法 務 省 民 商 第 1 5 9 号
令 和 3 年 9 月 1 7 日
法 務 局 長 殿
地 方 法 務 局 長 殿
法務省民事局長
(公 印 省 略)
商業登記所における実質的支配者情報一覧の保管等に関する規則の施行
に伴う事務の取扱いについて(通達)
商業登記所における実質的支配者情報一覧の保管等に関する規則(令和3年
法務省告示第187号。以下「規則」という )が本日公布され,令和4年1。月31日から施行されることとなりましたが,これに伴う事務の取扱いについ
ては,下記の点に留意するよう,貴管下登記官に周知方お取り計らい願います。記第1 規則の趣旨
公的機関において法人の実質的支配者に関する情報を把握することにつ
いては,法人の透明性を向上させ,資金洗浄等の目的による法人の悪用を
防止する観点から FATF 金融活動作業部会 Financial Action Task
, ( 。
Force)の勧告や金融機関からの要望等,国内外の要請が高まっており,
成長戦略フォローアップ(令和2年7月17日閣議決定)においても「設
立後の法人の実質的支配者の把握等を実現する商業登記制度の在り方を検
討し,2020年中に結論を得る 」とされた。。これを受け,登記所が,株式会社からの申出により,その実質的支配者
に関する情報を記載した書面を保管し,その写しを交付する制度を定める
ことを目的として規則を定め(規則第1条参照 ,実質的支配者リスト制)度を創設することとしたものである。
第2 規則の施行に伴う事務の取扱い
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1 実質的支配者情報一覧の保管等の申出
(1) 実質的支配者情報一覧
株式会社は,その本店の所在地を管轄する登記所(商業登記法(昭和
38年法律第125号)第1条の3に規定する登記所であって,同法第
2条の規定に基づき,登記事務委任規則(昭和24年法務府令第13
号)の規定により商業登記の事務が他の登記所に委任されたものを除い
たものをいう。以下「商業登記所」という )の登記官に対し,当該株。式会社に係る次に掲げる情報を記載した書面(以下「実質的支配者情報
一覧」という )の保管及び実質的支配者情報一覧の写しの交付の申出。をすることができるとされた(規則第2条 。)ア 申出に係る株式会社(以下「申出会社」という )の商号,本店の。所在場所及び会社法人等番号(商業登記法第7条に規定する会社法人
等番号をいう。以下同じ )。イ 過去の一定の日((1)の申出をする日前1月以内のものに限る )に。おける申出会社の実質的支配者(犯罪による収益の移転防止に関する
法律施行規則(平成20年内閣府・総務省・法務省・財務省・厚生労
働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省令第1号。以下「犯収法
施行規則」という )第11条第2項第1号の自然人(同条第4項の。規定により自然人とみなされるものを含む )に該当する者をいう。。以下同じ )の氏名,住居,国籍等(国籍の属する国又は出入国管理。及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第2条第5号ロに規定
する地域をいう。以下同じ )及び生年月日。ウ イの実質的支配者がイの日において直接又は間接に有していた申出
会社の議決権(当該実質的支配者が有していた申出会社の議決権(会
社法(平成17年法律第86号)第308条第1項その他これに準ず
る同法以外の法令(外国の法令を含む )の規定により行使すること。ができないとされる議決権を含み,同法第423条第1項に規定する
役員等(会計監査人を除く )の選任及び定款の変更に関する議案。(これらの議案に相当するものを含む )の全部につき株主総会(こ。れに相当するものを含む )において議決権を行使することができな。い株式(これに相当するものを含む )に係る議決権を除く。以下同。じ )及び当該実質的支配者の支配法人(犯収法施行規則第11条第。- 2 -
3項第2号に規定する支配法人をいい,同号の規定により当該実質的
支配者の支配法人とみなされるものを含む。以下同じ )が有してい。た申出会社の議決権をいう )が申出会社の議決権の総数に占めてい。た割合及び当該実質的支配者の支配法人が有していた申出会社の議決
権がある場合にはその旨
エ イの日においてウの実質的支配者の支配法人が有していた申出会社
の議決権がある場合には,当該実質的支配者及び当該支配法人(当該
支配法人が二以上である場合には各支配法人。以下同じ )が有して。いた申出会社の議決権がそれぞれ申出会社の議決権の総数に占めてい
た割合並びに当該実質的支配者,当該支配法人及び申出会社の間の支
配関係
オ (3)ア(イ)により申出書に添付する書面の名称
カ (3)イ((イ)括弧書を除く )に掲げる書面を申出書に添付する場合。にあっては,その書面の名称
なお,申出をすることができる株式会社には,特例有限会社(会社法
の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成17年法律第87
号)第3条第2項に規定する特例有限会社をいう )も含まれる。。(2) 申出の方法
(1)の申出は,次に掲げる事項を内容とする申出書を商業登記所に提
供してしなければならないとされた(規則第3条 。この場合の商業登)記所への申出書の提供は,商業登記所の窓口に持参する方法によるほか,
送付によることも認められる。
ア 申出会社の商号,本店の所在場所及び会社法人等番号並びに申出会
社の代表者の資格,氏名,住所及び連絡先
イ 代理人によって申出をするときは,当該代理人の氏名又は名称,住
所及び連絡先並びに代理人が法人であるときはその代表者の資格及び
氏名
ウ 交付を求める実質的支配者情報一覧の写しの利用目的
エ 交付を求める実質的支配者情報一覧の写しの通数
オ 申出の年月日
カ 送付の方法により実質的支配者情報一覧の写しの交付を求めるとき
は,その旨
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この申出書は,別記第1号様式又はこれに準ずる様式によるものとす
る。
(3) 実質的支配者情報一覧等の添付
ア (2)の申出書には,次に掲げる書面を添付しなければならないとさ
れた(規則第4条第1項 。)(ア) 実質的支配者情報一覧(別紙書式に(1)アからカまでに掲げる情
報及び作成の年月日並びに(1)イの日の実質的支配者情報((1)イか
らエまでに掲げる情報をいう )である旨を記載し,作成者である。申出会社の代表者が記名したものに限る )。(イ) 申出会社に係る次に掲げる書面のいずれか
a (1)の申出をする日における株主名簿の写し
b 公証人が発行する申告受理及び認証証明書(設立後最初の事業
年度を経過していない場合に限る )。c (1)の申出をする日の属する事業年度の直前の事業年度の確定
申告書(法人税法(昭和40年法律第34号)第2条第31号に
規定する確定申告書をいう ) に添付された 法人税法施行 規則。(昭和40年大蔵省令第12号)第34条第2項に規定する別表
二の写し(設立後最初の事業年度を経過している場合に限る )。(ウ) (ア)の実質的支配者情報一覧と(イ)に掲げる書面の内容とが合致し
ていない場合には,その理由を明らかにする書面
この書面には,合致しない理由を記載した申出会社の代表者の作
成に係る証明書(当該証明書には,代表者の記名があれば足り,押
印は不要である )等が該当する。。イ (2)の申出書には,(3)アに掲げる書面のほか,次に掲げるものを添
付することができるとされた(規則第4条第2項 。)(ア) (3)ア(ア)の実質的支配者情報一覧に実質的支配者として記載され
た者の氏名及び住居と同一の氏名及び住居が記載されている市町村
長(特別区の区長を含むものとし,地方自治法(昭和22年法律第
67号)第252条の19第1項の指定都市にあっては,区長又は
総合区長とする。以下同じ )その他の公務員が職務上作成した証。明書(当該実質的支配者が原本と相違がない旨を記載した謄本を含
む )。- 5 -
この証明書には,例えば住民票記載事項証明書や運転免許証の写
しが該当する。
(イ) 1(1)エの支配関係に係る情報に記載されている支配法人に係る
(3)ア(イ)aからcまでに掲げる書面のいずれか((3)ア(ア)の実質的
支配者情報一覧と(3)イ(イ)により添付する書面の内容とが合致して
いない場合には,その理由を明らかにする書面を併せて添付する場
合に限る )。そのため,(3)ア(ア)の実質的支配者情報一覧と(3)イ(イ)により添
付された書面の内容とが合致していない場合において,その理由を
明らかにする書面の添付がないときは,実質的支配者情報一覧に
(3)イ(イ)の書面の名称を記載することはできない。
(4) 代理権限を証する書面の添付
代理人によって(1)の申出をするには,(2)の申出書にその権限を証す
る書面を添付しなければならないとされた(規則第5条 。当該書面に)ついて,原本の添付に加えて,代理人が原本と相違がない旨を記載し,
記名をした謄本が添付された場合は,登記官は,それらの内容が同一で
あることを確認した上,原本を返却するものとする。
(5) 本人確認書面の添付等
(2)の申出書には,申出書(代理人によって申出をする場合にあって
は,当該代理人の権限を証する書面)に申出会社の代表者が商業登記所
に提出している印鑑が押印されている場合を除き,申出書に記載されて
いる申出会社の代表者の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載され
ている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該申出会社
の代表者が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。以下(5)におい
て同じ )を添付しなければならないとされた(規則第6条 。
。 )
なお,申出書に記載されている申出会社の代表者の氏名及び住所と同
一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作
成した証明書が添付されている場合であっても,登記簿に記録されてい
る代表者の氏名及び住所と一致しないときは,代表者の氏名等の変更の
登記をしなければ,申出に応ずることはできない。
2 実質的支配者情報一覧の写しの交付等
登記官は,1(1)の申出が規則第2条から第6条までの規定に基づき適
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正にされたものであることを確認し,かつ,1(3)ア(イ)及び(ウ)並びにイ
により添付された書面並びに申出会社の登記簿に記載又は記録されている
事項と実質的支配者情報一覧の内容とが整合していることを確認したとき
は,実質的支配者情報一覧の写しを交付するものとするとされた(規則第
7条第1項 。)登記官は,実質的支配者情報一覧の写しを交付する場合には,申出に係
る商業登記所に保管された実質的支配者情報一覧の写しである旨の認証文
を付した上で,作成の年月日及び職氏名を記載し,職印を押印するものと
するとされた(規則第7条第2項 。)登記官における実質的支配者情報一覧の写しの交付等に係る事務は,次
の方法によるものとする。
(1) 申出の内容の確認
登記官は,実質的支配者情報一覧の保管及び実質的支配者情報一覧の
写しの交付の申出があったときは,速やかに,申出の内容を確認するも
のとする。この場合において,登記簿に記録されている事項と整合して
いることの確認及び申出書に押印された印鑑が商業登記所に提出されて
いる印鑑と同一のものであることの確認は,申出会社の登記事項証明書
及び印鑑証明書と同一の内容が記載された帳票を登記情報システムから
出力して行うものとする。
(2) 申出の内容に不備がある場合の取扱い
ア 添付された実質的支配者情報一覧の記載に,その他の添付書面並び
に登記簿に記載又は記録されている事項と整合していないなどの誤り
や遺漏がある場合,登記官は,申出をした株式会社の代表者又は代理
人にその内容を伝え,速やかに当該実質的支配者情報一覧の誤り等を
訂正させ,清書された誤りのない実質的支配者情報一覧の添付を求め
るものとする。提供された申出書に誤りがある場合,登記官は,申出
をした株式会社の代表者又は代理人にその内容を伝え,速やかに当該
申出書の誤りを訂正させるものとする。
イ 添付書面が不足している場合,登記官は,申出をした株式会社の代
表者又は代理人に不足している添付書面を伝え,一定の補完期間を設
けてその添付を求めるものとする。
ウ 前記ア又はイに係る不備の補完がされない場合は,次のとおり取り
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扱うものとする。
(ア) 申出をした株式会社の代表者又は代理人に対し,申出書及び添付
書面を返戻する旨を通知するとともに,窓口において返戻を受ける
場合はそのための出頭又は送付によって返戻を受ける場合は必要な
費用の納付を求める。
(イ) 前記(ア)の求めに応じない場合は,申出があった日から起算して
1か月を経過した後,当該申出書及び添付書面を廃棄して差し支え
ない。
(3) 実質的支配者情報一覧の保存
登記官は,提供された申出書の添付書面並びに登記簿に記載又は記録
された事項と実質的支配者情報一覧の内容とが整合していることを確認
したときは,実質的支配者情報一覧の写しの作成のため,次の方法によ
り実質的支配者情報一覧を保存するものとする。
ア 実質的支配者情報番号の採番
登記官は,登記所ごとの実質的支配者情報番号を採番し,申出書の
所定の欄に記入するものとする。
イ 実質的支配者情報の保存
(ア) 登記官は,添付された実質的支配者情報一覧をスキャナを用いて
読み取ることにより電磁的記録に記録して保存するものとする。
(イ) 前記アで採番した実質的支配者情報番号,申出年月日,商号,本
店の所在場所及び会社法人等番号を電磁的記録に記録するものとす
る。
(4) 実質的支配者情報一覧の写しの作成
ア 用紙
実質的支配者情報一覧の写しは,偽造防止措置が施された専用紙を
用いて作成する。
イ 認証文及びその他の付記事項
(ア) 実質的支配者情報一覧の写しに付記する認証文は,次のとおりと
する。
「これは,年月日に申出のあった当局保管に係る実質的支配者情
報一覧の写しである 」。なお,前記(2)アにより誤りのない実質的支配者情報一覧を補完
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させた場合は,その補完がされた日を申出があった日とみなすもの
とする。同様に,前記(2)イにより不足している添付書面を補完さ
せた場合は,不足している添付書面が補完された日を申出があった
日とみなすものとする。
(イ) 実質的支配者情報一覧に登記官が記載する職氏名は,次のとおり
とする。
「何法務局(何地方法務局)何支局(何出張所)登記官 何某」
(ウ) 実質的支配者情報一覧の写しには,次の注意事項を付記するもの
とする。
「これは,会社において作成した実質的支配者情報一覧について,
登記官が各添付書面欄記載の書面と整合することを確認して保管を行
ったものの写しであり,記載されている内容が事実であることを証
明するものではない 」。(5) 実質的支配者情報一覧の写しの交付
ア 商業登記所の窓口における交付の取扱い
窓口において実質的支配者情報一覧の写しを交付するに当たっては,
申出書の受領に際して引換券を交付する等により第三者に交付するこ
とがないよう配意する。
イ 送付による交付の取扱い
実質的支配者情報一覧の写しの交付は,申出会社の申出により,送
付の方法によりすることができるとされた(規則第9条 。この方法)によるときは,申出書に記載された申出会社の本店の所在場所若しく
は申出人である申出会社の代表者又は代理人の住所のうち,申出人で
ある申出会社の代表者又は代理人が希望する送付先に送付するものと
する。
ウ 交付の申出をした株式会社の代表者等が実質的支配者情報一覧の写
しを受け取らない場合の取扱い
実質的支配者情報一覧の写しの交付の申出をした株式会社の代表者
又は代理人が実質的支配者情報一覧の写しを受け取らない場合は,申
出があった日から起算して1か月を経過した後,廃棄して差し支えな
い。
3 実質的支配者情報一覧の写しの再交付の申出
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1(1)の申出をした株式会社は,その申出に係る商業登記所の登記官に
対し実質的支配者情報一覧(当該商業登記所に保管されている最新のもの
に限る )の写しの再交付の申出をすることができるとされた(規則第8。条第1項 。)また,規則第3条から第7条までの規定(第4条を除く )は,再交付。の申出をする場合について準用するとされた(規則第8条第2項 。ただ)し,本人確認書面の添付等(前記1(5)参照)については,再交付の申出
をした株式会社がその本店の所在場所に宛てて送付する方法により写しの
交付を求める場合には,この限りでないとされた(規則第8条第2項ただ
し書 。)そのため,再交付の対象となる実質的支配者情報一覧に記載されている
商号,本店の所在場所又は作成者である申出会社の代表者として記名され
た者について,変更等の登記がされたことにより,登記簿の記録と一致し
ていないときは,再交付の申出に応ずることはできないこととなる(規則
第8条第2項において準用する第7条第1項 。)登記官における実質的支配者情報一覧の写しの再交付に係る事務は,次
の方法によるものとする。
(1) 再交付申出書
再交付の申出は,別記第2号様式又はこれに準ずる様式による申出書
(以下「再交付申出書」という )によってするものとする。。(2) 代理権限を証する書面の添付
代理人によって再交付の申出をするときは,当該代理人の権限を証す
る書面の添付を要する(規則第8条第2項において準用する規則第5
条 。当該書面について,原本の添付に加えて,代理人が原本と相違が)ない旨を記載し,記名をした謄本が添付された場合は,登記官は,それ
らの内容が同一であることを確認した上,原本を返却するものとする。
(3) 本人確認書面の添付等
再交付申出書には,再交付申出書(代理人によって再交付の申出をす
る場合にあっては,当該代理人の権限を証する書面)に再交付の申出を
した株式会社の代表者が商業登記所に提出している印鑑が押印されてい
る場合を除き,再交付申出書に記載されている再交付の申出をした株式
会社の代表者の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市
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町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該申出をした株式会
社の代表者が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。以下(3)にお
いて同じ )を添付しなければならないとされた(規則第8条第2項に。おいて準用する規則第6条 。ただし,再交付の申出をした株式会社が)その本店の所在場所に宛てて送付する方法により写しの交付を求める場)。
合については,この限りでないとされた(規則第8条第2項ただし書
そのため,これに該当する場合には,再交付申出書には,再交付申出書
に記載されている再交付の申出をした株式会社の代表者の氏名及び住所
と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務
上作成した証明書の添付及び再交付の申出をした株式会社の代表者が商
業登記所に提出している印鑑の押印は不要である。
なお,再交付申出書に記載されている再交付の申出をした株式会社の
代表者の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載された市町村長その
他の公務員が職務上作成した証明書が添付されている場合であっても,
登記簿に記録されている代表者の氏名及び住所と一致しないときは,代
表者の氏名等の変更の登記をしなければ,再交付の申出に応ずることは
できない。
(4) 実質的支配者情報一覧の写しの再交付
再交付の申出があった場合の実質的支配者情報一覧の写しの交付の取
扱いは,次のとおりである。
ア 商業登記所の窓口における再交付の取扱い
窓口において実質的支配者情報一覧の写しを交付するに当たっては,
再交付申出書の受領に際して引換券を交付する等により第三者に交付
することがないよう配意する。
イ 送付による再交付の取扱い
実質的支配者情報一覧の写しの再交付は,申出をした株式会社の申
出により,送付の方法によりすることができるとされた(規則第9
条 。この方法による場合は,規則第8条第2項ただし書(前記(3)参)照)に該当するときは,再交付申出書に記載された株式会社の本店の
所在場所宛てに送付するものとし,それ以外のときは,再交付申出書
に記載された株式会社の本店の所在場所又は申出人である申出をした
株式会社の代表者若しくは代理人の住所のうち,申出人である申出を
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した株式会社の代表者又は代理人が希望する送付先に送付するものと
する。
ウ 再交付の申出をした株式会社の代表者等が実質的支配者情報一覧の
写しを受け取らない場合の取扱い
実質的支配者情報一覧の写しの再交付の申出をした株式会社の代表
者又は代理人が実質的支配者情報一覧の写しを受け取らない場合は,
申出があった日から起算して1か月を経過した後,廃棄して差し支え
ない。
4 実質的支配者情報一覧を保管している株式会社から再度の申出があった
場合
商業登記所が既に実質的支配者情報一覧を保管している株式会社から,
実質的支配者情報一覧の保管及び実質的支配者情報一覧の写しの交付に係
る再度の申出があった場合には,新たな申出があったものとして,前記2
と同様の方法により処理を行うこととなる。この場合において,新たな申
出により実質的支配者情報一覧を保管したときは,それ以降の実質的支配
者情報一覧の写しの再交付の請求に対しては,当該保管に係る実質的支配
者情報一覧の写しを交付することとなる(規則第8条第1項参照 。)5 実質的支配者情報一覧つづり込み帳及びその保存期間
(1) 実質的支配者情報一覧つづり込み帳
商業登記所には,実質的支配者情報一覧つづり込み帳を備えるものと
するとされた(規則第10条第1項 。また,実質的支配者情報一覧つ)づり込み帳には,実質的支配者情報一覧並びにその保管及びその写しの
交付の申出(規則第8条第1項に規定する再交付の申出を含む )に関。する書類をつづり込むものとするとされた(規則第10条第2項 。)この実質的支配者情報一覧つづり込み帳につづり込む書類としては,
実質的支配者情報一覧(規則第4条第1項第1号)のほか,申出書(規
則第3条 ,申出書に添付された書面(規則第4条(第1項第1号を除)く )から第6条まで)及び再交付申出書(規則第8条において準用す。る第3条)が該当する。
なお,実質的支配者情報一覧を保管している株式会社について,本店
を他の商業登記所の管轄区域内に移転した場合であっても,実質的支配
者情報一覧につづり込まれている当該株式会社の実質的支配者情報一覧
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等を移転先の商業登記所に移送する等の特段の措置を講ずる必要はなく,
引き続き,申出を受けた商業登記所において保存することとなる。
(2) 実質的支配者情報一覧つづり込み帳の保存期間
実質的支配者情報一覧つづり込み帳の保存期間は,作成した年の翌年
から7年間とするとされた(規則第11条 。)