2023Vol
《本号の注目記事》
●くろまる 生きづらさに寄り添う「地域のチカラ」〜第73回"社会を明るくする運動"〜
●くろまる 東南アジアにおける2国間支援 カンボジア、東ティモール、フィリピン、マレーシア
●くろまる 外国人支援コーディネーターについて〜外国人支援の専門人材の育成に向けた
検討〜
●くろまる 記者が行く!〜「トウキツネ」の広報奮闘記!〜81もくじ あかれんが 第 81号
《特 集 記 事 》
生 きづらさに寄 り添 う「地 域 のチカラ」〜第 73回 "社 会 を明 るくする
運 動 "〜
東 南 アジアにおける 2国 間 支 援 カンボ ジア、東 ティモール、フィリピ
ン、ベトナム、マレーシア
外 国 人 支 援 コーディネーターについて 〜外 国 人 支 援 の専 門 人 材 の
育 成 に向 けた検 討 〜010508《常 設 記 事 》
お答 えします〜「第 二 次 再 犯 防 止 推 進 計 画 」について〜
記 者 が行 く!〜「トウキツネ」の広 報 奮 闘 記 !〜1113
《連 載 記 事 》1517
法 制 度 整 備 支 援 の現 場 から
法 務 省 で働 くひと・しごと紹 介 Vol.17
〜大 臣 官 房 司 法 法 制 部 審 査 監 督 課 〜
あかれんが 2023年 第81号 《特集記事》
生きづらさに寄り添う「地域のチカラ」
〜第73回"社会を明るくする運動"〜
令和5年、"社会を明るくする運動"は73回を迎えます。
第73回"社会を明るくする運 動 "は、前回に引き続き、"生きづらさを生きてい
く。"をメインコピーとし、犯 罪 や非 行 の背 景 にある様 々な"生 きづらさ"に思 いを
致 し、各 々の"生きづらさ"に寄り添い、人 と人 とが互 いに支え合うコミュニティを
築くことで、安全で安 心な明るい社会の実現 につなげてまいります。
"社 会 を明 るくする運 動 "("社 明 ")は、そんな「犯 罪 や非 行 のない安 全 で安 心
な明るい地域社会」を目指し、発信を展 開してまいります。
第73回"社会を明るくする運動 "ポスター
1 ポスター・リーフレットが表現するもの-01-あかれんが 2023年 第81号 《特集記事》
今 回 のポスター・リーフレットの舞 台は、夜の自 動 販 売 機 です。日の暮 れた街
頭でも、自動販 売機は明るい光をもたらしています。
主 人 公 は、自 動 販 売 機 の前 で缶 コーヒーを片 手 に星 空 を眺 める青 年 。この
青年は、星空に何を見 ているのでしょうか。
この青年が星 空に見ているのは、元気がないと気付いてくれる食堂 のおばち
ゃんです。失 敗 を笑 い飛 ばしてくれる職 場 の先 輩 です。仕 事 の楽 しさも厳 しさ
も教えてくれる社 長です。また、自分が罪を犯しても、見 捨てなかった幼馴 染 み
です。
リーフレットの中 扉 は、星 空 を眺 め、思 いにふける青 年 をそっと見 守 る月 の
視 点 です。青 年 が、様 々な人 に見 守 られながら立 ち直 りの道 を歩 んできたこと
を表現しています。
第73回 "社会を明るくする運動 "リーフレット-02-あかれんが 2023年 第81号 《特集記事》
仕事帰り。
日は沈み、夜空に星が瞬いている。
地元に戻り、協力 雇用 主が営む町工場で働いて一年。
やっと、一人が怖くなくなってきた。
この街で生まれ育った。
両親は仕事で忙しく、家にはいつも一人だった。
一人でいるのは不安だったから、できるだけ長く遊べる友達と一 緒 にいた。
幼馴染みは、俺の家の状況を知っていて、よく家に入れてくれた。
幼馴染みの家族も、温 かく迎え入れてくれていたのをよく覚えている。
でも、だんだんと、自分と同じようなやつらと一緒にいることが増えていった。
いつもつるんでた仲間 から紹介された「小遣い稼ぎ」。
最初はまさか、詐欺だなんて思わなかった。
正直怖かったけど、断 ったら、もう仲間だと思ってもらえない気がした。
また一人になる、その方が怖かった。
20 代前 半で、刑務所 行き。
正直、ほっとした。
刑務所から出た後、結 局地元に帰るしかなかった。
でももう、仲間のもとには戻りたくなかった。
誰も俺のことを知らないところに逃げたくて、紹介された協力雇 用 主のもとで
働き始めた。
最 初 は、周 りとうまくやっていける気 がしなくて、不 安 で押 しつぶされそうだっ
た。
でも、周りは案外、俺をすんなり受け入れてくれた。
失敗ばかりの俺に、先 輩は「最初はそんなもんだ」と笑い飛ばして、根気強く教
えてくれた。
行きつけの食堂のおばちゃんは、俺がしょぼくれていると、何も言わずおかずを
一品増やしてくれた。
社長は、逃げ癖のある俺にずっと向き合って、色んな話をしてくれた。
2 #社明73 キーストーリー-03-あかれんが 2023年 第81号 《特集記事》
一度は疎遠になった幼馴染 みも、昔と変わらず接してくれた。
ずっと一人になるのが嫌だった。
でも、誰かと一緒にいても、孤独だった。
仲間はいたけど、歪な繋がりだったんだと、今なら分かる。
あの頃と同じ街で、色 んな人に囲まれて、暮らしている。
一人じゃ何もできない俺が、自立、だなんて、永遠に無理だと思っていた。
でも、一人でなんでもできることが自立じゃない。
自分の周りにいる人たちを頼ったり、助けてもらったりしていいんだ。
支えられている、見守られていることが、とても嬉しい。
そう思えてから、自然 と前を向けるようになった。
もう一人は怖くない。
きちんと一人、でも孤独じゃない。
第73回の"社明"においては、ポスター・リーフレットのほか、オリジナル動画や
ラジオ CM 用音声を制作しています。YouTube 法務 省チャンネルから御覧くだ
さい。
第73回"社会を明るくする運動"ショートアニメ(30秒版)
※(注記)YouTube 法務省チャンネルのページに遷移します。
また、第66回"社明"から御協力いただいている吉本 興業株 式会 社とは、引き
続 き、"社 明 "や更 生 保 護 ボランティアの皆 さんを紹 介 する動 画 制 作 の公 開 も予
定しています。
本年の"社明"も、ぜひ御期待いただくとともに、運動 への御協力をどうぞよろ
しくお願い申し上げます。
3 多様な発信の展開-04-あかれんが 2023年 第81号 《特集記事》
東南アジアにおける2国間支援
カンボジア、東ティモール、フィリピン、ベトナム、マレーシア
アジ研は、正式には「国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)」といい、昭和37年に
国際連合(国連)と日本政府の協定に基づいて設立された機関です。法務省法務総合研究
所が運営しています。主な業務は世界の刑事司法の実務家を対象とした国際研修及びセ
ミナーですが、特定の地域を対象とした地域研修や、特定の国を対象とした2国間支援も
実施しています。今回は、令和5年度に日本ASEAN友好協力50周年を迎えることを記念
して、東南アジアにおけるアジ研の2国間支援を紹介します。
カンボジア政府は、犯罪者に対する非拘禁措置を促進するため、保護観察などの社会内
処遇制度の実施体制整備に取り組んでいます。アジ研は、国連薬物・犯罪事務所 (UNO
DC)バンコク事務所の協力の下、カンボジアの内務省及び司法省の職員を対象に、社会内
処遇制度実施に向けた研修を行っています。
カンボジア内務省との協議
1 カンボジア社会内処遇制度構築・実施支援-05-あかれんが 2023年 第81号 《特集記事》
アジ研は、UNODCバンコク事務所や法務総合研究所国際協力部(ICD)と連携・協力し
ながら、東ティモール司法省矯正・社会復帰局職員や刑務所職員等を対象に、矯正施設の
機能を強化するための支援を実施しています。これまでに、刑務所で使用されているアセ
スメント・フォーマットの改良や、改善指導プログラムの導入の支援を行ってきました。
アジ研は、UNODCバンコク事務所と共催で、フィリピンの施設内及び社会内の犯罪者
処遇を担う職員を対象に支援を実施しています。機関同士の連携の強化や理解を深める
ことを目的としており、再犯防止に効果的なアセスメント、処遇及び早期釈放のあり方等
について検討しています。
東ティモール刑務所職員等による多摩少年院の見学
2 東ティモール刑務所改革支援
3 フィリピン犯罪者処遇に係る技術支援-06-あかれんが 2023年 第81号 《特集記事》
アジ研は、ベトナムに対する法制度整備支援の一環として、検察実務家の能力向上を目
的に、研修及び共同研究を行ってきました。日・ベトナムの法務・検察実務家が相互に行き
来し、訪問先で幹部や現場の実務家と意見交換をしています。
マレーシアの矯正局は、刑務所人口を削減するために社会内処遇制度の一層の充実を
目指しているところです。アジ研は、UNODCとの共同プロジェクトの一環として、本年6
月に社会内処遇制度の充実を目指すフィリピン・マレーシア合同研修を実施予定で、令和
4年度にはそのための現地調査を実施しました。
各研修やセミナーの詳しい情報は、アジ研ウェブサイトにも掲載しています。随時新着情
報をお届けしていますので、是非御覧ください。
アジ研
アジ研ウェブサイトはこちら▶
4 ベトナム法制度整備支援研修及び共同研究
5 マレーシアの社会内処遇実施支援-07-あかれんが 2023年 第81号 《特集記事》
外 国 人 支 援 コーディネーターについて
〜外 国 人 支 援 の専 門 人 材 の育 成 に向 けた検 討 〜
令 和 2 年 7 月 、 政 府 におい て、 「 外 国 人 材 の 受 入 れ・ 共 生 の ための 総 合 的 対 応 策
( 令 和 2 年 度 改 訂 ) 」 を 決 定 し 、 在 留 外 国 人 に 対 す る 総 合 的 な 支 援 を コ ー デ ィ ネ ー ト
す る 人 材 の 育 成 を 促 進 す る 施 策 を 検 討 す る こ と と さ れ 、 出 入 国 在 留 管 理 庁 に お い
て検 討 が 開 始 さ れま した。
そ の 後 、 令 和 4 年 6 月 に 策 定 さ れ た 、 中 長 期 的 な 課 題 と 具 体 的 施 策 を 示 す ロ ー ド
マ ッ プ に お い て 、 令 和 8 年 度 ま で に 、 生 活 上 の 困 り ご と を 抱 え る 外 国 人 を 適 切 な 支
援 に つ な げ る こ と の で き る 人 材 、 す な わ ち コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 育 成 に 必 要 な 研 修 を 実
施 し 、 当 該 人 材 の 専 門 性 の 確 保 や 社 会 的 認 知 の 向 上 を 図 る と と も に 、 高 い 専 門 性
を有 す る支 援 人 材 の 認 証 制 度 の 在 り 方 等 に つい て検 討 し、 結 論 を 得 る こ と と さ れ ま
し た 。
こ れ に 基 づ き 、 令 和 4 年 度 は 、 「 総 合 的 な 支 援 を コ ー デ ィ ネ ー ト す る 人 材 の 役 割 等
に 関 す る 検 討 会 」 ( 以 下 「 検 討 会 」 と い う 。 ) を 開 催 し 、 有 識 者 と と も に 、 コ ー デ ィ ネ ー
タ ーの 役 割 、能 力 、 育 成 等 の 在 り 方 につ い て検 討 を行 い まし た 。
1 外 国 人 支 援 コーディネーターの検 討 の背 景 及 び概 要
- 0 8 -
あかれんが 2023年 第81号 《特集記事》
外 国 人 と の 共 生 社 会 の 実 現 に 向 け た ロ ー ド マ ッ プ
令 和 4 年 度 に 開 催 し た 検 討 会 に お い て は 、 議 論 の 中 で 、 外 国 人 が 適 切 な 相 談 窓
口 や 生 活 上 必 要 な 情 報 に た ど り 着 く こ と が で き な い と い う 問 題 が 依 然 と し て 発 生 し
て い る こ と や 、 外 国 人 の 相 談 対 応 支 援 の 専 門 性 や 職 種 の 特 徴 が 社 会 的 に 認 知 ・ 理
解 さ れ て い な い こ と に よ り 、 専 門 性 に 見 合 う 評 価 等 を 受 け る こ と が で き な い 状 況 が
あるこ とが 課 題 とし て挙 げら れました。こ う した課 題 を踏 まえ て、 令 和 5 年 3 月 、 コ ー
デ ィ ネ ー タ ー の 役 割 等 や 令 和 5 年 度 以 降 に 取 り 組 む べ き 事 項 を 示 し た 報 告 書 を 取
り まとめま した。
令 和 5 年 度 は 、 ロ ー ド マ ッ プ と こ の 報 告 書 に 基 づ い て 、 コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 育 成 に
必 要 な 研 修 の 内 容 等 に つ い て 検 討 を 進 め 、 令 和 6 年 度 か ら は 、 研 修 の 実 施 を 開 始
するこ と を予 定 して おり ます。
2 これまでの検 討 状 況 と今 後 の取 組 について
- 0 9 -
あかれんが 2023年 第81号 《特集記事》
【 報 告 書 に お い て 「 令 和 5 年 度 以 降 に 取 り 組 む べ き 事 項 」 と し て 挙 げ ら れ て い る 事 項 】
( 1 ) 養 成 研 修 に係 るカリキ ュラ ム の 作 成 等
( 2 ) 修 了 者 の 情 報 共 有 の ための 支 援 等
( 3 ) 本 制 度 を通 じ た、コ ーディネ ータ ー 等 の 評 価 ・ 待 遇 の 改 善 等 に向 けた 検 討
( 4 ) コ ーディネ ータ ーの 配 置 促 進 策 の 検 討
( 5 ) 専 門 性 の 高 い 支 援 人 材 の 認 証 制 度 の 在 り 方 等 の 検 討
( 6 ) 地 域 に お け る 連 携 先 の 不 足 状 況 を 含 む 個 別 支 援 を 通 じ て 把 握 さ れ た 課 題 を
国 や 地 域 へ フ ィ ー ド バ ッ ク し て 外 国 人 の 受 入 れ 環 境 の 改 善 に つ な げ る こ と が で き
るよう にする 方 策 の 検 討
外 国 人 支 援 コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 役 割
- 1 0 -
あかれんが 2023年 第81号 《常設記事》
お答えします
〜「第二次再犯防止推進計画」について〜
近年、刑法犯により検挙された者の約半数は再犯者という状況が続いており、新たな被
害者を生まない安全・安心な社会を実現するためには、再犯防止の取組を進めることが重
要です。
政府は、再犯防止推進法に基づき、平成 29 年 12 月、今後5年間で政府が取り組む再
犯防止施策を盛り込んだ初めての計画である「再犯防止推進計画」を策定しました。そし
て、令和5年3月、この計画の内容を発展させ、再犯防止施策を更に進めていくため、「第
二次再犯防止推進計画」を策定しました。第二次計画では、「就労・住居の確保」、「地域に
よる包摂の推進」など7つの重点課題について、96 の施策を盛り込んでいます。
犯罪をした人は、いずれは地域社会に帰ります。こうした人たちが再び犯罪をすること
なく、地域社会の一員として安定した生活を送るためには、本人が立ち直りに向けた努力
をすることはもちろん、地域社会で暮らす国民の皆さまの御理解と御協力を得て、官民一
体で立ち直りに向けた支援を行っていくことも重要です。
再犯防止の取組については、保護司など様々な民間協力者の方々に御協力いただいて
おりますが、国民の皆さまにおかれましては、まずは再犯防止の取組を知っていただき、そ
れぞれの立場でできることを一緒に考えていただければ幸いです。
Q1 再犯防止推進計画とは何ですか?
Q2 一般の方が再犯防止に協力できることはありますか?-11-あかれんが 2023年 第81号 《常設記事》
【参考1】民間ボランティア等の活動に興味のある皆様へ(法務省ホームページ)
【参考2】7月は「再犯防止推進月間」です(法務省ホームページ)
第二次再犯防止推進計画(概要)-11--12-
あかれんが 2023年 第81号 《常設記事》
ド イ ツ ・
ブ ラ ン デ ン ブ ル ク 門 に て
『 不 動 産 登 記 推 進 イ
メ ー ジ キ ャ ラ ク タ ー
「 ト ウ キ ツ ネ 」 』
記 者 が行 く!
〜「トウキツネ」の広 報 奮 闘 記 !〜
記 者
皆 さ ま 、 こ ん に ち は !
今 回 は 、 令 和 3 年 に 法 務 省 に 新 し く 仲 間 入 り し た 不 動 産 登 記 推 進 イ メ ー ジ キ ャ
ラ ク タ ー の 「 ト ウ キ ツ ネ 」 に つ い て 、 そ の 後 の 活 躍 を 取 材 し て き ま し た 。
※(注記) ト ウ キ ツ ネ が で き た 経 緯 な ど は 、 「 あ か れ ん が 第 7 5 号 」 で 紹 介 し て い ま す 。
記 者
ト ウ キ ツ ネ さ ん 、 お 久 し ぶ り で す 。 お 元 気 で し た か 。
ト ウ キ ツ ネ
お 久 し ぶ り だ コ ン 。
今 日 は 、 こ れ ま で の ぼ く の 活 躍 に つ い て 取 材 し て く れ る と い う こ と で 楽 し み に し て
い ま し た 。 な ん で も 聞 い て ね 。
記 者
あ り が と う ご ざ い ま す 。
ト ウ キ ツ ネ さ ん は 、 近 年 大 活 躍 と の こ と で す が 、 ど の よ う な 活 動 を さ れ て い る の で
す か 。
ト ウ キ ツ ネ
昨 年 度 は 、 相 続 登 記 の 申 請 義 務 化 を P R す る た め に 、 知 事 や 市 長 に お 願 い し に
行 っ た り 、 海 外 に 行 っ た り も し た ん だ よ !
T w i t t e r な ど の S N S に も た く さ ん 登 場 し た ん だ 。
( 法 務 省 民 事 局 公 式 T w i t t e r )
相 続 登 記 の 義 務 化
ス タ ー ト ま で の カ ウ ン ト ダ ウ ン
- 1 3 -
あかれんが 2023年 第81号 《常設記事》
記 者
と こ ろ で 、 相 続 登 記 の 申 請 義 務 化 っ て 、 ど う い う 内 容 な ん で し た っ け ?
ト ウ キ ツ ネ
所 有 者 不 明 土 地 等 の 発 生 を 予 防 す る た め 、 令 和 3 年 に 不 動 産 登 記 法 が 改 正
さ れ 、 令 和 6 年 4 月 1 日 か ら 、 相 続 登 記 の 申 請 が 義 務 化 さ れ る こ と に な っ た よ 。
こ の 法 律 の 改 正 に よ っ て 、 相 続 に よ っ て 不 動 産 を 取 得 し た 方 は 、 そ の 取 得 を 知
っ た 日 か ら 3 年 以 内 に 法 務 局 に 相 続 登 記 を 申 請 す る こ と が 法 律 上 の 義 務 に な っ
た ん だ 。 正 当 な 理 由 な く 義 務 を 怠 る と 、 過 料 と い う ペ ナ ル テ ィ の 適 用 対 象 に も な っ
て し ま う ん だ よ 。
記 者
影 響 が 大 き そ う で す ね 。
ず っ と 前 に 相 続 し た 土 地 や 建 物 も 対 象 に な る ん で す か ?
ト ウ キ ツ ネ
そ の と お り だ コ ン 。
こ の 相 続 登 記 の 義 務 化 は 、 令 和 6 年 4 月 1 日 よ り 前 に 相 続 し た 未 登 記 の 不 動 産
に つ い て も 義 務 化 の 対 象 に な る よ 。
だ か ら 、 関 係 す る 人 の 多 い こ の 制 度 を 広 く 知 っ て も ら う た め 、 僕 が 登 場 す る 解 説
マ ン ガ で お 知 ら せ し た り 、 い ろ い ろ な 広 報 活 動 を 頑 張 っ て い る ん だ 。
こ れ か ら も ぼ く の 活 躍 を 期 待 し て コ ン 。
記 者
広 く 国 民 の み な さ ま に 新 制 度 を 知 っ て
も ら う こ と が 大 切 で す ね 。
ト ウ キ ツ ネ さ ん 、 こ れ か ら も っ と 忙 し く な
り そ う で す 。 今 後 の 活 躍 に 期 待 し ま す !
所 有 者 不 明 土 地 問 題 に つ い て も っ と
知 り た い と い う 方 は 、 ぜ ひ 以 下 の ペ ー ジ も
見 て み て く だ さ い ね 。
▲さんかく 「 所 有 者 不 明 土 地 の 解 消 に 向 け た 民 事 基 本 法 制 の 見 直 し 」 ペ ー ジ
「 相 続 登 記 の 義 務 化 と 相 続 土 地 国
庫 帰 属 制 度 」 ま ん が
相 続 登 記 の 義 務 化 と 相 続 土 地 国 庫 帰 属 制 度 ▼
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あかれんが 2023年 第81号 《常設記事》
法整備支援の現場から
ラオス長期派遣専門家 矢尾板隼
日本は、ラオスに対して平成10年から法整備支援を行っていますが、通算25年目を迎
える今年(令和5年)、4 つ目の JICA プロジェクトである、「法の支配発展促進プロジェク
ト」が終わりを迎えます(途切れることなく後継プロジェクトが開始する予定です。)。
5年にわたる今回のプロジェクトでは、ラオス初となる民法典の施行に加え、 630条に
及ぶ民法典のすべての条文を解説した「民法典逐条解説書」や、ラオスで初めて刑法の理
論を説明した「刑法総論教科書」など多くの成果物が完成しました。いずれの成果物も、ラ
オスの法律家が、日本の大学教授や長期専門家らと長い時間をかけて議論を重ね、自分達
の手で作り上げたものです。
ラオスにおいては、司法省、最高人民裁判所、最高人民検察院、ラオス国立大学の4機関
を対象機関として活動を実施してきましたが、先ほど述べた成果物については、印刷が出
来上がった今年の3月下旬頃から、各機関に引き渡してきました。どの機関からも、成果
物を高く評価するコメントが寄せられており、今後の法律実務の発展に資するよう、若手
法律家の教育などへの活用が期待されています。
最高人民検察院への成果物引渡しの様子(令和5年4月)
1 成果の引き渡し-15-あかれんが 2023年 第81号 《常設記事》
長期専門家の仕事は、前記のような成果物の完成を支援することにとどまるものでは
ありません。
今回、ラオス国立司法研修所(National Institute of Justice。通称 NIJ)から
長期専門家に対し、講義をしてほしいという依頼がありました。NIJ には、裁判官、検察
官、弁護士になるための教育を行う、法曹養成のカリキュラムがありますが、依頼を受け
て、そこに通う学生に対して、日本の司法制度などについての講義を実施したのです。
NIJ の学生はとても熱心で、私たち長期専門家の話に一心に耳を傾けていましたし、予
定されていた時間を超過するほど多くの質問が出されました。
こうした若い熱心な学生が将来ラオスの司法分野を担うことを期待しながら、我々も努
力していきます。
ラオス国立司法研修所(NIJ)での講義の様子(令和5年4月)
2 長期派遣専門家による講義-16-あかれんが 2023年 第81号 《常設記事》
法務省で働くひと・しごと紹介 Vol.17
〜大臣官房司法法制部審査監督課〜
身 の回 りで起 こる民 事 上 のトラブルを解 決 する方 法 として、多 くの人 は裁 判 を
思 い浮 かべるかもしれませんが、それ以 外 にも、「裁 判 外 紛 争 解 決 手 続 (ADR)」
があります。
これは、民事 上の紛争 を、裁判所の訴 訟手 続 によらずに、公正中 立 な第三者が、
当 事 者 双 方 の言 い分 をじっくり聴 きながら、柔 軟 に当 事 者 間 の話 合 い(和 解 )に
より解決を行うものです。
このような紛 争 解 決 手 続 は、裁 判 所 が行 うほかに、民 間 事 業 者 が行 っているも
のもあり、当 係では、民 間 事業 者の申 請に基 づいて、その紛 争 解 決 の業 務が法 律
に定められた厳格な基準をクリアしているかどうかを審査しています。
デジタル技 術を活 用 して裁 判 外 紛 争 解 決 手 続 (ADR)をオンライン上 で実 施 す
るODRが広がっています。
これにより、紛争 解決 のための話合いや打 合 せがウェブ会議やチャットで実 施で
きるようになり、今 までの手 続 と比 べて、対 面 ・移 動 に伴 う心 理 的 な負 担 が大 幅
に軽減され、国民の皆 さまに使いやすいものとなっています。
Q1 紛争解決業務認証係ってどんな仕事?
Q2 最近のトピックスは?-17-係 名:紛争解決業務認証係
所 属:大臣官房司法法制部審査監督課
あかれんが 2023年 第81号 《常設記事》
まだまだ「ADR」や「ODR」の認 知 度 は高 いとは言 えない状 況 ですが、トラブル
解決のための有効な手 続の一つとして、少しずつ国民の皆さまの生 活にADR、O
DRが浸 透 して、身 近 なトラブルが適 正 に解 決 されるようになることにやりがいを
感じます。
令 和 4年 度 に12月 1日 を「ADRの日 (週 間 )」として、周 知 ・広 報 などの取 組 を
開始したことです。
「ADRの日」には、法務省主催で「オンライン・フォーラム」を実施しました。
事 前 に150名 を超 える方 の参 加 応 募 をいただき、ADR、ODRに対 する関 心 の
高さを実感することができました。
Q3 紛争解決業務認証係のやりがいって何 ?
Q4 心に残っているエピソードがあれば教えてください。
会議室にて〜ADRについて打合せ〜-18-
あかれんが 2023年 第81号 《常設記事》
ADR広 報 官 としても活 躍 するホウリス君!-19-