民法等の一部を改正する法律案要綱第一民法の一部改正一再婚禁止期間の撤廃1第七百三十三条の規定は、削除するものとすること。(第七百三十三条関係)2第七百四十六条の規定は、削除するものとすること。(第七百四十六条関係)二嫡出の推定1妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定するものとすること。女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、同様とするものとすること。(第七百七十二条第一項関係)21の場合において、婚姻の成立の日から二百日以内に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定し、婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定するものとすること。(第七百七十二条第二項関係)31の場合において、女が子を懐胎した時から子の出生の時までの間に二以上の婚姻をしていたときは、その子は、その出生の直近の婚姻における夫の子と推定するものとすること。(第七百七十二条第三項関係)41から3までの規定により父が定められた子について、四の規定によりその父の嫡出であることが否認された場合における3の規定の適用については、3中「直近の婚姻」とあるのは、「直近の婚姻(四の規定により子がその嫡出であることが否認された夫との間の婚姻を除く。)」とするものとすること。(第七百七十二条第四項関係)三父を定めることを目的とする訴え重婚の禁止の規定に違反して婚姻をした女が出産した場合において、二の規定によりその子の父を定めることができないときは、裁判所が、これを定めるものとすること。(第七百七十三条関係)四嫡出の否認1二の規定により子の父が定められる場合において、父又は子は、子が嫡出であることを否認することができるものとすること。(第七百七十四条第一項関係)21の規定による子の否認権は、親権を行う母、親権を行う養親又は未成年後見人が、子のために行使することができるものとすること。(第七百七十四条第二項関係)31に規定する場合において、母は、子が嫡出であることを否認することができるものとすること。ただし、その否認権の行使が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでないものとすること。(第七百七十四条第三項関係)4二3の規定により子の父が定められる場合において、子の懐胎の時から出生の時までの間に母と婚姻していた者であって、子の父以外のもの(以下第一において「前夫」という。)は、子が嫡出であることを否認することができるものとすること。ただし、その否認権の行使が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでないものとすること。(第七百七十四条第四項関係)54の規定による否認権を行使し、二4の規定により読み替えられた二3の規定により新たに子の父と定められた者は、1の規定にかかわらず、子が自らの嫡出であることを否認することができないものとすること。(第七百七十四条第五項関係)五嫡出否認の訴え1次のからまでに掲げる否認権は、それぞれ当該からまでに定める者に対する嫡出否認の訴え(一)
(四)
(一)
(四)によって行うものとすること。(第七百七十五条第一項関係)父の否認権子又は親権を行う母
(一)子の否認権父
(二)母の否認権父
(三)前夫の否認権父及び子又は親権を行う母
(四)21又はに掲げる否認権を親権を行う母に対し行使しようとする場合において、親権を行う母がな
(一)
(四)いときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならないものとすること。(第七百七十五条第二項関係)六嫡出の承認父又は母は、子の出生後において、その嫡出であることを承認したときは、それぞれその否認権を失うものとすること。(第七百七十六条関係)七嫡出否認の訴えの出訴期間1次のからまでに掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、それぞれ当該からまでに定め(一)
(四)
(一)
(四)る時から三年以内に提起しなければならないものとすること。(第七百七十七条関係)父の否認権父が子の出生を知った時(一)子の否認権その出生の時(二)母の否認権子の出生の時(三)前夫の否認権前夫が子の出生を知った時
(四)2二3の規定により父が定められた子について四の規定により嫡出であることが否認されたときは、次のからまでに掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、1の規定にかかわらず、それぞれ当該
(一)
(四)からまでに定める時から一年以内に提起しなければならないものとすること。(第七百七十八条関
(一)
(四)係)二4の規定により読み替えられた二3の規定により新たに子の父と定められた者の否認権新たに(一)子の父と定められた者が当該子に係る嫡出否認の裁判が確定したことを知った時子の否認権子がの裁判が確定したことを知った時
(二)
(一)母の否認権母がの裁判が確定したことを知った時
(三)
(一)前夫の否認権前夫がの裁判が確定したことを知った時
(四)
(一)31(に係る部分に限る。)又は2(に係る部分に限る。)の期間の満了前六箇月以内の間に親権
(二)
(二)を行う母、親権を行う養親及び未成年後見人がないときは、子は、母若しくは養親の親権停止の期間が満了し、親権喪失若しくは親権停止の審判の取消しの審判が確定し、若しくは親権が回復された時、新たに養子縁組が成立した時又は未成年後見人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、嫡出否認の訴えを提起することができるものとすること。(第七百七十八条の二第一項関係)4子は、その父と継続して同居した期間(当該期間が二以上あるときは、そのうち最も長い期間)が三年を下回るときは、1(に係る部分に限る。)及び2(に係る部分に限る。)の規定にかかわらず
(二)
(二)、二十一歳に達するまでの間、嫡出否認の訴えを提起することができるものとすること。ただし、子の否認権の行使が父による養育の状況に照らして父の利益を著しく害するときは、この限りでないものとすること。(第七百七十八条の二第二項関係)5四2の規定は、4の場合には、適用しないものとすること。(第七百七十八条の二第三項関係)61(に係る部分に限る。)及び2(に係る部分に限る。)に掲げる否認権の行使に係る嫡出否認(四)
(四)の訴えは、子が成年に達した後は、提起することができないものとすること。(第七百七十八条の二第四項関係)八子の監護に要した費用の償還の制限四の規定により嫡出であることが否認された場合であっても、子は、父であった者が支出した子の監護に要した費用を償還する義務を負わないものとすること。(第七百七十八条の三関係)九相続の開始後に新たに子と推定された者の価額の支払請求権相続の開始後、四の規定により否認権が行使され、二4の規定により読み替えられた二3の規定により新たに被相続人がその父と定められた者が相続人として遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしていたときは、当該相続人の遺産分割の請求は、価額のみによる支払の請求により行うものとすること。(第七百七十八条の四関係)十胎児の認知認知された胎児が出生した場合において、二の規定によりその子の父が定められるときは、胎児の認知は、その効力を生じないものとすること。(第七百八十三条第二項関係)十一認知の無効の訴え1次のからまでに掲げる者は、それぞれ当該からまでに定める時(胎児の認知がされた場合に
(一)
(三)
(一)
(三)あっては、子の出生の時)から七年以内に限り、認知について反対の事実があることを理由として、認知の無効の訴えを提起することができるものとすること。ただし、に掲げる者について、その認知の(三)無効の主張が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでないものとすること。(第七百八十六条第一項関係)子又はその法定代理人子又はその法定代理人が認知を知った時
(一)認知をした者認知の時
(二)子の母子の母が認知を知った時
(三)2子は、その子を認知した者と認知後に継続して同居した期間(当該期間が二以上あるときは、そのうち最も長い期間)が三年を下回るときは、1(に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、二十一歳(一)に達するまでの間、認知の無効の訴えを提起することができるものとすること。ただし、子による認知の無効の主張が認知をした者による養育の状況に照らして認知をした者の利益を著しく害するときは、この限りでないものとすること。(第七百八十六条第二項関係)32の規定は、2に規定する子の法定代理人が1の認知の無効の訴えを提起する場合には、適用しないものとすること。(第七百八十六条第三項関係)41及び2の規定により認知が無効とされた場合であっても、子は、認知をした者が支出した子の監護に要した費用を償還する義務を負わないものとすること。(第七百八十六条第四項関係)十二子の人格の尊重等1親権を行う者は、第八百二十条の規定による監護及び教育をするに当たっては、子の人格を尊重するとともに、その年齢及び発達の程度に配慮しなければならず、かつ、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならないものとすること。(第八百二十一条関係)2第八百二十二条を削り、第八百二十一条を第八百二十二条とするものとすること。(第八百二十二条関係)第二児童福祉法の一部改正一児童相談所長は、一時保護が行われた児童で親権を行う者又は未成年後見人のあるものについても、監護及び教育に関し、その児童の福祉のため必要な措置をとることができるものとすること。この場合において、児童相談所長は、児童の人格を尊重するとともに、その年齢及び発達の程度に配慮しなければならず、かつ、体罰その他の児童の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならないものとすること。(第三十三条の二第二項関係)二児童福祉施設の長、その住居において養育を行う第六条の三第八項に規定する厚生労働省令で定める者又は里親(以下「施設長等」という。)は、入所中又は受託中の児童で親権を行う者又は未成年後見人のあるものについても、監護及び教育に関し、その児童の福祉のため必要な措置をとることができるものとすること。この場合において、施設長等は、児童の人格を尊重するとともに、その年齢及び発達の程度に配慮しなければならず、かつ、体罰その他の児童の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならないものとすること。(第四十七条第三項関係)第三国籍法の一部改正認知された子の国籍の取得に関する規定は、認知について反対の事実があるときは、適用しないものとすること。(第三条第三項関係)第四児童虐待の防止等に関する法律の一部改正児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、児童の人格を尊重するとともに、その年齢及び発達の程度に配慮しなければならず、かつ、体罰その他の児童の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならないものとすること。(第十四条第一項関係)第五人事訴訟法の一部改正一当事者の死亡による人事訴訟の終了離婚、嫡出否認(父を被告とする場合を除く。)又は離縁を目的とする人事訴訟の係属中に被告が死亡した場合には、当該人事訴訟は、第二十六条第二項の規定にかかわらず、当然に終了するものとすること。(第二十七条第二項関係)二嫡出否認の訴えの当事者等1父が子の出生前に死亡したとき又は第一の七1(に係る部分に限る。)若しくは第一の七2(に(一)
(一)係る部分に限る。)に定める期間内に嫡出否認の訴えを提起しないで死亡したときは、その子のために相続権を害される者その他父の三親等内の血族は、父の死亡の日から一年以内に限り、嫡出否認の訴えを提起することができるものとすること。(第四十一条第一項関係)2第一の四4に規定する前夫は、第一の五1(に係る部分に限る。)の規定により嫡出否認の訴えを
(四)提起する場合において、子の懐胎の時から出生の時までの間に、当該前夫との婚姻の解消又は取消しの後に母と婚姻していた者(父を除く。)がいるときは、その嫡出否認の訴えに併合してそれらの者を被告とする嫡出否認の訴えを提起しなければならないものとすること。(第四十一条第三項関係)32の規定により併合して提起された嫡出否認の訴えの弁論及び裁判は、それぞれ分離しないでしなければならないものとすること。(第四十一条第四項関係)三嫡出否認の判決の通知裁判所は、第一の二3の規定により父が定められる子について嫡出否認の判決が確定したときは、第一の四4に規定する前夫(訴訟記録上その氏名及び住所又は居所が判明しているものに限る。)に対し、当該判決の内容を通知するものとすること。(第四十二条関係)四認知の無効の訴えの当事者等1二1及び第四十一条第二項の規定は、第一の十一に規定する認知の無効の訴えについて準用するものとすること。(第四十三条第一項関係)2子が第一の十一1(に係る部分に限る。)に定める期間内に認知の無効の訴えを提起しないで死亡
(一)したときは、子の直系卑属又はその法定代理人は、認知の無効の訴えを提起することができるものとすること。この場合においては、子の死亡の日から一年以内にその訴えを提起しなければならないものとすること。(第四十三条第二項関係)3子が第一の十一1(に係る部分に限る。)に定める期間内に認知の無効の訴えを提起した後に死亡
(一)した場合には、2の規定により認知の無効の訴えを提起することができる者は、子の死亡の日から六月以内に訴訟手続を受け継ぐことができるものとすること。この場合においては、民事訴訟法第百二十四条第一項後段の規定は、適用しないものとすること。(第四十三条第三項関係)第六家事事件手続法の一部改正一嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事件第百十八条の規定は、嫡出否認の訴えの特別代理人の選任の審判事件における父及び第一の四4に規定する前夫について準用するものとすること。(第百五十九条第二項関係)二嫡出否認の審判の通知家庭裁判所は、第一の二3の規定により父が定められる子の嫡出否認についての合意に相当する審判が確定したときは、第一の四4に規定する前夫(事件の記録上その氏名及び住所又は居所が判明しているものに限る。)に対し、当該合意に相当する審判の内容を通知するものとすること。(第二百八十三条の二関係)三認知の無効についての調停の申立ての特則1認知をした者が認知について反対の事実があることを理由とする認知の無効についての調停の申立てをした後に死亡した場合において、当該申立てに係る子のために相続権を害される者その他認知をした者の三親等内の血族が認知をした者の死亡の日から一年以内に認知について反対の事実があることを理由とする認知の無効の訴えを提起したときは、認知をした者がした調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなすものとすること。(第二百八十三条の三第一項関係)2子が認知について反対の事実があることを理由とする認知の無効についての調停の申立てをした後に死亡した場合において、子の直系卑属又はその法定代理人が子の死亡の日から一年以内に認知について反対の事実があることを理由とする認知の無効の訴えを提起したときは、子がした調停の申立ての時に、その訴えの提起があったものとみなすものとすること。(第二百八十三条の三第二項関係)第七生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律の一部改正妻が、夫の同意を得て、夫以外の男性の精子(その精子に由来する胚を含む。)を用いた生殖補助医療により懐胎した子については、夫、子又は妻は、第一の四1及び3の規定にかかわらず、その子が嫡出であることを否認することができないものとすること。(第十条関係)第八その他その他所要の規定を整備するものとすること。第九附則一この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、第一の十二、第二及び第四については、公布の日から施行するものとすること。(附則第一条関係)二この法律の施行に伴う所要の経過措置を定めるものとすること。(附則第二条から第六条まで関係)