「この運動において力を入れて取り組むこと」の例
(1) 誰もが抱えうる問題が犯罪や非行の要因となりうることや、人は変われるということを信じて
寄り添い続ける更生保護の活動は、再犯を防止して立ち直りを支える大切な活動であることにつ
いて、国民の各層に広く周知し、理解を深めてもらうための取組
情報通信技術の進展などにより、
私たちのライフスタイルは急速に変化し、
飛躍的に便利になった一方
で、人と人とのつながりが希薄化している面があります。これによって生じる望まない孤独や社会的孤
立など、
様々な
「生きづらさ」
は、
誰もが抱えうる問題であり、
それは犯罪や非行の要因にもなりえます。
また、犯罪や非行をした人たちが社会復帰をするためには、地域社会において彼ら彼女らが孤立するこ
とのないよう、その立ち直りを支えていくことが大切です。そのことが再犯を防止し、
新たな被害者を生
まない、安全・安心な地域社会作りにつながります。
立ち直りを支えるため、
国や地方公共団体においては再犯の防止等に関する各種施策が行われ、
また、
民間においても、
更生保護ボランティア等による多様な活動が行われています。また、
過去の過ちから立
ち直ろうとしている人の変化を信じ、あきらめずに寄り添い続けることは、更生保護が持つ大きなチカ
ラであると言えます。
更生保護の施策や活動の内容を広く知ってもらい、
理解を深めてもらうことは、地域全体で立ち直りを支える大きなチカラにつながります。
私たちは、本運動を通じて、様々な広報媒体や広報手法を用いて情報の発信に努め、人から人へ、より
幅広い層に立ち直りを支えることの大切さが広く伝わっていくように努めていきます。
【再犯防止や更生保護の活動を周知する取組の例】
〇 再犯防止や更生保護に関する情報について、HP や SNS 等で発信・周知する
例)法務省公式 X・法務省保護局公式 X・法務省保護局公式 Instagram・法務省公式 YouTube チャ
ンネル
〇 更生保護をテーマとしたシンポジウムへの参加やオンライン上でのライブ配信への参加を呼び掛
ける
例)再犯防止、就労・住居の支援、福祉支援、依存症からの回復支援、孤独・孤立対策等をテーマ
としたシンポジウム、ライブ配信のイベントに関する情報について HP や SNS 等で発信・周知する
〇 "社会を明るくする運動"に関係する各種イベントへの参加を呼び掛ける
例)街頭広報活動、ミニ集会、住民集会、公開ケース研究会等
(2) 犯罪や非行の防止や、犯罪や非行をした人の立ち直りには様々な協力の方法があることを示し、
多くの人に協力者として気軽に参加してもらうための取組
犯罪や非行を防止する、
犯罪や非行からの立ち直りを支援する、というと、
難しく聞こえるかもしれま
せん。また、
「犯罪や非行をした人」という言葉からは、怖い、どう接したらよいか分からない、といっ
たイメージを持たれることもありますし、関わりといっても、何をしたらよいか分からないという人も
いるかもしれません。
しかし、協力の方法は様々です。例えば、身近なところでは、地域に孤立していそうな人がいたら、挨
拶をしてみること。そのことが、
孤立を少しでも防ぎ、ひいては犯罪に陥ることを防ぐことにつながるか
もしれません。様々な人が、自分にできることで支え手となり、それが層のように重なれば、大きく豊か
な運動となります。
私たちは、本運動を通じて、犯罪や非行の防止と犯罪や非行からの立ち直りに理解を示してくれる人
たちに、多様な関わり方の例を示し、多くの協力者を巻き込んだ運動となるように努めていきます。
【多くの協力者を巻き込むために私たちが示すことができる関わり方の例】
〇 見守りとしての関わり方の例
・ 地域にいる、犯罪や非行から立ち直ろうとしている人に対し、偏見を持たず、温かい視線で見守る・ 地域で孤立していそうな人がいたら、声を掛けてみる
〇 資金や物資面での関わり方の例
・ 犯罪や非行をした人の立ち直りを支援する事業のクラウドファンディングに協力してみる
・ 犯罪や非行をした人が働くソーシャルファームの作る農作物を購入してみる
〇 各種行事への関わり方の例
・ 犯罪や非行の防止や立ち直りを支援するイベントにサポートスタッフとして関わる
(3) 同じ地域社会の一員である保護司、更生保護女性会会員、BBS 会員、協力雇用主等の更生保護
ボランティアの活動に対する支援の充実を図るほか、積極的な広報等によりなり手を増やすため
の取組
犯罪や非行をした人は、
刑務所での刑を終えるなどした後、再び地域に戻り、
地域において再出発を図
ります。
その人たちに対し、
同じ地域社会の一員として、
彼ら彼女らを支える多くの更生保護ボランティ
アが存在します。保護司、更生保護女性会会員、BBS 会員、協力雇用主等、民間の立場から関わる更生
保護ボランティアが地道な活動を積み重ねているからこそ、地域社会における、息の長い支援が形作ら
れているのです。幅広い世代から多様な人材を更生保護ボランティアとして迎え入れるためには、その
活動の支援のほか、国内外の認知・評価の向上を図るための取組が重要です。
しかし、日本では、
社会状況の変動により、少子高齢化や地域社会における人間関係の希薄化が進み、
保護司を始めとするボランティアが減少傾向にあり、従前のような活動が難しくなってきています。
私たちは、
本運動を通じて、魅力ある更生保護ボランティアの様々な活動を国内外に広報し、
それを体
験する機会を提供したり、更生保護の各種イベントを行う際に広く市民からサポートスタッフを募集し
たり、更生保護ボランティアになるための方法を広く周知するためのセミナーを行ったりして、更生保
護ボランティアのなり手を増やし、活動を発展させていくことができるよう努めていきます。
【更生保護ボランティアの活動を発展させるために私たちができる広報の例】
〇 更生保護ボランティアの実際の活動の日時を周知することに協力する例)"社会を明るくする運動"各種イベント、更生保護ボランティア主催の街頭広報活動、ミニ集会、
住民集会の実施日時を、HP や SNS 等で発信・周知する
〇 更生保護ボランティアになるための方法を周知する
例)保護司インターンシップ、保護司セミナーの紹介
〇 更生保護ボランティア活動について国内外に発信する例)法務省公式 YouTube チャンネルにおける更生保護ボランティアの動画を HP や SNS 等で発信・
周知する、更生保護ボランティアが運営している HP や SNS 等のリンクを貼る、外国人が参加する
イベントで英訳版パンフレットを配布する
(4) 民間協力者と地方公共団体と国との連携を強化しつつ、犯罪や非行をした人が、仕事、住居、教
育、保健医療・福祉サービスなどに関し必要な支援を受けやすくするためのネットワークを作る
取組
犯罪や非行をした人たちの中には、その背景に、虐待、貧困、ホームレス、学習機会の不足、高齢・障
害、依存など様々な「生きづらさ」を抱えている人たちが少なくありません。また、孤独・孤立の問題を
抱えていたり、支援を受けたくても、
一人の人が複数の生きづらさを抱え、制度と制度の狭間に陥ったり
することで、適切な支援を受ける機会を逸しているということもあります。
その人たちの立ち直りを支えるには、農福連携のように、異なる立場や分野の支援者が互いに手を携
えてネットワークを作り、そのネットワーク全体でこれらの問題を解消していく必要があります。
私たちは、本運動を通じて、犯罪や非行をした人たちの立ち直りを息長く支えるネットワークを作る
ための取組を展開していきます。
【ネットワーク作りの例】
〇 "社会を明るくする運動"推進委員会の構成機関・団体に、様々な立場や分野の機関・団体に加入
していただくよう呼び掛ける
〇 "社会を明るくする運動"関連のポスターや広報資材を、機関・団体の集まりなどで掲出や配付を
する、又は関連団体等に幅広く掲出や配布をしていただくよう依頼する
〇 就労、住居、教育、保健医療・福祉サービス(農福連携を含む。
)を担当する機関や、様々な「生
きづらさ」を抱えている人への支援を行う団体と、更生保護の関係機関・団体が、それぞれの分野
に携わる人に参加を促しながら、犯罪や非行からの立ち直りに関するシンポジウムその他のイベン
ト等を実施する
(5) 犯罪や非行が起こらないよう、こどもや若者の健やかな成長を期する取組
近年、地域の人と人とのつながりの希薄化が進み、地域全体でこどもや若者たちを見守る機会が減少
し、家庭や地域におけるコミュニケーションの不足が深刻化する中で、こどもや若者健やかな成長が阻
害され、安易な気持ちからの非行や犯罪につながっていることが考えられます。
私たちは、
本運動を通じて、こどもや若者の健やかな成長を期する取組を行い、
その取組に多くの人々
に参加していただけるよう、呼びかけに努めていきます。
【こどもや若者の健やかな成長を期する取組への関わりの例】
〇 学校や地域で行われる非行防止集会や青少年の健全育成に関するイベントへの協力
〇 大学で行われる非行防止のためのワークショップ、BBS 会が行うグループワークやスポーツレク
リエーションなどのイベント実施場所や物資の提供
〇 地域のお祭りや集会の広報・開催日の周知
【子育て世帯支援への関わりの例】
〇 更生保護女性会が行う子育て支援教室への協力

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