。
ア)調査手法
表 3.3.1-4 及び図 3.3.1-1〜図 3.3.1-2 に流向・流速の調査手法を示した。
表 3.3.1-4 海底地形の調査手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:基礎周辺海底部の洗掘状況予測
【海底地形】
くろまる調査方法:マルチナロービーム測深器による計測
くろまる調査地点:洋上風力発電施設周辺域の海底地形(×ばつ80m)
くろまる調査期間:1 回実施
【流向・流速】
くろまる調査方法:自記式流向流速計(電磁流速計)による計測(海面下 2m)
くろまる調査地点:風車設置予定地(A2)及びその周辺海域(A1・A3)
くろまる調査期間:夏季・冬季の 2 回
図 3.3.1-1 海底地形の調査手法・調査範囲
実証研究地点
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)179図 3.3.1-2 流向・流速の調査手法・調査測点
イ)調査結果
表 3.3.1-5 及び図 3.3.1-3 に海底地形、表 3.3.1-6 及び図 3.3.1-4 に流向・流速の調査結果を示
した。
くろまる海底地形
表 3.3.1-5 海底地形の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2011(平成 23)年 1 月
調査結果 当該調査の結果、風車設置予定地点の水深は 12m 程度で比較的平坦であっ
た。測定範囲の北東端部が 11.6m と浅く、南端部が 13m と深くなってい
た。
図 3.3.1-3 海底地形の調査結果
実証研究地点A1A2A3 3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)180A1A2A3
【流向・流速頻度分布】 [流向・流速別]A1A2A3【流向・流速頻度分布】
【流速頻度分布】A1A2A3くろまる流向・流速
表 3.3.1-6 流向・流速の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2010(平成 22)年 8 月〜9 月(夏)
、2011(平成 23)年 1 月〜2 月(冬)
調査結果 当該海域の流向は夏季に東流が卓越し、冬季には東西方向の流れが生じて
いた。夏季の平均流速は A1 で 9.0cm/s、A2 で 8.9cm/s、A3 で 4.1cm/s、冬
季の平均流速は A1 で 1.5c m/s、A2 で 1.7cm/s、A3 で 2.1cm/s であった。
流向はいずれの測点も夏季と冬季で同様の傾向にあるが、流速は A1 と A2
が類似するが、A3 は若干異なる傾向が見られた。
調査期間:2010(平成 22)年 8 月〜9 月 調査期間:2011(平成 23)年 1 月〜2 月
図 3.3.1-4 流向・流速の調査結果
2 水中騒音
実証機供用時に発生する水中騒音の影響を確認するため、実証機設置後に水中騒音の事後調
査が実施されている。事後調査(供用時)については 4 章を参照されたい。A3A1A2[流速頻度分布]
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)1813 鳥類
供用時における鳥類(カモ科・カモメ科・ミズナギドリ科・アホウドリ科)への影響を把握す
るため、鳥類を対象に事前段階の調査を実施している。なお、事後調査(供用時)は 4 章を参照
されたい。
ア)調査手法
表 3.3.1-7 及び図 3.3.1-5 に鳥類の調査手法を示した。
表 3.3.1-7 鳥類の調査手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:鳥類の生息状況
くろまる調査方法・測点:船舶トランセクトライン調査(7km 測線 4 本)
定点調査(6 地点:定点 A〜F)
レーダー調査(1 地点)
くろまる調査期間: 船舶トランゼクト目視調査(4 季)
定点調査(4 季)
レーダー調査(2 季(秋季、春季))
図 3.3.1-5 鳥類調査の方法・測点・測線
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)182イ)調査結果
表 3.3.1-8〜10、図 3.3.1-6〜16 に鳥類調査結果を示した。
表 3.3.1-8 鳥類の調査結果
項 目 概 要
調査時期 (A) 船舶トランセクトライン調査
2010(平成 22)年 8 月・11 月、2011(平成 23)年 1 月、2012(平成
24)年 4 月・5 月・6 月
(B) 定点調査
2010(平成 22)年 8 月・11 月、2011(平成 23)年 1 月、2012(平成 24
年)年 5 月・6 月
(C) レーダー調査
2010(平成 22)年 11 月、2011(平成 23)年 1 月、2012(平成 24)年
5 月
調査結果 カモメ類・カモ類・ミズナギドリ類を主体に出現状況を整理した。なお、現
地調査にてアホウドリ類は出現しなかった。
(A)船舶トランセクトライン調査
当該調査結果によれば、8 月はオオミズナギドリ、ウミネコ・アジサシ等の
カモメ類、11 月はオオミズナギドリ、カモメ類、カモ類、1 月はカモメ類、
カモ類、アビ類・ウミスズメ類等、4〜6 月はミズナギドリ類、カモメ類等が
主要な出現種であった。8 月・11 月・1 月は概ね A 測線での出現個体数が多
く、B~D 測線の西方向へ移るに従って出現個体数は減少したが、4〜6 月は
測線間に大きな差が無く、
いずれも沿岸より沖合方向で出現個体が多かった。
カモ類は高度 S(水面)〜高度L(0〜30m)
、ウミネコ等カモメ類は高度 S
(水面)〜高度 M(30〜130m)
、オオミズナギドリ等ミズナギドリ類は高度
L(0〜30m)での飛翔頻度が多かった。
(B) 定点調査
8 月の陸上定点ではカモメ類、海上定点ではオオミズナギドリが多く、オオ
ミズナギドリ類は飛翔高度 L(0〜30m)に多かった。11 月の陸上定点では
カモ類、海上定点ではカモメ類が多く、カモ類は大半が高度 M(30m)以下
の飛翔か、海上で浮上をしていた。1 月の陸上定点ではカモ類、海上定点で
はカモメ類・アビ類が卓越し、ウミネコ等は高度 L(0〜30m)〜H(130m
以上)に幅広く、カモ類は大半が海上で浮いていた。5〜6 月はオオミズナギ
ドリが多く、高度Lを飛翔していた。
(C)レーダー調査
11 月は飛翔軌跡を抽出できたものの、
目視調査結果との整合性が良くなかっ
た。1 月は目視調査結果との整合性が良く、日出、日没時に飛翔のピークが
確認された。5 月は荒天等の影響を受けたが、日出、日没時に飛翔のピーク
が確認された。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)183事前調査(船舶トランセクト)
No. 目名 科名 種名 平成22年度 平成24年度
08月期 11月期 01月期 04月期 05月期 06月期 02月期
1 アビ アビ アビ 4 2 1 2
2 シロエリオオハム 2,600 1,708 2,912
3 ハシジロアビ 4 1
- アビ目の一種 24
4 カイツブリ カイツブリ ハジロカイツブリ 1
5 アカエリカイツブリ
6 カンムリカイツブリ 93 5 15
7 ミズナギドリ アホウドリ クロアシアホウドリ
8 ミズナギドリ オオミズナギドリ 6,951 672 885 4,365 4,669
9 アカアシミズナギドリ 3
10 ハイイロミズナギドリ 8 10 2
11 ハシボソミズナギドリ 21 21 4
- ミズナギドリ科の一種 1
- ウミツバメ ウミツバメ科の一種 1 4
12 ペリカン ウ カワウ 2
13 ウミウ 5 189 303 6 2 223
14 ヒメウ 88 89 11 24
- ウ属の一種 2
15 コウノトリ サギ ダイサギ
16 カモ カモ カルガモ 78 53
17 オナガガモ 4
18 スズガモ 37 50
19 クロガモ 179 2,281 549 49 4,341
20 ビロードキンクロ 13 40 9
- カモ科の一種 20 4 304
21 タカ ハヤブサ ハヤブサ 1
22 チドリ チドリ ムナグロ 8
23 シギ ミユビシギ
24 キアシシギ
25 チュウシャクシギ 33
- シギ科の一種 21
26 ヒレアシシギ ハイイロヒレアシシギ 135 5
27 アカエリヒレアシシギ 15
- ヒレアシシギ属の一種 50 59
28 トウゾクカモメ オオトウゾクカモメ 1
29 トウゾクカモメ 1 1 4
30 シロハラトウゾクカモメ
- トウゾクカモメ科の一種 1
31 カモメ ユリカモメ 198 3
32 セグロカモメ 1 12 19 81 286
33 オオセグロカモメ 11 2 3 41 28 2 1,607
34 ワシカモメ
35 シロカモメ 2
36 カモメ 130
37 ウミネコ 729 731 9,320 91 5 106 6,763
38 ミツユビカモメ 243 3 119
39 クロハラアジサシ
40 ハシブトアジサシ
41 アジサシ 368 62 2
42 コアジサシ 7 106 5
- アジサシ属の一種 1
- カモメ科の一種 6 9 309
43 ウミスズメ ウミガラス 118 28 9
44 ケイマフリ
45 マダラウミスズメ 3
46 ウミスズメ 412 93 13
47 カンムリウミスズメ 3
- ウミスズメ属の一種 3 85 8
48 ウトウ 6 18 20
49 ハト ハト キジバト 1
50 スズメ ツバメ ツバメ 1 2
51 ホオジロ アオジ
52 カラス ハシブトガラス
53 ハト ハト カワラバト(ドバト)
計 10目 19科 53種 8,122 1,942 15,617 4,236 5,019 4,792 16,785
(A) 船舶トランセクトライン調査結果
表 3.3.1-9 船舶トランセクトラインの調査月別出現種類
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)184総計
A測線 B測線 C測線 D測線 A測線 B測線 C測線 D測線
平成22年 08月 8月24日 799 242 34 186 201 80 141 81 1,764
8月25日 379 225 93 47 2,440 165 146 61 3,556
8月26日 880 501 331 173 291 218 114 294 2,802
11月 11月9日 162 60 422 644
11月10日 203 147 18 108 99 46 64 19 704
11月11日 28 187 115 91 90 26 3 54 594
平成23年 01月 1月25日 5,840 374 491 658 36 243 620 114 8,376
1月26日 2,164 554 168 817 20 559 787 267 5,336
1月27日 57 777 203 425 10 246 84 103 1,905
平成24年 04月 4月17日 102 476 194 280 442 140 259 456 2,349
4月18日 58 70 149 140 203 60 58 75 813
4月19日 240 117 100 57 234 90 68 168 1,074
05月 5月15日 215 211 77 184 96 91 590 71 1,535
5月17日 318 482 225 448 368 892 200 551 3,484
06月 6月27日 145 86 1,078 959 212 124 86 139 2,829
6月28日 166 39 69 345 568 295 191 290 1,963
調査年 調査月 月日 1回目 2回目
事前調査
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000SS-LLL-MMH
確認個体数・・・x・・・ェ
オオミズナギドリ
ヒレアシシギ属の一種
セグロカモメ
オオセグロカモメ
ウミネコ
アジサシ
アジサシ属の一種
コアジサシ
ウミスズメ属の一種
ツバメ
表 3.3.1-10 船舶トランセクトラインの調査月別出現個体数
図 3.3.1-6 船舶トランセクトライン調査(2010 年 8 月)
測線別・距離別出現個体数 測線別・出現種別出現比率
出現種別・飛翔高度別出現個体数
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)1850% 20% 40% 60% 80% 100%
A測線
B測線
C測線
D測線
A測線
B測線
C測線
D測線
A測線
B測線
C測線
D測線
A測線
B測線
C測線
D測線11月9日11月10日11月11日
合計
オオミズナギドリ ウミツバメ科の一種 ウミウ カルガモ スズガモ
クロガモ カモ科の一種 セグロカモメ ユリカモメ オオセグロカモメ
ウミネコ カモメ科の一種 キジバト
0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800SS-LLL-MMH
確認個体数
高度区分
平成22年11月
オオミズナギドリなど カモメ他 カモ他 その他の水鳥 タカ目、ハト目、スズメ目等の陸鳥
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000SS-LLMM-HH
確認個体数
高度区分
平成23年1月
アビなど カモ他 カモメ他 その他の水鳥
図 3.3.1-7 船舶トランセクトライン調査(2010 年 11 月)
図 3.3.1-8 船舶トランセクトライン調査(2011 年 1 月)
0% 20% 40% 60% 80% 100%
A測線
B測線
C測線
D測線
A測線
B測線
C測線
D測線
A測線
B測線
C測線
D測線
A測線
B測線
C測線
D測線1月25日1月26日1月27日
合計
アビなど カモ他 カモメ他 その他の水鳥
測線別・距離別出現個体数 測線別・出現種別出現比率
出現種別・飛翔高度別出現個体数
測線別・距離別出現個体数 測線別・出現種別出現比率
出現種別・飛翔高度別出現個体数
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)186距離区分 D C B A
0〜1km 771 232 216 305 1,524 11%
1〜2km 591 292 207 117 1,207 9%
2〜3km 433 357 437 353 1,580 11%
3〜4km 386 463 493 140 1,482 11%
4〜5km 578 352 840 587 2,357 17%
5〜6km 879 1387 512 732 3,510 25%
6〜7km 525 261 468 1133 2,387 17%
4,163 3,344 3,173 3,367 14,047 100%
30% 24% 23% 24% 100%
Total
Total
図 3.3.1-9 船舶トランセクトライン調査(2012 年 4〜6 月)
(B) 定点調査結果
図 3.3.1-10 定点調査(平成 22 年 8 月)
図 3.3.1-11 定点調査(2010 年 11 月)
測線別・距離別出現個体数
出現種別・飛翔高度別出現個体数
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)187図 3.3.1-12 定点調査(2011 年 1 月)
図 3.3.1-13 定点調査(2012 年 5 月〜6 月)
(C) レーダー調査結果
図 3.3.1-14 レーダー調査(2010 年 11 月)
注:レーダー直近は軌跡映像が写らないため空白となっている。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)188時刻
0 500 1000 1500 2000051くろまる くろまる
定 点 B 2011年1月26日
時刻
頻度
0 500 1000 1500 2000020406080くろまる くろまる
定 点 B 2011年1月27日
時刻
頻度
0 500 1000 1500 2000020406080くろまる くろまる
観測終了14:00
図 3.3.1-15 レーダー調査(2011 年 1 月)
図 3.3.1-16 レーダー調査(2012 年 5 月)
注:レーダー直近は軌跡映像が写らないため空白となっている。
注:レーダー直近は軌跡映像が写らないため空白となっている。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)1894 底生生物
供用時における基礎周辺部の底質変化による底生生物への影響を把握するため、底生生物を
対象に事前段階の調査を実施している。なお、事後調査(供用時)は 4 章を参照されたい。
ア)調査手法
表 3.3.1-11 及び図 3.3.1-17 に底生生物の調査手法を示した。
表 3.3.1-11 底生生物の調査手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:底生動物(マクロベントス)の生息状況
くろまる調査方法:採泥器(スミスマッキンタイヤ型)による採泥法
くろまる調査測点:風車設置予定地(A2)及びその周辺海域(A1・A3)
くろまる調査期間:2 季(夏季、冬季各期 1 日程度)
図 3.3.1-17 底生生物の調査手法・測点
実証研究地点A1A2A3スミス・マッキンタイヤ型採泥器
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)190 調査方法:スミス・マッキンタイヤ型採泥器による採泥
調査時期 項 目 調査点 A1 A2 A3 平均
出現種類数 64 25 67 104
環形動物 3,787 ( 51.7) 47 ( 1.4) 493 ( 14.0) 1,442 ( 30.3)
出現 軟体動物 593 ( 8.1) 2,887 ( 84.2) 1,853 ( 52.5) 1,778 ( 37.3)
個体数 節足動物 2,647 ( 36.2) 360 ( 10.5) 913 ( 25.8) 1,307 ( 27.5)
(個体/m2) そ の 他 293 ( 4.0) 133 ( 3.9) 273 ( 7.7) 233 ( 4.9)
合 計 7,320 (100.0) 3,427 (100.0) 3,533 (100.0) 4,760 (100.0)
環形動物 エラナシスピオ ( 36.2) エラナシスピオ ( 18.5)
Asabellides sp. ( 8.1) Asabellides sp. ( 5.0)
主な出現種 軟体動物 ヒメバカガイ ( 82.5) ヒメバカガイ ( 44.7) ヒメバカガイ ( 31.7)(%)節足動物 ドロクダムシ属 ( 12.1) Byblis sp. ( 6.4) ドロクダムシ属 ( 6.2)
スナクダヤドムシ ( 5.4)
そ の 他
出現種類数 15 11 12 28
環形動物 1,053 ( 14.4) 27 ( 0.8) 33 ( 0.9) 371 ( 7.8)
出現 軟体動物 27 ( 0.4) 347 ( 10.1) 147 ( 4.2) 173 ( 3.6)
個体数 節足動物 60 ( 0.8) 47 ( 1.4) 27 ( 0.8) 44 ( 0.9)
(個体/m2) そ の 他 27 ( 0.4) 33 ( 1.0) 113 ( 3.2) 58 ( 1.2)
合 計 1,167 (100.0) 453 (100.0) 320 (100.0) 647 (100.0)
環形動物 エラナシスピオ ( 88.6) ナガエラチロリ ( 5.9) エラナシスピオ ( 53.3)
主な出現種 軟体動物 ヒメバカガイ ( 72.1) ヒメバカガイ ( 43.8) ヒメバカガイ ( 25.1)(%)節足動物
そ の 他 紐形動物門 ( 5.9) イソギンチャク目 ( 33.3) イソギンチャク目 ( 5.5)
注:1.種類数の平均欄は総種類数を示す。
2.( )内の数値は、総出現個体数に対する組成比率(%)を示す。
3.出現個体数欄の組成比率は、四捨五入の関係で合計が一致しないことがある。
4.主な出現種は、個体数の組成比が5%以上のものを記載した。
夏季
(平成22年8月4日)
冬季
(平成23年2月2日)
イ)調査結果
表 3.3.1-12 及び 3.3.1-13 に底生生物調査結果を示した。
表 3.3.1-12 底生生物(マクロベントス)の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2010(平成 22)年 8 月(夏)
、2011(平成 23)年 2 月(冬)
調査結果 夏季及び冬季の平均出現種類数・平均個体数・主な出現種を見ると、夏季は 104
種類・4760 個体で、
軟体動物と環形動物の出現割合が 5 割程度で、
冬季は 28 種
類・647 個体で、軟体動物と環形動物の出現割合が 7 割であり、夏季の生息生物
が豊富であった。
測点別に見ると、個体数は A1 が多くて A2 と A3 は類似する傾向である。種類
数は A3 に比べて A1・A2 で多いが、主な出現種から見ると環形動物が多い A1
は砂泥質、軟体動物が多い A2・A3 は砂質の海岸と考えられる。
表 3.3.1-13 底生生物(マクロベントス)の調査結果の詳細
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)1915 魚介類(漁業生物)
供用時における魚介類(漁業生物)への影響を把握するため、魚類を対象に事前段階の調査を
実施している。なお、事後調査(供用時)は 4 章を参照されたい。
ア)調査手法
表 3.3.1-14 及び図 3.3.1-18 に魚介類(漁業生物)の調査手法を示した。
表 3.3.1-14 魚介類(漁業生物)の調査手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:漁業生物(魚介類)の生息状況
くろまる調査方法:船曳網による漁獲調査
くろまる調査測点:3 点(事業実施区域 A2 定点・対照区域 A1 定点 ・A3 定点)
くろまる調査期間:4 季
図 3.3.1-18 魚介類(漁業生物)の調査手法・調査測点
実証研究地点A1A2A3船曳網
投網時 揚網時
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)192調査方法:機船船びき網
調査時期 項 目 調査点 A1 A2 A3 平均
出現種類数 7 4 5 10
出 現 魚 類 3,062 (100.0) 1,733 (100.0) 374 (100.0) 1,723 (100.0)
個体数 その他 ( 0.0) ( 0.0) ( 0.0) ( 0.0)
(個体/網) 合 計 3,062 (100.0) 1,733 (100.0) 374 (100.0) 1,723 (100.0)
主な出現種 魚 類 カタクチイワシ ( 99.5) カタクチイワシ ( 99.5) カタクチイワシ ( 84.8) カタクチイワシ ( 98.5)
(%) ショウサイフグ ( 13.4)
その他
出現種類数 11 18 6 18
出 現 魚 類 5,769 ( 99.9) 8,654 ( 99.9) 116 ( 100.0) 4,846 ( 99.9)
個体数 その他 3 ( 0.1) 12 ( 0.7) ( 0.0) 5 ( 0.3)
(個体/網) 合 計 5,772 (100.0) 8,666 (100.0) 116 (100.0) 4,851 (100.0)
主な出現種 魚 類 カタクチイワシ ( 98.6) カタクチイワシ ( 96.9) カタクチイワシ ( 87.1) カタクチイワシ ( 97.5)
(%) マサバ ( 5.2)
その他
出現種類数 2 3 1 4
出 現 魚 類 21 (100.0) 50 (100.0) 94 (100.0) 55 (100.0)
個体数 その他 ( 0.0) ( 0.0) ( 0.0) ( 0.0)
(個体/網) 合 計 21 (100.0) 50 (100.0) 94 (100.0) 55 (100.0)
主な出現種 魚 類 カタクチイワシ ( 95.2) カタクチイワシ ( 96.0) カタクチイワシ (100.0) カタクチイワシ ( 98.2)(%)その他
出現種類数 5 5 5 5
出 現 魚 類 297 (100.0) 52 (100.0) 254 (100.0) 201 (100.0)
個体数 その他 ( 0.0) ( 0.0) ( 0.0) ( 0.0)
(個体/網) 合 計 297 (100.0) 52 (100.0) 254 (100.0) 201 (100.0)
主な出現種 魚 類 アユ ( 85.2) アユ ( 86.5) アユ ( 87.4) アユ ( 86.2)
(%) クジメ ( 8.8) カタクチイワシ ( 5.8) クジメ ( 7.5) クジメ ( 7.8)
その他
注:1.種類数の平均欄は総種類数を示す。
2.( )内の数値は、総出現個体数に対する組成比率(%)を示す。
3.出現個体数欄の組成比率は、四捨五入の関係で合計が一致しないことがある。
4.主な出現種は、個体数の組成比が5%以上のものを記載した。
春季
(平成22年7月16日)
夏季
(平成22年8月4日)
秋季
(平成22年11月12日)
冬季
(平成23年2月2日)
イ)調査結果
表 3.3.1-15 及び表 3.3.1-16 に魚介類(漁業生物)の調査結果を示した。
表 3.3.1-15 魚介類(漁業生物)の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2010(平成 22)年 7 月、8 月、11 月、2011(平成 23)年 2 月
調査結果 だいやまーく実証研究海域の A2 定点の調査結果をみると、
7 月は出現 4 種数、
個体数 1733
個体で、8 月は出現 18 種数、個体数 5664 個体で、11 月は出現 3 種数、個体数
50 個体で、2 月は出現 5 種数、個体数 52 個体であった(個体数の範囲:50〜
5661 個体、平均:2622 個体)
。7 月・8 月・11 月の優占種はカタクチイワシ、
2 月の優占種はアユ・カタクチイワシであった。
カタクチイワシの個体数は 4 季で 3〜8397 個体(平均:2543 個体)であった。
だいやまーく対照海域 A1 定点(A2 定点と同水深帯)をみると、7 月は出現 7 種数、個体
数 3062 個体で、8 月は出現 11 種数、個体数 5769 個体で、11 月は出現 2 種数、
個体数 21 個体で、2 月は出現 5 種数、個体数 297 個体であった(個体数の範
囲:21〜5769 個体、平均:2287 個体)
。7 月・8 月・11 月の優占種はカタクチ
イワシ、2 月の優占種はアユ・クジメであった。
カタクチイワシの個体数は 4 季で 9〜5692 個体(平均:2192 個体)であった。
だいやまーく対照海域 A3 定点(A2 定点の沿岸側)をみると、7 月は出現 5 種数、個体数
374 個体で、8 月は出現 6 種数、個体数 116 個体で、11 月は出現 1 種数、個体
数 94 個体で、2 月は出現 5 種数、個体数 254 個体であった(個体数の範囲:94
〜374 個体、平均:209 個体)
。7 月はカタクチイワシ・ショウサイフグ、8 月は
カタクチイワシ、マサバ、11 月はカタクチイワシ、2 月はアユ・クジメが優占種
であった。カタクチイワシの個体数は 4 季で 6〜317 個体(平均:130 個体)で
あった。
だいやまーくA1・A2・A3 定点においては概ねカタクチイワシが優占していた。
だいやまーくA1・A2・A3 定点の出現状況を比較すると出現優占種・個体数から
同水深帯の A1 定点と A2 定点は類似した環境と考えられた。
表 3.3.1-16(1) 魚介類(漁業生物)の調査結果
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)193調査方法:機船船びき網
単 位:個体/網(個体数)
g /網(湿重量)
番 調 査 点
号 種 名 個体数 湿重量 個体数 湿重量 個体数 湿重量 個体数 湿重量
1 Myliobatis tobijei トビエイ 1 460.6 1 460.6
2 Engraulis japonicus カタクチイワシ 3,048 246.2 1,725 229.3 317 1,146.8 5,090 1,622.3
3 Trachinocephalus myops オキエソ 1 0.2 1 0.2 1 0.2 3 0.6
4 Sphyraena pinguis アカカマス 1 + 1 +
5 Trachurus japonicus マアジ 1 0.1 5 4.5 6 4.6
6 Chaetodon vagabundus フウライチョウチョウウオ 1 0.4 1 0.4
7 Scomber japonicus マサバ 1 0.1 1 0.1
8 Pictiblennius yatabei イソギンポ 9 0.4 6 0.3 15 0.7
9 Stephanolepis cirrhifer カワハギ 1 1.1 1 1.1
10 Takifugu vermicularis ショウサイフグ 50 1,892.3 50 1,892.3
総 種 類 数
総 個 体 数/総 湿 重 量 3,062 708.0 1,733 229.8 374 3,044.9 5,169 3,982.7
1 Squillidae シャコ科 3 0.1 12 0.2 15 0.3
2 Engraulis japonicus カタクチイワシ 5,692 222.0 8,397 300.9 101 29.8 14,190 552.7
3 Congridae アナゴ科 4 0.3 4 0.2 8 0.5
4 Trachinocephalus myops オキエソ 1 0.1 6 0.8 7 0.9
5 Sphyraena pinguis アカカマス 1 + 1 + 2 +
6 Apogon sp. テンジクダイ属 17 0.1 41 + 58 0.1
7 Trachurus japonicus マアジ 15 0.2 59 0.6 74 0.8
8 Gerres oyena クロサギ 16 0.1 1 + 17 0.1
9 Epinephelus sp. マハタ属 1 + 1 +
10 Pagrus major マダイ 7 0.1 33 0.3 40 0.4
11 Rhyncopelates oxyrhynchus シマイサキ 7 0.1 2 + 9 0.1
12 Scomber japonicus マサバ 28 0.4 41 0.5 6 0.3 75 1.2
13 Pictiblennius yatabei イソギンポ 40 0.6 5 0.1 45 0.7
14 Hypodytes rubripinnis ハオコゼ 3 + 1 + 4 +
15 Platycephalus indicus コチ 4 + 4 +
16 Paralichthys olivaceus ヒラメ 1 + 1 + 2 +
17 Rudarius ercodes アミメハギ 1 + 1 +
18 Tetraodontidae フグ科 1 0.2 1 0.1 2 0.3
総 種 類 数
総 個 体 数/総 湿 重 量 5,772 223.3 8,666 304.5 116 30.3 14,554 558.1
1 Engraulis japonicus カタクチイワシ 20 20.8 48 122.9 94 5.2 162 148.9
2 Elops hawaiensis カライワシ 1 0.1 1 0.1
3 Hypoatherina bleekeri トウゴロウイワシ 1 3.1 1 3.1
4 Trachurus japonicus マアジ 1 5.6 1 5.6
総 種 類 数
総 個 体 数/総 湿 重 量 21 20.9 50 131.6 94 5.2 165 157.7
1 Engraulis japonicus カタクチイワシ 9 0.8 3 0.2 6 0.5 18 1.5
2 Plecoglossus altivelis アユ 253 12.7 45 2.8 222 13.9 520 29.4
3 Salangichthys ishikawae イシカワシラウオ 1 0.2 1 0.2 3 0.3 5 0.7
4 Sebastes pachycephalus ムラソイ 8 + 1 + 4 + 13 +
5 Hexagrammos agrammus クジメ 26 2.0 2 1.1 19 2.8 47 5.9
総 種 類 数
総 個 体 数/総 湿 重 量 297 15.7 52 4.3 254 17.5 603 37.5
注:+ は、0.0g未満を示す。
2 3 1 4
秋季(平成22年11月12日)
5 5 5 5
冬季(平成23年2月2日)
調査時期
春季(平成22年7月16日)
11 18 6 18
夏季(平成22年8月4日)
A1 A2 A3 合 計
7 4 5 10
表 3.3.1-16(2) 魚介類(漁業生物)の調査結果(個体数・湿重量)
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)1946 海棲哺乳類
工事中・供用時における海棲哺乳類(スナメリ)への影響を把握するため、スナメリを対象に
事前段階の調査を実施している。なお、事後調査(工事中・供用時)は 4 章を参照されたい。
ア)調査手法
表 3.3.1-17 及び図 3.3.1-19 に海棲哺乳類の調査手法を示した。
表 3.3.1-17 海棲哺乳類の調査手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:海棲哺乳類(スナメリ)の生息状況
くろまる調査方法:船舶トランゼクトライン調査(目視調査)
くろまる調査測点:6 測線(海岸線と並行:全測線長 55km)
くろまる調査期間:6 月〜翌年 2 月頃(繁殖期)
図 3.3.1-19 海棲哺乳類の調査手法・測点
イ)調査結果
表 3.3.1-18〜19、図 3.3.1-20 に海棲哺乳類調査結果を示した。
表 3.3.1-18 海棲哺乳類の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2010(平成 22)年 7 月〜2011(平成 23)年 2 月
調査結果 当該海域では海棲哺乳類のうち、
スナメリが主に確認された。
銚子沖では繁
殖のために 6 月〜9 月にスナメリが多く集まることが知られており、当該
調査でも 8 月に多く出現した。スナメリは主に水深 10m 前後の海域で確認
され、特に犬吠埼南側で多く出現していた。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)195確認された海産哺乳類の出現状況
第1回 7/5 スナメリ 11
第2回 7/26 スナメリ 1
第3回 8/3 スナメリ 321
第4回 8/23 スナメリ 30
第5回 8/31 スナメリ 84
第6回 9月 9/13 スナメリ 4
第7回 10/5 スナメリ 8
第8回 10/13 スナメリ 6
第9回 11月 11/11 スナメリ 12
第10回 12月 12/21 スナメリ 7
第11回 平成23年 2月 2/16 スナメリ 1
10月8月種 類 概算個体数
調査回7月平成22年
調査年月日
表 3.3.1-19 海棲哺乳類の調査結果の詳細
図 3.3.1-20 海棲哺乳類の調査結果
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)1967 藻場(海草藻類)
供用時の海底ケーブル敷設範囲における藻場(海草藻類)への影響把握のため、海草藻類を対
象に事前段階の調査を実施している。
ア)調査手法
表 3.3.1-20 及び図 3.3.1-21 に藻場(海草藻類)の調査手法を示した。
表 3.3.1-20 藻場(海草藻類)の調査手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:海底ケーブルルートの海草・藻類の繁殖状況
くろまる調査方法:潜水士による目視観測・枠取調査・水中写真撮影
くろまる調査測点:海底ケーブルルート上 9 測線
くろまる調査期間:1 季(4 月)
図 3.3.1-21 藻場(海草藻類)の調査手法・調査測線
実証研究地点
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)197イ)調査結果
表 3.3.1-21 及び図 3.3.1-22 に藻場(海草藻類)の調査結果を示した。
表 3.3.1-21 藻場(海草藻類)の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2012(平成 24)年 4 月
調査結果 海底ケーブルルート上には海草藻類は生育していなかった。底質は大部分が砂
で、所々で岩盤、砂、礫等の混合域が確認された。
図 3.3.1-22 藻場(海草藻類)の調査結果
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)1988 景観
供用時における景観への影響については、平成 20 年度フィージビリティ・スタディにて事前
段階の調査及び予測・評価しており、ここではそれら手法・結果を再掲した。
ア)調査・予測・評価手法
表 3.3.1-22 及び図 3.3.1-23 に景観の調査・予測・評価手法を示した。
表 3.3.1-22 景観の調査・予測・評価手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:眺望景観
くろまる調査方法:主要眺望点選定を行い、現況(事前)の眺望の写真撮影を実施
くろまる調査測点:主要眺望点 3 地点
予測手法 くろまる主要な眺望地点(1外川漁港・2地球の丸く見える丘展望館・3飯岡刑部
岬展望館)からの現況写真を基にフォトモンタージュを作成し、景観に対す
る数値的評価(視距離、視野占有率、見込角)を行った。
くろまる予測対象時期:供用時(昼間・夜間)
評価手法 くろまる事前調査結果や予測結果とともに、景観に対する数値的評価(視距離、視
野占有率、見込角)を加えて、本事業による景観への影響を評価。
図 3.3.1-23 景観の調査手法・調査測点
イ)調査・予測・評価結果
表 3.3.1-23 及び図 3.3.1-24 に景観の調査結果、表 3.3.1-24 及び図 3.3.1-25 に予測・評価結果
を示した。
実証研究地点
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)199表 3.3.1-23 景観の調査結果
項 目 概 要
調査手法 既往事例等より主要眺望点の選定を行い、眺望写真撮影を実施。
調査時期 2008(平成 20)年度
調査結果 主要な眺望地点として「地球の丸く見える丘展望館」、「外川漁港」および「飯岡
刑部岬展望館」の 3 点を選定し、当該地点から望む実証海域の現況写真を撮影
した。
図 3.3.1-24 主要な眺望地点から見た実証海域
外川漁港
地 球 の 丸
く 見 え る
丘展望館
飯 岡 刑 部
岬展望館
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)200表 3.3.1-24 景観の予測・評価結果
項 目 概 要
予測・
評価時期
供用時(昼間・夜間)
予測・
評価結果
主要な眺望地点
(1外川漁港、
2地球の丸く見える丘展望館、3飯岡刑部岬展望館)のフォトモンタージュは以下のとおりで、
視距離は 3 km以上離れており、遠景域に分類されると予測された。視覚占有率(閾値 1.5%以下)
、見込角度(眺望
の主対象角度:15 度、人間の識別可能な角度:1〜2 度)で評価した結果、いず
れも極めて影響は小さいと評価された。
図 3.3.1-25 景観の予測・評価結果
視距離:3.5 km
構造物占有率 0.0109%
見込角:1.528 度
視距離:4.6 km
構造物占有率 0.0045%
見込角:1.146 度
視距離:7.5 km
構造物占有率 0.0033%
見込角:0.6111 度
外川漁港
地 球 の 丸
く 見 え る
丘展望館
飯 岡 刑 部
岬展望館
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)2019 電波障害
供用時における漁業無線への影響を確認するため、漁業無線に係る事前段階の調査を実施し
ている。なお、事後調査(供用時)は 4 章を参照されたい。
ア)調査手法
表 3.3.1-25 及び図 3.3.1-26 に電波障害の調査手法を示した。
表 3.3.1-25 電波障害の調査手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:電波障害(漁業無線)
くろまる調査方法:銚子市漁業協同組合の船舶を利用し、漁船に設置した受信アン
テナにて銚子漁業無線局からの受信レベル・電界強度を海上にて測定
くろまる調査測点:風車建設地点を囲む 2k×ばつ11 km範囲内
くろまる調査期間:1 回実施
図 3.3.1-26 電波障害の調査手法・調査測線
イ)調査結果
表 3.3.1-26 及び図 3.3.1-27 に電波障害の調査結果を示した。
表 3.3.1-26 電波障害の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2010(平成 22)年 11 月
調査結果 受信状態:全測点において通信感度略符号は「5」
(雑音もなく、感度・明
瞭度とも極めて良好)。電界強度:各測点において午前午後の差異は小さかった。
電界強度は沖合に
向かって減衰する傾向であり、実証研究地点周辺は 30dBμV/mに対して、
沖合は 20 dBμV/mを下回った。
実証研究地点
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)202図 3.3.1-27 電波障害の調査結果
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)203(2)NEDO 洋上風力発電実証研究(北九州市沖)
1)研究概要
当該実証研究では、我が国特有の厳しい自然条件に適応した洋上風力発電の設計、工事・メ
ンテナンス手法等の技術開発とともに、洋上風力発電に係る環境影響評価に資するための調
査・検討を実施している。
当該実証研究のうち、北九州市沖サイトにおける研究概要を以下に整理した。
表 3.3.2-1(1) 研究概要一覧(北九州市沖)
項目 北九州市沖サイト
実施者 電源開発株式会社
実証海域 福岡県北九州市若松区響町地先
発電所・
観測タワ
ー・主要
設備等
くろまる風力発電機:出力 2000kW(1 台)
【日本製鋼所製:J82-2.0】
くろまる風況観測タワー:方面鋼管トラス構造(鉄塔高さ:DL+85m)
くろまる基礎:ハイブリッド重力式
くろまる開閉所:1 か所(陸上)
くろまる海底ケーブル:約 1600m
くろまる架空送電線:約 70m
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)204表 3.3.2-1(2) 研究概要一覧(北九州市沖)
項目 北九州市沖サイト
風力発電
設備工事
1支持構造物工事
くろまる洗掘防止マット敷設【起重機船】
くろまる基礎捨石投入・表面整理工事【ガット船・起重機船】
くろまる支持構造物据付【フローティングドッグ、起重機船】
くろまる根固ブロック・被覆ブロック据付【起重機船】
2風車組立工事
風車組立【SEP 船、クローラークレーン】
観測タワ
ー設備工事1支持構造物工事
くろまる洗掘防止マット敷設【起重機船】
くろまる基礎捨石投入・表面整理工事【起重機船】
2観測塔設置工事
陸上製作した観測塔を海上輸送して設置【起重機船】
その他工事1 海底ケーブル工事(全長約 1600m)
ケーブル敷設船による敷設(必要に応じて防護管取付・潜水作業実施)2 開閉所(陸上)工事
基礎工事、高圧盤・鉄柱据付・フェンス等設置
3 架空送電線工事(約 70m)
海上鉄柱設置工事【起重機船】
、陸上〜海上鉄柱までの架空作業【延線
機・高所作業車等】
時期 1 環境影響評価(調査・予測・評価)
:2010(平成 22)年 6 月〜2012(平
成 24)年 5 月
2 設置工事:2012(平成 24)年 6 月〜
3 運転:2013(平成 25)年 6 月〜
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)205工事用資材
等の運搬出入建設機械の
稼働
造成等施工
等による一時
的な影響
地形改変及
び施設の存在施設の稼働
窒素酸化物
粉じん等
騒音
超低周波音
振動 振動
水質 水の濁り しろまる しろまる
有害物質
底質環境(濁り) しろまる しろまる
その他 洗掘 しろまる
地形及び
地質
重要な地形及び地質
風車の影
水中音・海底地盤振動 しろまる しろまる
鳥類 しろまる
海域に生息する動物 底生生物 しろまる しろまる
魚類
(漁業生物) しろまる しろまる
海棲哺乳類 しろまる しろまる
海草藻類 しろまる しろまる
しろまる
産業廃棄物
残土
『電波障害』 しろまる
注) 網掛部分:発電所アセス省令の別表五で取り上げられている参考項目、しろまる印:選定した項目
『』内の項目:法アセスの参考項目には該当していない項目
工事の実施
土地又は工作物の存在及び
供用
騒音・超低
周波音
環境の自然構成
要素の良好な状
態の保持を旨とし
て、調査、予測及
び評価されるべき
環境要素大気環境
大気質その他の環境
その他
底質
生態系
地域を特徴づける生態系
(陸域)
人と自然との豊かな
触れ合いの確保を旨
として調査、予測及び
評価されるべき環境
要素
景観
主要な眺望点及び観光資
源並びに主要な眺望景観
人と自然との触れ
合いの活動の場
主要な人と自然との触れ合
いの活動の場
生物の多様性の
確保及び自然環
境の体系的保全
を旨として調査、
予測及び評価さ
れるべき環境要素海域に生息する植物
重要な種及び注目すべき
生息地(海域に生息するも
のを除く。)
植物
重要な種及び重要な群集(海域に生育
するものを除く。)
しろまる
動物
環境への負荷の量の
程度により予測及び
評価されるべき環境
要素
廃棄物等
環境要素の区分 影響要因の区分水環境2)調査の対象範囲と参考項目
北九州市沖実証施設設置に当たっては、北九州市環境影響評価条例の対象外であるが、風力
発電のための環境影響評価マニュアル第 2 版(NEDO,平成 18 年 2 月)等を基にして自主的な
環境アセスメントを実施している。
当自主アセスでは、設置海域周辺の自然条件、洋上風力実証研究設備の工事・供用時等にお
ける環境への影響を踏まえた参考項目の抽出、現地調査手法の検討及び現地調査・予測・評価
を実施し、事後調査計画も検討されているため、環境影響評価書の参考事例として整理した。
表 3.3.2-2 に参考項目、表 3.3.2-3 に項目の選定理由、非選定理由を整理した。なお、参考と
して発電所アセス省令別表第5の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)
【網掛部分】を示して
いるが、当該実証研究の参考項目選定は 2009 年度に実施していることから、一部の別表第5
参考項目は考慮されていない。
表 3.3.2-2 北九州市沖サイトの参考項目
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)206表 3.3.2-3(1) 北九州市沖サイト参考項目の選定理由・非選定理由
項目
選定・非選定理由
環境要素の区分 影響要因の区分大気環境大気質窒 素 酸
化物
工事用資材等の搬
出入
当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)は考慮されてい
ないため、選定されていない。
建設機械の稼働
粉 じ ん等工事用資材等の搬
出入
建設機械の稼働騒音・超低周波音
騒音 工事用資材等の搬
出入
工事に伴い一時的な騒音・超低周波音が発生するが、陸域の民家等まで
は距離が十分に離れていることから、
影響を及ぼすことはないと考えられ
るため選定しない。また、施設の稼働に伴い騒音・超低周波音が発生する
が、陸域の民家等までは距離が十分に離れていることから、影響を及ぼす
ことはないと考えられるため選定しない。
建設機械の稼働
施設の稼働
超低周
波音
施設の稼働振動
振動 工事用資材等の搬
出入
工事に伴い一時的な振動が発生するが、陸域の民家等までは距離が十
分に離れていることから、影響を及ぼすことはないと考えられるため選
定しない。また、施設の稼働に伴い振動が発生するが、陸域の民家等ま
では距離が十分に離れていることから、影響を及ぼすことはないと考え
られるため選定しない。
建設機械の稼働水環境水質水の濁り建設機械の稼働 工事に伴う底土の巻き上げ等により濁りが発生し周辺の水質環境に影
響を及ぼすことが考えられるため選定した。なお、施設の存在及び利用
による排水は生じないことから、水質環境に影響を及ぼすことはないと
考えられるため選定しない。
造成等の施工によ
る一時的な影響底質
有害物質建設機械の稼働 当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)は考慮されて
いないため、選定されていない。
底質環
境の濁り建設機械の稼働 工事において、底土の巻き上げ等により濁りが発生し周辺の底質環境
に影響を及ぼすことが考えられるため選定した。
造成等の施工によ
る一時的な影響その
他 洗掘 地形改変及び施設
の存在
施設の設置に伴う波浪の変化によって、施設周辺部の洗掘が生じた場
合、地形の変化や生物分布等へ影響を及ぼすことが考えられるため選定
した。その他の環境地形及び地質
重要な
地形及
び地質
地形改変及び施設
の存在
事業実施区域内に重要な地形及び地質が存在しないため選定しない。その他風車の影施設の稼働 当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)は考慮されて
いないため、選定されていない。
水中
音・海
底地盤
振動
施設の稼働 工事に伴い発生する騒音により、水中環境に影響を及ぼすことが考え
られるため選定した。なお、施設の稼働に伴い発生する騒音は事業実施
区域近傍に限られ、水中環境に影響を及ぼすことはないと考えられるた
め選定しない。動物
重要な種及び注
目すべき生息地
(海域に生息す
るものを除
く。)
【鳥類】
造成等の施工によ
る一時的な影響
地形改変及び施設
の存在
施設の稼働
工事に伴う騒音振動により生息環境に影響を及ぼすことが考えられる
ため選定した。また、施設の稼働に伴い発生する騒音により生息環境に
影響を及ぼすこと、さらにバードストライク等が考えられるため選定し
た。
海域に生息する
動物
【底生生物】
造成等の施工によ
る一時的な影響
地形改変及び施設
の存在
工事において、底土の巻き上げ等により濁りが発生し、生息環境に影
響を及ぼすことが考えられるため選定した。また、施設の存在により生
息環境に影響を及ぼすことが考えられるため選定した。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)207表 3.3.2-3(2) 北九州市サイト参考項目の選定理由・非選定理由
項目
選定・非選定理由
環境要素の区分 影響要因の区分動物
海域に生息する
動物
【魚介類(漁業
生物)】
造成等の施工によ
る一時的な影響
地形改変及び施設
の存在
工事において、底土の巻き上げ等により濁りが発生し、騒音振動によ
り生息環境に影響を及ぼすことが考えられるため選定した。また、施設
の存在は魚礁効果を生み出し、新たな生息環境の場を創出することが考
えられること、また、騒音振動により生息環境に影響を及ぼすことが考
えられるため選定した。
【海棲哺乳類】 造成等の施工によ
る一時的な影響
地形改変及び施設
の存在
工事に伴う底土の巻き上げ等による濁りの発生や、騒音振動による生
息環境に影響を及ぼすことが考えられるため選定した。また、施設の稼
働に伴い、発生する騒音により、水中の生息環境に影響を及ぼすことが
考えられるため選定した。植物
重要な種及び重
要な群集(海域
に生育するもの
を除く。)
造成等の施工によ
る一時的な影響
地形改変及び施設
の存在
当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)は考慮されて
いないため、選定されていない。
海域に生息する
植物
【海草藻類】
造成等の施工によ
る一時的な影響
地形改変及び施設
の存在
工事において、底土の巻き上げ等により濁りが発生し、生息環境に影
響を及ぼすことが考えられるため選定した。また、施設の存在により新
たな藻場の生成が考えられるため選定した。生態系地域を特徴づけ
る生態系
造成等の施工によ
る一時的な影響
地形改変及び施設
の存在
施設の稼働
当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)は考慮されて
いないため、選定されていない。景観
主要な眺望点及
び観光資源並び
に主要な眺望景観地形改変及び施設
の存在
施設の存在より主要展望地点、近傍からの眺望景観の変化が考えられ
るため選定した。
人と自然との触れ合
いの活動の場/ 主要な
人と自然との触れ合
いの活動の場
工事用資材等の搬
出入
地形改変及び施設
の存在
事業実施区域内に触れ合い活動の場が存在しないため選定しない。廃棄物等
産業廃棄物 造成等の施工によ
る一時的な影響
当該実証研究の参考項目選定は平成 21 年度に実施しており、発電所ア
セス省令別表第 5 の参考項目(平成 24 年 7 月 31 日告示)は考慮されて
いないため、選定されていない。
残土
電波障害 地形改変及び施設
の存在
施設の存在により漁業無線通信に影響を及ぼすことが考えられるため
選定した。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)2083)参考項目別の調査・予測・評価手法及び結果
北九州市沖サイトにおける環境影響評価の参考項目別調査・予測・評価の手法及び結果を以下
に整理した。
なお、
参考項目によっては調査のみ
(事前あるいは事後)
の項目等が含まれている。
1 水質(水の濁り)
工事中の捨石投入及び投入時の底泥巻き上げによる濁り(SS:浮遊物質量)の影響を把握す
るため、SS(浮遊物質量)
を対象に調査・予測・評価を実施している。
なお、
事後調査
(工事中)
は 4 章を参照とされたい。
ア)調査・予測・評価手法
表 3.3.2-4 及び図 3.3.2-1 に水質の調査・予測・評価手法を示した。
表 3.3.2-4 水質の調査・予測・評価手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:SS(浮遊物質量)
くろまる調査方法:バンドーン型採水器による採水法
くろまる調査地点:2 点(事業実施区域 1 点、対象区域 1 点)
くろまる調査水深:3 層(表層・中層・底層)
くろまる調査期間:2 季(秋季、冬季各期 1 日程度)
予測手法 くろまる工事中の捨石投入及び投入時の底泥巻き上げによる濁りについて、既往調
査資料(粒子径と汚濁限界流速の関係式)から定性的に予測。
くろまる予測対象時期:工事時
評価手法 くろまる予測結果、工事範囲・期間、環境保全の観点から環境影響の回避・低減が
図られているかを評価。
図 3.3.2-1 水質の調査手法と調査測点
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)209表層 中層 底層 表層 中層 底層 表層 中層 底層 表層 中層 底層 表層 中層 底層
水深 (m) -
透明度 (m) -
水温 (°C) 20.7 20.7 20.6 11.7 11.7 11.5 11.4 11.4 11.4 18.6 18.6 18.4 18.6 18.6 18.5 -
塩分 (-) 33.44 33.44 33.43 34.30 34.29 34.30 34.24 34.23 34.23 34.34 34.34 34.36 34.37 34.37 34.37 -
水素イオン濃度 [25°C] 8.1 8.1 8.1 8.1 8.1 8.1 8.1 8.1 8.1 8.2 8.1 8.1 8.1 8.2 8.2 7.8〜8.3
溶存酸素量 (mg/L) 7.3 7.3 7.3 8.9 9.0 9.0 9.1 8.9 9.1 8.0 8.0 8.0 8.2 8.1 8.2 7.5以上
化学的酸素要求量 (mg/L) 1.4 1.4 1.3 1.2 1.1 1.2 1.2 1.0 1.1 1.3 1.2 1.2 1.2 1.1 1.1 2以下
浮遊物質量 (mg/L)1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満-大腸菌群数 (MPN/100mL)×ばつ100 - - 0 - - 0 - - 2 - - 0 - - 1,000以下
ノルマルヘキサン抽出物質 (mg/L)0.5未満- -0.5
未満- -0.5
未満- -0.5
未満- -0.5
未満- -検出され
ないこと
全窒素 (mg/L) 0.15 0.15 0.15 0.11 0.11 0.11 0.12 0.11 0.11 0.09 0.09 0.10 0.10 0.09 0.11 0.3以下
全リン (mg/L) 0.020 0.018 0.019 0.012 0.013 0.014 0.013 0.013 0.012 0.012 0.012 0.011 0.011 0.011 0.003以下
全亜鉛 (mg/L) 0.002 - -
0.001
未満- -0.001
未満- -0.001
未満- -0.001
未満
- - 0.02以下
注1:pH、DO、COD、大腸菌群数、ノルマルヘキサン抽出物質は響灘のA類型に指定されている。
注2:ノルマルヘキサン抽出物質の基準値の「検出されないこと。」とは、定量下限値未満(0.5mg/L未満)を示す。
注3:全窒素、全リンは響灘及び周防灘(ホ)のII類型に指定されている。
注4:調査海域において全亜鉛の類型は指定されていないため、参考として生物Aの基準値を記載した。12.712.7以上14.414.6
H24年5月(春季)
事業実施区域
満潮時 干潮時
基準値
(環境基準)
満潮時生活環境項目現地項目等13.88.2干潮時
調査項目 試料名
H23年11月(秋季)14.911.013.611.0
干潮時
H24年2月(冬季)
表層 中層 底層 表層 中層 底層 表層 中層 底層 表層 中層 底層 表層 中層 底層
水深 (m) -
透明度 (m) -
水温 (°C) 20.5 20.5 20.5 11.6 11.7 11.7 11.5 11.5 11.6 19.1 18.9 18.6 19.2 18.7 18.6 -
塩分 (-) 33.22 33.23 33.30 34.22 34.21 34.41 34.26 34.27 34.28 34.19 34.24 34.34 34.30 34.34 34.36 -
水素イオン濃度 [25°C] 8.1 8.1 8.0 8.1 8.1 8.1 8.1 8.1 8.1 8.1 8.1 8.1 8.2 8.2 8.2 7.8〜8.3
溶存酸素量 (mg/L) 7.3 7.4 7.3 8.9 8.8 8.9 8.9 9.0 9.0 8.1 8.0 8.1 8.1 8.1 8.2 7.5以上
化学的酸素要求量 (mg/L) 1.4 1.4 1.3 1.1 1.2 1.1 1.2 1.0 1.1 1.4 1.4 1.5 1.5 1.3 1.3 2以下
浮遊物質量 (mg/L)1未満1未満11
未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満1未満-大腸菌群数 (MPN/100mL) 0 - - 0 - - 0 - - 0 - - 0 - - 1,000以下
ノルマルヘキサン抽出物質 (mg/L)0.5未満- -0.5
未満- -0.5
未満- -0.5
未満- -0.5
未満- -検出され
ないこと
全窒素 (mg/L) 0.16 0.16 0.17 0.12 0.13 0.12 0.12 0.11 0.12 0.12 0.13 0.11 0.10 0.10 0.10 0.3以下
全リン (mg/L) 0.020 0.020 0.021 0.012 0.013 0.013 0.012 0.012 0.012 0.013 0.015 0.013 0.012 0.012 0.012 0.003以下
全亜鉛 (mg/L) 0.002 - -
0.001
未満- -0.001
未満- -0.001
未満
- - 0.001 - - 0.02以下
注1:pH、DO、COD、大腸菌群数、ノルマルヘキサン抽出物質は響灘のA類型に指定されている。
注2:ノルマルヘキサン抽出物質の基準値の「検出されないこと。」とは、定量下限値未満(0.5mg/L未満)を示す。
注3:全窒素、全リンは響灘及び周防灘(ホ)のII類型に指定されている。
注4:調査海域において全亜鉛の類型は指定されていないため、参考として生物Aの基準値を記載した。
13.7以上 12.1以上
対照区域
H24年5月(春季)
満潮時 干潮時
13.7 12.1現地項目等生活環境項目干潮時 満潮時 干潮時
調査項目 試料名
基準値
(環境基準)12.07.3
12.8 11.6
9.0 9.5
H23年11月(秋季) H24年2月(冬季)
イ)調査・予測・評価結果
表 3.3.2-5 及び表 3.3.2-6 に水質調査結果、表 3.3.2-7 に水質の予測・評価結果を示した。
表 3.3.2-5 水質の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2010(平成 22)年 6 月(春)
、8 月(夏)
、11 月(秋)
、2011(平成 23)年
1 月(冬)
、11 月(秋)
、2012(平成 24)年 2 月(冬)
、5 月(春)
調査結果 事前調査時の SS は、秋季で 1 mg/L 未満〜1 mg/L、冬季で 1 mg/L 未満であ
り、海水の濁りは確認されなかった。その他の環境基準項目(pH、DO、
COD、大腸菌群数等)は秋季・冬季とも環境基準を概ね満足していた。
表 3.3.2-6 水質調査結果(2011 年 11 月、2012 年 2 月・5 月)
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)210表 3.3.2-7 水質の予測・評価結果
項 目 概 要
予測・
評価時期
工事時(捨石工事最盛期)
予測・
評価結果
当該洋上風車設置工事において特に環境への影響が考えられる
「基礎地盤(捨石工事)
」を対象に予測・評価を実施した。
だいやまーく捨石による濁り:捨石は 1 個当たり 5〜500kg の石材であるため、捨石そ
のものは濁りの発生源にはならないため、影響は小さい。
だいやまーく捨石投入による巻き上がりに濁り:粒子径と汚濁限界流速の関係式(図
3.3.2-2)を基にして、当事業海域の海底付近の流速(1.2〜7.8cm/s)から、
汚濁限界流速 7.8 cm/sの時の濁りに寄与する土粒子径(0.113mm)を求め、
当事業海域の底質粒度組成と比較し、濁りに寄与する土粒子割合は 3%程度
であり、濁り(SS)が発生する可能性は低いと予測された。また、環境保全
措置として、工事中に水質監視測定を行い、著しい濁りを確認した場合には
工事を中止し、必要に応じて対策を講じて濁りの拡散を抑制することから、
本事業による濁りの影響は回避・低減されていると評価された。
図 3.3.2-2 粒子径と汚濁限界流速の関係
出典:港湾工事における濁り影響予測の手
引き(国土交通省港湾局、平成 16 年 4 月)
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)2112 底質(底質環境の変化)
工事中の捨石投入及び投入時の底泥巻き上げによる底質性状の影響を評価するため、底質性
状(粒度組成)を対象に調査・予測・評価を実施している。底質調査項目としては粒度組成・乾
燥減量・強熱減量(IL)・
硫化物
(T-S)・全窒素
(T-N)・全リン
(T-P)・化学的酸素要求量
(CODsed)・水素イオン濃度(pH)を対象としている。なお、事後調査(工事中・供用時)は 4 章を参照された
い。
ア)調査・予測・評価手法
表 3.3.2-8 及び図 3.3.2-3 に底質の調査・予測・評価手法を示した。
表 3.3.2-8 底質の調査・予測・評価手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:底質性状(粒度組成)
くろまる調査方法:潜水士のハンドマッキンタイヤ型採泥器による採泥
くろまる調査地点:2 点(事業実施区域 1 点、対象区域 1 点)
くろまる調査期間:2 季(秋季、冬季各期 1 日程度)
予測手法 くろまる工事中の変化について定性的に予測。
くろまる予測対象時期:工事時
評価手法 くろまる環境影響の回避・低減が図られているかを評価。
図 3.3.2-3 底質の調査手法と調査測点
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)212H23年11月 H24年2月 H24年5月 H23年11月 H24年2月 H24年5月
14.9 14.5 14.6 12.7 12.3 12.7 -
20.8 11.8 19.1 20.7 11.6 18.7 -
無臭 無臭 無臭 無臭 無臭 無臭 -
2.5Y 4/3
(オリーブ褐)
2.5Y 4/3
(オリーブ褐)
2.5Y 4/3
(オリーブ褐)
2.5Y 4/3
(オリーブ褐)
2.5Y 4/3
(オリーブ褐)
2.5Y 4/3
(オリーブ褐)-17.6 18.4 17.6 14.0 17.9 18.2 -
1.6 1.1 1.1 0.9 0.8 0.9 -
0.01未満 0.01未満 0.01未満 0.02 0.01未満 0.01未満 0.2以下
0.16 0.05 0.05未満 0.14 0.1 0.1 -
0.19 0.14 0.15 0.17 0.16 0.13 -
1.2 0.8 0.8 1.0 0.8 0.8 20以下
8.7 8.8 8.2 8.7 8.4 8.0 -
粗礫分 (%) - - - - - - -
中礫分 (%) 10 1.2 0.8 1.5 2.1 2.2 -
細礫分 (%) 25.0 17.9 10.0 7.5 9.1 6.0 -
粗砂分 (%) 31.1 43.0 42.0 40.8 35.2 26.3 -
中砂分 (%) 27.7 30.4 40.1 44.9 48.4 60.3 -
細砂分 (%) 4.8 5.4 5.2 3.2 3.2 3.1 -
シルト分 (%) 0.0 0.4 0.0 0.1 0.0 0.1 -
粘土分 (%) 1.4 1.7 1.9 2.0 2.0 2.0 -
中央粒径 (mm) 1.344 1.099 0.901 0.847 0.792 0.675 -
土粒子の密度 (g/cm3
) 2.66 2.66 2.65 2.65 2.66 2.65 -
注1)泥色の観察には標準土色帳(農林水産省農林水産技術会議事務局 監修)を用いた。
注2)底質の一般項目には環境基準が定められていないため、参考として水産用水基準を記載した。
調査項目 調査区域・時期
全窒素(T-N) (mg/g)
事業実施区域 対照区域現地項目等基準値
(水産用水基準)
粒度
組成その他水深 (m)
泥温 (°C)
全リン(T-P) (mg/g)
化学的酸素要求量(CODsed) (mg/g)
水素イオン濃度(pH) [24°C]
臭気 (-)
泥色 (-)
乾燥減量 (%)
強熱減量(IL) (%)
硫化物(T-S) (mg/g)
イ)調査・予測・評価結果
表 3.3.2-9〜表 3.3.2-10 に底質調査結果、表 3.3.2-11 に底質の予測・評価結果を示した。
表 3.3.2-9 底質の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2010(平成 22)年 6 月(春)
、8 月(夏)
、11 月(秋)
、2011(平成 23)年
1 月(冬)
、11 月(秋)
、2012(平成 24)年 2 月(冬)
、5 月(春)
調査結果 事前調査の粒度組成は、
事業区域・対照区域ともに粗砂分と中砂分の割合が
高く、概ね類似した性状であった。その他の水産用水基準項目(硫化物・
CODsed)は基準値を下回る良好な結果であり、有機物量を示す項目(強熱
減量、全リン等)も低い値を示した。
表 3.3.2-10 底質の調査結果(2011 年 11 月、2012 年 2 月・5 月)
表 3.3.2-11 底質の予測・評価結果
項 目 概 要
予測・
評価時期
工事時(捨石工事最盛期)
予測・
評価結果
水質の濁り予測同様、
「基礎捨石投入工事」による土粒子等の濁りが発生し、
周辺底質性状の変化が懸念されるが、水質の濁り予測から、影響はごく周辺
のみで変化の可能性は低いと予測された。本事業では工事範囲が狭く、捨石
投入日数も少ないことから、本事業で底質性状に及ぼす変化は小さいと評価
された。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)2133 その他(洗掘)
供用時における波浪・海底地形変化による洗掘の影響を把握するため、洗掘を対象に調査・予
測・評価している。
ア)調査・予測・評価手法
表 3.3.2-12 に洗掘の調査・予測・評価手法を示した。
表 3.3.2-12 洗掘の調査・予測・評価手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査方法:既往資料による解析
くろまる調査地点:事業実施区域及びその周辺
予測手法 くろまる事業実施区域周辺における海底地形、地盤、底質、流動などの既存資料等
に基づき、将来の波浪の変化を簡易計算により推定し、風力発電機設置後の
施設周辺部における洗掘の程度について予測した。
くろまる予測対象時期:供用時
評価手法 くろまる洗掘の可能性が予測された場合には、適切な環境保全対策の検討を行うと
ともに、環境影響の回避・低減が図られているかを評価する。
イ)調査・予測・評価結果
表 3.3.2-13 に洗掘の調査結果、表 3.3.2-14 に洗掘の予測・評価結果を示した。
表 3.3.2-13 洗掘の調査結果
項 目 概 要
調査時期 上潮・下げ潮時
調査結果 北九州市港港湾計画資料より平均大潮時の潮流図・恒流図を収集し、事業実
施海域周辺の下層の流況(1.2〜7.8cm/s)を確認した。また、事業実施海域
周辺の波浪観測点(藍島)の波浪状況を収集整理した。
藍島データを基に波高と周期の出現頻度分布を作成した結果(図 3.3.2-4 参照)、波高は 1m 以下の事例が全体の 88%を占め、波高 3m を超える事例は
極めてまれであった。周期は 7 秒未満事例が 95%を占め、10 秒以上の事例
は出現しなかった。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)214図 3.3.2-4 波浪出現頻度図(左:波高、右:周期)
表 3.3.2-14 洗掘の予測・評価結果
項 目 概 要
予測・
評価時期
供用時
予測・
評価結果
【施設の存在】
事業実施区域周辺の下層流速は極めて低いことから、潮流が漂砂現象を引き
起こすには至らないと予測された。また、波浪の高まりが構造物後面で予測
されるが、漂砂の発生まで至らないと予測された。既往文献調査結果から、
漂砂は発生せず、洗掘も起こらないと予測されることから、事業による影響
は小さいものと評価された。
4 水中騒音
工事中の捨石投入時の水中騒音の音圧レベルの変化と環境への影響を把握するため、水中騒
音を対象に調査・予測・評価している。なお、事後調査(工事中)は 4 章を参照されたい。
ア)調査・予測・評価手法
表 3.3.2-15 及び図 3.3.2-5 に水中騒音の調査・予測・評価手法を示した。
表 3.3.2-15 水中騒音の調査・予測・評価手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:基礎捨石投入及び均し作業時の水中騒音の音圧レベル
くろまる調査方法:船舶上から水中マイクロフォンを垂下して暗騒音の音圧レベ
ルを計測。
くろまる調査地点:1 点(事業実施区域 1 点)
くろまる調査期間:昼間・夜間
予測手法 くろまる捨石投入工事時の水中騒音距離減衰事例から、当該海域での水中音の減衰
距離を定性的に予測。
くろまる予測対象時期:工事時
評価手法 くろまる工事による水中騒音の既存測定事例と実測値を比較し、魚類の聴覚閾値へ
の影響を評価。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)215図 3.3.2-5 水中騒音の調査手法と調査測点
イ)調査・予測・評価結果
表 3.3.2-16 及び表 3.3.2-17 に水中騒音調査結果、表 3.3.2-18 に水中騒音の予測・評価結果を
示した。
表 3.3.2-16 水中騒音の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2010(平成 22)年 10 月 7 日(昼間・夜間)
:観測塔付近 1 点
(注記)2012(平成 24)年 9 月 4〜5 日には観測塔付近 3 点で工事直前の調査実
施。
調査結果 暗騒音は昼間 122dB、夜間 129dB であった。さらに船舶航行時には音圧レ
ベルが高くなり、特にバージ船通過時の水中騒音は 144dB と高くなった。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)216表 3.3.2-17 水中騒音の事前調査結果
測定対象 船舶までの距離(m) 音圧レベル(dB)
小型ボート 約 100 123
貨物船 A 約 500 129
貨物船 B 約 500 137
漁船 約 150 131
警備艇 約 200 140
バージ船 約 500 144
暗水中騒音(昼間) - 122
暗水中騒音(夜間) - 129
表 3.3.2-18 水中騒音の予測・評価結果
項 目 概 要
予測・
評価時期
工事時
予測・
評価結果
【建設工事】
本工事においては捨石投入及び基礎捨石均しの工事期間
(約 31 日間)
が長い
ことから捨石投入工事の水中騒音を対象とした。既存文献から当該工事の距
離減衰図(図 3.3.2-6)を見ると、現況の航行船舶の最大音圧(バージ船:
144dB)
を上回る範囲は工事箇所から約 100m までに限られると予測された。
魚類の聴覚に係る閾値表(表 3.3.2-19)から威嚇レベル(140〜160dB)は工
事箇所から約 200m までの範囲に限られると予測される。
本工事は一時的であり、他の船舶が航行する日中において実施すること等か
ら、対象工事による魚類への影響は小さいものと評価された。
出典:水中音の魚類に及ぼす影響(
(社)日本水産資源保護協会,平成 9 年 10 月)
図 3.3.2-6 捨石投入工事の水中騒音の距離減衰
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)217表 3.3.2-19 水中の音圧レベルと魚類の反応
段階 摘要 音圧レベル(dB)
感覚閾値 魚にようやく聞こえる最小知覚レベル 60〜80dB(特に感度の良い魚)
90〜110dB(一般的な海産魚)
誘致レベル 魚にとって快適な音の強さ
興味のある音さえあれば音源方向に寄ってくる
110〜130dB
威嚇レベル 魚が驚いて深みに潜るか、音源から遠ざかる反応
を示す
140〜160dB
損傷レベル
(致死レベル)
魚の内臓やうきぶくろの破裂 220dB(水中穿孔発破の場合)
出典:
『水中音の魚類に及ぼす影響』
(社)日本水産資源保護協会,平成 9 年 10 月)P16-17 より作成
5 海底振動
工事中の捨石投入時の海底振動の変化と環境影響を評価するため、
海底振動を対象に調査・予
測・評価している。なお、事後調査(工事中)は 4 章を参照されたい。
ア)調査・予測・評価手法
表 3.3.2-20 に海底振動の調査・予測・評価手法を示した(調査方法図及び地点図は図 3.3.2-5
(水中騒音)を参照。
表 3.3.2-20 海底振動の調査・予測・評価手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:基礎捨石投入及び均し作業時の海底振動
くろまる調査方法:船舶上から振動ピックアップを垂下し、
海底部に固定して計測。
くろまる調査地点:1 点(事業実施区域 1 点)
くろまる調査期間:昼間
予測手法 くろまる捨石投入工事時の海底振動(鉛直方向)距離減衰事例から、当該海域での
海底振動の減衰距離を定性的に予測。
くろまる予測範囲は、施設設置地点から概ね 1km までの範囲。
くろまる予測対象時期:工事時
評価手法 くろまる工事による海底振動の既存測定事例(海底振動の距離減衰曲線)と実測値
を比較し、魚類への影響を評価。
イ)調査・予測・評価結果
表 3.3.2-21 及び表 3.3.2-22 に海底振動の調査結果、表 3.3.2-23 に海底振動の予測・評価結果
を示した。
表 3.3.2-21 海底振動の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2010(平成 22)年 10 月 7 日(昼間)
:観測塔付近 1 点
(注記)2012(平成 24)年 9 月 4〜5 日に観測塔付近 3 点で工事直前の調査実施。
調査結果 暗振動は X・Y・Z 方向のいずれも 16dB で、
船舶航行時には振動加速度レベ
ルが高くなり、特に警備船は 37〜41dB と高かった。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)218表 3.3.2-22 海底振動の事前調査結果
測定対象 船舶までの距離(m)
振動加速度レベル(dB)X 方向 Y 方向 Z 方向
貨物船 A 約 500 25 32 23
漁船 約 150 26 28 22
警備艇 約 200 37 41 37
暗振動(昼間) - 16 16 16
注1) 値は、船舶通過時 50 秒間のエネルギー平均値
注2) X 方向:南北軸水平方向、Y 方向:東西軸水平方向、Z 方向:鉛直軸方向
表 3.3.2-23 海底振動の予測・評価結果
項 目 概 要
予測・
評価時期
工事時
予測・
評価結果
【建設工事】
本工事においては捨石投入及び基礎捨石均しの工事期間
(約 31 日間)
が長い
ことから捨石投入工事の海底振動を対象とした。既存文献から当該工事の距
離減衰図(図 3.3.2-7)を見ると、現況の航行船舶の鉛直方向の音圧(22〜
37dB)を上回る範囲は工事箇所から約 200m までに限られると予測された。
また、海底振動により魚類の反応を起こす目安がカレイ等では 65dB 以上、
アジ・サバ等は 50dB 以上とされている。
本工事は一時的であり、他の船舶が航行する日中において実施すること等か
ら、対象工事による魚類への影響は小さいものと評価された。
出典:水中音の魚類に及ぼす影響(
(社)日本水産資源保護協会,平成 9 年 10 月)
図 3.3.2-7 捨石投入工事の海底振動(鉛直方向)の距離減衰
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)2196 鳥類
工事中及び供用時における鳥類への環境を把握するため、鳥類を対象に調査・予測・評価して
いる。なお、事後調査(工事中・供用時)は 4 章を参照されたい。
ア)調査・予測・評価手法
表 3.3.2-24 及び図 3.3.2-8 に鳥類の調査・予測・評価手法を示した。
表 3.3.2-24 鳥類の調査・予測・評価手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:重要な鳥類の生息状況
くろまる調査方法及び調査測線・測点:船舶トランセクト調査(8km 測線 4 本)、レーダー調査(1 地点)
、定点調査(9 地点)
、渡り鳥調査(4 地点)
くろまる調査期間:船舶トランセクト調査 3 季(各季各測線 2 日間)
、レーダー調査
2 季(秋季、冬季各 4 日間)
、定点調査(アジサシ類 5 月、7 月、チドリ類 8
月、10 月、カモメ類及びカモ類 2 月、各季 3〜4 日間)
、渡り鳥調査(ハチク
マ等の猛禽類;秋季及び春季、ヒヨドリ等の小鳥類;秋季、各季 4 日間)
予測手法 くろまる当該事業実施区域に出現する重要種を対象として影響の種類
(死滅、
逃避、
生息・繁殖阻害、生息域の減少等)に応じて、環境影響の量的または質的な
変化の程度を推定し、文献その他の資料による類似事例の引用または解析に
より定性的に予測・評価。
くろまる予測対象時期:建設工事時(最盛期)及び風力供用時。
評価手法 くろまる重要な鳥類に対して、生息環境の減少や喪失、移動経路の遮断、バードス
トライク等の影響要因毎に現地調査結果及び既往資料を基に、環境影響を評
価。
船舶トランセクト調査
レーダー調査
定点調査・渡り鳥調査
図 3.3.2-8(1) 鳥類の調査手法
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)220図 3.3.2-8(2) 鳥類の調査測点・測線
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)221イ)調査・予測・評価結果
表 3.3.2-25〜表 3.3.2-29、図 3.3.2-9 に鳥類調査結果、表 3.3.2-30 に鳥類の予測・評価結果を
示した。
表 3.3.2-25 鳥類の調査結果
項 目 概 要
調査時期 だいやまーく船舶トランセクト調査:2011(平成 23)年 10 月、2012(平成 24)年 1
月、4 月
だいやまーく定点調査:2011(平成 23)年 5 月期、7 月期、8 月期、10 月期、2012(平
成 24)年 2 月期
だいやまーくレーダー調査:2011(平成 23)年 10 月期、2012(平成 24)年 2 月期
だいやまーく渡り鳥調査:2011(平成 23)年 9 月期、10 月期、2012(平成 24)年 5 月期調査結果
(概要)
だいやまーく船舶トランセクト調査:全期間にて出現種数が多かった測線は D 測線で 18
種、次いで B・C・A 測線であった。最も多いのはウミウで 536 羽、次いで
ウミネコ 124 羽であった。最も出現個体数が多かった測線は、B 測線 449 個
体で、次いで D 測線 364 個体であった。
だいやまーく定点調査:海域定点では種類・個体数ともに 2011 年 5 月期が最も多く、
18 種 978 個体確認された。海域ではチドリ目やミズナギドリ目の種が多か
った。陸域定点では 2012 年 2 月期が最も多く、45 種 1906 個体確認された。
陸域であるためスズメ目の種が多く占めた。
だいやまーくレーダー調査:事業実施区域から南側 1km に設置したレーダー調査によ
れば、2011 年 10 月期は昼間よりも夜間の飛翔記録数が多く、特に日没以降
増加し、日の出にかけては減少する傾向にある。2012 年 2 月期は 10 月期に
比べて記録数が少なく、夜間の飛翔数は特に少なかった。
だいやまーく渡り鳥調査:渡り鳥の猛禽類(主にハチクマ)
・小型鳥類(主にヒヨドリ
を対象に調査の結果、最も多く確認された種は 2011 年 9 月期でハチクマ
(1550 羽)、10 月期でヒヨドリ
(21150 羽)、2012 年 5 月期でハチクマ(176羽)であった。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)2221回目2回目1回目2回目1回目2回目1回目2回目全期間 1 アビ アビ オオハム 1 1 4 6
- アビ属の一種 1 1
2 ミズナギドリ ミズナギドリ オオミズナギドリ 40 25 7 1 2 23 1 5 104
3 ペリカン ウ 16 3 15 89 35 4 96 14 275
- 1 2
4 ヒメウ 4 1 19 10 5 10 12 5 66
- ウ属の一種 6 1 7
5 コウノトリ サギ クロサギ 1 1
- サギ科の一種 1 1
6 カモ カモ カルガモ 2 1 4 7
- カモ科の一種 2 23 25
7 タカ タカ ミサゴ 1 11 8 3 1 3 27
8 トビ 1 17 17 2 2 1 2 42
9 ハイタカ 1 1
- ハイタカ属の一種 1 1 2
10 ノスリ 1 1
11 ハヤブサ ハヤブサ 1 1
12 チドリ カモメ セグロカモメ 4 1 5 4 8 2 13 4 41
13 オオセグロカモメ 2 7 9
14 カモメ 1 2 1 4
15 ウミネコ 27 9 29 8 20 4 20 7 124
16 ミツユビカモメ 1 1
- カモメ科の一種 6 7 2 15
17 ウミスズメ ウミスズメ 2 2
18 カンムリウミスズメ 2 1 3
19 アマツバメ アマツバメ アマツバメ 44 8 52
20 スズメ ツバメ ツバメ 4 6 3 2 1 2 18
21 ツグミ ジョウビタキ 1 1
22 カラス ハシボソガラス 5 2 1 8
- ハシブトガラス属の一種 2 1 1 4
- - スズメ目の一種 2 2 4
108 47 159 155 93 53 192 46
注1) 表中の数値は確認個体数。
注2)種名は「日本鳥類目録 改訂第6版」(日本鳥学会,平成12年)に準拠した。
注3)平成24年1月27日の2回目の調査は、波浪状況の悪化のため実施しなかった。
注4)「〜科の一種」「〜属の一種」「〜目の一種」については、同一の分類群に属する種が確認されている場合には種数に計
上しないこととし、同一の分類群に属する種が確認されていない場合には、1種として計上した。
合計
ウミウ
計 9目 13科 22種 853
A測線
155 314 146 238
B測線 C測線 D測線
調査日 No. 目名 科名 種名
表 3.3.2-26 船舶トランセクト調査結果(全期間)
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)223平成24年
5月期 7月期 8月期 10月期 2月期
159 151 101 103 92
62 288 15 6 32
699 33 25 62 78
58 13 31 43 11
1 35 252 27 1- 12 66 1 2 10 493 44- 7
4 1 2
5 2 2 1
6 2 1 17 48 29 29 510 32 14 1 9 3
11 20 10 7 21 612 3- 2- 413 ハヤブサ 4 1 1
14 1615 1- 4
16 ヒレアシシギ 46
17 1 9 6
18 1 1319 120 123 195 104 87 81- 121 222 323 ウミスズメ 2
24 ハト ハト 1
25 5 2 5- 1526 セキレイ 2 1
27 ヒヨドリ 618
28 4 2 6 6
29 1 2 8
- 2 1
合計 978 485 172 214 213
注1) 種名は「日本鳥類目録 改訂第6版」(日本鳥学会,平成12年)に準拠した。
注2) 「〜科の一種」「〜属の一種」については、同一の分類群に属する種が確認されている場合には種数に計上しないこととし、同一の分類群に属する種が確認され
ていない場合には、1種として計上した。
カンムリウミスズメ
ハマシギ
チュウジシギ
シギ科の一種
アカエリヒレアシシギ
セグロカモメ
オオセグロカモメ
カモメ
ウミネコ
カモメ属の一種
アジサシ
コアジサシ
ハシブトガラス属の一種
8目15科29種
キジバト
ツバメ
ツバメ科一種
ハクセキレイ
ヒヨドリ
ハシボソガラス
ハシブトガラス
スズメ ツバメ
カラス
ハヤブサ
ダイサギ
クロサギ
アオサギ
マガモ
カルガモ
ヒドリガモ
ミサゴ
トビ
ハイタカ
ハイタカ属の一種
タカ科の一種区分定点
海域
(観測塔設置予定
地点海域周辺)
ミズナギドリ
ミズナギドリ鳥類種サギ
チドリ シギ
カモメ
ペリカン
コウノトリ
カモ
カモ
タカ
タカウ平成23年
St.1(響新港西第1号防波堤)
St.2(響灘西海域)
St.3(白島海域)
St.4(白洲周辺海域)
定点/目名・科名・種名
オオミズナギドリ
ミズナギドリ科の一種
ウミウ
ヒメウ
ウ属の一種
表 3.3.2-27(1) 定点結果(海域定点)
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)2245月期 7月期 8月期 10月期
218 134 107 98 602 -
214 131 130 175 198 -
144 115 78 92 49 -
88 123 68 108 111 -
- - - - - 946
1 シロエリオオハム 1 1
2 ハジロカイツブリ 2
3 カンムリカイツブリ 1
4 ミズナギドリ オオミズナギドリ 33
5 1 3
6 19 149 1867 5- ウ属の一種 15
- ウ科の一種 488 29 6 2 11 3
10 3 1 6 9
11 4 11 13 1 1
12 7 3
13 19 8
14 30 1 4 9 4
15 61 2 9
16 オカヨシガモ 96 95
17 2218 8- カモ科の一種 45 8 49
19 7 14 7 14 35 18
20 59 46 23 25
21 2 4 1
22 4 3 1 1 3
23 1 2 1
24 コチョウゲンボウ 1
25 チョウゲンボウ 3
26 1 59
27 キョウジョシギ28 329 1
30 3 1 3 1
31 チュウシャクシギ 1
32 セグロカモメ 4 6 96 211
33 オオセグロカモメ 1 20 79
34 2 7
35 7 170 119 133 334 89
- カモメ属の一種 2
36 ミツユビカモメ 237 3- カモメ種の一種 1
38 7 1 8 2 339 240 1 1
41 39 3 4 1 1
42 27 53 3543 144 ハクセキレイ 17 4 3 16 20 21
45 151 8 3 1 4
46 4 1 11 3
47 ジョウビタキ 1
48 1 3 2 149 250 1 1
51 オオヨシキリ 8
52 27 24 10 253 154 3
55 12 6 2 6
56 6 6 3
57 オオジュリン 1
58 9 24 12
59 83 46 51 5 18 2
60 14 6
61 ハシボソガラス 36 19 73 30 71 22
62 ハシブトガラス 54 6 8 22 7 11
- スズメ目の一種 163 264 カワラバト(ドバト) 10 18 4 18 7 365 1664 503 383 473 960 946
注1)種名は「日本鳥類目録 改訂第6版」(日本鳥学会,平成12年)に準拠した。
注2)「〜科の一種」「〜属の一種」については、同一の分類群に属する種が確認されている場合には種数に計上しないこ
ととし、同一の分類群に属する種が確認されていない場合には、1種として計上した。
スズメ チメドリ ガビチョウ
合計 13目29科65種
ムクドリ ムクドリ
カラス-キジ キジ コジュケイ鳥類種アビ アビ
カイツブリ カイツブリ
ミズナギドリ
ペリカン ウ カワウ
ウミウ
ヒメウ
コウノトリ
ウグイス ウグイス
セッカ
ツリスガラ ツリスガラ
メジロ メジロ
ハト ハト
ヒヨドリ ヒヨドリ
モズ モズ
ツグミ
イソヒヨドリ
ツグミ
キツツキ キツツキ アオゲラ
スズメ ヒバリ ヒバリ
ツバメ ツバメ
セキレイ キセキレイ
ホオジロ ホオジロ
ホオアカ
アトリ カワラヒワ
ハタオリドリ スズメ
ウミネコ
コアジサシ
ハト ハト キジバト
カッコウ カッコウ ホトトギス
キジ キジ キジ
チドリ シギ
ハマシギ
キアシシギ
イソシギ
カモメ
カモメ
サギ アマサギ
ダイサギ
クロサギ
アオサギ
タカ タカ ミサゴ
トビ
ハイタカ
チュウヒ
ハヤブサ ハヤブサ
カモ カモ ワタシガモ
マガモ
カルガモ
コガモ
ヒドリガモ
ウミアイサ区分
定点/目名・科名・種名
平成23年 平成24年
2月期定点
陸域(響灘沿岸)
St.5(脇田海釣り桟橋)
St.6(脇ノ浦漁港)
St.7(響灘ビオトープ周辺)
St.8(響灘風力発電所)
St.13(響灘沿岸)
表 3.3.2-28(2) 定点結果(陸域定点)
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)225図 3.3.2-9 レーダー調査結果(事業実施区域から南側 1km に設置したレーダーによる結果)
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)226St.1 St.9 St.10 St.11 St.1 St.9 St.10 St.11 St.1 St.9 St.10 St.11 St.1 St.9 St.10 St.11 St.1 St.9 St.10 St.11
1 ハチクマ 4 82 142 58 111 105 52 27 412 1 16 9 443 2 86 98 1,048 108 296 1,550
2 オオタカ 1 1 1 1 1 2 3 5
3 ツミ 5 4 9 9
4 ハイタカ 3 3 3
5 ノスリ 1 2 3 3 9 9
6 サシバ 1 6 1 8 8
7 チゴハヤブサ 1 1 1 1 1 1 1 2 1 2 2 7
8 チョウゲンボウ 1 1 1
合計 5 82 1 145 58 113 105 58 28 412 1 32 9 444 3 96 100 1,051 110 331 1,592
注)種名は「日本鳥類目録 改訂第6版」(日本鳥学会,平成12年)に準拠した。
St.1 St.9 St.10 St.12 St.1 St.9 St.10 St.12 St.1 St.9 St.10 St.12 St.1 St.9 St.10 St.12 St.1 St.9 St.10 St.12
1 カワウ 39 5 9 6 12 11 0 60 0 71
- ウ属の一種 9 2 11 0 0 0 11
2 オシドリ 22 3 30 32 84 0 3 0 87
3 マガモ 34 25 20 4 38 0 0 45 83
4 カルガモ 28 9 2 39 0 0 0 39
5 コガモ 4 4 0 0 0 4
6 ヒドリガモ 47 7 54 0 0 0 54
7 オナガガモ 4 7 11 0 0 0 11
8 ハシビロガモ 2 2 0 0 0 2
- カモ科の一種 30 86 37 100 13 180 86 0 0 266
9 ハチクマ 1 1 0 0 1 1 2
10 オオタカ 1 1 1 0 0 1 2
11 ツミ 5 4 0 0 0 9 9
12 ハイタカ 8 1 7 5 2 2 14 2 2 11 1 2 12 4 9 32 57
13 ノスリ 1 2 2 11 26 2 0 1 39 42
14 ハヤブサ チゴハヤブサ 2 0 2 0 0 2
15 ミヤコドリ ミヤコドリ 3 3 0 0 0 3
16 メタイチドリ 18 2 20 0 0 0 20
17 キョウジョシギ 4 0 0 4 0 4
18 ハマシギ 2 2 0 0 0 2
- シギ科の一種 21 1 22 0 0 0 22
19 ツバメ 3 0 0 3 0 3
- ツバメ属の一種 7 4 7 4 0 0 11
20 イワツバメ 10 0 10 0 0 10
21 ヒヨドリ ヒヨドリ 250 7,400 5,200 8,300 0 0 250 20,900 21,150
22 アトリ 40 0 40 0 0 40
23 ハヤブサ カワラヒワ 110 0 110 0 0 110
合計 179 87 300 7,432 115 124 11 5,252 153 2 4 8,341 56 43 16 2 503 256 331 21,027 22,117
注1) 種名は、「日本鳥類目録 改訂第6版」(日本鳥学会,平成12年)に準拠した。
注2) 「〜科の一種」「〜属の一種」については、同一の分類群に属する種が確認されている場合には種数に計上しないこととし、
同一の分類群に属する種が確認されていない場合には、1種として計上した。
St.1 St.9 St.10 St.11 St.1 St.9 St.10 St.11 St.1 St.9 St.10 St.11 St.1 St.9 St.10 St.11 St.1 St.9 St.10 St.11
1 タカ タカ ハチクマ 100 4 37 2 2 12 2 2 6 9 4 104 4 64 176
2 ハイタカ 1 0 0 0 1 1
3 サシバ 1 1 0 1 1 0 2
合計 0 100 4 37 2 2 1 12 2 3 0 7 0 0 0 9 4 105 5 65 179
注)種名は「日本鳥類目録 改訂第6版」(日本鳥学会,平成12年)に準拠した。
ハヤブサ
タカ タカ
1目2科8種
9月23日 9月27日 合計
合計No.目名 科名 種名 10月18日 10月19日 10月20日
9月24日 9月26日
No. 目名 科名 種名
10月21日 合計
合計
スズメ ツバメウペリカン
5目9科23種
タカ タカ
カモ
カモ
チドリ
チドリ
No. 種名
5月15日 5月16日
目名 科名 5月17日 5月18日 合計
合計
表 3.3.2-29 渡り鳥調査結果(2011 年 9 月・10 月、2012 年 5 月)
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)227表 3.3.2-30 鳥類の予測・評価結果
項 目 概 要
予測・
評価時期
建設工事時(最盛期)及び風力供用時
予測・
評価結果
【建設工事・施設の存在】
鳥類の環境影響予測・評価は、1希少猛禽類、2渡り鳥、3オオミズナギ
ドリ及び4移動や渡り等により一時的に事業実施区域に出現する重要な種
について、以下(1)から(6)の項目について行った。
(1)改変による生息環境の減少・喪失
魚食性の猛禽類ミサゴに対し、工事に伴う一時的な採餌環境の減少・変化
による影響が予測される。改変は施設予定地及び一部の海域であること、
営巣地から 20km の狩場で採餌を行う習性、周辺に同様な環境が広がって
いることから、採餌環境のわずかな減少の可能性はあるものの、喪失には
至らないと評価された。
(2)騒音による生息環境の悪化
野生生物の騒音に対する既往資料から、過度な騒音は鳥類への繁殖に対す
るストレスとなり、繁殖の失敗あるいは放棄をもたらすことが考えられる
が、工事騒音のような単発的な衝撃音ではなく連続的な一定音で、発電機
から 300〜500m 程度離れると現況と同程度までレベルが減衰すること等か
ら、生息環境に与える影響は小さいと予測・評価された。
(3)騒音による餌資源の逃避・減少
工事が一時的で、餌資源の逃避が起きたとしても早期に回復すると考えら
れることから、影響はほとんどないものと予測・評価された。
(4)繁殖・採餌に係わる移動経路の遮断・阻害
ミサゴ及びハヤブサの繁殖・採餌に係わる移動経路への影響が考えられる
が、いずれの種の飛翔高度もブレード回転域より低い高度での確認が多い
こと、飛翔は周辺広範囲に及んでいること、発電機を予め認識し移動経路
の変更や分散が十分可能であると考えられることから、影響は小さいと予
測・評価された。
(5)ブレード、タワー等への接近・接触
既往文献の衝突率等から、本事業実施区周辺には迂回するための空間も十
分に確保されていることからブレード、タワー等への接近・接触が生じる
可能性は低く、影響は小さいものと予測・評価された。
(6)夜間照明による誘引・忌避
渡り鳥などに対する方向感覚の攪乱、衝突等を引き起こす可能性が考えら
れるが、ライトアップを行わないため影響は小さいと予測・評価された。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)2287 底生生物
工事中及び供用時における底生生物への環境を把握するため、底生生物を対象に調査・予測・
評価している。なお、事後調査(供用時)は 4 章を参照されたい。
ア)調査・予測・評価手法
表 3.3.2-31 及び図 3.3.2-10 に底生生物の調査・予測・評価手法を示した。
表 3.3.2-31 底生生物の調査・予測・評価手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:底生動物(マクロベントス)の生息状況
くろまる調査方法:潜水士のハンドマッキンタイヤ型採泥器による採泥
くろまる調査地点:2 点(事業実施区域 1 点、対象区域 1 点)
くろまる調査期間:2 季(秋季、冬季各期 1 日程度)
予測手法 くろまる影響の種類(死滅、逃避、生息・繁殖阻害、生息域の減少等)に応じて、
環境影響の量的または質的な変化の程度を推定し、文献その他の資料による
類似事例の引用または解析による。
くろまる予測対象時期:工事時及び供用時
評価手法 くろまる重要種ナメクジウオ(ヒガシナメクジウオ)を対象として、生態的特性を
踏まえ、事業実施区域及びその周辺海域における繁殖、または生息の可能性
及び施設が及ぼす影響を評価。
図 3.3.2-10 底生生物の調査手法と調査測点
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)229事業実施区域 対照区域
平成23年11月 平成23年11月
環形動物門 18(75.0) 17(63.0)
軟体動物門 - 2(7.4)
節足動物門 2(8.3) 1(3.7)
棘皮動物門 1(4.2) 3(11.1)
その他 3(12.5) 4(14.8)
合計 24(100.0) 27(100.0)
環形動物門 340(81.7) 758(18.8)
軟体動物門 - 14(0.3)
節足動物門 14(3.4) 138(3.4)
棘皮動物門 7(1.7) 3,051(75.6)
その他 55(13.2) 76(1.9)
合計 416(100.0) 4,037(100.0)
環形動物門 1.66(18.2) 4.14(7.9)
軟体動物門 - 1.65(3.1)
節足動物門 0.14(1.5) 0.41(0.8)
棘皮動物門 5.65(62.0) 42.63(81.2)
その他 1.66(18.2) 3.66(7.0)
合計 9.11(100.0) 52.49(100.0)
注)出現種数、個体数、湿重量の括弧内の数字は種組成比率(%)を示す。
項目 季節
【環形動物門】
Lumbrineridesの一種 (39.7)
Glycera属の一種 (5.0)
Pisla属の一種 (5.0)
【その他:紐形動物門】
紐形動物門の数種 (8.2)
【環形動物門】
Glyceraの一種 (8.3)
【棘皮動物門】
グミモドキ科の一種(62.0)
【その他:原索動物門】
ヒガシナメクジウオ (13.6)
主な出現種
「個体数組成比率(%)」
主な出現種
「湿重量組成比率(%)」
個体数
(個体/m2)
出現種数
(種)
【環形動物門】
Lumbrineridesの一種 (5.8)
ノリコイソメ科の一種 (4.1)
【棘皮動物門】
スナクモヒトデ科の一種 (73.7)
【環形動物門】
Glyceraの一種 (4.1)
【棘皮動物門】
スナクモヒトデ科の一種 (79.8)
【その他:紐形動物門
紐形動物門の数種(4.9)
温重量
(g/m2)
事業実施区域 対照区域
平成24年2月 平成24年2月
環形動物門 1(16.7) 3(27.3)
軟体動物門 - 4(36.4)
節足動物門 - -
棘皮動物門 1(16.7) 3(27.3)
その他 4(66.7) 1(9.1)
合計 6(100.0) 11(100.0)
環形動物門 21(23.1) 42(5.2)
軟体動物門 - 63(7.7)
節足動物門 -
棘皮動物門 28(30.8) 702(86.2)
その他 42(46.2) 7(0.9)
合計 91(100.0) 814(100.0)
環形動物門 0.21(13.8) 0.62(2.0)
軟体動物門 - 10.06(33.0)
節足動物門 - -
棘皮動物門 0.21(13.8) 18.46(60.6)
その他 1.10(72.4) 1.31(4.3)
合計 1.52(100.0) 30.45(100.0)
注)出現種数、個体数、湿重量の括弧内の数字は種組成比率(%)を示す。
温重量
(g/m2)
項目 季節
出現種数
(種)
個体数
(個体/m2)
【環形動物門】
ブンブクヤドカリガイ科の一種 (3.4)
【棘皮動物門】
スナクモヒトデ科の一種(81.2)
マメウニ科の一種(4.2)
【軟体動物門】
スダレモンシオガイ (29.0)
パラフマテガイ(3.6)
【棘皮動物門】
スナクモヒトデ科の一種(55.4)
【その他:原索動物門】
ヒガシナメクジウオ(4.3)
【環形動物門
Lumbrineridesの一種 (13.8)
【棘皮動物門】
マメウニ科の一種(13.8)
【その他:紐形動物門】
紐形動物門の数種(27.0)
【その他:原索動物門】
ヒガシナメクジウオ (45.4)
【環形動物門】
Lumbrineridesの一種 (23.1)
【棘皮動物門】
マメウニ科の一種(30.8)
【その他:紐形動物門】
紐形動物門の数種 (23.1)
主な出現種
「個体数組成比率(%)」
主な出現種
「湿重量組成比率(%)」
イ)調査・予測・評価結果
表 3.3.2-32 及び表 3.3.2-33 に底生生物調査結果、表 3.3.2-34 に底生生物の予測・評価結果を
示した。
表 3.3.2-32 底生生物の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2011 年 11 月(秋)
、2012 年 2 月(冬)
調査結果 秋季において、事業実施海区は 24 種、416 個体/m2、湿重量 9.1g/m2で、主な
出現種(湿重量ベース)が環形動物門(Gycera 属の一種)
、棘皮動物門(グ
ミモドキ科の一種)
、原索動物門(ヒガシナメクジウオ)であった。対照区域
は 27 種、4037 個体/m2、52.5 g/m2で、主な出現種(湿重量ベース)が環形動
物門(Gycera 属の一種)
、棘皮動物門(スナクモヒトデ科の一種)
、紐形動物
門数種であった。
冬季において、事業実施海区は 6 種、91 個体/m2、湿重量 1.5g/m2で、主な出
現種(湿重量ベース)が環形動物門(Lumbrinerides 属の一種)
、棘皮同部動物(マメウニ科の一種)、紐形動物門数種、
原索動物門
(ヒガシナメクジウオ)
であった。対照区域は 11 種、814 個体/m2、湿重量 30.5g/m2で、主な出現種
(湿重量ベース)が軟体動物門(スダレモシオガイ・バラフマテガイ)
、棘皮
動物門(スナクモヒトデ科の一種)
、原索動物門(ヒガシナメクジウオ)であ
った。
表 3.3.2-33 底生生物の調査結果
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)230表 3.3.2-34 底生生物の予測・評価結果
項 目 概 要
予測・
評価時期
工事時及び風力供用時
予測・
評価結果
【建設工事・施設の存在】
事業実施区域内に位置するナメクジウオ(ヒガシナメクジウオ)の生息環境
に対して、
工事、
改変に伴う底土の巻き上げの濁りによって生息環境の減少・
喪失が考えられるが、水質及び底質調査の予測結果から、濁りの発生はほと
んどなく、工事区域は一部に限定されること、周辺に同様の環境が広がって
いることから、影響はほとんどないものと予測・評価された。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)2318 魚介類(漁業生物)
工事中及び供用時における魚介類(漁業生物)への影響を把握するため、魚介類を対象に事前
調査を実施している。なお、事後調査(供用時)は 4 章を参照されたい。
ア)調査手法
表 3.3.2-35 及び図 3.3.2-11 に魚介類(漁業生物)の調査手法を示した。
表 3.3.2-35 魚介類(漁業生物)の調査手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:漁業生物(魚介類)の生息状況
くろまる調査方法:小型底曳き網による漁獲調査
くろまる調査地点:2 点(事業実施区域 1 測線、対照区域 1 測線)
くろまる調査期間:3 季(秋季、冬季、春季各期 1 日程度)
図 3.3.2-11 魚介類(漁業生物)の調査手法と調査測線
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)232魚類 22(71.0) 17(63.0)
その他 9(29.0) 10(37.0)
合計 31(100.0) 27(100.0)
魚類 404(81.0) 160(76.6)
その他 95(19.0) 49(23.4)
合計 499(100.0) 209(100.0)
魚類 18,770(91.9) 5,693(86.1)
その他 1,661(8.1) 916(13.9)
合計 20,431(100.0) 6,609(100.0)
【魚類】 【魚類】
マダイ(31.3) マダイ(17.7)
コモンフグ(11.2) コモンフグ(14.8)
マアジ(10.6) ササウシノシタ(9.6)
【魚類】 【魚類】
マダイ(43.6) コモンフグ(27.9)
マアジ(11.6) マアジ(22.3)
コモンフグ(11.1) 【その他:ヒトデ類】
モミジガイ(8.6)
注)出現種数、個体数、湿重量の括弧内の数字は種組成比率(%)を示す。
湿重量
(g/10,000m3)個体数
(個体/10,000m3)出現種類
(種)
主な出現種
「個体数組成比率(%)」
主な出現種
「湿重量組成比率(%)」
事業実施区域 対照区域
項目 調査地点
魚類 17(65.4) 14(58.3)
その他 9(34.6) 10(41.7)
合計 26(100.0) 24(100.0)
魚類 515(93.5) 312(77.8)
その他 36(6.5) 89(22.2)
合計 551(100.0) 401(100.0)
魚類 49,204(95.4) 14,931(91.0)
その他 2,367(4.6) 1,469(9.0)
合計 51,571(100.0) 16,400(100.0)
【魚類】 【魚類】
マダイ(41.4) コモンフグ(54.9)
コモンフグ(29.6) ショウサイフグ(5.7)
マアジ(5.1) 【その他:イカ類】
Loliolus属の一種(8.5)
【魚類】 【魚類】
アカエイ(58.9) コモンフグ(77.5)
コモンフグ(17.0) 【その他:ヒトデ類】
マアジ(11.3) イトマキヒトデ(4.1)
【その他:イカ類】
Loliolus属の一種(3.9)
注)出現種数、個体数、湿重量の括弧内の数字は種組成比率(%)を示す。
出現種類
(種)
個体数
(個体/10,000m3)湿重量
(g/10,000m3)事業実施区域 対照区域
主な出現種
「個体数組成比率(%)」
主な出現種
「湿重量組成比率(%)」
項目 調査地点
魚類 18(56.3) 18(48.6)
その他 14(43.8) 19(51.4)
合計 32(100.0) 37(100.0)
魚類 179(40.3) 261(58.3)
その他 265(59.7) 187(41.7)
合計 444(100.0) 448(100.0)
魚類 5,369(43.5) 18,481(83.3)
その他 6,965(56.5) 3,692(16.7)
合計 12,334(100.0) 22,173(100.0)
【魚類】 【魚類】
コモンフグ(10.8) ショウサイフグ(30.6)
【その他:甲殻類】 テナガダルマガレイ(6.9)
モギエビ(30.2) 【その他:甲殻類】
【その他:マキガイ類】 モギエビ(16.3)
アマクサアメフラシ(12.6)
【魚類】 【魚類】
コモンフグ(24.3) ショウサイフグ(44.6)
【その他:マキガイ類】 トビエイ(17.8)
アマクサアメフラシ(19.0) ウチワザメ(7.3)
【その他:ナマコ類】
シカクナマコ科の一種(15.9)
注)出現種数、個体数、湿重量の括弧内の数字は種組成比率(%)を示す。
主な出現種
「湿重量組成比率(%)」
事業実施区域 対照区域
出現種類
(種)
個体数
(個体/10,000m3)湿重量
(g/10,000m3)主な出現種
「個体数組成比率(%)」
項目 調査地点
イ)調査結果
表 3.3.2-36 及び表 3.3.2-37 に魚介類(漁業生物)調査結果を示した。
表 3.3.2-36 魚介類(漁業生物)の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2011(平成 23)年 10 月、2012(平成 24)年 2 月、5 月
調査結果
(概要)
2011 年 10 月の出現種類(数)
・個体数(数/10000 m2)
・主要出現種は、事業
実施区域が 31 種・499 個でマダイ、コモンフグ等、対照区域が 27 種・209
個体でマダイ、コモンフグ等であった。
2012 年 2 月の出現種類(数)
・個体数(数/10000 m2)
・主要出現種は、事業
実施区域が 26 種・551 個でマアジ、コモンフグ等、対照区域が 24 種・401
個体でマダイ、コモンフグ等であった。
2012 年 5 月の出現種類(数)
・個体数(数/10000 m2)
・主要出現種は、事業
実施区域が 32 種・444 個でモギエビ・ショウサイフグ等、
対照区域が 37 種・
448 個体でモギエビ・ショウサイフグ等であった。
表 3.3.2-37 魚介類(漁業生物)の調査結果の詳細
2011 年 10 月 2012 年 2 月
2012 年 5 月
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)2339 海棲哺乳類
工事中及び供用時における海棲哺乳類(スナメリ)への影響を把握するため、スナメリを対象
に調査・予測・評価している。なお、事後調査(工事中・供用時)は 4 章を参照されたい。
ア)調査・予測・評価手法
表 3.3.2-38 及び図 3.3.2-12 に海棲哺乳類の調査・予測・評価手法を示した。
表 3.3.2-38 海棲哺乳類の調査・予測・評価手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:海産哺乳類(スナメリ)の生息状況
くろまる調査方法:水中音響装置(A-tag)を海底設置して海産哺乳類の鳴音を計測
くろまる調査地点:1 点(事業実施区域内)
くろまる調査期間:4 季(各季 1 ヶ月程度観測)
予測手法 くろまる影響の種類(死滅、逃避、生息・繁殖阻害、生息域の減少等)に応じて、
環境影響の量的または質的な変化の程度を推定し、文献その他の資料による
類似事例の引用または解析による定性的な予測・評価。
くろまる予測対象時期:工事時及び風力供用時
評価手法 くろまる重要種スナメリを対象として、調査結果をもとに、工事、改変に伴う生息
環境の減少・喪失、
騒音による生息環境の悪化及び騒音による餌資源の逃避・
減少について評価。
図 3.3.2-12 海棲哺乳類の調査手法と調査測点
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)234イ)調査・予測・評価結果
表 3.3.2-39、図 3.3.2-13 及び図 3.3.2-14 に海棲哺乳類調査結果、表 3.3.2-40 に海棲哺乳類の
予測・評価結果を示した。
表 3.3.2-39 海棲哺乳類の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2011(平成 23)年 5〜6 月、8 月、10〜11 月、2012(平成 24)年 2〜3 月
調査結果 事業実施区域におけるスナメリの鳴音出現回数は春季で 246 回、夏季で 6
回、秋季で 41 回、冬季で 50 回であった。春季には日周変動が認められ、昼
間には多く出現した。
図 3.3.2-13 スナメリの時刻別鳴音出現頻度(春季・夏季)
図 3.3.2-14 スナメリの時刻別鳴音出現頻度(秋季・冬季)
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)235表 3.3.2-40 海棲哺乳類の予測・評価結果
項 目 概 要
予測・
評価時期
建設工事時(最盛期)及び風力供用時
予測・
評価結果
【建設工事・施設の存在】
だいやまーく工事、改変に伴う生息環境の減少・喪失
事業実施海域周辺においてスナメリの繁殖期(春季から夏季)における出
現頻度が高くなる傾向が確認され、底土の巻き上げの濁りによって生息環
境の減少・喪失が考えられるが、水質及び底質調査の予測結果から、濁り
の発生はほとんどなく、工事区域は一部に限定されること、周辺に同様の
環境が広がっていることから、影響はほとんどないものと予測・評価され
た。
だいやまーく水中騒音による生息環境の悪化
工事(基礎捨石投入・均し作業)による水中騒音によって生息環境の悪化
が懸念されるが、工事区域は一部に限定されること、工事は日中のみ行う
こと、工事期間が短いこと、本種の遊泳能力は広範囲であることから、影
響は小さいものと予測・評価された。また、連続的で一定した音であるこ
とから、水中騒音に馴致されることも考えられる。
だいやまーく水中騒音による餌資源の逃避・減少
工事の水中騒音によって、スナメリの餌資源である魚類が逃避・減少する
おそれが考えられるが、魚を威嚇させる大きさの音圧が生じる範囲は工事
箇所から 200m 程度であり、工事期間、水中騒音への馴致等から餌資源の
減少はほとんどないことから海産哺乳類への影響はないと予測・評価され
た。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)23610 海草・藻類
工事中及び供用時における海草・藻類への影響を把握するため、海草・藻類を対象に事前調査
を実施している。なお、事後調査(供用時)は 4 章を参照されたい。
ア)調査・予測・評価手法
表 3.3.2-41 及び図 3.3.2-15 に海草・藻類の調査手法を示した。
表 3.3.2-41 海草・藻類の調査手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:海草・藻類の繁殖状況
くろまる調査方法:潜水士による目視観測
くろまる調査地点:2 点(事業実施区域 4 測線、対照区域 4 測線)
くろまる調査期間:1 季(冬季 1 日程度)
図 3.3.2-15 海草・藻類の調査手法と調査測線
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)237北 南 東 西 北 南 東 西
1 ミル目 ハイミル しろまる しろまる しろまる
2 ハネモ目 ツユノイト属の一種 しろまる
3 アミジグサ目 アミジグサ属の一種 しろまる しろまる しろまる しろまる
4 コモングサ しろまる
5 シマオオギ しろまる
6 カヤモノリ目 フクロノリ しろまる
7 コンブ目 ツルアラメ しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる
8 ヒバマタ目 ホンダワラ しろまる
9 サンゴモ目 サンゴモ科(無菌サンゴモ類)の一種 しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる
10 テングサ目 マクサ しろまる しろまる しろまる
11 スギノリ目 サクラノリ しろまる しろまる しろまる
12 エツキイワノカワ しろまる しろまる
13 イワノカワ科の一種 しろまる しろまる
14 ユカリ しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる
15 オゴノリ目 カバノリ しろまる しろまる しろまる しろまる
16 マサゴシバリ目 タオヤギソウ しろまる
17 イギス目 ダジア科の一種 しろまる
18 ヤレウスバノリ しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる
19 スジウスバノリ しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる
20 イトグサ属の一種 しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる
21 コザネモ しろまる しろまる しろまる しろまる しろまる
3網 12目 21種 10 11 10 2 8 10 10 11
注1)網掛けは大型海藻を示す。
注2)配列は基本的には「日本産海草目録(2010年改訂版)」に準拠した。
緑藻網
褐藻網
紅藻網
対照区域
No. 網名 目名 和名
事業実施区域
イ)調査結果
表 3.3.2-42 及び表 3.3.2-43 に海草・藻類の調査結果を示した。
表 3.3.2-42 海草・藻類の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2012(平成 24)年 2 月
調査結果
(概要)
2012 年 2 月期に事業区・対照区の東西南北方向にて目視調査実施の結果、緑藻類(ミル類)
、褐藻類(アミジグサ類等)
、紅藻類(サンゴモ類等)が出現
した。事業実施区では緑藻類 1 種、褐藻類 5 種、紅藻類 11 種の合計 17 種、
対照区では緑藻類 2 種、褐藻類 3 種、紅藻類 11 種の合計 16 種確認された。
表 3.3.2-43 海草・藻類の調査結果の詳細
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)23811 景観
供用時における景観への影響を把握するため、調査・予測・評価を実施している。なお、事後
調査(供用時)は 4 章を参照されたい。
ア)調査・予測・評価手法
表 3.3.2-44 及び図 3.3.2-16 に景観の調査・予測・評価手法を示した。
表 3.3.2-44 景観の調査・予測・評価手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:眺望景観
くろまる調査方法:既往事例等より主要眺望点の選定を行い、
眺望写真撮影を実施。
くろまる調査地点:3 地点
くろまる調査期間:年間を通じて平均的な様相を呈すると想定される 1 日間
予測手法 くろまる主要眺望点における眺望景観のフォトモンタージュ(風力発電機を灰白色
に塗装したもの、
航空法の観点からブレード部分を赤白に塗装したもの:2 ケ
ース)を作成し、眺望の変化を視覚的表現によって予測した。
くろまる予測対象時期:風車供用時
評価手法 くろまる計画地域の景観価値を判断し、
「福岡県美しいまちづくり条例」
(平成 12 年
福岡県条例第 66 号)及び「北九州市景観計画」
(北九州市、平成 20 年)との
整合性を検討するとともに、環境影響の回避・低減が図られているかを評価
した。
図 3.3.2-16 景観の調査測点
実証海域
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)239イ)調査・予測・評価結果
表 3.3.2-45 に景観調査結果、表 3.3.2-46、図 3.3.2-17 に景観の予測・評価結果を示した。
表 3.3.2-45 景観の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2010(平成 22)年 12 月
調査結果 主要な眺望地点として「高塔山公園(展望台)」、
「脇田海釣り桟橋」および
「響灘北緑地(展望広場)
」の 3 点を選定し、現況写真を撮影した。
表 3.3.2-46 景観の予測・評価結果
項 目 概 要
予測・
評価時期
風車供用時
予測・
評価結果
設置される風力発電機及び観測塔は 3 眺望点からいずれも視認されるが、
遠景であること、産業景観の形成を推進する地域の景観に調和するものと
考えられることから、
景観的にはほとんど気にならないと予測された。
風力
発電機の構造が細い形状であること、設置基数が 1 基であることから、地
域の特徴的な景観構成要素に与える影響は小さく、
また、
ものづくり都市を
推進する地域の景観に配慮していることから、景観に与える影響は小さい
と評価された。
なお、本事業では環境保全措置として、周囲から浮き立つことの無いよう、
風力発電機を灰白色に塗色することとしている。
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)240図 3.3.2-17(1) 高塔山公園(展望台)
(左:ブレード白、右:ブレード赤白)
図 3.3.2-17(2) 脇田海釣り桟橋(左:ブレード白、右:ブレード赤白)
図 3.3.2-17(3) 響灘北緑地(展望広場)
(左:ブレード白、右:ブレード赤白)
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)24112 電波障害
供用時における漁業無線への影響を把握するため、漁業無線の調査・予測・評価している。な
お、事後調査(供用時)は 4 章を参照されたい。
ア)調査・予測・評価手法
表 3.3.2-47 及び図 3.3.2-18 に電波障害の調査・予測・評価手法を示した。
表 3.3.2-47 電波障害の調査・予測・評価手法
項 目 概 要
調査手法 くろまる調査・予測項目:電波障害(漁業無線)
くろまる調査方法:漁業協同組合の船舶を用いて、船舶用アンテナに接続した受信
レベル計で基地局からの受信レベルを海上にて測定する。
くろまる調査範囲:建設地点を囲む 2km 四方
くろまる調査期間:1 回実施
予測手法 くろまる障害可能性について、基地局位置と事業計画の関係から影響予測を行う。
周辺地域への影響は、受信状況から定性的な予測手法により障害発生が予測
される地域の検討を行う。
くろまる予測対象時期:風力供用時
評価手法 くろまる漁業無線障害の可能性が予測された場合には、適切な環境保全対策の検討
を行うとともに、環境影響の回避・低減が図られているかを評価する。
図 3.3.2-18 電波障害の調査手法と調査範囲
3.環境影響評価手法に係る事例のまとめ(3.3 環境影響準備書・評価書の参考となる事例)242イ)調査・予測・評価結果
表 3.3.2-48 及び図 3.3.2-19 に電波障害の調査結果、表 3.3.2-49 に電波障害の予測・評価結果
を示した。
表 3.3.2-48 電波障害の調査結果
項 目 概 要
調査時期 2010(平成 22)年 11 月
調査結果 受信状態:最大受信レベル 61.5 dBuV、最小受信レベル 36.4 dBuV、平均
受信レベル 54.8 dBuV であり、事業実施区域周辺海域は受信レベルの高い
安定した状況であることが確認された。
図 3.3.2-19 受信レベル調査結果
表 3.3.2-49 電波障害の予測・評価結果
項 目 概 要
予測・
評価時期
風力供用時
予測・
評価結果
漁業無線について、事業実施周辺海域は受信レベルも十分に高く安定して
いることから影響が生じないものと予測され、
調査結果から、
受信レベルは
十分に高く、影響はないものと評価された。

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