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「法務省・出入国在留管理庁・公安審査委員会・公安調査庁特定事業主行
動計画(アット・ホウムプラン-プラスONE-)
」における重点項目及
び具体的取組方策等について
令和4年11月30日
事 務 次 官 決 定
1 重点項目及び具体的取組方策について
「法務省・出入国在留管理庁・公安審査委員会・公安調査庁特定事業主行動
計画(アット・ホウムプラン-プラスONE-)」(平成28年3月31日法務
大臣・公安審査委員会委員長・公安調査庁長官決定、令和3年4月1日改正)
(以下「行動計画」という。
)に基づく取組について、令和3年度に実施され
た「国家公務員の働き方改革と女性活躍推進に関する実態等を把握するための
職員アンケート調査」等の結果を踏まえ、以下の項目を重点項目として定める
とともに、行動計画に既に定められている重点項目に関連する取組を更に具体
化する方策を別添1ないし3のとおり示すので、これを参考として、関連する
取組を優先的に推進する。
【重点項目】
1 デジタルツールの活用やオフィス環境の整備による業務の効率化
2 テレワークを始めとした柔軟な働き方の推進
3 マネジメント力の向上
2 人材確保・育成に関する取組について
本年3月30日付けで、各府省を通じた人事管理に関する統一的方針として
「令和4年度における人事管理運営方針」
(内閣総理大臣決定)が示され、そ
の重点項目の一つとして「人材確保・育成に関する戦略的アプローチ」が設定
された。
上記重点項目が設定されたのは、現代社会における若年層の仕事に対する考
え方の傾向(1転職を肯定的に捉える、2自分のキャリアを主体的に形成でき
ることを重視する、3キャリアの複線化志向)に、人材確保・育成の観点から
対応するためであるが、
今後、
労働人口の減少が見込まれる状況下においては、
法務省においても、これまで以上に人材の流出防止に取り組む必要がある。
行動計画においても、これに関連する取組として人材育成に関する取組を掲
げているところ、
その取組の具体的方策を以下に示すので、
これも参考として、
上記1に掲げた重点項目と同様に、関連する取組を優先的に推進する。
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【行動計画における関連する取組及びその具体的方策】
マネジメント改革に関する取組(行動計画第2章第1の2(4)
「2 人材
育成のための人事担当部局の役割」)・ 「ア 人事異動を通じた人材育成・キャリア形成」としての取組方策と
しては、例えば、人事異動の意向調査時に、複数の管理職員や人事担当者
との1on1ミーティングを実施して、若手職員のキャリアに関する要望
等を確認したり、人事異動の内示等の機会に、異動先で期待する役割等を
伝達するなどして、若手職員と積極的にコミュニケーションを取り、若手
職員のやりがいの向上に努め、成長の機会を提供する。
重点項目1 デジタルツールの活用やオフィス環境の整備による業務の効率化
【行動計画における関連する取組及びその具体的方策】
1 業務効率化・デジタル化の推進に関する取組(行動計画第2章第1の2(1))
(1) 「1 業務見直し」
(行動計画2頁)関係
・ 各職場においては、管理職員と部下職員において、ルーティン化して
いる業務についても、その業務目的に立ち戻り、その目的は何か、その
目的からすると業務を廃止・統合・縮小できる余地はないか、引き続き
必要な業務であってもやり方を変えることでより効果的・効率的に目的
を達成できるのではないかなど、業務見直しの余地がないかを率直に話
し合う。その結果、見直しの余地があると認められたものについては、
管理職員から幹部職員に働き掛け、見直しに向けた検討を進める。なお、
業務見直しに当たっては、令和3年7月に内閣官房「業務の抜本見直し
推進チーム」が作成した「業務見直し着眼点のヒント集」なども参考に
する。
・ 業務見直しを実施した場合だけではなく、業務見直しを提案した職員
に対しても、業務見直しに積極的に取り組んでいることを評価し、その
取組状況を人事評価に適切に反映させる。
(2) 「3 横断的な業務等の効率化」
(行動計画2頁)関係
・ 「イ 会議等の運営業務」に関する取組として、可能なものから随時、
同一官署内の会議や打合せ、採用面接等の実施においてもウェブ会議シ
ステム等のコミュニケーションツールを活用する。
(3) 「4 コミュニケーション・情報共有の活性化」
(行動計画3頁)関係
・ 書類削減やレイアウトの見直し等によりスペースを捻出することで、
会議室や打合せスペース等の共用スペースを創出し、コミュニケーショ
ンの活性化による業務効率化を図る。
・ 無線LANの導入や、業務用端末のモバイル化、大画面モニターの設
置といったハード面の充実化を図り、場所にとらわれない柔軟な働き方
ができるオフィス環境を整備する。
2 勤務時間管理のシステム化と勤務時間管理の徹底等(行動計画第2章第1
の2(3))「1 勤務時間管理のシステム化」
(行動計画5頁)関係
・ 勤務時間管理システムの導入により、休暇等申請手続の簡便化、管理
職員による部下職員の勤務時間管理が容易になるといった効果が大きく
期待できることから、本省等においては、令和4年度中に勤務時間管理
別添1
システムを導入し、令和5年度中に稼働させる。
・ 地方機関への導入・稼働については、業務に応じた勤務形態の多様性
及びシステム導入等に必要な整備環境に配慮しながら、本省等の導入結
果、課題等を踏まえた上で、検討を進める。
別添1
重点項目2 テレワークを始めとした柔軟な働き方の推進
【行動計画における関連する取組及びその具体的方策】
働く時間と場所の柔軟化に関する取組(行動計画第2章第1の2(2))1 「1 テレワークの推進に関する取組」
(行動計画4頁)関係
・ 「ア テレワークに係るシステム環境の計画的整備」については、令和
3年8月に策定した「テレワーク推進計画」に基づき取り組むこととする。
具体的には、リモートデスクトップに接続する際に必要となる法務省R
VPNの接続可能数を増加させるなどし、テレワークを希望する職員全員
がテレワークを実施できる環境を整備する。将来的には、業務用端末を自
宅等に容易に持ち運んでテレワークを実施できるようにするため、モバイ
ルノート型パソコンの整備や、テレワーク勤務者と官署勤務者とのコミュ
ニケーションを円滑化するため、ウェブ会議機能・チャット機能等のコミ
ュニケーションツールの導入等、テレワーク実施環境の充実を図る。
・ 「ウ テレワークに対応したマネジメント」に関する取組としては、管
理職員において、テレワーク勤務者の業務内容や進捗状況を把握するとと
もに、部下職員とのコミュニケーション方法について工夫(メールだけで
なく電話も活用する、メールでは普段より柔らかい表現を意識する等)し、
テレワークに対応した適切なマネジメントを行う。
2 その他の取組
・ 幹部職員及び管理職員は、テレワーク等の柔軟な働き方を推奨する職場
の雰囲気を醸成するため、下記事項に取り組むこととする。
(1) 定期的なテレワークの実施や、早出遅出勤務、フレックスタイム制を
積極的に取り入れた勤務を行うとともに、部下職員に対しても、これら
の柔軟な働き方を推奨する。
(2) テレワーク勤務者が登庁時と同様の勤務が行えるようにするため、決
裁や報告等の方法を従来の対面方式によるものから、メールやメッセー
ジ機能、ウェブ会議機能等を活用した非対面方式によるものでも行える
ようにすることを検討し、可能な場面では積極的に新たな方式を取り入
れる。
別添2
重点項目3 マネジメント力の向上
【行動計画における関連する取組及びその具体的方策】
1 マネジメント改革に関する取組(行動計画第2章第1の2(4))「1 職員のやりがい向上も踏まえた管理職員のマネジメント向上」(行動計画7頁)関係
・ 幹部職員・管理職員は、部下職員が働きやすく、相互に助け合いなが
ら成果を挙げることができる組織作りのため「心理的安全性」
(※(注記))を確
保し、部下職員と良質なコミュニケーションを実践する。この「良質な
コミュニケーション」の実践には、部下職員から話しかけやすい雰囲気
作り、部下職員の話に対する傾聴の姿勢を持つことや自らの考えも開示
するといった対話での工夫が必要であることに留意する。
※(注記) 心理的安全性とは、チーム内において、素直に質問する、自分の意見を言う、誤りを認めるといったこ
とができる、対人関係のリスクがないと信じることができる状態のことをいう。
・ 「ア 管理職員が実施すべきマネジメント行動」として考えられる行
動は、行動計画にも記載されているが、これらをより具体化したものと
しては以下の行動が考えられる。これらの行動は管理職員しか行うこと
ができないものであることを強く自覚し、行動を実践する。
【業務マネジメント】
(「(ア) 業務・組織マネジメントの実施」関連)
1 やるべき仕事・やめる仕事の決定
チームとして目指すべき目標を示し、その目標を踏まえて、やるべ
き業務の取捨選択や優先順位付けを行う。
2 誰が・何を・どこまでやるべきかの決定
部下職員の職務(目標)を具体化し、仕事の割り振りを行う。その
業務分担をチーム内で見える化・共有化する。
3 業務の進捗状況の把握と支援
部下職員が適切な成果を挙げるため、相談や報告を受けて業務の進
捗状況を把握し、必要に応じて適切な支援を行う。なお、業務の進捗
状況の把握には、係などのチーム内における定期的なミーティング、
部下職員との1on1ミーティングといった手段が有効である。
4 成果達成の確認
業務が完了した場合は、部下の労をねぎらい、良かった点は具体的
に褒めることで自信をつけさせる。未完の場合は完了まで継続しても
らうか、自分や他のメンバーに引き継ぐかを判断する。
【人材マネジメント】(「(イ) 部下職員の主体的な業務遂行の促進」「(ウ)
部下職員の人材育成・キャリア支援の実施」関連)
1 適度に挑戦的な目標を設定し、取組を行わせる
別添3
部下職員の業績目標の設定等において、業務内容(換言すると「業
務難易度」
「求められるスキル」
)が当該部下職員にとって適度に挑戦
的となる目標を設定する。なお、目標設定は、管理職員が一方的に行
うのではなく、部下職員の話をよく聞いた上で設定し、その目標の意
義と部下職員への期待を伝えることが大切である。
目標の例: (昨年度は係長が主担当、係員が補佐役として行った業務について、
)昨年度の経験を活か
し、今年度は係員が主担当、係長が補佐役として行う。
2 振り返りを行う
目標に取り組んだ後、部下職員と一緒に振り返りを行い、目標の達
成度合いを検証する。まずは部下職員自身が分析、評価することが必
要である。この振り返りは、業績評価の期末面談で行うことも想定さ
れるが、管理職員は、期末面談が部下職員の人材育成につながること
を意識して行うことが大切である。なお、うまくいかなかった点だけ
ではなく、うまくいった点についても、その理由や原因を分析させ、
成功パターンを認識させることが部下職員のスキルの向上につながる
ので、振り返りでは重要である。
3 他の職員を巻き込む
人材育成は、管理職員だけが行うものではなく、課長補佐、係長、
他の課室の同僚などの周囲の力をうまく活用することも有用である。
例えば、2の振り返りでは、係長や課長補佐が管理職員よりも前に
係員との振り返りを行うことや、係員の挑戦的な目標を係長にも共有
し、
係長からも係員の成長支援が行えるようにすることが考えられる。
・ 「イ 管理職員のマネジメント能力の向上」として「
(ア)管理職員に
対するマネジメント研修の充実」が挙げられているが、外部講師により
研修を実施する場合には、内閣人事局がマネジメント研修用として作成
した「国家公務員のためのマネジメントテキスト」が参考になるので、
同テキストの活用も検討する。
2 勤務時間管理のシステム化と勤務時間管理の徹底等(行動計画第2章第1
の2(3))(1) 「2 勤務時間管理による超過勤務縮減と勤務間インターバルの確保等」
(行動計画5頁)関係
・ 各職場においては、勤務間インターバルの確保のため、早出遅出勤務
の積極的な活用を継続する。
(2) 「3 超過勤務の縮減・休暇の取得促進等」
(行動計画5頁)関係
・ 管理職員は、部下職員が超過勤務を行う場合には、超過勤務の理由と
見込み時間についての事前把握と事後確認の徹底を継続して行う。
・ 特定の職員に超過勤務が偏っている場合には、管理職員は、当該職員
別添3
別添3
と1on1ミーティングなどを行い、抱えている業務内容やその難易度、
優先順位などを確認し、必要に応じて業務分担等の見直しを柔軟に行う。
なお、1on1ミーティングは、部下職員の業務状況の把握に有効であ
ることから、4半期に1回など定期的に行うことを推奨する。