参考仮訳
議長,
まず始めに,
貴殿が今次会合の議長に選出されたことにつ
き,お祝い申し上げます。
また,
ユーリー・フェドートフUNODC事務局長のリー
ダーシップ及び全ての事務局職員の本会合への準備作業に
感謝申し上げます。
議長及び皆様,
本コミッションは,京都コングレス前の最後の会合です。
本日,皆様に一言お伝えしたいことがあります。
ぜひとも京都コングレスにお越しください。
私は,一人の刑事司法実務家として,皆様のほか,世界中
の検察官,警察官,裁判官,刑務官,保護観察官ほか全ての
刑事司法実務家の皆様に,
京都コングレスへの積極的な関与
を呼びかけます。
コングレスは,これまでもそうでしたが,今後も,我々実
務家にとって最も重要なグローバルフォーラムであり続け
ます。
1955年の開始以来,コングレスは,犯罪防止・刑事司
法に関する実務的な事項について国際対話の中心となり続
けてきました。
このことは,
京都コングレスにおいても変わりありません。
京都コングレスのテーマは,
「2030アジェンダの達成
に向けた犯罪防止,刑事司法及び法の支配の推進」です。
これは大変重要な目標です。
しかし,
このゴールの達成のための推進力を担うのは誰で
しょうか。
それは,我々実務家だと思います。
犯罪を捜査し,被害者や社会に対し正義を追求するのは,
我々です。
犯罪者の更生を支援するのは,我々です。
実社会に対しインパクトを与え,
あまねく法の支配を実現
するのは,我々です。
それゆえ,私は,この場において呼びかけます。刑事司法
実務家の皆様におかれては,
御自身の経験や知見を京都コン
グレスの議論に反映していただきたいと。
議長,
我々は,
安全な社会,
そして持続可能な発展を達成するた
め,あらゆる努力を払わなければなりません。
他方で,
我々のみでは,
自らに課された責務を実現できな
いことも自覚せねばなりません。
刑事司法機関外の人々,
とりわけ,
地域コミュニティーや
市民との協働も同じく重要です。
京都コングレスのワークショップトピックの1つである
「再犯防止」を例に挙げてみたいと思います。
釈放後,刑務所出所者は,住むところが必要です。
定職も必要となります。
しかしながら,刑務所ができることにも限界があります。
住居や雇用の提供は,
地域コミュニティーの果たすべき役
割です。
地域コミュニティーは,刑務所出所者の居住先を確保し,
彼らの自立を支援できます。
地域の事業主は,刑務所出所者を雇用し,給与を支払い,
彼らが独立して生計を立てることを支援できます。
我々は,
彼らに協力を求めることをためらうべきではあり
ません。
むしろ,
罪を犯した人の社会復帰という目標の達成のため
には,
地域コミュニティーと協働することこそが我々の責務
であり,それが,
「誰一人取り残さない」社会への歩みとな
ります。
そして,
一般市民の法及び法執行に対する信頼,
すなわち
法遵守の文化は,
今申し上げた地域コミュニティーとの協働
の基礎となるものです。
この点については,
日本は,
この午前中の全体会合終了直
後,1階(地階)でサイドイベントを開催します。
議長,
最後に,京都コングレスに関するビデオを御覧いただき,
締め括らせていただきたいと思います。
来年4月,
京都で皆様とお会いすることを楽しみにしてい
ます。
ありがとうございました。