○しろまる全受刑者のうち知的障害を有する者又はその疑いのある者(以下「知的障害受刑者」という)は、全国で1,345名であり、
このうち療育手帳を取得している者は414名(30.8%)であることが判明(令和2年9月矯正局特別調査)
○しろまる知的障害受刑者の再犯期間は短く、刑事施設への入所度数は多い傾向(必要な支援がないまま短期間で再犯を反復)
○しろまる知的障害受刑者の再犯防止を推進するためには、1障害特性の把握と就労等を見据えた処遇の実施、2福祉サービス等を
受けるための療育手帳の取得、3社会復帰後の継続した寄り添い型支援等が必要であるところ、矯正施設だけでこれら障害特
性に目を向けた取組を行うには専門知識やノウハウが不十分
○しろまる長崎刑務所は、刑事施設では全国唯一の「社会復帰支援部門」が設置されており、社会福祉関係機関との連携実績あり
長崎刑務所における知的障害受刑者処遇・支援モデル事業概要
施設内処遇
移送
○しろまる特性に応じた作業・訓練
�� 一般作業
�� 職業訓練
�� 職場体験
�� 一般就労(一般企業・特例子会社)
�� 福祉的就労等(農福、就労移行・継続支援)
�� 福祉的支援 など
社会復帰に向けた調整
療育手帳の取得に向けた調整
○しろまる特性に応じた指導
�� 一般改善指導(SST等)
�� 特別改善指導(就労支援指導等)
�� 教科指導
社会福祉法人 南高愛隣会
現状・問題点
長崎刑務所をモデル事業実施庁に指定し、九州各県所在の刑事施設から知的障害受刑者を一定数集約(50名程度)した上
で、障害者福祉の専門的知見・ノウハウを有する社会福祉法人南高愛隣会に業務委託を行い、1特性に応じたアセスメントと処遇計
画の立案、2処遇計画に基づく訓練・指導、3療育手帳等の取得に向けた調整、4息の長い寄り添い型支援を可能とする調整を実施対 策 概 要
事業イメージ
4 息の長い寄り添い型支援を可能とする調整
��一般就労が可能な者は就労支援
��一般就労と福祉的支援の狭間にある者は福祉的就労等
��福祉的支援を要する者は必要なサービスへの引き継ぎ
��出所して、それぞれの地元などに帰住した後も息の長い寄り添い型
支援を可能とする施設内外が有機的に連携した包括的取組
【調整機関等】
対象者が帰住予定の自治体福祉関係部局、社会福祉協議会、知
的障害者更生相談所、地域障害者職業センター、障害者就業・生活
支援センター、就労移行・継続支援事業所など
【対象者】
・福岡矯正管区内の刑事施設において、スクリーニング等により、知的障害及びその疑いがあるとされた者
・心身に重大な疾患を有しない者
・集団又は個別のプログラム等の処遇が実施可能な者
・移送時、残りの刑期が少なくとも1年以上ある者
福岡矯正管区において対象候補者の選定
長崎刑務所
3 在所中の療育手帳等の取得に向けた調整
��対象者が出所後に必要となる療育手帳について、在所中の取得に
向けた調整
��必要に応じて障害受容に向けたカウンセリング
2 処遇計画に基づく訓練・指導
��就労を見据えて、知的障害者を多く雇用している企業の協力を得た
作業の導入
��就労移行支援事業所等のノウハウを取り入れた職業訓練
��社会生活を見据えたライフスキル・ソフトスキルの習得など
��福祉的制度等への理解の促進
1 特性に応じたアセスメントと処遇計画の立案
��対象者の特性に応じた作業・訓練・指導内容の選定に係るアセスメント
の支援を行い、処遇計画を立案
【業務フロー】
出所
○しろまる更生保護官署・地域生活定着支援センター等との調整
連携協力・
情報共有
(それぞれの地元などに帰住)