本プログラムテキスト及びワークブック等は、受講者が受講中に貸与される
もので、指導は本テキストに沿って進められます。
刑事施設における性犯罪再犯防止指導にお
いて使用するプログラムテキスト、ワーク
ブック等の一部抜粋
まず、最初のセッションでプログラムの目的やプログラムの流れをグループ
内で共有し、
参加者の動機づけを行います。
参加者の中には、
受講に対する抵抗
感を持っている者もいるため、その気持ちを受容しつつ、このプログラムが出
所後の自分の生活に役立つものであることを丁寧に説明していきます。
性犯罪につながりやすいとされているリスクを学び、それが自分に当てはま
るかどうか検討します。
リスクには、
動的リスクと静的リスクがあり、
動的リス
クは、ストレス対処力の不足等自分自身の考えや行動で変えられるもの、静的
リスクは、犯罪歴等主に過去に関係する変化させられないものです。
認知行動療法では、
自分自身の考えや感情などを自分で観察するセルフ・モニ
タリングの力を大事にしています。普段の受刑生活でも活用できるよう、プロ
グラムの初期に、
セルフ・モニタリングを学び、
自分の考えや行動などを適切な
状態にコントロールできるように練習します。
各自が幼いときから現在までの自分の歴史を振り返り、
自分史を記載し、
一人
一人グループ内で発表し、話し合います。
自分史の作成、
発表を通じて、
自分の問題に気付いたり、
自分の人生の意味を
問い直したりして、自己の洞察を深めていきます。
自己洞察が深まってきた後に、
自分の性加害を振り返り、
日常→ためこみ→ひ
きがね→実行の各段階で、どのような認知、感情、行動、出来事、状況が関連し
ていたのか、
行動サイクルの分析を行います。
それをグループ内で発表し、
話し
合うことで、自分にとってのリスクを特定し、性加害を阻止するための介入の
タイミングを見つけます。
自身の再犯リスクが特定できた後に、それを小さくし、行動サイクルが実行
(加害)段階へ進行するのを防いだり、前の段階に戻したりするための対処方
法を学びます。人によってリスクは異なりますので、それぞれ自分に合った対
処方法は何かを考えていきます。
人によっては、性加害に結び付く性的空想があることを学び、その対処方法
を練習します。必要性があると認められた受講者は、自身の性的空想の内容と
性犯罪との結び付きを検討し、その対処方法を考えていきます。
行動サイクル分析でまとめた各自の再犯リスク要因やそれに対するコーピン
グ(対処方法)
、なりたい自分等について具体的に検討し、再発防止計画にまと
めます。
全員の前で発表し、
お互いフィードバックをして、
よりよいものに改訂
していきます。

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