2020Vol70《今月の注目記事》
●くろまる 京都コングレス及びユースフォーラムの新たな開催日程が決定しました!
●くろまる 全国一斉「女性の人権ホットライン」強化週間を実施します!
●くろまる 令和2年度「再犯防止啓発月間」の主な取組!
●くろまる ウィズ・コロナ,ポスト・コロナにおける新しい"社会を明るくする運動"について
●くろまる 記者が行く!〜SNS利用に関する人権啓発サイトを開設しました〜
●くろまる 法務省で働くひと・しごと紹介
法務省 SDGsロゴマーク
もくじ
《特 集 記 事 》
京 都 コングレス及 びユースフォーラムの
新 たな開 催 日 程 が決 定 しました!
全 国 一 斉 「女 性 の人 権 ホットライン」強 化 週 間 を実 施 します !
令 和 2年 度 「再 犯 防 止 啓 発 月 間 」の主 な取 組 !
ウィズ・コロナ,ポスト・コロナにおける
新 しい"社 会 を明 るくする運 動 "について
2020年 4月 から民 法 (債 権 法 )が改 正 されました!
〜第 3話 (賃 貸 借 )〜
ラオス民 法 典 の施 行 について
外 国 人 材 の受 入 れ・共 生 のための
総 合 的 対 応 策 (令 和 2年 度 改 訂 )について01030507142123《常 設 記 事 》
お答 えします〜検 察 庁 の検 察 官 について〜
記 者 が行 く!
〜SNS利 用 に関 する人 権 啓 発 サイトを開 設 しました〜2526
《連 載 記 事 》293031そんなとき法 テラスがお役 に立 ちます!Vol.50
〜令 和 2年 7月 豪 雨 支 援 関 連 〜
法 制 度 整 備 支 援 の現 場 から
法 務 省 で働 くひと・しごと紹 介 Vol.6
〜法 務 省 に協 力 している民 間 ボランティア(人 権 擁 護 委 員 )〜
《information インフォメーション》
法 務 省 ホームページにおいてチャットボットの運 用 を開 始 しました33あかれんが 第 70号
京 都 コ ン グ レ ス 及 び ユ ー ス フ ォ ー ラ ム の
新 た な 開 催 日 程 が 決 定 し ま し た !
[あかれんが] 2020年 第 70号 1
記 者 会 見 に て メ ッ セ ー ジ を 述 べ ら れ る 前 法 務 大 臣
開 催 延 期 と な っ て い た 「 第 1 4 回 国 連 犯
罪 防 止 刑 事 司 法 会 議 (京 都 コングレス)」 の
新 た な 開 催 日 程 が 以 下 の と お り 決 定 し ま し
た。
【日 時 】
2021年 3月 7日 (日 )〜12日 (金 )6日 間
【場 所 】
国 立 京 都 国 際 会 館 (変 更 なし)
ま た , こ れ に 伴 い , 「 京 都 コ ン グ レ ス ・ ユ ー
ス フ ォ ー ラ ム 」 の 新 た な 開 催 日 程 に つ い て
も,以 下 のとおり決 定 しました。
【日 時 】
2021年 2月 27日 (土 ),28日 (日 )
【場 所 】
国 立 京 都 国 際 会 館 (変 更 なし)
開 催 延 期 と な っ て お り ま し た 第 1 4 回
国 連 犯 罪 防 止 刑 事 司 法 会 議 ( 京 都 コ
ング レス)の新 たな開 催 日 程 が2021年
( 令 和 3 年 ) 3 月 7 日 か ら 3 月 1 2 日 ま で
の6日 間 と決 定 いたしました。
また, こ れに 先 立 ち , 京 都 コング レス ・
ユー スフ ォー ラ ムを2 0 21 年 ( 令 和 3 年 )
2 月 2 7 日 及 び 2 8 日 の 2 日 間 で 開 催 す
ることといたしました。
オ ン ラ イ ン 会 議 シ ス テ ム な ど を 幅 広 く
活 用 し , ウ ィ ズ コ ロ ナ ・ ポ ス ト コ ロ ナ 時 代
に お け る 新 た な 国 際 会 議 の モ デ ル を 示
してまいりたいと思 います。
京 都 コ ン グ レ ス に お い て , 「 法 の 支
配 」 の 重 要 性 を 世 界 に 発 信 す る と と も
に , 日 本 の 安 全 ・ 安 心 を ア ピ ー ル で き る
よう,関 係 機 関 と 連 携 しながら,しっかり
と 開 催 準 備 を 進 め て ま い り た い と 思 い
ます。
森 まさこ前 法 務 大 臣 メッセージ
(令 和 2年 7月 31日 記 者 会 見 )
京 都 コ ン グ レ ス ロ ゴ マ ー ク
京 都 コ ン グ レ ス ・
ユ ー ス フ ォ ー ラ ム ロ ゴ マ ー ク
京 都 コ ン グ レ ス 関 連 の 情 報 に つ い て は ,
今 後 ,随 時 更 新 してまいりますので,京 都 コ
ングレス専 用 ホームページをご覧 ください。
依 然 として,新 型 コロナウイルス感 染 症 を
めぐる 状 況 は 厳 し いで すが, 森 前 法 務 大 臣
からのメッセージにもあるように,新 たな国 際
会 議 の ス タ イ ル を 打 ち 出 す べ く , 国 連 や 関
係 省 庁 , 開 催 地 京 都 等 と 連 携 しながら , 法
務 省 一 丸 と な り 開 催 準 備 業 務 を 進 め て ま
いります。
会 場 で あ る 国 立 京 都 国 際 会 館 の 外 観
国 際 会 館 内 ( R o o m A )
写 真 提 供 : 国 立 京 都 国 際 会 館
京 都 コングレス
公 式 Twitter
京 都 コングレス
専 用 ホームページ
[あかれんが] 2020年 第 70号 2
全 国 一 斉 「 女 性 の 人 権 ホ ッ ト ラ イ ン 」
強 化 週 間 を 実 施 し ま す !
法 務 省 の 人 権 擁 護 機 関 で は , 配 偶 者 や
パー ト ナ ー から の 暴 力 , 職 場 等 に おける セク
シュアル・ハラスメント,ストーカー行 為 といっ
た 女 性 を めぐ る 様 々な 人 権 問 題 に つ い て の
相 談 を 受 け 付 ける 専 門 相 談 電 話 と し て「 女
性 の人 権 ホットライン」(全 国 共 通 ・0570-
0 7 0 - 8 1 0 ( ゼ ロ ナ ナ ゼ ロ の ハ ー ト ラ イ ン ) を
開 設 しています。
「 女 性 の 人 権 ホ ット ラ イ ン」 にダイ ヤル する
と , 最 寄 り の 法 務 局 ・ 地 方 法 務 局 に つ な が
り , 相 談 は , 女 性 の 人 権 問 題 に 詳 し い 法 務
局 職 員 又 は 人 権 擁 護 委 員 が お 受 け し ま
す。相 談 は無 料 で,秘 密 は厳 守 します。
「 女 性 の 人 権 ホ ッ ト ラ イ ン 」
について
ま で ) 」 に 合 わ せ て 「 全 国 一 斉 『 女 性 の 人 権
ホットライン』強 化 週 間 」を実 施 します。
今 年 は 1 1 月 1 2 日 ( 木 ) か ら 1 1 月 1 8 日
( 水 ) ま で の 7 日 間 を 「 全 国 一 斉 『 女 性 の 人
権 ホットライン』強 化 週 間 」とし,平 日 の午 前
8時 30分 から午 後 7時 まで(通 常 時 は午 前
8時 30分 から午 後 5時 15分 まで)相 談 を受
け 付 け る と と も に , 土 曜 日 ・ 日 曜 日 も 午 前 1
0時 から 午 後 5 時 ま で 電 話 相 談 を 受 け 付 け
ます。
強 化 週 間 について
毎 年 , 内 閣 府 の 男 女 共 同 参 画 推 進 本
部 が 実 施 し て い る 「 女 性 に 対 す る 暴 力 を な
く す 運 動 ( 毎 年 1 1 月 1 2 日 か ら11 月 25 日 ま
で ) 」 に 合 わ せ て 「 全 国 一 斉 『 女 性 の 人 権 ホ
ットライン』強 化 週 間 」を実 施 します。
今 年 は 1 1 月 1 2 日 ( 木 ) か ら 1 1 月 1 8 日
( 水 ) ま で の 7 日 間 を 「 全 国 一 斉 『 女 性 の 人
権 ホットライン』強 化 週 間 」とし,平 日 の午 前
8時 30分 から午 後 7時 まで(通 常 時 は午 前
8時 30分 から午 後 5時 15分 まで)相 談 を受
け 付 け る と と も に , 土 曜 日 ・ 日 曜 日 も 午 前 1
0時 から 午 後 5 時 ま で 電 話 相 談 を 受 け 付 け
ます。
ひ と り で 悩 ま ず 電 話 し て
ください
配 偶 者 や パ ー ト ナー か ら の 暴 力 , 職 場 等
に おけ る セク シ ュ ア ル ・ ハ ラ ス メ ント , スト ー カ
ー行 為 など,一 人 で悩 まず,お気 軽 に「女 性
の人 権 ホットライン」にご相 談 ください。また,
皆 さ ん の 周 り で 被 害 に 苦 し ん で い る 人 が い
るときも「女 性 の 人 権 ホット ライ ン」で相 談 が
で き る こ と を 紹 介 し て く だ さ い 。 相 談 を お 待
ちしております。
[あかれんが] 2020年 第 70号 3
に対 し,相 談 内 容 を連 絡 しました。連 絡
を 受 けた B 法 務 局 は , 当 日 中 に 被 害 者
と の 面 談 を 実 施 の 上 , 被 害 者 と と も に
市 役 所 の 担 当 課 に 赴 き , 被 害 者 の 状
況 を説 明 しました。その結 果 , 被 害 者 ら
は 同 日 中 に 婦 人 相 談 所 の シ ェ ル タ ー に
一 時 保 護 されました。
「女 性 の人 権 ホットライン」での相 談 から救 済 措 置 を講 じた事 例
夫 の 暴 力 行 為 か ら 逃 れ る た め , 子 ど
も と と も に 親 族 宅 に 避 難 し て い た 女 性
( 被 害 者 ) か ら , 「 女 性 の 人 権 ホ ッ ト ラ イ
ン」に相 談 がなされました。
被 害 者 が B 県 内 の シ ェ ル タ ー へ の 避
難 を 希 望 し ていた こと から, 相 談 を 受 け
た A 法 務 局 は , 速 や か に B 法 務 局 に 相
談 す る よ う 案 内 す る と と も に , B 法 務 局
に対 し,相 談 内 容 を連 絡 しました。連 絡
を 受 けた B 法 務 局 は , 当 日 中 に 被 害 者
と の 面 談 を 実 施 の 上 , 被 害 者 と と も に
市 役 所 の 担 当 課 に 赴 き , 被 害 者 の 状
況 を説 明 しました。その結 果 , 被 害 者 ら
は 同 日 中 に 婦 人 相 談 所 の シ ェ ル タ ー に
一 時 保 護 されました。
【専 門 相 談 電 話 】
0570-070-810
(ゼロナナゼロハートライン)
【通 常 の受 付 時 間 】
平 日 →午 前 8時 30分 〜午 後 5時 15分
【 強 化 週 間 期 間 中 ( 1 1 月 1 2 日 〜 1 1 月 1 8
日 )の受 付 時 間 】
平 日 →午 前 8時 30分 〜午 後 7時
土 曜 日 ・日 曜 日 →午 前 10時 〜午 後 5時
相 談 フ ォ ー ム に 氏 名 , 住 所 , 年 齢 , 相 談
内 容 等 を 記 入 し て 送 信 す る と , 最 寄 り の 法
務 局 か ら 後 日 , メ ー ル 又 は 電 話 に よ り 回 答
します。
女 性 の 人 権 ホ ッ ト ラ イ ン 相 談 窓 口 ポ ス タ ー
[あかれんが] 2020年 第 70号 4
女 性 の人 権
ホットライン
女 性 の人 権 ホットライン
インターネット人 権 相 談 受 付 窓 口
インターネット
人 権 相 談 受 付 窓 口
令 和 2 年 度 「 再 犯 防 止 啓 発 月 間 」 の 主 な 取 組 !
毎 年 7月 は,再 犯 防 止 推 進 法 が定 める「再 犯 防 止 啓 発 月 間 」です。
今 年 は,新 型 コロナウイルス感 染 症 の感 染 拡 大 防 止 のため,いわゆる「三 つの密 」
を回 避 しつつ,広 報 ・啓 発 活 動 を実 施 しました。
ふ だ ん の 生 活 で は 触 れ る 機 会 の 少 な い
「 再 犯 防 止 」 に つ い て 学 ん だ り , 考 え た り す
る き っ か け と し て い た だ け る よ う , 法 務 省 公
式 Twitterアカウント で,再 犯 防 止 クイズ を
ツイートし,累 計 1 万 名 の方 にご回 答 いただ
きました。
法 務 省 ホ ー ム ペ ー ジ の 再 犯 防 止 啓 発 月
間 ペ ー ジに は , 啓 発 月 間 中 に ツ イ ー ト し たク
イ ズ を まと めて 掲 載 し ており ま す の で , ぜひ ,
皆 さまも挑 戦 してみてください。
●くろまる 犯 罪 や 非 行 を し た 人 が , 社 会 の 中 で
立 ち 直 る こ と を 通 じて, 再 び 罪 を 犯 すこ
とのないようにすることをいいます。
そもそも「再 犯 防 止 」って?
●くろまる 再 犯 防 止 に つ い て , 国 民 の 皆 さ ま に
ご 理 解 ・ ご 関 心 を 深 め て い た だ く た め の
啓 発 月 間 です!
「再 犯 防 止 啓 発 月 間 」って?
再 犯 防 止 クイズの実 施 !
再 犯 防 止 ク イ ズ の イ メ ー ジ
法 務 省 ホームページ
「再 犯 防 止 対 策 」関 連 ページの
全 面 リニューアル!
法 務 省 ホ ー ム ペ ー ジ の 「 再 犯 防 止 対 策 」
関 連 ペ ー ジ に つ い て , よ り 見 や す い デ ザ イ ン
に リ ニ ュ ー ア ル す る と と も に , 閲 覧 す る 方 が
求 め る 情 報 に ア ク セ ス し や す い よ う , ペ ー ジ
構 成 を再 編 成 しました。
「再 犯 防 止 対 策 」関 連 ページでは,「再 犯
防 止 」に関 する 取 組 を詳 しくご紹 介 していま
すので,ぜひ,ご覧 ください。
[あかれんが] 2020年 第 70号 5
再 犯 防 止 クイズはこちら
(再 犯 防 止 啓 発 月 間
ページ)
リ ニュ ー ア ル 後 の
「 再 犯 防 止 対 策 」 フ ロ ン ト ペ ー ジ
「再 犯 防 止 」広 報 コーナーの
特 別 設 置 !
法 務 省 庁 舎 内 待 合 ス ペ ー ス の 様 子
「再 犯 防 止 啓 発 ポスター」の掲 示 !
今 年 は , 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症
の感 染 拡 大 防 止 のため,例 年 ,啓 発 月
間 中 に 開 催 し て い る 「 再 犯 防 止 シ ン ポ
ジ ウ ム 」 を 開 催 で き ま せ ん で し た が , 今
後 , 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 の 感 染
拡 大 防 止 に 配 慮 し つ つ , 再 犯 防 止 シ ン
ポジウム に 代 わる イ ベ ント 等 の 開 催 を 予
定 しています。
イ ベ ン ト 情 報 等 に つ い て は , 引 き 続
き , 法 務 省 公 式 T w i t t e r ア カ ウ ン ト や
「 再 犯 防 止 対 策 」 関 連 ペ ー ジ に 掲 載 し
て い き ま す の で , 皆 さ ま も , ぜ ひ , ご 覧 く
ださい。
「誰 もが犯 罪 による被 害 を受 けることなく,安 全 で安 心 して暮 らせる社 会 」の実 現
に向 け,犯 罪 や非 行 をした人 たちの立 ち直 りにご理 解 とご協 力 をお願 いします。
地 下 鉄 駅 構 内 に 掲 示 さ れ た ポ ス タ ー
「再 犯 防 止 啓 発 ポスター」について,関 係
機 関 等 にご 協 力 いた だき,官 公 庁 や 駅 等 に
多 数 掲 示 していただきました。
法 務 省 庁 舎 1 階 の待 合 スペースに広 報
コ ー ナ ー を 設 置 し , 再 犯 防 止 に 関 す る パ ネ
ルの展 示 や,PR動 画 の放 映 を行 いました。
パ ネ ル は , 現 在 , 法 務 省 赤 れ ん が 棟 3 階
の 法 務 史 料 展 示 室 前 の 再 犯 防 止 常 設 展
示 スペースに展 示 しています。
今 後 の取 組
[あかれんが] 2020年 第 70号 6
「再 犯 防 止 対 策 」
フロントページはこちら
法 務 省 公 式 Twitter
アカウントはこちら
ウ ィ ズ ・ コ ロ ナ , ポ ス ト ・ コ ロ ナ に お け る
新 し い " 社 会 を 明 る く す る 運 動 " に つ い て
[あかれんが] 2020年 第 70号 7
本 年 , " 社 会 を 明 る く す る 運 動 ( 社 明 運
動 )"〜犯 罪 や 非 行 を防 止 し,立 ち直 り を支
える 地 域 のチカ ラ〜は ,第 70回 の節 目 を迎
えまし た。 その た め, 本 年 7 月 の 強 調 月 間 に
お い て は , 例 年 以 上 に 盛 り 上 が り の あ る 運
動 の 展 開 が 期 待 され ていたと ころ です が, こ
の 度 の 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 の 影 響 に
より,予 定 していた企 画 の多 くを断 念 せざる
を得 ない状 況 となりました。
"社 明 "はこれまで,全 国 津 々浦 々で草 の
根 の 広 報 活 動 を 展 開 し て きま し た 。 更 生 保
護 ボ ラ ン テ ィ ア の 方 々 , 地 方 公 共 団 体 や 民
間 団 体 の 方 々 に 御 協 力 い た だ き な が ら , 街
頭 広 報 活 動 や シンポ ジウム 等 , 人 に 直 接 会
っ て 思 い を 伝 え る こ と を 大 切 に 活 動 を 行 っ
てきました。私 たちは,今 回 のような新 型 コロ
ナウイルス感 染 症 の 影 響 下 にあってもなお,
運 動 を 途 絶 え さ せ る こ と な く , 「 広 が り ,つ な
が る 未 来 の 輪 。 」 の キ ャ ッ チ コ ピ ー の も と ,
" 社 明 " へ の 思 い を 未 来 に つ な い で い く た
め , 今 回 の 強 調 月 間 に お い て , ウ ィ ズ ・ コ ロ
ナ,ポスト・コロナを意 識 した2つのイ ベントを
行 いました。ここではそのイベントの模 様 と込
められたメッセージを御 紹 介 します。
間 団 体 の 方 々 に ご 協 力 い た だ き な が ら , 街
頭 広 報 活 動 や シンポ ジウム 等 , 人 に 直 接 会
っ て 思 い を 伝 え る こ と を 大 切 に 活 動 を 行 っ
てきました。私 たちは,今 回 のような新 型 コロ
ナウイルス感 染 症 の 影 響 下 にあってもなお,
運 動 を 途 絶 え さ せ る こ と な く , 「 広 が り ,つ な
が る 未 来 の 輪 。 」 の キ ャ ッ チ コ ピ ー の も と ,
" 社 明 " へ の 思 い を 未 来 に つ な い で い く た
め , 今 回 の 強 調 月 間 に お い て , ウ ィ ズ ・ コ ロ
ナ,ポスト・コロナを意 識 した2つのイ ベントを
行 いました。ここではそのイベントの模 様 と込
められたメッセージをご紹 介 します。
第 70回 "社 会 を明 るくする運 動 "―広 がり,つながる未 来 の輪 。―
キックオフイベント
"社 会 を明 るくする運 動 "強 調 月 間 のキッ
ク オ フ イ ベ ン ト と し て , 令 和 2 年 7 月 1 日
( 水 ) , 法 務 省 内 に お い て , マ ス コ ミ 関 係 者
向 けのイベントを開 催 しました。
このイ ベント は, 例 年 , 7月 1 日 に 行 って い
た 東 京 ・ 有 楽 町 駅 前 の 街 頭 広 報 活 動 が 中
止 になったことを受 けて,これに代 わる形 で,
新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 拡 大 防 止 に 最
大 限 の配 慮 をしながら行 ったものです。
【第 1部 】
義 家 弘 介 前 法 務 副 大 臣 ×ばつ社 明 フ
ラッグアーティスト谷 村 新 司 さん
旗 振 り 役 ) で あ る 谷 村 新 司 さ ん が 登 場 し ,
義 家 前 法 務 副 大 臣 と 「 立 ち 直 り 支 援 」 を テ
ーマにトークセッションを行 いました。
第 1 部 は , 義 家 前 法 務 副 大 臣 の 挨 拶 の
後 , " 社 明 " の フ ラ ッ グ ア ー テ ィ ス ト ( 運 動 の
旗 振 り 役 ) で あ る 谷 村 新 司 さ ん が 登 場 し ,
義 家 法 務 副 大 臣 と 「 立 ち 直 り 支 援 」 を テ ー
マにトークセッションを行 いました。
挨 拶 す る 義 家 弘 介 前 法 務 副 大 臣
[あかれんが] 2020年 第 70号 8
谷 村 新 司 さ ん が , " 社 明 " に 関 わ る よ う に
な っ た き っ か け や , 更 生 保 護 の 現 場 を 訪 問
する「こころをつなぐプロジェクト」等 について
紹 介 さ れ , お 二 人 で , 大 人 が 子 ど も た ち の
立 ち 直 り を 見 守 る 大 切 さ な ど に つ い て 語 り
合 いました。
ト ー ク セ ッ シ ョ ン の 様 子
【第 2部 】
法 務 省 ×ばつ 吉 本 興 業 コ ラ ボ 企 画
制 作 発 表
第 2 部 で は , 昨 年 の 7 月 に 「 よ し も と 社 明
アンバサダー」に任 命 されたバッドボーイズの
佐 田 正 樹 さ ん , 清 人 さ ん が 司 会 者 と し て 登
場 しました。
バ ッ ド ボ ー イ ズ の お 二 人
そ の 後 , 宮 﨑 政 久 前 法 務 大 臣 政 務 官 が
登 場 し , 昨 年 参 加 さ れ た 沖 縄 国 際 映 画 祭
を振 り返 ると,引 き続 いて「よしもと社 明 アン
バサダー 」の「キム 兄 」 こと 木 村 祐 一 さん ,横
澤 夏 子 さん が登 場 し,今 回 制 作 した本 格 シ
ョートムービーをお披 露 目 しました。
「 保 護 司 」 役 を 演 じ た 木 村 祐 一 さ ん
「 更 生 保 護 女 性 会 員 」 役 を 演 じ た 横 澤 夏 子 さ ん
[あかれんが] 2020年 第 70号 9
「あなたは、ひとりじゃない。」 法 務 省 ×ばつ吉 本 興 業 本 編 ショートムービー
「 よ し も と 社 明 ア ン バ サ ダ ー 」 の 木 村 祐 一 さ ん , バ ッ ド ボ ー イ ズ さ ん ,
横 澤 夏 子 さ ん が 更 生 保 護 ボ ラ ン テ ィ ア 役 と なり , 立 ち 直 り の 一 場 面 を
描 いた本 格 ショートムービーです。
続 い て , 漫 画 「 大 家 さ ん と 僕 」 が 大 ヒ ッ ト
中 の矢 部 太 郎 さんが登 場 し,コラボ CMとLI
NEスタンプをお披 露 目 しました。
矢 部 太 郎 さ ん ( 左 ) と C M 動 画 に 登 場 す る
「 保 護 司 さ ん 」 の モ デ ル の 柴 田 保 護 司 ( 右 )
矢 部 さ ん に は コ ラ ボ C M の 制 作 に 当 た っ
て , 更 生 保 護 施 設 「 ス テ ッ プ 押 上 」 と , そ の
施 設 内 にある「更 生 保 護 サポートセンターす
みだ」を訪 問 していただきました。そこでの更
生 保 護 ボランティアとの出 会 いから,本 作 品
である「保 護 司 さんと僕 」が生 まれました。
矢 部 太 郎 「保 護 司 さんと僕 」法 務 省 主 唱 "社 会 を明 るくする運 動 "コラボCM
漫 画 「 大 家 さ ん と 僕 」 が 大 ヒ ッ ト 中 の 矢 部 太 郎 さ ん が , 実 際 に
保 護 司 さんに会 ったことで生 まれた作 品 です。
[あかれんが] 2020年 第 70号 10
最 後 に , 森 ま さ こ 前 法 務 大 臣 が 登 場 し ,
第 70 回 " 社 会 を 明 る くする 運 動 "の 強 調 月
間 のスタート宣 言 をしました。
森 ま さ こ 前 法 務 大 臣 も 登 場
首 相 官 邸 イベント「ミライの出 会 い」
〜ウィズ・コロナ,ポスト・コロナにおける新 しい「出 会 い」と「立 ち直 り」〜
イ ベ ン ト の 概 要
7 月 2 1 日 ( 火 ) に は , 首 相 官 邸 イ ベ ン ト
「 『ミ ラ イ の 出 会 い 』 〜 ウ ィズ ・ コ ロナ , ポス ト ・
コ ロ ナ に お け る 新 し い 『 出 会 い 』 と 『 立 ち 直
り 』〜 」 を 行 いま した 。 出 席 さ れ た の は , 安 倍
晋 三 前 内 閣 総 理 大 臣 , 森 ま さ こ 前 法 務 大
臣 ,"社 明 "フラッグ アー ティスト の谷 村 新 司
さん ,保 護 司 の 本 堂 雄 大 さん , BBS (※(注記))会
員 の古 門 華 子 さんです。
冒 頭 , 森 前 法 務 大 臣 が 本 イ ベ ン ト の 趣 旨 を 説 明
ソ ー シ ャ ル ・ ディ ス タ ン ス を 保 っ た 語 り 合 い
出 席 者 の メ ッ セ ー ジ
■しかく保 護 司 :本 堂 雄 大 さん
「 私 が 保 護 司 に な っ た の は 2 8 歳 の 時 で
す。保 護 司 の 一 般 的 な年 齢 から比 べると 非
常 に 若 く , 大 き な 挑 戦 で し た 。 こ れ ま で 様 々
な 保 護 観 察 対 象 者 と 出 会 い , 信 頼 関 係 の
維 持 に 努 め てきま し た 。 保 護 観 察 終 了 後 も
本 人 から連 絡 を 受 け て,直 接 会 って話 を 聞
く こ と も あ り ま す 。 息 の 長 い 支 援 は 大 切 で
す 。 コ ロ ナ 禍 に お い て も 色 々 な ツ ー ル や チ ャ
ン ネ ル を 用 意 し て , 今 後 も 出 会 い の 場 を 作
り続 けていきたいと思 います。」
[あかれんが] 2020年 第 70号 11
現 在 3 6 歳 。 若 手 保 護 司 の 本 堂 さ ん
■しかくBBS(※(注記))会 員 :古 門 華 子 さん
「大 学 入 学 と 同 時 に BBS会 員 と しての活
動 を 始 め ま し た 。 少 年 と 同 じ 目 線 に 立 っ て
物 を 見 て , 一 緒 に 考 え る こ と が で き る の が と
も だ ち 活 動 で す 。 少 年 に , 少 し で も 広 い 世
界 を 見 て ほ し い , 私 と い る と き は 安 心 で き る
時 間 を 過 ご し て も ら い た い と い う 思 い で 活
動 を し て き ま し た 。 コ ロ ナ 禍 で は , イ ン タ ー ネ
ッ ト を 使 っ た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン な ど で 人 と の
出 会 いを 大 切 に, 幅 を 広 げて 活 動 を 続 け て
いきたいです。」
古 門 さ ん の と も だ ち 活 動 の 様 子 を ス ラ イ ド で 上 映
■しかく"社 明 "フラッグアーティスト:
谷 村 新 司 さん
「 世 界 中 が コ ロ ナ と 戦 っ て い ま す 。 こ の 苦
難 の 中 か ら ど の よ う に 立 ち 直 っ て い く か 。 今
日 は こ の 若 い 二 人 と 出 会 っ て , 活 動 を 聞 く
こ と が で き て , 希 望 の 光 が 見 え て き た , そ ん
な気 が していま す。歌 は心 の 親 友 で す。そ の
思 い の も と , 全 国 各 地 に い ら っ し ゃ る 更 生
保 護 ボ ラ ン テ ィ ア の 皆 さ ん を 応 援 し つ つ ,
" 社 明 " に 携 わ る す べ て の 皆 さ ん に エ ー ル を
送 りながら,一 緒 に歩 いていきたいです。」
「 こ こ ろ を つ な ぐ プ ロ ジ ェ ク ト 」 に お い て 更 生 保 護
施 設 で 製 作 し た 指 輪 を 見 せ る 谷 村 さ ん
安 倍 晋 三 前 内 閣 総 理 大 臣
か ら の メ ッ セ ー ジ
「 社 会 は 支 え 合 い で あ り ま す 。 一 度 罪 を
犯 し た 方 , あ る い は 一 度 非 行 を 行 っ た 子 供
た ち が 再 び 社 会 の 輪 の 中 に 受 け 入 れ ら れ ,
そ し て 責 任 あ る 社 会 人 と し て , ま たそ れ ぞ れ
の 道 を 歩 ん で 行 け る よ う な , そ う い う 日 本 に
していきたいと思 います。
誰 に で も い ろ ん な 失 敗 は あ り ま す 。 R E : ス
タ ー ト , や り 直 し が で き る , 再 チ ャ レ ン ジ が で
きる 社 会 をつ く っ て い く , こ れ が 安 倍 政 権 の
基 本 的 な方 針 であり ますが,そのためにもフ
ラ ッ グ ア ー テ ィ ス ト と し て の 谷 村 さ ん の ご 活
躍 , そ し て 保 護 司 の 皆 さ ん , ま た B B S ( ※(注記) )
の会 員 の皆 さま始 め,たくさんのボランティア
の皆 さんに御 活 躍 いただいて,そういう社 会
をつくっていきたいと,こう思 っています。
[あかれんが] 2020年 第 70号 12
の 会 員 の 皆 さ ん を 始 め , た く さ ん の ボ ラ ン テ
ィ ア の 皆 さ ん に ご 活 躍 い た だ い て , そ う い う
社 会 を つ く っ て い き た い と , こ う 思 っ て い ま
す。
我 々 , 政 府 と し て も 更 生 保 護 を し っ か り と
進 め て い く 上 に お い て も , 地 方 自 治 体 や 関
係 者 の 皆 さ ま と , し っ か り と 手 を 携 え て 明 る
い社 会 をつくっていきたいと思 います。」
メッ セ ー ジ を 語 ら れ る 安 倍 前 内 閣 総 理 大 臣
更 生 保 護 は,"社 会 を明 る くする 運 動 "を
通 じて ,ウィズ ・コ ロナ, ポスト ・コロナ の 時 代
に あって も , 立 ち 直 り に つ ながる 多 様 性 の あ
る出 会 いを生 み出 していきます。
"社 明 "を次 の世 代 に。引 き続 き,皆 さま の
ご協 力 をよろしくお願 いいたします。
新 し い 「 出 会 い 」 を ミ ラ イ へ
これらのイベントの様 子 は,法 務 省 YouTubeチャンネルで配 信 中 で
す。ぜひご覧 ください!
BBSとは?
BBS の 趣 旨 に 賛 同 し, 誠 意 と 熱 意 の ある 方 ならど
なた で も 参 加 で きま す 。 入 会 等 に 関 す る お 問 い 合 わ
せは,保 護 観 察 所 までお願 いいたします。
全 国 の 地 方 更 生 保 護 委 員 会
・ 保 護 観 察 所 一 覧
BBS(Big Brothers and Sisters Movement の略 )
は , 様 々 な 問 題 を 抱 え る 少 年 と , 兄 や 姉 の よ う な 身 近 な 存 在 と
し て 接 し な が ら , 少 年 が 自 分 自 身 で 問 題 を 解 決 し た り , 健 全 に
成 長 し て い く の を 支 援 す る と と も に , 犯 罪 や 非 行 の な い 地 域 社
会 の 実 現 を 目 指 す 青 年 ボ ラ ン テ ィ ア 団 体 で , 全 国 で 約 4 , 5 00
人 の会 員 が参 加 しています。
近 年 では,児 童 福 祉 施 設 における 学 習 支 援 活 動 や 児 童 館 に
おける子 どもとのふれあい行 事 等 も実 施 しています。
B B S 会 の 活 動 風 景
[あかれんが] 2020年 第 70号 13
YouTube法 務 省 チャンネルで動 画 を公 開 中 !!
「YouTube法 務 省 チャンネル(MOJ channel)」にて,
更 生 保 護 ボランティアの広 報 用 動 画 を公 開 中 です!
保 護 司 , 更 生 保 護 女 性 会 , B B S 会 ,
協 力 雇 用 主 と いった更 生 保 護 ボランティ
アの方 々に集 まっていただき,立 ち直 りを
支 え る 大 切 さ に つ い て 語 っ て い た だ き ま
した。
更 生 保 護 ボ ラン テ ィ ア が 罪 を 犯 し た 人
の立 ち直 りを支 えるために,大 切 にしてい
ることとは?
活 動 をしていて嬉 しかったこととは?
第 一 線 で活 動 する 方 々のリアルな意 見
をぜひ,ご覧 ください!
1 8 歳 の 頃 , 少 年 院 に 入 っ た 過 去 の あ
る男 性 。
男 性 の 現 在 の 生 活 に 密 着 し , 自 身 の
経 験 や 現 在 の 仕 事 を 通 して 感 じて いる こ
と , ま た , 保 護 司 を 始 め と す る 支 え て く れ
た人 と の出 会 いにつ いて語 ってもらいまし
た。
犯 罪 や非 行 をした人 が,立 ち直 りを地
域 で 支 え る 「 保 護 司 」 と い う ボ ラ ン テ ィ ア
と の 出 会 い を き っ か け に , 前 を 向 い て 歩
き始 め,愛 おしい家 族 や心 を許 せる友 人
に支 えられながら,立 ち直 っていく様 子 を
描 いたショートムービーです。
2 0 2 0 年 4 月 か ら 民 法
( 債 権 法 )
が 改 正 さ れ ま し た !
〜 第 3 話 ( 賃 貸 借 ) 〜
[あかれんが] 2020年 第 70号 14
法 務 省 民 事 局 参 事 官 室 では ,20 20 年 4 月 1 日 に 施 行 さ れ た 民 法 ( 債 権 法 ) 改
正 の内 容 を皆 さまにお知 らせするため,マンガ「桃 太 郎 と学 ぶ民 法 (債 権 法 )改 正 後
のルール」を作 成 しました。
このマンガについては,新 聞 報 道 でも 取 り上 げられるなど,大 きな反 響 がありまし
た。
この法 務 省 だより「 あかれんが」では,68号 から 第 1 話 の 掲 載 を 始 めました。 全 6
話 の掲 載 を予 定 しております。
「桃 太 郎 と学 ぶ民 法 (債 権 法 )改 正 後 のルール」
マ ン ガ の 表 紙 マ ン ガ の 目 次
[あかれんが] 2020年 第 70号 15
[あかれんが] 2020年 第 70号 16
[あかれんが] 2020年 第 70号 17
[あかれんが] 2020年 第 70号 18
[あかれんが] 2020年 第 70号 19
[あかれんが] 2020年 第 70号 20
次 号 (第 71 号 )は,第 4 話 (消 滅 時 効 )を掲 載 します。つづきが気 になる方 はこちら!
ラ オ ス 民 法 典 の 施 行 に つ い て
2 0 2 0 年 5 月 2 7 日 , ラ オ ス に お い て 初 の
民 法 典 が施 行 されました。
こ の ラ オ ス 民 法 典 は , ラ オ ス 人 の 法 律 家
等 によ る 民 法 典 起 草 委 員 会 のメンバー たち
が , 長 い 時 間 を か け て 議 論 を 重 ね て 法 案 を
起 草 し , さ ら に , 国 民 の 意 見 を 聞 く 手 続 ( パ
ブ リ ッ ク ヒ ア リ ン グ ) な ど も 経 て , 2 0 1 8 年 1 2
月 6 日 に 成 立 し た も の で す 。 民 法 典 の 成 立
に つ い て は , 2 0 1 9 年 6 月 の 法 務 省 だ よ り
「 あ か れ ん が 」 第 6 5 号 ( ラ オ ス 法 制 度 整 備
支 援 2 0 周 年 及 び 民 法 典 成 立 に つ い て ) で
も紹 介 しましたが,今 回 ,その効 力 が発 生 し
たこ と に なり ま す。 こ の 民 法 典 の 起 草 に 当 た
っ て は , 日 本 の 独 立 行 政 法 人 国 際 協 力 機
構 (JICA)と 法 務 省 法 務 総 合 研 究 所 国 際
協 力 部 ( I C D ) が , 大 学 教 授 な ど の 先 生 方
とともに支 援 活 動 を行 ってきました。
民 法 は , 主 に 財 産 関 係 と 家 族 関 係 に つ
い て , 人 と 人 と の 私 的 な 関 係 を 規 律 す る 基
本 法 で あ り , 社 会 で 暮 ら し て い れ ば 誰 で も
関 わ り を 持 つ も の で す 。 物 を 買 っ た り 借 り た
り , 結 婚 し た り 相 続 し た り な ど , 誰 で も 経 験
するであろう行 為 について,民 法 の規 定 する
基 本 的 な ル ー ル が 関 わ っ て いま す 。 ま た , 貸
したお金 が返 ってこない,交 通 事 故 を起 こし
て(起 こされて)しまったなど,民 事 的 なトラブ
ルが起 きた場 合 の解 決 基 準 と なる のも民 法
です 。で すから , 民 法 は 社 会 にと っ て 非 常 に
重 要 で 大 切 な も の で す し , そ の 国 の 社 会 の
実 情 に合 ったものでなくてはなりません。ラオ
ス の 民 法 は , そ の よ う な 点 を 考 慮 し て , ラ オ
ス 社 会 の 実 情 に 合 っ た も の と す る こ と を 意
識 して作 り上 げられたものといえます。
ラ オ ス 民 法 典 ( 施 行 版 )
[あかれんが] 2020年 第 70号 21
ま た , 民 法 の よ う な 法 律 が 実 際 に 運 用 さ
れ る た め に は , 民 法 を 使 っ て 裁 判 な ど の 仕
事 をする 裁 判 官 ,検 察 官 ,弁 護 士 など法 律
家 の 間 で 法 律 の 内 容 や 解 釈 が 普 及 し , 正
確 か つ 適 切 に 取 り 扱 わ れ る こ と が 必 要 で
す 。 そ こ で , 現 在 も , 日 本 と の 協 力 の 下 , ラ
オ ス で 民 法 典 の 研 究 を 行 っ て い る メ ン バ ー
た ち に よ っ て , ラ オ ス 国 内 全 土 の 関 係 機 関
に 対 し て 民 法 典 を 普 及 す る 活 動 が 計 画 さ
れています。
[ あ か れ ん が ] 2020年 第 70号 22
さ ら に , 施 行 さ れ た 民 法 典 が き ち ん と 社
会 に 根 付 い た も の に な る た め に は , 社 会 に
住 む 一 般 の 人 た ち が 民 法 の こ と を 知 っ て い
る こ と が よ り 大 切 と な り ま す 。 そ の た め , ラ オ
スで は, 一 般 市 民 へ 民 法 典 を 普 及 させる た
め の ミ ュ ー ジ ッ ク ビ デ オ が 作 成 さ れ た り , 民
法 関 連 グ ッズ (ポスター や 団 扇 )が 作 成 さ れ
たりしています。
今 後 も 普 及 活 動 や 広 報 活 動 が 着 実 にな
さ れ , 施 行 さ れ た 民 法 典 が ラ オ ス 社 会 に 根
付 いたものとなっていくことを願 ってやみませ
ん。
ラ オ ス 民 法 典 普 及 広 報 グ ッ ズ ( ポ ス タ ー ) ラ オ ス 民 法 典 普 及 広 報 グ ッ ズ ( 団 扇 )
外 国 人 材 の 受 入 れ ・ 共 生 の た め の 総 合 的
対 応 策 ( 令 和 2 年 度 改 訂 ) に つ い て
[あかれんが] 2020年 第 70号 23
総 合 的 対 応 策 が策 定 された経 緯
近 年 ,訪 日 外 国 人 旅 行 者 数 は増 加 の一
途 をたどっ ており , 平 成 30 年 には 約 3 ,000
万 人 を超 えました。
平 成 30年 12月 8日 ,深 刻 な人 手 不 足 に
対 応 す る た め , 一 定 の 専 門 性 ・ 技 能 を 有 し
即 戦 力 と な る 外 国 人 材 を 真 に 必 要 な 分 野
に限 って受 入 れるため,改 正 出 入 国 管 理 及
び 難 民 認 定 法 が 成 立 し , 新 た な 在 留 資 格
で あ る 「 特 定 技 能 1 号 」 及 び 「 特 定 技 能 2
号 」が 創 設 される こと を踏 まえ,外 国 人 材 の
受 入 れ ・ 共 生 の た め の 取 組 を , 政 府 一 丸 と
な っ て , よ り 強 力 に , か つ , 包 括 的 に 推 進 し
て い く 観 点 か ら , 同 月 2 5 日 , 「 外 国 人 材 の
受 入 れ ・ 共 生 に 関 す る 関 係 閣 僚 会 議 」 に お
い て , 「 外 国 人 材 の 受 入 れ ・ 共 生 の た め の
総 合 的 対 応 策 」 ( 以 下 「 総 合 的 対 応 策 」 と
いう。)を決 定 しました。
総 合 的 対 応 策 の概 要
総 合 的 対 応 策 は , 外 国 人 材 を 適 正 に 受
け入 れ,共 生 社 会 の 実 現 を 図 る こと によ り,
日 本 人 と 外 国 人 が 安 心 し て 安 全 に 暮 ら せ
る社 会 の実 現 に寄 与 するという目 的 を達 成
す る た め , 外 国 人 材 の 受 入 れ ・ 共 生 に 関 し
て,目 指 すべき方 向 性 を示 すものです。その
た め に , 労 働 環 境 , 教 育 , 医 療 , 住 宅 な ど
生 活 の 様 々 な 場 面 を 想 定 し た 施 策 を 設 け
ています。
また,我 が国 に在 留 する外 国 人 も令 和 元
年 末 時 点 で 2 9 3 万 人 , 我 が 国 で 就 労 す る
外 国 人 も 令 和 元 年 1 0 月 末 時 点 で 1 6 6 万
人 と,それぞれ過 去 最 高 を記 録 しています。
現 在 , 新 型 コ ロ ナ ウ イ ルス 感 染 症 の 影 響
に よ り , 来 日 す る 外 国 人 は 減 少 し て い ま す
が , 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 が 収 束 し た
後 に 回 復 す る こ と を 見 据 え , 引 き 続 き 外 国
人 の 受 入 れ 環 境 の 整 備 に 取 り 組 ん で い く
必 要 があります。
令 和 2 年 7 月 , 関 連 施 策 の 実 施 状 況 を
踏 ま え , 外 国 人 材 の 受 入 れ 環 境 整 備 を 更
に 充 実 ・ 推 進 さ せ る 観 点 か ら 総 合 的 対 応
策 の改 訂 を行 い,政 府 全 体 で191の施 策 を
盛 り 込 み ま し た 。 法 務 省 に 関 連 し た 主 な 施
策 は次 のとおりです。
【 法 務 省 に 関 連 し た 主 な 施 策 】
●くろまる 外 国 人 材 の 受 入 れ 促 進 の た め の 就
労 を 希 望 す る 外 国 人 材 と 企 業 と の マ ッ
チング支 援
●くろまる暮 らしやすい地 域 社 会 づくりのための
外 国 人 受 入 環 境 整 備 交 付 金 を 通 じ た
地 方 公 共 団 体 への支 援 拡 大
●くろまる令 和 2年 7月 6日 に開 所 した「外 国 人
在 留 支 援 セ ン タ ー ( ※(注記) ) 」 ( 東 京 都 新 宿
区 コ モ レ 四 谷 ビ ル 1 3 階 ) に お け る 関 係
機 関 と 連 携 した効 果 的 ・効 率 的 な支 援
の実 施
令 和 2年 度 における改 訂 について
[あかれんが] 2020年 第 70号 24
また,これらに加 え,新 型 コロナウイルス感
染 症 の影 響 により解 雇 され,実 習 が継 続 困
難 と な っ た 技 能 実 習 生 等 に 対 す る 雇 用 維
持 支 援 措 置 の 着 実 な 実 施 等 , 新 型 コ ロ ナ
ウイルス感 染 症 の影 響 を受 ける外 国 人 に対
する支 援 策 も盛 り込 まれています。
法 務 省 と し て は , 引 き 続 き , 外 国 人 と の
共 生 社 会 の 実 現 に 向 け , 改 訂 さ れ た 総 合
的 対 応 策 に 盛 り 込 ま れ た 施 策 に つ い て , 関
係 省 庁 と共 に着 実 に実 施 していきます。
外 国 人 在 留 支 援 センター
(FRESC/フレスク)
出 入 国 在 留 管 理 庁 ( 在 留 支 援 ) , 東 京
出 入 国 在 留 管 理 局 ( 在 留 相 談 ) , 東 京 法
務 局 人 権 擁 護 部 ( 人 権 相 談 ) , 法 テ ラ ス
( 法 律 相 談 ) , 厚 生 労 働 省 東 京 労 働 局 ( 労
働 相 談 ) , 東 京 外 国 人 雇 用 サ ー ビ ス セ ン タ
ー(就 職 相 談 )等 が入 居 しています。
外 国 人 在 留 支 援 セ ン タ ー 内
コ モ レ 四 谷 ビ ル 外 観
お 答 え し ま す
〜 検 察 庁 の 検 察 官 に つ い て 〜
[あかれんが] 2020年 第 70号 25
検 察 官 は , 警 察 か ら 送 致 さ れ た 事 件 等
を 捜 査 し , 裁 判 所 に 起 訴 す る か ど う か を 決
めるなどの仕 事 をしています。
また,起 訴 された事 件 の公 判 (裁 判 )に立
ち 会 い , 裁 判 所 に 証 拠 を 提 出 し た り , 証 人
尋 問 を 行 っ た り し て , 被 告 人 ( 起 訴 さ れ た
者 ) が 罪 を 犯 し た こ と な ど を 証 明 し ま す 。 証
拠 調 べ の 終 了 後 , 被 告 人 にどのよ うな 刑 罰
を 与 え る べ き か に つ い て 裁 判 所 に 意 見 を 述
べます。
有 罪 の 裁 判 の 確 定 後 は , そ の 執 行 を 指
揮 し ま す 。 そ の 他 公 益 の 代 表 者 と し て 法 令
に定 められた事 務 を行 います。
検 察 官 は ど の よ う な 仕 事 を
していますか?Q1Q2
検 察 官 になるには,どのよう
な資 格 が必 要 ですか?
●くろまる 司 法 試 験 に 合 格 し た 後 , 司 法 修 習 を 終
えた者
●くろまる裁 判 官 (判 事 ・判 事 補 )
●くろまる弁 護 士
●くろまる 3 年 以 上 特 定 の 大 学 に お い て 法 律 学 の
教 授 又 は助 教 授 の職 にあった者
●くろまる 3 年 以 上 副 検 事 の 職 に あ っ て , 検 察 官
特 別 考 試 に合 格 した者
上 記 の 者 が, 検 事 に な る ための 資 格 を 持
ち ま す 。 ま た , 検 察 事 務 官 等 の 一 定 の 公 務
員 が 特 定 の 試 験 に 合 格 す る と 副 検 事 に な
ることができます。
検 察 官 の付 けているバッジには
どのような意 味 がありますか?Q3検 察 官 のバッジの形 は,紅 色 の旭 日 に菊
の花 弁 と 葉 があ しらわ れています。その 形 が
秋 に お り る 霜 と 夏 の 厳 し い 日 差 し の 組 合 せ
にみえる こと から,厳 正 な検 事 の 職 務 と その
理 想 像 と が 相 ま っ て 「 秋 霜 烈 日 ( し ゅ う そ う
れ つ じ つ ) の バ ッ ジ 」 と 呼 ば れ て い る よ う で
す。Q1検 察 官 の バ ッ ジ
記 者 が 行 く !
〜 S N S 利 用 に 関 す る 人 権 啓 発 サ イ ト を 開 設 し ま し た 〜
【記 者 】
皆 さま,こんにちは!
令 和 2年 7月 21日 ,インターネット上 の人 権 侵 害 の深 刻 化 を踏 まえ,SNS事 業 者 団 体 及 び
総 務 省 と共 同 して,「#No Heart No SNS 」(ノーハート ノーエスエヌエス)をスローガンに,
S NS 利 用 に 関 する 人 権 啓 発 サイ ト が 開 設 さ れました。そこで , 今 号 は, 人 権 啓 発 サイ ト に つ い
て,人 権 擁 護 局 の 担 当 者 にお 話 を 伺 いまし た。併 せて , 大 臣 記 者 会 見 時 に 使 用 する バ ックパ
ネルに込 めた想 いについてもお 話 しいただきました。
動 の強 調 事 項 として掲 げ,様 々な人 権 啓 発
活 動 に 取 り 組 ん できま した。 し かし ,イ ンター
ネ ッ ト 上 の 情 報 に よ っ て 人 権 が 侵 害 さ れ る
事 案 が 増 加 し て い ま す 。 最 近 で は , 新 型 コ
ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 の 影 響 が 広 が る 中 で ,
感 染 症 に 関 連 す る 誹 謗 中 傷 が 数 多 く 見 ら
れ,ま た, S NS 上 で 誹 謗 中 傷 を 受 けた 被 害
者 が 亡 くなる と い った 事 案 が 発 生 する など ,
重 大 な社 会 問 題 となっています。
こう し た 状 況 を 受 け て , S NS 利 用 者 の 情
報 リテラシーを高 め,また,被 害 に遭 ったとき
の対 応 方 法 や 相 談 窓 口 などを広 く知 っても
ら う た め , S N S 事 業 者 団 体 や 総 務 省 と 共
同 し , S N S 利 用 に 関 す る 人 権 啓 発 サ イ ト を
開 設 しました。
このスローガンは,「SNSはハートをつなげ
る も の 。 誰 か を 傷 つ け る た め に あ る ん じ ゃ な
い ! 」 と い う 想 い を 込 め た も の で す 。 S N S を
利 用 す る 全 て の 方 が , こ の ス ロ ー ガ ン を 胸
に,SNSの正 しい利 用 を心 掛 けてくれること
を願 っています。
また,できる だけ 多 くの 方 にこ の 取 組 を 知
ってもらえるよう,「#No Heart No SNS 」
の ハ ッ シ ュ タ グ を 使 用 し て い た だ き , 周 知 に
ご協 力 をお願 いします。
イ ン タ ー ネ ッ ト 上 で の 誹 謗 中 傷 等 の 書 き
込 み は , 同 様 の 書 き 込 み を 次 々 と 誘 発 し ,
取 り 返 し のつ か ない 重 大 な 人 権 侵 害 につ な
がるものであり ,決 してあってはならないもの
です。
人 権 擁 護 局 で は , こ れ ま で も , 「 イ ン タ ー
ネ ッ ト に よ る 人 権 侵 害 を な く そ う 」 を 啓 発 活
動 の強 調 事 項 として掲 げ,様 々な人 権 啓 発
[あかれんが] 2020年 第 70号 26
人 権 啓 発 サ イ ト を 開 設 し た き っ
かけを教 えてください。
「#No Heart No SNS」のス
ローガンの意 味 を教 えてください。
「 S N S は ハ ー ト を つ な げ る も の 。 誰 か を 傷 つ け る た め
に あ る ん じ ゃ な い ! 」 の 想 い を 込 め た ス ロ ー ガ ン
[あかれんが] 2020年 第 70号 27
こ の サ イ ト で は , S N S を 利 用 す る 全 て の
方 に 向 け て , 誰 か を 傷 つ け ない た め に , 書 き
込 みや 投 稿 を する 前 に 考 えて ほ し いこと ,そ
し て , も し も S N S 上 で 誹 謗 中 傷 な ど の 被 害
に 遭 っ た 場 合 の 対 応 と し て , 書 き 込 み の 削
除 を 依 頼 す る 方 法 や 相 談 窓 口 の 案 内 な ど
を掲 載 しています。
一 人 で悩 まず,まずは相 談 していただきた
い で す 。 啓 発 サ イ ト か ら 法 務 省 イ ン タ ー ネ ッ
ト 相 談 窓 口 に リ ン ク を 貼 っ て い ま す の で , 活
用 してください。
全 国 の 法 務 局 ・ 地 方 法 務 局 で は , 電 話
や メー ルなどによ り ,人 権 に 関 する 相 談 を 受
け 付 け て い ま す 。 お 話 を 聞 い て , 誹 謗 中 傷
の書 き 込 みの削 除 を依 頼 する 方 法 について
助 言 し た り , 場 合 に よ って は , 法 務 局 か ら プ
ロ バイ ダ に 対 し て , 削 除 の 要 請 を 行 っ た り し
ています。
実 行 し て い た だ く に は , 多 く の 方 に , 繰 り 返
し メ ッ セ ー ジ を 伝 え て い く こ と が 必 要 だ と 考
え,「書 き込 む前 に相 手 の立 場 に立 ってみよ
う」,「その投 稿 ,大 丈 夫 ですか」というメッセ
ー ジを記 載 したバック パネルを作 成 し, 法 務
大 臣 の記 者 会 見 の際 に使 用 しています。
ま た , S N S 上 で 誹 謗 中 傷 等 を 受 け た 場
合 に,自 分 を守 る ためにどのような方 法 があ
る の か を 知 っ て お く こ と も 大 切 だ と 思 い ま
す。被 害 に遭 い,傷 つ いている 中 では,適 切
な判 断 や 対 応 が難 しい場 合 もある でしょう。
そん なと き に 相 談 する こと が できる 窓 口 が あ
る と いうこと だけでも,ぜひ知 っておいてい た
だければと思 います。
人 権 啓 発 サイトで は,どのような
方 に 向 け て , ど の よ う な 内 容 が 掲
載 されていますか。
S N S を 利 用 し て 傷 つ く よ う な こ
とがあった場 合 ,どのように対 処 し
たらよいですか。
S N S を 利 用 す る 際 に , 心 掛 け る
べきことがあれば教 えてください。
自 分 の 書 き 込 み が 他 の 誰 か を 傷 つ け る も
の で は な い か , 投 稿 す る 前 に 一 度 立 ち 止 ま
り,相 手 の立 場 に立 って考 えていただきたいと
思 います。
こ れ を 全 て の S N S を 利 用 す る 全 て の 方 に
実 行 していただくには,多 くの方 に,繰 り返
人 権 擁 護 局 の バ ッ ク パ ネ ル
法 務 省 人 権 擁 護 局
ホームページ
人 権 啓 発 サイト
#No Heart No SNS
[あかれんが] 2020年 第 70号 28
そ ん な と き 法 テ ラ ス が お 役 に 立 ち ま す ! V o l .5 0
〜 令 和 2 年 7 月 豪 雨 支 援 関 連 〜
[あかれんが] 2020年 第 70号 29
法 制 度 整 備 支 援 の 現 場 か ら
[あかれんが] 2020年 第 70号 30
皆 さ ん は , 「 法 制 度 整 備 支 援 」 と 聞 い て
何 を思 い浮 かべますか?
多 くの方 は,日 本 が, これまで様 々な国 に
お い て , 道 路 , 鉄 道 , 橋 , ダ ム , 水 道 , 電 気
な ど , 国 の 土 台 と な る 基 盤 の 整 備 に 協 力 し
て き た こ と を ご 存 知 だ と 思 い ま す 。 実 は , 法
務 省 が行 っている 法 制 度 整 備 支 援 もそうし
た 協 力 の 一 つ で す 。 た だ し , 道 路 や 鉄 道 で
あ れ ば そ れ が 完 成 す れ ば す ぐ に 誰 で も 生 活
が便 利 になったこと を実 感 できますが,法 律
が 制 定 さ れ た か ら と い っ て , 「 こ の 法 律 の お
かげで便 利 になった!」などと 実 感 する 経 験
を持 つ人 はむしろ少 ないでしょう。法 は,どの
よ う な 社 会 に お い て も , 人 々 の 安 全 で 豊 か
な 生 活 を 支 え る 不 可 欠 な 基 盤 で す が , そ れ
が 機 能 す る に は こ れ を 作 る だ け で は 不 十 分
で あ り , で き あ が っ た 法 を き ち ん と 運 用 で き
る 担 い 手 を 育 成 す る 必 要 が あ る 上 , そ の 法
が人 々 の 意 識 ,そして 社 会 に 根 付 く には, さ
らに長 い時 間 がかかります。
そ れ だ け 時 間 の か か る 試 み を 日 本 が ベ ト
ナムで 開 始 してから, 今 年 で 約 25 年 を 迎 え
ます。 当 初 ,ベト ナムの市 場 経 済 化 を支 える
た め の 民 法 , 民 事 訴 訟 法 等 の 個 別 法 の 整
備 支 援 か ら 始 ま り , 時 代 の 変 化 に 応 じ て ,
人 材 育 成 や 組 織 強 化 が図 られ, 2015 年 か
ら 始 ま っ た 現 在 の プ ロ ジ ェ ク ト で は , 制 定 さ
れた法 令 間 の 不 整 合 の改 善 や ,よ り 適 切 な
法 運 用 を 目 指 す 活 動 が 進 め ら れ て いま す。
202 0 年 の 今 年 は , こ のプ ロ ジェ クト の 最 終
年 であるとともに,2021年 以 降 の支 援 の在
り 方 を考 える 大 きな節 目 を迎 えていると ころ
です。
プロジェクトオフィスには,裁 判 官 , 検 事 ,
弁 護 士 出 身 の 専 門 家 らが 集 ま り , それぞ れ
の 立 場 で 培 っ た 経 験 を も と に , 日 々 悩 み な
がらベトナムの人 たちと 議 論 しています。ベト
ナ ム に と っ て ど の よ う な ル ー ル を 作 る の が 一
番 よ い の か , ベ ト ナ ム の 歴 史 , 社 会 , 文 化 を
踏 ま え て 重 ね る 議 論 は , 国 の 枠 組 み や 人 づ
く り を 支 え る お 手 伝 い に ほ か な り ま せ ん 。 目
に 見 え づ ら く , 時 間 の か か る 地 道 な 活 動 で
す が , 法 に 基 づ く 社 会 の 発 展 が 日 本 と ベ ト
ナ ム の 友 好 関 係 を 一 層 深 め る こ と に つ な が
ることを願 い, 日 々の 業 務 に 向 き合 っていま
す。
ベトナム長 期 派 遣 専 門 家
検 事 横 幕 孝 介
プ ロ ジ ェ ク ト オ フィ ス の
長 期 派 遣 専 門 家 や ス タ ッ フ ら の 皆 さ ん
[あかれんが] 2020年 第 70号 31
人 権 擁 護 委 員 ってどんな人 ?
人 権 相 談 の 風 景
法 務 省 で 働 く ひ と ・ し ご と 紹 介 V o l .6
〜 法 務 省 に 協 力 し て い る 民 間 ボ ラ ン テ ィ ア ( 人 権 擁 護 委 員 ) 〜
人 権 が 大 切 な も の で あ る こと を 国 民 に 知
っても らう ため , 市 区 町 村 長 か ら 推 薦 さ れ ,
法 務 大 臣 か ら 委 嘱 さ れ て 活 動 す る 民 間 人
で す 。 現 在 約 1 4 , 0 0 0 名 の 委 員 が 全 国 に
配 置 され,活 動 を行 っています。Q1人 権 擁 護 委 員 っ て ど ん な
ことをしているの?
氏 名 : 岩 崎 保 ( 人 権 擁 護 委 員 )
委 嘱 年 : 平 成 2 5 年
所 属 : 東 京 都 人 権 擁 護 委 員 連 合 会Q2人 権 擁 護 委 員 の 活 動 は 主 に 3 つ あ り ま
す。
1 国 民 一 人 一 人 の 人 権 意 識 を 高 め
るための人 権 啓 発 活 動 を行 う。
主 な 啓 発 活 動 は, 人 権 週 間 における
「 街 頭 啓 発 活 動 」 や ス ポ ー ツ 団 体 と 連
携 し た 体 験 型 啓 発 活 動 , 小 ・ 中 学 生 な
ど を 対 象 に し た 「 人 権 教 室 」 「 人 権 の 花
運 動 」 「 全 国 中 学 生 人 権 作 文 コ ン テ ス
ト 」 が あ り ま す 。 最 近 で は , 高 校 ・ 大 学 ・
企 業 等 で人 権 研 修 を実 施 しています。
2人 権 相 談 に応 じる。
法 務 局 ・ 地 方 法 務 局 ・ 支 局 に設 置 さ
れ て い る 常 設 相 談 所 や 市 区 町 村 の 特
設 相 談 所 で , 電 話 や 面 接 に よ り 人 権 に
関 わる 悩 みや 不 安 を抱 える 人 々の相 談
を 受 け て い ま す 。 ま た , 全 国 の 小 ・ 中 学
生 に 子 ど も の 人 権 S O S ミ ニ レ タ ー を 配
布 し , 手 紙 に よ る 相 談 に 応 じ て い ま す 。
最 近 で は, S NS によ る 人 権 相 談 への 対
応 も試 行 しています。
3 人 権 侵 害 に よ る 被 害 者 を 救 済 す
るための活 動 をする。
「人 権 を 侵 害 さ れた」と いう 被 害 者 か
ら の 申 告 を 受 け て , 救 済 手 続 を 開 始 し
ます。人 権 擁 護 委 員 は ,法 務 局 の 職 員
と 協 力 し て , 人 権 侵 犯 事 件 の 調 査 ・ 救
済 活 動 に 当 た り ま す 。 被 害 者 と の 面 接
で は , 人 権 擁 護 委 員 の 同 席 が 安 心 感
を与 えることもあります。
[あかれんが] 2020年 第 70号 32
人 権 擁 護 委 員 の や り が い
って何 ?Q3私 は , 小 学 校 校 長 を 退 職 し て 人 権 擁 護
委 員 に 委 嘱 さ れ ま し た 。 学 校 教 育 に 長 く 関
わってきたので,「人 権 教 室 」や「人 権 講 話 」
を 依 頼 さ れ る こ と が 数 多 く あ り ま す 。 そ ん な
要 望 に 応 え て , 小 ・ 中 学 生 と 本 音 で 話 し 合
い , 人 権 の 大 切 さ を 一 緒 に 考 え ま す 。 後 に
送 ら れ て 来 る 子 ど もた ちの 感 想 文 で 感 謝 の
言 葉 を読 むと,うれしさが増 します。
人 権 教 室 の 風 景
令 和 2 年 度 人 権 擁 護 委 員 制 度 周 知 ポ ス タ ー
法 務 省 ホ ー ム ペ ー ジ に お い て
チ ャ ッ ト ボ ッ ト の 運 用 を 開 始 し ま し た
令 和 2 年 7 月 2 0 日 ( 月 ) , 法 務 省 ホ ー ム
ページにおいて,チャットボット (※(注記))の運 用 を
開 始 しました。
法 務 省 の 施 策 に つ い て , 皆 さ ま が 知 り た
い情 報 をより簡 便 に得 られるよう,チャットボ
ットを,ぜひ,ご活 用 し ていただけたら 幸 いで
す。
今 後 , 利 便 性 の 更 な る 向 上 に 向 け て , チ
ャットボット での問 合 せが可 能 な情 報 の量 と
質 の充 実 を図 ってまいります。
[あかれんが] 2020年 第 70号 33
法 務 省 ホ ー ム ペ ー ジ に 導 入 し た チ ャ ッ ト ボ ッ ト
チャットボットとは?
「 チ ャ ッ ト ボ ッ ト ( chatbot ) 」 と は , 「 チ ャ ッ
ト ( 会 話 ) 」 と 「 ボ ッ ト ( ロ ボ ッ ト ) 」 を 組 み 合 わ
せ た 造 語 で , 自 動 会 話 プ ロ グ ラ ム の こ と で
す。